JP2009030140A - 冷間加工性に優れる排気装置部材用耐熱チタン合金およびその製造方法ならびに該合金を用いた排気装置部材 - Google Patents

冷間加工性に優れる排気装置部材用耐熱チタン合金およびその製造方法ならびに該合金を用いた排気装置部材 Download PDF

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Abstract

【課題】Ti−3Al−2.5V合金に比較しうる高温強度を有し、かつ冷間加工性に優れる排気装置部材用耐熱チタン合金およびその製造方法ならびに該合金を用いた排気装置部材を提供する。
【解決手段】本発明のチタン合金は、Cu:2.1%超〜4.5%、酸素:0.04%以下、Fe:0.06%以下を含むか、またこれにSn、Zrの1種または2種を合計0.5〜1.5%含有するか、さらにSi、Nbの1種または2種を合計0.5〜1.5%含有することを特徴とする。その製造方法は、素材の熱延、熱延版焼鈍、冷延、中間焼鈍、最終焼鈍等の工程を経て製造されるチタン合金板製造方法において最終焼鈍を650〜780℃の温度域にて行うことを特徴とする。また、上記チタン合金が使用されていることを特徴とする排気装置用部材である。
【選択図】なし

Description

本発明は、四輪車、二輪車等自動車用の排気装置として使用されるチタン材料に関するものであり、メインマフラー(消音器)部はもとより、700℃以上の高温に曝され、特に耐熱性、耐酸化性が要求されるエキゾーストマニホールド、エキゾーストパイプや触媒マフラー、メインマフラー等の部材に適した冷間加工性に優れる排気装置部材用耐熱チタン合金およびその製造方法ならびに該合金を用いた排気装置部材に関するものである。
チタン材料は、軽量でありながら高強度で耐食性も良好であることから自動車の排気装置にも使用されている。自動車やバイクのエンジンから排出される燃焼ガスは、エキゾーストマニホールドにより一つにまとめられ、エキゾーストパイプにより車両後方の排気口から排出される。エキゾーストパイプは、途中に触媒マフラーやメインマフラー(消音器)を入れるためいくつかに分割されて構成される。本明細書では、エキゾーストマニホールドからエキゾーストパイプ、排気口までの全体を通して排気装置と称する。
こうした排気装置の素材は、現在、耐食性に優れたステンレス鋼が主に使われているが、車輌軽量化の観点から最近バイクを中心としてチタンも使われるようになってきた。現在使用されているチタン製マフラーの材料は、大部分がJIS2種の工業用純チタンである。排気ガスの温度は、およそ700℃以上と言われており、純チタンは、600℃の温度では通常強度が大きく低下するが、マフラー部分はエンジンの排気ガス出口からは遠い上、外気に触れているため、600℃以上となることは少なく、600℃以上になっても長時間その温度にさらされることはないため、純チタンでも十分に使用が可能であった。
しかし、近年、よりエンジンの排気口に近い部分まで軽量化したいニーズが出てきており、より高温強度の高いチタン合金が求められている。
700℃以上の高温において強度が高いという観点では、Ti−3Al−2.5V合金やTi−6Al−4V合金が適している。
また、特許文献1では、耐高温酸化性および耐食性に優れるチタン合金が提案されている。
特許文献2および3では、排気系部品など、高温域での特性と冷間での加工性が要求される用途に適した耐熱チタン合金に関する発明が記載されている。
特許文献4には、Cuを含むα単相チタン合金からなる、電解Cu箔製造ドラム用チタン板およびその製造方法が記載されている。
特開2001−234266号公報 特開2005−290548号公報 特開2005−298970号公報 特開2004−2953号公報
しかしながら、上記Ti−3Al−2.5V合金は、室温における強度が高すぎ、成形加工性に乏しいこと、また、700℃付近の温度における酸化増量が大きいこと、冷間加工は可能であるが、耳割れを生じ易く中間焼鈍を何度も入れる必要があり加工コストがかかること等の問題があった。また、Ti−6Al−4V合金は、冷間加工が困難で薄板にすることができないため、排気装置用素材として不適当である。
