JP2009027797A - 新エネルギー発電システム出力変動緩和装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】自然エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する発電部の発電電力は気象条件に大きく影響されるため、この発電電力の電力変動に発電設備の発電機は追従できない問題を有している。
【解決手段】発電部の発電電力を検出して変化率演算部に入力する。また、この変化率演算部に発電設備の発電機のガバナの最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるような制限値に設定された正方向変化率設定値、及び負方向変化率設定値を入力する。変化率演算部は入力された各信号を基に充放電部に対する充放電指令値を演算する。また、充電深度制御を実施することで電力貯蔵部の過充電、過放電を防止する。
【選択図】 図8

Description

本発明は、自然エネルギーを利用した発電システムに係り、特に発電電力の変動を緩和するための新エネルギー発電システム出力変動緩和装置に関するものである。
風力や太陽光などの自然エネルギーを利用した発電システムは、それ自体では発電電力が気象条件に大きく影響されるために種々の手法により電力変動の緩和が図られ、例えば、太陽光発電システムとしては特許文献1が公知となっている。
特許文献1のものは、複数設置された太陽電池の出力を集電し、系統連系型インバータを介して電力系統に接続すると共に、太陽電池とインバータ間に蓄電装置を有する充放電回路を接続し、太陽電池の出力が充放電回路を介して蓄電装置に充電、或いは放電するように構成したものである。そして、この充放電時の制御は、太陽電池の発電電力を検出し、その電力の移動平均値を算出して充放電制御を実施して日射の変動による太陽電池の発電電力変動を吸収して電力系統への逆潮流電力の変動を抑制している。
特許文献2には、離島等において商用電源としてディーゼル発電機を設置し、出力変動の大きい風力発電システムを分散電源として接続したシステム構成のものが開示されている。この文献2には、有効電力及び無効電力変動による周波数変動をインバータ及び電力貯蔵装置により抑制するに当たって、風力発電システムの有効電力変動を検出し、ディーゼル発電機のガバナ特性のカットオフ周波数から割り出されたカットオフ周波数を有する高域フィルタにより有効電力変動から短周期変動分を抽出し、インバータの有効電力指令値を作成することが記載されている。
特開2001−5543号公報 特開2000−4541号公報
上述のように、電力系統に自然エネルギーを利用した発電システムを電源として連系する場合、電力貯蔵装置やインバータを用いて逆潮流電力の変動を抑制しているが、その制御において、特許文献1では電力の移動平均値を算出し、この算出値に基づいた信号により充放電制御を実行しているため、以下の問題を有している。
すなわち、移動平均は、入力信号系列をx(nT)とすると、この入力信号系列x(nT)から順にN点(Nは移動平均回数)を取り出し、それらを加算し、その結果をNで割ることによって入力信号系列x(nT)の移動平均である出力系列y(nT)を得ている。このため、移動平均回数を大きくすると加算量が大きくなり、過去の入力を記憶するための領域も大きくなって制御演算装置の処理能力を超えてしまうか、若しくは高価な処理能力の高い制御演算装置が必要となる。
また、このような移動平均を用いた場合、通常、スタートアップ時にリングバッファのすべてのフィールド(フィールド数は上記したNに対応)を初回検出値で埋める方式がよく採用され、この初回検出値が不安定な入力データなどから得られた異常な検出値であると、リングバッファのすべてのフィールド分の検出が終了するまで異常な検出値の影響が残ってしまうという問題がある。
さらに、特許文献2のように、有効電力の変動量を検出して高域フィルタを介してインバータの指令値を生成する場合、変動量の大きさによって変動抑制後の系統に与える変動量の傾きが変わってくる。一般に、系統に接続された発電機が変動に追従できる出力の変化率には限界があり、そのため系統に与える変動を発電機が追従できる限界内に収めるような移動平均数カットオフ周波数を設定する必要がある。しかし、自然エネルギーを用いた発電装置の出力変化量は大きく、高域フィルタによる出力の変動抑制を行った場合でも変動量の大きさによって
出力変動の急変に追従できず、系統側の発電機の追従範囲を超えた変化率が出力されることがある。同様に、移動平均による出力変動抑制の場合も、発電機の追従範囲を超えた変化率が出力されることがある。
したがって本発明が目的とするところは、異常な検出値の影響が残らないことおよび発電部の出力変動の急変時においても発電設備の発電機用ガバナまたは/および電力系統が追従可能な電力変動となるような自然エネルギーを利用した発電システムに用いる新エネルギー発電システム出力変動緩和装置を提供すると共に、過充電や過放電を防ぎながら電力制御を安定して継続できる出力変動緩和装置を提供することにある。
