JP2009029965A - 単分散粒子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ビニル系単量体由来の小粒子の発生を抑制することを課題とする。
【解決手段】シード重合法による単分散粒子の製造方法であって、種粒子に、ビニル系単量体Aと、1時間半減期温度Tが90〜110℃の有機過酸化物と、重合開始剤Aとを吸収させ、(T−20)℃以下の温度で重合させることにより、有機過酸化物含有種粒子を得る第1の工程と、前記有機過酸化物含有種粒子に、ビニル系単量体Bと重合開始剤Bとを吸収させ、(T−20)℃以下の温度で重合させることにより、単分散粒子を得る第2の工程とを含むことを特徴とする単分散粒子の製造方法により上記課題を解決する。
【選択図】図2

Description

本発明は、単分散粒子の製造方法に関する。本発明により得られる単分散粒子は、例えば液晶表示装置の光拡散板のような光学用フィルムを構成する光拡散剤として好適に使用できる。
単分散粒子の製造方法としてシード重合法が知られている。シード重合法は、水性媒体中であらかじめ作製したビニル系樹脂粒子(種粒子)に単量体のエマルジョンを吸収させ、重合させる方法である。この方法において単量体は、一旦水性媒体に分散した後に種粒子に吸収される。種粒子は、疎水性の強いスチレン系単量体の吸収率が劣る。そのため、種粒子へ吸収されず残存したスチレン系単量体小滴がそのまま重合し、小粒子として製品中に混入するといった問題が発生している。
このような小粒子の発生を抑制し、高い単分散性を有する粒子を製造する方法として、種々の方法が提案されている。例えば、特開昭54−126288号公報(特許文献1)、特開昭61−190504号公報(特許文献2)、特開昭64−81810号公報(特許文献3)に記載された方法がある。
図5は特開昭54−126288号公報に記載された方法の概略説明図である。この方法では、まず、第1工程で、分散液中の樹脂粒子に、樹脂粒子より小さな粒子径の高疎水性物質を吸収させることで、種粒子としての高疎水性物質含有樹脂粒子の分散液を得る。次いで、第2工程で、種粒子に部分水溶性物質としての重合性単量体を吸収させ、随時重合することで重合体粒子の分散液が製造されている。高疎水性物質含有樹脂粒子を種粒子として用いることにより、種粒子に多量の重合性単量体を吸収させることができる。そのため、重合性単量体の含浸及び重合の工程数を削減できるとされている。
また、図6は特開昭61−190504公報に記載された方法の概略説明図である。この方法は、まず第1工程で、種粒子の水性分散体に、種粒子より小さな粒子径の膨潤助剤を吸収させて膨潤粒子の水性分散体を形成する。次いで、第2工程で、膨潤粒子の水性分散体に重合性単量体を混合し、膨潤粒子に重合性単量体を吸収させ、得られた膨潤粒子を重合させることで重合体粒子が得られている。この方法によれば、大粒子径の重合体粒子を容易に製造することができ、重合中における不要な新粒子の生成が防止され、単分散性の良好な重合体粒子を確実に製造できるとされている。
更に、図7は特開昭64−81810号公報に記載された方法の概略説明図である。この方法では、水系分散媒に分散された種粒子に、油溶性の重合性単量体を吸収させ、油溶性の重合開始剤の存在下において重合させることで重合体粒子を製造している。この方法では、重合性単量体に、常温で液体であり単量体に対し溶解性を有する非イオン性有機化合物が添加されている。更に、この公報では、非イオン性有機化合物を加えた重合性単量体を、種粒子より小さくなるように微分散させた乳化液を予め調製し、この乳化液を種粒子が分散された水系分散液に添加する方法が記載されている。この方法によれば、粒子径1〜30μm、粒子径の標準偏差が10%以下の均一粒子径の粒子を短時間でかつ高収率で製造できるとされている。
特開昭54−126288号公報 特開昭61−190504号公報 特開昭64−81810号公報
特開昭54−126288号公報に記載された方法では、分散液中の樹脂粒子に、樹脂粒子より小さな粒子径の高疎水性物質を含む種粒子を得るために、分散液中に水溶性有機溶媒を添加することが必要となる。この有機溶媒は、重合体粒子製造後に分散液から除去することが必要である。そのため非常に煩雑な除去工程が必要であり、重合体粒子の生産面で不利である。
特開昭61−190504公報に記載された方法は、膨潤助剤を種粒子に吸収させる工程が必要であり、この工程は非常に煩雑である。そのため重合体粒子の生産面で不利となる。
特開昭64−81810号公報に記載された方法は、非イオン性有機化合物を加えた重合性単量体を種粒子に吸収させる工程が必要であり、この工程は非常に煩雑である。そのため重合体粒子の生産面で不利となる。
本発明の発明者は、鋭意検討の結果、種粒子に、予め有機過酸化物からなる吸収促進剤を含有させることにより、種粒子の疎水性を強めて、ビニル系単量体の吸収能力を増大させれば、ビニル系単量体由来の小粒子の発生が抑制できることを見出し本発明に至った。
かくして本発明によれば、シード重合法による単分散粒子の製造方法であって、
種粒子に、ビニル系単量体Aと、1時間半減期温度Tが90〜110℃の有機過酸化物と、重合開始剤Aとを吸収させ、(T−20)℃以下の温度で重合させることにより、有機過酸化物含有種粒子を得る第1の工程と、
前記有機過酸化物含有種粒子に、ビニル系単量体Bと重合開始剤Bとを吸収させ、(T−20)℃以下の温度で重合させることにより、単分散粒子を得る第2の工程と
