JP2016105667A - 自然エネルギー発電システム - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、概して、再生可能エネルギー発電機と、蓄電池等を有する制御手段とを備え、急峻な出力変動を緩和する自然エネルギー発電システムを提供することを目的とする。【解決手段】この自然エネルギー発電システムは、再生可能エネルギー発電手段と、前記発電手段の出力が供給され充電される蓄電手段と、前記蓄電手段の出力を制御して電力系統へ出力する制御手段とを備えた自然エネルギー発電システムであって、前記制御手段は、少なくとも、制限出力を前記蓄電手段の充電率により修正して出力制御信号を生成し、該出力制御信号に基づき前記蓄電手段からの出力を制御する蓄電手段充電率依存の制御と、前記制限出力が、前記蓄電手段の容量不足に対して、系の運用リスクを表わすリスクファクタにより修正されるリスクファクタに基づく制御とを有している。【選択図】図6

Description

本発明は、電力系統へ電力供給する自然エネルギー発電システムに関する。更に具体的には、本発明は、概して、再生可能エネルギー発電機と、蓄電池等を有する制御手段とを備え、急峻な出力変動を緩和する自然エネルギー発電システムに関する。
最近、化石燃料やウラン等の地下資源価格の高騰、これら枯渇性資源が持つ有限性への対策、地球温暖化への対策等のため、再生可能エネルギーの開発・利用が注目されている。再生可能エネルギーは、「絶えず資源が補充されて枯渇することのないエネルギー」、「利用する以上の速度で自然に再生するエネルギー」という意味の用語であり、主な具体例として、太陽光、太陽熱、水力、風力、地熱、波力等が挙げられる。なお、再生可能エネルギーに対するものは、枯渇性エネルギーと呼ばれ、主な具体例として、化石燃料(石炭、石油、天然ガス、オイルサンド、シェールガス等)やウラン等の地下資源を利用するもの(原子力発電等)が挙げられる。
このような自然エネルギー発電システムに関する先行技術文献として、本発明者等は、次の特許文献を承知している。
特開2012-244759「電力平準化装置」(公開日:2012.12.10)富士電機株式会社 特開2013-115993「充電制御装置、太陽光発電システム、および充電制御方法」(公開日:2013.06.10)オムロン株式会社 特開2013-172495「電力貯蔵型の発電システム」(公開日:2013.09.02)三菱重工株式会社 特開2013-176234「独立型電力供給システム」(公開日:2013.09.03)株式会社日立製作所 特開2011-151960「蓄電システム、蓄電方法およびプログラム」(公開日:2011.08.04)エリーパワー株式会社
太陽光や風力などの再生可能エネルギーを利用した発電機は、出力が大きく変動することが知られている。
そのため、図1に示すように、従来の太陽光発電システム100では、出力変動の激しい太陽光パネル200からの出力は、パワーコンディショナーシステム(Power Conditioning System。以下、「PCS」という。)220により出力電力を処理して、既存の電力系統5へ電力供給していた。電力系統に対して、このような太陽光パネル200及びPCS220の組が複数組接続されている。
太陽光パネル200の出力電圧は、メーカーによって種々あるが、典型的には直流200〜500Vである。電力系統も種々あるが、典型的には交流6,600Vである。
PCS220の最も基本的な役割は、太陽光パネル200で発電した直流電流を、電力系統で一般的に使われる交流電流に変換することである。また、太陽光パネル200から得られる電力を常に最大値に維持する「MPPT(Maximum Power Point Tracking:最大電力点追従制御)」機能も備えている。太陽光が生み出す電力は、日射量と温度で電流と電圧が変動し、特性が常に変化する。電力は電流と電圧の積で決まるため、これが最大となるポイント(電力点)に制御することで電力を最大化できる。MPPTは、常に変動する電力点を迅速かつ正確に割り出して追従する機能である。
近年、大型で高出力の太陽光発電機や風力発電機が開発されている。これらの発電機は出力変動が一層激しいため、電力系統5に対して直接接続することが困難となっている。そこで、図2に示すように、太陽光発電システム110に対して大型の蓄電池260を備えたエネルギーストレージシステム(Energy Storage System。以下、「ESS」という。)が導入されている。ESSでは、PCS220の出力余剰分を双方向PCS240を介して蓄電池260に充電し、PCS220の出力不足分を双方向PCS240を介して蓄電池260から放電して、PCS220の出力の平準化が図られている。
図3は、図2に示すESSを備えた太陽光発電システム110の構成を、更に具体的に示した図である。トランス280は、必要に応じて設けられ、PCS220の出力を電力系統の電圧に昇圧及び/又はPSC220と電力系統との間を絶縁するため使用される。なお、本出願書類では、発電機200から電力系統5に至る流れを、特に「発電系統」と呼ぶことにする。
ここで、破線で囲まれた部分240は、図2の双方向PCS240に該当する。ここでは、発電系統の余剰分を、AC/DC変換器242により直流電力へ変換し、双方向DC/DC変換器246を介して蓄電池260へ充電する。反対に、発電系統の不足分を、蓄電池260から双方向DC/DC変換器246を介して取り出し、AC/DC変換器244により交流電力へ変換して放電している。
