JP2009030536A - ベーンポンプ - Google Patents

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Kanji Maeda
寛二 前田
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Abstract

【課題】簡単に分解・組立てができることはもとより、分解・組立てを繰り返しても液シール部材に液漏れを生じ難いベーンポンプが望まれている。
【解決手段】ベーンポンプ1は、ロータ軸9を、ロータ8から突設されたロータ側軸9Aと、モータMと連結される駆動側軸9Bとに分割して構成し、ロータ側軸9Aと駆動側軸9Bとを係脱自在に連結する係合手段73を備え、一方のサイドプレート6に形成された軸受装着孔43に、ロータ側軸9Aを軸支する第1軸受28を着脱自在に配備し、サイドプレート6における第1軸受28よりもロータ8から遠い位置に、駆動側軸9Bを軸支する第2軸受74を配備し、軸受装着孔43に配備した液シール部材37により駆動側軸9Bを封液する構成にしてある。
【選択図】図3

Description

本発明は、分解・組立ての容易なベーンポンプに関するものである。
従来、この種のベーンポンプとしては、本発明者により創案されて下記特許文献1に開示されたものが知られている。文献開示のベーンポンプは、筒状のケーシングの両側の筒開口部をそれぞれサイドプレートで封止し、ケーシング内で筒心から偏心した位置に配置したロータを両側のサイドプレートに回動自在に軸支し、ロータのベーン収容溝にベーンをロータ径方向出没自在に収容したものである。このベーンポンプは、例えばマヨネーズ、ケチャップ、チョコレート、接着剤、ロックペイント用インク材といった粘度5000〜100000cP程度の高粘性液を輸送するのに適し、50〜1000rpm程度の低速であっても支障なく運転できるようになっている。
特開平11−37062号公報
ところが、上記文献開示のベーンポンプは、ケーシングに対し両側のサイドプレートをそれぞれ複数本のボルトで固定するので、分解・組立てに手間と時間がかかっていた。そのために、日常的な洗浄作業やメンテナンス作業が苦となり、取り扱う流体が飲食品などであっても分解洗浄が怠りがちとなり衛生面で問題を生じることがあった。また、分解・組立てを繰り返すとボルトを螺止するケーシングの雌ネジ部が摩損してボルトが利かなくなるため、頻繁に分解・組立てを繰り返す必要のあるポンプとしては適さない。
そこで、本発明者は簡単に分解・組立てができて日常的な洗浄作業やメンテナンス作業を楽に行なえるベーンポンプを開発し、特許出願(特願2006−22422号)をした。この出願に係るベーンポンプは、ケーシングの両側の筒開口部に径方向外向きのフランジ部をそれぞれ突設し、ロータを軸支する両側のサイドプレートに径方向外向きのフランジ部をそれぞれ突設し、ケーシングの両側のフランジ部と、両側のサイドプレートのフランジ部とをつき合わせ、つき合わせたフランジ部を締付リングにより締め付けてケーシングと両側のサイドプレートとをそれぞれ着脱自在に連結するようにしたものである。
このベーンポンプでは、回転駆動源との連結のために、ロータ軸が一方のサイドプレートの軸受孔に貫通配備されている。この貫通配備されたロータ軸は、軸受孔に配備されたリップ材などからなる液シール部材で液封されており、分解の際にはロータ軸が液シール部材から抜き取られるようになっている。しかしながら、分解の際や組立ての際にロータ軸が液シール部材の軸心に対してぶれやすい。このようにロータ軸がぶれると、液シール部材の液漏れを生じやすくなる。
