JP2009029965A - 単分散粒子の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シード重合法による単分散粒子の製造方法であって、種粒子に、ビニル系単量体Aと、1時間半減期温度Tが90〜110℃の有機過酸化物と、重合開始剤Aとを吸収させ、(T−20)℃以下の温度で重合させることにより、有機過酸化物含有種粒子を得る第1の工程と、前記有機過酸化物含有種粒子に、ビニル系単量体Bと重合開始剤Bとを吸収させ、(T−20)℃以下の温度で重合させることにより、単分散粒子を得る第2の工程とを含むことを特徴とする単分散粒子の製造方法により上記課題を解決する。
【選択図】図2
Description
特開昭61−190504公報に記載された方法は、膨潤助剤を種粒子に吸収させる工程が必要であり、この工程は非常に煩雑である。そのため重合体粒子の生産面で不利となる。
かくして本発明によれば、シード重合法による単分散粒子の製造方法であって、
種粒子に、ビニル系単量体Aと、1時間半減期温度Tが90〜110℃の有機過酸化物と、重合開始剤Aとを吸収させ、(T−20)℃以下の温度で重合させることにより、有機過酸化物含有種粒子を得る第1の工程と、
前記有機過酸化物含有種粒子に、ビニル系単量体Bと重合開始剤Bとを吸収させ、(T−20)℃以下の温度で重合させることにより、単分散粒子を得る第2の工程と
を含むことを特徴とする単分散粒子の製造方法が提供される。
有機過酸化物は加熱により分解できるので、必要に応じて有機過酸化物を単分散粒子から効率よく簡便な方法で除去できる。その結果、残存する有機過酸化物が、光学特性に悪影響を及ぼすことがない。また、この加熱は、重合後、続けて行うことができるので、従来のように、粒子中の疎水性物質、膨潤助剤、非イオン性有機化合物等を除去する工程を別途設ける必要がない。
本発明で使用できる種粒子としては、特に限定されないが、アクリル系粒子、スチレン系粒子等のビニル系樹脂粒子が挙げられる。
アクリル系粒子としては、(メタ)アクリル系単量体由来の粒子が挙げられる。(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。(メタ)アクリル系単量体としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、ジエチルアミノエチルアクリレート、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、ジエチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。これら単量体は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
種粒子がアクリル系粒子の場合、それを構成するアクリル系樹脂の重量平均分子量は、1万〜4万であることが好ましい。1万未満の場合、重合体粒子の形状を真球状としがたく、単分散性に優れた重合体粒子を得がたいことがある。また、種粒子と吸収される単量体の分子構造が異なる場合には相分離を起こすことがある。この場合、重合が進むにつれて内部のボイドや亀裂が発生し、得られた重合体粒子の力学的強度が著しく低下することがある。4万より大きい場合、単量体吸収率が低下することがある。より好ましい重量平均分子量は、1万〜3万である。
なお、種粒子は、例えば乳化重合法、懸濁重合法等の公知の方法により入手可能である。また、種粒子の平均粒子径、種粒子を構成する樹脂の重量平均分子量は、有機過酸化物含有種粒子の40%以下であることが好ましい。
ビニル系単量体A及びBとしては、シード重合法に使用可能なビニル系単量体であれば特に限定されず、以下の単量体が例示される。
ビニル系単量体Aの吸収量は、種粒子100重量部に対して、2000〜15000重量部であることが好ましい。2000重量部未満の場合、凝集が起こりやすくなる。15000重量部より大きい場合、小粒子の発生確率が高まることがある。より好ましい吸収量は、3000〜10000重量部である。
有機過酸化物は、種粒子へのビニル系単量体の吸収を促進する役割を果たす。有機過酸化物は、この役割を有し、1時間半減期温度が90〜110℃の有機過酸化物である限り特に限定されない。有機過酸化物が、ビニル系単量体Bの種粒子への吸収を促進する理由は明らかではないが、有機過酸化物の吸収により、種粒子の水に対する性質が疎水性側に振れ、その結果、同じく疎水性のビニル系単量体が種粒子に、より吸収されやすくなったためであると、発明者は推測している。
有機過酸化物の分子量は200〜350が好ましい。
重合開始剤A及びBとしては、一般にビニル系単量体の重合に用いられる油溶性重合触媒を用いることができ、特に限定されるものではない。重合開始剤A及びBの1時間半減期温度は、上記有機過酸化物より、5℃以上低いことが好ましい。1時間半減期温度の差が5℃より高い場合、有機過酸化物と重合開始剤の両方が重合系で分解することがあり、急速に重合反応が進行し、凝集が誘発されることがある。重合開始剤A及びBの1時間半減期温度は、60〜80℃であることが好ましい。