一方、特許文献1に記載の発明は、0.5〜2.3質量%のAlを含むマフラー用チタン合金であり、純チタンよりも耐熱性に優れ、純チタンと同等の冷間加工性を有することが開示されているが、600〜700℃における高温引張強度はTi−3Al−2.5V合金に比べて低く、6割に満たない。
また、特許文献2に記載の発明は、0.30〜1.5質量%のAlと0.10〜1.0質量%のSiを含むα相が90体積%以上となるα型チタン合金、または、これに0.1〜0.5%のNbを含む合金であるが、これらの合金も、600℃における高温引張強度はTi−3Al−2.5V合金に比べて低く、7割に満たない。
さらに、特許文献3に記載の発明は、質量%で、Cuを0.8〜1.8%、Oを0.18%以下、Feを0.30%以下および0.3%以下の不純物を含む耐熱チタン合金、またはこれに、Sn、Zr、Mo、Nb、Crの少なくとも1種または2種以上を合計で0.3〜1.5%含有する耐熱チタン合金に関するものである。特許文献3のチタン合金も、700℃における高温引張強度はTi−3Al−2.5V合金に比べて低く、7割に満たない。
そこで、本発明は、600℃以上の高温に曝されるエキゾーストマニホールド、エキゾーストパイプや触媒マフラー、メインマフラー等の部位に使用可能な、高温における高い強度を有し、かつ優れた耐酸化性および冷間加工性を、安定的に発現できる排気系部品用チタン合金およびその製造方法ならびに該合金を用いた排気装置部材を提供することを目的とするものである。本発明は、特に700℃の高温引張強度としては、Ti−3Al−2.5V合金の高温強度の7割を超える強度、かつ700℃における耐酸化性が特許文献3に記載のチタン合金と同程度以上である冷間加工性に優れる排気装置部材用耐熱チタン合金およびその製造方法ならびに該合金を用いた排気装置部材を提供することを目的としている。
なお、特許文献4に記載の発明は、質量%で、Cuを0.5〜2.1%、Oを0.1%以下、Feを0.04%以下含むチタン合金に関するものであり、本発明とはCu量が異なる以外は、成分規定が一致する。しかし、特許文献4に記載の発明は、β相またはTi2Cuの析出を抑え、かつ平均結晶粒径を40μm未満としたα単相チタン合金に関するものであり、本発明のTi2Cu析出を積極的に活用する技術とは異なる。また、特許文献4に記載の発明の用途は、電解Cu箔製造のための陰極ドラムであり、硫酸銅溶液中で該ドラム表面にCu箔を電析させ、該ドラムを回転させながら、この電析Cu箔を剥離させて連続的にCu箔を製造するためのものである。該ドラム表面の品質が、電析Cuの品質に大きな影響を与えるため、平均結晶粒径が40μm未満の微細かつ、第二相のない均質なα単相組織であることが要求され、特許文献4に記載の発明はこれを満足するものとなっている。しかし、特許文献4に記載の発明は、冷間加工性に優れかつ、700℃における優れた耐酸化性および高温強度を有する排気装置部材用材料を提供するものではない。
上記課題を解決するために本発明は、以下の手段を骨子とする。
(1)質量%で、Cu:2.1%超〜4.5%、酸素:0.04%以下、Fe:0.06%以下を含有し、残部Tiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする、冷間加工性に優れる排気装置部材用耐熱チタン合金。
(2)前記チタン合金が、さらに、質量%で、Sn、Zrの1種または2種を合計0.5〜1.5%含有することを特徴とする請求項1に記載の冷間加工性に優れる排気装置部材用耐熱チタン合金。
(3)Si、Nbの1種または2種を合計0.5〜1.5%含有することを特徴とする請求項1または2に記載の冷間加工性に優れる排気装置部材用耐熱チタン合金。