一方で、四フッ化エチレン樹脂や黄銅合金などからなるすべり軸受は温度変化により膨張・収縮するため、膨張分を見越してロータ軸心方向の厚さを小さくしたものが使用される。しかしながら、運転開始初期でロータが十分に昇温していない場合や、低温の流体を輸送する場合は、すべり軸受が収縮していることから、ロータ側面とすべり軸受対向面との間のクリアランスが所定よりも大きくなっていて、ポンプ室内の輸送流体が前記のクリアランスから低圧側へ漏れるため、ポンプ効率が低くなるという不具合があった。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、簡単に分解・組立てができることはもとより、分解・組立てを繰り返しても液シール部材に液漏れを生じ難いベーンポンプの提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るベーンポンプは、筒状のケーシングと、ケーシングの両側の筒開口部を封止してケーシング内にポンプ室を形成する両側のサイドプレートと、ケーシング内に配置されて筒心から偏心した位置の軸心回りに回転するロータと、ロータの両側に突設されて両側のサイドプレートに支持されるロータ軸と、ロータのベーン収容溝にロータ径方向出没自在に収容されるベーンとを有するとともに、ケーシングの両側の筒開口部に径方向外向きのフランジ部をそれぞれ突設し、両側のサイドプレートに径方向外向きのフランジ部をそれぞれ突設し、ケーシングの両側のフランジ部と両側のサイドプレートのフランジ部とをつき合わせ、つき合わせたフランジ部を締付リングにより締め付けてケーシングと両側のサイドプレートとをそれぞれ着脱自在に連結したベーンポンプであって、一方のサイドプレートに軸支されるロータ軸を、ロータから突設されたロータ側軸と、回転駆動源と連結される駆動側軸とに分割して構成し、ロータ側軸と駆動側軸とを係脱自在に連結する係合手段を備え、一方のサイドプレートにロータ軸心方向に貫通して形成された軸受装着孔に、ロータ側軸を回動自在に軸支する第1軸受を着脱自在に配備し、一方のサイドプレートにおける第1軸受よりもロータから遠い位置に、駆動側軸を回動自在に軸支する第2軸受を配備するとともに、第1軸受と第2軸受の間の軸受装着孔に配備した液シール部材により駆動側軸を封液する構成にしてある。
また、前記の構成において、ロータ側面との間に所定クリアランスを有するケーシングの筒開口部と対面する一方のサイドプレートの対向面に、第1軸受をロータ軸心方向に移動可能に収容する軸受収容部を形成し、軸受収容部に収容された第1軸受と一方のサイドプレートとの間に、第1軸受をケーシングの筒開口部に向けて弾性付勢する付勢部材を介設したものである。
本発明に係るベーンポンプによれば、締付リングによって両側のサイドプレートがケーシングに着脱自在に連結されるので、締付リングを装着したり取り外したりするだけで連結固定状態を解除することができ、簡単かつ迅速に分解・組立て作業を行なうことができる。従って、日常的な洗浄作業やメンテナンス作業が極めて楽になり頻繁に洗浄できる。そのうえ、ロータ軸はロータ側軸と駆動側軸とに分割構成されていて、駆動側軸は第2軸受で軸支され液シール部材で封液されるので、日常の分解・組立て時に駆動側軸が液シール部材から取り外されることはない。これにより、液シール部材の軸心に対し駆動側軸がぶれないから、分解・組立てにより液シール部材が液シール不良を生じることはない。そして、ロータ側軸が駆動側軸から離脱し第1軸受がサイドプレートから離脱するので、一方のサイドプレートと第1軸受との隙間や第1軸受の軸装着孔内など細部の洗浄に支障を生じない。
また、第1軸受と一方のサイドプレートとの間に付勢部材が介在するものでは、第1軸受が付勢部材によりロータ側面に向けて常時弾性付勢される。これにより、第1軸受はロータ側面との対向面がケーシングの筒開口部に当接し、ロータ側面と第1軸受の対向面との間に常に所定クリアランスが保持される。その結果、ベーンポンプのポンプ効率を温度変化によらず一定に保持することができる。
本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。図1は本発明の一実施形態に係るベーンポンプの斜視図、図2は前記ベーンポンプの平面図、図3は前記ベーンポンプの右側断面図、図4は図3に示したベーンポンプの分解側断面図、図5の(a)は前記ベーンポンプに用いるロータの背面図、(b)は前記ベーンポンプに用いるベーンの斜視図、(c)は前記ベーンポンプに用いる基台支持側のサイドプレートの正面図、図6は前記ベーンポンプから締付リングを外した態様を示す左側面図である。
