JP5320278B2 - 飛行体用レドーム - Google Patents

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本発明は、航空機等の飛行体に搭載される電波機器を外部環境から保護する飛行体用レドームに関する。
航空機等の飛行体には、各種のアンテナまたはレーダー等の電波機器が搭載されているが、これら電波機器は、レドームによって覆われることで外部環境から保護されている。このレドームには、電波機器を保護できる耐久性が要求されるだけでなく、電波機器が送受信する電波を十分に透過することができる電波透過特性も要求される。
飛行体用レドームの具体的な構成は特に限定されないが、近年、航空機においては、燃費を向上する等の観点から機体のさらなる軽量化が求められ、それゆえ、飛行体用レドームにおいても、繊維強化プラスチック(FRP)を利用した、より軽い構成のものが採用されている。
このようなレドームは、一般に、電波透過特性の良好なFRP材が単体で用いられたり、FRP材にコア材(ハニカムコア、発泡コア等)を組み合わせたサンドイッチ構造が用いられたりすることで構成されている。例えば、非特許文献1の第111〜123ページには、代表的なサンドイッチ構造が開示され、また、特許文献1には、「コアがポリエーテルイミド発泡材より成り、コアの両面を挟んでいる面板がシアネート樹脂のFRPより成る」、単層または複数層の曲面サンドイッチ構造体として構成されている飛行体用レドームが開示されている。
さらに、特許文献2には、サンドイッチ構造板を用いるレドームの製造方法における種々の課題に対応することが可能な、航空機や車両等で使用されるレドームが開示されている。このレドームは、「オレフィン織布及びガラスクロスにマトリックス樹脂を含浸して一体化され、且つ前記ガラスクロスが、前記オレフィン織布よりもレドーム内部側に配置されている」構成となっている。そして特許文献2によれば、上記構成から「電波の透過性及び構造強度に優れ、且つ簡易に製造し得ると共に加工性が良好なレドーム及びその製造方法を提供することができる」とされている。
ところで、レドームの構造は、電波機器が送受信する電波を透過させるための電波透過部と、レドームを航空機に機械的に取り付けるための取付部に区分することができる。電波透過部は、レドームの大部分を占める部位(すなわちレドーム本体)であって、例えば、断面が放物線状となっているキャップ状のドームとして構成され、電波透過特性の良好な材料から構成されている。
これに対して、取付部は、例えば、非特許文献1の第265〜269ページにおいて“edge closeout area”として開示されているように、キャップ状のレドームにおける縁部とその近傍に相当し、当該非特許文献1では、電波透過部よりも厚みが薄くなっている構成例が開示されている。この取付部は、航空機本体にボルト−ナットまたはリベット等によりレドームを取り付けるための部位であり、航空機の飛行中では、空力的な荷重または異物の衝突荷重が集中する箇所でもある。それゆえ、この取付部では、電波透過特性よりも荷重に対する強度特性が要求され、その材料も強度特性に優れたものが選択されることになる。なお、非特許文献1に開示されているように、取付部(edge closeout area)は、一般的には、面板(非特許文献1では“face-sheets”)と同一種類の材料で構成されている。
特開2002−299938号公報 特開2009−141736号公報
Michael C.Y.Niu著、"COMPOSITE AIRFRAME STRUCTURES",HONG KONG CONMILIT PRESS LTD,Second Edition: Sept.1993
しかしながら、前記従来の技術では、レドームの強度を向上させようとすると、レドームの軽量化、製造過程の簡素化および低コスト化に影響が生じる場合がある。
つまり、従来の一般的なレドームにおいては、電波透過部および取付部のいずれも、良好な電波透過特性を有するFRPで構成され、通常は非特許文献1に開示されているように、面板と同一種類の材料で構成されている。そのため、取付部に要求される強度特性を満たすためには、当該取付部の厚みを大きくする必要がある。ところが、厚みの増大はレドームの重量を増加させるとともに、レドームの製造コストの増加も招くことになる。
さらに、FRPを成形するときには、当該FRPの前駆体であるFRPプリプレグに含まれる熱硬化性樹脂組成物を硬化させることになるが、厚みの大きいFRPでは、この硬化反応による発熱が、当該FRPの内部に滞留しやすくなる。この場合、状況によっては、FRPそのものが自己の内部発熱で変質する等の問題が生じるおそれがある。したがって、厚みの大きいFRPの成形に際しては、内部発熱を十分に考慮して複雑な成形条件を検討しなければならず、これが製造過程の煩雑化を招き、またFRPプリプレグの積層枚数の増加に伴い積層時間も増大し、製造コストを増大させることにもつながる。
ここで、特許文献1は、レドームの強度特性を優れたものにできることを開示しているが、この強度特性は、材料の選択による物性上の特性であって、飛行中の航空機に取り付けられているレドームそのものの強度特性に関しては何ら開示していない。一方、特許文献2は、レドーム内部側にガラスクロスを配置することで、レドームの構造強度を向上させることを開示しているが、レドームの軽量化については何ら開示していない。
本発明はこのような課題を解決するためになされたものであって、製造過程の煩雑化または製造コストの増大等を招くことなく軽量化を図ることができる、飛行体用レドームを提供することを目的とする。
本発明に係る飛行体用レドームは、上記の課題を解決するために、飛行体に搭載されている電波機器を覆う形状を有する本体部と、当該本体部を前記飛行体に取り付ける取付部と、を備え、前記本体部および前記取付部は、当該芯材の表面を一連の面板で被覆したサンドイッチ構造体であり、前記取付部の前記芯材は、繊維で補強された熱硬化性樹脂組成物からなる補強樹脂層が、単一種類または複数種類、積層されて一体化されてなる複合構造体であり、当該複合構造体を構成する前記補強樹脂層には、前記面板とは異なる種類の樹脂層が含まれている構成である。
