JP2003240125A - 軸封装置 - Google Patents
軸封装置Info
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- JP2003240125A JP2003240125A JP2002036060A JP2002036060A JP2003240125A JP 2003240125 A JP2003240125 A JP 2003240125A JP 2002036060 A JP2002036060 A JP 2002036060A JP 2002036060 A JP2002036060 A JP 2002036060A JP 2003240125 A JP2003240125 A JP 2003240125A
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- shaft
- shaft sealing
- sealing device
- cylindrical
- sealing member
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
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-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16J—PISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
- F16J15/00—Sealings
- F16J15/16—Sealings between relatively-moving surfaces
- F16J15/40—Sealings between relatively-moving surfaces by means of fluid
- F16J15/406—Sealings between relatively-moving surfaces by means of fluid by at least one pump
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16J—PISTONS; CYLINDERS; SEALINGS
- F16J15/00—Sealings
- F16J15/16—Sealings between relatively-moving surfaces
- F16J15/164—Sealings between relatively-moving surfaces the sealing action depending on movements; pressure difference, temperature or presence of leaking fluid
-
- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC
- Y10S—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
- Y10S277/00—Seal for a joint or juncture
- Y10S277/908—Seal for use in rotating and reciprocating arrangement
Landscapes
- Engineering & Computer Science (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
- Sealing Devices (AREA)
- Sealing Of Bearings (AREA)
- Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 流体中で回転する回転軸に適用される軸封装
置において、軸封部材に生じることが避け難い摺接熱を
利用して、軸封部材の回転軸への摺接強さを緩和させる
軸封装置を提供する。 【解決手段】 円筒状軸封部材であるシール体32のス
リーブ部35は、回転軸である回転軸5に嵌着されたセ
ラミック製のシャフトスリーブ26の外周面37に、自
身の弾性に基づく自緊力に加えて円筒外面に流体圧力に
基づく押付け力を作用する。スリーブ部35には、円筒
内面36と外周面37との摺動に起因した摺動熱によっ
て外側へ広がろうとする熱膨張力が生じ、この熱膨張力
を自緊力と実質的に釣り合うように設定している。スリ
ーブ部35には不要な発熱がなく、摩耗量も少ないの
で、簡単な構造で比較的安価に優れた軸封機能を実現で
きる。
置において、軸封部材に生じることが避け難い摺接熱を
利用して、軸封部材の回転軸への摺接強さを緩和させる
軸封装置を提供する。 【解決手段】 円筒状軸封部材であるシール体32のス
リーブ部35は、回転軸である回転軸5に嵌着されたセ
ラミック製のシャフトスリーブ26の外周面37に、自
身の弾性に基づく自緊力に加えて円筒外面に流体圧力に
基づく押付け力を作用する。スリーブ部35には、円筒
内面36と外周面37との摺動に起因した摺動熱によっ
て外側へ広がろうとする熱膨張力が生じ、この熱膨張力
を自緊力と実質的に釣り合うように設定している。スリ
ーブ部35には不要な発熱がなく、摩耗量も少ないの
で、簡単な構造で比較的安価に優れた軸封機能を実現で
きる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体を移送するポ
ンプ等の流体圧力を受けつつ作動する流体機械の回転軸
に適用される軸封装置に関し、特に、優れた封止機能を
有していると共に構造が簡易で、取扱いが容易な軸封装
置に関する。
ンプ等の流体圧力を受けつつ作動する流体機械の回転軸
に適用される軸封装置に関し、特に、優れた封止機能を
有していると共に構造が簡易で、取扱いが容易な軸封装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】流体移送用ポンプのような流体圧力を受
けつつ作動する流体機械においては、回転軸の周りから
流体が漏れるのを防止する軸封装置として、従来から、
メカニカルシール、セグメントシール、グランドパッキ
ン、リップシール等の各種シールが用いられている。メ
カニカルシールは、封止面である摺動面の圧力をスプリ
ングの力と液圧力とで得ているので、構造が複雑である
と共に取扱いが困難であり、取付けが不調になることが
ある。また、メカニカルシールは、ドライ運転の異常操