本発明の第1は、電力系統から独立した発電設備に自然エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する発電部を連系し、この発電設備と発電部との間に電力貯蔵部を有する充放電部を接続し、電力貯蔵部に蓄えたエネルギーを充放電部で充電または放電制御することにより前記発電部の出力と充放電部の出力とを加減算して電力の変動を緩和するものにおいて、
変化率演算部と充電深度制御部を設け、変化率演算部には、検出された前記発電部の発電電力と、前記発電設備のガバナの最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるような制限値に設定された前記発電電力の正方向変化率設定値、及び負方向変化率設定値とを導入して変化率演算を実行し、この変化率演算部の出力と発電部の発電電力検出値との差分による第1の充放電指令値を算出すると共に、前記充電深度制御部では、前記電力貯蔵部の充電深度検出値と充電深度指令値との偏差信号に応じた第2の充放電指令値を算出し、この第2の充放電指令値と前記第1の充放電指令値との和を前記充放電部の充放電指令値とすることを特徴としたものである。
本発明の第2は、電力系統に自然エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する発電部を連系し、この電力系統と発電部との間に電力貯蔵部を有する充放電部を接続し、電力貯蔵部に蓄えたエネルギーを充放電部で充電または放電制御することにより前記発電部の出力と充放電部の出力とを加減算して電力の変動を緩和するものにおいて、
変化率演算部と充電深度制御部を設け、変化率演算部には、検出された前記発電部の発電電力と、電力系統の最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるような制限値に設定された前記発電電力の正方向変化率設定値、及び負方向変化率設定値とを導入して変化率演算を実行し、この変化率演算部の出力と発電部の発電電力検出値との差分による第1の充放電指令値を算出すると共に、前記充電深度制御部では、前記電力貯蔵部の充電深度検出値と充電深度指令値との偏差信号に応じた第2の充放電指令値を算出し、この第2の充放電指令値と前記第1の充放電指令値との和を前記充放電部の充放電指令値とすることを特徴としたものである。
本発明の第3は、電力系統と、この電力系統に接続される発電設備に自然エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する発電部を連系し、この電力系統および発電設備を有する系統と発電部との間に電力貯蔵部を有する充放電部を接続し、電力貯蔵部に蓄えたエネルギーを充放電部で充電または放電制御することにより前記発電部の出力と充放電部の出力とを加減算して電力の変動を緩和するものにおいて、
変化率演算部と充電深度制御部を設け、変化率演算部には、検出された前記発電部の発電電力と、前記発電設備のガバナ及び電力系統の最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるような制限値に設定された前記発電電力の正方向変化率設定値、及び負方向変化率設定値とを導入して変化率演算を実行し、この変化率演算部の出力と発電部の発電電力検出値との差分による第1の充放電指令値を算出すると共に、前記充電深度制御部では、前記電力貯蔵部の充電深度検出値と充電深度指令値との偏差信号に応じた第2の充放電指令値を算出し、この第2の充放電指令値と前記第1の充放電指令値との和を前記充放電部の充放電指令値とすることを特徴としたものである。
本発明の第4は、自然エネルギーを電気エネルギーに変換する発電部と、変換された電気エネルギーを充放電部を介して貯蔵する電力貯蔵部を有し、電力貯蔵部に蓄えた電気エネルギーを充放電部で充電または放電制御することにより前記発電部の出力と充放電部の出力とを加減算して電力の変動を緩和するものにおいて、
変化率演算部と充電深度制御部を設け、充電深度制御部では前記電力貯蔵部の充電深度検出値と充電深度指令値との偏差信号に応じた第2の充放電指令値を算出し、前記変化率演算部には、検出された前記発電部の発電電力と、前記発電設備のガバナ、電力系統のうち少なくともどちらか一方、又は両方の最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるような制限値に設定された前記発電電力の正方向変化率設定値、負方向変化率設定値及び充電深度制御部によって算出された充放電指令値とを入力して変化率演算を実行し、前記発電電力検出値と前記充放電指令値に変化率制限を行うことで第1の充放電指令値を生成し、この第1の充放電指令値と検出された前記発電部の発電電力との差信号を前記充放電部の充放電指令値として出力するよう構成したことを特徴としたものである。
本発明の第5は、前記変化率演算部は、検出された前記発電部の発電電力と前記第2の充放電指令値とを加算する第2の加算部と、サンプリング信号と正方向変化率設定値との乗算値が1サンプリング前の変化率制限値とを加算する第1の加算部と、サンプリング信号と負方向変化率設定値との乗算値が1サンプリング前の変化率制限値とを差演算する減算部と、これら第1、第2の加算部及び減算部の出力信号に基づき変化率を演算する変化率制限部を備えたことを構成したことを特徴としたものである。