前記構成によれば、取付部の芯材が面板とは異なる種類の樹脂層を含む複合構造体であるため、例えば一連の面板と同じ材料からなる芯材を用いて取付部を成形する場合と比較して、取付部の強度を低下させることなく、その厚みを小さくすることができる。それゆえ、飛行体用レドームの軽量化を図ることができるとともに、製造コストの増加も回避でき、さらに、厚みを小さくできることから成形条件の複雑化も抑制することができる。
前記飛行体用レドームにおいては、前記複合構造体における前記補強樹脂層の積層構造は、隣接する補強樹脂層の種類が互いに異なっている交互構造、前記複合構造体の断面の幾何学的中心線から見て線対称となるように同種の前記補強樹脂層が位置する線対称構造、前記断面の応力分布の中立軸から見て線対称となるように同種の前記補強樹脂層が位置する応力分布基準構造、および、前記断面の応力分布の中立面から見て対象となるように同種の前記補強樹脂層が位置する応力分布基準面対称となる面対称構造、の少なくともいずれかであることが好ましい。
前記構成によれば、補強樹脂層の積層構造として前記各構造を採用することで、複合構造に外力が加えられた場合でも、その変形にばらつきが少なくなり、変形の偏りに起因する寿命の低下を抑制することができる。さらに、補強樹脂層の前駆体(例えばプリプレグ)の硬化中には内部残存応力の偏りが生じる場合があり、それゆえ硬化後に変形が生じる可能性があるが、前記構成であれば、このような硬化後の変形についても抑制することができる。
前記飛行体用レドームにおいては、前記複合構造体は、硬化前の熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸させてなるプリプレグを用いて成形されたものであることが好ましい。この構成によれば、プリプレグとして異なる構成のものを選択して積層し硬化することで、前記複合構造体を容易に成形することができる。
前記飛行体用レドームにおいては、前記補強樹脂層に用いられる繊維基材には、炭素繊維が含まれていることが好ましい。この構成によれば、炭素繊維は、各種の繊維材料のなかでもFRPの強度特性を特に向上させるものであるため、取付部の強度特性をより優れたものとすることができる。
前記飛行体用レドームにおいては、前記本体部の芯材および前記面板は、プリプレグを用いて成形されたものであることが好ましい。この構成によれば、面板および芯材のいずれもプリプレグから成形されるので、従来の製造過程をほぼそのまま援用できるとともに、プリプレグの積層順、プリプレグを配置する位置、プリプレグの積層枚数等を適宜変更するだけで、取付部の具体的構成を変更することが可能となり、製造の自由度を高めることができる。
なお、本発明には、前記飛行体用レドームの製造方法も含まれる。すなわち、本発明に係る飛行体用レドームの製造方法は、飛行体に搭載されている電波機器を覆う本体部と、当該本体部を前記飛行体に取り付ける取付部と、を備える飛行体用レドームの製造方法であって、前記本体部および前記取付部のそれぞれとして異なる芯材を用い、各芯材の表面を一連の面板で被覆してサンドイッチ構造体を成形するときに、前記取付部の前記芯材を、繊維で補強された熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を単一種類または複数種類、積層することにより成形し、積層に用いられる前記樹脂層には、前記面板とは異なる種類の樹脂層が含まれている構成である。
以上のように、本発明では、飛行体用レドームの製造過程の煩雑化または製造コストの増大等を回避して軽量化を図ることができるという効果を奏する。
本発明の実施の形態に係る飛行体用レドームの模式的な構成例を示す断面図である。 図1に示す飛行体用レドームを、一般的な航空機に取り付けるときの代表的な取付位置を示す模式図である。 (a)は、図1に示す飛行体用レドームにおける取付部近傍の構成例を拡大して模式的に示す部分断面図であり、(b)は、比較構成の飛行体用レドームにおける取付部近傍の構成例を拡大して模式的に示す部分断面図である。 (a)〜(c)は、図3(a)に示す取付部の取付芯材として採用可能な複合構造体について、その代表的な構造の例を模式的に示す断面図である。 図1に示す飛行体用レドームにおける本体部および取付部の位置関係を示す模式図である。 本発明の一実施例に係る飛行体用レドームおよび比較構成のレドームにおける取付部の常温常湿状態での強度特性および高温高湿状態での強度特性を示すグラフである。
以下、本発明の好ましい実施の形態を、図面を参照しながら説明する。なお、以下では全ての図を通じて同一又は相当する要素には同一の参照符号を付して、その重複する説明を省略する。
[飛行体用レドームの全体構成]
まず、本実施の形態に係る飛行体用レドームの全体構成について、図1および図2を参照して説明する。
本実施の形態に係る飛行体用レドーム10は、図1に示すように、本体部11aと取付部11bとを備え、固定部材20によって取付部11bを航空機本体51に固定することで、航空機に取り付けられている。つまり、本実施の形態に係る飛行体用レドーム10は、航空機用レドームである。なお、本発明に係る飛行体用レドーム10は航空機用に限定されるものではなく、例えば宇宙ロケット、宇宙往還機、ミサイル等、他の飛行体にも用いることができることは言うまでもない。
本体部11aは、図1には図示されない電波機器を覆うことができる形状を有し、図1に示す例では、その断面が放物線状となっている円蓋(ドーム)形状となっている。本体部11aは、その断面を部分的に見れば、一対の面板12により本体芯材13が挟持されている構成となっているが、全体を見れば、ドーム形状を有する本体芯材13の外側の表面および内側の表面のいずれもが面板12により被覆されることにより、本体部11aが構成されている。
取付部11bは、図1に部分的に示されている航空機本体51に飛行体用レドーム10を固定するために設けられ、本実施の形態では、本体部11aの頂部(放物線状の断面における極値部分に相当)に対向する開口部となっている。取付部11bも、本体部11aと同様に、面板12により取付芯材14が挟持されている構成を有している。