を含むことを特徴とする単分散粒子の製造方法が提供される。
本発明によれば、種粒子がビニル系単量体の吸収を促進する役割を果たす有機過酸化物を含有するので、ビニル系単量体を均一に種粒子に分散できる。その結果、ビニル系単量体由来の小粒子(例えば、5μm以下)の生成を抑制できる。例えば、小粒子の数を、全粒子数の20%程度以下に抑制できる。
有機過酸化物は加熱により分解できるので、必要に応じて有機過酸化物を単分散粒子から効率よく簡便な方法で除去できる。その結果、残存する有機過酸化物が、光学特性に悪影響を及ぼすことがない。また、この加熱は、重合後、続けて行うことができるので、従来のように、粒子中の疎水性物質、膨潤助剤、非イオン性有機化合物等を除去する工程を別途設ける必要がない。
本発明では、図1に示すように、種粒子に有機過酸化物をビニル系単量体A及び重合開始剤Aと共に吸収させ、ビニル系単量体Aを重合させることで、有機過酸化物含有種粒子を得、この有機過酸化物含有種粒子に、ビニル系単量体Bと重合開始剤Bとを吸収させ、ビニル系単量体Bを重合させることで単分散粒子が製造される。
(種粒子)
本発明で使用できる種粒子としては、特に限定されないが、アクリル系粒子、スチレン系粒子等のビニル系樹脂粒子が挙げられる。
アクリル系粒子としては、(メタ)アクリル系単量体由来の粒子が挙げられる。(メタ)アクリルとは、アクリル又はメタクリルを意味する。(メタ)アクリル系単量体としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、ジエチルアミノエチルアクリレート、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、ジエチルアミノエチルメタクリレート等が挙げられる。これら単量体は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
上記アクリル系単量体に、他の単量体を加えてもよい。他の単量体としては、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のグリコールエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド等のN−アルキル置換(メタ)アクリルアミド類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等の多官能性単量体、スチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体が挙げられる。これら他の単量体は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
スチレン系粒子としては、スチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体由来の粒子が挙げられる。これらスチレン系単量体は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
上記スチレン系単量体に、他の単量体を加えてもよい。他の単量体としては、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のグリコールエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド等のN−アルキル置換(メタ)アクリルアミド類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等の多官能性単量体、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸テトラヒドロフルフリル、ジエチルアミノエチルアクリレート、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、ジエチルアミノエチルメタクリレート等の(メタ)アクリル系単量体が挙げられる。これら他の単量体は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
種粒子の平均粒子径は、吸収させるビニル系単量体A及びBの量、所望する単分散粒子の粒子径等の条件により適宜調整できる。
種粒子がアクリル系粒子の場合、それを構成するアクリル系樹脂の重量平均分子量は、1万〜4万であることが好ましい。1万未満の場合、重合体粒子の形状を真球状としがたく、単分散性に優れた重合体粒子を得がたいことがある。また、種粒子と吸収される単量体の分子構造が異なる場合には相分離を起こすことがある。この場合、重合が進むにつれて内部のボイドや亀裂が発生し、得られた重合体粒子の力学的強度が著しく低下することがある。4万より大きい場合、単量体吸収率が低下することがある。より好ましい重量平均分子量は、1万〜3万である。
種粒子がスチレン系粒子の場合、それを構成するスチレン系樹脂の重量平均分子量は、上記アクリル系粒子と同様の理由から、1万〜4万であることが好ましい。より好ましい重量平均分子量は、1万〜3万である。
なお、種粒子は、例えば乳化重合法、懸濁重合法等の公知の方法により入手可能である。また、種粒子の平均粒子径、種粒子を構成する樹脂の重量平均分子量は、有機過酸化物含有種粒子の40%以下であることが好ましい。
(ビニル系単量体A及びB)
ビニル系単量体A及びBとしては、シード重合法に使用可能なビニル系単量体であれば特に限定されず、以下の単量体が例示される。