以上のとおり、本発明によれば、変化率演算部の出力と発電部の発電電力検出値との差分となる充放電量の指令値は、異常な検出値が入力された場合でも当該異常値以降の指令値に影響せず、発電設備の発電機用ガバナまたは/および電力系統が十分に追従できる範囲内に電力変動を抑えたことにより、発電設備または/および電力系統に発電部を連系したときの電力は安定し、発電部の出力変動による電力系統、発電設備または負荷への悪影響は緩和される。
また、電力変動の緩和制御のために、変化率の演算信号を用いているので、移動平均を用いたものと比較すると加減算と比較とがそれぞれ2回と前回値を1つ記憶するだけでよいため、少ない演算で電力変動の緩和制御が可能となり、電力変動に即応した追従制御が可能になる。且つ、移動平均・高域フィルタを用いる方法と比較して、発電部における発電電力の変動量が大きい場合でも電力貯蔵部を充放電制御することで、変動緩和後の電力変動を発電機用ガバナまたは/および電力系統が追従できる範囲内に抑えることができるので電力品質の向上が図れる。
さらに、電力系統や発電設備と電力貯蔵部とを協調した電力変動の緩和制御とすることで、発電設備を取り除いて発電部を電力系統に接続したときには、電力系統が追従できる範囲内に電力変動を抑えることで系統に接続される負荷への電力変動を緩和することができ、発電設備が電力系統に接続されたときには、発電設備の発電機用ガバナが追従できる範囲内に電力変動内に抑えることで、系統に接続される負荷及び電力系統への電力変動の波及はなくなる。そして、前記の協調を行うことで、電力系統や発電設備が応答出来ない時間のみ電力貯蔵部で補償すれば良いので電力貯蔵部の設備容量を小さくすることが出来る。
また、小水力発電設備、ディーゼル発電設備又はガスエンジン発電設備とした場合、本発明の電力変動の緩和制御は、前記発電設備が従来から備えているガバナによる出力調整機能の利用が可能となり、既設のこれら発電設備への適用が可能である。そのうえ、小水力発電設備、ディーゼル発電設備又はガスエンジン発電設備を併用した発電システムとすることで、発電部からの電力潮流を一定に保持できると共に発電部を太陽光発電することで、日中の前記発電設備の発電電力を低減し、夜間の発電設備による発電電力を増加させて、太陽光発電と発電設備との相互補完効果を得ることができる。
なお、発電部が電力系統と連系した場合において、発電部と接続する電力系統が小規模な場合や発電部と接続する電力系統が末端にある場合には、当該電力系統は発電部の出力変動の影響を受け易いが、本発明の出力変動緩和制御によって電力系統の出力は安定し、出力変動抑制の効果が顕著となる。
また、充電深度制御部を設けることにより、電力変動緩和制御時に、電力貯蔵部が満充電に近い状態の充電深度、または放電終止に近い状態の充電深度にならず、電力変動緩和制御が中断されることなく充電と放電との双方向の電力変動緩和制御が安定して行える。また、電力貯蔵部が過充電や過放電となることも防止出来る。
さらに、充電深度制御を行うことで、電力貯蔵部が満充電に近い状態の充電深度、または放電終止に近い状態の充電深度とならないように制御されるので、電力貯蔵部の設備容量に大きく余裕を持たなくとも電力変動緩和制御が中断しない。従って、電力貯蔵部の設備容量は、充電深度制御を行わない場合に比較して小さく出来るので、システム全体のコスト低減や設置スペースの低減を図ることが出来る。
図1は、本発明の実施例を示す構成図である。1は自然エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する発電部で、ここでは太陽電池で示され、太陽電池の場合には図示省略されているが複数並列設置されている。2はDC/DCコンバータで、太陽電池の出力電力が最大になるよう制御される。3は充放電部でDC/DCコンバータ等より構成されている。4は充放電部に接続された電力貯蔵部で、蓄電池や電気二重層キャパシタ等が使用され、出力変動の急変には大電流出力が可能な電気二重層キャパシタが好適である。
5は連系用のインバータで、発電部1の発電出力若しくは電力貯蔵部4によって貯蔵された電力を連系する相手方の電圧と同じ大きさで、且つ同じ位相の交流電圧に変換して連系する相手方の系統に逆潮流させる。6は発電設備で、小水力発電設備やディーゼル発電設備等が用いられ、発電設備の出力は変圧器7を通って電力系統に出力される。8は負荷、10は変化率演算部で、この変化率演算部10は発電部1の発電電力検出値の変化率(1サンプリング当たりの変化量)に制限を持たせるためのもので、その制限値は電力系統に接続される発電設備6の発電機用ガバナ、または/および電力系統が最大追従可能な電力変化量よりも小さな変化率となるように設定される。したがって、変化率演算部10の出力は発電設備6の発電機ガバナ、または/および電力系統で追従可能な変動成分で、その出力は減算部9において発電部1の発電電力検出値との差分がとられ、その信号の極性が正の場合には充放電部3に対する放電指令となり、負の極性時には充電指令となって充放電部3に出力される。