しかし、図3に示すESS方式では、つぎのような欠点を有している。
(1) システムが複雑となる。図3に示すように、蓄電池260を用いて発電系統の出力平準化を図るためには、発電系統から蓄電池260へ充電する電流経路と、蓄電池260から発電系統へ放電する電流経路との二系列の経路を設ける必要があり、システムが複雑となる。
(2) 変換効率が悪いため蓄電池260の利用率が悪い。一般に、太陽光発電機200や風力発電機はPCS220により電力系統へ交流で出力される。一方、蓄電池260は、直流で充電・放電される。従って、充電時には発電系統の出力をAC/DC変換して蓄電池260に送り、放電時には蓄電池260からDC/AC変換して発電系統に戻す必要がある。発電系統と蓄電池260の間で交流と直流の間で変換を繰り返すことにより、変換効率が悪化し、蓄電池260の利用率が悪くなる。
(3) コスト高になる。大型で高出力の発電機200を備えた発電系統と蓄電池260の間に、DC/AC変換器244、AC/DC変換器242、大電力用のDC/DC変換器246等が必要となりコストが高くなる。
(4) 大容量の蓄電池260が必要となり、高価なシステムとなる。即ち、緩やかな出力上昇や減少を実現するためには、大容量の蓄電池260を必要とする。このため、高価なシステムとなり、市場への導入が限られていた。
上記課題に鑑みて、本発明は、概して、再生可能エネルギー発電機と、蓄電池等を有する制御手段とを備え、急峻な出力変動を緩和する自然エネルギー発電システムを提供することを目的とする。
本発明に係る自然エネルギー発電システムは、再生可能エネルギー発電手段と、前記発電手段の出力が供給され充電される蓄電手段と、前記蓄電手段の出力を制御して電力系統へ出力する制御手段とを備えた自然エネルギー発電システムであって、前記制御手段は、少なくとも、制限出力を前記蓄電手段の充電率により修正して出力制御信号を生成し、該出力制御信号に基づき前記蓄電手段からの出力を制御する蓄電手段充電率依存の制御と、前記制限出力が、前記蓄電手段の容量不足に対して、系の運用リスクを表わすリスクファクタにより修正されるリスクファクタに基づく制御とを有している。
更に、上記自然エネルギー発電システムでは、前記制御手段は、更に、設定された出力レートに基づき、前記蓄電手段からの出力の時間的変化を修正して、前記蓄電手段からの出力を制御する出力レート制御を有していてもよい。
更に、上記自然エネルギー発電システムでは、前記発電手段の出力は、DC/DC変換器を介して前記蓄電手段に供給され、前記蓄電手段の出力は、前記DC/DC変換器を介してPCSへ供給されてDC/AC変換され、該PCSの出力が前記電力系統へ供給されていてもよい。
更に、上記自然エネルギー発電システムでは、前記蓄電手段の出力は、前記DC/DC変換器を介してPCSへ供給されてDC/AC変換され、該PCSの出力がトランスを介して調整されて前記電力系統へ供給されていてもよい。
更に、上記自然エネルギー発電システムでは、前記出力レート制御は、前記電力系統に供給される電力から検出した時間的変化分から、設定された出力レート分を除いた時間的変化に基づき前記蓄電手段からの出力を制御してもよい。
更に、上記自然エネルギー発電システムでは、前記出力レート制御は、前記電力系統に供給される電力を検出するセンサーと、この検出値を時間微分する時間微分回路と、設定された出力レート分を除いた時間的変化を生成する不感帯処理回路と、該不感帯処理回路の出力を増幅して、DC/DC変換器及び/又はPCSに対して負帰還する増幅器から構成されていてもよい。
更に、上記自然エネルギー発電システムでは、前記蓄電手段充電率依存の制御は、前記制限出力に対して前記蓄電手段の充電率を乗算して修正して出力制御信号を生成してもよい。
更に、上記自然エネルギー発電システムでは、前記リスクファクタに基づく制御は、前記制限出力が、設定されたリスクファクタにより修正されていてもよい。
更に、上記自然エネルギー発電システムでは、前記リスクファクタは、手動、自動又は天候に依存して、予め設定されていてもよい。
更に、上記自然エネルギー発電システムでは、前記再生可能エネルギー発電手段は、太陽光発電機、風力発電機、地熱発電機及び波力発電機を含む群から選択された1又は2以上の発電機であってよい。
更に、上記自然エネルギー発電システムでは、前記蓄電手段は、ナトリウム・硫黄電池、リチウムイオン電池及び電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタを含む群から選択された1又は2以上の蓄電池であってよい。
本発明によれば、概して、再生可能エネルギー発電機と、蓄電池等を有する制御手段とを備え、急峻な出力変動を緩和する自然エネルギー発電システムを提供することが出来る。これにより、大規模太陽光発電機(メガソーラー)や大規模風力発電機を導入する際の電力系統に影響するような出力変動の問題が解決される。
