JP2009028766A - レーザ加工機の多機能加工制御装置 - Google Patents

レーザ加工機の多機能加工制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】周期構造体を各種形状の三次元ワーク表面に加工できるとともに、各種模様パターンを加工制御できるようにしたレーザ加工機の多機能加工制御装置を提供する。
【解決手段】フェムト秒レーザ発振器と、フェムト秒レーザを開閉するシャッタST及びシャッタ開閉手段SHと、シャッタを通過したフェムト秒レーザを周期性溝用ホモジナイザーH1又はディンプル加工用ホモジナイザーH2又は混合加工用ホモジナイザーH3の何れか一つに切り換えて通過させる切換手段HDと、ホモジナイザーの何れかを通過したフェムト秒レーザを集光する集光レンズR3と、更に上記フェムト秒レーザを受光する反射ミラーMの照射方向を制御する首振り手段MDと、反射ミラーの外周囲にワークを把持するチャック手段と、上記チャック手段に把持されたワークWを搭載し回転駆動させるとともに三次元方向に移動させるするワーク移動ユニット60と、を備えたものである。
【選択図】図5

Description

本発明は、フェムト秒レーザ加工機にて丸棒体・筒体・多角体等の円筒ワークの外周面又は内周面に周期構造体を加工するレーザ加工機の多機能加工制御装置に係り、特に、各種形状のワーク表面に各種模様パターンを加工制御できるようにしたものに関する。
近年、フェムト秒レーザでナノ周期構造体(連続した微細周期性溝、不連続に多穴加工されたディンプル)を施す加工技術やその加工装置が注目を集め旺盛に開発されている。また、上記ナノ周期構造体が正しく生成されているか・否か・を判定する観測装置も開発されている。
上記フェムト秒レーザ加工機において、周期構造体(例えば微細周期性溝)を加工する加工方法は、固体材料表面に、低フルーエンスの超短パルスレーザ(フェムト秒レーザ)を偏光制御して照射することで、照射したレーザの波長より小さいサイズの微細構造を形成する。そして、超短パルスレーザを直線偏光させて固体材料表面に照射することで、偏光方向とは直交する方向に沿って細長い微細構造を形成でき、また、円偏光させて照射することで微細構造体が形成される。こうした微細構造のサイズは、照射するレーザの波長と正の相関関係があり、波長を選択することで微細構造のサイズを制御するものが提供されている(例えば、特許文献1を参照。)。
また、フェムト秒レーザがレーザ駆動部から入射されたとき、レーザを複数の光束に分離する回折格子3と、回折格子3によって分離された光束を互いに干渉させるための凸レンズ4,5と、光束が互いに交差し干渉する干渉領域と凸レンズ5との間に配設された円柱レンズ6と、レーザによって加工するため、加工用基材7を干渉領域に配設することができるXYZステージ8を備え、円柱レンズ6が、干渉領域を扁平な領域に整形するとともにエネルギ密度を集中し、加工用基材7と該干渉領域の物質レーザ相互作用によって微細加工することができるものが提供されている(例えば、特許文献2を参照。)。
更に、互いに干渉したフェムト秒レーザ・パルスを、基材に照射することにより、最小平均寸法5〜200nmを有する周期微細構造を基材中に作成するフェムト秒レーザの照射による一次元及び/または二次元周期微細構造の作成方法であり、特に近赤外領域の発振波長で、0.1TW/cm2以上の高密度エネルギーを有し、互いに干渉した2つのフェムト秒レーザ・パルスをシリカガラスに照射することにより、シリカガラス中に、平均幅5〜50nmを有する周期溝を作成するフェムト秒レーザの照射による一次元周期微細構造の作成方法が提供されている(例えば、特許文献3を参照。)。
また、更には、金属対象表面の摩擦抵抗を現状以上に低減することを可能としたものが提供されている。この金属摺動面表面処理装置によると、金属対象物の摺動面にフェムト秒レーザを照射して微細周期構造を形成し、これにより当該摺動面の摩擦抵抗を低減させる構成となっているので、その性質上、加工サイズの均一性が大きく制御性も高いことから、金属対象物の摺動面の摩擦抵抗を現状以上に低減することが可能になる。また、どのような大きさ、形状、材質の金属対象物であってもその摺動面の摩擦抵抗を低減させることが可能であることから、摺動面を有する機械部品の性能を向上させるメリットを有するものである(例えば、特許文献4を参照。)。
更に、赤外領域又は紫外領域におけるレーザビームをレンズ系を通して材料の加工面に照射して微細加工を行うようにしたレーザ加工方法において、前記レンズ系内に、面状の加工パターンに沿うようにレーザ光を指向せしめるための画像形成面を備えた光学素子を設置して少なくとも一回の照射で面加工を行うレーザ加工方法である。これにより、少なくとも1回の照射により面状パターン加工が可能となる少なくとも1回の照射により面状パターン加工が可能なレーザ加工方法が提供されている(例えば、特許文献5を参照。)。
特開2003−211400号公報 特開2003−334683号公報 特開2003−57422号公報 特開2004−360011号公報 特開2004−223522号公報
上記各公知例においては、レーザ光を金属対象表面(平面)に照射して面状パターンに加工するものに限定されている。また、その周期構造体の模様も、微細周期性溝又はディンプルに限定されている。このために、先ず、フェムト秒レーザ加工機により丸棒体・筒体・多角体等の円筒ワークの外周面又は内周面に周期構造体を加工することができない。従って、エンジンにおけるシリンダの内周面、クランクシャフトの軸外周面、カムシャフトのカム面、ベアリングの内輪や外輪、ボールベアリングの球体、ニードルベアリングのニードル等々の三次元ワークの加工ができないと言う問題点がある。また、周期構造体の模様は、微細周期性溝又はディンプルの加工に限定されてしまうから、一つのフェムト秒レーザ加工機でその周期構造体の素早い模様切り換えができず、一つの加工面に両模様の特徴出しを行うための加工ができないと言う問題点がある。
本発明の課題は、上記従来のフェムト秒レーザ加工において、その加工が金属対象表面(平面)に照射して面状パターンに加工するものに限定されていると言う問題点と、周期構造体の模様は微細周期性溝又はディンプルの加工に限定されていると言う問題点に鑑みて成されたものである。その目的は、周期構造体を各種形状の三次元ワーク表面に加工できるとともに、各種模様パターンを加工制御できるようにしたレーザ加工機の多機能加工制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するべく本発明の請求項1によるレーザ加工機の多機能加工制御装置は、フェムト秒レーザ発振器と、上記フェムト秒レーザ発振器からの直線偏光のフェムト秒レーザを開閉するシャッタと、上記シャッタを開閉制御させてフェムト秒レーザを間欠照射させるシャッタ開閉手段と、上記シャッタの前側に配置され周期性溝用ホモジナイザーとディンプル加工用ホモジナイザーと混合加工用ホモジナイザーとからなるホモジナイザーと、上記ホモジナイザーを何れか一つに切り換える切換手段と、上記ホモジナイザーの前側に配置されフェムト秒レーザを集光する集光レンズと、上記集光レンズの前側に配置されフェムト秒レーザを外径方向に照射させる反射ミラーと、上記反射ミラーを首振りさせてフェムト秒レーザの照射方向を制御する首振り手段と、上記フェムト秒レーザの照射方向に配置されワークを把持するチャック手段と、上記チャック手段を回転駆動させるとともに三次元方向に移動させるワーク移動ユニットと、を具備したことを特徴とするものである。
また、請求項2によるレーザ加工機の多機能加工制御装置は、フェムト秒レーザ発振器と、上記フェムト秒レーザ発振器からの直線偏光のフェムト秒レーザを開閉するシャッタと、上記シャッタを開閉制御させてフェムト秒レーザを間欠的に照射させるシャッタ開閉手段と、上記シャッタの前側に配置され直線偏光のフェムト秒レーザを導入する回転可能な第一回転筒体と、上記第一回転筒体内に配置され上記フェムト秒レーザの偏光方向を変化させるλ/ 2板と、上記λ/ 2板の前側に配置され周期性溝用ホモジナイザーとディンプル加工用ホモジナイザーと混合加工用ホモジナイザーとからなるホモジナイザーと、上記ホモジナイザーを何れか一つに切り換える切換手段と、上記第一回転筒体に回転軸芯を合わせて配置される第二回転筒体と、上記第二回転筒体内に配置されフェムト秒レーザを集光する集光レンズと、上記第二回転筒体筒の先端に配置されフェムト秒レーザを外径方向に照射させる反射ミラーと、上記反射ミラーを首振りさせてフェムト秒レーザの照射方向を制御する首振り手段と、上記第二回転筒体の回転1回転に対して上記第一回転筒体を1/2回転させる回転駆動手段と、上記フェムト秒レーザの照射方向に配置されワークを把持するチャック手段と、上記チャック手段を三次元方向に移動させるワーク移動ユニットと、を具備したことを特徴とするものである。
また、請求項3によるレーザ加工機の多機能加工制御装置は、フェムト秒レーザ発振器と、上記フェムト秒レーザ発振器からの直線偏光のフェムト秒レーザを開閉するシャッタと、上記シャッタを開閉制御させてフェムト秒レーザを間欠的に照射させるシャッタ開閉手段と、上記シャッタの前側に配置され直線偏光のフェムト秒レーザを導入する回転可能な第一回転筒体と、上記第一回転筒体内に配置され上記フェムト秒レーザの偏光方向を変化させるλ/ 2板と、上記λ/ 2板の前側に配置され周期性溝用ホモジナイザーとディンプル加工用ホモジナイザーと混合加工用ホモジナイザーとからなるホモジナイザーと、上記ホモジナイザーを何れか一つに切り換える切換手段と、上記第一回転筒体に回転軸芯を合わせて配置される第二回転筒体と、上記第二回転筒体内に配置されフェムト秒レーザを集光する集光レンズと、上記第二回転筒体筒の先端に配置されフェムト秒レーザを外径方向に照射させる反射ミラーと、上記反射ミラーを首振りさせてフェムト秒レーザの照射方向を制御する首振り手段と、上記第二回転筒体の第二旋回モータによる回転1回転に対して上記第一回転筒体を第一旋回モータにより1/2回転前後に加減速回転させる回転駆動手段と、上記反射ミラーの照射方向に配置されワークを把持するチャック手段と、上記チャック手段を三次元方向に移動させるワーク移動ユニットと、を具備したことを特徴とするものである。