単量体としては、スチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレン、クロロメチルスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、ジエチルアミノエチルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のメタクリル酸エステル類、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸のグリコールエステル類、メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類、酢酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド等のN−アルキル置換(メタ)アクリルアミド類、アクリロニトリル、メタアクリロニトリル等のニトリル類、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート等の多官能性単量体が挙げられる。これらビニル系単量体は、単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
ビニル系単量体A及びBは、同一の単量体であっても、異なる単量体であってもよい。ビニル系単量体A及びBは、同一の単量体を含んでいる方が、ビニル系単量体Bの有機過酸化物含有種粒子への吸収性が良好な場合がある。
ビニル系単量体Aの吸収量は、種粒子100重量部に対して、2000〜15000重量部であることが好ましい。2000重量部未満の場合、凝集が起こりやすくなる。15000重量部より大きい場合、小粒子の発生確率が高まることがある。より好ましい吸収量は、3000〜10000重量部である。
ビニル系単量体Bの吸収量は、有機過酸化物含有種粒子100重量部に対して、2000〜15000重量部であることが好ましい。2000重量部未満の場合、凝集が起こりやすくなる。15000重量部より大きい場合、小粒子の発生確率が高まることがある。より好ましい吸収量は、3000〜10000重量部である。
(有機過酸化物)
有機過酸化物は、種粒子へのビニル系単量体の吸収を促進する役割を果たす。有機過酸化物は、この役割を有し、1時間半減期温度が90〜110℃の有機過酸化物である限り特に限定されない。有機過酸化物が、ビニル系単量体Bの種粒子への吸収を促進する理由は明らかではないが、有機過酸化物の吸収により、種粒子の水に対する性質が疎水性側に振れ、その結果、同じく疎水性のビニル系単量体が種粒子に、より吸収されやすくなったためであると、発明者は推測している。
更に、吸収促進剤としての有機過酸化物は、ビニル系樹脂の製造における重合開始剤としても用いられている有機過酸化物であることが好ましい。本発明では、有機過酸化物を、重合開始剤として使用せず、ビニル系単量体の吸収を促進させるために使用する。また、このような有機過酸化物を使用することで、単分散粒子形成後、必要に応じて、有機過酸化物が分解しうる温度に単分散粒子を加熱することで、単分散粒子中の有機過酸化物を除去できる。有機過酸化物を除去することで、例えば、光拡散剤の用途で残存する有機過酸化物が光特性に影響を与えることを抑制できる。
有機過酸化物の分子量は200〜350が好ましい。
具体的な有機過酸化物としては、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト(1時間半減期温度T=92℃、分子量216)、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート(1時間半減期温度T=103℃、分子量316)、t−ブチルパーオキシイソブチレート(1時間半減期温度T=96℃、分子量160)等のアルキルパーオキシエステル類、過酸化ベンゾイル(1時間半減期温度T=92℃、分子量242)、ビス−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド(1時間半減期温度T=78℃、分子量314)等のジアシルパーオキサイド類等が挙げられる。
有機過酸化物は、種粒子100重量部に対して、0.5〜2重量部となるように、種粒子に吸収させることができる。0.5重量部未満の場合、ビニル系単量体Bの吸収促進効果が弱くなることがある。2重量部より大きい場合、有機過酸化物が種粒子へと吸収されきれずに水性媒体中に残存し、小粒子生成を誘発することがある。より好ましい含有量は、1〜1.5重量部である。
(重合開始剤A及びB)
重合開始剤A及びBとしては、一般にビニル系単量体の重合に用いられる油溶性重合触媒を用いることができ、特に限定されるものではない。重合開始剤A及びBの1時間半減期温度は、上記有機過酸化物より、5℃以上低いことが好ましい。1時間半減期温度の差が5℃より高い場合、有機過酸化物と重合開始剤の両方が重合系で分解することがあり、急速に重合反応が進行し、凝集が誘発されることがある。重合開始剤A及びBの1時間半減期温度は、60〜80℃であることが好ましい。
重合開始剤A及びBとしては、例えば、過酸化ラウロイル(1時間半減期温度T=79℃、分子量399)等の過酸化物系触媒、アゾビスイソブチロニトリル(1時間半減期温度T=82℃、分子量164)、アゾビスイソバレロニトリル(1時間半減期温度T=68℃、分子量248)、2,2−アゾビス−(2−メチルプロピオネート)(1時間半減期温度T=82℃、分子量230)等のアゾ系触媒が使用できる。