各図において、この実施形態に係るベーンポンプ1は、ほぼ円筒状のケーシング2と、ケーシング2の両側の筒開口部3,4を封止してケーシング2内にポンプ室7を形成する両側のサイドプレート5,6と、基台46上に立設されてサイドプレート6を支持する支持板40と、両側のサイドプレート5,6とケーシング2をそれぞれ連結固定する1対の締付リング51,51とを有している。
ケーシング2内において筒心(図3中の1点鎖線C)から例えば上方の偏心位置(図3中の1点鎖線D)に、正面視円柱状のロータ8が両側のサイドプレート5,6に対し回動自在に支持されている。ロータ8はその軸心Dを前記筒心Cと平行にして配置されている。ケーシング2内に収容されたロータ8の軸心方向両側のロータ側面8A,8Bと、ケーシング2の両側の筒開口部の端面との間には、それぞれ所定クリアランスF(図8参照)が存在している。ロータ8の外周部には、ロータ軸心を中心として放射状に、4つのベーン収容溝10,10,10,10が設けられている。これらのベーン収容溝10,10,10,10はそれぞれロータ軸心廻りに90°ずつ変位した位置に設けられている。この場合、対をなすベーン収容溝10,10がロータ直径線上の対角位置に2対設けられている。そして、対をなすベーン収容溝10,10間を連通するピン収容孔11,12がロータ8に穿設されている。これらのピン収容孔11,12はロータ軸心廻りに90度変位した位置に設けられている。ピン収容孔11,12には、所定長のピン13,13が孔芯方向に移動可能に装入されている。
ロータ8の両側に突設されたロータ軸9は図示せぬ減速機などを介してモータ(回転駆動源)Mと連結されている。この場合、一方のサイドプレート6に支持されるロータ軸9は、ロータ8からロータ軸心(1点鎖線D)方向に突設されたロータ側軸9Aと、モータMと連結される駆動側軸9Bとに分割して構成されている。そして、ロータ側軸9Aの先端面には、角溝状の係合凹部71が形成されている。駆動側軸9Bのロータ側の先端面には、ロータ側軸9Aの係合凹部71と係脱自在に係合する係合凸部72が形成されている。係合凹部71と係合凸部72とは、ベーンポンプ1が分解されてロータ側軸9Aがサイドプレート6から取り外される際に離脱する。すなわち、ロータ側軸9Aの係合凹部71と駆動側軸9Bの係合凸部72との組み合わせにより、ロータ側軸9Aと駆動側軸9Bとを係脱自在に連結する係合手段73が構成される。
ベーン収容溝10,10,10,10には、ベーン14,14,14,14がそれぞれロータ径方向出没自在に収容されている。ベーン14は矩形板状(図5(b)参照)に形成されており、ベーン収容溝10に収容された際にロータ回転方向前側となる面にロータ径方向の圧力導入溝15が刻設されている。この圧力導入溝15は、ベーン収容溝10におけるベーン14底面よりも奥部の溝内空間とロータ回転方向前方のポンプ室7とを連通してロータ駆動時にベーン14を外向きに付勢する。対をなすベーン14,14とピン13とを加えた全寸法は、運転初期時に各ベーン14,14の先端がケーシング2の内周面に強く摺接することなく円滑に回転できる程度の長さとなるように設定されている。これにより、ピン13の所定長が規定される。前記したケーシング2の左右側面には、ポンプ室7に対し移送流体を出し入れする出入口41,42が形成されている。出入口41,42はロータ8の回転方向により一方が流体吸込口となり他方が流体吐出口となるが、ロータ8の逆回転により流体吸込口と流体吐出口とが切り替わるようになっている。
ケーシング2の筒開口部3にはケーシング2の外周面からケーシング径方向外向きに突出したフランジ部47が全周にわたって設けられ、筒開口部4にも同様にケーシング径方向外向きに突出したフランジ部48が全周にわたって設けられている。サイドプレート5にはプレート径方向外向きのフランジ部49が全周にわたって設けられ、サイドプレート6にはプレート径方向外向きのフランジ部50が全周にわたって設けられている。この例において、フランジ部47,48,49,50の外径寸法はいずれも同じにしてある。ケーシング2のフランジ部47は前面がケーシング軸心と直交する面となり背面が外向きに前進するテーパ面47Aとなるように形成されている。ケーシング2のフランジ部48は前面が外向きに後退するテーパ面48Aとなり背面がケーシング軸心と直交する面となるように形成されている。また、サイドプレート5のフランジ部49は前面が外向きに後退するテーパ面49Aとなり背面がケーシング軸心と直交する面となるように形成されている。サイドプレート6のフランジ部50は前面がケーシング軸心と直交する面となり背面が外向きに前進するテーパ面50Aとなるように形成されている。