また、請求項4によるレーザ加工機の多機能加工制御装置は、フェムト秒レーザ発振器と、上記フェムト秒レーザ発振器からの直線偏光のフェムト秒レーザを開閉するシャッタと、上記シャッタを開閉制御させてフェムト秒レーザを間欠的に照射させるシャッタ開閉手段と、上記シャッタの前側に配置され直線偏光のフェムト秒レーザを導入する回転可能な第一回転筒体と、上記第一回転筒体内に配置され上記フェムト秒レーザの偏光方向を変化させるλ/ 4板と、上記λ/ 4板の前側に配置され周期性溝用ホモジナイザーとディンプル加工用ホモジナイザーと混合加工用ホモジナイザーとからなるホモジナイザーと、上記ホモジナイザーを何れか一つに切り換える切換手段と、上記第一回転筒体に回転軸芯を合わせて配置される第二回転筒体と、上記第二回転筒体内に配置されフェムト秒レーザを集光する集光レンズと、上記第二回転筒体筒の先端に配置されフェムト秒レーザを外径方向に照射させる反射ミラーと、上記反射ミラーを首振りさせてフェムト秒レーザの照射方向を制御する首振り手段と、上記第二回転筒体の回転1回転に対して上記第一回転筒体を1/2回転させる回転駆動手段と、上記フェムト秒レーザの照射方向に配置されワークを把持するチャック手段と、上記チャック手段を三次元方向に移動させるワーク移動ユニットと、を具備したことを特徴とするものである。
本発明のレーザ加工機の多機能加工制御装置は、上記構成からなり、以下のように作用する。
第1に、請求項1におけるレーザ加工機の多機能加工制御装置は、円筒ワークの外周面又は内周面に周期構造体を加工するものである。
まず、フェムト秒レーザ発振器から発射される直線偏光のフェムト秒レーザは、シャッタで開閉制御されて間欠照射可能なレーザ光となって、切り換え手段で選択された周期性溝用ホモジナイザー又はディンプル加工用ホモジナイザー又は混合加工用ホモジナイザーの何れか一つを通過させて集光レンズで集光される。更に、上記レーザ光は首振り手段により反射ミラーに照射され、ここで方向制御されて任意な外径方向に反射される。その反射光は、加工ステージとなるワーク移動ユニットに搭載され回転駆動されるチャック手段に把持された円筒ワークの外周面又は内周面の表面に対して、任意な方向制御幅を以て照射される。これにより、ワーク表面の周囲には、周期性溝用ホモジナイザー又はディンプル加工用ホモジナイザー又は混合加工用ホモジナイザーの何れか一つが選択されて加工される。その加工もシャッタの開閉制御により、連続加工の他に間欠的な模様としても加工することができる。また、反射ミラーの首振り手段によりワーク内周面又はワーク外周面に対面する任意な方向にレーザ光を首振り制御して照射すれば広範囲に加工できるとともに、上記反射ミラーの外周囲に配置したチャック手段で把持されるワーク内周面又はワーク外周面の全周に対してレーザ光を照射して加工される。また、上記ワーク移動ユニットに回転駆動手段を備え、また、Z軸駆動手段を備えたものであると、ワーク回転と関連してワークの軸芯方向にチャック手段を連続移動または間欠移動させられるから、ワーク表面に対して、より一層広範囲にわたって円滑且つ多彩な模様状の周期構造体の加工が行われる。
第2に、請求項2のレーザ加工機の多機能加工制御装置の機能の一つは円筒ワークの内周面に周期構造体を加工するものである。
まず、フェムト秒レーザ発振器から発射される直線偏光のフェムト秒レーザを、シャッタの周期的な開閉制御により間欠的なレーザ光として回転可能に設けられた第一回転筒体に導く。この第一回転筒体内に配置されたλ/ 2板により直線偏光の偏光方向が変化されるとともに、切り換え手段で周期性溝用ホモジナイザー又はディンプル加工用ホモジナイザー又は混合加工用ホモジナイザーの何れか一つに切り換えられる。更に、上記レーザ光は、上記第一回転筒体に対して軸芯を合わせて回転可能にした第二回転筒体内の集光レンズで集光された後、首振り手段で方向制御される反射ミラーにより任意な外径方向に照射される。且つ、上記レーザ光は反射ミラーの外周囲にチャック手段で把持されるワーク内周面に対して所定の振れ幅で幅広く照射される。この時、回転駆動手段により上記第二回転筒体の回転1回転に対して上記λ/ 2板を備えた上記第一回転筒体が1/2回転される。また、上記ワーク移動ユニットにZ軸駆動手段を備えたものであると、ワーク回転と関連してワークの軸芯方向にチャック手段を連続移動または間欠移動させられるから、ワーク表面に対して、より一層広範囲にわたって円滑且つ多彩な模様状の周期構造体の加工が行われる。また、ワーク移動ユニットに備えるチャック手段を回転制御モータにより回転させることでワークが回転されるから、更に、多彩な周期構造体の加工が行われる。
第3に、請求項2のレーザ加工機の多機能加工制御装置の機能の他の一つは円筒ワークの外周面に周期構造体を加工するものである。
まず、フェムト秒レーザ発振器から発射される直線偏光のフェムト秒レーザを、シャッタの周期的な開閉制御により間欠的に回転可能に設けられた第一回転筒体に導く。この第一回転筒体内に配置されたλ/ 2板により直線偏光の偏光方向が変化されるとともに、切り換え手段で周期性溝用ホモジナイザー又はディンプル加工用ホモジナイザー又は混合加工用ホモジナイザーの何れか一つに切り換えられる。更に、上記レーザ光は、上記第一回転筒体に対して軸芯を合わせて回転可能にした第二回転筒体内の集光レンズで集光された後、首振り手段で首振り制御される反射ミラーにより任意な外径方向に照射され、且つ上記レーザ光は反射ミラーの外周囲にチャック手段で把持されるワーク外周面に対して所定の振れ幅で照射される。この時、回転駆動手段により上記第二回転筒体の回転1回転に対して上記λ/ 2板を備えた上記第一回転筒体が1/2回転される。そして、上記ワークの外周面にレーザ光を照射すべく、上記反射ミラーの外周囲にワークを自転停止状態で公転される。これにより、上記ワーク外周面には、上記請求項1と、同様な多彩な模様状の周期構造体の加工が行われる。
第4に、請求項3のレーザ加工機の多機能加工制御装置は、請求項2のレーザ加工機の多機能加工制御装置における作用のほかに、上記λ/ 2板の回転速度については、回転駆動手段により上記第二回転筒体(反射ミラー)の回転1回転に対して上記λ/ 2板を備えた上記第一回転筒体を1/2回転よりも増速させたり減速させることにより、周期性溝の溝方向が変更できるから、最も条件の良い方向に加工したり、重合加工によりクロス状に加工することが可能である。更に、Z軸駆動手段によりワーク回転と関連してワークの軸芯方向にチャック手段を連続移動または間欠移動させることで、ワーク表面の更に広範囲にわたり、円滑且つ多彩な模様状の周期構造体の加工が行われる。
第5に、請求項4のレーザ加工機の多機能加工制御装置は、請求項2のレーザ加工機の多機能加工制御装置において、上記λ/ 2板をλ/ 4板に変更することで、フェムト秒レーザ発振器から発射される直線偏光のフェムト秒レーザが円偏光になる。これにより、円筒ワークの内周面や外周面に加工される周期性溝は、直線形状の模様から円形形状への模様変更が自由に行われる。また、ディンプル加工においても、多数のディンプルを円形に並べた形状とすることができる。
かくして、上記各種ワークには、微細周期性溝またはディンプルまたはこれらを混合した周期構造体が、その使用目的に合致する多彩な模様を選択的に効率良く加工することができる。これにより、上記ワークが、例えば、エンジンのシリンダやクランクシャフトの軸であれば、このシリンダやクランクシャフトに多彩な模様パターンの周期構造体が形成される。この周期構造体を施したエンジンにおけるシリンダとピストン及びクランクシャフトとピストンコンロッドとの接触面には、多数の凹溝に潤滑油が溜まってクランクシャフトとピストンコンロッド間の摩擦抵抗を極限まで減らすことが可能になり、自動車の燃費改善が最大限に図られる。勿論、その他の各種機器・部品の加工面に対する加工が行なえるから、摩擦抵抗の低減策に止まらず、あらゆる部材の表面処理に適用される。
本発明のレーザ加工機の多機能加工制御装置によると、フェムト秒レーザにより、円筒ワークの内周面または外周面及び軸の外周面における所定幅にわたり、周期構造体、例えば、微細周期性溝又はディンプル又は混合加工用ホモジナイザーの何れか一つの組み合わせから形成される任意な模様、が多機能に加工できる。これにより、具体的な加工部品を例示すれば、エンジンのシリンダ、クランク軸、回転軸等の表面に対して、多彩な微細周期性溝またはディンプルまたはこれらを混合した周期構造体に加工でき、この周期構造体の溝に潤滑油が溜まって、シリンダ面のピストン滑り摩擦抵抗やクランク軸の外周面の回転摩擦抵抗を極限まで減らすことができる。
以下、本発明によるレーザ加工機の多機能加工制御装置について、図示の第1の実施の形態により説明する。図1は円筒ワークの内周面や外周面に対する多機能加工制御装置の全体構成図で、特に内周面の加工例を示す。図2と図3はレーザ加工ヘッドの詳細な構成図、図4はホモジナイザーの構成図、図5は周期構造体を加工する加工ヘッドの構成図、図6はPCプログラム手段への入力手順と自動運転のフローチャート図、図7はZ軸駆動手段による移動方法と加工軌跡の説明図、図8はPCプログラム手段によるプログラム自動運転のフローチャート図である。図9は円筒ワークの外周面に対する加工例の斜視図である。