重合開始剤A及びBは、同一の開始剤であっても、異なる開始剤であってもよい。
一方、重合開始剤Bの使用量は、ビニル系単量体B100重量部に対して、0.1〜1重量部が好ましく、0.4〜0.8重量部がより好ましい。0.1重量部未満の場合、重合効率が低下することがある。1重量部より大きい場合、急速に反応が進行し、凝集を誘発することがある。
第1の工程では、種粒子に、ビニル系単量体A、有機過酸化物及び重合開始剤Aを吸収させ、重合させることにより、有機過酸化物含有種粒子が得られる。吸収と重合は、別工程でも行ってもよく、同時に行なってもよい。
ビニル系単量体A、有機過酸化物及び重合開始剤Aの種粒子への吸収は、特に限定されず、懸濁系で吸収させる方法が挙げられる。
重合は、2〜4時間行うことが好ましい。
第2の工程では、有機過酸化物含有種粒子に、ビニル系単量体Bと重合開始剤Bとを吸収させ、(T−20)℃以下の温度で重合させることにより、単分散粒子が得られる。なお、上記有機過酸化物を第2工程で更に吸収させてもよい。
ビニル系単量体B及び重合開始剤Bの有機過酸化物含有種粒子への吸収は、特に限定されず、懸濁系で吸収させる方法が挙げられる。
重合は、2〜4時間行うことが好ましい。
上記重合により単分散粒子が得られる。
得られた単分散粒子を含む重合系を、所望により、有機過酸化物の除去工程に付してもよい。除去工程は、重合系を有機過酸化物の1時間半減期温度以上に加熱して有機過酸化物を分解する工程である。加熱温度は、100〜110℃がより好ましい。加熱時間は、有機過酸化物が分解により除去されれば特に限定されないが、2〜3時間程度が好ましい。
有機過酸化物含有種粒子及び単分散粒子の製造時の懸濁系の水性媒体中に、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤を加えてもよい。
両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイドや、リン酸エステル系又は亜リン酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
また、有機過酸化物含有種粒子及び単分散粒子の製造時の懸濁系の水性媒体中に、ポリビニルアルコールのような分散安定剤を加えてもよい。
更に、ビニル系単量体A及び/又はBに分子量調整剤として1−オクタンチオール、1−ドデカンチオール等を加えてもよい。
本発明の方法によれば、ビニル系単量体由来の小粒子(5μm以下)の生成が抑制され、単分散性が良好な単分散粒子が得られる。例えば、小粒子の数を、全粒子数の20%程度以下に抑制できる。より具体的には、モード径をXμmとすると、個数%分布における25%径がX−0.7μm〜X+0.1μmの範囲、75%径がX−0.5μm〜X+0.2μmの範囲の単分散粒子を得ることが可能となる。
半減期温度測定対象の有機過酸化物を濃度が0.1モル/リットルとなるようにトルエンに溶解する。得られた溶液を容器に密封し、溶液を所定の温度に保持して有機過酸化物を熱分解する。この際の時間と有機過酸化物の濃度変化との関係を測定することにより1時間半減期温度を求める。
具体的には、まず、所定の一定温度において、
式:log(a/x)=(k/2.303)t
(式中、x:有機過酸化物の時間tにおける濃度(モル/リットル)、a:有機過酸化物の初期濃度(同)、k:温度により定まる分解速度定数、t:時間に基づいて、k値を求めて、これを式:t1/2(半減期)=(ln2)/k
に代入して、半減期を求める。得られた半減期が1時間となる温度を算出することで、1時間半減期温度が求められる
種粒子及び有機過酸化物含有種粒子の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定する。その測定方法は次の通りである。なお、重量平均分子量(Mw)はポリスチレン(PS)換算重量平均分子量を意味する。
試料(種粒子又は有機過酸化物含有種粒子)50mgをテトラヒドロフラン(THF)10ミリリットルに溶解させる。得られた溶液を0.45μmの非水系クロマトディスクを用いて濾過する。得られた濾液からGPCにより重量平均分子量を測定する。GPCの測定条件は下記の通りとする。
カラム:東ソー社製、商品名「TSKgel GMH−XL−L」φ7.8mm×30cm×2本
カラム温度:40℃
キャリアーガス:テトラヒドロフラン(THF)
キャリアーガス流量:1ミリリットル/分
注入・ポンプ温度:35℃
検出:RI
注入量:100マイクロリットル
PS換算重量平均分子量を算出するための検量線用標準ポリスチレン:
・昭和電工社製、商品名「shodex」重量平均分子量:1030000及び
・東ソー社製、重量平均分子量:5480000、3840000、355000、102000、37900、9100、2630、870