重合開始剤A及びBは、同一の開始剤であっても、異なる開始剤であってもよい。
重合開始剤Aの使用量は、ビニル系単量体A100重量部に対して、0.1〜2重量部が好ましく、0.5〜1.5重量部がより好ましい。0.1重量部未満の場合、重合効率が低下することがある。2重量部より大きい場合、急速に反応が進行し、凝集を誘発することがある。
一方、重合開始剤Bの使用量は、ビニル系単量体B100重量部に対して、0.1〜1重量部が好ましく、0.4〜0.8重量部がより好ましい。0.1重量部未満の場合、重合効率が低下することがある。1重量部より大きい場合、急速に反応が進行し、凝集を誘発することがある。
(第1の工程)
第1の工程では、種粒子に、ビニル系単量体A、有機過酸化物及び重合開始剤Aを吸収させ、重合させることにより、有機過酸化物含有種粒子が得られる。吸収と重合は、別工程でも行ってもよく、同時に行なってもよい。
ビニル系単量体A、有機過酸化物及び重合開始剤Aの種粒子への吸収は、特に限定されず、懸濁系で吸収させる方法が挙げられる。
吸収は、重合と別工程で行う場合、小粒子の発生を抑制する観点から、ビニル系単量体Aが重合せず、種粒子に有機過酸化物をその分解を抑えつつ含ませることができる温度で行われる。具体的には、重合開始剤Aの1時間半減期温度から40℃より低い温度以下で行なうことが好ましく、40℃以下であることがより好ましく、20〜40℃であることがより好ましい。
重合の条件は、有機過酸化物の分解を抑えつつビニル系単量体Aを重合させることができさえすれば特に限定されない。温度は、有機過酸化物の1時間半減期温度−20℃以下の温度(T−20℃)であることが好ましく、50〜70℃であることがより好ましい。重合温度が1時間半減期温度−20℃より高い場合、有機過酸化物が分解してしまうことがある。
また、小粒子の発生を抑制する観点から、重合開始剤Aの1時間半減期温度+0℃〜1時間半減期温度−30℃で行なうことが好ましく、1時間半減期温度+0℃〜1時間半減期温度−20℃で行なうことがより好ましい。含浸と重合を同時に行う場合、上記と同様の温度を採用できる。
重合は、2〜4時間行うことが好ましい。
(第2の工程)
第2の工程では、有機過酸化物含有種粒子に、ビニル系単量体Bと重合開始剤Bとを吸収させ、(T−20)℃以下の温度で重合させることにより、単分散粒子が得られる。なお、上記有機過酸化物を第2工程で更に吸収させてもよい。
ビニル系単量体B及び重合開始剤Bの有機過酸化物含有種粒子への吸収は、特に限定されず、懸濁系で吸収させる方法が挙げられる。
吸収は、重合と別工程で行う場合、小粒子の発生を抑制する観点から、ビニル系単量体Bが重合しない温度で行われる。具体的には、重合開始剤Bの1時間半減期温度から40℃より低い温度以下で行なうことが好ましく、20〜40℃で行なうことがより好ましい。
重合の条件は、有機過酸化物の分解を抑えつつビニル形単量体Bを重合させることができさえすれば特に限定されない。温度は、有機過酸化物の1時間半減期温度−20℃以下の温度(T−20℃)であることが好ましく、50〜70℃であることがより好ましい。重合温度が1時間半減期温度−20℃より高い場合、有機過酸化物が分解してしまうことがある。
また、小粒子の発生を抑制する観点から、重合開始剤Bの1時間半減期温度+0℃〜1時間半減期温度−30℃で行なうことが好ましく、1時間半減期温度+0℃〜1時間半減期温度−20℃で行なうことがより好ましい。含浸と重合を同時に行う場合、上記と同様の温度を採用できる。
重合は、2〜4時間行うことが好ましい。
上記重合により単分散粒子が得られる。
(有機過酸化物除去工程)
得られた単分散粒子を含む重合系を、所望により、有機過酸化物の除去工程に付してもよい。除去工程は、重合系を有機過酸化物の1時間半減期温度以上に加熱して有機過酸化物を分解する工程である。加熱温度は、100〜110℃がより好ましい。加熱時間は、有機過酸化物が分解により除去されれば特に限定されないが、2〜3時間程度が好ましい。
(その他)
有機過酸化物含有種粒子及び単分散粒子の製造時の懸濁系の水性媒体中に、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性イオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤を加えてもよい。
アニオン性界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸油、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルアミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第四級アンモニウム塩等が挙げられる。
両性イオン界面活性剤としては、ラウリルジメチルアミンオキサイドや、リン酸エステル系又は亜リン酸エステル系界面活性剤が挙げられる。
上記界面活性剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。界面活性剤の添加量は、小粒子の発生を抑制する観点から、水性媒体100重量部に対して0.1〜0.8重量部であることが好ましい。
また、有機過酸化物含有種粒子及び単分散粒子の製造時の懸濁系の水性媒体中に、ポリビニルアルコールのような分散安定剤を加えてもよい。
更に、ビニル系単量体A及び/又はBに分子量調整剤として1−オクタンチオール、1−ドデカンチオール等を加えてもよい。
(単分散粒子)