図1〜図8により、本発明の第1の実施の形態となる円筒ワークWの内周面W1を加工するレーザ加工機の多機能加工制御装置100の概要を説明する。その構成は、直線偏光のフェムト秒レーザLOを発振するフェムト秒レーザ発振器10と、加工制御装置の中枢部となるレーザ加工ヘッド20と、円筒ワークWをチャック7で着脱自在に把持するとともに回転駆動させ又は三次元方向(X軸,Y軸,Z軸の三方向)に移動させるワーク移動ユニット60と、からなる。まず、上記フェムト秒レーザ発振器10とレーザ加工ヘッド20とは、防振台1の基盤2上に水平姿勢の横向きに搭載されている。上記フェムト秒レーザ発振器10は、公知なものであるから詳細構成を省略して概要説明すれば、発振源となるレーザ発振部10Aとこの発振を調整するファイバーレーザ発振器10Bとパルスストレッチャー10CとTi:sapphire再生増幅器10Dとパルスコンプレッサー10Eとレーザパワー減衰器10Fと励起用パルスグリーンレーザ10Gと電源制御部10Hと筐体温度安定化用冷却装置10Iとにより構成されている。上記レーザ加工ヘッド20には、その入力側にフェムト秒レーザLOを受け入れ任意に出力遮断(出力制御)する電磁式のシャッタ開閉手段SHにより開閉するシャッタSTと、三連スライド式のホモジナイザーHの切り換え手段HDとを装備し、上記フェムト秒レーザ発振器10の出力がレーザ入力部20Aに繋がれている。また、上記レーザ加工ヘッド20の出力側には、円筒ワークWに向けてフェムト秒レーザLOを照射する外筒49を備えている。上記三連スライド式のホモジナイザーHは、エネルギー効率を改善する周期性溝用ホモジナイザーH1とディンプル加工用ホモジナイザーH2と両者の混合加工用ホモジナイザーH3の三種類からなり、適宜に切替え選択される。上記周期性溝用ホモジナイザーH1又はディンプル加工用ホモジナイザーH2又は混合加工用ホモジナイザーH3の何れか一つを通過するフェムト秒レーザLOは、これを集光する集光レンズR3に至る。更に、上記外筒49内の出口49A側には、フェムト秒レーザLOを受光し外部へ反射させる反射ミラーMと、この反射光方向LOを制御する首振り手段(ガルバノメータ)MDとを備えている。上記反射ミラーの外周囲には、円筒ワークWのワーク内周面W1に照射すべく把持するチャック7と、上記チャックを搭載する上記ワーク移動ユニット60と、を備えたワーク制御テーブル3が配置されている。
上記ワーク制御テーブル3に搭載したワーク移動ユニット60は、図1において、チャック7に把持された円筒ワークWをX軸方向(図示の前後方向)に移動させるX軸駆手段30と、これに搭載されて円筒ワークWをZ軸方向(図示の左右方向)に移動させるZ軸駆動手段9と、このZ軸駆動手段9上のコラム9Aに搭載されてY軸方向(図示の上下方向)に移動させるY軸駆動手段5と、この前壁面に配置したワーク回転駆動部5Aと、この前部に配置したチャック7とからなる。しかして、上記円筒ワークWは、上記レーザ出力部20Aの軸芯(回転中心)O1に対してその軸芯(回転中心)O2を一致させるべく、Y軸駆動手段5と、これを左右X軸の方向に移動させるX軸駆動手段30との組み合わされたXY移動テーブル(XYステージ)の機能により微動送りで位置合わせが行われる。また、上記レーザ出力部20Aに対する円筒ワークWの挿入深さ位置ZAの設定は、上記X軸駆動手段30に搭載されたZ軸駆動手段9を前後方向となる−Z軸方向(図示の左側方向)又は+Z軸方向(図示の右側方向)へ微動させて行う。更に、上記円筒ワークWを、上記レーザ加工ヘッド20の先端でフェムト秒レーザLOの照射を受けながら回転駆動θさせるには、Y軸駆動手段5上のワーク回転駆動部5A内に備える回転制御モータMMによりチャック7を回転駆動θさせて行われる。上記上下のY軸と左右のX軸と前後のZ軸の各駆動は、ガイドレール部材G1, G2, G3とY軸送りのモータM1及びZ軸送りのモータM2,X軸送りのモータM3により行われる。
上記レーザ加工機の多機能加工制御装置100を運転制御する加工制御部COの構成を説明する。図1と図2に示すように、上記各送りモータM1,M2,M3,回転制御モータMMや電磁式のシャッタ開閉手段SHで作動するシャッタSTやホモジナイザーHの切り換え手段HDや反射ミラーMの首振り手段MD等を駆動する加工制御部COを備えている。まず、多機能加工制御装置100の全体を総括的にコンピュータ管理するとともに装置全体の運転制御を支配する中央制御部CPUと、この中央制御部CPUに対して加工プログラミング情報を提供して円筒ワークWに任意な模様加工を実行させるプログラム手段PCと、このプログラム手段PCと中央制御部CPUからの指令で、各モータM1, M2,M3,MMやシャッタSTやホモジナイザーHの切り換え手段HDや反射ミラーMの首振り手段MDの駆動制御をプログラム通り運転させる数値制御部NCと、この数値制御部NCからの指令を受けて各モータM1, M2,M3,MMや各手段SH,HD,MDを駆動する駆動部DDとからなる。これらの機能を備えた上記加工制御部COの制御のもとに、各ユニット3,5,9,10,20,30, 各モータM1, M2,M3,MMや各手段SH,HD,MD等の駆動部DDが作動される。これに加えて、上記ワーク制御テーブル3のワーク移動ユニット60に搭載された円筒ワークWを三次元方向(X軸,Y軸,Z軸の三方向)に大きく移動させ、上記フェムト秒レーザLOを円筒ワークWの所定面積にわたり広範囲に照射させ、微細周期性溝等が所定面積に加工される。
続いて、上記レーザ加工ヘッド20において、光学系の全体構成の概要を説明する。
まず、上記円筒ワークWに微細周期性溝KMを加工する場合は、図2と図4に示すように、フェムト秒レーザ発振器10のレーザ出力部20Aからのフェムト秒レーザLOは、筒体42内のアイリスA1・シャッタST・凹レンズR1を介して進む。更に、基盤2の支持部40に保持された筒体49内に配置された平凸レンズR2とアイリスA2を介して進み、例えば、上記三連スライド式のホモジナイザーH(選択された周期性溝用ホモジナイザーH1,ディンプル加工用ホモジナイザーH2,混合加工用ホモジナイザーH3の何れか一つ)から平凸レンズ(集光レンズ)R3を介して筒体49の先端部49Aに至る。上記三連スライド式のホモジナイザーHにおいて、周期性溝用ホモジナイザーH1の機能は、上記フェムト秒レーザ光LOのエネルギー波形は、図4(b )に示す山形の二次曲線のもので両裾のエネルギーが利用されない。そこで、図4(c )に示すように、その特性を改善する周期性溝用ホモジナイザーH1によりエネルギー分布を矩形に整形し、エネルギー効率を限り無く100%にすることが可能だからである。従って、エネルギー効率を問題にしなければ、上記周期性溝用ホモジナイザーH1は省略することも可能である。即ち、フェムト秒レーザ光LOによる微細周期性溝KMの溝方向と加工面積は、フェムト秒レーザの偏光方向とフル−エンス(レーザ出力のエネルギー)に依存されるから、これらを制御しなければならない。ディンプル加工用ホモジナイザーH2は、図4(a )に示すように、一種のホログラムであり、集光部のエネルギー分布を制御する。即ち、ディンプル加工用ホモジナイザーH2は、その表面に微細な凹凸があり、この凹凸を通過するフェムト秒レーザLOの光が回折し、多数のエネルギー分布(エネルギー密度の高い複数のスポットS1〜S6)を生じさせる。このエネルギー分布により、ディンプルDPが加工される。尚、微細周期性溝KMとディンプルDPとを混合加工する混合加工用ホモジナイザーH3に切替えれば、図4(d )に示すように、均一なエネルギー分布SOとエネルギー密度の高い複数のスポットS1〜S6とが存在し、微細周期性溝KMとディンプルDPとが混在した複合加工が行なえる。
上記反射ミラーMの首振り手段MDの詳細構成を説明する。図3に示すように、先端筒49Aの長辺側にサーボモータ又はステッピングモータ式の首振り手段MDが付設されている。この首振り手段MDの回動片に上記反射ミラーMが付設されていて、上記駆動部DDからの首振り手段MDに対する回動指令で反射ミラーMを単位回動角度毎に微調節される。しかして、反射ミラーMに入射されるフェムト秒レーザLOは、その反射光を照射点P1〜P3の範囲内でワーク表面に照射させられる。
本発明の第1の実施の形態となる円筒ワークWを加工するレーザ加工機の多機能加工制御装置100は、以上のように構成され以下のように作用する。
まず、図5に示すように、円筒ワークWの表面に連続する微細周期性溝KM又は不連続な微細周期性溝KMを模様状に加工するには、上記レーザ加工ヘッド20において、プログラム手段PCにより予め手入力で作られた図6に示す入力手順と自動運転のフローチャートと、図7に示すZ軸駆動手段9により、加工幅(所定幅に設定して加工)を間欠移動(ステップ移動)又は連続移動(螺旋移動)させる移動制御と、図8に示す自動運転加工フローチャートにより実行される。上記入力手順と自動運転のフローチャートは、先ず、「スタート」で、「入力操作」となり、Z軸駆動手段9の送りを「間欠移動又は連続移動」の何れかに手動操作で「選択」される。この入力内容は、「ワークポイントX,Y,ワークスタートポイントZ」「セーフティハイト、ピッチZ、送りZ、ローテーション選択、ローテーション速度、ローテーション番号」である。続いて、「自動運転」に入り、「レーザ発振」、「シャッタ」の開閉制御及び反射ミラーMの反射光方向LOを制御する首振り手段MDの角度制御のもとに、「プログラム自動運転」が開始され各ユニット3,5,9,10,20,30, 各モータM1, M2,M3,MMや各手段ST,HD,MD等が駆動部DDにより作動される。加工が終了したところで、「シャッタ」の閉口と「レーザ停止」により「加工終了」になっている。上記プログラム自動運転は、図6と図8に示すフローチャートのようにプログラムされている。先ず、「自動運転の開始」により「Z軸駆動手段の軌跡選択(間欠移動/連続移動)と「ホモジナイザの選択(H1, H2, H3)」と「ワーク加工原点合せ/加工ヘッドの原点合せ」の後に、「ワーク内周面への一周目の加工開始(ワーク回転/レーザ発振/シャッタの開閉制御/反射ミラーの首振り)」が実行される。これで、「一周目の加工終了」になると、「二周目へのZ軸駆動手段による軌跡変更(ワーク回転/レーザ発振/シャッタ、一周目と逆の反転開閉制御/反射ミラーの首振り)」が実行される。この「二周目の加工終了」に続いて、「三周目へのZ軸駆動手段による軌跡変更(ワーク回転/レーザ発振/シャッタ、二周目と逆の反転開閉制御/反射ミラーの首振り)」・・・「N周目へのZ軸駆動手段による軌跡変更とワーク回転/レーザ発振/シャッタ、前回と逆の反転開閉制御/反射ミラーの首振り)」、そして、「N周目の加工終了(シャッタの閉口/レーザ停止/原点復帰/反射ミラーの原位置復帰)」、最後に「加工終了」となる。加工終了とともに、シャッタSTが閉じられてフェムト秒レーザLOを遮断する。尚、上記Z軸駆動手段によりワークを軸芯方向へ自動送りでき、また、ホモジナイザの選択(H1, H2, H3)により各種模様パターンが広範囲にわたり加工できる。
