しかしながら上述した位置決め機構では、ノッチ位置を検出する際にウェハ裏面を真空吸着で支持しているため、パーティクルの発生が避けられず、基板裏面にパーティクルが付着するという問題がある。
また上述した位置決め機構はあくまでも1枚のウェハについてのものであり、1枚当たりの位置決めの正確さや機構の簡略化を解消するという効果はあるものの、1枚しか検出できないため、複数枚を単位とする位置決め速度が遅く、これがボトルネックになり、装置全体としてのスループットが悪い。
複数枚のウェハを一括して位置決めするために、上記位置決め機構を複数個並列に設けることも可能であるが機構が大型化する。しかも、複数枚の基板を一括して位置合わせしようとすると、先に位置合わせした基板の角度位置を保持したまま、後の基板の位置合わせを行わなければならないという煩雑な操作を必要とする等、種々の不具合が生じ、それらを解消することがプロセス的にも機構的にも非常に複雑になる。
本発明の課題は、基板裏面を支持することからパーティクルの裏面への付着が避けられないという従来技術の問題点を解消して、基板位置合わせを行う際に、基板裏面へのパーティクルの付着を防止することが可能な半導体製造方法および半導体製造装置を提供する
ことにある。
また、本発明の課題は、基板一枚単位の位置合わせしかできないという従来技術の問題点を解消して、複数枚の基板を一括して位置合わせすることが可能な半導体製造方法および半導体製造装置を提供することにある。
また、本発明の課題は、基板を処理室又は処理用治具へ移載する基板移載機の空き時間に基板位置合わせを行ってスループットを向上できる半導体製造方法および半導体製造装置を提供することにある。
また、本発明の課題は、複数枚の基板を同時に位置合わせする時に生じる不具合を容易に解消することが可能な半導体製造方法および半導体製造装置を提供することにある。
第1の発明は、基板のオリフラ又はノッチの位置を検出して一定位置に合わせる工程を有する半導体製造方法において、前記基板のオリフラ又はノッチ合わせに、基板を処理室又は処理用治具に移載する基板移載機を用いる半導体製造方法である。
オリフラ又はノッチ合わせに基板を処理室又は処理用治具へ移載する基板移載機を用いると、オリフラ又はノッチ合わせを行う基板位置合わせ装置に対する基板の投入、排出が容易になる。また別途、移載機を用意する必要がないので、装置の小形化、コストダウンが図れる。
第2の発明は、前記基板移載機を設置した移載室で、基板のオリフラ又はノッチ合わせを行うようにした第1の発明に記載の半導体製造方法である。
移載室でオリフラ又はノッチ合わせを行うので、基板移載機を有効利用できる。また、基板移載室内の空きスペースに、基板位置合わせ装置を設置したため、別途、基板位置合わせ装置を設置するチャンバ等用意する必要がないので、装置の小型化、コストダウンが図れる。
第3の発明は、基板収納容器から前記基板移載機により基板を取り出して基板のオリフラ又はノッチ合わせを行う基板位置合わせ装置に投入し、オリフラ又はノッチ合わせ後、前記基板位置合わせ装置から基板を前記基板移載機により排出して処理室又は処理用治具に移載する工程を有することを特徴とする第1の発明又は第2の発明に記載の半導体製造方法である。
オリフラ又はノッチ合わせに基板を処理室又は処理用治具へ移載する基板移載機を用いると、オリフラ又はノッチ合わせを行う基板位置合わせ装置に対する基板の投入、排出が容易になる。また別途、移載機を用意する必要がないので、装置の小形化、コストダウンが図れる。
第4の発明は、(a)基板収納容器から前記基板移載機により基板を取り出して基板のオリフラ又はノッチ合わせを行う基板位置合わせ装置に投入し、オリフラ又はノッチ合わせを行い、(b)オリフラ又はノッチ合わせを行った基板を前記基板移載機により前記基板位置合わせ装置から取り出して前記基板収納容器に戻し、(c)前記基板収納容器内の全ての基板のオリフラ又はノッチ合わせ処理が終わるまで前記(a)〜(b)を繰り返し、(d)オリフラ又はノッチ合わせ処理が終わった基板収納容器を保管棚に保管し、基板収納容器を交換して(a)〜(d)を繰り返していくことにより、基板のオリフラ又はノッチ合わせを予め行うようにした第1の発明又は第2の発明に記載の半導体製造方法であ