種粒子、有機過酸化物含有種粒子及び単分散粒子のモード径は、Coulter Electronics Limited発行のReference MANUAL FOR THE COULTER MULTISIZER(1987)に従って、50μmアパチャーを用いてキャリブレーションを行い測定する。
具体的には、粒子0.1gを0.1%ノニオン系界面活性剤10ml中にタッチミキサー及び超音波を用いて予備分散させ、これを本体備え付けのISOTON II(ベックマンコールター社:測定用電解液)を満たしたビーカー中に、緩く撹拌しながらスポイドで滴下して、本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせる。次にコールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製:測定装置)本体にアパチャーサイズ50μm、Currentを800、Gainを4、Polarityを+と入力してmanualで測定を行う。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く撹拌しておき、粒子を10万個測定した時点で測定を終了する。
Cv値(%)=(σ/x)×100
モード径は、個数%分布に基づき粒子径をカウントした際に、出現比率が最も大きい粒子径(分布の極大値)である。
また、25%径及び75%径は、個数%分布に基づき、粒子径を小さい方からカウントした際に、それぞれ25%及び75%の粒子径に相当する値である。なお、個数%分布は、測定した各粒子径の個数に由来する分布である。
[種粒子の製造]
はじめに、イオン交換水3000gに、分子量調整剤として1−オクタンチオール10gを溶解したメチルメタクリレート(MMA)500gを加えた。得られた溶液を攪拌しながら窒素気流中で55℃に昇温し、次いで、重合開始剤として過硫酸カリウム2.6gを溶解したイオン交換水100gを溶液に投入した。得られた溶液を55℃で12時間攪拌することで、MMAを重合させることでモード径が0.5μm、変動係数が14.1%、重量平均分子量1.3万の単分散性ポリMMA種粒子の分散液(固形分14.3重量%)を得た。
はじめに、MMA(ビニル系単量体A)500gに、2,2−アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤A:1時間半減期温度T=82℃)5g、1−オクタンチオール5g、有機過酸化物としてジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート(1時間半減期温度T=103℃、分子量316)5gを溶解した。得られた単量体混合物と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)5gが含まれたイオン交換水1000gとを混合した。次いで、得られた混合液をT.KホモミキサーMark2.5型(特殊機化工業社製)に入れて10000rpmで5分間処理することで、乳化液を得た。
はじめに、スチレン700gとエチレングリコールジメタクリレート300gとからなるビニル系単量体Bを用い、2,2−アゾビス−(2−メチルプロピオネート)(1時間半減期温度T=82℃:重合開始剤B)8gを溶解して得られた単量体混合物と、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(界面活性剤)5gが含まれたイオン交換水1000gとを混合した。得られた混合液を、T.KホモミキサーMark2.5型(特殊機化工業社製)に入れて9000rpmで10分間処理して乳化液を得た。
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[有機過酸化物含有種粒子の製造]
有機過酸化物として、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレートに変えてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト(1時間半減期温度T=92℃、分子量216)を5g使用し、分散液中の単量体を55℃で6時間重合させて有機過酸化物含有種粒子を製造したこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行い、モード径が2.16μm、変動係数が9.80%、重量平均分子量2.21万の単分散性ポリMMA粒子(有機過酸化物含有種粒子)の分散液(固形分14.3重量%)を得た。
有機過酸化物含有種粒子の分散液の添加量を160gに変えて211gとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行うことで単分散粒子を得た。
得られた単分散粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定したところ、モード径が7.3μm、粒子径7.3μm以下が1.5%、7.3〜8.1μmが94.1%、8.1μm以上が4.4%であった。また、個数%分布において、25%径が6.8μm、75%径が7.2μmであった。この結果から、得られた単分散粒子は、粒子径が非常によく揃った粒子であることが認められた。