ここで、実際の運転状態を、図5により説明する。上記レーザ加工ヘッド20は、これに入力したフェムト秒レーザLOを、シャッタSTがこのシャッタ開閉手段SHによる開閉制御で遮光制御される。続いて、切り換え手段HDで選択された例えば、周期性溝用ホモジナイザーH1によりエネルギー分布が改善された制御可能な直線偏光となる。更に、上記フェムト秒レーザLOは反射ミラーMの首振り手段MDにより回転軸線O1の方向から外径方向の外周に向けて進められる。即ち、図3に示すように、円筒ワークWの内周面W1に向けて照射されたフェムト秒レーザLOは、その照射点をP1〜P3の範囲内で自由なスタート位置に照射される。即ち、加工原点となるスタート位置P1に位置決め固定される。ここで、フェムト秒レーザLOは、上記シャッタSTによる開閉制御で同期されるとともに、円筒ワークWを把持するワーク移動ユニット60上のチャック7を回転制御モータMMにより回転駆動θさせながら円筒ワークの内周面の周囲に照射させ、ナノ周期構造の微細周期性溝KMを同一方向に一周分だけ整列加工(図5のように間欠加工)される。上記のように、一周分だけ間欠的に整列加工された微細周期性溝KMは、図7に示すように、加工が二周目、三周目・・・へと移行させるには、円筒ワークWを把持するチャック手段7をZ軸駆動手段9により間欠移動で段階的又は連続移動で連続的に加工を進められる。その手順は、上記で説明した図8のフローチャートのように実行される。
尚、上記レーザ加工機の多機能加工制御装置100において、Z軸駆動手段9の送りを[休止状態」にしたままで、自動運転させることも可能である。この時の実施形態は、上記首振り手段MDにより反射ミラーMを首振りさせ、この反射ミラーで反射されるフェムト秒レーザLOの照射点をP1〜P3の範囲内で照射方向を変えた加工が実行される。しかして、比較的に狭い加工幅のときは、チャック手段7をZ軸駆動手段9によりZ軸方向へ進退移動させなくても良く、高精度のもとにリモート加工が実施できる。具体例は図9に示すように、軸物ワークW3の外周面W4に任意模様( 周期性溝用ホモジナイザーH1又はディンプル加工用ホモジナイザーH2又は混合加工用ホモジナイザーH3の何れか一つの選択により) が加工される。その加工手順は、チャック7に軸物ワークW3を取り付け、その表面となる外周面W4にフェムト秒レーザLOがシャッタSTとホモジナイザーHと首振り手段MDにより首振りされる反射ミラーMからの反射光として照射される。上記フェムト秒レーザLOの照射点は、P1〜P3の範囲内で照射方向が制御されることとなる。従って、フェムト秒レーザLOの照射点をP1から加工をスタートさせ、上記軸物ワークW3を、上記レーザ加工ヘッド20の先端でフェムト秒レーザLOの照射を受けながら回転駆動θさせるには、Y軸駆動手段5上のワーク回転駆動部5A内に備える回転制御モータMMによりチャック7を回転駆動θさせて行われる。上記軸物ワークW3の一回転とともに、首振り手段MDにより首振りされる反射ミラーMからの反射光を所定の送りピッチで照射点P3の方向へ連続移動( 螺旋状移動) 又は間欠移動されて行き、所定幅Lが加工される。この加工には、Z軸駆動手段9の駆動制御は[休止状態」にしたままで実行される。この運転時も、図8に示す自動運転加工フローチャートと同様にして実行される。
以上、本実施の形態のレーザ加工機の多機能加工制御装置100によれば、下記の効果が発揮される。まず、円筒ワークWの内周面W1や軸物ワークW3の外周面W4等の表面に連続する微細周期性溝KM又は不連続な微細周期性溝KMや微細周期性溝KMまたはディンプルDPまたはこれらの混合溝について、要求する最良な模様が効率良く加工できる。また、首振り手段MDで首振りされる反射ミラーMは、この反射光を所定の送りピッチで照射点P1から加工をはじめ照射点P3に向けて移動させることで、所定幅Lに効率良くリモート加工できる。更に、具体的な加工部品を例示すれば、エンジンのシリンダ、クランク軸、回転軸、円筒体の内周面や外周面等の表面に対して多彩な模様を織りなす溝に加工でき、この溝に潤滑油が溜まって、シリンダ面の滑り摩擦抵抗やクランク軸の外周面の回転摩擦抵抗を極限まで減らすことができる。
続いて、図10〜図19を参照して本発明の第2の実施の形態のレーザ加工機の多機能加工制御装置200について説明する。図10は円筒ワークの内周面や外周面に対する多機能加工制御装置の全体構成図で、特に内周面の加工例を示す。図11は加工ヘッドの断面図、図12はレーザ加工ヘッドの回転駆動手段と反射ミラー首振りの断面図、図13はλ/ 2板と反射ミラーとの作用図、図14はホモジナイザーの構成図、図15は円筒ワークの内周面に周期構造体を加工する加工ヘッドの構成図、図16は軸状ワークの外周面に周期構造体を加工する加工ヘッドの構成図、図17はPCプログラム手段への入力手順と自動運転のフローチャート図、図18はZ軸駆動手段による移動方法と加工軌跡の説明図、図19はPCプログラム手段によるプログラム自動運転のフローチャート図である。
該レーザ加工機の多機能加工制御装置200は、直線偏光のフェムト秒レーザLOを発振するフェムト秒レーザ発振器10と、加工装置の中枢部となるレーザ加工ヘッド20と、円筒ワークW5をチャック7で着脱自在に把持するとともに三次元方向(X軸,Y軸,Z軸の三方向)に移動させるワーク移動ユニット60と、からなる。まず、上記フェムト秒レーザ発振器10とレーザ加工ヘッド20とは、防振台1の基盤2上に水平姿勢の横向きに搭載されている。上記フェムト秒レーザ発振器10は、公知なものであるから詳細構成を省略して概要説明すれば、発振源となるレーザ発振部10Aとこの発振を調整するファイバーレーザ発振器10Bとパルスストレッチャー10CとTi:sapphire再生増幅器10Dとパルスコンプレッサー10Eとレーザパワー減衰器10Fと励起用パルスグリーンレーザ10Gと電源制御部10Hと筐体温度安定化用冷却装置10Iとにより構成されている。上記レーザ加工ヘッド20には、その入力側にフェムト秒レーザLOを受け入れ任意に出力遮断(出力制御)する電磁式のシャッタ開閉手段SHで開閉するシャッタSTと、三連スライド式のホモジナイザーHの切り換え手段HDとを装備し、上記フェムト秒レーザ発振器10の出力がレーザ入力部20Aに繋がれている。また、上記レーザ加工ヘッド20の出力側には、円筒ワークW5に向けてフェムト秒レーザLOを照射する外筒49を備えている。上記三連スライド式のホモジナイザーHは、エネルギー効率を改善する周期性溝用ホモジナイザーH1とディンプル加工用ホモジナイザーH2と両者の混合加工用ホモジナイザーH3の三種類からなり、適宜に切替え選択される。上記周期性溝用ホモジナイザーH1又はディンプル加工用ホモジナイザーH2又は混合加工用ホモジナイザーH3の何れか一つを通過するフェムト秒レーザLOは、これを集光する集光レンズR3に至る。更に、上記外筒49内の出口側には、フェムト秒レーザLOを受光し外部へ反射させる反射ミラーMと、この反射光方向LOを制御する首振り手段MDとを備えている。上記反射ミラーの外周囲には、円筒ワークW5のワーク内周面W6に照射すべく把持するチャック7と、上記チャックを搭載するワーク移動ユニット60と、を備えたワーク制御テーブル3が配置されている。
上記ワーク制御テーブル3に搭載したワーク移動ユニット60は、図10において、チャック7に把持された円筒ワークW5をX軸方向(図示の前後方向)に移動させるX軸駆手段30と、これに搭載されて円筒ワークW5をZ軸方向(図示の左右方向)に移動させるZ軸駆動手段9と、このZ軸駆動手段9上のコラム9Aに搭載されてY軸方向(図示の上下方向)に移動させるY軸駆動手段5と、この前壁面に配置したワーク回転駆動部5Aと、この前部に配置したチャック7とからなる。しかして、上記円筒ワークW5は、上記レーザ出力部20Aの軸芯(回転中心)O1に対してその軸芯(回転中心)O2を一致させるべく、Y軸駆動手段5と、これを左右X軸の方向に移動させるX軸駆動手段30との組み合わされたXY移動テーブルの機能により微動送りで位置合わせが行われる。また、上記レーザ出力部20Aに対する円筒ワークW5の挿入深さ位置ZAの設定は、上記X軸駆動手段30に搭載されたZ軸駆動手段9を前後方向となる−Z軸方向(図示の左側方向)又は+Z軸方向(図示の右側方向)へ微動させて行う。更に、上記円筒ワークW5を、上記レーザ加工ヘッド20の先端でフェムト秒レーザLOの照射を受けながら回転駆動θさせるには、Y軸駆動手段5上のワーク回転駆動部5A内に備える回転制御モータMMによりチャック7を回転駆動θさせて行われる。上記上下のY軸と左右のX軸と前後のZ軸の各駆動は、ガイドレール部材G1, G2, G3とY軸送りのモータM1及びZ軸送りのモータM2,X軸送りのモータM3により行われる。
更に、上記円筒ワークW5は、これをチャック7で把持するY軸駆動手段5を乗せたZ軸駆動手段9により第二回転筒体49の軸芯方向O1に円筒ワークW5をこの軸芯方向O2へ移動させることで、上記フェムト秒レーザLOを円筒ワークW5の内周面に所定幅だけ照射させ、微細周期性溝が所定幅だけ整列加工される。更に、Y軸駆動手段5や第一回転筒体41及び第二回転筒体49とを、一定の関係のもとに回転させ、Z軸駆動手段9の進退制御と絡めての三次元形状の円筒ワークW5の内周面に倣う制御運転が可能である。また、上記Z軸駆動手段9の進退制御と絡めても良く、絡めなくても良いが、加工制御部COにより首振り手段MDを駆動することで反射ミラーMの照射方向を変更制御させ、フェムト秒レーザLOを円筒ワークW5の内周面W6に所定幅だけスキャン照射させられる構成になっている。