本発明の方法によれば、ビニル系単量体由来の小粒子(5μm以下)の生成が抑制され、単分散性が良好な単分散粒子が得られる。例えば、小粒子の数を、全粒子数の20%程度以下に抑制できる。より具体的には、モード径をXμmとすると、個数%分布における25%径がX−0.7μm〜X+0.1μmの範囲、75%径がX−0.5μm〜X+0.2μmの範囲の単分散粒子を得ることが可能となる。
本発明により得られた単分散粒子は、光拡散剤として使用できる。また、光拡散剤以外に、LCDスペーサー・銀塩フィルム用表面改質剤・磁気テープ用フィルム用改質剤・感熱紙走行安定剤等の電子工業分野、レオロジーコントロール剤・艶消し剤等の塗料・インク・接着剤等の化学分野、抗原抗体反応検査用粒子等の医療分野、滑り剤、体質顔料等の化粧品分野、不飽和等ポリエステル等の樹脂の低収縮化剤、紙、歯科材料、アンチブロッキング剤、マット化剤、樹脂改質剤等の一般工業分野等へ使用可能である。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、1時間半減期温度、重量平均分子量及び平均粒子径の測定法を下記する。
(1時間半減期温度の測定)
半減期温度測定対象の有機過酸化物を濃度が0.1モル/リットルとなるようにトルエンに溶解する。得られた溶液を容器に密封し、溶液を所定の温度に保持して有機過酸化物を熱分解する。この際の時間と有機過酸化物の濃度変化との関係を測定することにより1時間半減期温度を求める。
具体的には、まず、所定の一定温度において、
式:log(a/x)=(k/2.303)t
(式中、x:有機過酸化物の時間tにおける濃度(モル/リットル)、a:有機過酸化物の初期濃度(同)、k:温度により定まる分解速度定数、t:時間に基づいて、k値を求めて、これを式:t1/2(半減期)=(ln2)/k
に代入して、半減期を求める。得られた半減期が1時間となる温度を算出することで、1時間半減期温度が求められる
(重量平均分子量の測定)
種粒子及び有機過酸化物含有種粒子の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定する。その測定方法は次の通りである。なお、重量平均分子量(Mw)はポリスチレン(PS)換算重量平均分子量を意味する。
試料(種粒子又は有機過酸化物含有種粒子)50mgをテトラヒドロフラン(THF)10ミリリットルに溶解させる。得られた溶液を0.45μmの非水系クロマトディスクを用いて濾過する。得られた濾液からGPCにより重量平均分子量を測定する。GPCの測定条件は下記の通りとする。
GPC:東ソー社製、商品名「ゲルパーミエーションクロマトグラフ HLC−8020」
カラム:東ソー社製、商品名「TSKgel GMH−XL−L」φ7.8mm×30cm×2本
カラム温度:40℃
キャリアーガス:テトラヒドロフラン(THF)
キャリアーガス流量:1ミリリットル/分
注入・ポンプ温度:35℃
検出:RI
注入量:100マイクロリットル
PS換算重量平均分子量を算出するための検量線用標準ポリスチレン:
・昭和電工社製、商品名「shodex」重量平均分子量:1030000及び
・東ソー社製、重量平均分子量:5480000、3840000、355000、102000、37900、9100、2630、870
(モード径、変動係数、25%径及び75%径の測定)
種粒子、有機過酸化物含有種粒子及び単分散粒子のモード径は、Coulter Electronics Limited発行のReference MANUAL FOR THE COULTER MULTISIZER(1987)に従って、50μmアパチャーを用いてキャリブレーションを行い測定する。
具体的には、粒子0.1gを0.1%ノニオン系界面活性剤10ml中にタッチミキサー及び超音波を用いて予備分散させ、これを本体備え付けのISOTON II(ベックマンコールター社:測定用電解液)を満たしたビーカー中に、緩く撹拌しながらスポイドで滴下して、本体画面の濃度計の示度を10%前後に合わせる。次にコールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製:測定装置)本体にアパチャーサイズ50μm、Currentを800、Gainを4、Polarityを+と入力してmanualで測定を行う。測定中はビーカー内を気泡が入らない程度に緩く撹拌しておき、粒子を10万個測定した時点で測定を終了する。
変動係数(Cv値)とは、標準偏差(σ)及び上記モード径(x)から以下の式により算出された値である。
Cv値(%)=(σ/x)×100
モード径は、個数%分布に基づき粒子径をカウントした際に、出現比率が最も大きい粒子径(分布の極大値)である。
また、25%径及び75%径は、個数%分布に基づき、粒子径を小さい方からカウントした際に、それぞれ25%及び75%の粒子径に相当する値である。なお、個数%分布は、測定した各粒子径の個数に由来する分布である。
実施例1
[種粒子の製造]
はじめに、イオン交換水3000gに、分子量調整剤として1−オクタンチオール10gを溶解したメチルメタクリレート(MMA)500gを加えた。得られた溶液を攪拌しながら窒素気流中で55℃に昇温し、次いで、重合開始剤として過硫酸カリウム2.6gを溶解したイオン交換水100gを溶液に投入した。得られた溶液を55℃で12時間攪拌することで、MMAを重合させることでモード径が0.5μm、変動係数が14.1%、重量平均分子量1.3万の単分散性ポリMMA種粒子の分散液(固形分14.3重量%)を得た。