なお、DC/DCコンバータ2は発電部1が風力発電機でDCリンク方式の場合にはAC/DCコンバータとなり、ACリンク方式の場合にはコンバータ2は不要となる。また、ACリンク方式の場合には、図1で示すインバータ5が双方向導通のインバータとして構成され、充放電部3で行われる充放電指令をインバータ5で行い電力貯蔵部4と直列に接続されるか、若しくは、電力貯蔵部4、充放電部3と直列に接続され、これら直列に接続された回路が発電設備6と発電部1との連系系統に接続される。
図2は変化率演算部10のブロック図を示したものである。11は自然エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する発電部1の発電電力検出値で、その検出値は変化率制限部20と減算部9に出力される。12は発電部1による発電電力の正方向変化率設定値、13は負方向変化率設定値で、各設定値は発電設備6または電力系統が追従可能な許容変化率の上下限値となっている。14は所定の時間間隔で出力されるサンプリング信号、16及び17は乗算部で、乗算部16はサンプリング信号発生の都度、正方向変化率制限値を加算部18に出力する。また、乗算部17はサンプリング信号発生の都度、負方向変化率制限値を減算部19に出力する。15は遅延部で、変化率演算部10の出力となる変化率制限部20の1サンプリング前に演算された演算値が記憶される。
なお、サンプリング間隔を変動周期に比べて短くし過ぎるとサンプリング間の変化率が常に上下限値内に収まり補償動作が行われず、逆にサンプリング間隔を変動周期に比べて長くし過ぎると補償が追いつかず、発電部の出力変動がそのまま電力系統や負荷に出ることになる。そのため、サンプリング間隔は想定される最も短い発電部1の出力変動周期よりも長く、且つ出力変動がそのまま系統に出ても影響が出ない周期よりも短く設定される。また、このサンプリング間隔の設定と同様に変化率の上下限値の設定レベルが重要となり、これらを勘案して合理的に設定される。
以上のように構成された本発明においてその作用を説明する。
自然エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する発電部1の発電電力は、インバータ5に供給されて連系する相手方と同じ大きさの電圧で、且つ同じ位相の交流電圧に変換されて連系する相手方に送出される。発電部1の発電電力は図示省略された検出部により検出され、変化率演算部10の変化率制限部20と減算部9に出力される。変化率演算部10には予め図示省略された設定部から発電電力の正方向変化率設定値と負方向変化率設定値がそれぞれ入力される。各設定値は乗算部16と17にそれぞれ印加され、サンプリング信号が発振されたときに加算部18と減算部19にそれぞれ出力されて1サンプリング前の演算値と加算及び減算が実行される。その結果の各信号は変化率制限部20に出力される。
図3は変化率制御部20の動作フローを示したもので、ステップS1では、入力された発電部1の発電電力検出値と加算部18の出力信号との比較、すなわち、発電電力検出値と1サンプリング前の演算値+許容変化率の上限値との比較判定が行われ、発電電力検出値が当該演算値と上限値との和より大きい場合にはステップS3に移行して、変化率制御部20の演算値(変化率制御部10の出力)を1サンプリング前の値+許容変化率(加算部18の出力)とするための処理が実行される。
一方、S1で入力された発電電力が加算部18の出力値より小さい場合、ステップS2に移行して発電部1の発電電力と減算部19の出力信号との比較、すなわち、発電電力検出値と1サンプリング前の演算値−許容変化率の下限値との比較判定が行われ、発電電力検出値が当該演算値と下限値との差より小さい場合にはステップS4に移行して、変化率制御部20の演算値(変化率制御部10の出力)を1サンプリング前の演算値−許容変化率(減算部19の出力)とするための処理が実行される。
ステップS2で発電電力検出値が減算部19の出力値より大きい場合、ステップ5で変化率制御部20の演算値(変化率制御部10の出力)を発電電力検出値とするための処理が実行される。そして、変化率制御部20の演算値と発電電力検出値との減算を減算部9において実行し、電力貯蔵部4に対する充放電指令値として充放電部3に出力する。これにより、発電部1の発電電力の変動分で、発電機6の原動機用ガバナの追従性を超えた分が電力貯蔵部4の充放電指令値となり、発電部1の出力と電力貯蔵部4の出力との和による電力変動分はガバナの追従可能な範囲に抑えることができる。
したがって、この実施例によれば、変化率演算部10から出力される充放電量の指令値は発電機6のガバナが十分に追従できる電力変動内に抑えることが可能となったことにより系統連系点の電力は安定し、発電部1の出力変動による電力系統への悪影響はなくなる。
図4は、本発明による電力変動の緩和制御による発電機の負荷変動を示したもので、(a)は電力変動緩和制御を実施しなかった場合、(b)は本発明による発電機の負荷変動を示したものである。
