JP2009027948A - 培養装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 蛍光蛋白質の安定発現株について、経時的な細胞育成状態を正確に把握できる手段を提供する。
【解決手段】 培養装置は、恒温室と、撮像部と、画像解析部と、記憶部とを備える。恒温室は、生体標本を培養する培養容器を収納するとともに、内部が所定の環境条件に維持される。撮像部は、恒温室内に収納された培養容器を所定時間ごとに撮像し、生体標本を顕微観察した第1画像と該第1画像と同視野内での蛍光検出状態を示す第2画像とを生成する。画像解析部は、各々の観察時期が異なる複数組の第1画像および第2画像に基づいて、画像内に存在する生体標本の中で蛍光を放射する生体標本の割合を継続的に求める。記憶部は、上記の割合の値を観察時期に対応付けして記憶する。
【選択図】 図1
【解決手段】 培養装置は、恒温室と、撮像部と、画像解析部と、記憶部とを備える。恒温室は、生体標本を培養する培養容器を収納するとともに、内部が所定の環境条件に維持される。撮像部は、恒温室内に収納された培養容器を所定時間ごとに撮像し、生体標本を顕微観察した第1画像と該第1画像と同視野内での蛍光検出状態を示す第2画像とを生成する。画像解析部は、各々の観察時期が異なる複数組の第1画像および第2画像に基づいて、画像内に存在する生体標本の中で蛍光を放射する生体標本の割合を継続的に求める。記憶部は、上記の割合の値を観察時期に対応付けして記憶する。
【選択図】 図1
Description
本発明は、所定の環境条件に調整された恒温室内で生体標本を培養する培養装置に関する。
従来から、所定の雰囲気に維持された恒温室において培養容器内の細胞を培養する培養装置が知られている(例えば特許文献1参照)。例えば、細胞内の遺伝子の発現の観察や、薬剤のスクリーニングなどを行うために、GFP(Green Fluorescence Protein)などの蛍光蛋白質の遺伝子をDNAに導入し、蛍光蛋白質の安定発現株を培養装置で培養することも行われている。
特開2000−14035号公報
蛍光蛋白質の安定発現株の培養では、全細胞に対して蛍光蛋白質を発現している細胞の割合が細胞育成状態の指標として用いられる。この蛍光蛋白質に関する上記の割合は細胞の培養環境の変化によって変動する。したがって、蛍光蛋白質の安定発現株をタイムラプス観察する場合には、観察のたびに環境変化によるストレスが細胞に与えられると細胞育成状態を正確に把握できなくなる点で改善の余地があった。
本発明は上記従来技術の課題を解決するものであって、蛍光蛋白質の安定発現株について、経時的な細胞育成状態を正確に把握できる手段を提供することを目的とする。
第1の発明の培養装置は、恒温室と、撮像部と、画像解析部と、記憶部とを備える。恒温室は、生体標本を培養する培養容器を収納するとともに、内部が所定の環境条件に維持される。撮像部は、恒温室内に収納された培養容器を所定時間ごとに撮像し、生体標本を顕微観察した第1画像と該第1画像と同視野内での蛍光検出状態を示す第2画像とを生成する。画像解析部は、各々の観察時期が異なる複数組の第1画像および第2画像に基づいて、画像内に存在する生体標本の中で蛍光を放射する生体標本の割合を継続的に求める。記憶部は、上記の割合の値を観察時期に対応付けして記憶する。
第2の発明は、第1の発明において、記憶部には、生体標本の培養操作に関する履歴情報が観察時期に対応付けされて記憶されている。
第3の発明は、第1または第2の発明において、観察時期と上記の割合との対応関係を表示するデータを表示装置に出力する表示出力部を培養装置がさらに備える。
第4の発明は、第1の発明において、蛍光を放射する生体標本の減少によって上記の割合の値が第1の閾値以下となったときに、装置外部に警報を出力する報知出力部を培養装置がさらに備える。
第5の発明は、第1の発明において、蛍光を放射する生体標本の減少によって上記の割合の値が第2の閾値以下となったときに、培養容器を恒温室から搬出する搬送機構を培養装置がさらに備える。
本発明の培養装置では、恒温室内で所定時間ごとに撮像した画像に基づいて、画像の範囲内で蛍光を放射する生体標本の割合を継続的に求めて記憶する。そのため、蛍光蛋白質の安定発現株の経時的な細胞育成状態を正確に把握できる。