作があると破壊又は焼付いて軸封機能を喪失するので、
運転保守の面で交換整備のための長時間の運転中断の不
安がある。セグメントシールは、多数のセグメントを有
しているために構造が複雑であるので、組合せ面からの
流体の漏れが避けられない。グランドパッキンは、軸摺
動熱を漏れ量で冷やすので、締付調整を要し、調整が不
具合であると焼付きが生じるという問題がある。また、
リップシールは、軸に対して線接触にて接触するので、
接触圧力が大きく、封止液圧力が高い場合や軸摺動速度
が速い場合には摺動摩擦によって発熱し、早期に摩耗す
るという問題がある。
けつつ作動する流体機械においては、回転軸の周りから
流体が漏れるのを防止する軸封装置として、従来から、
メカニカルシール、セグメントシール、グランドパッキ
ン、リップシール等の各種シールが用いられている。メ
カニカルシールは、封止面である摺動面の圧力をスプリ
ングの力と液圧力とで得ているので、構造が複雑である
と共に取扱いが困難であり、取付けが不調になることが
ある。また、メカニカルシールは、ドライ運転の異常操
作があると破壊又は焼付いて軸封機能を喪失するので、
運転保守の面で交換整備のための長時間の運転中断の不
安がある。セグメントシールは、多数のセグメントを有
しているために構造が複雑であるので、組合せ面からの
流体の漏れが避けられない。グランドパッキンは、軸摺
動熱を漏れ量で冷やすので、締付調整を要し、調整が不
具合であると焼付きが生じるという問題がある。また、
リップシールは、軸に対して線接触にて接触するので、
接触圧力が大きく、封止液圧力が高い場合や軸摺動速度
が速い場合には摺動摩擦によって発熱し、早期に摩耗す
るという問題がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで、多数の部品を
組み合わせることなく、簡単な構造の軸封部材を用いて
封じるべき流体の圧力に応じたシール圧力を確保しつ
つ、回転軸に摺接する過剰なシール圧力を緩和させる点
で解決すべき課題がある。
組み合わせることなく、簡単な構造の軸封部材を用いて
封じるべき流体の圧力に応じたシール圧力を確保しつ
つ、回転軸に摺接する過剰なシール圧力を緩和させる点
で解決すべき課題がある。
【0004】本発明の目的は、上記流体機械の回転軸周
りに適用される軸封装置における上記実情に鑑み創案さ
れたものであって、簡単な構造で、且つ比較的安価に製
造でき、取扱いが極めて容易であり、しかも、大きな流
体圧力・高温度・高摺動速度で長時間に渡る運転環境で
あっても、漏れ量が小さく、早期摩耗を防止し、優れた
封止機能を備えることができる軸封装置を提供すること
である。
りに適用される軸封装置における上記実情に鑑み創案さ
れたものであって、簡単な構造で、且つ比較的安価に製
造でき、取扱いが極めて容易であり、しかも、大きな流
体圧力・高温度・高摺動速度で長時間に渡る運転環境で
あっても、漏れ量が小さく、早期摩耗を防止し、優れた
封止機能を備えることができる軸封装置を提供すること
である。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、この発明による軸封装置は、流体中で回転する回転
軸に円筒内面で接触すると共に円筒外面に前記流体の圧
力を受けるドライ潤滑性の良い材料から成る円筒状軸封
部材を備えており、前記円筒状軸封部材の弾性に基づい
て前記回転軸への自緊力が、前記回転軸との摺動に起因
した摺動発熱に基づく前記円筒状軸封部材に生じる熱膨
張力によって実質的に釣り合わされていることから成っ
ている。
め、この発明による軸封装置は、流体中で回転する回転
軸に円筒内面で接触すると共に円筒外面に前記流体の圧
力を受けるドライ潤滑性の良い材料から成る円筒状軸封
部材を備えており、前記円筒状軸封部材の弾性に基づい
て前記回転軸への自緊力が、前記回転軸との摺動に起因
した摺動発熱に基づく前記円筒状軸封部材に生じる熱膨
張力によって実質的に釣り合わされていることから成っ
ている。
【0006】この軸封装置によれば、ドライ潤滑性の良
い材料から成る円筒状軸封部材は、自身の弾性に基づく
自緊力に加えて、円筒外面に作用する封止すべき流体の
圧力に基づく力を受けており、これらの力は、円筒状軸
封部材を円筒筒面で回転軸に接触させ、回転軸への内向
きの押付け力として作用する。円筒状軸封部材の回転軸
への接触が円筒内面による面接触となっているので、押
付け力が狭い範囲に集中することがない。流体圧力が変
化したとき、流体圧力に基づく押付け力も流体の圧力に
応じて変化するので、円筒状軸封部材は、流体圧力の大
きさに応じたシール力を確保することができる。一方、
円筒状軸封部材には、回転軸との摺動に起因して生じる
摺動熱によって、押付け圧力と相反する方向、即ち外側
へ広がろうとする熱膨張力が生じる。この軸封装置で
は、円筒状軸封部材の弾性に基づく自緊力を、この熱膨
張力によって実質的に相殺させて釣り合わせているの
で、円筒状軸封部材が回転軸に対して作用する正味の押
付け力が緩和され、機械的及び熱的にバランスした状態
では、円筒状軸封部材に生じる摺動熱は相殺された自緊
力に相当する分だけ少なくなり、円筒状軸封部材の摩耗
量も少なくなる。
い材料から成る円筒状軸封部材は、自身の弾性に基づく
自緊力に加えて、円筒外面に作用する封止すべき流体の
圧力に基づく力を受けており、これらの力は、円筒状軸
封部材を円筒筒面で回転軸に接触させ、回転軸への内向
きの押付け力として作用する。円筒状軸封部材の回転軸
への接触が円筒内面による面接触となっているので、押
付け力が狭い範囲に集中することがない。流体圧力が変
化したとき、流体圧力に基づく押付け力も流体の圧力に
応じて変化するので、円筒状軸封部材は、流体圧力の大
きさに応じたシール力を確保することができる。一方、
円筒状軸封部材には、回転軸との摺動に起因して生じる
摺動熱によって、押付け圧力と相反する方向、即ち外側
へ広がろうとする熱膨張力が生じる。この軸封装置で
は、円筒状軸封部材の弾性に基づく自緊力を、この熱膨
張力によって実質的に相殺させて釣り合わせているの
で、円筒状軸封部材が回転軸に対して作用する正味の押
付け力が緩和され、機械的及び熱的にバランスした状態
では、円筒状軸封部材に生じる摺動熱は相殺された自緊
力に相当する分だけ少なくなり、円筒状軸封部材の摩耗
量も少なくなる。
【0007】この軸封装置において、前記円筒状軸封部
材を、前記回転軸が貫通するケーシングに保持された取
付け部から湾曲部を介して一体的に繋がるシール体の一
部であるスリーブ部として構成することができる。円筒
状軸封部材をシール体の一部であるスリーブ部として構