る。
処理室で基板を処理している間等の基板を処理室又は処理用治具へ移載する基板移載機の空き時間中に、次回以降に処理室で処理を行う基板のオリフラ又はノッチ合わせをできる限り行っておくと、オリフラ又はノッチ合わせの終了した基板については新たにオリフラ又はノッチ合わせすることなく、基板収納容器からそのまま処理室へ移載できるので、基板の移載がよりスピーディに行うことができ、スループットが向上する。
第5の発明は、基板収納容器内の基板のオリフラ又はノッチ合わせが予め行われた場合、その情報を記憶しておき、前記情報に基づいて移載する基板のオリフラ又はノッチ合わせが予め行われているかどうかを判断し、移載する基板のオリフラ又はノッチ合わせが予め行われている場合は、基板を基板収納容器から前記基板移載機により取り出し、前記基板位置合わせ装置を介さず、直接処理室又は処理用治具に移載する工程を有することを特徴とする第4の発明に記載の半導体製造方法である。
処理を行う基板のオリフラ又はノッチ合わせが予め行われている場合は、基板を基板収納容器から基板位置合わせ装置を介さず直接処理室又は処理用治具に移載する搬送経路が自動的に選択され、処理を行う基板のオリフラ又はノッチ合わせが予め行われていない場合は、基板を基板収納容器から基板位置合わせ装置に移載し、オリフラ又はノッチ合わせ後、処理室又は処理用治具に移載する搬送経路が自動的に選択されるため、ユーザは基板のオリフラ又はノッチ合わせが予め行われているかどうか意識する必要がない(基板のオリフラ又はノッチ合わせが予め行われているかどうかを確認し、搬送経路を選択する等煩わしい操作を行う必要がない)。
第6の発明は、基板のオリフラ又はノッチの位置を検出して一定位置に合わせる工程を有する半導体製造方法において、前記基板のオリフラ又はノッチ合わせは基板を横置きにして基板外周部を基板支持部で支持した状態で回転させて行うようにした半導体製造方法である。
オリフラ又はノッチ合わせを行う際、基板の裏面ではなく、基板の外周部を支持するようにしたので、基板裏面へのパーティクルの付着が生じない。横置きにしてオリフラ又はノッチ合わせが行えるので、横置き状態で基板が移送されてくる場合には、基板の姿勢を変えるという煩雑な操作が不要となり、オリフラ又はノッチ合わせが容易になる。特に、基板が大径になると、姿勢を変えるのが困難になるのでメリットは大きい。
第7の発明は、前記基板を前記基板支持部から一時的に退避させて、前記基板と前記基板支持部との周方向の相対位置をずらし、その後、退避させていた基板を再度前記基板支持部に支持させる工程を有することを特徴とする第6の発明に記載の半導体製造方法である。
具体的には、1枚又は複数枚の基板の外周部を基板支持部で横置きに支持した状態で、前記基板支持部を基板中心に回転させて各基板のオリフラ又はノッチ合わせを行うに際して、基板の周方向の位置を保持した状態で、基板退避機構により各基板を前記基板支持部から一時的に退避させ、退避させている間に、前記基板支持部を基板中心に回転して各基板の周方向に対する前記基板支持部の相対位置をずらし、ずらした前記基板支持部に退避させていた各基板を戻して再度支持するようにすることが好ましい。
基板のオリフラ又はノッチ合わせ過程又はオリフラ又はノッチ合わせ後などにおいて、基板と基板支持部との相対位置に不具合が生じる場合がある。そのような場合に、各基板を支持する基板支持部から基板を一時的に退避させ、退避させている間に、基板支持部を
基板の周方向に動かして基板に対する基板支持部の相対位置をずらすようにする。基板を退避させている間に、基板支持部を動かして基板に対する基板支持部の位置をずらすと、基板と基板支持部の位置関係の不具合を解消できる。