続いて、上記多機能加工制御装置200は、上記各送りモータM1,M2,M3と、ワーク回転駆動部5Aの回転制御モータMMと、シャッタSTの電磁式のシャッタ開閉手段SHと、後記する回転駆動手段SD(旋回モータMOで、λ/ 2板Pと反射ミラーMとを1対2の回転比で駆動する)と、ホモジナイザーHの切り換え手段HDと、反射ミラーMを首振り制御する首振り手段MDと、を駆動する加工制御部COが備えられている。この加工制御部COは、多機能加工制御装置200の全体を総括的にコンピュータ管理するとともに装置全体の運転制御を支配する中央制御部CPUと、この中央制御部CPUに対して加工プログラミング情報を提供して円筒ワークW5の内周面W6に任意な模様加工を実行させるプログラム手段PCと、このプログラム手段PCと中央制御部CPUからの指令で、各モータMO,MO2,M1, M2,M3,MMやシャッタSTのシャッタ開閉手段SHやホモジナイザーHの切り換え手段HDと、反射ミラーMの首振り手段MD等をプログラム通り運転させる数値制御部NCと、この数値制御部NCからの指令を受けて各モータMO,MO2,M1, M2,M3,MMや各手段SH,HD,MDを駆動する駆動部DDからなる。尚、上記回転駆動手段SDにより、λ/ 2板Pが設けられた第一回転筒体41を、反射ミラーMが設けられた第二回転筒体49に対して1/2の回転量で回転駆動される。これにより、フェムト秒レーザLOの直線偏光の偏光方向の向きを変えることなく円筒ワークW5の内周面W6に周期性溝KMが同一方向に整列加工される。
上記レーザ加工ヘッド20において、中枢部となる第一回転筒体41を第二回転筒体49の1/2の回転量で両筒体を回転駆動させる回転駆動手段SDについて、図12により説明する。先ず、上記防振台1の基盤2上には、上記レーザ加工ヘッド20を水平姿勢に支持する支持体40がその回転軸芯O1を水平方向にして、座板40AをボルトBで固着されている。上記支持体40内の後端側(図示の右端)には、短身で回転自在な第一回転筒体41が軸受手段を介して支持されており、この第一回転筒体41のレーザ光源側が軸受手段を介した連絡筒42によりレーザ出力部20Aに繋がれている。上記連絡筒42には、光学系となる平凹レンズR1を備え、上記第一回転筒体41の筒内先端には、平凸レンズR2・光学偏光素子となるλ/ 2板Pが取り付けられている。更に、上記支持体40内の先端側(図示の左端)には、第二回転筒体49が軸受手段を介して支持されており、第一回転筒体41と第二回転筒体49とは、回転駆動手段SDにより回転される。即ち、第一回転筒体41の外周にプーリー43を備え、これが旋回モータMOの回転軸47に取り付けたプーリー44(プーリー43の1/4の歯数)と確動ベルトKB1で繋がれている。尚、上記第一旋回モータMOは、支持体40から突設したフランジ46に保持され、回転軸47が上記支持体40に取り付けた軸受体48に回転自在に支持されている。上記支持体40内の先端側(外周体W側)には、短身で回転自在な第二回転筒体49が軸受手段を介して支持されている。この第二回転筒体49の外周にプーリー50を備え、これが旋回モータMOの回転軸47に取り付けたプーリー51(プーリー50の1/2の歯数)と確動ベルトKB2で繋がれている。これにより、第二回転筒体49は第一回転筒体41の1/2の回転量で両筒体が回転駆動されるとともに、旋回モータMOで、上記λ/ 2板Pの回転が反射ミラーMの1/2の回転数で回転させられる。
上記レーザ加工ヘッド20の機能(作用)の概要を説明する。
まず、上記円筒ワークW5の内周面W6に微細周期性溝KMを加工する場合は、図11〜図15に示すように、レーザ出力部20Aからのフェムト秒レーザLOは、アイリスA1・シャッタSTを介して進み、更に、レーザ加工ヘッド20の第一回転筒体41内の平凸レンズR2とλ/ 2板PとアイリスA2を介して進み、更に、第二回転筒体49内の周期性溝用ホモジナイザーH1から平凸レンズ(集光レンズ)R3を介して先端の反射ミラーMに至る。上記周期性溝用ホモジナイザーH1にする理由は、上記フェムト秒レーザ光LOのエネルギー波形は、図14(b )に示す山形の二次曲線のもので両裾のエネルギーが利用されない。そこで、図14(c )に示すように、その特性を改善する周期性溝用ホモジナイザーH1によりエネルギー分布を矩形に整形し、エネルギー効率を限り無く100%にすることが可能だからである。従って、エネルギー効率を問題にしなければ、上記周期性溝用ホモジナイザーH1は省略することも可能である。続いて、反射ミラーMで外径方向に曲げられたフェムト秒レーザLOは、円筒ワークW5の内周面W6に直線偏光の形(直径2mm前後)で照射される。即ち、フェムト秒レーザ光LOによる微細周期性溝KMの溝方向と加工面積は、フェムト秒レーザの偏光方向とフル−エンス(レーザ出力のエネルギー)に依存されるから、これらを制御しなければならない。従って、本発明の多機能加工制御装置200のように、三次元形状の円筒ワークW5の内周面W6を加工するに際して、フル−エンス(レーザ出力のエネルギー)が一定した状態では、フェムト秒レーザ光LOの直線偏光の方向を反射ミラーMの回転に伴って制御しなければならない。具体的には、上記第一回転筒体41の光学経路上に入れた上記λ/ 2板Pを、第二回転筒体49内の反射ミラーMとの回転位置の調節により、フェムト秒レーザLOの直線偏光の照射方向が制御される。即ち、図13に示すように、反射ミラーMの1回転(θh )に対して、λ/ 2板Pを半回転θp させること円筒ワークWの内面に一様な方向(図示では、円筒ワークW5の軸芯方向にほぼ向けて整列させた方向)に微細周期性溝KMがシャッタSTの開閉制御により間欠的な加工が行われ、例えば市松模様となる。
ここで、上記λ/ 2板Pの機能説明をすれば、図13に示すように、上記フェムト秒レーザLOは、光束に直交する方向の偏光成分(S成分とP成分)を持っている。この偏光成分に位相差(1/2波長分に変化)を与える。また、位相差π(180°)を与えるものをλ/2板と言い、直線偏光の偏光方向のみを90°方向の向きに変える。本発明では、λ/2板Pが標準仕様として使用されるが、λ/4板を使用した特殊仕様としても実施可能である。上記直線偏光のフェムト秒レーザLOが、λ/2板Pと反射ミラーMを通過して円筒ワークW5の内周面W6に照射される直線偏光との関係を図13で説明する。フェムト秒レーザ光LOの偏光方向に対して、λ/2板Pを回転させることでこのλ/2板Pを通過するフェムト秒レーザ光LOの偏光方向をその回転角量だけ変えられる。従って、反射ミラーMを回転させて、円筒ワークWの内周面W1を加工するには、図13に示すように、反射ミラーMの2回転(θh )に対して、λ/2板Pを1回転(θp )させることで内周面に一様な方向に整列された微細周期性溝KMが加工される。従って、反射ミラーMの2回転(θh )に対して、λ/2板Pを1回転(θp )に回転させることで、内周面に一定方向へ傾いた微細周期性溝KMが加工されることを意味する。
次に、上記円筒ワークW5の内周面W6にディンプルDPを加工する場合は、図16に示すように、フェムト秒レーザ発振器10のレーザ出力部20Aからのフェムト秒レーザ光LOは、アイリスA1・シャッタST・凹レンズR1を介して進み、更にレーザ加工ヘッド20の第一回転筒体41内の平凸レンズR2とλ/ 2板P、アイリスA2と、切り換え手段HDで切り替えられるディンプル加工用ホモジナイザーH2を介して進み、更に第二回転筒体49内の平凸レンズ(集光レンズ)R3を介して先端の反射ミラーMに至る。この後、反射ミラーMで外径方向に曲げられたフェムト秒レーザ光LOは、円筒ワークW5の内周面W1に照射される。即ち、フェムト秒レーザLOによるディンプルDPは、円筒ワークW5の内周面を加工するに際して、光学経路上の第二回転筒体49内にディンプル加工用ホモジナイザーH2を入れたフェムト秒レーザLOにより、ディンプルDPが加工される。上記ディンプル加工用ホモジナイザーH2は、図14(a )に示すように、一種のホログラムであり、集光部のエネルギー分布を制御する。即ち、ディンプル加工用ホモジナイザーH2は、その表面に微細な凹凸があり、この凹凸を通過するフェムト秒レーザLOの光が回折し、多数のエネルギー分布(エネルギー密度の高い複数のスポットS1〜S6)を生じさせる。このエネルギー分布により、ディンプルDPが加工される。尚、微細周期性溝KMとディンプルDPとを混合加工する混合加工用ホモジナイザーH3に切替えれば、図14(d )に示すように、均一なエネルギー分布SOとエネルギー密度の高い複数のスポットS1〜S6とが存在し、微細周期性溝KMとディンプルDPとが混在した複合加工が行われる。
本発明のレーザ加工機の多機能加工制御装置200は、上記構成要件からなり、以下のように作用する。
先ず、図15に示すように、円筒ワークW5(例えば、シリンダの内周面)に不連続な微細周期性溝KMの「市松模様」を加工するには、レーザ加工ヘッド20において、プログラム手段PCにより作られた図17のPCプログラム手段への入力手順と自動運転のフローチャートと、図19のプログラム自動運転のフローチャート図と、図18に示すZ軸駆動手段による間欠移動(ステップ)又は連続移動(スパイラル)により実行される。先ず、上記PCプログラム手段への入力手順と自動運転のフローチャートは、「スタート」で、Z軸駆動手段9の送りを「間欠移動又は連続移動」の何れかに手動操作で「入力操作」して「選択」される。間欠移動(ステップ)に選択した時の入力内容は、「ワークポイントX,Y,ワークスタートポイントZ」「セーフティハイト、ピッチZ、送り、ローテーション選択、ローテーション速度、ローテーション番号」となる。また、連続移動(スパイラル)に選択した時の入力内容は、「ワークポイントX,Y,ワークスタートポイントZ」「セーフティハイト、Z軸送り、Z軸方向、ローテーション選択、ローテーション速度、ローテーション番号」となる。
