JP2009028900A - 電波透過材料およびそれを用いたレドーム - Google Patents
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Abstract
【課題】耐環境性を維持しながら、透過損失が小さく、電波透過性能が高い電波透過材料およびそれを用いたレドームを提供する。
【解決手段】電波透過性のコア材料を繊維強化プラスチックのインナスキンとアウタスキンで挟んでサンドイッチ構造を作り、アウタスキンの外表面に電波透過性で耐環境性の被覆を設けた電波透過材料は、アウタスキンの厚さが、被覆の比誘電率、誘電正接と厚さで決まる電波透過性能への影響の分だけ、インナスキンの厚さよりも薄くされている。
【効果】透過損失を小さくし、電波透過性能を向上できる。
【選択図】図2
【解決手段】電波透過性のコア材料を繊維強化プラスチックのインナスキンとアウタスキンで挟んでサンドイッチ構造を作り、アウタスキンの外表面に電波透過性で耐環境性の被覆を設けた電波透過材料は、アウタスキンの厚さが、被覆の比誘電率、誘電正接と厚さで決まる電波透過性能への影響の分だけ、インナスキンの厚さよりも薄くされている。
【効果】透過損失を小さくし、電波透過性能を向上できる。
【選択図】図2
Description
この発明は電波透過材料およびそれを用いたレドームに関するものである。
従来提案されていたレドームは、例えば特許文献1記載のように、レーダーアンテナ等を自然環境(風雨、直射日光、積雪等)から保護するためにアンテナを囲んで設けられており、アンテナが送受信する電波を透過させなければならないため、低誘電特性のサンドイッチ構造の電波透過材料で製作されている。
サンドイッチ構造の電波透過材料は、積層されたアウタスキン、コアおよびインナスキンで構成され、アウタスキンとインナスキンの材質、構成は同じである。アウタスキンの外面側には耐環境性向上のために塗装による被覆が設けられている。
アウタスキンおよびインナスキンの材質はガラス繊維強化エポキシ樹脂あるいは繊維強化ポリイミド樹脂であり、コアの材質はポリイミド樹脂に無機物のマイクロバルーンを混合したものであり、被覆はウレタン系あるいいはフッ素系コーティングである。
アウタスキンとコアとの間、コアとインナスキンとの間はそれぞれ接着剤で接着されているかアウタスキンおよびインナスキン自体の樹脂により接着されている。
このようにアウタスキンとインナスキンの材質および構成を同じにしたサンドイッチ構造で、アウタスキンの外面だけに塗装を施した電波透過材料では、アウタスキンと被覆とを合わせた材料の誘電特性はインナスキンの誘電特性と異なっており、アウタスキンとインナスキンの誘電特性が同等な(塗装しない)サンドイッチ構造に比べて電波透過性能が劣っている。一方、レドームの耐環境性を得るためには電波透過性に不利であっても被覆を無くすことはできない。
従ってこの発明の目的は、耐環境性を維持しながら、透過損失が小さく、電波透過性能が高い電波透過材料およびそれを用いたレドームを提供することである。
この発明によれば、電波透過性のコア材料と、このコア材料の第一面に設けられた繊維強化プラスチックのインナスキンと、上記コア材料の第二面に設けられた繊維強化プラスチックのアウタスキンと、上記アウタスキンの外表面を被覆する電波透過性で耐環境性の被覆とを備えた電波透過材料において、上記アウタスキンの厚さが、上記被覆の比誘電率、誘電正接と厚さで決まる上記電波透過材料の電波透過性能への影響の分だけ、上記インナスキンの厚さよりも薄くされていることを特徴とする電波透過材料が得られる。
またこのような電波透過材料を用いたレドームが得られる。
この発明によれば、耐環境性に優れ、透過損失が小さく、電波透過性能が高い電波透過材料およびそれを用いたレドームを得ることができる。
実施の形態1.