図1は、従来の太陽光発電システムを説明する図である。 図2は、従来のESSを備えた太陽光発電システムを説明する図である。 図3は、図2に示すESSを備えた太陽光発電システムの構成を、更に具体的に示した図である。 図4は、本実施形態に係る自然エネルギー発電システムの構成を示す図である。 図5Aは、図4の発電システムに使用されるDC/DC変換器として使用可能な双方向チョッパ方式の代表的な例(降圧・昇圧型)を示す図である。 図5Bは、図4の発電システムに使用されるDC/DC変換器として使用可能な双方向チョッパ方式の代表的な例(昇圧・降圧型)を示す図である。 図5Cは、図4の発電システムに使用されるDC/DC変換器として使用可能な双方向チョッパ方式の代表的な例(昇圧・昇圧型)を示す図である。 図6は、図4に示す自然エネルギー発電システムのコントローラによる制御を具体的に説明する図であり、コントローラの部分を破線枠で示している。 図7は、図4に示す自然エネルギー発電システムのコントローラによる制御を具体的に説明する図であり、コントローラの部分を破線枠で示している。 図8Aは、10MW太陽光発電機において、蓄電池満充電時に急激な日照低下が起きた場合の発電機の出力を示す図である。 図8Bは、10MW太陽光発電機において、蓄電池満充電時に急激な日照低下が起きた場合のPCSの出力を示す図である。 図8Cは、10MW太陽光発電機において、蓄電池満充電時に急激な日照低下が起きた場合の蓄電池のSOCを示す図である。 図9は、後述のリスクファクタ設定において、予想される天候の変化率と望ましいリスクファクタの値Rfとの関係を示した図である。 図10は、特許文献1の代表図を示す図である。 図11は、特許文献2の代表図を示す図である。 図12は、特許文献3の代表図を示す図である。 図13は、特許文献4の代表図を示す図である。 図14は、特許文献5の代表図を示す図である。
以下、本発明に係る自然エネルギー発電システムの実施形態に関して、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。図中、同じ要素に対しては同じ参照符号を付して、重複した説明を省略する。
[自然エネルギー発電システム]
(構成)
図4は、本実施形態に係る自然エネルギー発電システム10の構成を示す図である。この自然エネルギー発電システム10は、再生可能エネルギー発電機20と、蓄電池等を有する出力制御手段32とを備え、急峻な出力変動を緩和する自然エネルギー発電システムである。図4では、蓄電池等を有する制御手段32を破線枠で示している。
制御手段32は、発電系統として、発電機20に接続するDC/DC変換器21と、DC/DC変換器に接続するPCS22と、PCSに接続するトランス28とを有する。更に、制御手段32は、DC/DC変換器21に接続された蓄電池26を有している。更に、制御手段32は、DC/DC変換器21及びPCS22を監視しながら、制限出力に基づき、DC/DC変換器及びPCSを運転制御するコントローラ29を有している。
各要素に関して説明する。
再生可能エネルギー発電機20は、主として、太陽光発電機、風力発電機、波力発電機などから構成される。風力発電機の出力は交流で発電されることが多いが一旦直流へ変換されPCSにより系統へ接続されているため、同様に取り扱うことが可能である。一般に、これらの発電機は、気象条件に左右される自然エネルギーを利用しているため、出力が安定しない欠点を有している。
DC/DC変換器21は、直流電圧を別の直流電圧に変換する回路要素であり、ここでは、発電機20の出力電圧を、後段のPCS22、蓄電池26の使用電圧に変換している。
PCS22の基本的な役割は、発電機20で発電した直流を交流に変換することにある。更に、発電機20から得られる電力を常に最大値に維持するMPPT(Maximum Power Point Tracking:最大電力点追従制御)」等の役割も果たしている。
トランス28は、PCS22の出力を電力系統の電圧に昇圧及び/又はPSC22と電力系統間を絶縁するため使用されている。従って、トランス28は、必須な要素ではなく、昇圧や系統との絶縁の必要が無い場合は無くてもよい。
蓄電池26としては、代表的には、鉛蓄電池、ニッケル水素電池、ナトリウム・硫黄電池(「NAS電池」(登録商標)ともいう。)、リチウムイオン電池等が挙げられる。更に、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等のキャパシタも使用されるものと思われる。
(動作)
図4に示す自然エネルギー発電システム10では、発電系統に沿って、再生可能エネルギー発電機20により発電された電力は、DC/DC変換器21を経由して、PCS22へ出力され、交流へ変換して、トランス28を介して、電力系統へ電力供給する。
コントローラ29により、発電系統の出力が高すぎる場合には余剰電力を使って蓄電池26を充電し、発電系統の出力が低すぎる場合には不足電力を蓄電池26から放電することにより、発電系統の出力変動が小さくなるように制御される。即ち、コントローラ29は、DC/DC変換器21及びPCS22を監視しながら、出力レート設定及び制限出力に基づき、DC/DC変換器及びPCSを運転制御して、PCS22の出力変動が小さくなるように制御する。
図4に示す本実施形態に係る発電システム10と図3に示す従来の発電システム110とを比較すると、本実施形態に係る発電システム10は、従来の発電システム110に関して説明した課題又は問題点を減少又は解決している。即ち、
(1)本実施形態に係る発電システム10は、発電系統と蓄電池26の間は1系列で接続されているため、システム構成が比較的簡単である。
(2)発電系統のPCS22におけるDC/AC変換前に、蓄電池26に接続されているため、DC−AC間の変換が不要となり、変換効率の悪化、蓄電池の低利用率といった問題が無い。
(3) 比較的低コストになる。即ち、従来のシステム110における発電系統と蓄電池260との間のDC/AC変換器244、AC/DC変換器242等が不要となり、比較的低コストとなる。