基板を基板支持部から退避させる基板退避機構としては、例えば1枚又は複数枚の基板をすくい上げて支持するすくい上げ支持ピンをもつ3本のすくい上げポールよりなる昇降自在に設けた基板すくい上げ機構等で良く、これを使って、基板支持部と干渉しないように基板を上昇させればよい。退避中はすくい上げたままの状態で基板の周方向の角度位置を保持し、退避後はそのまま基板を下降して基板退避機構から基板支持部に移載する。
第8の発明は、前記基板と前記基板支持部との周方向の相対位置をずらす際に、基板支持部がオリフラ又はノッチと干渉しないように、又は基板を基板移載機により前記基板支持部より排出する際、基板移載機の進入路が基板支持部と干渉しないように前記基板支持部の位置を修正するようにした第7の発明に記載の半導体製造方法である。
具体的には、基板の位置合わせを行う工程を有する半導体製造方法において、基板の周方向の位置を動かさないで、一旦基板をすくい上げて基板支持部から退避させ、退避させている間に、基板支持部を基板中心に回転して、基板支持部が基板のオリフラ又はノッチと重ならないように、又は基板位置合わせ後に基板移載機により基板を基板支持部から排出する際、基板移載機の進入路を基板支持部が塞がないように基板支持部の位置を修正するようにした半導体製造方法である。
基板位置合わせ(オリフラ又はノッチ合わせ)前に基板を支持する基板支持部に基板のオリフラ又はノッチが重なった場合、又は基板位置合わせ後に基板移載機により基板を排出する際基板移載機の進入路を前記基板支持部が塞ぐような場合がある。このような場合、基板の周方向の角度位置を動かさないで、一旦基板をすくい上げて基板支持部から退避させる。なお、オリフラ又はノッチと基板支持部の重なり解消のための動作の場合は、ノッチ合わせ前の基板についても基板の周方向の角度位置を保持したまま退避させる。退避させている間に、基板支持部を基板中心に回転して、基板支持部が基板のオリフラ又はノッチと重ならないように、又は基板移載機の進入路を基板支持部が塞がないように基板支持部の位置を修正する(後者の場合、これを原点戻しという)。原点戻しを行うと前記のような不具合を解消できる。
第9の発明は、基板外周部を基板支持部で支持する際、前記基板支持部と前記オリフラ又はノッチとが干渉する場合に、基板を一時的に退避させて、基板と基板支持部との周方向の相対位置をずらし、その後再度基板支持部に前記基板を支持させることにより、前記干渉を回避させるようにした第8の発明に記載の半導体製造方法である。
具体的には、基板外周部を基板支持部で支持することにより1枚又は複数枚の基板を横置きにした状態で、前記基板支持部を基板中心に回転させて各基板のオリフラ又はノッチ合わせを行う工程を有する半導体製造方法において、前記基板外周部を基板支持部で支持したとき、前記基板支持部と基板外周部に形成したオリフラ又はノッチとが干渉してオリフラ又はノッチの検出ができないとき、基板すくい上げ機構により前記基板を前記基板支持部からすくい上げて一時的に退避させ、その間に前記基板支持部を所定量回転させ、その後、退避させていた前記基板を前記基板支持部に戻し、前記オリフラ又はノッチと前記基板支持部の干渉を回避させるようにした半導体製造方法である。
基板を基板支持部に載置する時に、基板のオリフラ又はノッチ位置が特定できないので、基板支持部に基板のオリフラ又はノッチがかかることがある。基板支持部にオリフラ又はノッチがかかると、検出センサが基板支持部に邪魔されてオリフラ又はノッチを検出で
きなくなる場合がある。そこで、基板支持部とオリフラ又はノッチの干渉を避けるため、すくい上げ機構により基板を一旦すくい上げて退避させ、退避させている間に基板支持部を所定量回転させることにより、基板支持部を基板に対してずらして、前記干渉をなくすようにする。