図5は、他の実施例を示したもので、図1の実施例との相違点は変化率制限値(変化率設定値)を電力貯蔵量に関連付けて可変するようにしたことである。すなわち、21は電力貯蔵量の検出部で、この検出部によって検出された検出値は制限値補正部22に出力される。制限値補正部22は、電力貯蔵量に対する正方向変化率制限値と負方向変化率制限値との補正量がテーブル状に形成され、貯蔵量に応じて各変化率の制限値を設定している。他は前述の実施例と同じであるのでその説明を省略する。
この実施例によれば、電力貯蔵部の残量を考慮した変化率の上限、下限が設定されるので、より安定した電力の制御が可能となる。
図6は、図1の構成から発電設備6を取り除き、発電部1を電力系統に連系した場合の実施例を示したものである。この実施例での変化率演算部10は、発電部1の発電電力検出値の変化率に制限を持たせるために、連系された電力系統の最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるように設定される。その制御は、図1〜図3と同様であるので説明は省略する。また、図5のように、変化率演算部10に電力貯蔵量検出部21及び制限値補正部22を追加してもよいことは勿論である。
この実施例によれば、電力系統が追従できる電力変動内に抑えることができるので、この電力系統に接続される負荷への電力変動が緩和できるものである。また、発電部1を電力系統と連系した場合において、発電部1の出力に対して、例えば、離島のような小規模な電力系統で発電部出力の依存度が高い場合、または電力系統の末端で系統内の協調が得難い場合など、発電部1の出力変動の影響を受け易く出力変動が大きくなる。しかし、本発明では、このような場合でも電力系統の出力が安定し、電力変動緩和制御による効果が顕著となるものである。
図7は、図1又は図5の実施例に電力系統を連系した場合の実施例を示したものである。この実施例での変化率演算部10も、図1などで示す実施例と同様に、発電部1の発電電力検出値の変化率に制限を持たせるために、発電設備の発電機用ガバナが最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるように設定され、且つ図1などで示す実施例と同様の演算が実施されて充放電指令値が出力される。
この実施例によれば、発電設備の発電機用ガバナが追従できる電力変動内に抑えることができるので、他の電力系統に接続される負荷への電力変動が緩和できるものである。
なお、図6で示す実施例以外での発電設備6としては、発電設備であれば特に限定するものではないが、特に小水力発電設備、ディーゼル発電設備又はガスエンジン発電設備とした場合、従来から備えているガバナによる出力調整機能の利用が可能となる。これによって、既設の小水力発電設備、ディーゼル発電設備又はガスエンジン発電設備への電力変動の緩和制御の適用が可能である。また、小水力発電設備、ディーゼル発電設備又はガスエンジン発電設備を併用した発電システムとしたことで、発電部からの電力潮流を一定に保持できると共に、発電部を太陽光発電することで日中の前記発電設備の発電電力を低減し、夜間の発電設備による発電電力を増加させて、太陽光発電と発電設備との相互補完効果を得ることができる。
図8はさらに他の実施例を示したもので、前述した各実施例と異なる点は、充電深度制御部30を設けて充放電指令値Bを生成し、この指令値Bは減算部9より出力された充放電指令値Aと加算部31で加算して充放電指令値Cを生成し、充放電部3に出力するよう構成したことである。
前述した各実施例では、電力貯蔵部4の充電深度を考慮しないで電力変動緩和制御を行っているため、電力貯蔵部4が満充電に近い充電深度、または放電終止に近い充電深度となることがある。このため、電力系統の状態によっては、電力貯蔵部4は満充電に近いのに充電制御を実行し、或いは放電終止に近い状態なのに放電制御を実行して過充電又は過放電となる虞れが生じ、安定した電力変動緩和制御が継続できないことになる。電力貯蔵部4の過充電や過放電を防ぎ安定した制御を継続するためには、電力貯蔵部4の設備容量を大きくして余裕を持たせる必要が生じる。
図8で示す実施例は、この問題を解決するものである。そのために、充電深度制御部30に、電力貯蔵部4の充電深度検出値と電力貯蔵部4を目標の充電深度とするための充電深度指令値を入力し、両者の偏差信号に応じた演算を実行して充放電指令値Bを生成する。なお、充電深度検出値は、電力貯蔵部4が二次電池の場合は充放電時の電流積算値、電気二重層キャパシタの場合はキャパシタの端子電圧などを用いる。
次に本実施例の動作を説明する。電力変動緩和制御は、発電設備6の発電機用ガバナの最大追従可能変化量を超えた発電部1の電力変化量に対して、または連系された電力系統の最大追従可能な電力変化量を超えた発電部1の電力変化量に対して電力貯蔵部4の充放電を行う。このため、発電部1が連続して急峻な電力変動を行わない限り、減算部9からの充放電指令値Aは連続出力ではなく間欠出力になる。これより充放電指令値Bは、電力貯蔵部4の充電深度検出値と充電深度指令値を充電深度制御部30の誤差アンプに通して偏差分を加算部31に出力、又は電力貯蔵部4の充電深度検出値と充電深度指令値を図13のステップS10のフローに示す通りに比較して充電指令、放電指令又は待機指令の何れかを加算部31に出力する。この時の誤差アンプの比例ゲインは、制御応答(積分時定数)を電力変動緩和制御より十分遅く(例えば、制御応答を電力変動の緩和制御を0.1秒以下、充電深度制御を数十秒から数分で行うようにする。)すると共に、ゼロまたは極めて小さな値(干渉しない閾値以下)とすることで、充放電指令値Aと充放電指令値Bとが干渉しないようにする。