前記のサイドプレート5は正面視円形状に形成され、そのロータ側面8Aとの対向面85には前向きに陥入した軸受収容部61と、軸受収容部61の中心部分に位置する軸受装着孔16とがそれぞれ形成されている。すべり軸受17は例えば四フッ化エチレン樹脂などから成り、ロータ側軸9Aの一方を回動自在に軸支する軸受孔19が形成されているすべり軸受部18と、すべり軸受部18のロータ寄り端部の全周に外向きに突出して形成された円盤状の周鍔部86とから構成されている。すべり軸受17は外周の周鍔部86がサイドプレート5の軸受収容部61内に収容され、すべり軸受部18が軸受装着孔16内に収容されてロータ軸心方向に移動可能となっている。周鍔部86の背面外周部には全周にわたって収容溝24が形成され、収容溝24にOリング25が収容される。サイドプレート5の対向面85と軸受収容部61の軸受装着孔の境界部分には収容溝87が形成され、収容溝87にOリング88が収容される。軸受収容部61の対向面85の外縁近傍には、収容溝82が全周にわたって形成されている。この収容溝82にOリング83が収容されている。収容溝82に収容されたOリング83はすべり軸受17の周鍔部86が装着されていない状態のとき対向面85からロータ向きに突出している。サイドプレート5の軸受収容部61の対向面85には留めピン20が後向きに突設されている。この留めピン20は、サイドプレート5の軸受収容部61に装着された周鍔部86の前面の係合穴21に嵌合してすべり軸受17を周方向に位置決め係止する。サイドプレート5の上部背面には留めピン22が後向きに突設されている。この留めピン22は、サイドプレート5の背面に装着されたケーシング2の前面の係合穴23に嵌合してサイドプレート5をケーシング2に位置決め係止する。
前記のサイドプレート6は正面視円形状(図5(c)参照)に形成され、そのロータ側面8Bとの対向面80には後向きに陥入した軸受収容部45が形成されている。軸受収容部45の中心部分には軸受装着孔43がロータ軸心方向に貫通して形成されている。すべり軸受28(第1軸受の例)は例えば四フッ化エチレン樹脂などから成り、ロータ側軸9Aの他方を回動自在に軸支する軸受孔36が形成されているすべり軸受部29と、すべり軸受部29のロータ寄り端部の全周に外向きに突出して形成された円盤状の周鍔部81とから構成されている。このすべり軸受28は外周の周鍔部81がサイドプレート6の軸受収容部45内に収容され、すべり軸受部29が軸受装着孔43内に収容されてロータ軸心方向に移動可能となっている。周鍔部81の前面外周部には全周にわたる収容溝26が形成され、収容溝26にOリング27が収容される。軸受収容部45の対向面80の外縁近傍には、収容溝77が全周にわたって形成されている。この収容溝77にOリング(付勢部材の例)78が収容されている。収容溝77に収容されたOリング78はすべり軸受28の周鍔部81が装着されていない状態のとき対向面80からロータ向きに突出している。サイドプレート6の軸受収容部45と軸受装着孔43の境界部分には収容溝30が形成され、収容溝30にOリング31が収容される。サイドプレート6の軸受収容部45の対向面80には留めピン33が前向きに突設されている。この留めピン33は、サイドプレート6の軸受収容部45に装着された周鍔部81の背面の係合穴32に嵌合してすべり軸受28を周方向に位置決め係止する。サイドプレート6の上部前面には留めピン35が前向きに突設されている。この留めピン35はサイドプレート6の前面に装着されたケーシング2の背面の係合穴34に嵌合してサイドプレート6をケーシング2に位置決め係止する。
