JP2008296269A - レーザ加工機の多機能加工制御方法とレーザ加工機の多機能加工制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 フェムト秒レーザ発振器10から発射される直線偏光のフェムト秒レーザLOを、シャッタSTで開閉制御されて間欠照射可能なレーザ光とし、上記レーザ光を切換手段HDで切り換え選択される周期性溝用ホモジナイザーH1又はディンプル加工用ホモジナイザーH2又は混合加工用ホモジナイザーH3の何れか一つを介して集光レンズR3で集光され、更に上記レーザ光は回転駆動と三次元移動が可能なワーク移動ユニット50に搭載された平面ワークWの表面W1に対して照射する。
【選択図】 図2
Description
第1に、請求項1、4におけるレーザ加工機の多機能加工制御方法とその多機能加工制御装置は、平面ワークに対する加工である。まず、フェムト秒レーザ発振器から発射される直線偏光のフェムト秒レーザは、シャッタで開閉制御されて間欠照射可能なレーザ光となって、切換手段で切り換え選択された周期性溝用ホモジナイザー又はディンプル加工用ホモジナイザー又は混合加工用ホモジナイザーの何れか一つを介して集光レンズで集光される。更に、上記レーザ光は、XY軸方向の二次元に移動するワーク移動ユニットに搭載された平面状のワーク表面に対して照射される。
これにより、ワーク移動ユニットが回転されるから周期性溝の溝方向が自由に変更でき、最も条件の良い方向に加工したり、重合加工によりクロス状に加工することが可能である。上記多機能加工制御方法は、このレーザ加工機の多機能加工制御装置により多機能に実行される。
これにより、ワーク移動ユニット及びこれに搭載された平面ワークは、三次元方向に立体的に移動されるから、ワーク表面をレーザ光の焦点位置合せや焦点位置からのずれ調節が簡便な手段により行えるとともに、緩やかに湾曲したワーク表面や階段状に段差のあるワーク表面に対する多機能加工制御が行える。また、ワーク移動ユニットが回転される場合には周期性溝の溝方向が自由に変更でき、最も条件の良い方向に加工したり、重合加工によりクロス状に加工することとの複合加工もできる。上記多機能加工制御方法は、このレーザ加工機の多機能加工制御装置により多機能に実行される。
まず、上記平面ワークWに微細周期性溝KMを加工する場合は、図2と図4に示すように、フェムト秒レーザ発振器10のレーザ出力部20Aからのフェムト秒レーザLOは、アイリスA1・シャッタST・凹レンズR1を介して進み、更に、レーザ加工ヘッド20の筒体41内の平凸レンズR2とアイリスA2を介して進み、周期性溝用ホモジナイザーH1から集光レンズ(平凸レンズ)R3を介して外筒49の先端に至る。上記三連スライド式のホモジナイザーHにおいて、周期性溝用ホモジナイザーH1の機能は、上記フェムト秒レーザ光LOのエネルギー波形は、図4(b)に示す山形の二次曲線のもので両裾のエネルギーが利用されない。そこで、図4(c)に示すように、その特性を改善する周期性溝用ホモジナイザーH1によりエネルギー分布を矩形に整形し、エネルギー効率を限り無く100%にすることが可能だからである。従って、エネルギー効率を問題にしなければ、上記周期性溝用ホモジナイザーH1は省略することも可能である。即ち、フェムト秒レーザ光LOによる微細周期性溝KMの溝方向と加工面積は、フェムト秒レーザの偏光方向とフル−エンス(レーザ出力のエネルギー)に依存されるから、周期性溝用ホモジナイザーH1は、微細周期性溝KMを形成する為のホモジナイザーと言うよりは、微細周期性溝KMを効率良く形成する為のホモジナイザーと言う機能を持っている。ディンプル加工用ホモジナイザーH2は、図4(a)に示すように、一種のホログラムであり、集光部のエネルギー分布を制御する。即ち、ディンプル加工用ホモジナイザーH2は、その表面に微細な凹凸があり、この凹凸を通過するフェムト秒レーザLOの光が回折し、多数のエネルギー分布(エネルギー密度の高い複数のスポットS1〜S6)を生じさせる。このエネルギー分布により、ディンプルDPが加工される。尚、微細周期性溝KMとディンプルDPとを混合加工する混合加工用ホモジナイザーH3に切替えれば、図4(d)に示すように、微細周期性溝KMを加工する均一なエネルギー分布SOの全加工領域と、この領域内にエネルギー密度の高い複数のスポットS1〜S6とが存在し、微細周期性溝KMとディンプルDPとが混在した複合加工が行なわれる。