成し、円筒状軸封部材は環状の変形し易い湾曲部を介し
て支持されるので、取付け部をケーシングに保持させた
ときに、ケーシングから取付け部に及ぶ径方向の拘束が
湾曲部によって緩和され、スリーブ部には直接には及ば
ない。従って、円筒状軸封部材が回転軸に及ぼす押付け
力が過剰になったり不足することがなく、長時間に渡っ
て変化の少ない安定した自緊力を確保することができ
る。また、個々の円筒状軸封部材の製作誤差に起因した
押付け力のバラツキをも減少させることが可能である。
湾曲部は、回転軸への押付け力のバランスを取れるよう
に適度な厚さと適度な曲率を有するように設定される。
材を、前記回転軸が貫通するケーシングに保持された取
付け部から湾曲部を介して一体的に繋がるシール体の一
部であるスリーブ部として構成することができる。円筒
状軸封部材をシール体の一部であるスリーブ部として構
成し、円筒状軸封部材は環状の変形し易い湾曲部を介し
て支持されるので、取付け部をケーシングに保持させた
ときに、ケーシングから取付け部に及ぶ径方向の拘束が
湾曲部によって緩和され、スリーブ部には直接には及ば
ない。従って、円筒状軸封部材が回転軸に及ぼす押付け
力が過剰になったり不足することがなく、長時間に渡っ
て変化の少ない安定した自緊力を確保することができ
る。また、個々の円筒状軸封部材の製作誤差に起因した
押付け力のバラツキをも減少させることが可能である。
湾曲部は、回転軸への押付け力のバランスを取れるよう
に適度な厚さと適度な曲率を有するように設定される。
【0008】円筒状軸封部材をシール体の一部で構成し
た軸封装置において、前記シール体は、前記回転軸の側
方から挟み込み可能に分割された二つ割り押さえ具によ
って前記取付け部を前記ケーシングとの間で前記回転軸
の軸方向に挟み付けることにより、前記ケーシングに取
り外し可能に装着することができる。このように構成す
ることにより、円筒状軸封部材が摩耗や破損をしたとき
のように円筒状軸封部材を交換する必要がある場合に
は、二つ割り押さえ具をケーシングから取り外し、押さ
え具の各割り片を回転軸の側方へと分離することで、使
用済みの円筒状軸封部材を取付け部や湾曲部とも共、シ
ール体としてケーシングから取り除き、回転軸からも取
り外すことができる。新しいシール体を装着するとき
は、逆の操作が行われる。即ち、シール体を回転軸上で
且つケーシングの所定位置に置き、二つ割り押さえ具の
各割り片を回転軸の側方から挟むように寄せ合わせ、各
割り片をケーシングに取り付けて取付け部を二つ割り押
さえ具とケーシングとの間で挟み付けることにより、シ
ール体をケーシングに装着することができる。
た軸封装置において、前記シール体は、前記回転軸の側
方から挟み込み可能に分割された二つ割り押さえ具によ
って前記取付け部を前記ケーシングとの間で前記回転軸
の軸方向に挟み付けることにより、前記ケーシングに取
り外し可能に装着することができる。このように構成す
ることにより、円筒状軸封部材が摩耗や破損をしたとき
のように円筒状軸封部材を交換する必要がある場合に
は、二つ割り押さえ具をケーシングから取り外し、押さ
え具の各割り片を回転軸の側方へと分離することで、使
用済みの円筒状軸封部材を取付け部や湾曲部とも共、シ
ール体としてケーシングから取り除き、回転軸からも取
り外すことができる。新しいシール体を装着するとき
は、逆の操作が行われる。即ち、シール体を回転軸上で
且つケーシングの所定位置に置き、二つ割り押さえ具の
各割り片を回転軸の側方から挟むように寄せ合わせ、各
割り片をケーシングに取り付けて取付け部を二つ割り押
さえ具とケーシングとの間で挟み付けることにより、シ
ール体をケーシングに装着することができる。
【0009】この軸封装置において、前記回転軸は外周
面を滑らかに仕上げされたシャフトスリーブが嵌着され
て成り、前記円筒状軸封部材は前記円筒内面において前
記シャフトスリーブの前記外周面に接触している構成と
することができる。即ち、円筒状軸封部材が摺接する回
転軸は、摺接する相手を回転軸の直接の表面とするのに
代えて、回転軸に取り付けられるシャフトスリーブとす
ることができる。シャフトスリーブは、シャフトとは別
部材として効率よく低コストで製造・加工することがで
きる。即ち、シャフトスリーブの外周面を滑らかに仕上
げ、そうして製作されたシャフトスリーブをシャフトに
嵌着・固定することができるので、シャフト自体の表面
仕上げが不要となり、軸封装置のシャフトへの適用が容
易となる。シャフトスリーブは、シャフトに取り付けら
れるリテーナによって締め付けして固定することができ
る。シャフトスリーブは、表面を滑らに加工したセラミ
ック製として熱膨率を小さくすることができる。
面を滑らかに仕上げされたシャフトスリーブが嵌着され
て成り、前記円筒状軸封部材は前記円筒内面において前
記シャフトスリーブの前記外周面に接触している構成と
することができる。即ち、円筒状軸封部材が摺接する回
転軸は、摺接する相手を回転軸の直接の表面とするのに
代えて、回転軸に取り付けられるシャフトスリーブとす
ることができる。シャフトスリーブは、シャフトとは別
部材として効率よく低コストで製造・加工することがで
きる。即ち、シャフトスリーブの外周面を滑らかに仕上
げ、そうして製作されたシャフトスリーブをシャフトに
嵌着・固定することができるので、シャフト自体の表面
仕上げが不要となり、軸封装置のシャフトへの適用が容
易となる。シャフトスリーブは、シャフトに取り付けら
れるリテーナによって締め付けして固定することができ
る。シャフトスリーブは、表面を滑らに加工したセラミ
ック製として熱膨率を小さくすることができる。
【0010】この軸封装置において、前記円筒状軸封部
材を前記回転軸の軸方向に単数又は複数個で配列し、単
数又は複数個の予備の円筒状軸封部材を前記回転軸上又
はその近傍に格納することができる。封じるべき流体の
圧力等の特性に応じて、円筒状軸封部材の個数は、回転
軸の軸方向に単数又は複数個とすることができる。ま
た、予備の円筒状軸封部材を予め回転軸上又はその近傍
に格納することで、使用中の円筒状軸封部材が損傷した
とき等、円筒状軸封部材の交換を要する場合に、交換作
業を簡単に行うことができ、ポンプ等の流体機械の分解
程度を少なくして運転中断時間の短縮化を図ることがで
きる。
材を前記回転軸の軸方向に単数又は複数個で配列し、単
数又は複数個の予備の円筒状軸封部材を前記回転軸上又
はその近傍に格納することができる。封じるべき流体の
圧力等の特性に応じて、円筒状軸封部材の個数は、回転
軸の軸方向に単数又は複数個とすることができる。ま