以下、図面を参照しつつ本実施形態のインキュベータの構成を詳細に説明する。図1は、本実施形態のインキュベータのブロック図である。また、図2,図3は、本実施形態のインキュベータの正面図である。
本実施形態のインキュベータ11は、生体標本の培養を行う第1筐体12と、制御ユニット14を収納する第2筐体13とを有している。インキュベータ11の組立状態において、第1筐体12は第2筐体13の上に配置される。
まず、第1筐体12の構成の概要を説明する。第1筐体12の内部には、断熱材で覆われた恒温室15が形成されている。この恒温室15は、第1筐体12の正面に形成された正面開口16と、図2,図3において第1筐体12の左側面に形成された搬出入口17とによって外部と連絡している。第1筐体12の正面開口16は、観音開きの正面扉18によって開閉可能に閉塞される。また、第1筐体12の搬出入口17は、スライド式の自動扉19によって開閉可能に閉塞される。なお、搬出入口17の大きさは培養容器(30)が通過可能なサイズに設定されている。一方、第1筐体12の底面には、正面側からみて右寄りの位置に開口20が形成されている。なお、後述する観察ユニット(28)は、上記の開口20を介して恒温室15内に配置される。
また、恒温室15の壁面には、温度調整装置21と、噴霧装置22と、ガス導入部23と、環境センサユニット24とがそれぞれ内蔵されている。
温度調整装置21はペルチェ素子を有しており、ペルチェ効果によって恒温室15の加熱または冷却を行う。噴霧装置22は、恒温室15内に噴霧を行って恒温室15内の湿度を調整する。ガス導入部23は二酸化炭素ボンベ(不図示)と接続されている。このガス導入部23は恒温室15に二酸化炭素を導入することで、恒温室15内の二酸化炭素濃度を調整する。環境センサユニット24は、恒温室15内における温度、湿度、二酸化炭素濃度をそれぞれ検出する。
インキュベータ11の組立状態において、恒温室15の内部には、ストッカー25と、容器搬出入機構26と、容器搬送機構27と、観察ユニット28の一部とがそれぞれ配置される。
ストッカー25は、第1筐体12の正面からみて恒温室15の左側に配置される。ストッカー25は複数の棚を有しており、各々の棚には培養容器30を収納することができる。また、ストッカー25の最下段は第1筐体12の搬出入口17の位置に対応する。そして、ストッカー25の最下段のスペースには、培養容器30を搬出入するための容器搬出入機構26が設置される。
容器搬送機構27は、第1筐体12の正面からみて恒温室15の中央に配置される。容器搬送機構27は、ストッカー25、容器搬出入機構26、観察ユニット28との間で培養容器30の受け渡しを行う。
観察ユニット28は、第1筐体12の正面からみて恒温室15の右側に配置される。この観察ユニット28は第1筐体12の底面の開口20に嵌め込まれて配置される。この観察ユニット28は、試料台47と、試料台47の上方に張り出したアーム48と、本体部分49とを有している。そして、試料台47およびアーム48は第1筐体12の恒温室15内に配置される一方で、本体部分49は第2筐体13に収納される。
図4は観察ユニット28の構成を示す概略図である。観察ユニット28は、試料台47と、第1照明部51および第2照明部52と、顕微観察部53と、容器観察部54と、画像処理部55とを有している。
試料台47は透光性の材質で構成されており、その上に培養容器30が載置される。この試料台47は水平方向(X方向およびY方向)に移動可能に構成されており、顕微観察部53および容器観察部54に対して培養容器30の位置を調整することができる。
また、第1照明部51はアーム48内に配置されており、試料台47の上側から培養容器30を照明する。一方、第2照明部52は本体部分49に内蔵されており、試料台47の下側から培養容器30を照明する。
顕微観察部53は本体部分49に内蔵されており、顕微鏡と撮像装置とを組み合わせて構成されている。この顕微観察部53は、透過光で生体標本を位相差観察した第1画像と、落射蛍光によって生体標本の蛍光検出状態を観察した第2画像とを撮像することができる。
図5は、本実施形態における顕微観察部53の詳細な構成を示す図である。顕微観察部53は、対物レンズ61と、位相差フィルタ62と、フィルタターレット63と、蛍光観察用の励起照明光学系64と、結像レンズ65と、撮像素子66とを有している。
