JP2009031551A - 像加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着回転体の表面に付着したトナー汚れと炭酸カルシウム粒子を効率よく除去できるようにした像加熱装置の提供。
【解決手段】加熱体22を内包した定着回転体23と、前記定着回転体とともにニップ部Nを形成する加圧回転体24と、前記加熱体の温度が所定温度になるように通電する通電制御手段51と、を有し、前記ニップ部でトナー像Tを担持する記録材Pを挟持搬送しつつトナー像を加熱する像加熱装置において、
記録材を前記ニップ部で挟持搬送して前記定着回転体をクリーニングするクリーニングモードを有し、前記クリーニングモードでは、所定のパターンに未定着トナーが担持された記録材の搬送方向に関して前記パターンの先端が前記ニップ部に進入してから前記定着回転体が一周するまでの間、前記加熱体の温度が前記トナー像を加熱するときの温度よりも高い温度になるように通電制御することを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、電子写真複写機、電子写真プリンタ等の画像形成装置に搭載する定着装置(定着器)と用いれば好適な像加熱装置に関する。
電子写真式の複写機やプリンタに搭載する像加熱装置(定着器)として、フィルム加熱方式の定着装置がある。この定着装置は、セラミック製の基板上に発熱体を有するヒータと、ヒータに接触しつつ移動する円筒状の定着フィルムと、定着フィルムを介してヒータとニップ部を形成する加圧ローラと、を有する。特許文献1、2、3、4にはこのタイプの定着装置が記載されている。未定着トナー画像を担持する記録材は定着装置のニップ部で挟持搬送され、これにより記録材上の画像は記録材に加熱定着される。この定着装置は、ヒータへの通電を開始し定着可能温度まで昇温する時間が短いというメリットを有する。従って、この定着装置を搭載するプリンタは、プリンタ指令の入力後、一枚目の画像を出力する時間(ファーストプリントアウトタイム(FPOT:first printout time))を短くできる。またこのタイプの定着装置は、プリント指令を待つ待機中の諸費電力が少ないというメリットもある。
上記の定着装置においては、記録材上の未定着トナー画像のトナーの全てが定着フィルムにより加熱溶融されて記録材に加熱定着されるのが理想である。ところが、定着フィルムの外周面(表面)に、溶けきらないコールドオフセット状態のトナー、溶けすぎたホットオフセット状態のトナー、静電的にオフセットしたトナー等(以下、トナー汚れと記す)が残ることがある。これらのトナー汚れが定着フィルム表面に存在すると、そのトナー汚れは定着フィルム表面に付着してしまう。そして、そのトナー汚れは、記録材が存在しない状態のときにニップ部において定着フィルムと加圧ローラのうち離型性の悪い方の表面に付着する。定着フィルム表面に付着したトナー汚れは、次回以降にプリントされる記録材の定着フィルム側の面に排出され記録材の画像欠陥となってしまう。また、加圧ローラの外周面(表面)に付着したトナー汚れは、加圧ローラが定着フィルムよりも温度が低いために必ずしも溶融された状態では存在せず、記録材の定着フィルム側の面のトナー画像には接触しないため記録材に移動しづらい状態となる。そして、加圧ローラ表面のトナー汚れが蓄積されると加圧ローラの離型性がより一層低下するため、記録材が加圧ローラに巻きついたり、場合によっては一気に記録材の加圧ローラ側の面を汚したりするという問題があった。
上述のトナー汚れに対するクリーニング方法として、以下に記載する方法がある。
特許文献5、6には、片面にトナーを定着させた記録材(以下、クリーニングペーパー)を用いるクリーニング方法が提案されている。即ち、クリーニングペーパーのトナーが定着されている側を加圧ローラ側に向けた状態で、そのクリーニングペーパーを定着体と加圧体とで形成される定着ニップに通すことで加圧体の汚れをクリーニングペーパーに付着させる方法が提案されている。
特許文献7には、記録材が定着ニップを通過する間、定着温度を通常の設定よりも高くして加圧ローラに付着しているトナーを溶融させ記録材の加圧ローラ側の面に転移させる方法が提案されている。
特開昭63−313182号公報 特開平2−157878号公報 特開平4−44075号公報 特開平4−204980号公報 特許第2671148号明細書 特登録2651232号明細書 特登録3093591号明細書
ところで、上記のフィルム加熱方式の定着装置は、次のような条件において画像形成動作が行なわれた場合、記録材に汚れが発生しやすいことがわかった。その条件とは、記録材に填料として炭酸カルシウム粒子が多く含まれる記録材を使用し、低温低湿環境において画像形成動作が繰り返されたときである。近年では記録材は腰があり白色度が高いものが好まれ、記録材に用いられる填料として炭酸カルシウム粒子を多く含有した記録材が生産されており、将来において主流になりつつある。
炭酸カルシウム粒子の帯電極性はプラスであり、熱的に安定な物質で、様々な形状を有する0.1〜数μmの微粒子凝集体として含有されている。この炭酸カルシウム粒子を多く含有した記録材をニップ部に通過させると炭酸カルシウム粒子はニップ部にて静電的な要因と粒子形状的な要因とで定着フィルムと加圧ローラ上に付着する。離型性を持たせるためフッ素コートされた定着フィルム表面又は加圧ローラ表面は定着装置が作動されることによってマイナスに帯電しやすい。そのため、定着フィルム表面又は加圧ローラ表面がマイナスに帯電した状態で炭酸カルシウム粒子を含有する記録材をニップ部に通過させると、静電的な要因のみでも炭酸カルシウム粒子が定着フィルム表面又は加圧ローラ表面に付着する。さらに炭酸カルシウム粒子が鋭利形状を有するときはニップ部の圧力によって定着フィルム表面又は加圧ローラ表面に食い込むように付着する。
