JP2009031603A - 投影光学系、露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

投影光学系、露光装置及びデバイス製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】結晶構造起因の複屈折の影響を低減して優れた結像性能を実現する投影光学系を提供する。
【解決手段】第1の物体面の像を第2の物体面に投影する投影光学系であって、前記第2の物体面から順に配置され、等方結晶で構成された少なくとも4つの光学部材を有し、前記少なくとも4つの光学部材は、<1 1 1>の結晶軸を光軸方向に配向させた光学部材と<1 0 0>の結晶軸を光軸方向に配向させた光学部材とを交互に配置することによって構成され、前記少なくとも4つの光学部材を、前記第1の物体面から、第1の光学部材、第2の光学部材、第3の光学部材、第4の光学部材とした場合において、前記第1の光学部材、前記第2の光学部材、前記第3の光学部材及び前記第4の光学部材の各々を通過する光線と光軸とのなす角の最大角度θ1、θ2、θ3、θ4は、|θi−θj| < 5° (i、j=1、2、3、4)を満足することを特徴とする投影光学系を提供する。
【選択図】図2

Description

本発明は、レチクルのパターンの像を基板に投影する投影光学系に関する。
フォトリソグラフィー(焼き付け)技術を用いて半導体メモリや論理回路などの微細な半導体デバイスを製造する際に、投影露光装置が従来から使用されている。投影露光装置は、レチクル(マスク)に描画された回路パターンを投影光学系によってウエハ等に投影して回路パターンを転写する。
投影露光装置で転写できる最小の寸法(解像度)は、露光光の波長に比例し、投影光学系の開口数(NA)に反比例する。従って、半導体デバイスの微細化への要求に伴い露光光の短波長化及び投影光学系の高NA化が進んでいる。特に、近年では、投影光学系の高NA化の一手段として、液浸露光技術を用いた投影光学系(液浸投影光学系)が注目されている。ここで、液浸露光技術とは、投影光学系の最終レンズ(最終面)とウエハとの間を液体で満たすことによって、投影光学系の高NA化を更に進めるものである。
液浸投影光学系においては、一般的に、最終レンズとウエハとの間を満たす液体として純水が用いられ、最終レンズの硝材として石英が用いられており、開口数1.35程度が構成上の限界値となっている。そこで、純水の屈折率よりも高い屈折率を有する液体と、石英の屈折率よりも高い屈折率を有する硝材とを用いることで、開口数を1.5又は1.65以上まで大きくしようとする提案がなされている。
現在では、波長193nmの光を透過し、石英の屈折率よりも高い屈折率を有する硝材として、LuAG(LuAl12)が注目されている。但し、LuAGは結晶硝材であるため、結晶構造起因の複屈折を含んでいる。また、屈折率が大きくなるにつれて、結晶構造起因の複屈折は大きくなる傾向がある。例えば、CaF(フッ化カルシウム)においては、波長193nmの光に対する屈折率は1.506であり、結晶構造起因の複屈折が最大で3.4nm/cmとなる。一方、LuAGにおいては、波長193nmの光に対する屈折率は2.14であり、結晶構造起因の複屈折が最大で30nm/cmとなる。
等方結晶硝材(平板形状)の結晶構造起因の複屈折分布を図23に示す。図23(a)は、<1 1 1>の結晶軸(結晶方位)周りの複屈折分布を示し、図23(b)は、<1 0 0>の結晶軸(結晶方位)周りの複屈折分布を示している。図23において、径方向の位置は光線の通過角度を示し、同径方向は光線の通過方位角を示している。また、短線の長さは相対複屈折量を示し、短線の向きは複屈折の進相軸方位を示している。
図23を参照するに、等方結晶硝材の結晶構造起因の複屈折は、<1 0 0>の結晶軸方位及び<1 1 1>の結晶軸方位で0となり、<1 1 0>の結晶軸方位で最大となる。従って、<1 0 0>及び<1 1 1>の結晶軸を投影光学系の光軸に配向させた場合、開口数を大きくしていくと通過光線角度が大きくなり、結晶構造起因の複屈折が大きくなってしまう。
そこで、結晶構造起因の複屈折を補正するために、最終レンズと同じ結晶硝材又は最終レンズと同程度の複屈折を有する結晶硝材を投影光学系を構成する他のレンズに用いると共に、かかる結晶硝材の光軸周りの組み込み角度を制御する技術が提案されている。また、結晶構造起因の複屈折を補正する他の技術も従来から提案されている(特許文献1及び2参照)。
一方、結晶構造起因の複屈折を補正するためには、結晶硝材を通過する光線(通過光線)と光軸とのなす角の最大角度が同程度であることが好ましく、そのような構成の光学系も提案されている(特許文献3参照)。
更には、結晶硝材の光軸周りの組み込み角度を規定するだけではなく、光線の進行方向に対して、結晶硝材の順序を考慮して配置することによって、結晶構造起因の複屈折を補正する技術も提案されている(特許文献4参照)。
特開2004−45692号公報 特開2006−113533号公報 米国特許出願公開第2007/0035848号明細書 国際公開第2006/089919号パンフレット
特許文献1は、通過光線と投影光学系の光軸とのなす角の最大角度が30°以上の結晶硝材に関して、<1 0 0>の結晶軸を投影光学系の光軸に配向させて結晶構造起因の複屈折を効率よく補正する技術を開示している。しかしながら、特許文献1は、結晶構造起因の複屈折が非常に大きい(例えば、複屈折が20nm/cmを超える)高屈折率結晶材料については考慮していない。このような高屈折率結晶硝材の場合には、<1 0 0>の結晶軸を投影光学系の光軸に配向させた結晶硝材だけではなく、<1 1 1>の結晶軸を投影光学系の光軸に配向させた結晶硝材の条件も規定しなければ、結晶構造起因の複屈折の補正は困難である。
特許文献2は、最終レンズと最終レンズに隣接するレンズに、結晶構造起因の複屈折の符号が互いに反対となるMgO(酸化マグネシウム)とCaO(酸化カルシウム)を用いることで、高屈折率結晶硝材の結晶構造起因の複屈折を補正する技術を開示している。しかしながら、特許文献2では、MgO及びCaOについて、結晶構造起因の複屈折が低減するような結晶軸配置とだけ記載されており、具体的な結晶軸配置が規定されていない。更に、実際には、露光装置に用いることができるような高品質のMgOやCaOは存在せず、開発も行われていない。
特許文献3(図2)は、通過光線と光軸とのなす角の最大角度が同程度となるように結晶硝材を配置し、結晶構造起因の複屈折を補正する技術を開示している。しかしながら、特許文献3(図2)は、結晶硝材の曲率半径について考慮していない。結晶硝材の曲率半径も規定しなければ、結晶構造起因の複屈折の補正は困難である。
特許文献4は、<1 0 0>の結晶軸を投影光学系の光軸に配向させた結晶硝材と<1 1 1>の結晶軸を投影光学系の光軸に配向させた結晶硝材とを交互に配置することによって、結晶構造起因の複屈折を補正する技術を開示している。しかしながら、特許文献4は、結晶硝材の光軸周りの組み込み角度に対する配置順序について考慮していない。少なくとも6つ以上の結晶硝材を配置する場合、結晶硝材の光軸周りの組み込み角度に対する配置順序の条件も規定しなければ、結晶構造起因の複屈折の補正は困難である。
そこで、本発明は、結晶構造起因の複屈折の影響を低減して優れた結像性能を実現する投影光学系を提供することを例示的目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一側面としての投影光学系は、第1の物体面の像を第2の物体面に投影する投影光学系であって、前記第2の物体面から順に配置され、等方結晶で構成された少なくとも4つの光学部材を有し、前記少なくとも4つの光学部材は、<1 1 1>の結晶軸を光軸方向に配向させた光学部材と<1 0 0>の結晶軸を光軸方向に配向させた光学部材とを交互に配置することによって構成され、前記少なくとも4つの光学部材を、前記第1の物体面から、第1の光学部材、第2の光学部材、第3の光学部材、第4の光学部材とした場合において、前記第1の光学部材、前記第2の光学部材、前記第3の光学部材及び前記第4の光学部材の各々を通過する光線と光軸とのなす角の最大角度θ1、θ2、θ3、θ4は、|θi−θj| < 5° (i、j=1、2、3、4)を満足することを特徴とする。