そして、サイドプレート6は後面のボス部が支持板40の装着孔39に装着され、ボルト挿通孔44を通したボルト75で支持板40に固定されている。サイドプレート6の軸受装着孔43の後端部には、駆動側軸9Bを回動自在に液封して軸心方向の液漏れを防ぐ正面視リング状の液シール部材37が装着されている。液シール部材37はサイドプレート6の後面にボルト76で固定された支持プレート52によって保持されている。支持プレート52の中心部には軸挿通孔38がロータ軸心方向に貫通して形成されている。この軸挿通孔38に、すなわちすべり軸受28よりもロータ8から遠い位置に、駆動側軸9Bを回動自在に軸支する2つのボール軸受(第2軸受の例)74,74が装着固定されている。これらのボール軸受74,74はそれぞれの内輪が焼嵌めなどで駆動側軸9Bに固定されている。尚、すべり軸受17の周鍔部86の対向面84、およびすべり軸受28の周鍔部81の対向面79は、通常、ロータ側面8A,8Bとの間にそれぞれ所定クリアランスF(図8参照)を有してロータ側面8A,8Bと対面している。
締付リング51は、連結部55と、連結部55の一端に枢支ピン56で揺動自在に枢支された弧状腕54と、連結部55の他端に枢支ピン56で揺動自在に枢支された弧状腕53と、弧状腕53の先端部53Aに枢支ピン58で揺動自在に枢支されたコ字状体57と、コ字状体57の先端に形成された雌ネジ孔に螺合する蝶形ボルト59とから成っている。弧状腕53,54は断面コ字状の両先端が幅方向に広がった形状に形成されている。弧状腕53,54の前側内周面はフランジ部48,49のテーパ面48A,49Aと略同じ角度に傾斜した面となっており、後側内周面はフランジ部47,50のテーパ面47A,50Aと略同じ角度に傾斜した面となっている。
ケーシング2へサイドプレート5,6を固定する際は、ケーシング2のフランジ部47とサイドプレート5のフランジ部49とがつき合わせられた状態で、フランジ部47とフランジ部49のテーパ面47A,49Aに締付リング51の弧状腕53および弧状腕54の内周面を添え、弧状腕53の先端部53Aと弧状腕54の先端部54Aを対面させる。その後、コ字状体57を枢支ピン58回りに揺動させて蝶形ボルト59を弧状腕54の先端部54Aを越えた位置まで運び、蝶形ボルト59を螺進させて弧状腕54の先端部54Aを弧状腕53の先端部53Aに近づける。これにより、フランジ部47とフランジ部49がケーシング軸心方向に締め付けられる。ケーシング2のフランジ部48とサイドプレート6のフランジ部50とを締付リング51で連結する場合も同様である。
次に、上記したように構成されたベーンポンプ1の分解動作を説明する。まず、サイドプレート5側の蝶形ボルト59を緩めて締付リング51をフランジ部47,49から取り外す。サイドプレート5およびすべり軸受17をケーシング2から取り外して筒開口部3を開放する。サイドプレート5からすべり軸受17を抜き取り、すべり軸受17からOリング25を外し、サイドプレート5からOリング83,88を外す。次に、ロータ8、ベーン14,14,14,14、およびピン13,13を一体でケーシング2内から前方へ取り出す。すると、サイドプレート6側のロータ側軸9Aが駆動側軸9Bから離脱して係合手段73による係合状態が解除される。そして、各ベーン14および各ピン13はそれぞれ自重によりベーン収容溝10およびピン収容孔11,12から抜け落ちる。
続いて、サイドプレート6側の蝶形ボルト59を緩めて締付リング51をフランジ部48,50から取り外す。ケーシング2をサイドプレート6およびすべり軸受28から取り外す。そして、サイドプレート6からすべり軸受28を抜き取り、すべり軸受28からOリング27を外し、すべり軸受28のすべり軸受部29の外周からOリング31を外し、サイドプレート6の収容溝77からOリング78を外す。これで、日常的な洗浄のための分解作業が完了する。かかる分解作業開始から完了までに費やした時間は15秒足らずである。このように分解された多数の部品は図7に示す通りである。
一方で、部品組立ての際は、分解時と概ね逆の手順で作業を行なう。すなわち、サイドプレート6の収容溝77にOリング78を装着する。次に、すべり軸受28のすべり軸受部29の外周にOリング31を装着するとともに収容溝26にリング27を装着し、すべり軸受部29をサイドプレート6の軸受装着孔43に差し込んですべり軸受28を軸受収容部45内に装着する。このとき、留めピン33に係合穴32を係合させてサイドプレート6とすべり軸受28を規定位置に位置決めする。次に、サイドプレート6およびすべり軸受28の前面にケーシング2の筒開口部4を対面させ、フランジ部50およびフランジ部48をつき合わせる。このとき、留めピン35に係合穴34を係合させてサイドプレート6およびすべり軸受28とケーシング2とを規定位置に位置決めする。付き合わせたフランジ部50,48を締付リング51で締め付けると、サイドプレート6およびすべり軸受28とケーシング2とが水密状に連結される。