定着フィルム表面に炭酸カルシウム粒子が付着すると、その炭酸カルシウム粒子によって定着フィルム表面の離型性は落ち、トナー付着が促進されてしまう。従って、定着フィルム表面は汚れやすくなり、かつ加圧ローラ表面へのトナー汚れが遷移しやすくなる。つまり、定着フィルム表面から炭酸カルシウム粒子を除去しない限り、定着フィルム表面又は加圧ローラ表面のトナー汚れが益々促進されてしまう。
そこで、本発明の目的は、定着回転体の表面に付着したトナー汚れと炭酸カルシウム粒子を効率よく除去できるようにした像加熱装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための構成は、加熱体を内包した定着回転体と、前記定着回転体とともにニップ部を形成する加圧回転体と、前記加熱体の温度が所定温度になるように通電する通電制御手段と、を有し、前記ニップ部でトナー像を担持する記録材を挟持搬送しつつトナー像を加熱する像加熱装置において、
記録材を前記ニップ部で挟持搬送して前記定着回転体をクリーニングするクリーニングモードを有し、前記クリーニングモードでは、所定のパターンに未定着トナーが担持された記録材の搬送方向に関して前記パターンの先端が前記ニップ部に進入してから前記定着回転体が一周するまでの間、前記加熱体の温度が前記トナー像を加熱するときの温度よりも高い温度になるように通電制御することを特徴とする。
また、上記の目的を達成するための構成は、加熱体を内包した定着回転体と、前記定着回転体とともにニップ部を形成する加圧回転体と、前記加熱体の温度が所定温度になるように通電する通電制御手段と、を有し、前記ニップ部でトナー像を担持する記録材を挟持搬送しつつトナー像を加熱する像加熱装置において、
記録材を前記ニップ部で挟持搬送して前記定着回転体をクリーニングするクリーニングモードを有し、前記クリーニングモードでは、所定のパターンに未定着トナーが担持された記録材の搬送方向に関して前記パターンの先端が前記ニップ部に進入してから前記定着回転体が一周するまでの間、記録材を前記ニップ部で挟持搬送する記録材搬送速度を、前記ニップ部でトナー像を担持する記録材を挟持搬送するときの記録材搬送速度よりも遅くすることを特徴とする。
本発明によれば、定着回転体の表面に付着したトナー汚れと炭酸カルシウム粒子を効率よく除去できるようにした像加熱装置を提供することができる。
以下に図面を参照して、本発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは本発明をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
[実施例1]
(1)画像形成装置例
図1は本発明に係る像加熱装置を定着装置として搭載できる画像形成装置の全体構成模型図である。この画像形成装置は電子写真式のレーザビームプリンタである。
本実施例に示すプリンタAは、像担持体としてドラム型の回転自在の電子写真感光体(以下、感光ドラムと呼ぶ)1を有する。Cは制御手段としての制御部である。制御部CはCPUとRAMやROMなどのメモリからなっており、メモリには画像形成に必要とされる各種プログラム、後述するクリーニングモード用のプログラムなどが記憶されている。CPUはメモリに記憶されているプログラムに従って所定の部材を作動させる。感光ドラム1は、制御部Cからのプリント指令に応じて回転駆動する不図示のメインモータ(駆動源)によって所定の周速度(プロセススピード)で矢印方向に回転される。その感光ドラム1の外周面(表面)は、高圧電源(不図示)に接続されている帯電ローラ(帯電手段)2によって所定の電位でマイナスの極性に一様に帯電される(帯電工程)。その感光ドラム1表面の帯電面に対しレーザスキャナ(露光手段)3がホストコンピュータ等の外部装置(不図示)からの画像信号によって変調されたレーザ光Lを走査しながら照射する。感光ドラム1表面の帯電面のうちレーザ光Lを照射された部分はマイナスの電荷が消え、画像の形に電位差が生じ静電潜像が形成される(露光工程)。この静電潜像が現像装置(現像手段)4によってマイナスの極性に帯電されているトナー(現像剤)により順次現像されてトナー画像(現像像)となる(現像工程)。そのトナー画像は感光ドラム1と感光ドラム1に接触している転写ローラ(転写手段)5との間の転写ニップ部Nに搬送される。
一方、感光ドラム1表面のトナー画像先端が転写ニップ部Nに到来するタイミングと合わせて、給送カセット11に積載収納されている記録材Pを給送ローラ(記録材供給手段)10が転写ニップ部Nに供給する。その記録材Pは転写ニップ部Nで感光ドラム1と転写ローラ5とにより挟持搬送される。その搬送過程で転写ローラ5には直流高電圧発生装置6からプラスの極性の転写電圧(転写バイアス)が印加され、その転写電圧によって感光ドラム1表面のトナー画像は静電的に記録材Pの面上に転移する(転写工程)。7は直流高電圧発生装置6を制御する転写電圧制御部である。
転写ニップ部Nにて転写される未定着トナー画像(トナー像)を担持した記録材Pは、感光ドラム1の回転に伴って感光ドラム1表面から分離され、定着装置9へと送り出される。そしてその記録材Pは、定着装置9の有するニップ部(定着ニップ部)Nで加熱・加圧されることによって未定着トナー画像が記録材Pの面上に加熱定着され、排出ローラ(不図示)により排出トレー12上に排出される。