本発明の別の側面としての投影光学系は、第1の物体面の像を第2の物体面に投影する投影光学系であって、前記第2の物体面から順に配置され、等方結晶で構成された少なくとも6つの光学部材を有し、前記少なくとも6つの光学部材は、<1 1 1>の結晶軸を光軸方向に配向させた光学部材と<1 0 0>の結晶軸を光軸方向に配向させた光学部材とを交互に配置することによって構成され、前記少なくとも6つの光学部材を、前記第1の物体面から順に、第1の光学部材、第2の光学部材、第3の光学部材、第4の光学部材、第5の光学部材及び第6の光学部材とした場合において、前記第2の光学部材、前記第3の光学部材、前記第5の光学部材及び前記第6の光学部材の各々の光軸周りの角度Φ2、Φ3、Φ5、Φ6は、m、nを整数、ηを<1 1 1>の結晶軸が光軸方向に配置されていれば120°、<1 0 0>の結晶軸が光軸方向に配置されていれば90°として、Φ2=Φ6+m×η±5°及びΦ3=Φ5+n×η±5°を満足することを特徴とする。
本発明の更に別の側面としての投影光学系は、第1の物体面の像を第2の物体面に投影する投影光学系であって、前記第2の物体面から順に配置され、等方結晶で構成された少なくとも8つの光学部材を有し、前記少なくとも8つの光学部材は、<1 1 1>の結晶軸を光軸方向に配向させた光学部材と<1 0 0>の結晶軸を光軸方向に配向させた光学部材とを交互に配置することによって構成され、前記少なくとも8つの光学部材を、前記第1の物体面から、第1の光学部材、第2の光学部材、第3の光学部材、第4の光学部材、第5の光学部材、第6の光学部材、第7の光学部材及び第8の光学部材とした場合において、前記第1の光学部材、前記第2の光学部材、前記第3の光学部材、前記第4の光学部材、前記第5の光学部材、前記第6の光学部材、前記第7の光学部材及び前記第8の光学部材の各々の光軸周りの角度Φ1、Φ2、Φ3、Φ4、Φ5、Φ6、Φ7、Φ8は、m、n、o、pを整数、ηを<1 1 1>の結晶軸が光軸方向に配置されていれば120°、<1 0 0>の結晶軸が光軸方向に配置されていれば90°として、Φ1=Φ7+m×η±5°、Φ2=Φ6+n×η±5°、Φ3=Φ5+o×η±5°及びΦ4=Φ8+p×η±5°を満足することを特徴とする。
本発明の更に別の側面としての投影光学系は、第1の物体面の像を第2の物体面に投影する投影光学系であって、前記第2の物体面から順に配置され、等方結晶で構成された少なくとも8つの光学部材を有し、前記少なくとも8つの光学部材は、<1 1 1>の結晶軸を光軸方向に配向させた光学部材と<1 0 0>の結晶軸を光軸方向に配向させた光学部材とを交互に配置することによって構成され、前記少なくとも8つの光学部材を、前記第1の物体面から、第1の光学部材、第2の光学部材、第3の光学部材、第4の光学部材、第5の光学部材、第6の光学部材、第7の光学部材及び第8の光学部材とした場合において、前記第1の光学部材、前記第2の光学部材、前記第3の光学部材、前記第4の光学部材、前記第5の光学部材、前記第6の光学部材、前記第7の光学部材及び前記第8の光学部材の各々の光軸周りの角度Φ1、Φ2、Φ3、Φ4、Φ5、Φ6、Φ7、Φ8は、m、n、o、pを整数、ηを<1 1 1>の結晶軸が光軸方向に配置されていれば120°、<1 0 0>の結晶軸が光軸方向に配置されていれば90°として、Φ1=Φ5+m×η±5°、Φ2=Φ8+n×η±5°、Φ3=Φ7+o×η±5°及びΦ4=Φ6+p×η±5°を満足することを特徴とする。
本発明の更なる目的又はその他の特徴は、以下、添付図面を参照して説明される好ましい実施例によって明らかにされるであろう。
本発明によれば、例えば、結晶構造起因の複屈折の影響を低減して優れた結像性能を実現する投影光学系を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施の形態について説明する。なお、各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一側面としての投影光学系100の全体を示す図である。図2は、投影光学系100の構成の一例を示す概略断面図であって、投影光学系100を構成する光学部材(レンズ)のうち第2の物体面IMG近傍の光学部材を示す。図1において、AXは投影光学系100の光軸を示し、OBJはレチクル面に相当する第1の物体面を示し、IMGはウエハ面に相当する第2の物体面を示す。
投影光学系100は、第1の物体面OBJ(レチクルのパターン)の像を第2の物体面IMGに投影する光学系であり、図2に示すように、第2の物体面IMGから順に配置された少なくとも4つの光学部材を有する。投影光学系100は、本実施形態では、第1の物体面OBJから順に、光学部材(第1の光学部材)111と、光学部材(第2の光学部材)112と、光学部材(第3の光学部材)113と、光学部材(第4の光学部材)114とを有する。また、投影光学系100は、光学部材114と第2の物体面IMGとの間の空間が高屈折率を有する液体で満たされた液浸投影光学系である。
光学部材111乃至114は、高屈折率を有する等方結晶(例えば、LuAG)で構成され、最終レンズ(レンズ群)110を形成する。光学部材111乃至114のうち、2つの光学部材に関しては、<1 1 1>の結晶軸が光軸AXに配向しており、残りの2つの光学部材に関しては、<1 0 0>の結晶軸が光軸AXに配向している。2つの<1 1 1>の結晶軸部材を光軸周りに異なる相対角度で組み込むことによって、瞳内複屈折分布の非対称成分を打ち消し合い小さくすることが可能となる。また、2つの<1 0 0>の結晶軸部材を光軸周りに異なる相対角度で組み込むことによって、2つの<1 1 1>の結晶軸部材で強め合う瞳内複屈折分布の回転対称成分を打ち消して小さくすることが可能となる。このように、<1 1 1>の結晶軸が光軸AXに配向された光学部材を少なくとも2つ、<1 0 0>の結晶軸が光軸AXに配向された光学部材を少なくとも2つ用いることで、光学部材の各々で発生する結晶構造起因の複屈折を打ち消すことが可能となる。更に、<1 1 1>の結晶軸が光軸AXに配向された光学部材と<1 0 0>の結晶軸が光軸AXに配向された光学部材とを交互に配置することで、光学部材の各々で発生する複屈折を打ち消すことが可能となる。
<1 1 1>の結晶軸を光軸AXに配向した光学部材は、結晶軸と光軸AXとのなす角ξが以下の数式1を満足するように、配置されることが好ましい。また、<1 0 0>の結晶軸を光軸AXに配向した光学部材も同様に、結晶軸と光軸AXとのなす角ξが以下の数式1を満足するように、配置されることが好ましい。
(数1)
|ξ|<2°
数式1を満足せず、結晶軸と光軸AXとのなす角ξの角度が大きくなってしまうと、光学部材の各々で発生する各像点に相当する光束の瞳内における複屈折分布の対称性が悪化してしまう。その結果、光学部材111乃至114の組み込み角を規定して最終レンズ110で発生する結晶構造起因の複屈折を補正する効果が低減し、複屈折を良好に打ち消すことが困難になる。換言すれば、数式1を満足するように光学部材111乃至114を配置することによって、最終レンズ110で発生する結晶構造起因の複屈折を効率よく補正することができる。
図2に示す投影光学系100において、光学部材111乃至114の各々の第1の物体面側の面の曲率半径は、以下の数式2を満足する。なお、R1は光学部材111の第1の物体面側の面の曲率半径、R2は光学部材112の第1の物体面側の面の曲率半径、R3は光学部材113の第1の物体面側の面の曲率半径、R4は光学部材114の第1の物体面側の面の曲率半径である。
(数2)