続いて、図19のプログラム自動運転のフローチャートに示す「自動運転」に入る。ここで、「レーザ発振」、「シャッタST」の開閉制御、「反射ミラーM」の方向制御のもとに、「プログラム自動運転」が開始され各モータや各ユニット3,5,9,10,20,30, 各モータMO,M1, M2,M3,MMや各手段SH,HD,MD等を駆動部DDによ作動される。加工が終了したところで、「シャッタ手段」の閉口と「レーザ停止」により「加工終了」になる。上記プログラム自動運転は、「自動運転の開始」により「Z軸駆動手段の軌跡選択(間欠移動/連続移動)「ホモジナイザの選択(H1, H2, H3)」と「ワーク加工原点合せ/加工ヘッドの原点合せ」の後に、「ワーク内周面への一周目の加工開始(λ/ 2板とミラーの1回転・ワーク回転/レーザ発振/シャッタの開閉制御/首振り手段MDによるミラー回動) 」「一周目の加工終了」「二周目へのZ軸駆動手段による軌跡変更(λ/ 2板とミラーの1回転・ワーク回転/レーザ発振/シャッタの一周目と逆の反転開閉制御/首振り手段MDによるミラー回動)」「二周目の加工終了」「三周目へのZ 軸駆動手段による軌跡変更(λ/ 2板とミラーの1回転・ワーク回転/レーザ発振/シャッタの二周目と逆の反転開閉制御/首振り手段MDによるミラー回動)」・・・「N周目へのZ軸駆動手段9による軌跡変更(λ/ 2板とミラーの1回転・ワーク回転/レーザ発振/シャッタの前回と逆の反転開閉制御/首振り手段MDによるミラー回動)」。そして、「N周目の加工終了(シャッタの閉口/レーザ停止/首振り手段MDの原位置復帰)」、最後に「加工終了」となる。
しかして、実際の運転においては、図15に示すように、上記レーザ加工ヘッド20は、このレーザ出力部20Aに入力したフェムト秒レーザLOを、シャッタSTによる開閉制御で第一回転筒体41のλ/ 2板Pに入射される。続いて、切り換え手段HDで選択された、例えば周期性溝用ホモジナイザーH1でエネルギー分布が改善された制御可能な直線偏光となる。更に、上記フェムト秒レーザLOは、第二回転筒体49の反射ミラーMにより回転軸線O1の方向から外径方向の外周に向けて首振り手段MDで方向制御されて所定の方向に進み、円筒ワークW5の内周面W6に向けて照射される。このとき、上記第一回転筒体41と第二回転筒体49とが回転駆動手段SDにより回転される。即ち、図15に示すように、上記λ/ 2板Pを備えた第一回転筒体41が回転されるに際して、上記第一回転筒体41を反射ミラーが備えた第二回転筒体49の1/2の回転量で回転させることで、上記フェムト秒レーザLOを円筒ワークの内周面の全周に照射されてナノ周期構造の微細周期性溝KMが同一方向に、一周分だけ間欠的に整列加工される。
続いて、一周分だけ間欠的に整列加工された微細周期性溝KMを二周目、三周目と段階的に加工を進めるには、円筒ワークW5を把持するチャック手段7をZ軸駆動手段9で第二回転筒体49の軸芯方向O1へのフェムト秒レーザの出力(シャッタSTで開閉制御)と同期させて移動させると、上記フェムト秒レーザが円筒ワークの内周面W6に円周に沿って間欠的に照射されるとともに、内周面W6の軸芯方向には、二周目、三周目の微細周期性溝が同一方向に所定幅だけ整列加工される。即ち、Z軸駆動手段9を+Z軸方向(第二回転筒体49側)へ前進させて行なわれる。しかして、円筒ワークW5の内周面W6には、図18に示すように、Z軸駆動手段9の2通りの移動方法とその加工軌跡による加工が行なわれる。即ち、図18(a)は、第二回転筒体49の1回転毎に、Z軸駆動手段9を所定量毎の1ピック送りを繰り返した間欠移動により、内周面W6に対して周期構造体を所定幅に加工される。また、図18(b)は、第二回転筒体49の1回転毎に、Z軸駆動手段9を所定量の1ピック送りをネジ棒送りのように連続移動されスパイラル状に加工される。これにより、内周面W6に対して周期構造体を所定幅に加工される。加工終了とともに、シャッタSTが閉じられてフェムト秒レーザLOを遮断する。その加工結果は、図15に示すように、連続した周期性の微細周期性溝KMが同一方向に市松模様に整列加工される。尚、微細周期性溝KMの加工幅L( 照射点P1〜P3) は、Z軸駆動手段9による+Z軸方向(第二回転筒体49側)への前進量で大幅寸法に制御するか、又は、首振り手段MDによるミラーMの回動量により繊細に制御される。また、微細周期性溝KMに替えてディンプルDPを加工するには、切り換え手段HDによりディンプル加工用ホモジナイザーH2に切り替えられる。更に、両者の混合加工用ホモジナイザーH3に切り替えれば、微細周期性溝KMとディンプルDPとの混合加工が行われる。
また、回転軸やエンジンのクランク軸等の軸状ワークW7の外周面W8に周期構造体を加工するには、図16に示すような加工形態とすれば良い。即ち、軸状ワークW7はチャック7に装着され、反射ミラーMから反射されるフェムト秒レーザLOを受光する位置に配置される。この配置制御は、ワーク移動ユニット60により行われる。また、フェムト秒レーザLOの照射ポイントを、スタート位置P1から終点位置P3の所定の加工幅Lにする制御は、上記Z軸駆動手段9に替えて、首振り手段MDによるミラー回動によっても行われる。更に、軸状ワークW7の外周面W8の全周面にフェムト秒レーザLOを照射させるには、Y軸駆動手段5上のワーク回転駆動部5A内に備える回転制御モータMMによりチャック7を回転駆動θ1させて行われる。上記加工条件にセットアップさせた状態で、上記各実施形態と同様にプログラム自動運転のフローチャートに示す「自動運転」により、周期構造体の各種模様の加工が実行される。上記反射ミラーMは、首振り手段MDでフェムト秒レーザLOの照射方向を自由に制御されるから、図16に示すように、照射点P1から離れた照射点P3へのワープが瞬間的に行われ、加工能率を著しく改善させられる。
以上、本発明の第2の実施の形態となるレーザ加工機の多機能加工制御装置200によれば、下記の効果が発揮される。
即ち、円筒ワークW5の内周面W6や軸状ワークW7の外周面W8に対して、周期構造体を加工するに対して、微細周期性溝またはディンプルを単一的または複合的に効率良く市松模様や任意な模様パターンに加工できる。その加工幅Lも円筒ワークW5や軸状ワークW7をZ軸駆動手段9によりZ軸方向へ移動させるか、又は、首振り手段MDによるミラーMの回動量によりフェムト秒レーザLOの照射方向を制御してできる。特に、首振り手段MDによるミラーMの回動量制御により、照射点P1から離れた照射点P3へのワープが瞬間的に行われ、加工能率を著しく改善できる。しかして、ワークには、任意寸法の加工幅に微細周期性溝KMまたはディンプルDPまたはこれらの混合溝が効率良く加工できる。上記ワークが例えば、シリンダブやクランク軸であれば、多数の溝に潤滑油が溜まってエンジンにおけるピストン往復運動の全ストローク区間において、ピストンとシリンダ間の摩擦抵抗を極限まで効率良く減らすことができる。また、クランク軸の摩擦抵抗を極限まで効率良く減らすことができる。
本発明のレーザ加工機の多機能加工制御装置100,
200は、発明の要旨内での設計変更や仕様変更が自由にできる。例えば、図20〜図24に示す第3の実施の形態のレーザ加工機の多機能加工制御装置300は、上記多機能加工制御装置200のレーザ加工ヘッド20において、回転駆動手段SDの設計変更により、λ/ 2板Pの回転を、反射ミラーMの1/2の回転量で回転駆動させず、自由に可変速制御することで、内周面W6に対する周期性溝KMの方向が自由に調節されながら加工できるようにしたものである。即ち、回転駆動手段SD´の構成は、図20〜図22に示すように、λ/ 2板Pを回転させる第一旋回モータMOと、反射ミラーMを回転させる第二旋回モータMO2とを別設としている。
すなわち、上記回転駆動手段SD´の構成は、まず、上記防振台1の基盤2上に、上記レーザ加工ヘッド20を水平姿勢に支持する支持体40がその回転軸芯O1を水平方向にして、座板40AをボルトBで固着されている。上記支持体40内の後端側(図示の右端)には、短身で回転自在な第一回転筒体41が軸受手段を介して支持されており、この第一回転筒体41のレーザ光源側が軸受手段を介した連絡筒42によりレーザ出力部20Aに繋がれている。上記連絡筒42には、光学系となる平凹レンズR1を備え、上記第一回転筒体41の筒内先端には、平凸レンズR2・光学偏光素子となるλ/ 2板Pが取り付けられている。更に、上記支持体40内の先端側(図示の左端)には、第二回転筒体49が軸受手段を介して支持されており、第一回転筒体41と第二回転筒体49とは、回転駆動手段SDにより回転される。即ち、第一回転筒体41の外周にプーリー43を備え、これが第一旋回モータMOの回転軸47に取り付けたプーリー44(プーリー43の1/4の歯数)と確動ベルトKB1で繋がれている。尚、上記第一旋回モータMOは、支持体40から突設したフランジ46に保持され、回転軸47が上記支持体40に取り付けた軸受体48に回転自在に支持されている。上記支持体40内の先端側(外周体W側)には、短身で回転自在な第二回転筒体49が軸受手段を介して支持されている。この第二回転筒体49の外周にプーリー50を備え、これが別設の第二旋回モータMO2の回転軸47´に取り付けたプーリー51(プーリー50の1/2の歯数)と確動ベルトKB2で繋がれている。これにより、第二回転筒体49は第一回転筒体41の1/2の回転量で両筒体が回転駆動されるとともに、各々の旋回モータMO,MO2の回転数を可変速制御することで、上記λ/ 2板Pの回転が反射ミラーMの1/2の回転数以外に増速回転又は減速回転させられる。尚、その他の構成は、上記第2の実施の形態における図13と図14と図17〜図19と同一構成に付き、同図を併用するとともにその説明を省略する。周期構造体を加工する加工ヘッドの構成図は、図23のようになる。
本発明のレーザ加工機の多機能加工制御装置300は、上記構成要件からなり、以下のように作用する。