以上が本実施例のプリンタの通常プリント動作(画像形成動作)である。
(2)定着装置
以下の説明において、定着装置及び定着装置を構成する部材に関し、長手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向である、短手方向とは記録材の面において記録材搬送方向と平行な方向である。幅とは短手方向の寸法である。記録材に関し、長手幅とは記録材の面において記録材搬送方向と直交する方向の寸法である。
図2は定着装置9の横断面模型図である。図3は定着フィルム23の層構成を表わす図であって、(a)は定着フィルム23の正面図、(b)は定着フィルム23の左側面図である。図4はヒータの一例の平面模型図及びヒータの温調制御系の一例の説明図である。この定着装置9は、加圧ローラ24を回転駆動し定着フィルム23を加圧ローラ24の搬送力により回転させる、フィルム加熱方式、加圧ローラ駆動方式の所謂テンションレスタイプの装置である。
本実施例に示す定着装置9は、ヒータ(加熱体)22と、ヒータホルダ(加熱体保持部材)21と、定着フィルム(定着回転体)23と、剛性ステー(剛性部材)29と、加圧ローラ(加圧回転体)24などを有している。ヒータ22、ヒータホルダ21、定着フィルム23、剛性ステー29及び加圧ローラ24は、何れも長手方向に細長い部材である。
ヒータ22は、長手方向に細長い耐熱性、絶縁性、良熱伝導性のセラミック製の基板22a(図4)を有する。そしてその基板22aの表面側の短手方向中央部に基板長手方向に沿って抵抗発熱体(発熱体)22bを形成具備させている。基板22aの長手方向の両端部内側には抵抗発熱体22bに給電するための給電電極22dが設けられている。そして基板22aの表面側に抵抗発熱体22bの表面を覆うように耐熱性のオーバーコート層(保護層)22cを設けることによって抵抗発熱体22bを保護している。
ヒータホルダ21は、耐熱性及び剛性を有する所定の材料により横断面略半円形樋型に形成されている。このヒータホルダ21は下面の幅方向中央に長手方向に沿って設けられた溝部21aを有し、この溝部21aによりヒータ22の基板22aを固定保持してオーバーコート層22cを溝部21aから露呈させている。このヒータホルダ21は、ヒータホルダ21の長手方向両端部が装置シャーシ(不図示)の手前側と奥側の側板対に保持されている。
定着フィルム23は、可撓性を有する耐熱樹脂材料により円筒形に形成されている。定着フィルム23の外周長は57mmである。この定着フィルム23は、円筒状のベース層31(図3)として厚さ50ミクロンのポリイミド層を有し、そのベース層31の外周に厚さ数ミクロンの導電接着層32を有している。そしてその導電接着層32の外周に厚さ数ミクロンのフッ素樹脂のトップ層33(離型層)を有している。定着フィルム23の内周長は、ヒータ22を保持させたヒータホルダ21の外周長よりも3mm大きくしてある。そしてその定着フィルム23は、ヒータ22を保持しているヒータホルダ21に周長に余裕をもたせてルーズに外嵌されている。即ち、定着フィルム23はヒータ22を内包している。
剛性ステー29は、横断面下向きU字型の剛性部材から構成されている。この剛性ステー29は、ヒータホルダ21の上面の幅方向中央に配置されている。
加圧ローラ24は、丸軸状の芯金25と、芯金25の外周に芯金25と同心一体に形成されたシリコーンゴムやフッ素ゴム等の耐熱性ゴム、あるいはシリコーンゴム等を発泡して形成された弾性層26と、を有している。加圧ローラ24は、定着フィルム23の下方において定着フィルム23と並列に配置され、芯金25の長手方向両端部を上記装置シャーシの側板対に軸受け部材を介して回転自由に保持させている。そして、加圧ローラ24の芯金25と剛性ステー29は、長手方向両端部において不図示の加圧スプリングにより加圧ローラ24の外周面(表面)と定着フィルム23の外周面(表面)が接触するように加圧されている。その加圧力により加圧ローラ24表面と定着フィルム23表面を接触させ、加圧ローラ24表面と定着フィルム23表面間に所定幅のニップ部Nを形成している。
(3)定着装置の加熱定着動作
回転制御部(駆動制御手段)8(図2)はプリント指令に応じて加圧ローラ24を所定の周速度(プロセススピード)で矢印方向へ回転させる。その際、ニップN部における加圧ローラ24表面と定着フィルム23表面との摩擦力により定着フィルム23に回転力が作用する。定着フィルム23は、その回転力により定着フィルム23の内周面がヒータ22のオーバーコート層22cと密着して摺動しながらヒータホルダ21の外周を矢印方向に従動回転する。その際に定着フィルム23の回転は定着フィルム23の内周形状に沿ように形成されているヒータホルダ21の外周面によってガイドされる。これにより定着フィルム23の回転が安定し定着フィルム23は同じ回転軌跡を描きながら回転する。また、通電制御部(通電制御手段)51(図4)はプリント指令に応じてヒータ22の抵抗発熱体22bに通電する。その通電により抵抗発熱体22bが発熱してヒータ22は昇温し定着フィルム23を加熱する。
ヒータ22の温度はヒータ22の基板22aの裏面側に設けられているサーミスタ等の温検素子(温度検知手段)28によって検知される。通電制御部51は、温検素子28の出力信号に基づいてヒータ22が所定の温調温度(目標温度(所定温度))を維持するように抵抗発熱体22bへの通電を制御する。これによってニップ部Nは所定の温調温度に維持される。