(4)素材の熱延、熱延版焼鈍、冷延、中間焼鈍、最終焼鈍の工程を経て製造されるチタン合金板製造方法において、その素材での成分調整を前記(1)〜(3)のいずれかに記載の成分組成に調整するとともに、前記最終焼鈍を650〜780℃の温度域にて行うことを特徴とする冷間加工性に優れる排気装置部材用耐熱チタン合金板の製造方法。
(5)前記(1)〜(3)のいずれかに記載のチタン合金が使用されていることを特徴とする排気装置部材。
本発明によれば、軽量かつ高温で十分な強度があり、かつ冷間加工性に優れる排気装置部材用耐熱チタン合金およびその製造方法ならびに該合金を用いた排気装置部材を提供することが可能になる。この結果、四輪車、二輪車等自動車の排気装置の軽量化が大きく進み、産業上および環境面の貢献が極めて顕著である。
本発明者らは上記課題を解決すべく、チタンに対する高温強度、高温耐酸化性、冷間加工性におよぼす成分元素の影響を詳細に調べた結果、チタンに一定量のCuを添加し、かつ、酸素および鉄の含有量を一定値以下に抑えることにより、冷間加工性や耐酸化性を損なわずに、600〜700℃の高温強度をTi−3Al−2.5V合金の半分以上に向上させることが可能であることを見出した。本発明はこの知見に基づきなされたものである。
請求項1に記載の本発明(以下、本発明(1))では、質量%で、2.1%超〜4.5%のCu、0.04%以下の酸素、0.06%以下のFe、残部Tiおよび不可避不純物からなるチタン合金とした。
チタン中にCuは最大約1.8%固溶し、それを超えてCuを添加するとTi2Cu相が生成する。すなわち本発明のチタン合金はα−TiにTi2Cu相が析出した2相の合金である。このTi2Cu相は当初、冷間加工性に悪影響を与えると思われていたが、実際には、冷間圧延性にはほとんど影響を与えず、高温強度を向上させることが出来ることを見出した。
さらに、本発明が目標としているTi−3Al−2.5V合金の700℃引張強度の7割となる91N/mm2程度以上の引張強度を700℃付近で得るには、ある程度以上のTi2Cu相析出量が必要であり、そのためには、Cu量が2.1%超必要である。一方、Cuの添加量の上限を4.5%としたのは、これを超えてCuを添加すると室温での強度が上りすぎて、冷間加工性が損なわれる。
このため、本発明では、Cu量の範囲を2.1%超〜4.5%とした。
本発明(1)のチタン合金は、Cuの添加量が多いため、室温での強度が純チタンに比べやや高い。ここで十分な冷間加工性を確保するため、冷間加工性に影響を与える元素の含有量をできるだけ抑えることが必要である。酸素はチタン材料の冷間加工性を担う双晶変形を抑制するため、その含有量が多いと冷間加工性が悪化する。酸素の含有量を0.04%以下にすれば、冷間加工性への影響はほとんど無視できる。
また、Feはβ相安定化元素であり、室温から高温域にかけてβ相を生成する。β相があるとCuが集中的に濃化するため、固溶Cu量およびTi2Cu相量に影響を与え、ひいては冷間加工性や耐酸化性を劣化させる。Feの含有量を0.06%以下とすることにより、β相の生成を抑制し、β相へのCuの濃化を防ぐことができる。
不純物元素は、窒素、炭素、Ni、Cr、水素など、通常のチタンに含まれる元素である。これらの元素の総和は0.1%未満であれば冷間加工性に影響を与えない。
次に請求項2に記載の発明(以下、本発明(2))について説明する。本発明(2)では、本発明(1)の合金に、Sn、Zrの1種または2種を合計0.5〜1.5%含有することとした。これは、本発明(1)の合金の高温強度をさらに向上させようとするものである。Sn、Zrは、いずれもα相にある程度固溶し、Cuと重畳して高温強度を高める効果を有する。含有量の下限は、単独または複合添加のいずれの場合においても、高温強度を向上するために必要最低限の添加量であり、上限はこれを超えて添加すると加工性に影響を与える添加量である。
請求項3に記載の発明(以下、本発明(3))では、本発明(1)の合金の耐高温酸化性をさらに向上させようとするものである。Si、Nbも、いずれもα相にある程度固溶し、耐高温酸化性を向上する効果を有する。含有量の下限は、単独または複合添加のいずれの場合においても、耐高温酸化性を向上するために必要最低限の添加量であり、上限はこれを超えて添加すると加工性に影響を与える添加量である。