R1<R2<R3<R4
図2に示す投影光学系100は、上述した光学部材111乃至114に関する条件を満たすことによって、20nm/cmを超える結晶構造起因の複屈折が光学部材111乃至114に含まれていても互いに打ち消すことができる。換言すれば、投影光学系100は、4つの光学部材111乃至114で生じる結晶構造起因の複屈折を小さくすることができる。
また、図2に示す投影光学系100において、光学部材111乃至114の各々における光軸AXと光束MLとの最大角度は、以下の数式3を満足することが好ましい。これにより、4つの光学部材111乃至114で生じる結晶構造起因の複屈折を小さくすることができる。なお、光束MLは、光学部材111乃至114を通過する光線(通過光線)のうち光軸AXとなす角の角度が最大となる光線を含む最大像高の光束である。また、θ1は光学部材111における光軸AXと光束MLとの最大角度、θ2は光学部材112における光軸AXと光束MLとの最大角度である。更に、θ3は光学部材113における光軸AXと光束MLとの最大角度、θ4は光学部材114における光軸AXと光束MLとの最大角度である。
(数3)
|θi−θj| < 5° (i、j=1、2、3、4)
光学部材111乃至114を等方結晶で構成した場合、光学部材111乃至114の各々を通過する光線の角度(通過光線角度)によって発生する結晶構造起因の複屈折量が異なる。従って、<1 1 1>又は<1 0 0>の結晶軸を光軸AXに配向させた場合、通過光線角度が大きくなるにつれて発生する複屈折量が大きくなる。この場合、光学部材111乃至114の各々を通過する光線と光軸AXとのなす角の角度差が大きくなる(即ち、数式3を満足しない)と、光学部材の各々で発生する各像点に相当する光束の瞳内の複屈折量が大きくなってしまう。その結果、光学部材111乃至114の結晶軸や組み込み角度を規定して最終レンズ110で発生する複屈折を補正する効果が低減し、複屈折を良好に打ち消すことが困難になる。一方、数式3を満足していれば、上述したように、最終レンズ110で発生する結晶構造起因の複屈折を効率よく補正することができる。
次に、図3を参照して、投影光学系100の構成の別の例について説明する。図3は、投影光学系100の構成の別の例を示す概略断面図であって、投影光学系100を構成する光学部材(レンズ)のうち第2の物体面IMG近傍の光学部材を示す。
投影光学系100は、図3に示すように、第2の物体面IMGから順に配置された少なくとも6つの光学部材を有する。投影光学系100は、本実施形態では、第1の物体面OBJから順に、光学部材(第1の光学部材)121と、光学部材(第2の光学部材)122と、光学部材(第3の光学部材)123とを有する。更に、投影光学系100は、光学部材(第4の光学部材)124と、光学部材(第5の光学部材)125と、光学部材(第6の光学部材)126とを有する。また、投影光学系100は、光学部材126と第2の物体面IMGとの間の空間が高屈折率を有する液体で満たされた液浸投影光学系である。
光学部材121乃至126は、高屈折率を有する等方結晶(例えば、LuAG)で構成され、最終レンズ(レンズ群)120を形成する。光学部材121乃至126のうち、3つの光学部材に関しては、<1 1 1>の結晶軸が光軸AXに配向しており、残りの3つの光学部材に関しては、<1 0 0>の結晶軸が光軸AXに配向している。<1 1 1>の結晶軸が光軸AXに配向された光学部材と<1 0 0>の結晶軸が光軸AXに配向された光学部材とを交互に配置することで、光学部材の各々で発生する複屈折を打ち消すことが可能となる。
図3に示す投影光学系100において、光学部材121乃至126の各々の光軸周りの角度(相対角度)は、以下の数式4を満足する。なお、光学部材121の光軸周りの角度(相対角度)を角度Φ1、光学部材122の光軸周りの角度(相対角度)を角度Φ2、光学部材123の光軸周りの角度(相対角度)を角度Φ3とする。また、光学部材124の光軸周りの角度(相対角度)を角度Φ4、光学部材125の光軸周りの角度(相対角度)を角度Φ5、光学部材126の光軸周りの角度(相対角度)を角度Φ6とする。
(数4)
Φ2=Φ6+m×η±5°
Φ3=Φ5+n×η±5°
数式4において、m、nは整数である。ηは、<1 1 1>の結晶軸が光軸AXに配向された光学部材(数式4の上式では光学部材122及び光学部材126であり、数式4の下式では光学部材123及び光学部材125である)の場合には120°である。また、<1 0 0>の結晶軸が光軸AXに配置された光学部材の場合には、ηは90°である。これは、図23(a)を参照するに、<1 1 1>の結晶軸が光軸に配向された光学部材では、結晶構造起因の複屈折分布は、<1 1 1>の結晶軸を中心として120°回転させると元の分布と同じ分布となり、120°の回転対称性を有するためである。同様に、図23(b)を参照するに、<1 0 0>の結晶軸が光軸に配向された光学部材では、結晶構造起因の複屈折分布は、<1 0 0>の結晶軸を中心として90°回転させると元の分布と同じ分布となり、90°の回転対称性を有するためである。換言すれば、数式4は、光学部材122と光学部材126の各結晶軸方向を一致させること、及び、光学部材123と光学部材125の各結晶軸方向を略一致させることを意味している。
光学部材122と光学部材126の各結晶軸方位の角度差、及び、光学部材123と光学部材125の各結晶軸方位の角度差が大きくなってしまう場合を考える。この場合、光学部材122と光学部材126の結晶構造起因の複屈折の対称性、及び、光学部材123と光学部材125の結晶構造起因の複屈折の対称性が悪化してしまう。その結果、光学部材121乃至126の組み込み角を規定して最終レンズ120で発生する結晶構造起因の複屈折を補正する効果が低減し、複屈折を良好に打ち消すことが困難になる。
一方、数式4に示すように、光学部材122と光学部材126の各結晶軸方向の光軸周りの相対角度差、及び、光学部材123と光学部材125の各結晶軸方向の光軸周りの相対角度差を±5°の間にする場合を考える。この場合、光学部材122と光学部材126の結晶構造起因の複屈折の対称性、及び、光学部材123と光学部材125の結晶構造起因の複屈折の対称性は維持される。従って、最終レンズ120で発生する結晶構造起因の複屈折を効率よく補正することができる。
図3に示す投影光学系100は、上述した光学部材121乃至126に関する条件を満たすことによって、20nm/cmを超える結晶構造起因の複屈折が光学部材121乃至126に含まれていても互いに打ち消すことができる。換言すれば、投影光学系100は、6つの光学部材121乃至126で生じる結晶構造起因の複屈折を小さくすることができる。
また、図3に示す投影光学系100において、光学部材121乃至126の各々の第1の物体面側の面の曲率半径は、以下の数式5を満足することが好ましい。これにより、6つの光学部材121乃至126で生じる結晶構造起因の複屈折を小さくすることができる。なお、R1は光学部材121の第1の物体面側の面の曲率半径、R2は光学部材122の第1の物体面側の面の曲率半径、R3は光学部材123の第1の物体面側の面の曲率半径である。R4は光学部材124の第1の物体面側の面の曲率半径、R5は光学部材125の第1の物体面側の面の曲率半径、R6は光学部材126の第1の物体面側の面の曲率半径である。
(数5)
R1<R2<R3<R4<R5<R6
また、図3に示す投影光学系100において、光学部材121乃至126の各々における光軸AXと光束MLとの最大角度は、以下の数式6を満足することが好ましい。これにより、6つの光学部材121乃至126で生じる結晶構造起因の複屈折を小さくすることができる。なお、θ1は光学部材121における光軸AXと光束MLとの最大角度、θ2は光学部材122における光軸AXと光束MLとの最大角度、θ3は光学部材123における光軸AXと光束MLとの最大角度である。θ4は光学部材124における光軸AXと光束MLとの最大角度、θ5は光学部材125における光軸AXと光束MLとの最大角度、θ6は光学部材126における光軸AXと光束MLとの最大角度である。