加圧ローラ24及び定着フィルム23の回転が安定し、かつ、ヒータ22の温度が温調温度に維持されると、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pが給送ガイド27によりニップ部Nに導入される。その記録材Pはニップ部Nで加圧ローラ24表面と定着フィルム23表面とにより挟持搬送される。その搬送過程で記録材Pに定着フィルム23の熱とニップ部Nの圧が加えられ、トナー画像Tは記録材Pの面上に加熱定着される。トナー画像Tが加熱定着された記録材Pは定着フィルム23表面から曲率分離してニップ部Nから排出される。
(4)定着フィルムのクリーニング
本実施例のプリンタAにおいて、記録材Pに填料として炭酸カルシウム粒子が多く含まれる記録材を使用し、低温低湿環境(10℃15%)において画像形成動作を繰り返し行なう。すると前述のように、炭酸カルシウム粒子がニップ部Nにて静電的な要因と粒子形状的な要因とで定着フィルム23表面と加圧ローラ24表面に付着する。定着フィルム23表面に付着した炭酸カルシウム粒子は定着フィルム23表面の離型性を落とし、定着フィルム23表面へのトナー付着を促進させる。これによって定着フィルム23表面は汚れやすくなり、そして定着フィルム23表面から記録材Pの面又は加圧ローラ24表面へトナー汚れが遷移してしまう。
本実施例のプリンタAを用いて、低温低湿環境(10℃15%)において例えばプロセススピード100mm/sec、温調温度を170℃としたときにA4サイズ、坪量80gの中国製の紙(商標:三一牌)をニップ部Nに3000枚以上耐久通紙した。すると1000枚通紙した位から定着フィルム23表面への炭酸カルシウム粒子の蓄積が顕著となってきて、3000枚通紙した位では定着フィルム23表面にトナー汚れが発生した。これは、定着フィルム23表面に炭酸カルシウム粒子が付着することにより離型性が低下し、もともと記録材〜トナー>定着フィルム表面〜トナーとなっていた付着力が記録材〜トナー<定着フィルム表面〜トナーとなったことが原因である。さらに耐久通紙を続けると定着フィルム23表面のトナー汚れは加圧ローラ24側に一部が遷移しており、記録材Pの加圧ローラ24表面への巻き付きも発生する恐れがあった。
定着フィルム23表面に食い込むように付着した炭酸カルシウム粒子を除去するには、定着フィルム23表面と炭酸カルシウム粒子の付着力よりも大きい力で炭酸カルシウム粒子を定着フィルム23表面から引き離すことが必要である。片面にトナーを定着させた記録材(以下、クリーニングペーパー)を上記所定の温調温度に維持されているニップ部Nで挟持搬送させるだけでは、定着フィルム23表面のトナー汚れは除去できても炭酸カルシウム粒子までは除去しきれない場合があった。それは、クリーニングペーパーがニップ部Nに突入した際に、クリーニングペーパー上の定着トナーは半溶融の状態になり、その半溶融状態の定着トナーが定着フィルム23表面に残るオフセットトナー等のトナー汚れと強固に吸着する。しかしながら、半溶融状態の定着トナーでは、定着フィルム23表面の炭酸カルシウム粒子を定着フィルム23表面から剥ぎ取るほどの付着力をもつことができないからである。
そこで、本実施例では、定着フィルム23表面に付着したトナー汚れと炭酸カルシウム粒子を効率よく除去するために、図5のようなクリーニングモードを実行する。
図5はクリーニングモードの一例のフローチャートである。図6は紙に形成されるトナー供給領域とトナー回収領域の説明図である。図7は紙のトナー供給領域に形成される画像パターンを表わす図である。
クリーニングモードを指定されるとプリンタAは、通常プリント動作を停止し、クリーニングモードを開始する。クリーニングモードの指定は、ユーザーからのコマンドによって行なっても良いし、定められた枚数毎に自動的に行なっても構わない。
クリーニングモードを開始すると(S1)、記録材Pとして普通紙等の紙の給紙(プロセススピード毎秒100mm)を行い(S2)、その紙Pにクリーニング用の画像パターン(所定のパターン)の画像形成を行う(S3)。紙Pへの画像パターンの形成は前述した一連の帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程によって行われる。その画像パターンは、図6に示すように、紙Pの搬送方向(記録材搬送方向)に関して紙Pの先端付近即ち紙Pの先端又は先端内側から定着フィルム23の一周分の長さ(外周長の長さ)、本実施例では約57mmの範囲にトナー供給領域を有している。このトナー供給領域は、紙Pの搬送方向と直行する方向に関して、給紙される最大サイズの記録材の幅よりも狭く、かつ最大印字可能な領域よりも広くなるように設けられた領域である。そしてそのトナー供給領域には、未定着トナーがべた塗りされている(図7)。つまり、画像パターンとして、紙Pの搬送方向に関して先端又は先端内側から定着フィルム23の外周長の長さより後方の範囲に、紙Pの搬送方向と直交する方向に関して紙Pの最大印字可能な領域にわたって印字率50%以上の未定着トナーを担持させている。印字率は評価画像を作成するときに設定されるものであって、例えば、べた黒なら100%、1d1sの横線であれば50%というように設定される。さらに、紙Pの搬送方向に関して紙Pの先端付近即ち紙Pの先端又は先端内側から定着フィルム23の二周目以降はトナー回収領域とし印字されていない。つまり、紙Pは、紙Pの搬送方向に関して紙Pの先端又は先端内側から定着回転体である定着フィルム23の外周長の長さより後方の範囲に、紙Pの搬送方向と直交する方向に関して紙Pの最大印字可能な領域にわたって未定着トナーを担持していない。また、特に定着フィルム23表面の長手方向において広い領域をクリーニングするためには、プリンタAに使用できる最大長手幅の紙Pを用いることが好ましい。