(4) 本実施形態に係るシステム10は、コントローラ29により、発電系統の緩やかな出力上昇や減少を実現しているため、比較的小容量の蓄電池20で足りる。このため、比較的廉価なシステムとなる。
(5)更に、本実施形態に係るシステム10では、蓄電池26は、比較的発電機20に近い所へ設置されるため、過渡的な電流による損失が少ないことも利点である。この損失は、配線の損失と同様にI2Rで表せるように電流の2乗に比例するため、送電する平均電力量は同じであっても、ピーク電流が高い程損失が多くなる。図3では、発電機から、PCS、AD/DC変換器、双方向DC/DC変換器を経由して蓄電池へ充電されるため、抵抗が大きくなるので損失が多くなる。
[DC/DC変換器の具体例]
(構成)
図5A〜5Cは、図4の発電システムに使用されるDC/DC変換器21として使用可能な双方向チョッパ方式の代表的な例を示す図である。即ち、図5Aは降圧・昇圧チョッパ方式変換器21aを、図5Bは昇圧・降圧チョッパ方式変換器21bを、図5Cは昇圧・昇圧チョッパ方式変換器21cを、夫々示している。
これらチョッパ方式の中で、図5Aに示す双方向チョッパ方式21aは、発電機20とPCS22とを連結する線路間に、直接的に電力変換デバイス(リアクトル等)が入っていないため、損失が少ないという特長がある。
図5Aに示す降圧・昇圧チョッパ方式21aでは、SW1、D2、リアクトル1によって降圧チョッパを構成し、発電機20から蓄電デバイス(ここでは、キャパシタ C)へ電圧を降圧して充電を行う。また、リアクトル1、SW2、D1によって昇圧チョッパを構成し、蓄電デバイスからPCS22側へ昇圧して放電を行う。
なお、この降圧・昇圧チョッパは、D1,SW1とリアクトル1とを入れ替えることにより、昇圧・降圧チョッパとして使用することもできる。即ち、発電機の出力を昇圧して蓄電デバイスへ充電し、蓄電デバイスから降圧して放電することも可能である。
図5Bに示す昇圧・降圧チョッパ方式21bでは、リアクトル1、SW1、D1によって昇圧チョッパを形成し、発電機電圧を昇圧して蓄電デバイス(キャパシタ C)へ充電を行う。また、SW2,D2,リアクトル2によって降圧チョッパを形成し、キャパシタCからPCS22へ降圧して放電を行う。この昇圧・降圧チョッパ方式では、PCS22への出力を直接降圧チョッパで制御できるため、PCS22の出力変動を降圧チョッパで抑制することが可能である。
図5Cに示す昇圧・昇圧チョッパ方式21cでは、リアクトル1、SW1、D1によって昇圧チョッパを形成し、発電機電圧を昇圧して蓄電デバイス(キャパシタ C)へ充電を行う。また、リアクトル2、SW2、D1によって昇圧チョッパを形成し、キャパシタ CからPCS22へ昇圧して放電を行う。この昇圧・昇圧チョッパ方式では、PCS22への出力を直接降圧チョッパで制御できるため、PCS22の出力変動を降圧チョッパで抑制することが可能である。但し、PCS入力電圧が高くなるので、発電機電圧が高いシステムではPCS22の入力耐圧に注意が必要である。
DC/DC変換器21としては、これらのチョッパ方式以外にも様々な方式が考えられるが、チョッパ方式は部品数が少ないという特長がある。更らに、一般的に、チョッパ方式は損失も少ない傾向にある。
[PCSの出力制御]
(構成)
図6及び図7は、図4に示す自然エネルギー発電システム10のコントローラ29による制御を具体的に説明する図であり、コントローラ29の部分を破線枠で示している。図6のシステム10と図7のシステム10−1を比較すると、図6ではコントローラ29によりPCS22の出力制御を行い、図7ではDC/DC変換器21の出力制御を行っている点で相違することを除き、同じである。従って、以下、図6のシステム10に関して説明する。
図6のコントローラ29は、PCS22の例えば電力出力を検出するセンサー29Cと、センサーからの電力出力を時間微分する時間微分回路29dと、時間微分された検出値に対して使用者により設定された出力レート設定(出力の時間的変化の設定)の範囲内の値を無視する不感帯処理回路29eと、不感帯処理回路からの出力を増幅して加算回路29bに負帰還するための増幅回路(アンプ)29fとを有する。更に、コントローラ29は、後述のリスクファクタRfを用いて求められる制限出力PLと蓄電池20の充電率SOCとを乗算し、その積を加算回路29bに出力する掛算回路29aとを有する。ここで、増幅回路29fの制御系が負帰還回路を形成するために十分なゲインを持っているものとし、PLは(1.0+Rf)に比例するものとする。
現代的な回路設計では、これらのコントローラ29の部分は、マイクロコンピュータ(マイコン)、パーソナルコンピュータ(パソコン)、DSP(Digital Signal Processor)等により実現される。
図6の発電システム10の制御は、次の3つのレベルで行われる。第1は、PCS22の電力出力を検出して加算回路29bに負帰還をかけている出力レート制御である。第2は、出力レートを維持するためにPCS22の電力出力を制限するための制限出力PLに対して、蓄電池20の充電率SOCを掛算回路29aで乗算して出力制御信号PL*SOCを生成する、電池の充電率SOCによる制御である。第3は、後述する天候の変動状況により決定されたリスクファクタRfの運用により出力レートを維持する信頼性を高める制御である。発電システム10の制御としては、最低限、第2の電池の充電率SOCによる制御及び第3のリスクファクタRfの運用により出力レートを維持する信頼性を高める制御が必須である。