図1に示すように、本体部11aおよび取付部11bは一つの成形品(飛行体用レドーム10)として成形されており、本体芯材13および取付芯材14の表面は、いずれも同一の面板12により覆われている。つまり、本体部11aおよび取付部11bはいずれも、芯材13または14の表面を一連の面板12で被覆したサンドイッチ構造体となっている。
本体部11aを構成する本体芯材13の具体的な構成は特に限定されず、レドームの分野で公知の芯材を用いることができる。この芯材は電波透過特性に優れたものとなっている必要がある。つまり、本体部11aは、飛行体用レドーム10の大部分を占めるので、飛行体用レドーム10により覆われて保護される各種の電波機器で送受信される電波を透過できるように構成されていればよい。
本体芯材13としては、広くレドームの分野で知られている構成の芯材を好適に用いることができる。具体的には、例えば、後述するように面板12としてはFRP(繊維強化プラスチック)層を用いることができるので、本体芯材13についても、表面層としてFRP層を有するサンドイッチ構造体のコア材として公知の材料を公的に用いることができる。
上記コア材としては、具体的には、弾性体、発泡材またはハニカム材を挙げることができる。特に飛行体用レドーム10は航空機等の飛行体に取り付けられることから、当該飛行体用レドーム10を軽量化する観点から、発泡材またはハニカム材が特に好ましく用いられる。具体的な発泡材としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂等の樹脂材料から構成されるフォーム材を挙げることができるが、特に限定されない。また、具体的なハニカム材としては、例えば、アルミニウムまたはその合金、紙等のセルロース材またはこれを含むセルロース組成物、アラミドペーパー、ポリエステルペーパー、ポリオレフィンペーパー等の合成繊維紙から構成される三次元空間充填構造材を挙げることができるが、特に限定されない。上記コア材は単一種類のみを用いてもよいし、複数種類を適宜組み合わせて用いてもよい。
さらに、本体芯材13としては、下記の面板12にも用いられるFRPも用いることができる。なお、FRPの具体的な材質等については、下記の面板12の具体的構成で説明する。本体芯材13としては、単一種類または複数種類のFRPが用いられてもよいし、FRPと上記コア材とが複合的に組み合わせられたものが用いられてもよい。
面板12としても、広くレドームの分野で知られている構成の表皮層(被覆層)を好適に用いることができる。ただし、面板12は、本体芯材13および取付芯材14の双方を被覆するため、本体芯材13と同様に、電波透過特性に優れたものとなっていることが特に好ましい。
面板12の具体的な構成は特に限定されないが、非導電性の繊維で補強された樹脂組成物からなる層、すなわちFRP層が好ましく用いられる。FRP層に用いられる非導電性の繊維としては、ガラス繊維、石英繊維等の無機材料系繊維を挙げることができる。必要に応じて有機材料系繊維等を併用したり置き換えて用いたりすることができる(他の繊維の例としては、後述する取付部11bの説明における、補強樹脂層に用いられる繊維材料を参照)。なお、導電性の繊維を含む場合には、当該導電性の繊維に電波が流れ込むため、当該電波が、面板12で覆われる本体部11aを透過しなくなるので好ましくない。また、上記非導電性の繊維は、後述するように、布体等の基材として構成されてもよい。
FRP層に用いられる樹脂組成物(マトリクス樹脂組成物)の具体的な構成も特に限定されない。例えば、当該樹脂組成物に用いられる樹脂としては、エポキシ樹脂、ビスマレイミド樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、シリコーン樹脂等の熱硬化性樹脂が挙げられる。これら樹脂は単一種類のみを用いてもよいし、複数種類を適宜組み合わせて用いてもよい。
なお、上記熱硬化性樹脂は、面板12のマトリクス樹脂組成物として用いられる樹脂材料であるが、面板12ではなく本体芯材13としてFRPを用いる場合には、上記熱硬化性樹脂に加えて、ポリエチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂等の等の熱可塑性樹脂も用いることができる。本体芯材13として用いられるFRPにおいては、上記熱硬化性樹脂および熱可塑性樹脂の少なくともいずれか一種類を用いてもよいし、二種類以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
また、上記樹脂組成物には、硬化剤、硬化促進剤等の各種の添加剤が含まれてもよい。特に、上記樹脂組成物が面板12ではなく本体芯材13に用いられる場合であって、当該本体芯材13が発泡材であれば、発泡構造(多孔質構造)を生成するために添加剤として発泡剤を含んでいればよい。なお、上記樹脂組成物に関しては、後述する取付部11bの説明で例示する熱硬化性樹脂組成物等も好適に用いることができる。
面板12の積層方法は特に限定されないが、好ましくは、本体芯材13(および後述する取付芯材14)の表面に、FRPの前駆体であって、上記繊維および樹脂組成物を含み、半硬化状態でシート状に維持されたプリプレグを複数枚積層し、当該プリプレグを硬化させる方法が挙げられる。また、当該プリプレグの硬化と同時に、当該プリプレグと本体芯材13(および後述する取付芯材14)を互いに接着させる方法も挙げられる。これによって、面板12は、電波透過特性を有し、かつ、飛行体用レドーム10の表面として十分な強度および耐久性を有するFRP層として構成されることになる。
飛行体用レドーム10の取付部11bを航空機本体51に固定する固定部材20は、本実施の形態では、図1に模式的に示すように、航空機本体51および取付部11bを貫通する棒状のものが用いられる。より具体的には、ボルト−ナットまたはリベット等が挙げられる。固定部材20は、航空機本体51に飛行体用レドーム10を固定した状態で、航空機が飛行状態にあっても飛行体用レドーム10が外れないように航空機本体51に維持できるものであれば特に限定されず、公知のどのような構成のものであっても用いることができる。