(数6)
|θi−θj| < 5°(i、j=1、2、3、4、5、6)
また、光学部材121乃至126の各々について、光軸方向と結晶軸との関係と光軸周りの角度(相対角度)との関係を含む方向配置は、数珠順列で構成されている。換言すれば、光学部材121乃至126の各々の方向配置は、数珠順列の構成に対して同等の効果を得ることができる。ここで、数珠順列とは、図4に示すように、6つの要素が順番にa、b、c、d、e、fと並んでいる場合に、a乃至fのいずれか1つから、右回りに読み上げる順序と、左回りに読み上げる順序を意味する。例えば、光学部材121の方向配置をP1、光学部材122の方向配置をP2、光学部材123の方向配置をP3、光学部材124の方向配置をP4、光学部材125の方向配置をP5、光学部材126の方向配置をP6とした場合を考える。この場合、光学部材121乃至126の各々に対する方向配置P1乃至P6の数珠順列の構成は図5で示される。図5において、1行目は光学部材121乃至126を示し、2行目乃至13行目は光学部材121乃至126の各々の方向配置を示す。
次に、図6を参照して、投影光学系100の構成の更に別の例について説明する。図6は、投影光学系100の構成の更に別の例を示す概略断面図であって、投影光学系100を構成する光学部材(レンズ)のうち第2の物体面IMG近傍の光学部材を示す。
投影光学系100は、図6に示すように、第2の物体面IMGから順に配置された少なくとも8つの光学部材を有する。投影光学系100は、本実施形態では、第1の物体面OBJから順に、光学部材(第1の光学部材)131と、光学部材(第2の光学部材)132と、光学部材(第3の光学部材)133と、光学部材(第4の光学部材)134とを有する。更に、投影光学系100は、光学部材(第5の光学部材)135と、光学部材(第6の光学部材)136と、光学部材(第7の光学部材)137と、光学部材(第8の光学部材)138とを有する。また、投影光学系100は、光学部材138と第2の物体面IMGとの間の空間が高屈折率を有する液体で満たされた液浸投影光学系である。
光学部材131乃至138は、高屈折率を有する等方結晶(例えば、LuAG)で構成され、最終レンズ(レンズ群)130を形成する。光学部材131乃至138のうち、4つの光学部材に関しては、<1 1 1>の結晶軸が光軸AXに配向しており、残りの4つの光学部材に関しては、<1 0 0>の結晶軸が光軸AXに配向している。<1 1 1>の結晶軸が光軸AXに配向された光学部材と<1 0 0>の結晶軸が光軸AXに配向された光学部材とを交互に配置することで、光学部材の各々で発生する複屈折を打ち消すことが可能となる。
図6に示す投影光学系100において、4つの<1 1 1>の結晶軸部材のうち2つの結晶軸部材は同じ相対角αで組み込まれ、残りの2つの結晶軸部材は相対角αとは異なる相対角βで組み込まれる。更に、4つの<1 0 0>の結晶軸部材のうちの2つの結晶軸部材は同じ相対角γで組み込まれ、残りの2つの結晶軸部材は相対角γとは異なる相対角δで組み込まれる。換言すれば、8つの光学部材131乃至138は、2つの光学部材毎に同じ方向配置で組み込まれるため、全体として、4つの方向配置で組み込まれる。更に、光学部材131及び137は同じ方向配置で組み込まれ、光学部材132及び136を同じ方向配置で組み込まれ、光学部材133及び135を同じ方向配置で組み込まれ、光学部材134及び138を同じ方向配置で組み込まれる。
図6に示す投影光学系100において、光学部材131乃至138の各々の光軸周りの角度(相対角度)は、以下の数式7又は数式8を満足する。なお、光学部材131の光軸周りの角度(相対角度)を角度Φ1、光学部材132の光軸周りの角度(相対角度)を角度Φ2、光学部材133の光軸周りの角度(相対角度)を角度Φ3、光学部材134の光軸周りの角度(相対角度)を角度Φ4とする。また、光学部材135の光軸周りの角度(相対角度)を角度Φ5、光学部材136の光軸周りの角度(相対角度)を角度Φ6、光学部材137の光軸周りの角度(相対角度)を角度Φ7、光学部材138の光軸周りの角度(相対角度)を角度Φ8とする。
(数7)
Φ1=Φ7+m×η±5°
Φ2=Φ6+n×η±5°
Φ3=Φ5+o×η±5°
Φ4=Φ8+p×η±5°
(数8)
Φ1=Φ5+m×η±5°
Φ2=Φ8+n×η±5°
Φ3=Φ7+o×η±5°
Φ4=Φ6+p×η±5°
数式7及び数式8において、m、n、o、pは整数である。ηは、<1 1 1>の結晶軸が光軸AXに配向された光学部材の場合には120°であり、<1 0 0>の結晶軸が光軸AXに配置された光学部材の場合には90°である。
図6に示す投影光学系100は、上述した光学部材131乃至138に関する条件を満たすことによって、20nm/cmを超える結晶構造起因の複屈折が光学部材131乃至138に含まれていても互いに打ち消すことができる。換言すれば、投影光学系100は、8つの光学部材131乃至138で生じる結晶構造起因の複屈折を小さくすることができる。
また、図6に示す投影光学系100において、光学部材131乃至138の各々の第1の物体面側の面の曲率半径は、以下の数式9を満足することが好ましい。これにより、8つの光学部材131乃至138で生じる結晶構造起因の複屈折を小さくすることができる。なお、R1は光学部材131の第1の物体面側の面の曲率半径、R2は光学部材132の第1の物体面側の面の曲率半径、R3は光学部材133の第1の物体面側の面の曲率半径、R4は光学部材134の第1の物体面側の面の曲率半径である。R5は光学部材135の第1の物体面側の面の曲率半径、R6は光学部材136の第1の物体面側の面の曲率半径、R7は光学部材137の第1の物体面側の面の曲率半径、R8は光学部材138の第1の物体面側の面の曲率半径である。
(数9)
R1<R2<R3<R4<R5<R6<R7<R8
また、図6に示す投影光学系100において、光学部材131乃至138の各々における光軸AXと光束MLとの最大角度は、以下の数式10を満足することが好ましい。これにより、8つの光学部材131乃至138で生じる結晶構造起因の複屈折を小さくすることができる。なお、θ1は光学部材131における光軸AXと光束MLとの最大角度、θ2は光学部材132における光軸AXと光束MLとの最大角度、θ3は光学部材133における光軸AXと光束MLとの最大角度である。θ4は光学部材134における光軸AXと光束MLとの最大角度、θ5は光学部材135における光軸AXと光束MLとの最大角度、θ6は光学部材136における光軸AXと光束MLとの最大角度である。θ7は光学部材137における光軸AXと光束MLとの最大角度、θ8は光学部材138における光軸AXと光束MLとの最大角度である。
(数10)
|θi−θj| < 5° (i、j=1、2、3、4、5、6、7、8)
また、光学部材131乃至138の各々について、光軸方向と結晶軸との関係と光軸周りの角度(相対角度)との関係を含む方向配置は、数珠順列で構成されている。換言すれば、光学部材131乃至138の各々の方向配置は、数珠順列の構成に対して同等の効果を得ることができる。例えば、光学部材131の方向配置をQ1、光学部材132の方向配置をQ2、光学部材133の方向配置をQ3、光学部材134の方向配置をQ4とする。また、光学部材135の方向配置をQ5、光学部材136の方向配置をQ6、光学部材137の方向配置をQ7、光学部材138の方向配置をQ8とする。この場合、光学部材131乃至138の各々に対する方向配置Q1乃至Q8の数珠順列の構成は図7で示される。図7において、1行目は光学部材131乃至138を示し、2行目乃至17行目は光学部材131乃至138の各々の方向配置を示す。
以下、本発明に係る投影光学系100について具体的に説明する。