た、予備の円筒状軸封部材を予め回転軸上又はその近傍
に格納することで、使用中の円筒状軸封部材が損傷した
とき等、円筒状軸封部材の交換を要する場合に、交換作
業を簡単に行うことができ、ポンプ等の流体機械の分解
程度を少なくして運転中断時間の短縮化を図ることがで
きる。
【0011】この軸封装置において、前記円筒状軸封部
材については、前記回転軸を、作動流体としての前記流
体との間でエネルギーを授受する羽根車に連結されるポ
ンプ軸とするポンプに適用することができる。ポンプは
流体圧力を受けながら長期に渡って実用に供される流体
機械であるが、ポンプに対して適用されるこの軸封装置
によれば、回転軸への摺接強さが軽減されて長時間の耐
久性を実現できる。また、二つ割り押さえ具を用いてシ
ール体をケーシングに装着することにより、ポンプを細
部まで分解することなく、二つ割り押さえ具の取付け又
は取外しによって、摩耗や破損した円筒状軸封部材を予
備の円筒状軸封部材と簡単に短時間で交換・再装着する
ことができる。
材については、前記回転軸を、作動流体としての前記流
体との間でエネルギーを授受する羽根車に連結されるポ
ンプ軸とするポンプに適用することができる。ポンプは
流体圧力を受けながら長期に渡って実用に供される流体
機械であるが、ポンプに対して適用されるこの軸封装置
によれば、回転軸への摺接強さが軽減されて長時間の耐
久性を実現できる。また、二つ割り押さえ具を用いてシ
ール体をケーシングに装着することにより、ポンプを細
部まで分解することなく、二つ割り押さえ具の取付け又
は取外しによって、摩耗や破損した円筒状軸封部材を予
備の円筒状軸封部材と簡単に短時間で交換・再装着する
ことができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明による軸封装置の実
施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1はこの発明
による軸封装置が適用された流体機械を示す縦断面図、
図2は図1に示す流体機械を一部拡大し、この発明によ
る軸封装置の一実施例の適用状態を示す縦断面図、図3
は図2に示す軸封装置のシール体の一部拡大断面図、図
4(b)は図2に示す軸封装置のA−A断面図、(c)
はB−B断面図である。
施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1はこの発明
による軸封装置が適用された流体機械を示す縦断面図、
図2は図1に示す流体機械を一部拡大し、この発明によ
る軸封装置の一実施例の適用状態を示す縦断面図、図3
は図2に示す軸封装置のシール体の一部拡大断面図、図
4(b)は図2に示す軸封装置のA−A断面図、(c)
はB−B断面図である。
【0013】図1には、この発明による軸封装置造が適
用された流体機械として、回転羽根車ポンプ1(以下、
「ポンプ1」と略す。)が示されている。ポンプ1は、
耐圧部であるケーシング2の一端側に設けられた吸込み
口3から流体を吸い込んで、吸い込んだ流体をケーシン
グ2の上側に設けられた吐出口4から吐出するポンプで
あって、ポンプ軸である回転軸5の一方の端部6に取り
付けられた羽根車としてのインペラ8がポンプ室9内で
回転することでポンプ作用を果たしている。回転軸5
は、ケーシング2に固定され且つケーシング2の一部と
して延びるケーシングカバー10を貫通し、ケーシング
カバー10とアダプタ11とで囲まれる中空室12の中
を延び、ケーシングカバー10からアダプタ11を介し
て延びる軸受ボディ13と軸受ケース14にそれぞれ設
けられている軸受15,16によって回転自在に支持さ
れており、他方の端部7に係合される伝動手段(図示せ
ず)によって回転駆動される。ポンプ1において、イン
ペラ8を支持する回転軸5の周りから流体が漏れ出るの
を防止するために、ケーシングカバー10で囲まれる部
分において、この発明による軸封装置20が適用されて
いる。
用された流体機械として、回転羽根車ポンプ1(以下、
「ポンプ1」と略す。)が示されている。ポンプ1は、
耐圧部であるケーシング2の一端側に設けられた吸込み
口3から流体を吸い込んで、吸い込んだ流体をケーシン
グ2の上側に設けられた吐出口4から吐出するポンプで
あって、ポンプ軸である回転軸5の一方の端部6に取り
付けられた羽根車としてのインペラ8がポンプ室9内で
回転することでポンプ作用を果たしている。回転軸5
は、ケーシング2に固定され且つケーシング2の一部と
して延びるケーシングカバー10を貫通し、ケーシング
カバー10とアダプタ11とで囲まれる中空室12の中
を延び、ケーシングカバー10からアダプタ11を介し
て延びる軸受ボディ13と軸受ケース14にそれぞれ設
けられている軸受15,16によって回転自在に支持さ
れており、他方の端部7に係合される伝動手段(図示せ
ず)によって回転駆動される。ポンプ1において、イン
ペラ8を支持する回転軸5の周りから流体が漏れ出るの
を防止するために、ケーシングカバー10で囲まれる部
分において、この発明による軸封装置20が適用されて
いる。
【0014】図2に示すように、回転軸5の所定の位置
には、リテーナ21が回転軸5を締め付けた状態で固定
されている。この実施例では、図4(b)に示すよう
に、リテーナ21は二つ割り構造とされ、両リテーナ片
21a,21aを締め付けねじ22,22によって互い
に締め付けることにより、リテーナ21は回転軸5にク
ランプされた状態で固定されている。リテーナ21は、
インペラ8側に突き出た環状突出部23を有しており、
環状突出部23と回転軸5の表面24との間に環状隙間
25が形成されている。回転軸5には、また、表面を高
精度に滑らかに仕上げされたセラミック製のシャフトス
リーブ26が嵌着されている。シャフトスリーブ26の
一方の端部27には、回転軸5との間をシールするOリ
ング29が取り付けられており、他方の端部28は、リ
テーナ21によって形成される環状隙間25に圧入され
ている。なお、軸封装置20において、回転軸5の所定
の位置に取り付けられるリテーナ21は、環状構造に構
成してセットネジによって固定してもよい。
には、リテーナ21が回転軸5を締め付けた状態で固定
されている。この実施例では、図4(b)に示すよう
に、リテーナ21は二つ割り構造とされ、両リテーナ片
21a,21aを締め付けねじ22,22によって互い
に締め付けることにより、リテーナ21は回転軸5にク
ランプされた状態で固定されている。リテーナ21は、
インペラ8側に突き出た環状突出部23を有しており、
環状突出部23と回転軸5の表面24との間に環状隙間