S4ではヒータ22への通電を開始する。ヒータ22への通電動作は、画像パターンが形成された紙Pが定着装置9に達する少し前のタイミングから行なわれ、紙Pの先端がニップ部Nに達したときに所望の温度に達するように制御される。通常プリント動作では検温素子28によって検知されたヒータ22温度が温調温度である170℃になるように通電制御を行なうが、クリーニングモード時にはヒータ22温度が200℃になるように通電制御を行なう(S5)。つまり、紙Pの搬送方向に関して画像パターンの先端がニップ部Nに進入してから定着フィルム23が一周するまでの間、トナーを完全に溶融させ定着フィルム23表面に付着させるために、ヒータ22温度が200℃になるように通電制御を行なう。これによって紙Pのトナー供給領域にある未定着トナーは定着フィルム23表面の熱によって完全に溶融状態となり、その溶融状態のトナーの一部が紙P上から離れ定着フィルム23表面へ遷移する。その溶融状態のトナーは流動性をもち定着フィルム23表面の炭酸カルシウム粒子の細部にまでからみつき付着する。ニップN部を出た溶融状態のトナーは冷やされ定着フィルム23表面で炭酸カルシウム粒子に強固に固着する。そして、定着フィルム23の二周目以降(S6のYES)でヒータ22温度が通常プリント動作の170℃になるように通電制御が行なわれ(S7)、ニップ部Nにて紙Pのトナー回収領域にトナーと一緒に炭酸カルシウム粒子が付着して排出される。これによって定着フィルム23表面から炭酸カルシウム粒子が除去される。
トナー回収領域にトナーと一緒に炭酸カルシウム粒子が付着した紙Pはニップ部Nを出て排出トレー12に排紙される(S8)。そしてヒータ22への通電を終了し(S9)、クリーニングモードは終了する(S10)。
本実施例のクリーニングモードでは、紙Pのトナー供給領域に所定のパターンに未定着トナーを担持させる。そしてその紙Pの搬送方向に関してパターンの先端がニップN部に進入してから定着フィルム23が一周するまでの間、通常プリント動作時よりも大きな電力をヒータ22に通電して、未定着トナーを溶融状態にする。そして定着フィルム23表面にその溶融状態のトナーをオフセットさせ定着フィルム23表面の炭酸カルシウム粒子に溶融状態のトナーを絡ませ強固に付着させる。そして定着フィルム23の二周目以降において通常プリント動作時の温調温度で紙Pのトナー回収領域に炭酸カルシウムごとトナーを付着させて排出している。
実際にプロセススピード毎秒100mmの電子写真式のプリンタを用いて定着フィルム23表面のクリーニング効果を確認した。表1は、A4サイズ、坪量80gの三一牌をプロセススピード毎秒100mmで1000枚通紙することによって表面に炭酸カルシウム粒子を付着させた定着フィルム23を用意し、本実施例におけるクリーニングモードを行った結果である。
本実施例では、クリーニング用記録材として長手幅が三一牌より広いLTRサイズの普通紙(ゼロックス4024)を用いた。定着フィルム23表面に付着した炭酸カルシウム粒子はA4サイズの三一牌から付着したものである。従って、LTRサイズの普通紙を用いて定着フィルム23表面のクリーニングを行なえば、炭酸カルシウム粒子が付着した定着フィルム23表面の全ての領域をクリーニングできる。また、片面にトナーを定着させた記録材をニップ部Nに再び通すことで定着フィルム23表面若しくは加圧ローラ24表面のトナー汚れをその記録材に付着させ定着フィルム23表面若しくは加圧ローラ24表面をクリーニングする方法を比較例とした。そして同じくLTRサイズの普通紙(ゼロックス4024)でその効果を確認した。
上記普通紙の紙中央部即ち長手幅中央部のクリーニング効果は本実施例、比較例ともにきれいにクリーニングできていた。しかし、普通紙の紙端部即ち長手幅端部では本実施例ではきれいにクリーニングできていたのに比べ、比較例では炭酸カルシウム粒子が除去しきれずに定着フィルム23表面に残っていた。定着フィルム23の長手方向における定着フィルム23表面の中央部では、1000枚通紙程度では定着フィルム23表面に突き刺さっている炭酸カルシウム粒子は少ない。しかし、普通紙の長手幅端部ではその長手幅端部のエッジで定着フィルム23表面が強く擦れるために、鋭利形状を有する多くの炭酸カルシウム粒子が食い込むように定着フィルム23表面に付着する。従って、比較例1のようなクリーニング方法では普通紙の長手幅端部で定着フィルム23表面に付着した炭酸カルシウム粒子を完全には除去しきれなかった。
表2は、A4サイズ、坪量80gの三一牌をプロセススピード毎秒100mmで通紙することによって表面に炭酸カルシウム粒子を付着させた定着フィルム23を用意し、耐久枚数毎に本実施例におけるクリーニングを行った結果である。耐久枚数とは耐久評価で通紙する枚数のことである。耐久枚数は、1.0k(1000枚),2.0k(2000枚),3.0k(3000枚),4.0k(4000枚),5.0k(5000枚)とした。また、片面にトナーを定着させた記録材をニップ部Nに再び通すことで定着フィルム23表面若しくは加圧ローラ24表面のトナー汚れを記録材に付着させクリーニングする方法を比較例とした。そして同じくLTRサイズの普通紙(ゼロックス4024)でその効果を確認した。クリーニング効果は定着フィルム23表面の中央部での効果を示している。