図8は、実施例1の投影光学系100の構成を示す概略断面図であり、投影光学系100を構成するレンズのうち第2の物体面IMG近傍のレンズを示す。実施例1の投影光学系100は、1.55の開口数(NA)を有する。また、実施例1の投影光学系100は、図2に示す投影光学系100の構成が適用されており、複数のレンズと、少なくとも1つの反射部材とを含む反射屈折型の投影光学系である。
実施例1の投影光学系100は、第2の物体面IMGから順に、レンズL114と、レンズL113と、レンズL112と、レンズL111とを含む。レンズL111乃至L114は、波長193nmの光に対して2.14の屈折率を有するLuAGで構成され、最終レンズ(レンズ群)110を形成する。実施例1の投影光学系100を構成する図示しない他のレンズは、石英で構成される。
実施例1の投影光学系100において、像高は12.5mm乃至66.0mmまで使用可能であり、26×7mmスリットの有効領域を確保している。実施例1の投影光学系100の数値諸元表を図9に示す。図9において、第1列はレンズL111乃至L114、第2列はレンズL111乃至L114の各々に対応した各面の曲率半径(mm)、第3列は各面の軸上間隔(mm)、第4列は硝材、第5列は方向配置を示す。
実施例1の投影光学系100において、レンズL114と第2の物体面IMGとの間の空間には、1.80の屈折率を有する液体が満たされている。
レンズL111は、<1 1 1>の結晶軸を光軸AX(光軸方向)に配向させており、<1 0 0>の結晶軸の光軸垂直面への射影像をy軸方向に配向させている。このような方向配置を<1 1 1−0°>と称する(図9参照)。なお、図8では、紙面に垂直な方向をx軸(紙面の表側から裏側に向かう方向をプラス方向)とし、右手系の座標系を定義している。
レンズL112は、<1 0 0>の結晶軸を光軸AX(光軸方向)に配向させており、<0 0 1>の結晶軸の光軸垂直面への射影像をy軸方向に配向させている。このような方向配置を<1 0 0−0°>と称する(図9参照)。
レンズL113は、<1 1 1>の結晶軸を光軸AX(光軸方向)に配向させており、<1 0 0>の結晶軸の光軸垂直面への射影像とy軸方向とのなす相対角度(光軸周り)が60°±120°×n(nは整数)となるように配向させている。このような方向配置を<1 1 1−60°>と称する(図9参照)。
レンズL114は、<1 0 0>の結晶軸を光軸AX(光軸方向)に配向させており、<0 0 1>の結晶軸の光軸垂直面への射影像とy軸方向とのなす相対角度(光軸周り)が45°±90°×m(mは整数)となるように配向させている。このような方向配置を<1 0 0−45°>と称する(図9参照)。
レンズL111乃至L114の各々の第1の物体側の面の曲率半径R1、曲率半径R2、曲率半径R3及び曲率半径R4は、R1<R2<R3<R4(数式2)を満足する。
また、レンズL111乃至L114の各々を通過する光線と光軸AXとのなす角の最大値は、全て46.4°である。従って、レンズL111乃至L114の各々における最大角度θ1乃至θ4は、|θi−θj| < 5° (i、j=1、2、3、4)(数式3)を満足する。
実施例1の投影光学系100は、上述した構成を有することで、最終レンズ110で発生する結晶構造起因複屈折を低減させる事が可能となる。
実施例1の投影光学系100における結晶構造起因の複屈折による瞳内リターダンス分布を図10に示す。図10(a)は、図8に示す第2の物体面IMG上のY=6.0mm、X=0.0mm(スリット中心相当)の像高の瞳内リターダンス分布を示している。図10(b)は、図8に示す第2の物体面IMG上のY=6.0mm、X=13.0mm(スリットエッジ相当)の像高の瞳内リターダンス分布を示している。図10を参照するに、リターダンスの瞳内のRMSは、スリット中心で41.8mλ、スリットエッジで41.8mλに補正されている。
ここで、例えば、図11に示すように、数式2を満足していない投影光学系1000について考える。図11は、投影光学系1000の構成を示す概略断面図であり、投影光学系1000を構成するレンズのうち第2の物体面IMG近傍のレンズL1110乃至L1140を示す。投影光学系1000の数値諸元表を図12に示す。
投影光学系1000は、実施例1の投影光学系100と比較して、レンズL1110乃至L1140の各々を通過する光線と光軸AXとのなす角の最大値や方向配置は等しく、数式2のみを満足していない投影光学系である。
投影光学系1000における結晶構造起因の複屈折による瞳内リターダンス分布を図13に示す。図13(a)は、図11に示す第2の物体面IMG上のY=6.0mm、X=0.0mm(スリット中心相当)の像高の瞳内リターダンス分布を示している。図13(b)は、図11に示す第2の物体面IMG上のY=6.0mm、X=13.0mm(スリットエッジ相当)の像高の瞳内リターダンス分布を示している。図13を参照するに、リターダンスの瞳内のRMSは、スリット中心で50.9mλ、スリットエッジで48.8mλに補正されている。従って、数式2を満足することによって、結晶構造起因の複屈折をより効果的に補正する効果が得られることが分かる。
このように、実施例1の投影光学系100は、結晶構造起因の複屈折の影響を低減して優れた結像性能を実現することができる。なお、最終レンズ110を構成する<1 1 1>の結晶軸が光軸AXに配向された2つの光学部材と、<1 0 0>の結晶軸が光軸AXに配向された残りの2つの光学部材とは交互に配置されていればよい。従って、<1 0 0>の結晶軸部材と<1 1 1>の結晶軸部材のどちらの結晶軸部材を最も第1の物体面側(又は最も第2の物体面側)に配置するのかを限定するものではない。また、各光学部材の組み込み角度は、必要に応じて、最適な組み込み角度を設定すればよい。更に、最終レンズ110を構成する光学部材の結晶軸、硝材、曲率や厚さなども適宜設定すればよい。
図14は、実施例2の投影光学系100の構成を示す概略断面図であり、投影光学系100を構成するレンズのうち第2の物体面IMG近傍のレンズを示す。実施例2の投影光学系100は、1.55の開口数(NA)を有する。また、実施例2の投影光学系100は、図3に示す投影光学系100の構成が適用されており、複数のレンズと、少なくとも1つの反射部材とを含む反射屈折型の投影光学系である。
実施例2の投影光学系100は、第2の物体面IMGから順に、レンズL126と、レンズL125と、レンズL124と、レンズL123と、レンズL122と、レンズL121とを含む。レンズL121乃至L126は、波長193nmの光に対して2.14の屈折率を有するLuAGで構成され、最終レンズ(レンズ群)120を形成する。実施例2の投影光学系100を構成する図示しない他のレンズは、石英で構成される。
実施例2の投影光学系100において、像高は12.5mm乃至66.0mmまで使用可能であり、26×7mmスリットの有効領域を確保している。実施例2の投影光学系100の数値諸元表を図15に示す。図15において、第1列はレンズL121乃至L116、第2列はレンズL121乃至L126の各々に対応した各面の曲率半径(mm)、第3列は各面の軸上間隔(mm)、第4列は硝材、第5列は方向配置を示す。
実施例2の投影光学系100において、レンズL126と第2の物体面IMGとの間の空間には、1.80の屈折率を有する液体が満たされている。
レンズL121は、図15に示すように、<1 1 1−0°>の方向配置に配向させている。
レンズL122は、図15に示すように、<1 0 0−45°>の方向配置に配向させている。
レンズL123は、図15に示すように、<1 1 1−60°>の方向配置に配向させている。
レンズL124は、図15に示すように、<1 0 0−0°>の方向配置に配向させている。
レンズL125は、図15に示すように、<1 1 1−60°>の方向配置に配向させている。
レンズL126は、図15に示すように、<1 0 0−45°>の方向配置に配向させている。