25が形成されている。回転軸5には、また、表面を高
精度に滑らかに仕上げされたセラミック製のシャフトス
リーブ26が嵌着されている。シャフトスリーブ26の
一方の端部27には、回転軸5との間をシールするOリ
ング29が取り付けられており、他方の端部28は、リ
テーナ21によって形成される環状隙間25に圧入され
ている。なお、軸封装置20において、回転軸5の所定
の位置に取り付けられるリテーナ21は、環状構造に構
成してセットネジによって固定してもよい。
【0015】ケーシングカバー10には、ケーシングカ
バー10の一部としてシールボックス30が取り付けら
れており、シールボックス30には環状のシール体32
が回転軸5の軸方向に複数段(図示では2段)に並べら
れており、両シール体32は二つ割りシールカバー31
によって挟み込まれて抜出し防止された状態に配設され
ている。図3に拡大して示すように、シール体32は、
シールボックス30に取り付けられる取付け部33と、
取付け部33の一端側から一体的に延びる湾曲部34
と、湾曲部34の先端側に更に一体的に延びるスリーブ
部35とから成っており、ドライ潤滑性の良い材料から
製作される。スリーブ部35はこの発明における円筒状
軸封部材として機能しており、スリーブ部35の筒状内
面36がシャフトスリーブ26の外周面37に対して回
転軸5の軸方向に幅広く当接しており、回転軸5の回転
に伴って外周面37に摺接する。取付け部33の取付面
側にはOリング38が配設されており、ケーシングカバ
ー10とシールボックス30とが直接対向する面間に
は、Oリング39が介装されている。
バー10の一部としてシールボックス30が取り付けら
れており、シールボックス30には環状のシール体32
が回転軸5の軸方向に複数段(図示では2段)に並べら
れており、両シール体32は二つ割りシールカバー31
によって挟み込まれて抜出し防止された状態に配設され
ている。図3に拡大して示すように、シール体32は、
シールボックス30に取り付けられる取付け部33と、
取付け部33の一端側から一体的に延びる湾曲部34
と、湾曲部34の先端側に更に一体的に延びるスリーブ
部35とから成っており、ドライ潤滑性の良い材料から
製作される。スリーブ部35はこの発明における円筒状
軸封部材として機能しており、スリーブ部35の筒状内
面36がシャフトスリーブ26の外周面37に対して回
転軸5の軸方向に幅広く当接しており、回転軸5の回転
に伴って外周面37に摺接する。取付け部33の取付面
側にはOリング38が配設されており、ケーシングカバ
ー10とシールボックス30とが直接対向する面間に
は、Oリング39が介装されている。
【0016】図4(a)に示すように、二つ割りシール
カバー31は、二つ割り押さえ具としての二つ割りシー
ルカバー41を回転軸5の側方から挟み込んだ状態で複
数の挿通孔43のそれぞれに挿通した取付けねじ(図示
せず)によってシールボックス30に固定される。二つ
割りシールカバー31の内周部42が取付け部33に当
接しており、取付け部33をシールボックス30との間
で挟み込むことで、シール体32,32をシールボック
ス30から抜け出るのを防止した状態でケーシングカバ
ー10に装着している。スリーブ部35は取付け部33
に対して湾曲部34を介して保持されているので、取付
け部33のケーシングカバー10に対する取付け位置の
バラツキ等に起因して取付け部33とスリーブ部35と
の間に組付け誤差が生じても、変形し易い湾曲部34が
奏する変位や歪みの吸収作用によって、スリーブ部35
がシャフトスリーブ26の外周面37に及ぼす押付け力
のバラツキや変動が緩和され、長時間に渡って安定した
押付け力を確保することができる。また、仮に、個々の
シール体32に寸法・肉厚等の製作誤差が存在していて
も、湾曲部34はそうした誤差を吸収して、シール体3
2毎に回転軸5に及ぼす押付け力のバラツキをも小さく
している。
カバー31は、二つ割り押さえ具としての二つ割りシー
ルカバー41を回転軸5の側方から挟み込んだ状態で複
数の挿通孔43のそれぞれに挿通した取付けねじ(図示
せず)によってシールボックス30に固定される。二つ
割りシールカバー31の内周部42が取付け部33に当
接しており、取付け部33をシールボックス30との間
で挟み込むことで、シール体32,32をシールボック
ス30から抜け出るのを防止した状態でケーシングカバ
ー10に装着している。スリーブ部35は取付け部33
に対して湾曲部34を介して保持されているので、取付
け部33のケーシングカバー10に対する取付け位置の
バラツキ等に起因して取付け部33とスリーブ部35と
の間に組付け誤差が生じても、変形し易い湾曲部34が
奏する変位や歪みの吸収作用によって、スリーブ部35
がシャフトスリーブ26の外周面37に及ぼす押付け力
のバラツキや変動が緩和され、長時間に渡って安定した
押付け力を確保することができる。また、仮に、個々の
シール体32に寸法・肉厚等の製作誤差が存在していて
も、湾曲部34はそうした誤差を吸収して、シール体3
2毎に回転軸5に及ぼす押付け力のバラツキをも小さく
している。
【0017】図2に示すように、予備のシール体40が
回転軸5に予め装着した状態でポンプ1内に格納されて
いる。封じるべき流体の圧力等の特性に応じて、予備の
シール体40の個数は、回転軸5の軸方向に単数又は複
数個とすることができる。予備のシール体40は、図示
のように、シャフトスリーブ26に予め装着した状態に
格納することができ、また、リテーナ21よりも遠い位
置において保持部材40aに保持させた状態で格納する
こともできる。予備のシール体40が予め回転軸5上又
はケーシングカバー10内等の回転軸5の近傍に格納さ
れているので、使用中のシール体32が規定以上に摩耗
したり損傷した場合には、二つ割りシールカバー31を
シールボックス30から取り外し、使用済みのシール体
32を取り除き、予備のシール体40をシールボックス
30と回転軸5との間に嵌め込み、その後、二つ割りシ
ールカバー31をシールボックス30に再度取り付け
る。二つ割りシールカバー31は、取付けねじを弛める
ことでシールボックス30から取り外すことができ、二
つ割りであるために、各割り片を回転軸5の周囲から取
り除くことで、シール体の交換作業がし易くなる。この
ように、予備のシール体40との交換作業を短時間で且
つ簡単に行うことができ、ポンプ等の流体機械の運転中
断時間の短縮化を図ることができる。
回転軸5に予め装着した状態でポンプ1内に格納されて
いる。封じるべき流体の圧力等の特性に応じて、予備の