高温強度向上に効果のあるSn、Zrのどちらか一方、または両者と、耐高温酸化性に効果のあるSi、Nbのどちらか一方、または両者を複合添加する場合は、それぞれの添加範囲を重畳すれば、高温強度と耐高温酸化性の両方の効果が得られる。
請求項4に記載の本発明(以下、本発明(4))は、特に自動車用排気装置部材として使用される薄板の製造方法に関するものである。最終焼鈍を650〜780℃の温度域にて行うことを特徴とする、本発明(1)〜(3)のチタン合金板の製造方法である。
これは、α相とTi2Cu相の混合組織とするための条件である。790℃を超えて焼鈍を行うとα相とβ相の2相の組織となり耐高温酸化性が損なわれるため、790℃未満の焼鈍が必要であるが、温度制御の観点から780℃以下とした。650℃未満の温度で焼鈍を行った場合、十分な再結晶が得られず延性が小さくなるため、焼鈍温度の下限を650℃とした。
請求項5に記載の本発明(以下本発明(5))は、本発明(1)〜(3)のチタン合金を用いて製造した排気装置部材である。ここで排気装置とは、エキゾーストマニホールド、エキゾーストパイプ、触媒マフラー、メインマフラー(消音器)等を指す。本発明のチタン合金は、JIS2種の工業用チタンに準じた加工性、溶接性を有しているので、JIS2種の工業用チタンに準じた方法により、溶解、圧延、成形が可能であり、冷延焼鈍された薄板を管状や断面が楕円形状等の筒状や箱状に湾曲、成形してTIG溶接し、各パーツを溶接することにより排気装置用管、または筐体とすることができる。
以下、実施例を挙げて本発明の構成と作用効果をより具体的に説明する。
表1に示す成分のチタン合金を真空アーク溶解し、鋳造して約10kgの鋳塊とした。これらを850〜900℃に加熱して、熱間圧延し、厚さ約3.5mmの板とした。ショットブラストおよび酸洗後、さらにこれを冷間圧延して、厚さ1mmの板とした。得られた板を真空中で770℃、5時間焼鈍した。これらの供試材からJIS13号Bの試験片を切出し、室温引張試験を行った。また、700℃においてJISG0567に準拠の高温引張試験を行った。高温の酸化試験は20mm×20mmの試験片を表面と端面を#400のサンドペーパーで研磨した後、700℃、または800℃の各温度に大気中に200時間暴露し、試験前後の重量の変化を測定し、単位断面積あたりの酸化増量を求めた。また、しわ押さえ力1tonで押さえた90mm角の板状試験片に、先端が直径20mmの球形のポンチを押し付けて割れずに張り出した最大高さを測定した(エリクセン試験)。なお、使用した潤滑剤はグラファイトグリースである。
Figure 2009030140
測定結果を表1にまとめて示す。表1において、No.1からNo.21は、請求項1ないし3に記載の本発明の実施例である。いずれも700℃における引張強度は、Ti−3Al−2.5V合金の7割、すなわち91.7N/mm2を超えており、室温における0.2%耐力は330N/mm2以下、かつ室温における伸びは32%以上であった。耐酸化性では、700℃における200時間の加熱での酸化増量は31g/m2以下、800℃における200時間の加熱での酸化増量は57g/m2以下であった。さらにエリクセン試験でも9.5mmを超える十分な張り出し性があり、マフラーのエンドキャップ等の加工に十分耐える加工性を有している。すなわち、本発明のチタン合金は、室温における十分な延性、加工性と、高温においてTi−3Al−2.5V合金と比較しうる十分な強度、かつ高温における優れた耐酸化性を示している。
一方、Cuの含有量が、それぞれ本発明の範囲に満たないNo.22は、室温における延性、加工性、および耐高温酸化性については問題ないが、700℃における高温強度はTi−3Al−2.5V合金の高温強度の7割に満たない。また、Cuの含有量が本発明の範囲を超えるNo.23では、700℃における高温強度は十分であるが、室温における延性、加工性が悪く、排気装置部品への加工は難しい。