レンズL121乃至L126の各々の第1の物体側の面の曲率半径R1、曲率半径R2、曲率半径R3、曲率半径R4、曲率半径R5及び曲率半径R6は、R1<R2<R3<R4<R5<R6(数式5)を満足する。
また、レンズL121乃至L126の各々を通過する光線と光軸AXとのなす角の最大値は、全て46.4°である。従って、レンズL121乃至L126の各々における最大角度θ1乃至θ6は、|θi−θj| < 5° (i、j=1、2、3、4、5、6)(数式6)を満足する。
実施例2の投影光学系100は、上述した構成を有することで、最終レンズ120で発生する結晶構造起因複屈折を低減させることが可能となる。
実施例2の投影光学系100における結晶構造起因の複屈折による瞳内リターダンス分布を図16に示す。図16(a)は、図14に示す第2の物体面IMG上のY=6.0mm、X=0.0mm(スリット中心相当)の像高の瞳内リターダンス分布を示している。図16(b)は、図14に示す第2の物体面IMG上のY=6.0mm、X=13.0mm(スリットエッジ相当)の像高の瞳内リターダンス分布を示している。図16を参照するに、リターダンスの瞳内のRMSは、スリット中心で11.7mλ、スリットエッジで12.3mλに補正されている。
このように、実施例2の投影光学系100は、結晶構造起因の複屈折の影響を低減して優れた結像性能を実現することができる。なお、最終レンズ120を構成する<1 1 1>の結晶軸が光軸AXに配向された3つの光学部材と、<1 0 0>の結晶軸が光軸AXに配向された残りの3つの光学部材とは交互に配置されていればよい。従って、<1 0 0>の結晶軸部材と<1 1 1>の結晶軸部材のどちらの結晶軸部材を最も第1の物体側(又は最も第2の物体面側)に配置するのかを限定するものではない。また、各光学部材の組み込み角度も限定されず、数式4及び図5に示された構成であれば、同様な効果を得ることができる。更に、最終レンズ120を構成する光学部材の結晶軸、硝材、曲率や厚さなども適宜設定すればよい。
図17は、実施例3の投影光学系100の構成を示す概略断面図であり、投影光学系100を構成するレンズのうち第2の物体面IMG近傍のレンズを示す。実施例3の投影光学系100は、1.55の開口数(NA)を有する。また、実施例3の投影光学系100は、図6に示す投影光学系100の構成が適用されており、複数のレンズと、少なくとも1つの反射部材とを含む反射屈折型の投影光学系である。
実施例3の投影光学系100は、第2の物体面IMGから順に、レンズL138と、レンズL137と、レンズL136と、レンズL135と、レンズL134と、レンズL133と、レンズL132と、レンズL131とを含む。レンズL131乃至L138は、波長193nmの光に対して2.14の屈折率を有するLuAGで構成され、最終レンズ(レンズ群)130を形成する。実施例3の投影光学系100を構成する図示しない他のレンズは、石英で構成される。
実施例3の投影光学系100において、像高は12.5mm乃至66.0mmまで使用可能であり、26×7mmスリットの有効領域を確保している。実施例3の投影光学系100の数値諸元表を図18に示す。図18において、第1列はレンズL131乃至L138、第2列はレンズL131乃至L138の各々に対応した各面の曲率半径(mm)、第3列は各面の軸上間隔(mm)、第4列は硝材、第5列は方向配置を示す。
実施例2の投影光学系100において、レンズL138と第2の物体面IMGとの間の空間には、1.80の屈折率を有する液体が満たされている。
レンズL131は、図18に示すように、<1 1 1−0°>の方向配置に配向させている。
レンズL132は、図18に示すように、<1 0 0−45°>の方向配置に配向させている。
レンズL133は、図18に示すように、<1 1 1−60°>の方向配置に配向させている。
レンズL134は、図18に示すように、<1 0 0−0°>の方向配置に配向させている。
レンズL135は、図18に示すように、<1 1 1−60°>の方向配置に配向させている。
レンズL136は、図18に示すように、<1 0 0−45°>の方向配置に配向させている。
レンズL137は、図18に示すように、<1 1 1−0°>の方向配置に配向させている。
レンズL138は、図18に示すように、<1 0 0−0°>の方向配置に配向させている。
レンズL131乃至L138の各々の第1の物体側の面の曲率半径R1、曲率半径R2、曲率半径R3、曲率半径R4、曲率半径R5、曲率半径R6、曲率半径R7及び曲率半径R8は、R1<R2<R3<R4<R5<R6<R7<R8(数式9)を満足する。
また、レンズL131乃至L138の各々を通過する光線と光軸AXとのなす角の最大値は、全て46.4°である。従って、レンズL131乃至L138の各々における最大角度θ1乃至θ8は、|θi−θj| < 5° (i、j=1、2、3、4、5、6、7、8)(数式10)を満足する。
実施例3の投影光学系100は、上述した構成を有することで、最終レンズ130で発生する結晶構造起因複屈折を低減させることが可能となる。
実施例3の投影光学系100における結晶構造起因の複屈折による瞳内リターダンス分布を図19に示す。図19(a)は、図17に示す第2の物体面IMG上のY=6.0mm、X=0.0mm(スリット中心相当)の像高の瞳内リターダンス分布を示している。図19(b)は、図17に示す第2の物体面IMG上のY=6.0mm、X=13.0mm(スリットエッジ相当)の像高の瞳内リターダンス分布を示している。図19を参照するに、リターダンスの瞳内のRMSは、スリット中心で6.6mλ、スリットエッジで6.6mλに補正されている。
このように、実施例3の投影光学系100は、結晶構造起因の複屈折の影響を低減して優れた結像性能を実現することができる。なお、最終レンズ130を構成する<1 1 1>の結晶軸が光軸AXに配向された4つの光学部材と、<1 0 0>の結晶軸が光軸AXに配向された残りの4つの光学部材とは交互に配置されていればよい。従って、<1 0 0>の結晶軸部材と<1 1 1>の結晶軸部材のどちらの結晶軸部材を最も第1の物体側(又は最も第2の物体面側)に配置するのかを限定するものではない。また、各光学部材の組み込み角度も限定されず、数式7又は数式8及び図9に示された構成であれば、同様な効果を得ることができる。更に、最終レンズ130を構成する光学部材の結晶軸、硝材、曲率や厚さなども適宜設定すればよい。
以下、図20を参照して、本発明に係る投影光学系100を適用した露光装置200について説明する。図20は、本発明の一側面としての露光装置200の構成を示す概略断面図である。
露光装置200は、投影光学系100とウエハ240との間に供給される液体LWを介して、レチクル220のパターンをステップ・アンド・スキャン方式でウエハ240に露光する液浸露光装置である。
露光装置200は、図20に示すように、照明装置210と、レチクル220を載置するレチクルステージ225と、投影光学系100と、ウエハ240を載置するウエハステージ245と、測距装置250と、ステージ制御部260を有する。また、露光装置200は、液体供給部270と、液浸制御部280と、液体回収部290と、ノズルユニットNUとを有する。
照明装置210は、光源部212と、照明光学系214とを有する。本実施形態では、光源部212の光源として、波長193nmのArFエキシマレーザーを使用する。
照明光学系214は、光源部212からの光でレチクル220を照明する光学系である。
レチクル220は、図示しないレチクル搬送系によって露光装置200の外部から搬送され、レチクルステージ225に支持及び駆動される。
レチクルステージ225は、図示しないレチクルチャックを介してレチクル220を支持し、ステージ制御部260によって制御される。
投影光学系100は、第1の物体面としてのレチクル220上のパターンの像を第2の物体面としてのウエハ240上に投影する投影光学系である。投影光学系100は、上述した通りのいかなる形態をも適用可能であり、ここでの詳細な説明は省略する。