シール体40の個数は、回転軸5の軸方向に単数又は複
数個とすることができる。予備のシール体40は、図示
のように、シャフトスリーブ26に予め装着した状態に
格納することができ、また、リテーナ21よりも遠い位
置において保持部材40aに保持させた状態で格納する
こともできる。予備のシール体40が予め回転軸5上又
はケーシングカバー10内等の回転軸5の近傍に格納さ
れているので、使用中のシール体32が規定以上に摩耗
したり損傷した場合には、二つ割りシールカバー31を
シールボックス30から取り外し、使用済みのシール体
32を取り除き、予備のシール体40をシールボックス
30と回転軸5との間に嵌め込み、その後、二つ割りシ
ールカバー31をシールボックス30に再度取り付け
る。二つ割りシールカバー31は、取付けねじを弛める
ことでシールボックス30から取り外すことができ、二
つ割りであるために、各割り片を回転軸5の周囲から取
り除くことで、シール体の交換作業がし易くなる。この
ように、予備のシール体40との交換作業を短時間で且
つ簡単に行うことができ、ポンプ等の流体機械の運転中
断時間の短縮化を図ることができる。
【0018】以上のように構成した軸封装置20によれ
ば、適度な厚さを持つスリーブ部35は、円筒外面36
a(図3参照)にポンプ1で生じる流体圧力を受けてお
り、スリーブ部35が円筒内面36においてシャフトス
リーブ26の外周面37に押付ける圧力は、自身の弾性
も基づく自緊力に加えて封止すべき流体圧力に基づく押
付け力が加わっている。封止すべき流体圧力は、ポンプ
1の運転状態によって変動するが、その変動した流体圧
力がスリーブ部35の円筒外面36aに作用するので、
シール体32は、流体圧力の大きさに応じたシール力を
得ることができ、流体の漏れを効果的に防止することが
できる。
ば、適度な厚さを持つスリーブ部35は、円筒外面36
a(図3参照)にポンプ1で生じる流体圧力を受けてお
り、スリーブ部35が円筒内面36においてシャフトス
リーブ26の外周面37に押付ける圧力は、自身の弾性
も基づく自緊力に加えて封止すべき流体圧力に基づく押
付け力が加わっている。封止すべき流体圧力は、ポンプ
1の運転状態によって変動するが、その変動した流体圧
力がスリーブ部35の円筒外面36aに作用するので、
シール体32は、流体圧力の大きさに応じたシール力を
得ることができ、流体の漏れを効果的に防止することが
できる。
【0019】セラミック製のシャフトスリーブ26の外
周面37は高精度の滑らかさで表面仕上げされており、
外周面37にスリーブ部35が摺接するシール体32
は、回転軸5が回転する作動時において、自緊力と熱膨
張応力とが釣り合う状態となっている。即ち、スリーブ
部35の円筒内面36とシャフトスリーブ26の外周面
37との間には僅かではあるが摩擦が作用しており、ス
リーブ部35はその摩擦に起因して生じる摺動熱によっ
て熱膨張し、外側に拡張しようとする熱膨張力が生じ
る。スリーブ部35自身の弾性に基づく自緊力はその一
部がその熱膨張力によって相殺されるので、シャフトス
リーブ26に作用する自緊力はその分だけ緩和される。
自緊力が緩和されると、摩擦による摺動熱も減少するの
で、ある程度の自緊力が緩和された釣り合い状態でバラ
ンスする。ポンプ1の作動状態が一定であり、流体がシ
ール体32等に冷却作用を及ぼす場合には、その冷却作
用をも加味した熱的バランス状態に収束する。スリーブ
部35には、自緊力に起因した過大な摺動熱の発生が回
避される一方で、シールするのに必要な圧力が残されて
いるので、ポンプ1が大きな流体圧力・高い温度・高い
摺動速度で運転されても、長時間に渡って軸封機能を維
持することができる。
周面37は高精度の滑らかさで表面仕上げされており、
外周面37にスリーブ部35が摺接するシール体32
は、回転軸5が回転する作動時において、自緊力と熱膨
張応力とが釣り合う状態となっている。即ち、スリーブ
部35の円筒内面36とシャフトスリーブ26の外周面
37との間には僅かではあるが摩擦が作用しており、ス
リーブ部35はその摩擦に起因して生じる摺動熱によっ
て熱膨張し、外側に拡張しようとする熱膨張力が生じ
る。スリーブ部35自身の弾性に基づく自緊力はその一
部がその熱膨張力によって相殺されるので、シャフトス
リーブ26に作用する自緊力はその分だけ緩和される。
自緊力が緩和されると、摩擦による摺動熱も減少するの
で、ある程度の自緊力が緩和された釣り合い状態でバラ
ンスする。ポンプ1の作動状態が一定であり、流体がシ
ール体32等に冷却作用を及ぼす場合には、その冷却作
用をも加味した熱的バランス状態に収束する。スリーブ
部35には、自緊力に起因した過大な摺動熱の発生が回
避される一方で、シールするのに必要な圧力が残されて
いるので、ポンプ1が大きな流体圧力・高い温度・高い
摺動速度で運転されても、長時間に渡って軸封機能を維
持することができる。
【0020】ポンプ1を耐圧、耐熱運転試験に供した結
果、本発明の軸封装置20は、ケーシング2の破壊強度
を超える圧力と水蒸気飽和温度の運転にも良く耐えて、
良好な結果が得られた。軸封装置20を黒鉛入PTFE
製として製作し、そうした軸封装置20を鋳鉄製のケー
シング2とセラミック製のシャフトスリーブ26とを備
えて水を満たしたポンプ1に装着し、温度と飽和蒸気圧
力を負荷して連続運転試験をした。圧力はポンプ1の耐
圧限度35kg/cm2 ×170℃に達してポンプ1は
割れたが、軸封装置20には異常は認められなかった。
また、ポンプ1を無負荷運転をすることにより、スリー
ブ部35に液体の圧力やその冷却作用を生じさせること
なく、シール体32の自緊力と熱膨張力とのバランスを
確認することができる。ポンプ1の運転開始に伴い、時
間経過と共に、一定の残留する自緊力で漏れのないシー
ル状態に収束することが認められる。
果、本発明の軸封装置20は、ケーシング2の破壊強度
を超える圧力と水蒸気飽和温度の運転にも良く耐えて、
良好な結果が得られた。軸封装置20を黒鉛入PTFE
製として製作し、そうした軸封装置20を鋳鉄製のケー
シング2とセラミック製のシャフトスリーブ26とを備
えて水を満たしたポンプ1に装着し、温度と飽和蒸気圧
力を負荷して連続運転試験をした。圧力はポンプ1の耐
圧限度35kg/cm2 ×170℃に達してポンプ1は
割れたが、軸封装置20には異常は認められなかった。
また、ポンプ1を無負荷運転をすることにより、スリー
ブ部35に液体の圧力やその冷却作用を生じさせること
なく、シール体32の自緊力と熱膨張力とのバランスを
確認することができる。ポンプ1の運転開始に伴い、時