図6の発電システム10において、発電機20の出力PaはDC/DC変換器21へ供給され、DC/DC変換器21からは、Pcで蓄電池20へ充電され、PbでPCS22及びトランス28を介して電力系統に出力される。
従って、天候が良く発電機20の出力Paが相対的に高い場合(Pa≧Pb)、出力Pbに対する余剰電力(Pc=Pa-Pb)が蓄電池20に充電される。反対に、天候が悪く発電機20の出力が相対的に低い場合(Pa≦Pb)、出力Pbに対する不足電力(Pc=Pa-Pb)が蓄電池20から放電される。
(第1の出力レート制御)
第1の出力レート制御では、PCS22の出力電力をセンサー29cで検出し、微分回路29dで時間微分を取って時間的変化を求め、使用者が設定した出力レート(例えば、±1%/min.)の範囲内の時間的変化を無視する不感帯処理回路29eで処理し、増幅器29fで加算回路29bを介してPCSへ負帰還をかけている。この出力レート制御により、PCS22の出力Pbの時間的変化が、使用者が設定した出力レート(例えば、±1%/min.)の範囲内に入るように制御される。この出力レート制御により、発電系統に対する出力Pbの急激な変動を抑制することが出来る。
(第2の充電率SOCによる制御)
第2の蓄電池20の充電率SOCによる制御は、次の通りである。前記のように、天候が良く発電機20の出力Paが相対的に高い場合(Pa≧Pb)、出力Pbに対する余剰電力(Pc=Pa-Pb)が蓄電池20に充電される。反対に、天候が悪く発電機20の出力が相対的に低い場合(Pa≦Pb)、出力Pbに対する不足電力(Pc=Pa-Pb)が蓄電池20から放電される。この処理は、後述の制限出力PLに対しSOCのレベルに応じてPbを決定してPCS22に指令を出し、PaとPbの関係により蓄電池20へ充放電することにより、容易に実現できる。
例えば、本例のように掛算回路29aでPb=PL*SOCを求めてPCS22へ指令を出し、計測したPaからPc=Pa−Pbを求め、電力PcでDC/DC変換器21に充放電を指令すればよい。DC/DC変換器21は、Pc>0であれば、Pcの電力で蓄電池20に充電を行い、Pc<0であればPcの電力で蓄電池20から放電する。この方法では、PCS22の出力(≒Pb=PL*SOC)は、入力電力Paに無関係な式であるため入力の変動を直接受けることはなく、蓄電された結果として現れるSOCに比例して出力されるため安定した出力となる。即ち、蓄電池20の充電率SOCとPLによりPbを制御することにより、蓄電池20の容量を増加すること無く、系統への出力を安定化することが出来る。
第3のリスクファクタRfによる制御は次の通りである。リスクファクタRfは、系におけるリスクを表す因子であり、その時点における天候の変動状況により決定する。例えば、図9に示すように、天候が晴れ後曇りのような変化が激しく発電機20からの出力変動(dp/dt)が大きい場合、蓄電池20は容量不足になる可能性が高いので、系の運用リスクを低減するためにリスクファクタRfを小さく設定する。一方、曇り又は雨、曇り後晴れ、快晴のような発電機からの出力変動(dp/dt)が小さい場合、蓄電池20は容量不足になる可能性が非常に低いので、系の運用リスクを高めても良いため、リスクファクタRfを最大にする。
制限出力PLは、PL∝(1+Rf)としてリスクファクタRfにほぼ比例する様に決定されるため、Rfを大きくする程系統への出力が増加する。しかしながら、Rfを大きくすると、急激な発電電力低下時に蓄電池の容量不足となり、出力レートを一定範囲に維持することが困難となる。反対にRf=0とすると、どのような発電出力の変動が起きても出力レートを一定範囲に維持することができるが、系統への出力が低下する。
蓄電池の容量を小さくする程容量不足となる可能性が高くなるため、本システムのように蓄電池の容量を小さくしたシステムではこのようなトレードオフが生じる。しかし、後述のように気象条件によりRfを適切に変更することにより、蓄電池の容量が不足することなく出力変動を一定範囲に維持することが可能となる。
(制御の具体例)
再生可能エネルギー発電機として、10MW太陽光発電機(ソーラーパネル)を例にとって説明する。図8A〜8Cに、10MW太陽光発電機において、蓄電池満充電時に急激な日照低下が起きた場合の発電機の出力(図8A)、PCSの出力(図8B)、蓄電池のSOC(図8C)を夫々示す。ここでは、PCSの出力電力Poの時間的変化(出力レート)を出力の±1%/min以下と仮定している。
図8Aに示すように、太陽光発電機が10MW出力している場合、出力レートが±1%/min以下であると、図8Bに示すように、PCS出力は−100kW/minで減少し続け、100分後に出力0にすることが可能である。日照がゼロになってもPCS22がこのレートで出力できるためには、蓄電池の容量は斜線で示す三角形の面積だけ必要であり、(10MW+0)/2*100分/60 = 5MW*100/60 = 8.3MWhが必要である。
ここで、蓄電池20の容量を必要な容量の約1/4に削減したと仮定すると、この例では必ず蓄電池の残量がゼロ(図8C破線参照)となり、予め定めた出力レートを逸脱してしまう(図8B破線参照)。このアルゴリズムでは、このような場合に、出力レートが破綻しない様に、予めPCSの出力を抑制しておく(図中P1)。この時、PCS出力は一点鎖線のように減少するが、出力レート±1%/min以下は維持することができる。即ち、蓄電池20の残量からPCS22の出力を計算して、予めPCS22の出力を抑制しておくことにより、蓄電池20の残量がゼロになる前に出力をゼロとすることができる。