前述したように通紙初期においては定着フィルム23表面の中央部では食い込むように付着している炭酸カルシウム粒子は少ないが、耐久枚数を追うごとにその数も増え比較例では4000枚通紙あたりからクリーニング効果が薄れてしまった。しかしながら本実施例では5000枚通紙してもきれいに炭酸カルシウム粒子を除去することができた。
このように未定着トナーを完全に溶融した状態にし、その溶融した状態のトナーと炭酸カルシウム粒子との接触面積を増加させることで付着力を強固なものとすることができる。これによって定着フィルム23表面に食い込むように付着した炭酸カルシウム粒子を除去することが可能となり、定着フィルム23表面、加圧ローラ24表面のトナー汚れ、記録材の巻き付きを効果的に防止することができる。
[実施例2]
実施例1のクリーニングモードに用いる紙Pの画像パターンの他の例を説明する。
本実施例においては、実施例1の定着装置9、及びその定着装置9を構成する部材と同じ部材に同じ符号を付して再度の説明を省略する。実施例3、実施例4についても同様とする。
本実施例の紙Pは、紙Pに形成するトナー回収領域を印字率50%以上の画像パターンにすることによって効果的に定着フィルム23表面のクリーニングを行なえるようにしたものである。
図8は本実施例の紙Pに形成される画像パターンを表わす図である。
紙Pにおいて、トナー供給領域はべた塗りで実施例1のトナー供給領域と変わらないが、トナー回収領域においてもべた塗りとなっている。つまり、画像パターンとして、紙Pの搬送方向に関して先端又は先端内側から定着フィルム23の外周長の長さより後方の範囲にも、紙Pの搬送方向と直交する方向に関して紙Pの最大印字可能な領域にわたって印字率50%以上の未定着トナーを担持させている。
本実施例の紙Pは、紙Pのトナー回収領域に未定着トナーが印字されていない場合よりも未定着トナーが担持されていた方がより定着フィルム23表面の炭酸カルシウム粒子を含むトナー汚れを剥ぎ取って排出することができる。これは、紙Pのトナー供給領域から定着フィルム23の表面に付着したトナーを回収するにあたって、半溶融トナーと紙表面の付着力よりも半溶融トナーと半溶融トナーの付着力の方が大きいことによる。従って、トナー回収領域での印字パターンは全域にわたって印字率50%以上であれば定着フィルム23表面から炭酸カルシウム粒子を含むトナー汚れを剥ぎ取って排出できるという効果を奏し得るけれども、印字率が高いほどその効果は増す。
[実施例3]
実施例1のクリーニングモードの他の例を説明する。
本実施例1に示すクリーニングモードは、画像パターンの先端がニップ部Nに進入してから定着フィルム23が一周するまでの間のプロセススピード(記録材搬送速度)を通常プリント動作のプロセススピードよりも遅くしたものである。
実施例1ではプロセススピード毎秒100mmでクリーニングモードを実行した例を説明したが、本実施例ではプロセススピード毎秒200mmでクリーニングモードを実行する例を説明する。そのため、本実施例では、例えばプロセススピードが毎秒200mmのプリンタを使用する。
図9はクリーニングモードの一例のフローチャートである。
クリーニングモードを開始すると(S11)、記録材Pとして普通紙等の紙の給紙(プロセススピード毎秒200mm)を行い(S12)、その紙Pにクリーニング用の画像パターン(所定のパターン)の画像形成を行う(S13)。その紙Pには、実施例1と同様、一連の帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程によってトナー供給領域に未定着トナーがべた塗りされる。
S14ではヒータ22への通電を開始する。ヒータ22への通電動作、及びヒータ22温度は実施例1と同じである。従ってヒータ22温度は200℃になるように温調される(S15)。
ところで、毎秒200mmのプロセススピードでは通常プリント動作時の温調温度で200℃の温調を要する。そのため、紙Pのトナー供給領域に担持させた未定着トナーを完全に溶融させ定着フィルム23表面に遷移させるには230℃程度の温調が必要となってくる。しかし、200℃を超える温調アップは定着フィルム23の耐熱性や安全装置のコストアップの点から好ましくない。そこで、S16では、クリーニングモード時のプロセススピードを通常プリント動作時よりも遅く半速の毎秒100mmまで落とす。プロセススピードのダウンに応じて紙Pに担持されている未定着トナーを定着フィルム23表面で加熱する加熱時間が延長される。未定着トナーは定着フィルム23表面の熱によって完全に溶融状態となり、その溶融状態のトナーの一部が紙P上から離れ定着フィルム23表面へ遷移する。これにより大幅な温調アップをせずに紙P上の未定着トナーを定着フィルム23表面にオフセットさせることができる。その溶融状態のトナーは流動性をもつため定着フィルム23表面の炭酸カルシウム粒子の細部にまでからみつき付着する。ニップN部を出た溶融状態のトナーは冷やされ定着フィルム23表面で炭酸カルシウム粒子に強固に固着する。
そして、定着フィルム23の二周目以降(S17のYES)でヒータ22温度が通常プリント動作の170℃になるように通電制御が行なわれるとともにプロセススピードが全速の毎秒200mmに戻る(S18)。これによりニップ部Nにて紙Pのトナー回収領域にトナーと一緒に炭酸カルシウム粒子が付着して排出される。これによって定着フィルム23表面から炭酸カルシウム粒子が除去される。
S19、S20、S21は、それぞれ実施例1のS8、S9、S10と同じである。
本実施例1のクリーニングモードは、プロセススピードが毎秒200mmの高速プリンタに好適に適用できる。