図5において、第1照明部51および試料台47の下方には、上から順に、対物レンズ61、位相差フィルタ62、フィルタターレット63、結像レンズ65および撮像素子66が配置されている。上記の位相差フィルタ62は、対物レンズ61と撮像素子66との光路に挿抜可能となっている。
フィルタターレット63は、対物レンズ61から撮像素子66への光路に蛍光キューブ63aを挿抜する。この蛍光キューブ63aは、所定の波長の光を反射するダイクロイックミラー63bと、所定の蛍光を透過するエミッションフィルタ63cとを内蔵している。
また、励起照明光学系64は、それぞれ波長が異なる複数の光源(64a〜64c)を有している。各光源から射出された光は、ダイクロイックミラー64dおよびハーフミラー64eを介してフィルタターレット63に導かれるように構成されている。なお、各々の光源には、レーザーやLEDが用いられる。
以下、顕微観察部53での第1画像の撮像状態について説明する。第1画像の撮像時には、位相差フィルタ62が光路内に挿入された状態となる一方で、フィルタターレット63の蛍光キューブ63aは光路から退避した状態となる。そして、第1画像の撮像時には、第1照明部51からの照明光で撮像を行う。
第1照明部51からの照明光は試料台に載置された培養容器30を透過して対物レンズ61に導かれる。対物レンズ61で集光された光は、位相差フィルタ62およびフィルタターレット63を通過した後に、結像レンズ65によって撮像素子66の受光面に結像する。これにより、撮像素子66は生体標本の位相差画像を撮像することができる。
次に、顕微観察部53での第2画像の撮像状態について説明する。第2画像の撮像時には、フィルタターレット63の蛍光キューブ63aが光路内に挿入された状態となる一方で、位相差フィルタ62が光路から退避した状態となる。そして、第2画像の撮像時には、励起照明光学系64からの照明光で撮像を行う。
励起照明光学系64からの励起光は、蛍光キューブ63a内のダイクロイックミラー63bによって対物レンズ61の方向に反射され、対物レンズ61を介して生体標本に照射される。生体標本で発現した蛍光は、対物レンズ61で集光されて再び蛍光キューブ63aに入射する。そして、蛍光キューブ63aに入射した蛍光は、ダイクロイックミラー63bおよびエミッションフィルタ63cを透過した後に、結像レンズ65によって撮像素子66に結像する。これにより、撮像素子66は生体標本の蛍光画像を撮像することができる。
図4に戻って、容器観察部54はアーム48に収納されており、撮影光学系および撮像素子(いずれも不図示)を有している。この容器観察部54は、第2照明部52の照明光によって培養容器30の全体観察画像を撮像する。
画像処理部55は、顕微観察部53および容器観察部54からの画像出力をA/D変換するとともに、顕微観察画像(第1画像、第2画像)のデータをそれぞれ生成する。また、画像処理部55は、同一視野を撮像した第1画像および第2画像のデータに基づいて、視野内の細胞のうちで蛍光を放射する細胞の割合Aを求めることもできる。
次に、第2筐体13の構成の概要を説明する。第2筐体13には、上記の観察ユニット28の本体部分49と、制御ユニット14とが格納される。また、第2筐体13の前面には、モニタ56aおよび入力釦56bを備えた操作パネル56が配置されている。
ここで、制御ユニット14は、自動扉19の扉開閉機構19a、温度調整装置21、噴霧装置22、ガス導入部23、環境センサユニット24、容器搬出入機構26、容器搬送機構27、観察ユニット28、操作パネル56のモニタ56aおよび入力釦56bとそれぞれ接続されている。
制御ユニット14は、所定のプログラムに従ってインキュベータ11の各部を統括的に制御する。一例として、制御ユニット14は、温度調整装置21、噴霧装置22、ガス導入部23、環境センサユニット24をそれぞれ制御して恒温室15内を所定の環境条件に維持する。また、制御ユニット14は、所定の観察スケジュールに基づいて、観察ユニット28および容器搬送機構27を制御して、培養容器30の観察シーケンスを自動的に実行する。
また、制御ユニット14は、ハードディスクや不揮発性メモリなどで構成された記憶部14aを有しており、後述する生体標本の培養履歴を含む各種データを記憶しておくこともできる。
以下、図6の流れ図を参照しつつ、本実施形態のインキュベータの動作例を説明する。
ステップS101:制御ユニット14は、ユーザーの操作に応じて培養容器30を恒温室15内に搬入する。なお、搬入される培養容器30には、蛍光蛋白質の遺伝子をDNAに導入した細胞株が培地とともに収容されているものとする。