今、発電機20の出力をPmax[W]、発電機の急激な出力低下時出力をPmin[W]、現在の発電機の出力をP1[W]、許容最大出力レートをRp[%/min]とすると、蓄電池に必要な容量Ec[Wh]は、三角形の面積より(1)式が得られる。
Ec = (P1 - Pmin) × ((P1 - Pmin) / (Pmax×Rp/100)) / 2 / 60 = (P1 - Pmin)2/(Pmax×Rp)/1.2 …(1)
例えば、Pmax=10MW, Pmin=0MW, Rp=1%/min, P1=10MWを夫々代入すると、Ec = 1.0E+14/(1.0E+7×1)/1.2 = 1.0E+7/1.2 = 8.3[MWh]が得られる。
この(1)式より、蓄電池の残量Ecが分かればP1を決定することができ、P1は(2)式で求めることができる。
P1 = sqrt (1.2Ec×Pmax×Rp) + Pmin …(2)
例えば、Pmax=10MW, Pmin=1MW, Rp=1%/min, Ec=2MWhの時、P1=sqrt(1.2*2.0E+6×1.0E+7×1)+1.0E+6 = 4.9E+6 + 1.0E+6 = 5.9MWが得られる。即ち、最大出力10MWの太陽光発電機と2Mhの蓄電池で構成された発電システムにおいて、早朝から快晴で発電中に急激に曇り出力が10%へ出力が落ちたような場合でも、最大出力を5.9MWに制限しておくことにより、出力の変動レートを1%/min以下に抑制することが可能である。しかし、出力を抑制するため、発電量が少なくなってしまうという問題がある。この問題は、次のリスクファクタ処理により解決する。
(リスクファクタ)
本実施形態では、上記のような場合にでも、発電量の低下を出来る限り少なく出来る特長を有している。ここでは、リスクファクタという概念を導入する。リスクファクタRfは、本システムの系が規定の出力レートを逸脱するリスクを表示する因子である。Rf=0では、規定の変動レートを逸脱するリスクはゼロである。RFが大きくなる程逸脱するリスクが高くなる。例えば、図9に示すように、晴れ後曇り、変化の激しい日のような発電機からの出力変動(dp/dt)が大きい場合は容量不足になる可能性が高いため、リスクファクタRfを最小にすることで規定の出力レートを逸脱するリスクを小さくすることができる。一方、曇り又は雨、曇り後晴れ、快晴のような発電機からの出力変動(dp/dt)が小さい場合は容量不足になる可能性が低いため、リスクファクタRfを最大にしても規定の出力レートを逸脱せず、出力を最大化することができる。
即ち、リスクファクタRf(≧0)とする時、PCSの制限出力Pを、(3)式で定義する。この式では、Rf= 0の時、PLは(2)式で得られるP1と同じ式となる。即ち、(2)式の出力に抑制すれば出力レートは確実に維持できるので、規定の出力レートを逸脱するリスク0である。Rf> 0が大きくなるほど、出力レートを維持できずに破綻する確率が高くなる。
PL= (1.0 + Rf) × {sqrt (1.2Ec×Pmax×Rp) + Pmin} …(3)
(天気予報に基づくリスクファクタの選択)
今日の天気を見て、GUI(Graphical User Interface)によりリスクファクタを選択する。即ち、早朝から晴天で午後急激に天気が崩れると予想される日は、「急激に天気が崩れる」ボタンを押すことで、リスクファクタRfを0.5に設定する。また、天気の変動が激しいと予想される日は、「天気の変動が激しい」ボタンを押すことで、リスクファクタRfを0.8に設定する。それ以外の日は、「それ以外の天気」ボタンを押すことで、リスクファクタRfを1.0に設定する。
(気象情報サービスにより雲の発生の予測に基づくリスクファクタの選択)
気象情報サービスにより、雲の発生を予測することが可能である。風上側(通常は西側)に雲が発生し、天気が崩れると判断された場合、リスクファクタRfを自動的に0.5に設定する。また、雲発生と消滅が頻繁に繰り返されるような場合はリスクファクタRfを0.8に設定する。それ以外は、1.0で運用する。これにより、リスクファクタRfの設定を自動化することができ、リスクファクタRfを小さくすることによる発電損失も減らすことができるので売電量を維持することができる。
(風力発電を使用した場合のリスクファクタの選択)
実施例3−1において、発電機に風力発電を使用した場合、早朝から風が強くて午後急激に風が止むと予想される日は、「風強し急に風が止む」ボタンを押すことで、リスクファクタRfを0.5に設定する。また、風力の変化が激しいと予想される日は、「風強く変化が激しい」ボタンを押すことで、リスクファクタRfを0.8に設定する。それ以外の日は、「それ以外の天気」ボタンを押すことで、リスクファクタRfを1.0に設定する。
(気象情報サービスにより風向風力の発生の予測に基づくリスクファクタの選択)
気象情報サービスにより、風向風力を予測することが可能である。風が強い日に風力が急激に減少すると予想された場合、リスクファクタRfを自動的に0.5に設定する。また、風が強くガスト性の風と予想されるような場合はリスクファクタRfを0.8に設定する。それ以外は、1.0で運用する。これにより、リスクファクタRfの設定を自動化することができ、リスクファクタRfを小さくすることによる損失の機会も減らすことができるので売電量を向上させることができる。
[リスクファクタの運用]