本実施例のクリーニングモードのS17とS18を次のようにしてもよい。即ち、プロセススピードを定着フィルム23の二周目以降でも半速の毎秒100mmのままとし、ヒータ22の温調温度を未定着トナーがホットオフセットせず紙Pのトナー回収領域に定着される温度まで下げる。これによっても上記のクリーニングモードと同様の作用効果が得られる。
また、本実施例のクリーニングモードは実施例1のプリンタにも適用できる。
即ち、プロセススピード毎秒100mmのプリンタAのクリーニングモードのS6において、画像パターンの先端がニップ部Nに進入してから定着フィルム23が一周するまでの間のプロセススピードを遅くする。これによって、プロセススピードを遅くした分、紙Pに担持させた未定着トナーをヒータ22からの熱によって完全に溶融状態にすることができる。これにより、S5でヒータ22温度が温調温度200℃になるように通電制御する必要がなくなる。つまり、S5でヒータ22温度を温調温度200℃未満になるように通電制御すればよい。従って、温調温度のさらなる低減が可能となり、通常プリント動作時と同じ電力、若しくは少ない電力で定着フィルム23表面のクリーニングを実行でき省電力化も達成できる。
本実施例のクリーニングモードにおいて、紙Pに形成する画像パターンとして、実施例2に示す画像パターンを形成するようにしてよい。
[実施例4]
定着装置の他の例を説明する。
本実施例に示す定着装置は、熱(定着)ローラ方式の定着装置である。
図10は本実施例の定着装置9の横断面模型図である。
本実施例に示す定着装置9は、定着ローラ(定着回転体)71と、ハロゲンヒータ(加熱体)74と、加圧ローラ(加圧回転体)24などを有している。定着ローラ71、ハロゲンヒータ74、及び加圧ローラ24は、何れも長手方向に細長い部材である。
定着ローラ71は、鉄やアルミニウム等の材料により形成された円筒状の芯金73の外周にPFA、PTFE等の離型層73を被覆している。その芯金73は長手方向の両端部が装置シャーシの側板対に軸受け部材を介して回転自由に保持されている。定着ローラ71の芯金73の内部には、芯金73の長手方向に沿って芯金73中央にハロゲンヒータ74が設けられている。ハロゲンヒータ74の長手方向の両端部は装置シャーシの側板対に保持されている。従って、定着ローラ71はハロゲンヒータ74を内包している。定着ローラ71の外径は定着フィルム23の外径と等しい。
加圧ローラ24は、定着ローラ71の下方において定着ローラ71と並列に配置され、芯金25の長手方向両端部を上記装置シャーシの側板対に軸受け部材を介して回転自由に保持させている。そして、加圧ローラ24の芯金25と定着ローラ71の芯金72は、長手方向両端部において不図示の加圧スプリングにより加圧ローラ24の外周面(表面)と定着ローラ71の外周面(表面)が接触するように加圧されている。その加圧力により加圧ローラ24表面と定着ローラ71表面を接触させ、加圧ローラ24表面と定着ローラ71表面間に所定幅のニップ部Nを形成している。
本実施例の定着装置9は、回転制御部8がプリント指令に応じて加圧ローラ24を所定の周速度(プロセススピード)で矢印方向へ回転させる。その際、ニップN部における加圧ローラ24表面と定着ローラ71表面との摩擦力により定着ローラ71に回転力が作用する。定着ローラ71は、その回転力により矢印方向に従動回転する。また、不図示の通電制御部はプリント指令に応じてハロゲンヒータ74に通電する。その通電によりハロゲンヒータ74が発熱して定着ローラ71を加熱する。
定着ローラ71の温度は定着ローラ71表面と接触しているサーミスタ等の温検素子(温度検知手段)28によって検知される。通電制御部は、温検素子28の出力信号に基づいてハロゲンヒータ74が所定の温調温度(目標温度)を維持するようにハロゲンヒータ74への通電を制御する。これによってニップ部Nは所定の温調温度に維持される。
加圧ローラ24及び定着ローラ71の回転が安定し、かつ、ハロゲンヒータ74の温度が温調温度に維持されると、未定着トナー画像Tを担持した記録材Pが給送ガイド27によりニップ部Nに導入される。その記録材Pはニップ部Nで加圧ローラ24表面と定着ローラ71表面とにより挟持搬送される。その搬送過程で記録材Pに定着ローラ71の熱とニップ部Nの圧が加えられ、トナー画像Tは記録材Pの面上に加熱定着される。トナー画像Tが加熱定着された記録材Pは定着ローラ71表面から曲率分離してニップ部Nから排出される。
本実施例では、定着ローラ71表面に付着したトナー汚れと炭酸カルシウム粒子を効率よく除去するために、図11のようなクリーニングモードを実行する。
図11はクリーニングモードの一例のフローチャートである。
S31、S32、S33、S34は、それぞれ実施例1のS1、S2、S3、S4と同じである。
S35では、紙Pの搬送方向に関して画像パターンの先端がニップ部Nに進入してから定着ローラ71が一周するまでの間、トナーを完全に溶融させ定着ローラ71表面に付着させるために、定着ローラ71表面が200℃になるように通電制御する。これにより、紙Pのトナー供給領域に担持させた未定着トナーは定着ローラ71表面の熱によって完全に溶融状態となる。
実施例1では、定着装置9がフィルム加熱方式であるため、定着フィルム23の二周目以降(S6のYES)でヒータ22温度が通常プリント動作時の170℃になるように通電制御が行なわれる(S7)。これは定着フィルム23とヒータ22が低熱容量であるために、応答性良く温調温度が切り替わることで可能となっている。