ステップS102:制御ユニット14は、ユーザーの操作に応じて、S101で搬入した培養容器30に関する登録処理を行う。なお、この登録処理に関するユーザーの入力は、例えばインキュベータ11の操作パネル56から行われる。
ここで、培養容器30に関する登録処理では、ユーザーは制御ユニット14に対して、(1)生体標本の種類および培地の種類の登録と、(2)生体標本の培養履歴の引き継ぎと、を行なうことができる。
上記(2)の培養履歴の引き継ぎでは、継代や培地交換などの培養操作を行なうときに、S101で搬入した生体標本に対応する以前の培養履歴のデータをユーザーに指定させて、制御ユニット14が相互の培養履歴のデータの関連付けを実行する。このとき、制御ユニット14は、培養操作の内容(継代または培地交換)とその時刻とを培養履歴のデータとして記憶部14aに記録する。これにより、引き継ぎ後の培養履歴のデータには、培養操作の状況を含む生体標本の培養履歴の経過が反映されることとなる。さらに、ユーザーは継代による株分けの回数を培養履歴に関連付けして記録することもできる。勿論、今回搬入された細胞が初代培養細胞である場合には、ユーザーは上記の培養履歴の引き継ぎを省略できる。
また、S102の段階で、制御ユニット14は、ユーザーの入力に基づいて、培養容器30の観察スケジュール(培養容器30をタイムラプス観察するときの時間間隔など)の登録や、観察時の詳細設定(培養容器30内で観察するポイントの数や対物レンズ61の撮影倍率など)の設定を行う。さらに、制御ユニット14は、ユーザーの入力に基づいて、後述の第1閾値(T1)および第2閾値(T2)を変更することもできる。なお、上記の観察スケジュールは、制御ユニット14によって記憶部14aに記録される。
ステップS103:制御ユニット14は、培養容器30の観察スケジュールと現在日時とを比較して、培養容器30の観察開始時間が到来したか否かを判定する。観察開始時間となった場合(YES側)にはS104に移行する。一方、培養容器30の観察時間ではない場合(NO側)には、制御ユニット14は次の観察スケジュールの時刻まで待機する。
ステップS104:制御ユニット14は培養容器30の観察シーケンスを実行し、観察ユニットに培養容器30の生体標本を撮像させる。具体的には、S104では、以下の(1)〜(4)の処理が行われる。
(1)制御ユニット14は、培養容器30の搬送を容器搬送機構27に指示する。そして、容器搬送機構27は、指示された培養容器30をストッカー25から搬出して観察ユニット28の試料台47に載置する。
(2)制御ユニット14は、観察ユニット28に対して第1画像の撮像を指示する。観察ユニット28は、第1照明部51を点灯させて培養容器30を照明する。そして、顕微観察部53の撮像素子66が培養容器30内の生体標本の位相差画像(第1画像)を撮像する。
(3)次に、制御ユニット14は、観察ユニット28に対して第2画像の撮像を指示する。観察ユニット28は、位相差フィルタ62および蛍光キューブ63aを移動させる。その後、励起照明光学系64からの励起光によって、顕微観察部53の撮像素子66が培養容器30内の生体標本の蛍光画像(第2画像)を撮像する。なお、第2画像で撮影される視野範囲は、上記の第1画像と同一の範囲に設定される。
なお、培養容器30内の複数のポイントを観察する場合には、観察ユニット28は各々のポイント毎に上記(2)および(3)の動作を繰り返し、第1画像および第2画像を2枚1組で生成する。
(4)制御ユニット14は、第1画像および第2画像の撮影終了後に、培養容器30の搬送を容器搬送機構27に指示する。そして、容器搬送機構27は、指示された培養容器30を観察ユニット28の試料台47からストッカー25の所定の収納位置に搬送し、観察シーケンスを終了する。
ステップS105:画像処理部55は、制御ユニット14の指示に応じて、S104で撮影された1組の第1画像および第2画像のデータに基づいて、撮影範囲内の全細胞に対して蛍光を放射する細胞の数の割合Aを求める。
まず、画像処理部55は第1画像を解析して、撮影範囲内に含まれる細胞の各々の位置とその総数を求める。一例として、細胞を撮影した位相差画像では、細胞壁のように位相差の変化の大きな部位の周辺にハロが現れる。そのため、画像処理部55は、細胞壁に対応するハロを公知のエッジ抽出手段で抽出し、そのエッジで囲まれた閉空間内を1つの細胞と推定する。