続いて、ロータ8の下側に位置するベーン収容溝10,10にベーン14,14を収容し、抜け落ちないように片手でベーン14,14を支持しておく。更に、ピン収容孔11,12にピン13,13をそれぞれ収容したのち、上側に位置するベーン収容溝10,10に残りのベーン14,14を収容し、そのままロータ8全体をケーシング2内に挿入する。そして、ロータ軸9Aをすべり軸受28の軸受孔36に挿入し、ロータ側軸9Aの係合凹部71を駆動側軸9Bの係合凸部72に係合させる。
そして、サイドプレート5の収容溝82にOリング83を装着する。次に、すべり軸受17のすべり軸受部18の外周にOリング88を装着するとともに、収容溝24にOリング25を装着し、このすべり軸受17をサイドプレート5の軸受収容部61および軸受装着孔16に装着する。このとき、留めピン20に係合穴21を係合させてすべり軸受17とサイドプレート5とを規定位置に位置決めする。続いて、ケーシング2の筒開口部3にすべり軸受17およびサイドプレート5の背面を対面させ、フランジ部47およびフランジ部49をつき合わせる。このとき、係合穴23に留めピン22を係合させてケーシング2とすべり軸受17およびサイドプレート5とを規定位置に位置決めする。付き合わせたフランジ部47,49を締付リング51で締め付けると、ケーシング2とすべり軸受17およびサイドプレート5とが水密状に連結され、一連の組立て作業が完了する。かかる組立て作業に費やした時間は20秒程度である。
上記したように、本実施形態のベーンポンプ1は、締付リング51,51によってサイドプレート5,6がケーシング2に着脱自在に連結されるので、締付リング51を装着したり取り外したりすることにより、簡単かつ迅速に分解・組立て作業を行なうことができる。従って、日常的な洗浄作業やメンテナンス作業が極めて楽になり、頻繁に洗浄を行なうことができる。これにより、取扱流体が飲料、食品、化粧品などであっても、毎日あるいは1日数回分解洗浄ができることから極めて衛生的である。
尚、日常の分解洗浄において、駆動側軸9B、液シール部材37、ボール軸受74,74は支持プレート52およびボルト76によってサイドプレート6に保持されたままであるが、更に進んでメンテナンスを行なうには、前記の分解状態からボルト75を緩めてサイドプレート6を支持板40から取り外し、更に図7のカッコ中に示すように、ボルト76を緩めてサイドプレート6から支持プレート52を外して液シール部材37を取り出す。これにより、子細な部位までのメンテナンス作業を実施することができる。
また、ロータ軸9はロータ側軸9Aと駆動側軸9Bとに分割構成されていて、駆動側軸9Bがボール軸受74,74で軸支され液シール部材37で液封されているので、日常の分解・組立て時において駆動側軸9Bが液シール部材37から取り外されることはなく、液シール部材37の軸心に対し駆動側軸9Bがぶれることもない。従って、分解・組立てにより液シール部材37が液シール不良を生じることはない。かかる構成であっても、ロータ側軸9Aが駆動側軸9Bから離脱でき、すべり軸受28がサイドプレート6から離脱できるので、サイドプレート6とすべり軸受28との間や装着孔36内など細部にわたって洗浄することができる。
そして、このベーンポンプ1では、すべり軸受17,28の周鍔部86,81とサイドプレート5,6の対向面85,80との間にOリング83,78がそれぞれ介設されているので、すべり軸受17,28は、図8に示すように、Oリング83,78によりロータ側面8A,8Bに向けて(矢印Sa,Sb)常に弾性付勢されている。これにより、すべり軸受17,28の周鍔部86,81はそれぞれの対向面84,79(実線)がケーシング2の筒開口部3,4の端面に密着し、ロータ側面8A,8Bとすべり軸受17,28の対向面84,79との間に常に所定クリアランスFが保持される。その結果、ベーンポンプ1のポンプ効率は低下することなく一定に保持されるのである。