[有機過酸化物含有種粒子の製造]
はじめに、MMA(ビニル系単量体A)500gに、2,2−アゾビスイソブチロニトリル(重合開始剤A:1時間半減期温度T=82℃)5g、1−オクタンチオール5g、有機過酸化物としてジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート(1時間半減期温度T=103℃、分子量316)5gを溶解した。得られた単量体混合物と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(界面活性剤)5gが含まれたイオン交換水1000gとを混合した。次いで、得られた混合液をT.KホモミキサーMark2.5型(特殊機化工業社製)に入れて10000rpmで5分間処理することで、乳化液を得た。
この乳化液に上記単分散性ポリMMA種粒子の分散液190gを加え、室温(25℃)で4時間攪拌した。攪拌後の分散液を光学顕微鏡で観察したところ、乳化液中の単量体は完全に種粒子に吸収されていることを認めた。攪拌後の分散液にポリビニルアルコール(日本合成化学社製GH−17:分散安定剤)の3.6%水溶液2000gを加えた。得られた分散液中の単量体を55℃で4時間、次いで80℃で2時間重合させることで、モード径が1.97μm、変動係数が7.83%、重量平均分子量2.29万の単分散性ポリMMA粒子(有機過酸化物含有種粒子)の分散液(固形分14.3重量%)を得た。
[単分散粒子の製造]
はじめに、スチレン700gとエチレングリコールジメタクリレート300gとからなるビニル系単量体Bを用い、2,2−アゾビス−(2−メチルプロピオネート)(1時間半減期温度T=82℃:重合開始剤B)8gを溶解して得られた単量体混合物と、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム(界面活性剤)5gが含まれたイオン交換水1000gとを混合した。得られた混合液を、T.KホモミキサーMark2.5型(特殊機化工業社製)に入れて9000rpmで10分間処理して乳化液を得た。
この乳化液に上記有機過酸化物含有種粒子の分散液160gを加え、30℃で4時間攪拌した。攪拌後の分散液を光学顕微鏡で観察したところ、乳化液中の単量体は完全に有機過酸化物含有種粒子に吸収されていることを認めた。この分散液にポリビニルアルコールGH−17の2%水溶液2000g、亜硝酸ナトリウム0.6gを加えた。その後、分散液中の単量体を70℃で3時間重合させた。次いで、105℃で2.5時間攪拌し、有機過酸化物を分解させることで、単分散粒子を得た。単分散粒子の電子顕微鏡写真(日本電子社製JSM−6360LV)を図2(倍率500倍)に示す。
得られた単分散粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定したところ、モード径が7.6μm、粒子径7.3μm以下が1.3%、7.3〜8.1μmが95.9%、8.1μm以上が2.8%であった。また、個数%分布において、25%径が7.2μm、75%径が7.6μmであった。この結果から、得られた単分散粒子は、粒子径が非常によく揃った粒子であることが認められた。
実施例2
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[有機過酸化物含有種粒子の製造]
有機過酸化物として、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレートに変えてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト(1時間半減期温度T=92℃、分子量216)を5g使用し、分散液中の単量体を55℃で6時間重合させて有機過酸化物含有種粒子を製造したこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行い、モード径が2.16μm、変動係数が9.80%、重量平均分子量2.21万の単分散性ポリMMA粒子(有機過酸化物含有種粒子)の分散液(固形分14.3重量%)を得た。
[単分散粒子の製造]
有機過酸化物含有種粒子の分散液の添加量を160gに変えて211gとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行うことで単分散粒子を得た。
得られた単分散粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定したところ、モード径が7.3μm、粒子径7.3μm以下が1.5%、7.3〜8.1μmが94.1%、8.1μm以上が4.4%であった。また、個数%分布において、25%径が6.8μm、75%径が7.2μmであった。この結果から、得られた単分散粒子は、粒子径が非常によく揃った粒子であることが認められた。
実施例3
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[有機過酸化物含有種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で有機過酸化物含有種粒子を得た。
[単分散粒子の製造]
70℃で3時間重合を行った後に、105℃で2.5時間攪拌する工程を行わないこと以外は、実施例1と同様の条件で単分散粒子を得た。