次に、画像処理部55は第2画像を解析して、第1画像と同じ視野範囲における蛍光発現領域を特定する。そして、画像処理部55は、第1画像を解析して得た細胞の位置と、上記の蛍光発現領域とのマッチングを実行する。これにより、画像処理部55は、蛍光発現領域を内包する細胞(蛍光蛋白質が発現した細胞)の数を求めることができる。その後、画像処理部55は、蛍光発現領域を内包する細胞数を撮影範囲内に含まれる細胞の総数で除して、上記の割合Aを求める。
ステップS106:制御ユニット14は、S105で求めた割合Aの値を観察時刻に対応付けて記憶部14aに記録する。これにより、制御ユニット14によって観察シーケンスが実行されるたびに、記憶部14aに記憶されたの培養履歴には、異なる時刻において同じ撮影条件で求めた割合Aの値が逐次記録されることとなる。
ステップS107:制御ユニット14は、操作パネル56のモニタ56a等に、培養履歴表示画面を表示出力する。この培養履歴表示画面には、各々の観察時刻で求めた割合Aの値がグラフ形式で表示される。また、S102で培養履歴の引き継ぎが行われている場合には、培養履歴表示画面上で継代や培地交換の行われた時期を示す表示を行ってもよい。ここで、図7にS107での培養履歴表示画面の一例を示す。なお、図7の培養表示画面のグラフでは、縦軸は割合Aの値を示し、横軸は時間を示している。
ステップS108:制御ユニット14は、S105で求めた割合Aの値が第1閾値T1以下であるか否かを判定する。一例として、第1閾値T1は、一般的な経験則から蛍光蛋白質の安定発現株の培養に何らかの問題が生じていると考えられる程度の値に設定される。上記要件を満たす場合(YES側)にはS109に移行する。一方、上記要件を満たさない場合(NO側)にはS112に移行する。
ステップS109:制御ユニット14は、S105で求めた割合Aの値が第2閾値T2を上回るか否かを判定する。この第2閾値T2は、第1閾値T1以下の値に設定される。より具体的には、第2画像から蛍光がほぼ消滅し、細胞の培養を継続する必要性が乏しいと判断できる程度の値に設定される。上記要件を満たす場合(YES側)にはS110に移行する。一方、上記要件を満たさない場合(NO側)にはS111に移行する。
ステップS110:制御ユニット14は、操作パネル56のモニタ56a等に培養状態の異常を示す警告表示を出力する。これにより、ユーザーは細胞の培養状態の異常を感知することができ、適切な措置を早期に講じることが可能となる。そして、制御ユニット14は警告表示の出力後に処理を終了する。なお、S110の場合には、制御ユニット14はS103に戻って、細胞の培養を継続するようにしてもよい(流れ図ではこの場合のループの図示を省略する)。
ステップS111:制御ユニット14は、容器搬出入機構26および容器搬送機構27に対して、培養容器30を恒温室外へ排出する指示を行う。容器搬送機構27は、指示された培養容器30をストッカー25から容器搬出入機構26に受け渡す。そして、制御ユニット14は搬出入口17の自動扉19を開放するとともに、容器搬出入機構26に培養容器30を恒温室外に排出させる。その後、制御ユニット14は一連の処理を終了する。これにより、ユーザーの手を煩わすことなく、培養を継続する必要性に乏しい培養容器30を恒温室15から取り除くことができる。
ステップS112:制御ユニット14は、ユーザーから培養容器30の排出操作を受け付けたか否かを判定する。上記要件を満たす場合(YES側)にはS113に移行する。一方、上記要件を満たさない場合(NO側)にはS103に戻って、制御ユニット14は上記動作を繰り返す。
ステップS113:制御ユニット14は、ユーザーの操作に応じて、容器搬出入機構26および容器搬送機構27に対して、培養容器30を恒温室外へ排出する指示を行う。その後、制御ユニット14は一連の処理を終了する。なお、容器搬出入機構26および容器搬送機構27の動作はS111と同様であるので重複説明は省略する。
このS113の場合には、例えば、継代や培地交換などの培養操作をユーザーが行う場合に相当する。かかる培養操作を行った後に細胞の培養を継続する場合にはS101に戻って、ユーザーが上記の登録処理(S102)などを行う必要がある。以上で、図6の流れ図の説明を終了する。