本実施例の熱ローラ方式の定着装置9では、定着ローラ71の熱容量が大きいため蓄熱量が多くなり、応答性の良い温度制御をすることが難しい。そこで、S37では、紙Pの搬送方向に関して画像パターンの先端がニップ部Nに進入してから定着ローラ71の二周目以降(S36のYES)でハロゲンランプ74に通電を行なわないようにする(S37)。通常プリント動作時の温度よりも高い200℃で温調された定着ローラ71は十分な蓄熱をしている。従って、定着ローラ71の二周目以降において定着ローラ71がハロゲンランプ74で加熱されなくても炭酸カルシウム粒子を含むトナーを紙Pのトナー回収領域に定着させるだけの熱量を定着ローラ71は有している。さらに、紙PがLTRサイズであれば、その紙Pのトナー回収領域の搬送方向に関する長さは、定着ローラ71の外周長の3倍以上ある。そのため、紙Pのトナー回収領域がニップ部Nにある間に炭酸カルシウム粒子を含むトナーをトナー回収領域に定着させる温度を達成することができる。
S38、S39は、それぞれ実施例1のS8、S10と同じである。
本実施例のクリーニングモードは、上記のように紙Pの搬送方向に関して画像パターンの先端がニップ部Nに進入してから定着ローラ71が一周した後はハロゲンランプ74への通電を切るようにしている。これにより、熱ローラ方式の定着装置9においても定着ローラ71表面の炭酸カルシウム粒子を含むトナー汚れを剥ぎ取って排出することができる。
本実施例ではプロセススピード毎秒100mmでクリーニングモードを実行した例を説明したが、本実施例のクリーニングモードはこれに限られるものでなく実施例3示すクリーニングモードを実行してもよい。その場合、プロセススピードが毎秒200mmのプリンタを使用する。
また、本実施例のクリーニングモードにおいて、紙Pに形成する画像パターンとして、実施例2に示す画像パターンを形成するようにしてよい。
画像形成装置の全体構成模型図 実施例1に係る定着装置の横断面模型図 定着フィルムの層構成を表わす図 ヒータ及び温調制御系の一例の説明図 実施例1に係る定着装置に対して実行されるクリーニングモードの一例のフローチャート 実施例1に係るクリーニングモードにおいて紙に形成されるトナー供給領域とトナー回収領域の説明図 実施例1に係るクリーニングモードにおいて紙のトナー供給領域に形成される画像パターンを表わす図 実施例2に係る紙の画像パターンを表わす図 実施例3に係るクリーニングモードのフローチャート 実施例4に係る定着装置の横断面模型図 実施例4に係る定着装置に対して実行されるクリーニングモードの一例のフローチャート
符号の説明
8:回転制御部、23:定着フィルム、24:加圧ローラ、51:通電制御部、71:定着ローラ、N:ニップ部、P:記録材、T:トナー画像

Claims (5)

  1. 加熱体を内包した定着回転体と、前記定着回転体とともにニップ部を形成する加圧回転体と、前記加熱体の温度が所定温度になるように通電する通電制御手段と、を有し、前記ニップ部でトナー像を担持する記録材を挟持搬送しつつトナー像を加熱する像加熱装置において、
    記録材を前記ニップ部で挟持搬送して前記定着回転体をクリーニングするクリーニングモードを有し、前記クリーニングモードでは、所定のパターンに未定着トナーが担持された記録材の搬送方向に関して前記パターンの先端が前記ニップ部に進入してから前記定着回転体が一周するまでの間、前記加熱体の温度が前記トナー像を加熱するときの温度よりも高い温度になるように通電制御することを特徴とする像加熱装置。
  2. 加熱体を内包した定着回転体と、前記定着回転体とともにニップ部を形成する加圧回転体と、前記加熱体の温度が所定温度になるように通電する通電制御手段と、を有し、前記ニップ部でトナー像を担持する記録材を挟持搬送しつつトナー像を加熱する像加熱装置において、
    記録材を前記ニップ部で挟持搬送して前記定着回転体をクリーニングするクリーニングモードを有し、前記クリーニングモードでは、所定のパターンに未定着トナーが担持された記録材の搬送方向に関して前記パターンの先端が前記ニップ部に進入してから前記定着回転体が一周するまでの間、記録材を前記ニップ部で挟持搬送する記録材搬送速度を、前記ニップ部でトナー像を担持する記録材を挟持搬送するときの記録材搬送速度よりも遅くすることを特徴とする像加熱装置。
  3. 前記クリーニングモードにおける記録材は、前記パターンとして、記録材の搬送方向に関して記録材の先端又は先端内側から前記定着回転体の外周長の長さの範囲に、記録材の搬送方向と直交する方向に関して記録材の最大印字可能な領域にわたって印字率50%以上の未定着トナーが担持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の像加熱装置。
  4. 前記クリーニングモードにおける記録材は、記録材の搬送方向に関して記録材の先端又は先端内側から前記定着回転体の外周長の長さより後方の範囲に、記録材の搬送方向と直交する方向に関して記録材の最大印字可能な領域にわたって未定着トナーが担持されていないことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の像加熱装置。
  5. 前記クリーニングモードにおける記録材は、前記パターンとして、記録材の搬送方向に関して記録材の先端又は先端内側から前記定着回転体の外周長の長さより後方の範囲に、記録材の搬送方向と直交する方向に関して記録材の最大印字可能な領域にわたって印字率50%以上の未定着トナーが担持されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の像加熱装置。
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