ウエハ240は、レチクル220のパターンが投影(転写)される基板である。但し、ウエハ240は、ガラスプレートやその他の基板に置換することもできる。ウエハ240には、フォトレジストが塗布されている。
液体保持部244は、ウエハステージ245に支持されたウエハ240の周囲に配置される。液体保持部244は、ウエハ240の表面と同じ高さの表面を有する板である。また、液体保持部244は、ウエハ240の外周付近のショットを露光する際に、ウエハ240の外側の領域の液体LWを保持する。
測距装置250は、レチクルステージ225の位置及びウエハステージ245の位置を、参照ミラー252及び254、及び、レーザー干渉計256及び258を使用してリアルタイムに計測する。測距装置250による測距結果は、ステージ制御部260に伝達される。
ステージ制御部260は、測距装置250の測距結果に基づいて、位置決めや同期制御のために、レチクルステージ225及びウエハステージ245の駆動を制御する。
液体供給部270は、投影光学系100の最終レンズとウエハ240との間の空間又は間隙に液体LWを供給する。液体供給部270は、液体供給配管272を有する。液体供給部270は、投影光学系100の最終レンズの周囲に配置された液体供給配管272を介して液体LWを供給する。これにより、投影光学系100とウエハ240との間の空間には、液体LWの液膜が形成される。
液浸制御部280は、ウエハステージ245の現在位置、速度、加速度などの情報をステージ制御部260から取得し、かかる情報に基づいて、液浸露光に係る制御を行う。
液体回収部290は、液体供給部270によって投影光学系100とウエハ240との間に供給された液体LWを回収する機能を有し、液体回収配管292を有する。液体回収配管292は、液体供給部270によって投影光学系100とウエハ240との間に供給された液体LWをノズルユニットNUに形成された液体回収口を介して回収する。
ノズルユニットNUのウエハ240側には液体供給口と、液体回収口とが形成されている。液体供給口は、液体LWを供給するための供給口であり、液体供給配管272に接続される。液体回収口は、供給した液体LWを回収するための開口であり、液体回収配管292に接続される。
露光において、光源部212から発せられた光束は、照明光学系214によりレチクル220を照明する。レチクル220のパターンは、投影光学系100により、液体WTを介してウエハ240に結像される。露光装置200が用いる投影光学系100は、優れた結像性能を有し、高いスループットで経済性よくデバイス(半導体素子、LCD素子、撮像素子(CCDなど)、薄膜磁気ヘッドなど)を提供することができる。
次に、図21及び図22を参照して、露光装置200を利用したデバイス製造方法の実施例を説明する。図21は、デバイス(ICやLSIなどの半導体チップ、LCD、CCD等)の製造を説明するためのフローチャートである。ここでは、半導体チップの製造を例に説明する。ステップ1(回路設計)では、デバイスの回路設計を行う。ステップ2(レチクル製作)では、設計した回路パターンを形成したレチクルを製作する。ステップ3(ウエハ製造)では、シリコンなどの材料を用いてウエハを製造する。ステップ4(ウエハプロセス)は、前工程と呼ばれ、レチクルとウエハを用いてリソグラフィー技術によってウエハ上に実際の回路を形成する。ステップ5(組み立て)は、後工程と呼ばれ、ステップ4によって作成されたウエハを用いて半導体チップ化する工程であり、アッセンブリ工程(ダイシング、ボンディング)、パッケージング工程(チップ封入)等の工程を含む。ステップ6(検査)では、ステップ5で作成された半導体デバイスの動作確認テスト、耐久性テストなどの検査を行う。こうした工程を経て半導体デバイスが完成し、これが出荷(ステップ7)される。
図22は、ステップ4のウエハプロセスの詳細なフローチャートである。ステップ11(酸化)では、ウエハの表面を酸化させる。ステップ12(CVD)では、ウエハの表面に絶縁膜を形成する。ステップ13(電極形成)では、ウエハ上に電極を蒸着などによって形成する。ステップ14(イオン打ち込み)では、ウエハにイオンを打ち込む。ステップ15(レジスト処理)では、ウエハに感光剤を塗布する。ステップ16(露光)では、露光装置200によってレチクルの回路パターンをウエハに露光する。ステップ17(現像)では、露光したウエハを現像する。ステップ18(エッチング)では、現像したレジスト像以外の部分を削り取る。ステップ19(レジスト剥離)では、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。これらのステップを繰り返し行うことによってウエハ上に多重の回路パターンが形成される。かかるデバイス製造方法によれば、従来よりも高品位のデバイスを製造することができる。このように、露光装置200を使用するデバイス製造方法、並びに結果物としてのデバイスも本発明の一側面を構成する。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されないことはいうまでもなく、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。例えば、本発明の投影光学系は、液浸露光装置でなくても適用することができる。
本発明の一側面としての投影光学系の全体を示す図である。 図1に示す投影光学系の構成の一例を示す概略断面図である。 図1に示す投影光学系の構成の別の例を示す概略断面図である。 数珠順列を説明するための図である。 図3に示す投影光学系において、光学部材の各々に対する方向配置の数珠順列の構成の一例を示す図である。 図1に示す投影光学系の構成の更に別の例を示す概略断面図である。 図6に示す投影光学系において、光学部材の各々に対する方向配置の数珠順列の構成の一例を示す図である。 本発明に係る実施例1の投影光学系の構成を示す概略断面図である。 本発明に係る実施例1の投影光学系の数値諸元表を示す図である。 実施例1の投影光学系における結晶構造起因の複屈折による瞳内リターダンス分布を示す図である。 数式2を満足していない投影光学系の構成を示す概略断面図である。 図11に示す投影光学系の数値諸元表を示す図である。 図11に示す投影光学系における結晶構造起因の複屈折による瞳内リターダンス分布を示す図である。 本発明に係る実施例2の投影光学系の構成を示す概略断面図である。 本発明に係る実施例2の投影光学系の数値諸元表を示す図である。 実施例2の投影光学系における結晶構造起因の複屈折による瞳内リターダンス分布を示す図である。 本発明に係る実施例3の投影光学系の構成を示す概略断面図である。 本発明に係る実施例3の投影光学系の数値諸元表を示す図である。 実施例3の投影光学系における結晶構造起因の複屈折による瞳内リターダンス分布を示す図である。 本発明の一側面としての露光装置の構成を示す概略断面図である。 デバイスの製造を説明するためのフローチャートである。 図21に示すステップ4のウエハプロセスの詳細なフローチャートである。 等方結晶硝材の結晶構造起因の複屈折分布を示す図である。
符号の説明
100 投影光学系
110 最終レンズ
111乃至114 光学部材
L111乃至L114 レンズ
120 最終レンズ
121乃至126 光学部材
L121乃至L126 レンズ
130 最終レンズ
131乃至138 光学部材
L131乃至L138 レンズ
OBJ 第1の物体面
IMG 第2の物体面
AX 光軸
200 露光装置
210 照明装置
214 照明光学系
240 ウエハ
270 液体供給部
290 液体回収部

Claims (14)

  1. 第1の物体面の像を第2の物体面に投影する投影光学系であって、
    前記第2の物体面から順に配置され、等方結晶で構成された少なくとも4つの光学部材を有し、
    前記少なくとも4つの光学部材は、<1 1 1>の結晶軸を光軸方向に配向させた光学部材と<1 0 0>の結晶軸を光軸方向に配向させた光学部材とを交互に配置することによって構成され、