先ず、上記第2の実施の形態における図15と同様に、円筒ワークW5(例えば、シリンダの内周面)に不連続な微細周期性溝KMの「市松模様」を加工するには、レーザ加工ヘッド20において、プログラム手段PCにより作られた図17の加工フローチャートと、図19のプログラム自動運転のフローチャート図と、図18に示すZ軸駆動手段による間欠移動(ステップ)又は連続移動(スパイラル)により実行される。上記加工フローチャートは、先ず、「スタート」で、Z軸駆動手段9の送りを「間欠移動又は連続移動」の何れかに手動操作で「入力操作」して「選択」される。間欠移動(ステップ)に選択した時の入力内容は、「ワークポイントX,Y,ワークスタートポイントZ」「セーフティハイト、ピッチZ、送り、ローテーション選択、ローテーション速度、ローテーション番号」となる。また、連続移動(スパイラル)に選択した時の入力内容は、「ワークポイントX,Y,ワークスタートポイントZ」「セーフティハイト、Z軸送り、Z軸方向、ローテーション選択、ローテーション速度、ローテーション番号」となる。
続いて、上記第2の実施の形態における図19と同様に、プログラム自動運転のフローチャートに示す「自動運転」に入る。ここで、「レーザ発振」、「シャッタST」の開閉制御、「反射ミラーM」の方向制御のもとに、「プログラム自動運転」が開始され各モータや各ユニット3,5,9,10,20,30, 各モータMO,MO2,M1, M2,M3,MMや各手段SH,HD,MD等を駆動部DDによ作動される。加工が終了したところで、「シャッタ手段」の閉口と「レーザ停止」により「加工終了」になる。上記プログラム自動運転は、「自動運転の開始」により「Z軸駆動手段の軌跡選択(間欠移動/連続移動)「ホモジナイザの選択(H1, H2, H3)」と「ワーク加工原点合せ/加工ヘッドの原点合せ」の後に、「ワーク内周面への一周目の加工開始(λ/ 2板とミラーの1回転・ワーク回転/レーザ発振/シャッタの開閉制御開閉制御/首振り手段MDによるミラー回動) 」「一周目の加工終了」「二周目へのZ軸駆動手段による軌跡変更(λ/ 2板とミラーの1回転・ワーク回転/レーザ発振/シャッタの一周目と逆の反転開閉制御/首振り手段MDによるミラー回動)」「二周目の加工終了」「三周目へのZ 軸駆動手段による軌跡変更(λ/ 2板とミラーの1回転・ワーク回転/レーザ発振/シャッタの二周目と逆の反転開閉制御/首振り手段MDによるミラー回動)」・・・「N周目へのZ軸駆動手段9による軌跡変更(λ/ 2板とミラーの1回転・ワーク回転/レーザ発振/シャッタの前回と逆の反転開閉制御/首振り手段MDによるミラー回動)」。そして、「N周目の加工終了(シャッタの閉口/レーザ停止/首振り手段MDの原位置復帰)」、最後に「加工終了」となる。
しかして、実際の運転においては、上記第2の実施の形態における図15と同様に、上記レーザ加工ヘッド20は、このレーザ出力部20Aに入力したフェムト秒レーザLOを、シャッタSTによる開閉制御で第一回転筒体41のλ/ 2板Pに入射される。続いて、切り換え手段HDで選択された、例えば周期性溝用ホモジナイザーH1でエネルギー分布が改善された制御可能な直線偏光となる。更に、上記フェムト秒レーザLOは、第二回転筒体49の反射ミラーMにより回転軸線O1の方向から外径方向の外周に向けて首振り手段MDで方向制御されて所定の方向に進み、円筒ワークW5の内周面W6に向けて照射される。このとき、上記第一回転筒体41と第二回転筒体49とが回転駆動手段SDにより回転される。即ち、図15に示すように、上記λ/ 2板Pを備えた第一回転筒体41が回転されるに際して、上記第一回転筒体41を反射ミラーが備えた第二回転筒体49の1/2の回転量で回転させることで、上記フェムト秒レーザLOを円筒ワークの内周面の全周に照射されてナノ周期構造の微細周期性溝KMが同一方向に、一周分だけ間欠的に整列加工される。
続いて、一周分だけ間欠的に整列加工された微細周期性溝KMを二周目、三周目と段階的に加工を進めるには、円筒ワークW5を把持するチャック手段7をZ軸駆動手段9で第二回転筒体49の軸芯方向O1へのフェムト秒レーザの出力(シャッタSTで開閉制御)と同期させて移動させると、上記フェムト秒レーザが円筒ワークの内周面W6に円周に沿って間欠的に照射されるとともに、内周面W6の軸芯方向には、二周目、三周目の微細周期性溝が同一方向に所定幅だけ整列加工される。即ち、Z軸駆動手段9を+Z軸方向(第二回転筒体49側)へ前進させて行なわれる。しかして、円筒ワークW5の内周面W6には、図18に示すように、Z軸駆動手段9の2通りの移動方法とその加工軌跡による加工が行なわれる。即ち、図18(a)は、第二回転筒体49の1回転毎に、Z軸駆動手段9を所定量毎の1ピック送りを繰り返した間欠移動により、内周面W1に対して周期構造体を所定幅に加工される。また、図18(b)は、第二回転筒体49の1回転毎に、Z軸駆動手段9を所定量の1ピック送りをネジ棒送りのように連続移動されスパイラル状に加工される。これにより、内周面W6に対して周期構造体を所定幅に加工される。加工終了とともに、シャッタSTが閉じられてフェムト秒レーザLOを遮断する。その加工結果は、図16に示すように、連続した周期性の微細周期性溝KMが同一方向に市松模様に整列加工される。尚、微細周期性溝KMの加工幅L( 照射点P1〜P3) は、Z軸駆動手段9による+Z軸方向(第二回転筒体49側)への前進量で大幅寸法に制御するか、又は、首振り手段MDによるミラーMの回動量により繊細に制御される。また、微細周期性溝KMに替えてディンプルDPを加工するには、切り換え手段HDによりディンプル加工用ホモジナイザーH2に切り替えられる。更に、両者の混合加工用ホモジナイザーH3に切り替えれば、微細周期性溝KMとディンプルDPとの混合加工が行われる。
また、回転軸やエンジンのクランク軸等の軸状ワークW7の外周面W8に周期構造体を加工するには、図16に示すような加工形態とすれば良い。即ち、軸状ワークW7はチャック7に装着され、反射ミラーMから反射されるフェムト秒レーザLOを受光する位置に配置される。この配置制御は、ワーク移動ユニット50により行われる。また、フェムト秒レーザLOの照射ポイントPOを、照射点であるスタート位置P1から終点位置P3の所定の加工幅Lにする制御は、首振り手段MDによるミラー回動により行われる。更に、軸状ワークW7の外周面W8の全周面にフェムト秒レーザLOを照射させるには、Y軸駆動手段5上のワーク回転駆動部5A内に備える回転制御モータMMによりチャック7を回転駆動θ1させて行われる。上記加工条件にセットアップさせた状態で、上記各実施形態と同様にプログラム自動運転のフローチャートに示す「自動運転」により、周期構造体の各種模様の加工が実行される。上記反射ミラーMは、首振り手段MDでフェムト秒レーザLOの照射方向を自由に制御されるから、図16に示すように、照射点P1から離れた照射点P3へのワープが瞬間的に行われ、加工能率を著しく改善させられる。
ところで、第3の実施の形態のレーザ加工機の多機能加工制御装置300の特徴は、回転駆動手段SDのλ/ 2板Pを回転させる旋回モータMOと反射ミラーMを回転させる旋回モータMO2とにより、上記λ/ 2板Pの回転を、反射ミラーMの1/2の回転量( 回転比を固定) の関係で回転駆動させず、自由に可変速制御させることにある。即ち、上記第二回転筒体(反射ミラー)の回転1回転に対して上記λ/ 2板を備えた上記第一回転筒体を1/2回転よりも増速させたり減速させることにより、図24に示すように、周期性溝KMの溝方向を変更できる。これにより、最も条件の良い方向に周期性溝を溝加工したり、同一軌跡上を二重合加工することでクロス状に加工することが可能である。
以上、本発明の第3の実施の形態となるレーザ加工機の多機能加工制御装置300によれば、下記の効果が発揮される。
即ち、円筒ワークの内周面や軸状ワークW9の外周面W10に対して、周期構造体を加工するに際して、上記λ/ 2板Pの回転を、反射ミラーMの1/2の回転量の関係で回転駆動させず、自由に可変速制御させることにより、加工される微細周期性溝KMの方向が順次旋回した姿勢に微調節できる。また、同一軌跡上を、λ/ 2板Pの回転を減速固定させたり増速固定させて二重に通過加工することにより、クロス状に加工できる。しかして、上記ワークが、例えば、シリンダブロックやクランク軸であれば、多数の溝に潤滑油が溜まってエンジンにおけるピストン往復運動の全ストローク区間において、ピストンとシリンダ間の摩擦抵抗を極限まで効率良く減らすことができる。また、クランク軸の摩擦抵抗を極限まで効率良く減らすことができる。
本発明のレーザ加工機の多機能加工制御装置100〜300は、発明の要旨内での設計変更や仕様変更が可能である。例えば、図25と図26に示す第4の実施の形態のレーザ加工機の多機能加工制御装置400は、上記多機能加工制御装置200において、λ/ 2板Pをλ/ 4板P4に変更したもので、他の構成は同一である。
しかして、上記λ/ 4板P4を使用すると、フェムト秒レーザ発振器10から発射される直線偏光のフェムト秒レーザLOが円偏光になってワークW9の加工面W10に到達する。これにより、加工面W10に加工される周期性溝KMは、照射点P1に見るように、直線形状から円形形状に変更された周期性溝KM´が加工される。また、ディンプルDPの場合は、照射点P3に見るように、円形形状のディンプルDP´となる。これらの周期性溝KM´やディンプルDP´は、照射点P1やP3において、方向性が無いから二つの部材の摺動方向が定まらない自由な方向であっても、各方向への移動に対する摩擦抵抗を均一に保持することが保証できる。
本発明は、円筒ワークの内周面や外周面及び軸状ワークの外周面に対する周期構造体を多機能に加工制御できる装置として、摩擦低減がなされるもので説明した。しかし、上記ワークに限定されず、その他の各種機器・部品の加工面に対する豊富な加工が行なえる他、あらゆる部材の表面処理にも適用される。