リスクファクタRf =1.0で運用し、一旦破綻(出力レートを逸脱)した場合、リスクファクタRfを安全な値(例えば0.2)にして運用する。これにより、リスクファクタRfの設定を自動化することができ、1日に1回は破綻する可能性があるが1回しか破綻したいため、また、このような変動がある日は1年を通じて多くないため系統に与える負荷を軽減することができる。この実施例単独でも実用的であると考えられるが、実施例3-2や実施例4-2と併用することにより破綻する確率を大幅に少なくすることが可能である。
[従来技術及び特許文献1〜5と、本実施形態との比較検討]
(1)特許文献1(特開2012-244759)
特許文献1の代表図を図10に示す。特許文献1では、第1の電力変換器5は、蓄電池4とコンデンサ9との間で電力の授受を行うことによってコンデンサ9の電圧を所定値に維持する第1の定電圧制御動作を行い、第2の電力変換器6は、発電設備1と負荷2とで構成される電力系統とコンデンサ9との間で電力の授受を行う充放電制御動作を行う電力平準化装置に関する技術を開示している。
即ち、第2の電力変換器は、前記負荷で消費される電力が所定の電力下限値より小さくなったとき前記電力下限値と前記負荷の消費電力との差に相当する電力を前記電力系統から前記コンデンサに充電するための充電動作と、前記負荷で消費される電力が所定の電力上限値より大きくなったときその超過電力に相当する電力を前記コンデンサから前記電力系統に放電するための放電動作とを行うことを特徴としている。
しかし、この方式では出力レート(出力の時間的変化)を維持する方式ではなく、また太陽光パネル等の発電機を前提としていないため、本実施形態とは異なっている。
(2)特許文献2(特開2013-115993)
図11は、特許文献2の代表図を転記したものである。特許文献2では、1個の充電用コンバータ43で、太陽光パネルの出力を効率よく蓄電池へ蓄電する方法を開示している。しかし、電力系統の出力を安定する機能はない。
(3)特許文献3(特開2013-172495)
図12は、特許文献3の代表図を転記したものである。特許文献3では、逆潮流(売電)が系統電圧の上昇により制限される条件でも蓄電池を充電することにより、当該発電電力を無駄なく利用することができる電力貯蔵型の発電システム技術を開示している。しかし、電力系統の出力を安定する機能はない。
(4)特許文献4(特許公開2013-176234)
図13は、特許文献4の代表図を転記したものである。特許文献4では、気象予測データを用いて負荷装置の需要予測データ及び自然エネルギー発電機の発電出力予測データを計算し、需要予測データ及び発電出力予測データにより、蓄電池の最大充電電力を超えて蓄電池に充電されることが予測される場合には自然エネルギー発電機からの発電出力を抑制し、需要予測データ及び発電出力データにより、蓄電池の最大放電電力を超えて蓄電池から放電されることが予測される場合には調整用負荷の消費電力を抑制することを特徴とする独立型電力供給システムを開示している。しかし、電力系統の出力を安定する機能はない。
(5)特許文献5(特許公開2011-151960)
特許文献5の代表図を図14に示す。特許文献5は、蓄電池を利用して電力の平準化を図るとともに、電力会社の発電所等から供給される電力の品質の低下を防止することを目的としている。
即ち、自然エネルギー(太陽光あるいは太陽熱等)を利用して発電する発電手段と、発電手段の発電量が負荷で消費される電力量よりも大きい場合に発電手段の発電により電力の一部(余剰電力)を蓄電し、発電手段の発電量が負荷で消費される電力量よりも小さい場合に、蓄電電力を負荷に対して供給する蓄電手段と、発電手段の発電量が第1の所定値以上の場合に、その発電手段の発電による電力の一部(余剰電力)を発電手段に回生する回生手段と、発電手段の発電量が前記第1の所定値より低い第2の所定値以下の場合に、電力供給系統からの電力により、蓄電手段を充電するための直流電力を供給するコンバータとを備えることにより、系統の電力を平準化する機能を備えている。
しかし、特許文献5では、本実施形態のような出力レートを維持する機能はない。
[本実施形態の利点・効果]
(1)発電機とPCSの間にDC/DC変換器付き蓄電池を挿入する構成としたため、変換にかかる損失を削減することができた。
(2)発電機とPCSの間のDC/DC変換器に双方向DC/DCチョッパ方式を使用することにより、DC/DC変換の損失を削減することができた。
(3)蓄電池を用いて出力変動(周波数、電圧、電力等)をフィードバック制御することにより、出力レートを抑制することができた。
(4)出力制限アルゴリズムにより、蓄電池の容量を削減しても出力レートを一定値以下にすることができた。
(5)出力制限アルゴリズムにリスクファクタという指標を用い、リスクファクタを適切に設定することにより、蓄電池容量が少なくても出力レートを一定値以下に保ち、発電損失を少なくすることができた。
(6)太陽光発電、風力発電において、少ない蓄電池容量であってもGUIで天気の状況を選択するだけで出力レートを維持し、発電損失を少なくすることができた。
(7)太陽光発電および風力発電において、気象予測サービスと連係することにより、少ない蓄電池の容量であっても、自動的にリスクファクタを設定することができ、出力レートを維持することができた。また、リスクファクタの設定を最適化できるため、リスクファクタ設定の不適正による損失を削減できた。
(8)破綻した後に、リスクファクタを小さくすることにより、2度目の破綻を防止することができた。これにより最大でも1日1回の逸脱に抑えることができるため、系統側の負担を減少させることができる。