    前記少なくとも4つの光学部材を、前記第1の物体面から、第1の光学部材、第2の光学部材、第3の光学部材、第4の光学部材とした場合において、前記第1の光学部材、前記第2の光学部材、前記第3の光学部材及び前記第4の光学部材の各々を通過する光線と光軸とのなす角の最大角度θ1、θ2、θ3、θ4は、
    |θi−θj| < 5° (i、j=1、2、3、4)
    を満足することを特徴とする投影光学系。
  2. 前記第1の光学部材の前記第1の物体面側の面の曲率半径R1、前記第2の光学部材の前記第1の物体面側の面の曲率半径R2、前記第3の光学部材の前記第1の物体面側の面の曲率半径R3及び前記第4の光学部材の前記第1の物体面側の面の曲率半径R4は、
    R1<R2<R3<R4
    を満足することを特徴とする請求項1記載の投影光学系。
  3. 第1の物体面の像を第2の物体面に投影する投影光学系であって、
    前記第2の物体面から順に配置され、等方結晶で構成された少なくとも6つの光学部材を有し、
    前記少なくとも6つの光学部材は、<1 1 1>の結晶軸を光軸方向に配向させた光学部材と<1 0 0>の結晶軸を光軸方向に配向させた光学部材とを交互に配置することによって構成され、
    前記少なくとも6つの光学部材を、前記第1の物体面から順に、第1の光学部材、第2の光学部材、第3の光学部材、第4の光学部材、第5の光学部材及び第6の光学部材とした場合において、前記第2の光学部材、前記第3の光学部材、前記第5の光学部材及び前記第6の光学部材の各々の光軸周りの角度Φ2、Φ3、Φ5、Φ6は、m、nを整数、ηを<1 1 1>の結晶軸が光軸方向に配置されていれば120°、<1 0 0>の結晶軸が光軸方向に配置されていれば90°として、
    Φ2=Φ6+m×η±5°
    Φ3=Φ5+n×η±5°
    を満足することを特徴とする投影光学系。
  4. 前記第1の光学部材、前記第2の光学部材、前記第3の光学部材、前記第4の光学部材、前記第5の光学部材及び前記第6の光学部材の各々について、光軸方向と結晶軸との関係と光軸周りの角度の関係とを含む方向配置が数珠順列で構成されていることを特徴とする請求項3記載の投影光学系。
  5. 前記第1の光学部材の前記第1の物体面側の面の曲率半径R1、前記第2の光学部材の前記第1の物体面側の面の曲率半径R2、前記第3の光学部材の前記第1の物体面側の面の曲率半径R3、前記第4の光学部材の前記第1の物体面側の面の曲率半径R4は、前記第5の光学部材の前記第1の物体面側の面の曲率半径R5及び前記第6の光学部材の前記第1の物体面側の面の曲率半径R6は、
    R1<R2<R3<R4<R5<R6
    を満足することを特徴とする請求項3記載の投影光学系。
  6. 前記第1の光学部材、前記第2の光学部材、前記第3の光学部材、前記第4の光学部材、前記第5の光学部材及び前記第6の光学部材の各々を通過する光線と光軸とのなす角の最大角度θ1、θ2、θ3、θ4、θ5、θ6は、
    |θi−θj| < 5° (i、j=1、2、3、4、5、6)
    を満足することを特徴とする請求項3記載の投影光学系。
  7. 第1の物体面の像を第2の物体面に投影する投影光学系であって、
    前記第2の物体面から順に配置され、等方結晶で構成された少なくとも8つの光学部材を有し、
    前記少なくとも8つの光学部材は、<1 1 1>の結晶軸を光軸方向に配向させた光学部材と<1 0 0>の結晶軸を光軸方向に配向させた光学部材とを交互に配置することによって構成され、
    前記少なくとも8つの光学部材を、前記第1の物体面から、第1の光学部材、第2の光学部材、第3の光学部材、第4の光学部材、第5の光学部材、第6の光学部材、第7の光学部材及び第8の光学部材とした場合において、前記第1の光学部材、前記第2の光学部材、前記第3の光学部材、前記第4の光学部材、前記第5の光学部材、前記第6の光学部材、前記第7の光学部材及び前記第8の光学部材の各々の光軸周りの角度Φ1、Φ2、Φ3、Φ4、Φ5、Φ6、Φ7、Φ8は、m、n、o、pを整数、ηを<1 1 1>の結晶軸が光軸方向に配置されていれば120°、<1 0 0>の結晶軸が光軸方向に配置されていれば90°として、
    Φ1=Φ7+m×η±5°
    Φ2=Φ6+n×η±5°
    Φ3=Φ5+o×η±5°
    Φ4=Φ8+p×η±5°
    を満足することを特徴とする投影光学系。
  8. 第1の物体面の像を第2の物体面に投影する投影光学系であって、
    前記第2の物体面から順に配置され、等方結晶で構成された少なくとも8つの光学部材を有し、
    前記少なくとも8つの光学部材は、<1 1 1>の結晶軸を光軸方向に配向させた光学部材と<1 0 0>の結晶軸を光軸方向に配向させた光学部材とを交互に配置することによって構成され、
    前記少なくとも8つの光学部材を、前記第1の物体面から、第1の光学部材、第2の光学部材、第3の光学部材、第4の光学部材、第5の光学部材、第6の光学部材、第7の光学部材及び第8の光学部材とした場合において、前記第1の光学部材、前記第2の光学部材、前記第3の光学部材、前記第4の光学部材、前記第5の光学部材、前記第6の光学部材、前記第7の光学部材及び前記第8の光学部材の各々の光軸周りの角度Φ1、Φ2、Φ3、Φ4、Φ5、Φ6、Φ7、Φ8は、m、n、o、pを整数、ηを<1 1 1>の結晶軸が光軸方向に配置されていれば120°、<1 0 0>の結晶軸が光軸方向に配置されていれば90°として、
    Φ1=Φ5+m×η±5°
    Φ2=Φ8+n×η±5°
    Φ3=Φ7+o×η±5°
    Φ4=Φ6+p×η±5°
    を満足することを特徴とする投影光学系。
  9. 前記第1の光学部材、前記第2の光学部材、前記第3の光学部材、前記第4の光学部材、前記第5の光学部材、前記第6の光学部材、前記第7の光学部材及び前記第8の光学部材の各々について、光軸方向と結晶軸との関係と光軸周りの角度の関係とを含む方向配置が数珠順列で構成されていることを特徴とする請求項7又は8記載の投影光学系。
  10. 前記第1の光学部材の前記第1の物体面側の面の曲率半径R1、前記第2の光学部材の前記第1の物体面側の面の曲率半径R2、前記第3の光学部材の前記第1の物体面側の面の曲率半径R3、前記第4の光学部材の前記第1の物体面側の面の曲率半径R4は、前記第5の光学部材の前記第1の物体面側の面の曲率半径R5、前記第6の光学部材の前記第1の物体面側の面の曲率半径R6、前記第7の光学部材の前記第1の物体面側の面の曲率半径R7及び前記第8の光学部材の前記第1の物体面側の面の曲率半径R8は、
    R1<R2<R3<R4<R5<R6<R7<R8
    を満足することを特徴とする請求項7又は8記載の投影光学系。
  11. 前記第1の光学部材、前記第2の光学部材、前記第3の光学部材、前記第4の光学部材、前記第5の光学部材、前記第6の光学部材、前記第7の光学部材及び前記第8の光学部材の各々を通過する光線と光軸とのなす角の最大角度θ1、θ2、θ3、θ4、θ5、θ6、θ7、θ8は、
    |θi−θj| < 5° (i、j=1、2、3、4、5、6、7、8)
    を満足することを特徴とする請求項7又は8記載の投影光学系。
  12. 光源からの光でレチクルを照明する照明光学系と、
    前記レチクルのパターンの像を基板に投影する請求項1乃至11のうちいずれか1項に記載の投影光学系とを有することを特徴とする露光装置。
  13. 前記投影光学系と前記基板との間に液体を供給する液体供給部を更に有することを特徴とする請求項12記載の露光装置。
  14. 請求項12又は13記載の露光装置を用いて基板を露光するステップと、
    露光された前記基板を現像するステップとを有することを特徴とするデバイス製造方法。
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