飛行体用レドーム10は電波機器を覆った状態で、特に飛行中の航空機が曝されるさまざまな環境(風圧、温度湿度変化、気圧変化、衝突物、宇宙線等)から電波機器を保護する。当該電波機器の種類は特に限定されないが、具体的には、例えば、ローカライザー受信アンテナ、グライドスロープ受信アンテナ、ATC(Air Traffic Control)トランスポンダー、方向探知機受信用アンテナ、マーカービーコン受信用アンテナ、各周波数帯通信送受信用アンテナ(VHF帯、HF帯、UHF帯)、VOR(VHF Omnidirectional Range)受信用アンテナ、衛星通信送受信用アンテナ、TCAS(Traffic alert and Collision Avoidance System)送受信用アンテナ、GPS受信用アンテナ等の各種送受信用のアンテナ装置;気象レーダー、ドップラーレーダー、距離測定装置、電波高度計等のレーダー装置;等が挙げられる。これら電波機器は、航空機の各部に埋め込まれて設けられている構成であっても、埋め込まれずに設けられる構成であっても、当該電波機器を保護するために飛行体用レドーム10を好適に用いることができる。
飛行体用レドーム10の具体的な形状および寸法については特に限定されず、当該飛行体用レドーム10によって保護される(覆われる)電波機器の大きさまたは形状、あるいは、当該飛行体用レドーム10が取り付けられる航空機の機体上の位置等の条件に応じて適宜設定される。
つまり、電波機器を保護するとともに電波透過部としても機能する本体部11aは、保護対象となる電波機器の種類または電波機器が設けられる機体上の位置等の条件に応じて、その形状および寸法が適宜設定される。
例えば、形状については、電波機器が航空機の機体の内部に埋め込まれていない場合では、飛行体用レドーム10は、図1に示すようなドーム形状に成形されればよいが、電波機器が機体の内部に埋め込まれている場合では、飛行体用レドーム10は、機体表面に沿ったほぼ平板の形状に成形されればよい。寸法についても同様で、電波機器がかさ高いものであれば、当該電波機器を覆うことができる大きさに飛行体用レドーム10を成形すればよい。
同様に、航空機本体51に飛行体用レドーム10を取り付けるための取付部11bの形状も、機体上の取付位置または固定部材20の種類等の条件に応じて、その形状および寸法が適宜設定される。なお、取付部11bの具体的な構成については、後述する。
ここで、本実施の形態に係る飛行体用レドーム10の好ましい全体形状としては、取付部11bの外径が最大となっている形状を挙げることができる。より具体的には、例えば、本体部11aは、その頂部から開口部である取付部11bに向かって外径が大きくなるような流線型またはこれに順ずる形状となっていると好ましい。これは、飛行体用レドーム10が、特に航空機の飛行中に電波機器を保護できるように構成される必要があることから、飛行時の風圧から電波機器を保護しつつ、飛行体用レドーム10そのものが受ける空気抵抗を小さくするためである。
飛行体用レドーム10の機体への取付位置も特に限定されない。例えば、図2に示すように、一般的には、航空機50の機首先端部(鼻部)10a、胴体下部(腹部)10b、胴体上部(背部)10c、機体後端部(尾部)10d等が挙げられる。これらの取付位置は、電波機器への電波の送受信方向によって適宜選択される。また、電波機器の種類によっては、主翼52、垂直尾翼53または水平尾翼54の先端等に取り付けられる場合もある。
ここで、航空機用の一般的なレドームの設計に関して、本実施の形態に係る飛行体用レドーム10を例示して具体的に説明する。この説明では、面板12、本体芯材13および取付芯材14のいずれもプリプレグの積層によって成形されるものとする。
まず、飛行体用レドーム10で保護される電波機器で送受信される周波数帯域に適した材料候補群を選定し、当該材料候補群の材料コスト、製造コストおよび成形性等の諸条件も考慮して、面板12として用いる材料を(および必要であれば本体芯材13の材料も)決定する。
次に、電波透過部である本体部11aに必要な強度、電波機器で送受信される周波数帯域、あるいは飛行体用レドーム10の製造上の成形性の容易さ等の条件に基づいて、本体部11aのより具体的な構成、例えば、面板12を成形するためのプリプレグの積層枚数、本体芯材13の厚み等を決定する。
次に、上記本体部11aの構成に基づいて、飛行体用レドーム10を取り付ける航空機50の機体の模型を用いて風洞試験を行ったり各種の数値計算を行ったりすることで、飛行中の飛行体用レドーム10に対する圧力分布を算出する。また、飛行体用レドーム10を取り付ける航空機50の飛行条件(速度等)から、飛行体用レドーム10に加わる慣性力も算出する。これら圧力分布および慣性力が飛行体用レドーム10に加えられるときに、本体部11aの各部の変形量および取付部11bに加えられる荷重等、飛行体用レドーム10に与えられる外力の影響を解析により算出する。そして、この外力による影響に耐え得るように、取付部11bのより具体的な構成、例えば、面板12を成形するためのプリプレグの積層枚数、取付芯材14の厚み等を決定する。
なお、地上設置するタイプのレドームの設計では、上記のように、圧力分布、慣性力の双方を十分考慮する必要がない。これは、飛行体用レドームでは、設置(取り付け)の対象となる航空機が高速で飛行するためであり、それゆえ、圧力分布、慣性力の検討は、飛行体用レドームの設計に特徴的な事項である。
このように、飛行体用レドームに求められる具体的な強度特性は、保護する対象である電波機器、機体上の取付位置、取り付けられる航空機の性能等によって異なる。そのため、強度特性の具体的なパラメータとその数値範囲は一概に決定することはできない。ただし、飛行体用レドームの分野においては、一般に、機体への取り付け部位(本実施の形態では取付部11b)を設計する上での重要なパラメータとして、当該部位の面圧強度、剪断強度、引張強度および剛性が挙げられる。
本発明においては、上記取り付け部位の強度特性に関して鋭意検討がなされた結果、高温高湿環境下における面圧強度を制御することで、当該部位の厚みおよび重量の低減を図ることが可能であり、この面圧強度を向上するために、取り付け部位の芯材を複合構造体とする本発明を完成するに至ったものである。