得られた単分散粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定したところ、モード径が7.7μm、粒子径7.3μm以下が1.9%、7.3〜8.1μmが96.2%、8.1μm以上が1.9%であった。また、個数%分布において、25%径が7.1μm、75%径が7.6μmであった。この結果から、得られた単分散粒子は、粒子径が非常によく揃った粒子であることが認められた。
実施例4
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[有機過酸化物含有種粒子の製造]
1−オクタンチオールの使用量を5gに変えて10gとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行い、モード径が1.84μm、変動係数が9.26%、重量平均分子量1.22万の単分散性ポリMMA粒子(有機過酸化物含有種粒子)の分散液(固形分14.3重量%)を得た。
[単分散粒子の製造]
分散液の添加量を245gとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行うことで単分散粒子を得た。
得られた単分散粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定したところ、モード径が6.9μm、粒子径5.3μm以下が1.0%、5.3〜6.5μmが94.6%、6.5μm以上が5.3%であった。また、個数%分布において、25%径が6.4μm、75%径が6.9μmであった。この結果から、得られた単分散粒子は、粒子径が非常によく揃った粒子であることが認められた。
実施例5
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[有機過酸化物含有種粒子の製造]
1−オクタンチオールの使用量を15gとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行い、モード径が1.86μm、変動係数が7.7%、重量平均分子量1.01万の単分散性ポリMMA粒子(有機過酸化物含有種粒子)の分散液(固形分14.3重量%)を得た。
[単分散粒子の製造]
スチレンの使用量を800g、エチレングリコールジメタクリレートの使用量を200g、分散液の添加量を245gとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行うことで単分散粒子を得た。
得られた単分散粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定したところ、モード径が5.7μm、粒子径5.3μm以下が1.0%、5.3〜6.5μmが93.7%、6.5μm以上が5.3%であった。また、個数%分布において、25%径が5.7μm、75%径が6.1μmであった。この結果から、得られた単分散粒子は、粒子径が非常によく揃った粒子であることが認められた。
実施例6
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[有機過酸化物含有種粒子の製造]
実施例4と同様の条件で有機過酸化物含有種粒子を得た。
[単分散粒子の製造]
スチレンの使用量を900g、エチレングリコールジメタクリレートの使用量を100g、分散液の添加量を217gとしたこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行うことで単分散粒子を得た。
得られた単分散粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定したところ、モード径が5.3μm、粒子径4.7μm以下が1.2%、4.7〜5.8μmが95.1%、5.8μm以上が3.7%であった。また、個数%分布において、25%径が4.9μm、75%径が5.3μmであった。この結果から、得られた単分散粒子は、粒子径が非常によく揃った粒子であることが認められた。
比較例1
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[疎水性化合物非含有種粒子の製造]
ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレートを使用しないこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行い、モード径が2.19μm、変動係数が8.44%、重量平均分子量2.06万の単分散性ポリMMA粒子(疎水性化合物非含有種粒子)の分散液(固形分14.3重量%)を得た。
[重合体粒子の製造]
実施例1と同様の条件で重合反応を行うことで重合体粒子を得た。重合体粒子の電子顕微鏡写真を図3(倍率500倍)に示す。
得られた重合体粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定したところ、モード径が8.3μm、粒子径8.1μm以下が1.5%、8.1〜9.1μmが95.0%、9.1μm以上が3.5%であった。また、個数%分布において25%径が1.2μm、75%径が8.1μmであった。この結果から、得られた重合体粒子は、実施例1の粒子に比べ小粒子径の粒子が増加し、単分散性が低下していることが認められた。
比較例2
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[有機過酸化物含有種粒子の製造]
重合条件を55℃で4時間、次いで90℃で2時間としたこと以外は、実施例2と同様の条件で重合反応を行い、モード径が1.89μm、変動係数が8.70%、重量平均分子量0.74万の単分散性ポリMMA粒子(有機過酸化物含有種粒子)の分散液(固形分14.3重量%)を得た。