先ず、図2に示すように、平面ワークWの表面W1に連続する微細周期性溝KM又は不連続な微細周期性溝KMを加工するには、上記レーザ加工ヘッド20において、プログラム手段PCにより予め手入力で作られた図5の自動運転加工フローチャート図により実行される。上記加工フローチャートによれば、まず、「自動運転の開始」の第1ステップS1が実行される。これで、平面ワークWは、原点位置POから、その加工開始点P1にワーク移動ユニット5とZ軸駆動手段9との駆動で「ワーク加工開始位置決め」まで移動搬送される第2ステップS2が実行される。また、三連スライド式のホモジナイザーHにおいて、「周期性溝用ホモジナイザーH1の選択」の第3ステップS3が実行される。この周期性溝用ホモジナイザーH1は、微細周期性溝KMを加工する時、フェムト秒レーザLOのエネルギーロスの改善を図る。続いて、「ワーク平面加工開始」の第4ステップS4が実行される。このワーク平面加工開始による具体例を図6〜図9に示す。先ず、図6は、正方形の平面ワークWの表面W1に対して加工開始点P1から加工終了点Peに向けて左右方向への往復動とピッチ送りからなる移動軌跡Kにおける微細周期性溝KMを同一方向に揃えた加工を示している。図示ではシャッタSTが周期的に「シャッタ開」と「シャッタ閉」とを繰り返した加工が進められ、各列に「加工有」と「加工無」の空白地帯が設けられた加工となる。この時の模様は、市松模様を呈したものとなる。
2 基盤
3 ワーク制御テーブル
5 Y軸駆動手段
5A ワーク回転駆動部
7 チャック手段
9 Z軸駆動手段
9A 垂直台
10 フェムト秒レーザ発振器
10A レーザ発生部
10B ファイバーレーザ発振器
10C パルスストレッチャー
10D Ti:sapphire再生増幅器
10E パルスコンプレッサー
10F レーザパワー減衰器
10G 励起用パルスグリーンレーザ
10H 電源制御部
10I 筐体温度安定化用冷却装置
20 レーザ加工ヘッド
20A レーザ出力部
30 X軸駆動手段
40 支持体
41 筒体
42 連絡筒
49 外筒
50 ワーク移動ユニット
A1,A2 アイリス
CPU 中央制御部
CO 加工制御部
DD 駆動部
DP ディンプル
NC NC制御部
KM 微細周期性溝
LO フェムト秒レーザ
G1,G2,G3 ガイドレール部材
K 移動軌跡
M1,M2,M3 モータ
MM 回転制御モータ
MO 駆動モータ
H ホモジナイザー
H1 微細周期性溝用のホモジナイザー
H2 ディンプル用のホモジナイザー
H3 混合加工用のホモジナイザー
HD 切換手段
O1,O2 軸芯
PC プログラム手段
PO 原点位置
P1 加工開始点
Pe 加工終了点
R1 平凹レンズ
R2 平凸レンズ
R3 集光レンズ(平凸レンズ)
θ 回転駆動
ST シャッタ手段
SD 回転駆動手段
SH シャッタ開閉手段
SO エネルギー分布
S1〜S6 スポット
W 平面ワーク
W1 表面
W2 円板ワーク
100 レーザ加工機の多機能加工制御装置
Claims (6)
- フェムト秒レーザ発振器から発射される直線偏光のフェムト秒レーザを、シャッタを開閉制御して間欠的に照射されるレーザ光とし、上記レーザ光を切換手段で切り換え選択される周期性溝用ホモジナイザー又はディンプル加工用ホモジナイザー又は混合加工用ホモジナイザーの何れか一つを通過させ集光レンズで集光させてワーク移動ユニットに搭載された平面ワークに照射し、且つ、ワーク移動ユニットによりXY軸の二次元移動させることにより平面ワークの表面に周期性溝又はディンプルまたはこれらの混合からなる任意の模様を形成するようにしたことを特徴とするレーザ加工機の多機能加工制御方法。
- 上記ワーク移動ユニットを回転駆動手段で回転移動させることを特徴とする請求項1記載のレーザ加工機の多機能加工制御方法。
- 上記ワーク移動ユニットをZ軸駆動手段で平面ワークに対して接近・離反移動させることを特徴とする請求項1又は2記載のレーザ加工機の多機能加工制御方法。
- フェムト秒レーザ発振器と、上記フェムト秒レーザ発振器から発射される直線偏光のフェムト秒レーザを間欠照射可能なレーザ光として開閉制御するシャッタと、周期性溝用ホモジナイザーとディンプル加工用ホモジナイザーと混合加工用ホモジナイザーとからなるホモジナイザーと、上記周期性溝用ホモジナイザー又はディンプル加工用ホモジナイザー又は混合加工用ホモジナイザーのうちの任意のものに切り換える切換手段と、上記周期性溝用ホモジナイザー又はディンプル加工用ホモジナイザー又は混合加工用ホモジナイザーの何れか一つを通過したレーザ光を集光する集光レンズと、上記集光されたレーザ光が照射されることによりレーザ加工される平面ワークと、上記平面ワークを搭載しXY軸の二次元移動が可能なワーク移動ユニットと、を具備したことを特徴とするレーザ加工機の多機能加工制御装置。
- 上記ワーク移動ユニットに回転駆動手段により平面ワークに対して回転移動を可能としたことを特徴とする請求項4記載のレーザ加工機の多機能加工制御装置。
- 上記ワーク移動ユニットにZ軸駆動手段により平面ワークに対して接近・離反移動を可能としたことを特徴とする請求項4又は5記載のレーザ加工機の多機能加工制御装置。
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