[飛行体用レドームの取付部]
次に、飛行体用レドーム10の取付部11bのより具体的な構成、特に、取付部11bの取付芯材14の構成について、図3(a),(b)、図4(a)〜(c)および図5を参照して説明する。
図3(a)に示すように、本実施の形態においては、取付部11bの取付芯材14は、複数種類の補強樹脂層14a〜14dが複数枚積層(図3(a)では4層)されて一体化された複合構造体として構成されている。補強樹脂層14a〜14dは、繊維で補強された熱硬化性樹脂組成物からなっている。個々の補強樹脂層14a〜14dの具体的な構成は限定されないが、本実施の形態では、炭素繊維を含む繊維基材で補強された熱硬化性樹脂組成物の層、すなわち炭素繊維強化樹脂(CFRP)の層となっている。
上記繊維基材の具体的な構成は特に限定されないが、本発明においては、組物、織物、編物、不織布等で構成された布体を好適に用いることができる。また、当該布体を構成する繊維の材質も特に限定されないが、少なくとも炭素繊維を含むことが好ましく、上記布体が炭素繊維のみから構成されるとより好ましい。炭素繊維は、各種の繊維材料のなかでもFRPの強度特性を特に向上させるものである。それゆえ、繊維基材が炭素繊維を含んでいれば、各補強樹脂層14a〜14dはCFRPとなるので、取付部11bの強度特性も優れたものとできる。
本実施の形態では、取付部11bの強度特性を好適なものとできるのであれば、補強樹脂層14a〜14dに用いられる繊維材料の種類は、炭素繊維に限定されず、それ以外の繊維材も好適に用いることができる。具体的には、例えば、ポリエステル繊維、PBO(ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール)繊維、ボロン繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、シリカ繊維(石英繊維)、炭化ケイ素(SiC)繊維、ナイロン繊維、等が挙げられる。これら繊維材料は、炭素繊維と組み合わせて用いられてもよいし、取付部11bの強度特性を好適なものとできるのであれば、炭素繊維と組み合わせずに単独で用いられてもよく、複数種が組み合わせられて用いられてもよい。
補強樹脂層14a〜14dを構成する熱硬化性樹脂組成物の具体的な組成も特に限定されず、FRPの分野で公知の熱硬化性樹脂を含んでいればよい。具体的には、例えば、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、等が挙げられる。これら熱硬化性樹脂は単独で用いられてもよいし、複数種が組み合わせられて用いられもよい。また、これら熱硬化性樹脂のより具体的な化学構造も特に限定されず、公知の種々のモノマーが重合されたポリマーであってもよいし、複数のモノマーが重合されたコポリマーであってもよい。また、平均分子量、主鎖および側鎖の構造等についても特に限定されない。
上記熱硬化性樹脂組成物は、上記熱硬化性樹脂に加えて、公知の硬化剤、硬化促進剤、繊維基材以外の補強材または充填材、その他公知の添加剤を含んでいてもよい。これら硬化剤、硬化促進剤等の添加剤の具体的な種類、組成等についても特に限定されず、公知の種類または組成のものを好適に用いることができる。
なお、炭素繊維を除く上記繊維材料、熱硬化性樹脂および添加剤等は、前述した面板12および本体芯材13の成形用のプリプレグにも適用可能であることは言うまでもない。
補強樹脂層14a〜14dは、全て同じ種類のFRPであってもよいし、異なる種類のFRPが組み合わせられたものであってもよいが、面板12に用いられる樹脂層とは異なる種類のものを含む必要がある。すなわち、取付芯材14は、単一または複数種類の補強樹脂層が複数積層された構成の複合構造体となっており、かつ、面板12とは異なる種類の樹脂層が単一種類のみ積層されているか、面板12とは異なる種類の樹脂層が複数種類、複合して積層されているか、あるいは、面板12と同一種類の樹脂層および面板12とは異なる種類の樹脂層(単一種類でもよいし複数種類でもよい)が複合して積層されている構成となっていれば、各補強樹脂層の種類は特に限定されない。
なお、ここでいう異なる種類の補強樹脂層とは、上述した繊維の種類、熱硬化性樹脂組成物の種類または組成、あるいは、繊維基材の種類が異なっているものを指す。補強樹脂層の種類については特に限定されず、取付芯材14に要求される強度特性、面板12および本体芯材13の成形条件等に応じて、適宜選択される。
複数種類の補強樹脂層の積層順は特に限定されないが、取付部11bに変形が生じたときに、各補強樹脂層の変形にばらつきが生じにくいような積層構造となっていることが好ましい。具体的には、複数種類の補強樹脂層の積層構造として、例えば、(i)隣接する補強樹脂層の種類が互いに異なっている交互構造、(ii)複合構造体である取付芯材14の断面の幾何学的中心線から見て線対称となるように同種の補強樹脂層が位置する線対称構造、(iii)取付芯材14の断面において、応力分布の中立軸から見て線対象となるように同種の補強樹脂層が位置する応力分布基準構造、および(iv)取付芯材14の断面の応力分布の中立面から見て対象となるように同種の補強樹脂層が位置する応力分布基準構造、あるいはこれらの組合せとなる積層構造等が好ましく挙げられる。
上記(i)〜(iv)の構造をより具体的に説明すれば、図4(a)に模式的に示す複合構造体40aは5層構造であるが、樹脂層の種類はL1〜L3の3種類であり、図中上からL1,L2,L3,L2およびL1の順で積層されているので、(i)交互構造となっているとともに、図中N1で示す幾何学的中心線を基準とすれば、(ii)線対称構造となっている。
また、図4(b)に模式的に示す複合構造体40bは、樹脂層Li〜Lvの5層構造であるであるが、任意の断面XXに生ずるひずみの分布は、断面全体ではCDに示すような屈曲線状の分布となっている。ここで、N2は、複合構造体40bの応力分布の中立軸であり、この中立軸から見て樹脂層Li〜Lvが線対称となるように各樹脂層を選択すれば、(iii)中立軸を基準とする応力分布基準構造となる。なお、図4(b)に関しては、『現代材料力学』(平修二監修、オーム社、昭和45年4月第1版)の第91頁に記載されている第4・72図およびその説明が本明細書において参照される。