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[有機過酸化物含有種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で有機過酸化物含有種粒子を得た。
[単分散粒子の製造]
70℃で3時間重合を行った後に、105℃で2.5時間攪拌する工程を行わないこと以外は、実施例1と同様の条件で単分散粒子を得た。
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[有機過酸化物含有種粒子の製造]
1−オクタンチオールの使用量を5gに変えて10gとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行い、モード径が1.84μm、変動係数が9.26%、重量平均分子量1.22万の単分散性ポリMMA粒子(有機過酸化物含有種粒子)の分散液(固形分14.3重量%)を得た。
[単分散粒子の製造]
分散液の添加量を245gとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行うことで単分散粒子を得た。
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[有機過酸化物含有種粒子の製造]
1−オクタンチオールの使用量を15gとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行い、モード径が1.86μm、変動係数が7.7%、重量平均分子量1.01万の単分散性ポリMMA粒子(有機過酸化物含有種粒子)の分散液(固形分14.3重量%)を得た。
スチレンの使用量を800g、エチレングリコールジメタクリレートの使用量を200g、分散液の添加量を245gとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行うことで単分散粒子を得た。
得られた単分散粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定したところ、モード径が5.7μm、粒子径5.3μm以下が1.0%、5.3〜6.5μmが93.7%、6.5μm以上が5.3%であった。また、個数%分布において、25%径が5.7μm、75%径が6.1μmであった。この結果から、得られた単分散粒子は、粒子径が非常によく揃った粒子であることが認められた。
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[有機過酸化物含有種粒子の製造]
実施例4と同様の条件で有機過酸化物含有種粒子を得た。
[単分散粒子の製造]
スチレンの使用量を900g、エチレングリコールジメタクリレートの使用量を100g、分散液の添加量を217gとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行うことで単分散粒子を得た。
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[疎水性化合物非含有種粒子の製造]
ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレートを使用しないこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行い、モード径が2.19μm、変動係数が8.44%、重量平均分子量2.06万の単分散性ポリMMA粒子(疎水性化合物非含有種粒子)の分散液(固形分14.3重量%)を得た。
実施例1と同様の条件で重合反応を行うことで重合体粒子を得た。重合体粒子の電子顕微鏡写真を図3(倍率500倍)に示す。
得られた重合体粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定したところ、モード径が8.3μm、粒子径8.1μm以下が1.5%、8.1〜9.1μmが95.0%、9.1μm以上が3.5%であった。また、個数%分布において25%径が1.2μm、75%径が8.1μmであった。この結果から、得られた重合体粒子は、実施例1の粒子に比べ小粒子径の粒子が増加し、単分散性が低下していることが認められた。
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[有機過酸化物含有種粒子の製造]
重合条件を55℃で4時間、次いで90℃で2時間としたこと以外は、実施例2と同様の条件で重合反応を行い、モード径が1.89μm、変動係数が8.70%、重量平均分子量0.74万の単分散性ポリMMA粒子(有機過酸化物含有種粒子)の分散液(固形分14.3重量%)を得た。
実施例3と同様の条件で重合反応を行うことで重合体粒子を得た。重合体粒子の電子顕微鏡写真を図4(倍率1000倍)に示す。