太陽光や風力等の自然エネルギーを利用した発電部1では、様々なパターンの出力変動が発生し得る。図10は充電深度制御部30が無い場合の電力変動緩和制御の動作模式図を示したもので、点線アで示す太陽光発電の出力が、例えば、時刻t1で高レベル状態から急峻に減少して、その後、分単位以上の時間をかけて出力がゆっくり回復(上昇)した後、時刻tnで再び出力が急落した場合を考える。この時、充電深度制御を行わないと電力貯蔵部4の充電深度は1回目の太陽光発電の出力急落時の電力変動緩和制御に貯蔵エネルギーが消費されて充電深度が低下した状態になってしまう。このため、時刻tnで示す2回目の出力急落時に貯蔵エネルギーの残存量が不足して、時刻tn+1では充放電部3が停止してしまい電力変動緩和制御の継続が困難になる。なお、実線イで示すインバータ出力及び発電部出力は、時刻t1からt2にかけて電力貯蔵部4で補償しながら電力系統への出力を徐々に減少させる。
図9は図8で示す充電深度制御部30を設けた場合の補償動作の模式図で、充放電指令値Bを図13で示すステップS10のフローによって制御した場合を示したものである。
図9で明らかなように充電深度制御を付加したシステムでは、電力変動緩和制御後に電力貯蔵部4の充電深度は充電深度指令値にて定めた充電深度に復帰するため、時刻tnでの2回目の太陽光発電の出力急落時にも電力変動緩和制御が継続できる。また、上記とは逆に、発電部1の出力が低レベル状態から急峻に増加して、その後、分単位以上の時間をかけて出力がゆっくりと低下した後、再び出力が急増した場合についても同様の効果を得ることができる。
以上より充放電部3には、充放電指令値Aと充放電指令値Bとが干渉しない充放電指令値Cが入力され、電力変動緩和制御と充電深度制御が同時に行われる。従って、発電部1の出力が、一定もしくは発電設備6または連系された他の電力系統が追従可能な電力変化量となる微少な電力変動レベルに収まると同時に、電力貯蔵部4が充電深度指令値にて定めた充電深度(例えば、電力貯蔵部4の充電深度は50%)に収束するように制御され、電力貯蔵部4はいつでも充電と放電との双方向の電力変動緩和に対応できる制御を行う。
また、図1、図5、図6および図7の発電部1の最大発電電力値に応じて、電力貯蔵部4の充電容量、充電深度制御部の制御応答速度および収束値を適切に選定することにより、電力変動緩和制御で電力貯蔵部4が満充電に近い状態の充電深度、または放電終止に近い状態の充電深度に達することが無くなる。これより、電力貯蔵部4が過充電や過放電となることを防止出来ると共に、電力変動緩和制御が中断されるのを抑止できる。
電力変動緩和制御時に、電力貯蔵部が満充電に近い状態の充電深度、または放電終止に近い状態の充電深度にならず、電力変動緩和制御が中断されることなく充電と放電との双方向の電力変動緩和制御が安定して行える。また、電力貯蔵部が過充電や過放電となることも防止出来る。さらに、本実施例の充電深度制御を行うことで、電力貯蔵部が満充電に近い状態の充電深度、または放電終止に近い状態の充電深度とならないように制御されるので、電力貯蔵部の設備容量を大きく余裕を持たなくとも電力変動緩和制御が中断しない。従って、電力貯蔵部の設備容量は、充電深度制御を行わない場合に比較して小さく出来るので、システム全体のコスト低減や設置スペースの低減を図ることが出来る。
図11は充電深度制御を行う場合の他の実施例を示したもので、図8の実施例と異なる部分は、充電深度制御部30によって生成された充放電指令値Bを変化率演算部10aに出力して電力変動緩和制御と充電深度制御との干渉の考慮をなくしたものである。
図8では充放電指令値Aと充放電指令値Bとを加算部31にて突き合わせて電力変動緩和制御と充電深度制御を行う充放電指令値Cを生成している。このことにより、図9で示すように充電深度制御の開始/終了時である時刻t2とtn−1に充放電部3の出力が急変する。これを防止するために、図8の実施例では制御応答を電力変動の緩和制御を0.1秒以下、充電深度制御を数十秒から数分で行うようにする等の干渉防止のための何らかの手段を講じる必要がある。
図11の実施例は、充放電指令値Bを変化率演算部10aに出力することにより、充電深度制御の開始/終了時であっても充放電部3の出力が急変しないようにしたものである。図12は変化率演算部10aの構成図を示したもので、32が充電深度制御部30によって生成された充放電指令値Bである。この充放電指令値Bは加算部33において発電電力検出値11と加算された後、変化率制限部20aに出力される。変化率制限部20aでは、加算部33、加算部18、及び減算部19からの入力された各信号に基づいて変化率を演算する。