本実施形態のインキュベータは、恒温室15内で撮像された位相差画像および蛍光画像に基づいて、画像の範囲内の全細胞のうちで蛍光を放射する細胞の割合Aを演算する。そして、インキュベータは、観察スケジュールに基づいて所定時間ごとに上記の割合Aを継続的に求めて記憶部14aに記録し、その結果をモニタ56aに表示する。そのため、本実施形態では、恒温室15からの出し入れで生じるストレスを培養細胞に与えることなく割合Aの推移を求めることができ、蛍光蛋白質の安定発現株の経時的な細胞育成状態をユーザーがより精度よく把握できる。
また、本実施形態のインキュベータでは、培養細胞の継代や培地交換などの培養操作の内容や時期を培養履歴のデータに反映させる。そのため、蛍光蛋白質の安定発現株の経時的な細胞育成状態をユーザーが一層把握しやすくなる。
さらに、本実施形態のインキュベータでは、蛍光を放射する細胞の減少によって上記の割合Aが低下した場合には、警告表示や恒温室外への培養容器30の排出を行う。そのため、インキュベータで蛍光蛋白質の安定発現株の培養を行うユーザーの利便性をより向上させることができる。
(実施形態の補足事項)
(1)上記実施形態でS105の割合Aが第1閾値以下となった場合には、制御ユニット14は音声による警報や、あるいは所定のメールアドレスに電子メールを送信することで、警報を外部に出力するようにしてもよい(これらに関する構成の図示は省略する)。
(1)上記実施形態でS105の割合Aが第1閾値以下となった場合には、制御ユニット14は音声による警報や、あるいは所定のメールアドレスに電子メールを送信することで、警報を外部に出力するようにしてもよい(これらに関する構成の図示は省略する)。
(2)また、上記実施形態で制御ユニット14は、外部に接続されたパーソナルコンピュータ(PC)のモニタなどに培養履歴表示画面を出力するようにしてもよい。なお、インキュベータの制御ユニット14を外部のPCと公知の通信回線で接続し、ユーザーがPCからインキュベータを遠隔操作できるようにしてもよい。
なお、本発明は、その精神またはその主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。そのため、上述した実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。本発明は、特許請求の範囲によって示されるものであって、本発明は明細書本文にはなんら拘束されない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内である。
14…制御ユニット、14a…記憶部、15…恒温室、28…観察ユニット、53…顕微観察部、55…画像処理部
Claims (5)
- 生体標本を培養する培養容器を収納するとともに、内部が所定の環境条件に維持された恒温室と、
前記恒温室内に収納された前記培養容器を所定時間ごとに撮像し、前記生体標本を顕微観察した第1画像と該第1画像と同視野内での蛍光検出状態を示す第2画像とを生成する撮像部と、
各々の観察時期が異なる複数組の前記第1画像および前記第2画像に基づいて、画像内に存在する前記生体標本の中で蛍光を放射する前記生体標本の割合を継続的に求める画像解析部と、
前記割合の値を前記観察時期に対応付けして記憶する記憶部、
を備えることを特徴とする培養装置。 - 請求項1に記載の培養装置において、
前記記憶部には、前記生体標本の培養操作に関する履歴情報が前記観察時期に対応付けされて記憶されていることを特徴とする培養装置。 - 請求項1または請求項2に記載の培養装置において、
前記観察時期と前記割合との対応関係を表示するデータを表示装置に出力する表示出力部をさらに備えることを特徴とする培養装置。 - 請求項1に記載の培養装置において、
蛍光を放射する前記生体標本の減少によって、前記割合の値が第1の閾値以下となったときに、装置外部に警報を出力する報知出力部をさらに備えることを特徴とする培養装置。 - 請求項1に記載の培養装置において、
蛍光を放射する前記生体標本の減少によって、前記割合の値が第2の閾値以下となったときに、前記培養容器を前記恒温室から搬出する搬送機構をさらに備えることを特徴とする培養装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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