また、図4(c)に模式的に示す複合構造体40cは、基本的には、図4(b)に示される複合構造体40bと同様の5層の積層構造であるが、図中矢印Stで示す応力が加えられている状態で、図中N3で示される面が応力分布の中立面となる。この中立面から見て樹脂層Li〜Lvが対象となるように各樹脂層を選択すれば、(vi)中立面を基準とする応力分布基準構造となる。
例えば、2種類の補強樹脂層が積層される構成であれば、図3(a)に示す例では、補強樹脂層14aおよび補強樹脂層14cが同一の種類となり、補強樹脂層14bおよび補強樹脂層14dが同一の種類となるように交互に積層されてもよいし、外側の補強樹脂層14aおよび補強樹脂層14dが同一の種類となり、内側の補強樹脂層14bおよび補強樹脂層14cが同一の種類となるように断面の幾何学的中心線または断面の応力分布の中立軸から見て線対象に積層されてもよい。また、図3(a)には図示されないが、2種類の補強樹脂層が5層積層される構成であれば、外側2層の補強樹脂層と内部中央の1層の補強樹脂層が同一の種類となり、これらに挟まれる2層の補強樹脂層が同一の種類となるように積層されてもよい。異なる補強樹脂層を交互に積層したり対称となるように積層したりすることで、複合構造体(取付芯材14)に外力が加えられた場合でも、その変形にばらつきが少なくなり、変形の偏りに起因する寿命の低下を抑制することができる。
取付芯材14の成形方法、すなわち、複数の補強樹脂層14a〜14dを一体化した複合構造体として成形する方法も特に限定されない。本実施の形態では、前述したように、少なくとも面板12はプリプレグを積層して成形されることが好ましいため、各補強樹脂層14a〜14dとなるプリプレグを、本体芯材13および面板12となるプリプレグとともに、所定の位置で成形型に配置させ、高温高圧条件下で一体成形する方法を好ましく例示することができる。この構成であれば、従来の製造過程をほぼそのまま援用できるとともに、プリプレグの積層順、プリプレグを配置する位置、プリプレグの積層枚数等を適宜変更するだけで、取付部11bの具体的構成を変更することが可能となり、製造の自由度を高めることができる。
例えば、取付芯材14を構成する補強樹脂層の数は、積層されるプリプレグの枚数を適宜変更することで設定することができる。前述のとおり、図3(a)に示す構成では、取付芯材14は、補強樹脂層14a〜14dの4層から構成されているので、この場合は、4枚のプリプレグを積層しているが、4層未満とするのであれば、プリプレグの枚数を減らせばよく、5層以上とするのであれば、プリプレグの枚数を増やせばよい。このように、取付芯材14は単一または複数種類の補強樹脂層が複数枚積層された構成となっていれば、層の数は特に限定されない。なお、面板12の厚みを変更する場合も、同様に、プリプレグの枚数を変更すればよい。本体芯材13がFRPを積層した構成である場合の厚みの変更も同様である。
さらに、本体芯材13および取付芯材14の接触面は、図3(a)に示すように、これら芯材13、14の広がり方向に対して傾斜しているとより好ましい。これは、取付部11bの断面において、本体芯材13および取付芯材14の接触部分における厚み(または体積)が徐々に変化するように、傾斜した接触面を形成することで、本体芯材13および取付芯材14の間の荷重伝達が円滑となり、当該箇所に応力が集中するおそれを有効に抑制することができるためである。応力の集中を抑制できれば、飛行体用レドーム10の強度特性、寿命等を良好なものとすることができる。また、傾斜した接触面を形成することで、異なる芯材である本体芯材13および取付芯材14の接触面積を大きくして、これら芯材の固定状態をより安定化させることもできる。
飛行体用レドーム10が、図1に示すようなドーム形状であれば、面板12および本体芯材13または面板12および取付芯材14から構成されるレドーム壁部は湾曲しているが、部分的に見れば、図3(a)に示すように、略平坦な板状と見なすことができる。レドーム壁部を平坦な板状と見なしたときに、本体芯材13および取付芯材14の広がり方向に対して傾斜するようにこれら芯材の接触面を形成しておく(説明の便宜上、「傾斜接触面」と称する)と、前記広がり方向に対して垂直となるように前記接触面を形成する場合(説明の便宜上、「垂直接触面」と称する)よりも各芯材13、14同士の接触面積が大きくなる。
前記のとおり、少なくとも面板12および取付芯材14を、プリプレグを積層して高温高圧条件下で成形することが好ましいので、この成形方法を採用すれば、圧縮成形の後には、本体芯材13および取付芯材14の接触面も、硬化反応と高圧環境による圧縮とによって一体的に密着される。ただし、これら本体芯材13および取付芯材14は、芯材として見れば互いに異なる材料から構成されているため、前記芯材の接触面が垂直接触面である場合、飛行体用レドーム10に対する風圧等の応力の方向と垂直接触面とが略平行な位置関係となり、結果的に垂直接触面に応力が集中し易くなるおそれがある。一方、前記芯材の接触面が傾斜接触面であれば、前記応力を遮るような方向に傾斜接触面が位置することになるので、応力が集中し難くなり、飛行体用レドーム10全体の強度特性をより一層向上することができる。
なお、上記傾斜接触面の形成方法は特に限定されず、本体芯材13および取付芯材14となるプリプレグを、傾斜接触面を構成するように成形型上に配置すればよい。また、傾斜接触面は平坦な面である必要はなく、本体芯材13となるプリプレグの端部と取付芯材14となるプリプレグの端部とが一部重複するように積層すれば、成形後の本体芯材13および取付芯材14は互いに傾斜接触面で噛み合った状態で一体化するので、飛行体用レドーム10の強度特性をさらに一層向上することが可能となる。
ここで、図3(b)に示すように、取付部11bの強度特性を向上させるには、複合構造体としての取付芯材14を用いず、面板12と同一種類かつ単一種類のFRP材料から構成される厚みの大きい取付芯材141(説明の便宜上、以下、厚手取付芯材141と称する)を用いることもできる。この厚手取付芯材141の製造過程も複合構造体の取付芯材14と同様であり、例えば、面板12と同一種類のプリプレグを同一の条件で複数枚積層して成形すればよい。しかしながら、取付部11bの芯材として複合構造体を用いることにより、次に示す有利な点を得ることができる。