本発明の第1の実施の形態を示し、円筒ワークに対する多機能加工制御装置の構成図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、レーザ加工ヘッドの詳細な構成図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、レーザ加工ヘッドの詳細な構成図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、ホモジナイザーの構成図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、周期構造体を加工する加工ヘッドの構成図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、PCプログラム手段への入力手順と自動運転のフローチャート図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、Z軸駆動手段による移動方法と加工軌跡の説明図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、PCプログラム手段によるプログラム自動運転のフローチャート図である。 本発明の第1の実施の形態を示し、周期構造体を加工する加工ヘッドの構成図である。 本発明の第2の実施の形態を示し、円筒ワークに対する多機能加工制御装置の構成図である。 本発明の第2の実施の形態を示し、加工ヘッドの断面図である。 本発明の第2の実施の形態を示し、レーザ加工ヘッドの回転駆動手段と反射ミラー首振りの断面図である。 本発明の第2の実施の形態を示し、λ/2板と反射ミラーとの作用図である。 本発明の第2の実施の形態を示し、ホモジナイザーの構成図である。 本発明の第2の実施の形態を示し、周期構造体を加工する加工ヘッドの構成図である。 本発明の第2の実施の形態を示し、周期構造体を加工する加工ヘッドの構成図である。 本発明の第2の実施の形態を示し、PCプログラム手段への入力手順と自動運転のフローチャート図である。 本発明の第2の実施の形態を示し、Z軸駆動手段による移動方法と加工軌跡の説明図である。 本発明の第2の実施の形態を示し、PCプログラム手段によるプログラム自動運転のフローチャート図である。 本発明の第3の実施の形態を示し、円筒ワークに対する多機能加工制御装置の構成図である。 本発明の第3の実施の形態を示し、レーザ加工ヘッドの詳細な構成図である。 本発明の第3の実施の形態を示し、レーザ加工ヘッドの詳細な構成図である。 本発明の第3の実施の形態を示し、周期構造体を加工する加工ヘッドの構成図である。 本発明の第3の実施の形態を示し、周期構造体の加工模様図である。 本発明の第4の実施の形態を示し、λ/4板の作用図である。 本発明の第4の実施の形態を示し、周期構造体を加工する加工ヘッドの構成図である。
符号の説明
1 防振台
2 基盤
3 ワーク制御テーブル
5 Y軸駆動手段
5A ワーク回転駆動部
7 把持具
9 Z軸駆動手段
9A 垂直台
10 フェムト秒レーザ発振器
10A レーザ発生部
10B ファイバーレーザ発振器
10C パルスストレッチャー
10D Ti:sapphire再生増幅器
10E パルスコンプレッサー
10F レーザパワー減衰器
10G 励起用パルスグリーンレーザ
10H 電源制御部
10I 筐体温度安定化用冷却装置
20 レーザ加工ヘッド
20A レーザ出力部
30 X軸駆動手段
40 支持体
41 第一回転筒体
42 連絡筒
43 プーリー
44 プーリー
45 保持体
46 フランジ
47,47´ 回転軸
48 軸受体
49 第二回転筒体(筒体)
49A 先端部
50 プーリー
51 プーリー
60 ワーク移動ユニット
A1,A2 アイリス
CPU 中央制御部
CO 加工制御部
DD 駆動部
DP,DP´ ディンプル
NC NC制御部
KM 微細周期性溝
KM´ 微細周期性溝
LO フェムト秒レーザ
G1, G2, G3 ガイドレール部材
KB1,KB2 確動ベルト
M1, M2, M3 モータ
MO, MO2 第一旋回モータ,第二旋回モータ
MM 回転制御モータ
MD 首振り手段( ガルバノメータ)
M 反射ミラー
H ホモジナイザー
H1 微細周期性溝用のホモジナイザー
H2 ディンプル用のホモジナイザー
H3 混合加工用のホモジナイザー
HD 切り換え手段
O1,O2 軸芯(回転中心)
P λ/ 2板
P4 λ/ 4板
PO 照射ポイント
P1〜P3 照射点
R1 平凹レンズ
R2,R3 平凸レンズ(集光レンズ)
ST シャッタ
SD,SD´ 回転駆動手段
SH シャッタ開閉手段
SO 均一なエネルギー分布
S1〜S6 スポット
W 円筒ワーク
W1 内周面
W3 軸物ワーク
W4 外周面
W5 円筒ワーク
W6 内周面
W7 軸状ワーク
W8 外周面
W9 ワーク
θh 反射ミラーの回転
θp λ/ 2板の回転
θ 回転駆動
ZA 挿入深さ位置
−Z、+Z Z軸方向
100〜400 レーザ加工機の多機能加工制御装置

Claims (4)

  1. フェムト秒レーザ発振器と、上記フェムト秒レーザ発振器からの直線偏光のフェムト秒レーザを開閉するシャッタと、上記シャッタを開閉制御させてフェムト秒レーザを間欠照射させるシャッタ開閉手段と、上記シャッタの前側に配置され周期性溝用ホモジナイザーとディンプル加工用ホモジナイザーと混合加工用ホモジナイザーとからなるホモジナイザーと、上記ホモジナイザーを何れか一つに切り換える切換手段と、上記ホモジナイザーの前側に配置されフェムト秒レーザを集光する集光レンズと、上記集光レンズの前側に配置されフェムト秒レーザを外径方向に照射させる反射ミラーと、上記反射ミラーを首振りさせてフェムト秒レーザの照射方向を制御する首振り手段と、上記フェムト秒レーザの照射方向に配置されワークを把持するチャック手段と、上記チャック手段を回転駆動させるとともに三次元方向に移動させるワーク移動ユニットと、を具備したことを特徴とするレーザ加工機の多機能加工制御装置。
  2. フェムト秒レーザ発振器と、上記フェムト秒レーザ発振器からの直線偏光のフェムト秒レーザを開閉するシャッタと、上記シャッタを開閉制御させてフェムト秒レーザを間欠的に照射させるシャッタ開閉手段と、上記シャッタの前側に配置され直線偏光のフェムト秒レーザを導入する回転可能な第一回転筒体と、上記第一回転筒体内に配置され上記フェムト秒レーザの偏光方向を変化させるλ/ 2板と、上記λ/ 2板の前側に配置され周期性溝用ホモジナイザーとディンプル加工用ホモジナイザーと混合加工用ホモジナイザーとからなるホモジナイザーと、上記ホモジナイザーを何れか一つに切り換える切換手段と、上記第一回転筒体に回転軸芯を合わせて配置される第二回転筒体と、上記第二回転筒体内に配置されフェムト秒レーザを集光する集光レンズと、上記第二回転筒体筒の先端に配置されフェムト秒レーザを外径方向に照射させる反射ミラーと、上記反射ミラーを首振りさせてフェムト秒レーザの照射方向を制御する首振り手段と、上記第二回転筒体の回転1回転に対して上記第一回転筒体を1/2回転させる回転駆動手段と、上記フェムト秒レーザの照射方向に配置されワークを把持するチャック手段と、上記チャック手段を三次元方向に移動させるワーク移動ユニットと、を具備したことを特徴とするレーザ加工機の多機能加工制御装置。
  3. フェムト秒レーザ発振器と、上記フェムト秒レーザ発振器からの直線偏光のフェムト秒レーザを開閉するシャッタと、上記シャッタを開閉制御させてフェムト秒レーザを間欠的に照射させるシャッタ開閉手段と、上記シャッタの前側に配置され直線偏光のフェムト秒レーザを導入する回転可能な第一回転筒体と、上記第一回転筒体内に配置され上記フェムト秒レーザの偏光方向を変化させるλ/ 2板と、上記λ/ 2板の前側に配置され周期性溝用ホモジナイザーとディンプル加工用ホモジナイザーと混合加工用ホモジナイザーとからなるホモジナイザーと、上記ホモジナイザーを何れか一つに切り換える切換手段と、上記第一回転筒体に回転軸芯を合わせて配置される第二回転筒体と、上記第二回転筒体内に配置されフェムト秒レーザを集光する集光レンズと、上記第二回転筒体筒の先端に配置されフェムト秒レーザを外径方向に照射させる反射ミラーと、上記反射ミラーを首振りさせてフェムト秒レーザの照射方向を制御する首振り手段と、上記第二回転筒体の第二旋回モータによる回転1回転に対して上記第一回転筒体を第一旋回モータにより1/2回転前後に加減速回転させる回転駆動手段と、上記反射ミラーの照射方向に配置されワークを把持するチャック手段と、上記チャック手段を三次元方向に移動させるワーク移動ユニットと、を具備したことを特徴とするレーザ加工機の多機能加工制御装置。
  4. フェムト秒レーザ発振器と、上記フェムト秒レーザ発振器からの直線偏光のフェムト秒レーザを開閉するシャッタと、上記シャッタを開閉制御させてフェムト秒レーザを間欠的に照射させるシャッタ開閉手段と、上記シャッタの前側に配置され直線偏光のフェムト秒レーザを導入する回転可能な第一回転筒体と、上記第一回転筒体内に配置され上記フェムト秒レーザの偏光方向を変化させるλ/ 4板と、上記λ/ 4板の前側に配置され周期性溝用ホモジナイザーとディンプル加工用ホモジナイザーと混合加工用ホモジナイザーとからなるホモジナイザーと、上記ホモジナイザーを何れか一つに切り換える切換手段と、上記第一回転筒体に回転軸芯を合わせて配置される第二回転筒体と、上記第二回転筒体内に配置されフェムト秒レーザを集光する集光レンズと、上記第二回転筒体筒の先端に配置されフェムト秒レーザを外径方向に照射させる反射ミラーと、上記反射ミラーを首振りさせてフェムト秒レーザの照射方向を制御する首振り手段と、上記第二回転筒体の回転1回転に対して上記第一回転筒体を1/2回転させる回転駆動手段と、上記フェムト秒レーザの照射方向に配置されワークを把持するチャック手段と、上記チャック手段を三次元方向に移動させるワーク移動ユニットと、を具備したことを特徴とするレーザ加工機の多機能加工制御装置。
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