間経過と共に、一定の残留する自緊力で漏れのないシー
ル状態に収束することが認められる。
【0021】本発明による軸封装置20に代えて、漏れ
の少ない封止機能が比較的優れていると思われる各種の
軸封装置を、同じポンプ装置に適用して比較を行った。
メカニカルシールは、封止面の摺動面に生じる摺動発熱
除去のために冷却液循環を要することが判明し、構造が
非常に複雑なものになった。リップシールについては、
PTFE製のVリングと呼称される型のリップシール
は、回転軸が回転すると追従性がなく、早期に摩耗し
た。エラストマー製のオイルシールと呼称される型のリ
ップシールは、圧力が高くなると回転軸に抱きついて発
熱が激しくなり、ついには背面に反転するに至った。
の少ない封止機能が比較的優れていると思われる各種の
軸封装置を、同じポンプ装置に適用して比較を行った。
メカニカルシールは、封止面の摺動面に生じる摺動発熱
除去のために冷却液循環を要することが判明し、構造が
非常に複雑なものになった。リップシールについては、
PTFE製のVリングと呼称される型のリップシール
は、回転軸が回転すると追従性がなく、早期に摩耗し
た。エラストマー製のオイルシールと呼称される型のリ
ップシールは、圧力が高くなると回転軸に抱きついて発
熱が激しくなり、ついには背面に反転するに至った。
【0022】本発明による軸封装置20を電気亜鉛メッ
キラインの亜鉛メッキ液を薬液用ポンプに使用して、軸
封装置の耐久性を従来品のメカニカルシールと比較し
た。その結果、従来品のメカニカルシールによる軸封装
置は摺動発熱量が大きく、冷却水を止めると30分間で
破損したが、本発明による軸封装置20では冷却水を用
いずに長期に渡って運転しても、異常を生じず良好な運
転結果を示すことが確認された。
キラインの亜鉛メッキ液を薬液用ポンプに使用して、軸
封装置の耐久性を従来品のメカニカルシールと比較し
た。その結果、従来品のメカニカルシールによる軸封装
置は摺動発熱量が大きく、冷却水を止めると30分間で
破損したが、本発明による軸封装置20では冷却水を用
いずに長期に渡って運転しても、異常を生じず良好な運
転結果を示すことが確認された。
【0023】以上、本発明による軸封装置の好適な実施
例を示したが、本発明による軸封装置は上記実施例に限
られるものではなく、その技術的思想の範囲で種々の設
計・変更が可能である。また、軸封装置が適用される流
体機械も、渦巻ポンプや軸流ポンプのような非容積型の
流体機械に限らず、回転軸を持つものであれば、容積型
の流体機械にも適用できることは言うまでもない。
例を示したが、本発明による軸封装置は上記実施例に限
られるものではなく、その技術的思想の範囲で種々の設
計・変更が可能である。また、軸封装置が適用される流
体機械も、渦巻ポンプや軸流ポンプのような非容積型の
流体機械に限らず、回転軸を持つものであれば、容積型
の流体機械にも適用できることは言うまでもない。
【0024】
【発明の効果】本発明の軸封装置は以上のように構成さ
れているので、次のような格別の効果を奏する。即ち、
本発明の軸封装置は、流体中で回転する回転軸に円筒内
面で接触すると共に円筒外面に前記流体の圧力を受ける
ドライ潤滑性の良い材料から成る円筒状軸封部材を備え
ており、円筒状軸封部材の弾性に基づく回転軸への自緊
力を、回転軸との摺動に起因した摺動発熱に基づく円筒
状軸封部材に生じる熱膨張力によって実質的に釣り合わ
せているので、円筒状軸封部材の回転軸との過度の摺動
が回避され、軸封部材の不要な発熱を低減することがで
きる。従って、本発明の軸封装置によれば、簡単な構造
で、且つ比較的安価に優れた軸封機能を実現し、耐久性
も十分に長く、大きな流体圧力・高い温度・高い摺動速
度で長時間に渡って流体機械を運転することができる。
本発明の軸封装置は、例えば、メカニカルシールと比較
して、構造が簡単で費用対効果が飛躍的に向上し、ま
た、急激な破壊や突発的な運転停止がなく、簡単に交換
・取付可能な交換用軸封部材も備えているので、運用者
の心理的負担を飛躍的に軽減させることができる。
れているので、次のような格別の効果を奏する。即ち、
本発明の軸封装置は、流体中で回転する回転軸に円筒内
面で接触すると共に円筒外面に前記流体の圧力を受ける
ドライ潤滑性の良い材料から成る円筒状軸封部材を備え
ており、円筒状軸封部材の弾性に基づく回転軸への自緊
力を、回転軸との摺動に起因した摺動発熱に基づく円筒
状軸封部材に生じる熱膨張力によって実質的に釣り合わ
せているので、円筒状軸封部材の回転軸との過度の摺動
が回避され、軸封部材の不要な発熱を低減することがで
きる。従って、本発明の軸封装置によれば、簡単な構造
で、且つ比較的安価に優れた軸封機能を実現し、耐久性
も十分に長く、大きな流体圧力・高い温度・高い摺動速
度で長時間に渡って流体機械を運転することができる。
本発明の軸封装置は、例えば、メカニカルシールと比較
して、構造が簡単で費用対効果が飛躍的に向上し、ま
た、急激な破壊や突発的な運転停止がなく、簡単に交換
・取付可能な交換用軸封部材も備えているので、運用者
の心理的負担を飛躍的に軽減させることができる。
【図1】この発明による軸封装置が適用された流体機械
の一部を示す縦断面図である。
の一部を示す縦断面図である。
【図2】この発明による軸封装置の一実施例を示す縦断
面図である。
面図である。
【図3】図2に示す軸封装置に用いられるシール体の一
部を拡大して示す縦断面図である。
部を拡大して示す縦断面図である。
【図4】(a)は図2に示す軸封装置のA−A断面図、
(b)はB−B断面図である。
(b)はB−B断面図である。
1 回転羽根車ポンプ 2 ケーシング
3 吸込み口 4 吐出口
5 回転軸 8 インペラ
9 ポンプ室 10 ケーシング
カバー 11 アダプタ 12 中空室 13 軸受ボディ 14 軸受ケース 15,16 軸受 20 軸封装置 21 リテーナ 22 締め付けねじ 23 環状突出部 24 回転軸5の表面 25 環状隙間 26 シャフトスリーブ 29 Oリング 30 シールボックス 31 二つ割りシ
ールカバー 32 シール体 33 取付け部 34 湾曲部 35 スリーブ部
(円筒状軸封部材) 36 円筒内面 36a 円筒外面 37 シャフトスリーブ26の外周面 40 予備のシール体 40a 保持部材 41 二つ割りシールカバー(二つ割り押さえ具)
42 内周部
カバー 11 アダプタ 12 中空室 13 軸受ボディ 14 軸受ケース 15,16 軸受 20 軸封装置 21 リテーナ 22 締め付けねじ 23 環状突出部 24 回転軸5の表面 25 環状隙間 26 シャフトスリーブ 29 Oリング 30 シールボックス 31 二つ割りシ