図13が演算処理フローで、S10が充電深度制御部30における演算処理、S20が変化率制限部20aにおける演算処理フローである。ステップS11では、電力貯蔵部4の充電深度検出手段によって検出された充電深度検出値が充電深度指令値(目標値)より大きいか否かが判断され、大きい場合にはステップS12で放電指令を出力する。S11で充電深度検出値が充電深度指令値より小さい場合には、S13で充電深度指令値が充電深度検出値よりも大きいことを確認してS14で充電指令を出力する。また、S13で充電深度指令値が充電深度検出値よりも小さい場合には、S15で充放電待機指令とする。一般に、電力貯蔵部4に対する充電深度制御を実行する場合、充電深度指令値に対する±αの不感帯幅を有している。S15での充放電待機はこの不感帯領域内の場合である。
S12,S14,及びS15による充放電指令値Bは、S21とS28での演算に使用される。すなわち、ステップ21では、発電部1の発電電力検出値と充放電指令値Bとの合成出力演算(加算部33)が実行され、この合成出力値と1サンプル前合成出力値+変化率上限値との大小比較がS22で行なわれる。その結果、合成出力値>1サンプル前合成出力値+変化率上限値の場合、S23で合成出力指令値=1サンプル前合成出力値+変化率上限値の演算が実行される。
S22で合成出力値が小さいと判断された場合には、S24で合成出力値<1サンプル前合成出力値+変化率上限値の比較判断を実行する。その結果、合成出力値<1サンプル前合成出力値+変化率上限値の場合には、S25で合成出力指令値=1サンプル前合成出力値+変化率下限値の演算が実行される。
ステップS24で、合成出力値が大の場合にはS26で合成出力指令値=合成出力演算値として出力し、S27で1サンプル前合成出力値として保存され次のS22での大小の比較判断に使用される。ステップS28では、S23、S25、及びS26からの各信号に基づいて充放電指令値=合成出力指令値−発電電力検出値の演算(減算部9で)が実行され、合成出力指令値と発電電力検出値との差信号が充放電部3に対する充放電指令値Cとなる。
図14は、図11で示す実施例で、充電深度制御部30を設けて充放電指令値Bを図13のステップS10によって制御した場合の変動緩和制御動作の模式図である。前述のように、変化率演算部10aは発電部1の発電電力検出値の1サンプリング当たりの変化率に制限を持たせると共に、充電深度制御の充放電指令値Bにも変化率制限を持たせたことにより、図14で示すように、電力変動緩和制御の終了時である時刻t2とtn+1、及び充電深度制御の終了時である時刻tn−1での充放電部3の出力の変化は緩やかになり、電力変動緩和制御と充電深度制御の相互干渉は生じない。
以上のように、この実施例によれば、充電深度制御の開始/終了時の充放電部3の出力変化が緩やかになったことにより、充電深度制御のゲイン設定は、電力変動緩和制御との干渉を考慮する必要がなくなる。このことにより、充電深度制御のゲインを上げることが可能となり制御応答が速くなるため、電力貯蔵部4が充電末期または放電末期の充電深度にはなりにくいので、より一層の電力変動緩和制御の安定化と電力貯蔵部4の設備容量低減を図ることができる。
なお、図8及び図11で示す実施例では、図13のステップS10のフローに基づいて説明したが、誤差アンプを使用した場合フローは異なるが、この場合でも同様の効果を奏する。
本発明の第1の実施形態を示す構成図。 変化率演算部の構成図。 変化率演算部の動作フローチャート。 電力変動緩和の比較図で、(a)は平準化不実施時の発電機の負荷状態、(b)は変動緩和実施時の発電機の負荷状態図。 本発明の第2の実施形態を示す構成図。 本発明の第3の実施形態を示す構成図。 本発明の第4の実施形態を示す構成図。 本発明の第5の実施形態を示す構成図。 充電深度制御実行時の補償動作の模式図。 電力変動緩和制御時の動作模式図。 本発明の第6の実施形態を示す構成図。 変化率演算部の構成図。 変化率演算部と充電深度制御部の動作フローチャート。 電力変動緩和制御時の動作模式図。
符号の説明
1… 発電部
2… DC/DCコンバータ
3… 充放電部
4… 電力貯蔵部
5… インバータ
6… 発電設備
7… 変圧器
8… 負荷
9… 減算部
10… 変化率演算部
15… 遅延部
16、17… 乗算部
18… 加算部
19… 減算部
20… 変化率制限部
21… 電力貯蔵量検出部
22… 制限値補正部
30… 充電深度制御部
31… 加算部
33… 加算部

Claims (5)

  1. 電力系統から独立した発電設備に自然エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する発電部を連系し、この発電設備と発電部との間に電力貯蔵部を有する充放電部を接続し、電力貯蔵部に蓄えたエネルギーを充放電部で充電または放電制御することにより前記発電部の出力と充放電部の出力とを加減算して電力の変動を緩和するものにおいて、