No.24では、酸素含有量が0.06%を超え、室温における延性が35%を下回り、また、エリクセン値も低く、十分な加工性を有していない。また、Fe含有量の多いNo.25では700℃における酸化増量が、従来合金よりも大きく、十分な耐高温酸化性を有していない。
表1に示すNo.2、および、No.7の成分を有する試験材の最終焼鈍条件を、600℃5h、690℃5h、また、820℃5hとし、室温における0.2%耐力、伸び、700℃における引張強度、700℃と800℃200h加熱における酸化増量、および、エリクセン値を測定した。
Figure 2009030140
結果を表2に示す。焼鈍温度が本発明(4)記載の温度範囲よりも低い、No.27と30では、室温での伸びが大きく低下し、エリクセン値も低く、室温での延性と加工性が不十分である。また、焼鈍温度が本発明(4)記載の温度範囲よりも高い、No.29と32では、α、βの2相組織となり、耐高温酸化特性が劣化する。一方、本発明(4)の温度範囲で焼鈍を行った、表1のNo.1〜21および、表2のNo.28、31では、室温での十分な延性、加工性、および、700℃における十分な高温強度、700℃と800℃における十分な耐高温酸化性を有していることがわかる。
表1のNo.6に示す成分のα型チタン合金を電子ビーム溶解により200kg溶製し、1000℃で粗鍛造して300mm角とした後、さらに900℃で鍛造した後、厚さ100mmのスラブを製造した。次に、850℃で熱間圧延して、厚さ4mmの板とした後、厚さ1mmまで冷間圧延し、770℃5時間の熱処理を施した。
上記薄板を適宜必要な幅で切り出し、外径42.7mm、50.8mm、60.5mmの溶接管を製造、かつ断面形状が長径100mm、短径69mmの楕円の筐体を、同材料から切り出した板とTIG溶接により製造し、エキゾーストマニホールド、エキゾーストパイプ、触媒マフラー、メインマフラー(消音器)の外筒、内筒、内装の一部に用いた排気装置を製造した。製造に当たり、外径42.7mmの溶接管端部に60°の円錐コーンを押し込み、初期直径の1.3倍まで押し広げたところ、溶接部に割れを生じず、良好な押し広げ特性を有するとともに、同溶接管を半径90mmで90°曲げ加工したところ、割れや皺などは生じなかった。
本発明のチタン合金は、高温強度が高く、かつ耐高温酸化性が良好で、室温における優れた延性、冷間加工性を安定的に発現できる、溶接管の製造が従来の純チタン材並に容易であり、四輪者や二輪車等自動車のメインマフラー部はもとより、エキゾーストマニホールド、エキゾーストパイプや触媒マフラー等の排気装置用部材に利用することが可能である。

Claims (5)

  1. 質量%で、
    Cu:2.1%超〜4.5%、
    酸素:0.04%以下、
    Fe:0.06%以下
    を含有し、残部Tiおよび不可避的不純物からなることを特徴とする、冷間加工性に優れる排気装置部材用耐熱チタン合金。
  2. 前記チタン合金が、さらに、質量%で、
    Sn、Zrの1種または2種を合計0.5〜1.5%含有することを特徴とする請求項1に記載の冷間加工性に優れる排気装置部材用耐熱チタン合金。
  3. Si、Nbの1種または2種を合計0.5〜1.5%含有することを特徴とする請求項1または2に記載の冷間加工性に優れる排気装置部材用耐熱チタン合金。
  4. 素材の熱延、熱延版焼鈍、冷延、中間焼鈍、最終焼鈍の工程を経て製造されるチタン合金板製造方法において、前記素材の成分調整を請求項1〜3のいずれか1項に記載の成分組成に調整するとともに、前記最終焼鈍を650〜780℃の温度域にて行うことを特徴とする冷間加工性に優れる排気装置部材用耐熱チタン合金板の製造方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のチタン合金が使用されていることを特徴とする排気装置部材。
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