ールカバー 32 シール体 33 取付け部 34 湾曲部 35 スリーブ部
(円筒状軸封部材) 36 円筒内面 36a 円筒外面 37 シャフトスリーブ26の外周面 40 予備のシール体 40a 保持部材 41 二つ割りシールカバー(二つ割り押さえ具)
42 内周部
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(72)発明者 青木 康
埼玉県越谷市谷中町2丁目49番1号 新東
洋機械工業株式会社内
(72)発明者 楠 慶太郎
埼玉県越谷市谷中町2丁目49番1号 新東
洋機械工業株式会社内
(72)発明者 高橋 和哉
埼玉県越谷市谷中町2丁目49番1号 新東
洋機械工業株式会社内
Fターム(参考) 3H022 AA01 BA06 CA22 DA13
3J043 AA16 BA09 CA05 DA03
Claims (6)
- 【請求項1】 流体中で回転する回転軸に円筒内面で接
触すると共に円筒外面に前記流体の圧力を受けるドライ
潤滑性の良い材料から成る円筒状軸封部材を備えてお
り、前記円筒状軸封部材の弾性に基づく前記回転軸への
自緊力が、前記回転軸との摺動に起因した摺動発熱に基
づいて前記円筒状軸封部材に生じる熱膨張力によって実
質的に釣り合わされていることから成る軸封装置。 - 【請求項2】 前記円筒状軸封部材は、前記回転軸が貫
通するケーシングに保持された取付け部から湾曲部を介
して一体的に繋がるシール体の一部であるスリーブ部と
して構成されていることから成る請求項1に記載の軸封
装置。 - 【請求項3】 前記シール体は、前記回転軸の側方から
挟み込み可能に分割された二つ割り押さえ具によって前
記取付け部を前記ケーシングとの間で前記回転軸の軸方
向に挟み付けることにより、前記ケーシングに取り外し
可能に装着されていることから成る請求項2に記載の軸
封装置。 - 【請求項4】 前記回転軸は外周面を滑らかに仕上げさ
れたシャフトスリーブが嵌着されて成り、前記円筒状軸
封部材は前記円筒内面において前記シャフトスリーブの
前記外周面に接触していることから成る請求項1〜3の
いずれか1項に記載の軸封装置。 - 【請求項5】 前記円筒状軸封部材は前記回転軸の軸方
向に単数又は複数個で配列されており、単数又は複数個
の予備の円筒状軸封部材が前記回転軸上又はその近傍に
格納されていることから成る請求項1〜4のいずれか1
項に記載の軸封装置。 - 【請求項6】 前記円筒状軸封部材は、前記回転軸を、
作動流体としての前記流体との間でエネルギーを授受す
る羽根車に連結されるポンプ軸とするポンプに適用され
ていることから成る請求項1〜5のいずれか1項に記載
の軸封装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002036060A JP2003240125A (ja) | 2002-02-13 | 2002-02-13 | 軸封装置 |
KR1020020019497A KR20030068352A (ko) | 2002-02-13 | 2002-04-10 | 축봉장치 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002036060A JP2003240125A (ja) | 2002-02-13 | 2002-02-13 | 軸封装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003240125A true JP2003240125A (ja) | 2003-08-27 |
Family
ID=27778051
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002036060A Pending JP2003240125A (ja) | 2002-02-13 | 2002-02-13 | 軸封装置 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003240125A (ja) |
KR (1) | KR20030068352A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102734467A (zh) * | 2012-06-14 | 2012-10-17 | 山东鼎泰盛食品工业装备股份有限公司 | 连续式杀菌机水槽输送轴用密封装置 |
US20210372429A1 (en) * | 2019-12-06 | 2021-12-02 | Gp Enterprises Co., Ltd. | Multipurpose transfer pump free of secondary water filling |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR101872592B1 (ko) | 2016-07-21 | 2018-06-28 | 박민정 | 분말 입도차이를 이용한 축봉장치 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5828468B2 (ja) * | 1978-12-26 | 1983-06-16 | 三井造船株式会社 | 液封式軸封装置 |
JPS5690163A (en) * | 1979-12-21 | 1981-07-22 | Babcock Hitachi Kk | Sealing apparatus for soot blower |
GB2300028B (en) * | 1995-04-20 | 1999-02-10 | Dresser Rand Co | A shaft seal |
JP3440777B2 (ja) * | 1997-09-10 | 2003-08-25 | 株式会社日立製作所 | セグメント型軸封装置及びそれを備えた排水ポンプ |
-
2002
- 2002-02-13 JP JP2002036060A patent/JP2003240125A/ja active Pending
- 2002-04-10 KR KR1020020019497A patent/KR20030068352A/ko active IP Right Grant
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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