    変化率演算部と充電深度制御部を設け、変化率演算部には、検出された前記発電部の発電電力と、前記発電設備のガバナの最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるような制限値に設定された前記発電電力の正方向変化率設定値、及び負方向変化率設定値とを導入して変化率演算を実行し、この変化率演算部の出力と発電部の発電電力検出値との差分による第1の充放電指令値を算出すると共に、前記充電深度制御部では、前記電力貯蔵部の充電深度検出値と充電深度指令値との偏差信号に応じた第2の充放電指令値を算出し、この第2の充放電指令値と前記第1の充放電指令値との和を前記充放電部の充放電指令値とするよう構成したことを特徴とした自然エネルギーを利用した発電システムに用いる新エネルギー発電システム出力変動緩和装置。
  2. 電力系統に自然エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する発電部を連系し、この電力系統と発電部との間に電力貯蔵部を有する充放電部を接続し、電力貯蔵部に蓄えたエネルギーを充放電部で充電または放電制御することにより前記発電部の出力と充放電部の出力とを加減算して電力の変動を緩和するものにおいて、
    変化率演算部と充電深度制御部を設け、変化率演算部には、検出された前記発電部の発電電力と、電力系統の最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるような制限値に設定された前記発電電力の正方向変化率設定値、及び負方向変化率設定値とを導入して変化率演算を実行し、この変化率演算部の出力と発電部の発電電力検出値との差分による第1の充放電指令値を算出すると共に、前記充電深度制御部では、前記電力貯蔵部の充電深度検出値と充電深度指令値との偏差信号に応じた第2の充放電指令値を算出し、この第2の充放電指令値と前記第1の充放電指令値との和を前記充放電部の充放電指令値とするよう構成したことを特徴とした自然エネルギーを利用した発電システムに用いる新エネルギー発電システム出力変動緩和装置。
  3. 電力系統と、この電力系統に接続される発電設備に自然エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発電する発電部を連系し、この電力系統および発電設備を有する系統と発電部との間に電力貯蔵部を有する充放電部を接続し、電力貯蔵部に蓄えたエネルギーを充放電部で充電または放電制御することにより前記発電部の出力と充放電部の出力とを加減算して電力の変動を緩和するものにおいて、
    変化率演算部と充電深度制御部を設け、変化率演算部には、検出された前記発電部の発電電力と、前記発電設備のガバナ及び電力系統の最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるような制限値に設定された前記発電電力の正方向変化率設定値、及び負方向変化率設定値とを導入して変化率演算を実行し、この変化率演算部の出力と発電部の発電電力検出値との差分による第1の充放電指令値を算出すると共に、前記充電深度制御部では、前記電力貯蔵部の充電深度検出値と充電深度指令値との偏差信号に応じた第2の充放電指令値を算出し、この第2の充放電指令値と前記第1の充放電指令値との和を前記充放電部の充放電指令値とするよう構成したことを特徴とした自然エネルギーを利用した発電システムに用いる新エネルギー発電システム出力変動緩和装置。
  4. 自然エネルギーを電気エネルギーに変換する発電部と、変換された電気エネルギーを充放電部を介して貯蔵する電力貯蔵部を有し、電力貯蔵部に蓄えた電気エネルギーを充放電部で充電または放電制御することにより前記発電部の出力と充放電部の出力とを加減算して電力の変動を緩和するものにおいて、
    変化率演算部と充電深度制御部を設け、充電深度制御部では前記電力貯蔵部の充電深度検出値と充電深度指令値との偏差信号に応じた第2の充放電指令値を算出し、前記変化率演算部には、検出された前記発電部の発電電力と、前記発電設備のガバナ、電力系統のうち少なくともどちらか一方、又は両方の最大追従可能な電力変化量よりも小さい変化量となるような制限値に設定された前記発電電力の正方向変化率設定値、負方向変化率設定値及び充電深度制御部によって算出された充放電指令値とを入力して変化率演算を実行し、前記発電電力検出値と前記充放電指令値に変化率制限を行うことで第1の充放電指令値を生成し、この第1の充放電指令値と検出された前記発電部の発電電力との差信号を前記充放電部の充放電指令値として出力するよう構成したことを特徴とした発電システムに用いる新エネルギー発電システム出力変動緩和装置。
  5. 前記変化率演算部は、検出された前記発電部の発電電力と前記第2の充放電指令値とを加算する第2の加算部と、サンプリング信号と正方向変化率設定値との乗算値が1サンプリング前の変化率制限値とを加算する第1の加算部と、サンプリング信号と負方向変化率設定値との乗算値が1サンプリング前の変化率制限値とを差演算する減算部と、これら第1、第2の加算部及び減算部の出力信号に基づき変化率を演算する変化率制限部を備えたことを構成したことを特徴とした請求項4記載の発電システムに用いる新エネルギー発電システム出力変動緩和装置。
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