[重合体粒子の製造]
実施例3と同様の条件で重合反応を行うことで重合体粒子を得た。重合体粒子の電子顕微鏡写真を図4(倍率1000倍)に示す。
得られた重合体粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定したところ、モード径が5.8μm、粒子径5.2μm以下が1.6%、5.2〜6.5μmが95.2%、6.5μm以上が3.2%であった。また、個数%分布において、25%径が1.5μm、75%径が5.7μmであった。この結果から、得られた重合体粒子は、実施例1の粒子に比べ小粒子径の粒子が増加し、単分散性が低下していることが認められた。
比較例3
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[有機過酸化物含有種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で有機過酸化物含有種粒子を得た。
[重合体粒子の製造]
重合反応時の温度を70℃に変えて90℃としたこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行ったが、粒子が凝集し単分散性の重合体粒子を得ることができなかった。
比較例4
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[有機過酸化物非含有種粒子の製造]
有機過酸化物を添加しないこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行い,モード径が2.34μm、変動係数が8.44%、重量平均分子量2.06万の単分散性ポリMMA粒子(有機過酸化物非含有種粒子)の分散液(固形分14.3重量%)を得た。
[重合体粒子の製造]
有機過酸化物非含有種粒子の分散液160gと実施例1で使用した原料に加え、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエイト(1時間半減期温度T=92℃,分子量216)を5g使用したこと以外は、実施例1と同様の条件で重合反応を行うことで重合体粒子を得た。
得られた重合体粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定したところ、モード径が8.9μm、粒子径8.1μm以下が1.8%、8.1〜10.1μmが93.0%、10.1μm以上が5.2%であった。また、個数%分布において25%径が1.5μm、75%径が8.8μmであった。この結果から、得られた重合体粒子は、実施例1の粒子に比べ小粒子径の粒子が増加し、単分散性が低下していることが認められた。
比較例5
[種粒子の製造]
実施例1と同様の条件で種粒子を得た。
[有機過酸化物含有種粒子の製造]
MMA500gに変えてアセトンを500g使用したこと以外は、実施例1と同様の条件で有機過酸化物含有種粒子を得た。
[重合体粒子の製造]
実施例1と同様の条件で重合反応を行った。
得られた重合体粒子の粒度分布をコールター社製のコールターカウンターで測定したところ、モード径が4.8μm、粒子径5.2μm以下が15.7%、5.2〜6.5μmが53.2%、6.5μm以上が30.5%であった。また、個数%分布において、25%径が1.8μm、75%径が5.0μmあった。この結果から、得られた重合体粒子は、実施例1の粒子に比べ小粒子径の粒子が増加し、単分散性が大幅に低下していることが認められた。
本発明の単分散粒子の概略説明図である。 実施例1の単分散粒子の電子顕微鏡写真である。 比較例1の重合体粒子の電子顕微鏡写真である。 比較例2の重合体粒子の電子顕微鏡写真である。 従来の重合体粒子の概略説明図である。 従来の重合体粒子の概略説明図である。 従来の重合体粒子の概略説明図である。

Claims (5)

  1. シード重合法による単分散粒子の製造方法であって、
    種粒子に、ビニル系単量体Aと、1時間半減期温度Tが90〜110℃の有機過酸化物と、重合開始剤Aとを吸収させ、(T−20)℃以下の温度で重合させることにより、有機過酸化物含有種粒子を得る第1の工程と、
    前記有機過酸化物含有種粒子に、ビニル系単量体Bと重合開始剤Bとを吸収させ、(T−20)℃以下の温度で重合させることにより、単分散粒子を得る第2の工程と
    を含むことを特徴とする単分散粒子の製造方法。
  2. 前記ビニル系単量体Bの重合後に、重合系をT℃以上に加熱して前記有機過酸化物を分解する第3の工程を更に含む請求項1に記載の単分散粒子の製造方法。
  3. 前記有機過酸化物が、40℃以下の温度で種粒子に吸収される請求項1又は2に記載の単分散粒子の製造方法。
  4. 前記有機過酸化物が、200〜350の分子量を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の単分散粒子の製造方法。
  5. 得られた単分散粒子は、モード径(粒子個数の出現比率が最も大きい粒子径)をXμmとすると、個数%分布における25%径がX−0.7μm〜X+0.1μmの範囲、75%径がX−0.5μm〜X+0.2μmの範囲である粒子径を有する請求項1〜4のいずれか1つに記載の単分散粒子の製造方法。
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