まず、本発明では、面板12とは異なる種類の補強樹脂層を積層して取付芯材14を成形することで、厚手取付芯材141よりも芯材の厚みを小さくすることができる。また、芯材の厚みが小さくなれば、取付部11bを成形する樹脂組成物および繊維基材の重量を減らすことになるので、飛行体用レドーム10そのものを軽量化することができ、また、製造コストを低減することもできる。
さらに、複合構造体である取付芯材14は、厚手取付芯材141と比較して、より少ない枚数のプリプレグを積層して成形できるので、厚手取付芯材141と比較して、硬化時の内部発熱の影響を低減することができる。それゆえ、成形条件の複雑化を回避することができ、製造過程の煩雑化および製造コストの増加を抑制することができる。しかも、取付部11bを薄くすることができれば、固定部材20を貫通させるための孔の加工を行いやすくなるという利点もある。
また、複合構造体の取付芯材14も厚手取付芯材141も、プリプレグを積層して成形するという点では同じであるので、面板12の前駆体であるプリプレグとは異なる硬化条件または硬化温度帯域のプリプレグを用いる以外は、通常の製造過程をそのまま適用することができる。したがって、特別な工程を追加することなしに、本実施の形態に係る飛行体用レドーム10を製造することができる。また、プリプレグの種類は増加しても積層枚数は実質的に減らすことになるので、製造過程の煩雑化も回避することができ、製造コストの増大も回避することができる。
さらに、本体芯材13の強度特性と取付芯材14の強度特性とは明らかに異なっているが、このような異なる強度特性を有する芯材が組み合わせられても、飛行体用レドーム10は十分な安定性を保持することができる。
一般に、異なる強度特性を有する材料を組み合わせて得られる成形品においては、当該成形品の内部で強度特性の相違に由来する変形量のずれまたは偏りが生じる可能性がある。このようなずれまたは偏りの発生は、当該成形品に外力が作用したときに、当該成形品の寿命を低下させる可能性がある。
ここで本実施の形態では、面板12、本体芯材13、および複合構造体の取付芯材14のいずれもプリプレグの積層により成形することが好ましいため、強度特性の異なる材料を硬化させてから組み合わせるような必然性がない。硬化済みの材料を組み合わせて複雑な3次元形状を有するレドームを成形しようとすると、精密加工が可能な工作機械を用いなければならないが、本実施の形態では、半硬化材料であるプリプレグを用いているため、成形型を用いて容易に所望の形状に成形することができ、精密加工が実質的に不要となる。
さらに、飛行体用レドーム10において、本体部11aと取付部11bとの境界を、必要に応じて適宜設定することができる。言い換えれば、本実施の形態によれば、飛行体用レドーム10の設計の自由度を高めることができるという利点も得られる。
前述したように、飛行体用レドーム10に覆われた電波機器30は、各種の電波を送受信する。このとき、例えば、図5に示すように、電波の送受信の範囲は、図中破線で示されるように、断面から見れば、電波機器30を中心として扇状に広がる領域Ar1となり、この領域Ar1は、立体的に見れば、電波機器30を頂点とする略円錐状となる。
ここで、取付部11bは、強度特性を優先した構成となっているので、より確実に電波の送受信を行うためには、電波透過部である本体部11aは、領域Ar1を外さないような大きさとなっていることが特に好ましい。例えば、電波機器30で送受信される電波の広がりが小さければ、領域Ar1の広がり角度は小さくなるので、領域Ar1は本体部11aの範囲内に収まることになる。一方、電波機器30で送受信される電波の広がりが大きければ、図中一点鎖線で示される領域Ar2のように、本体部11aからはみ出し取付部11bに及ぶことがあり得る。この場合、電波機器30に送受信される電波の一部は取付部11bによって遮蔽されるおそれがある。
電波機器30で送受信される電波の広がりは、当該電波機器30の種類、特性、機体上の取付位置等の条件によって異なる。それゆえ、当該条件に応じて、飛行体用レドーム10の本体部11aおよび取付部11bの位置関係は、適宜設定すればよい。そして、飛行体用レドーム10の代表的な製造方法は、前述したように、プリプレグを積層して成形する方法である。それゆえ、特定の電波機器30に対する飛行体用レドーム10を設計するときには、本体芯材13および取付芯材14となるプリプレグの寸法を変更する程度で、これらの位置関係を容易に変更することができる。
なお、面板12および取付芯材14(あるいは、本体芯材13がFRPを積層した構成である場合には本体芯材13も)の前駆体となるプリプレグは、いずれも、硬化温度帯域が重なるような組成となっていることが好ましい。これによって、同一の温度条件で飛行体用レドーム10を製造することができるので、製造過程の煩雑化を回避し、製造コストも低減することができる。もちろん、必要に応じて異なる硬化温度帯域のプリプレグを併用して温度条件等を適宜調整してもよいことはいうまでもない。
次に、本発明について、実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。当業者は本発明の範囲を逸脱することなく、種々の変更、修正、および改変を行うことができる。
[取付芯材の成形]
本発明における複合構造体の取付芯材の試験片と、比較構成である厚手取付芯材の試験片とは、以下の方法により成形した。
プリプレグとして、炭素繊維を含むエポキシ樹脂組成物のプリプレグA(東方テナックス(株)製、製品番号:QF01144−3101E)と、ガラス繊維を含むエポキシ樹脂組成物のプリプレグB(三菱樹脂(株)製、製品番号:MXB JC770E/1581)とを用い、B×2枚、A×2枚、B×2枚、A×4枚、B×2枚、A×2枚、B×2枚の順で計16層積層し、120℃×(加圧196kPa+真空圧70kPa)×90分の硬化条件で、炭素繊維強化樹脂(CFRP)およびガラス繊維強化樹脂(GFRP)の複合構造体である試験片(1)を成形した。この試験片(1)は、本発明に係る飛行体用レドームで用いられる取付芯材の一実施例である。なお、試験片(1)の厚みは、3.8mmであった。