得られた重合体粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定したところ、モード径が5.8μm、粒子径5.2μm以下が1.6%、5.2〜6.5μmが95.2%、6.5μm以上が3.2%であった。また、個数%分布において、25%径が1.5μm、75%径が5.7μmであった。この結果から、得られた重合体粒子は、実施例1の粒子に比べ小粒子径の粒子が増加し、単分散性が低下していることが認められた。
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[有機過酸化物含有種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で有機過酸化物含有種粒子を得た。
[重合体粒子の製造]
重合反応時の温度を70℃に変えて90℃としたこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行ったが、粒子が凝集し単分散性の重合体粒子を得ることができなかった。
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[有機過酸化物非含有種粒子の製造]
有機過酸化物を添加しないこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行い,モード径が2.34μm、変動係数が8.44%、重量平均分子量2.06万の単分散性ポリMMA粒子(有機過酸化物非含有種粒子)の分散液(固形分14.3重量%)を得た。
有機過酸化物非含有種粒子の分散液160gと実施例1で使用した原料に加え、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト(1時間半減期温度T=92℃,分子量216)を5g使用したこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行うことで重合体粒子を得た。
得られた重合体粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定したところ、モード径が8.9μm、粒子径8.1μm以下が1.8%、8.1〜10.1μmが93.0%、10.1μm以上が5.2%であった。また、個数%分布において25%径が1.5μm、75%径が8.8μmであった。この結果から、得られた重合体粒子は、実施例1の粒子に比べ小粒子径の粒子が増加し、単分散性が低下していることが認められた。
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[有機過酸化物含有種粒子の製造]
MMA500gに変えてアセトンを500g使用したこと以外は、実施例1と同様の条件で有機過酸化物含有種粒子を得た。
実施例1と同様の条件で重合反応を行った。
得られた重合体粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定したところ、モード径が4.8μm、粒子径5.2μm以下が15.7%、5.2〜6.5μmが53.2%、6.5μm以上が30.5%であった。また、個数%分布において、25%径が1.8μm、75%径が5.0μmあった。この結果から、得られた重合体粒子は、実施例1の粒子に比べ小粒子径の粒子が増加し、単分散性が大幅に低下していることが認められた。
Claims (5)
- シード重合法による単分散粒子の製造方法であって、
種粒子に、ビニル系単量体Aと、1時間半減期温度Tが90〜110℃の有機過酸化物と、重合開始剤Aとを吸収させ、(T−20)℃以下の温度で重合させることにより、有機過酸化物含有種粒子を得る第1の工程と、
前記有機過酸化物含有種粒子に、ビニル系単量体Bと重合開始剤Bとを吸収させ、(T−20)℃以下の温度で重合させることにより、単分散粒子を得る第2の工程と
を含むことを特徴とする単分散粒子の製造方法。 - 前記ビニル系単量体Bの重合後に、重合系をT℃以上に加熱して前記有機過酸化物を分解する第3の工程を更に含む請求項1に記載の単分散粒子の製造方法。
- 前記有機過酸化物が、40℃以下の温度で種粒子に吸収される請求項1又は2に記載の単分散粒子の製造方法。
- 前記有機過酸化物が、200〜350の分子量を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の単分散粒子の製造方法。
- 得られた単分散粒子は、モード径(粒子個数の出現比率が最も大きい粒子径)をXμmとすると、個数%分布における25%径がX−0.7μm〜X+0.1μmの範囲、75%径がX−0.5μm〜X+0.2μmの範囲である粒子径を有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の単分散粒子の製造方法。
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