このように基板をすくい上げて退避させている間に、基板支持部を基板に対してずらして、基板支持部とオリフラ又はノッチの干渉をなくすようにしたので、オリフラ又はノッチ検出ができなくなるという不具合を回避することができる。
第10の発明は、前記オリフラ又はノッチ合わせ後、前記基板を一時退避させて、前記基板支持部を基板移載機の進入を許す許容位置にセットして、その後、再度基板支持部に前記基板を支持させるようにした第8の発明に記載の半導体製造方法である。
具体的には、基板移載機により、1枚又は複数枚の基板を基板位置合わせ装置に投入して基板の位置合わせをした後、前記基板位置合わせ装置から前記基板を排出する基板位置合わせ工程を有する半導体製造方法において、前記基板のオリフラ又はノッチ合わせをするに際して、前記基板位置合わせ装置に設けた前記基板の外周部を支持する基板支持部を、前記基板移載機の進入を許す許容位置にセットし、前記基板位置合わせ装置に投入される前記基板の外周部を前記基板位置合わせ装置の基板支持部により支持し、前記基板支持部により支持した前記基板を前記基板支持部とともに回転させて前記基板のオリフラ又はノッチを検出する。
その検出結果に基づいて前記基板の位置合わせを行い、前記基板位置合わせ装置に設けた基板すくい上げ機構により、前記位置合わせした基板を、位置合わせした基板の位置を保持した状態で前記基板支持部からすくい上げて一時的に退避させ、その間に前記基板移載機と前記基板支持部の干渉を避けるために前記基板支持部を回転して、前記基板支持部を基板移載機の進入を許す許容位置にリセットさせ(原点戻し)、リセット後の基板支持部に、退避させていた前記基板を戻すようにすることが好ましい。
基板支持部を回転して基板のオリフラ又はノッチ合わせを行った後に、基板支持部が基板移載機の進入を阻む基板位置合わせ装置の基板投入位置に来ることがある。基板支持部が投入位置に来ると、基板移載機と基板支持部とが干渉して基板の排出ができなくなる。そこで、基板搬送装置と基板支持部の干渉を避けるため、すくい上げ機構により全ての基板を一旦すくい上げて位置合わせ状態を保持したまま退避させ、退避中に基板支持部を所定量回転させることにより、基板支持部を原点位置にリセットして、前記干渉をなくすようにする。
基板をすくい上げて退避させている間に、オリフラ又はノッチ合わせ過程でずれた基板支持部を原点位置にリセットするようにしたので、オリフラ又はノッチ合わせ後に基板の排出ができなくなるという不具合を回避することができる。
第11の発明は、基板のオリフラ又はノッチの位置を検出して一定位置に合わせる工程を有する半導体製造方法において、複数枚の基板のオリフラ又はノッチ合わせをするに際して、複数枚の基板を基板支持機構に積層支持して所要角度一括回転させることにより、あらかじめ全ての基板のオリフラ又はノッチを検出センサで検出して、検出情報を記憶させ、前記検出情報に基づいて基板支持機構を回転させて1枚づつ基板のオリフラ又はノッチ合わせを行うとともに前記基板の周方向の位置を保持したまま基板を基板支持機構から退避させて、全ての基板のオリフラ又はノッチ合わせが終了した後に、退避していた基板を基板支持機構に戻すようにした半導体製造方法である。
ここで検出情報は、オリフラ又はノッチを検出したときの基準角度位置からのずれ角の位置情報である。複数枚の基板を一括回転させて、検出センサを通過する過程で、全ての基板のオリフラ又はノッチを検出して、その検出情報をそれぞれ記憶しておくと、その後に基板をさらに回転しても、回転分に応じた検出情報の修正をしていけば、オリフラ又はノッチ位置を正確に覚えておくことができる。ここで検出情報の修正が必要な理由は次の通りである。例えば、基板のオリフラ又はノッチと基板支持部とが重なっていた場合に、それを解消するため全基板を一旦退避させて、基板支持部を所定量回転させるのだが、その際オリフラ又はノッチ位置検出済みの基板までもが、所定量回転する。したがって検出情報の修正が必要となる。