因みに、Oリング83,78を省略してベーンポンプ1を組み立てた場合は、低温時にすべり軸受17,28が収縮してそれぞれの対面部84,79が図8中の1点鎖線で示す位置となり、所定クリアランスFよりも広いクリアランスFsが生じて流体リークが多くなり、ポンプ効率が低下する。尚、すべり軸受17側のOリング83を省略しすべり軸受28側のOリング78だけを用いた場合でも、相応の効果を奏することは言うまでもない。
尚、上記の実施形態では、ロータ側軸9Aの係合凹部71と駆動側軸9Bの係合凸部72とから成る係合手段73を例示したが、本発明にいう係合手段は前記した係合凹部71と係合凸部72との組み合わせ構成に限らない。例えば、ロータ側軸9Aに設けた係合凸部と、駆動側軸9Bに設けた係合凹部とにより係合手段を構成することが可能であり、その他の係合構成を採用しても構わない。
また、上記では、Oリング78を本発明の付勢部材として例示したが、本発明はOリングに限らず、すべり軸受をロータ側面に向けて弾性付勢する例えばコイルバネや板バネなどを付勢部材として用いてよい。
本発明の一実施形態に係るベーンポンプの斜視図である。 前記ベーンポンプの平面図である。 前記ベーンポンプの右側断面図である。 図3に示したベーンポンプの分解側断面図である。 (a)は前記ベーンポンプに用いるロータの背面図、(b)は前記ベーンポンプに用いるベーンの斜視図、(c)は前記ベーンポンプに用いる基台支持側のサイドプレートの正面図である。 前記ベーンポンプから締付リングを外した態様を示す左側面図である。 前記ベーンポンプを分解した部品図である。 前記ベーンポンプの内部状態を示す部分側断面図である。
符号の説明
1 ベーンポンプ
2 ケーシング
3,4 筒開口部
5,6 サイドプレート
7 ポンプ室
8 ロータ
8A,8B ロータ側面
9 ロータ軸
9A ロータ側軸
9B 駆動側軸
10 ベーン収容溝
14 ベーン
17 すべり軸受
28 すべり軸受(第1軸受)
37 液シール部材
43 軸受装着孔
47,48,49,50 フランジ部
51 締付リング
71 係合凹部
72 係合凸部
73 係合手段
74 ボール軸受(第2軸受)
77 収容溝
78 Oリング(付勢部材)
79 対向面
80 対向面
C,D 1点鎖線
F 所定クリアランス

Claims (2)

  1. 筒状のケーシングと、ケーシングの両側の筒開口部を封止してケーシング内にポンプ室を形成する両側のサイドプレートと、ケーシング内に配置されて筒心から偏心した位置の軸心回りに回転するロータと、ロータの両側に突設されて両側のサイドプレートに支持されるロータ軸と、ロータのベーン収容溝にロータ径方向出没自在に収容されるベーンとを有するとともに、ケーシングの両側の筒開口部に径方向外向きのフランジ部をそれぞれ突設し、両側のサイドプレートに径方向外向きのフランジ部をそれぞれ突設し、ケーシングの両側のフランジ部と両側のサイドプレートのフランジ部とをつき合わせ、つき合わせたフランジ部を締付リングにより締め付けてケーシングと両側のサイドプレートとをそれぞれ着脱自在に連結したベーンポンプであって、
    一方のサイドプレートに軸支されるロータ軸を、ロータから突設されたロータ側軸と、回転駆動源と連結される駆動側軸とに分割して構成し、ロータ側軸と駆動側軸とを係脱自在に連結する係合手段を備え、一方のサイドプレートにロータ軸心方向に貫通して形成された軸受装着孔に、ロータ側軸を回動自在に軸支する第1軸受を着脱自在に配備し、一方のサイドプレートにおける第1軸受よりもロータから遠い位置に、駆動側軸を回動自在に軸支する第2軸受を配備するとともに、第1軸受と第2軸受の間の軸受装着孔に配備した液シール部材により駆動側軸を封液するようにしたことを特徴とするベーンポンプ。
  2. ロータ側面との間に所定クリアランスを有するケーシングの筒開口部と対面する一方のサイドプレートの対向面に、第1軸受をロータ軸心方向に移動可能に収容する軸受収容部を形成し、軸受収容部に収容された第1軸受と一方のサイドプレートとの間に、第1軸受をケーシングの筒開口部に向けて弾性付勢する付勢部材を介設して成る請求項1に記載のベーンポンプ。
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