図1および図2にこの発明の実施の形態1の電波透過材料とそれを用いたレドームを示す。図1において、レドーム1は基台に取り付けられて基台上に支持されたアンテナ2の周囲を囲んで耐環境性をもって保護している。レドーム1は、内部のアンテナ2の運動を妨げないようにアンテナ2から離れて設けられており、またアンテナ3によって送受される電波が透過できるように電波透過材料で製作されている。電波透過材料は図1のレドーム1の円Aで囲んだ部分の拡大図に示すように積層サンドイッチ構造のものである。
図1および図2にこの発明の実施の形態1の電波透過材料とそれを用いたレドームを示す。図1において、レドーム1は基台に取り付けられて基台上に支持されたアンテナ2の周囲を囲んで耐環境性をもって保護している。レドーム1は、内部のアンテナ2の運動を妨げないようにアンテナ2から離れて設けられており、またアンテナ3によって送受される電波が透過できるように電波透過材料で製作されている。電波透過材料は図1のレドーム1の円Aで囲んだ部分の拡大図に示すように積層サンドイッチ構造のものである。
図2には図1のレドーム1を構成する電波透過材料の積層構造を拡大断面図で示す。レドーム1の電波透過材料は、電波透過性のコア材料4と、このコア材料4の第一面(即ちレドーム1の外表面側)に設けられた繊維強化プラスチックのアウタスキン3と、コア材料4の第二面(即ちレドーム1の内表面側)に設けられた繊維強化プラスチックのインナスキン5とを備えている。アウタスキン3の外表面(即ちレドーム1の外表面側)には電波透過性で耐環境性の被覆6が設けられている。
コア材料4の材質は、例えば低誘電特性のガラス繊維強化プラスチック、アラミド繊維強化プラスチックあるいは発泡ウレタンである。
アウタスキン3およびインナスキン5の材質は、例えばガラス繊維強化プラスチックあるいはアラミド繊維強化プラスチックである。
被覆6の材質は、例えばエポキシ樹脂−ウレタン系材料あるいはフッ素系エラストマーである。
図3に示す表1には、電波透過材料を構成する被覆6、アウタスキン3、コア材料4およびインナスキン5の各層の比誘電率および誘電正接の一例を示す。また図4の表2には、表1の各層の厚さとサンドイッチ構造の電波透過性能(透過損失)の関係の一例を示す。
図3および図4に示す例においては、被覆6の材質はエポキシ樹脂−ウレタン系材料であり、アウタスキン3およびインナスキン5の材質はガラス繊維強化プラスチックであり、コア材料4の材質はガラス繊維強化プラスチックである。
図4の表2の各試料においてコア材料4の厚さが異なる理由は、コア材料4の厚さを変化させた複数の試料を用いて透過損失を計算し、透過損失が最適となるコア材料4の厚さを採用したためである。
試料1は比較例1であり、従来のサンドイッチ構造であって、アウタスキン3とインナスキン5の厚さが同じ1.0mmであり、アウタスキン3の外面側に塗装された厚さ0.1mmの被覆6が設けられていて、透過損失は−0.19dBであった。試料2の比較例2では、アウタスキン3とインナスキン5の厚さが同じ1.0mmであり、アウタスキン3に被覆6が設けられておらず、透過損失は−0.17dBであった。
試料3の本発明1の試料では、アウタスキン3の厚さが0.9mm、コア材料4の厚さが4.8mm、インナスキン5の厚さが1.0mmであり、透過損失が−0.17dBで、比較例1に比べて透過損失が小さく、被覆6が無い比較例2と同程度の透過損失を得ることができた。
試料4の本発明2の試料では、アウタスキン3の厚さが0.8mm、コア材料4の厚さが5.0mm、インナスキン5の厚さが1.0mmであり、透過損失が−0.17dBで、比較例1に比べて透過損失が小さく、被覆6が無い比較例2と同程度の透過損失を得ることができた。
試料5の比較例3の試料では、アウタスキン3の厚さが0.7mm、コア材料4の厚さが5.1mm、インナスキン5の厚さが1.0mmであり、透過損失が−0.18で、透過損失は比較例1に比べて小さいが、被覆6が無い比較例2と比べると大きくなっていた。
このような結果、特に試料3〜5の測定結果から、アウタスキン3の厚さt1は薄ければ良いというわけではなく、最適な厚さがあると言える。よって、塗装の比誘電率、誘電正接と厚さで決まる電波透過性能への影響の分だけアウタスキンをインナスキンよりも薄くする事により、透過損失を従来よりも小さくする事が可能となり、電波透過性能を向上させる事が可能となる。
このように、この発明の電波透過材料のアウタスキン3の厚さt1は、インナスキン5の厚さt2よりも薄くされていて、この薄くされた分、即ち厚さの差t2−t1は、被覆6の比誘電率、誘電正接と厚さt3で決まる電波透過材料の電波透過性能への影響に対応する分だけの寸法である。
また、図3の表1および図4の表2のケースでは、被覆6の厚さt3がインナスキン5の厚さt2の10%の時には、アウタスキン3の厚さt1がインナスキン5の厚さt2の80%〜90%であると好ましい結果が得られる。被覆6の厚さt3は通常インナスキン5の厚さt2の5〜40%であるので、アウタスキン3の厚さt1はインナスキン5の厚さt2の60〜95%であると好ましい結果が得られる。
1 レドーム、2 アンテナ、3 アウタスキン、4 コア材料、5 インナスキン、6 被覆。
Claims (6)
- 電波透過性のコア材料と、
このコア材料の第一面に設けられた繊維強化プラスチックのインナスキンと、
上記コア材料の第二面に設けられた繊維強化プラスチックのアウタスキンと、
上記アウタスキンの外表面を被覆する電波透過性で耐環境性の被覆とを備えた電波透過材料において、
上記アウタスキンの厚さが、上記被覆の比誘電率、誘電正接と厚さで決まる上記電波透過材料の電波透過性能への影響の分だけ、上記インナスキンの厚さよりも薄くされていることを特徴とする電波透過材料。 - 上記被覆の厚さが上記インナスキンの厚さの5〜40%であり、上記アウタスキンの厚さが上記インナスキンの厚さの60〜95%であることを特徴とする請求項1に記載の電波透過材料。
- 上記コア材料が、低誘電特性のガラス繊維強化プラスチック、アラミド繊維強化プラスチックあるいは発泡ウレタンであることを特徴とする請求項1に記載の電波透過材料。
- 上記インナスキンおよび上記アウタスキンが、ガラス繊維強化プラスチックあるいはアラミド繊維強化プラスチックであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載の電波透過材料。
- 上記被覆が、エポキシ樹脂−ウレタン系材料あるいはフッ素系エラストマーであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の電波透過材料。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の電波透過材料を用いたレドーム。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007191938A JP2009028900A (ja) | 2007-07-24 | 2007-07-24 | 電波透過材料およびそれを用いたレドーム |
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2007
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