また、プリプレグBのみを16層積層して、従来の飛行体用レドームで用いられている取付芯材と同じ、GFRP単層の試験片(2)を成形した。なお、試験片(2)の厚みは、4.0mmであった。
さらに、プリプレグAのみを16層積層して、CFRP単層の試験片(3)を成形した。なお、試験片(3)の厚みは、3.7mmであった。
[取付芯材の面圧強度試験]
ASTM D5961に従って、上記試験片(1)〜(3)について、常温常湿条件下(気温23℃、湿度65%)と、高温高湿条件下(温度70℃、湿度95%で吸湿後、温度82℃で試験)の面圧強度を試験した。その結果を図6に示す。なお、図6では、常温常湿条件をRTD(Room Temperature Dry)と記載し、高温高湿条件をETW(Elevated Temperature Wet)と記載する。
図6に示すように、常温常湿条件下では、いずれの試験片(1)〜(3)も同程度の面圧強度を示しているが、高温高湿条件下では、本発明の実施例である試験片(1)は、従来例である試験片(2)の約1.5倍の面圧強度を示した。また、試験片(3)は、CFRPからなる強度特性の優れた芯材に相当するが、この試験片(3)の面圧強度と試験片(2)の面圧強度のほぼ中間値が、試験片(1)の面圧強度となった。
試験片(1)〜(3)のいずれも、常温常湿条件での面圧強度は同程度であるのに対して、高温高湿条件での面圧強度にばらつきが生じることから明らかなように、飛行体用レドームの設計においては、航空機(飛行体)の運用環境中で特に重大な条件となる高温高湿条件で、安定した面圧強度が維持できることが重要となる。本実施例では、複合構造体の試験片(1)は、強度特性の優れた試験片(3)に近いプリプレグAを活用することにより優れた面圧強度を示すことができた。しかも、厚みに関しては、従来の試験片(2)と同じ厚みであっても高温高圧条件下で約1.5倍の面圧強度を示したこと、また、複合積層時にプリプレグAの割合をより多くすれば強度特性がさらに向上することは自明であるため、本実施例の試験片(1)は、少なくとも従来例の試験片(2)の3分の2の厚みで、同等の面圧強度を発揮することができるものであることが明らかとなった。
試験片(2)は、面圧強度試験に適合させるための構成上の変更を行った以外は、従来構成の飛行体用レドームに用いられている取付芯材と実質的に同じ構成となっている。そのため、従来例の試験片(2)および本実施例の試験片(1)の比較から、本実施例の試験片(1)を用いて製造される飛行体用レドームは、優れた強度特性を実現でき、製造過程の煩雑化または製造コストの増大等を回避し、軽量化することが可能であることが導き出される。
なお、本発明は上記の実施形態の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲内で種々の変更が可能であり、異なる実施形態や複数の変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、航空機、宇宙ロケット、宇宙往還機、ミサイル等の各種飛行体に取り付けられるレドームの分野に広く好適に用いることができる。
10 飛行体用レドーム
11a 本体部(電波透過部)
11b 取付部
12 面板
13 本体芯材
14 取付芯材(複合構造体)
14a〜14d 補強樹脂層
20 固定部材
50 航空機(飛行体)
51 航空機本体

Claims (6)

  1. 飛行体に搭載されている電波機器を覆う形状を有する本体部と、当該本体部を前記飛行体に取り付ける取付部と、を備え、
    前記本体部および前記取付部は、当該芯材の表面を一連の面板で被覆したサンドイッチ構造体であり、
    前記取付部の前記芯材は、繊維で補強された熱硬化性樹脂組成物からなる補強樹脂層が、単一種類または複数種類、積層されて一体化されてなる複合構造体であり、
    当該複合構造体を構成する前記補強樹脂層には、前記面板とは異なる種類の樹脂層が含まれていることを特徴とする、飛行体用レドーム。
  2. 前記複合構造体における前記補強樹脂層の積層構造は、
    隣接する補強樹脂層の種類が互いに異なっている交互構造、
    前記複合構造体の断面の幾何学的中心線から見て線対称となるように同種の前記補強樹脂層が位置する線対称構造、
    前記断面の応力分布の中立軸から見て線対称となるように同種の前記補強樹脂層が位置する応力分布基準構造、
    および、前記断面の応力分布の中立面から見て対象となるように同種の前記補強樹脂層が位置する応力分布基準構造、の少なくともいずれかであることを特徴とする、請求項1に記載の飛行体用レドーム。
  3. 前記複合構造体は、硬化前の熱硬化性樹脂組成物を繊維基材に含浸させてなるプリプレグを用いて成形されたものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の飛行体用レドーム。
  4. 前記補強樹脂層に用いられる繊維基材には、炭素繊維が含まれていることを特徴とする、請求項2または3に記載の飛行体用レドーム。
  5. 前記本体部の芯材および前記面板は、プリプレグを用いて成形されたものであることを特徴とする、請求項2または3に記載の飛行体用レドーム。
  6. 飛行体に搭載されている電波機器を覆う本体部と、当該本体部を前記飛行体に取り付ける取付部と、を備える飛行体用レドームの製造方法であって、
    前記本体部および前記取付部のそれぞれとして異なる芯材を用い、各芯材の表面を一連の面板で被覆してサンドイッチ構造体を成形するときに、
    前記取付部の前記芯材を、繊維で補強された熱硬化性樹脂組成物からなる樹脂層を単一種類または複数種類、積層することにより成形し、
    積層に用いられる前記樹脂層には、前記面板とは異なる種類の樹脂層が含まれていることを特徴とする、飛行体用レドームの製造方法。
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