(9)(6)と(7)に(8)を併用することにより、逸脱する確率を極めて少なくすることができた。
(10) 本実施形態に係るシステムは、図1に示す既存の太陽光発電システムに対し、図4に示す要素21,26,29等を追加することで、容易に実現できる特徴を有する。
[代替例、変形例等]
以上、本発明に係る自然エネルギー発電システムの実施形態について説明したが、これらは例示であって、本発明を何等限定するものではない。本実施形態に関し、当業者が容易に成し得る追加、削除、変更、改良等は、本発明の範囲内である。本発明の技術的範囲は、添付の特許請求の範囲の記載によって定められる。
5:電力系統、 10,10−1:自然エネルギー発電システム,発電システム、 20:発電機、 21:DC/DC変換器、 21a:昇圧チョッパ方式変換器、 21b:降圧チョッパ方式変換器、 21c:昇圧チョッパ方式変換器、 26:蓄電池、 28:トランス、 29:コントローラ、 29a:掛算回路、 29b:加算回路、 29c:センサー、 29d:時間微分回路、 29e:不感帯処理回路、 29f:増幅回路、 32:出力制御手段、 43:充電用コンバータ、 100:太陽光発電システム、 110:太陽光発電システム、 200:太陽光パネル,太陽光発電機,発電機、 220:PCS、 240:双方向PCS、 242:AC/DC変換器、 244:DC/AC変換機、 246 双方向DC/DC変換器、 260:蓄電池、 280:トランス
PL:制限出力、 Rf:リスクファクタ、 SOC:充電率

Claims (11)

  1. 再生可能エネルギー発電手段と、
    前記発電手段の出力が供給され充電される蓄電手段と、
    前記蓄電手段の出力を制御して電力系統へ出力する制御手段とを備えた自然エネルギー発電システムであって、
    前記制御手段は、少なくとも、
    制限出力を前記蓄電手段の充電率により修正して出力制御信号を生成し、該出力制御信号に基づき前記蓄電手段からの出力を制御する蓄電手段充電率依存の制御と、
    前記制限出力が、前記蓄電手段の容量不足に対して、系の運用リスクを表わすリスクファクタにより修正されるリスクファクタに基づく制御とを有している、自然エネルギー発電システム。
  2. 請求項1に記載の自然エネルギー発電システムにおいて、
    前記制御手段は、更に、
    設定された出力レートに基づき、前記蓄電手段からの出力の時間的変化を修正して、前記蓄電手段からの出力を制御する出力レート制御を有している、自然エネルギー発電システム。
  3. 請求項1又は2に記載の自然エネルギー発電システムにおいて、
    前記発電手段の出力は、DC/DC変換器を介して前記蓄電手段に供給され、
    前記蓄電手段の出力は、前記DC/DC変換器を介してPCSへ供給されてDC/AC変換され、該PCSの出力が前記電力系統へ供給される、自然エネルギー発電システム。
  4. 請求項1又は2に記載の自然エネルギー発電システムにおいて、
    前記蓄電手段の出力は、前記DC/DC変換器を介してPCSへ供給されてDC/AC変換され、該PCSの出力がトランスを介して調整されて前記電力系統へ供給される、自然エネルギー発電システム。
  5. 請求項2に記載の自然エネルギー発電システムにおいて、
    前記出力レート制御は、前記電力系統に供給される電力から検出した時間的変化分から、設定された出力レート分を除いた時間的変化に基づき前記蓄電手段からの出力を制御する、自然エネルギー発電システム。
  6. 請求項5に記載の自然エネルギー発電システムにおいて、
    前記出力レート制御は、前記電力系統に供給される電力を検出するセンサーと、この検出値を時間微分する時間微分回路と、設定された出力レート分を除いた時間的変化を生成する不感帯処理回路と、該不感帯処理回路の出力を増幅して、DC/DC変換器及び/又はPCSに対して負帰還する増幅器から構成されている、自然エネルギー発電システム。
  7. 請求項1に記載の自然エネルギー発電システムにおいて、
    前記蓄電手段充電率依存の制御は、前記制限出力に対して前記蓄電手段の充電率を乗算して修正して出力制御信号を生成する、自然エネルギー発電システム。
  8. 請求項1に記載の自然エネルギー発電システムにおいて、
    前記リスクファクタに基づく制御は、前記制限出力が、設定されたリスクファクタにより修正されている、自然エネルギー発電システム。
  9. 請求項8に記載の自然エネルギー発電システムにおいて、
    前記リスクファクタは、手動、自動又は天候に依存して、予め設定されている、自然エネルギー発電システム
  10. 請求項1又は2に記載の自然エネルギー発電システムにおいて、
    前記再生可能エネルギー発電手段は、太陽光発電機、風力発電機、地熱発電機及び波力発電機を含む群から選択された1又は2以上の発電機である、自然エネルギー発電システム。
  11. 請求項1又は2に記載の自然エネルギー発電システムにおいて、
    前記蓄電手段は、ナトリウム・硫黄電池、リチウムイオン電池及び電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタを含む群から選択された1又は2以上の蓄電池である、自然エネルギー発電システム。
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