1枚ずつ基板のオリフラ又はノッチ合わせを行うとともに基板の周方向の位置を保持したまま基板を基板支持機構から退避させて、全ての基板のオリフラ又はノッチ合わせが終了した後に、退避していた基板を基板支持機構に戻すので、基板支持機構の基板支持位置を変更しても、位置合わせの終了したオリフラ又はノッチ位置が狂うことがなく、適切なオリフラ又はノッチ合わせが可能になる。
第12の発明は、複数枚の基板のオリフラ又はノッチ位置が、検出センサの設置場所から離れているために、オリフラ又はノッチ位置が検出できない場合に、あらかじめ複数枚の基板を一定角度一括回転させて、前記オリフラ又はノッチ位置を、前記所要角度一括回転させることによりオリフラ又はノッチ位置が検出可能となる前記位置検出センサの設置場所近傍に来るようする工程を有することを特徴とする第11の発明に記載の半導体製造方法である。
前記所要角度と一定角度とは異なり、基板を一定角度一括回転させる場合には、一定角度回転させたうえで、さらに所要角度回転させることにより、初めてオリフラ又はノッチ位置の検出が可能となる。オリフラ又はノッチ位置が、検出センサの設置場所から離れている場合に、基板を一定角度一括回転させて、オリフラ又はノッチ位置を位置検出センサの設置場所近傍に来るようにすると、オリフラ又はノッチ位置の検出が容易にできるようになる。
基板位置合わせ装置の基板投入側には、基板移載機が進入するので、位置検出センサを置けない。したがってオリフラ又はノッチ位置が投入側にあるときは、オリフラ又はノッチ位置がセンサの設置場所から離れていることになる。このため基板を回転させて、オリフラ又はノッチ位置をセンサの設置場所近傍にもって来る動作が必要になる。また基板位置合わせ装置の基板投入側にオリフラ又はノッチがない場合でも同じ動作が必要になることがある。
第13の発明は、基板支持機構を所要角度回転させてもオリフラ又はノッチが検出できなかった場合に、下記工程(a)〜(d)を行い、オリフラ又はノッチ検出を行うようにした第11の発明又は第12の発明に記載の半導体製造方法である。
(a)基板を基板支持機構から退避させる、(b)基板支持機構を所定角度回転させる、(c)基板を基板支持機構に戻す、(d)基板支持機構を所要角度回転させオリフラ又はノッチ位置を検出する。ここで所定角度と所要角度とは後述するように異なる意味で使用している。
具体的には、非接触検出過程で位置検出センサにより基板のオリフラ又はノッチ位置が検出できなかったときは、下記工程(a)〜(d)を行う。この工程を一度行えば、オリフラ又はノッチは検出不可能領域から検出可能領域に入り、ノッチ検出が可能となる。
(a)全基板を前記基板支持機構から退避させる、(b)基板と前記基板支持機構との周方向の相対位置をずらすため、前記基板支持機構を所定量回転する、(c)前記所定量回
転した前記基板支持機構に前記退避させていた基板を戻す、(d)基板を所要量回転して前記センサで前記基板支持機構に戻した基板のオリフラ又はノッチ位置を検出する、基板のオリフラ又はノッチ位置が検出できたときは、検出情報に基づいて複数枚の基板を一括回転することにより複数枚の基板の位置合わせを順次1枚づつ行い、位置合わせが終了する度に、位置合わせ結果を保持させるために位置合わせが終了した基板を前記基板支持機構から退避させ、全ての基板の位置合わせが終了したら、退避した基板を戻して基板支持機構に支持させるようにすることが好ましい。
前記した所要角度と所定角度とは異なり、所要角度>所定角度の関係がある。基板支持機構を所要角度回転させたときオリフラ又はノッチ位置が検出できなかった場合でも、基板の周方向位置を基板支持機構に対し所定角度だけずらして検出するので、オリフラ又はノッチ位置が検出できるようになる。
第14の発明は、全基板のオリフラ又はノッチ位置検出動作終了後、オリフラ又はノッチを所定の位置に合わせる際、オリフラ又はノッチ位置が所定の位置から離れているために一度の回転ではオリフラ又はノッチを所定の位置に合わせることができない場合に、下記工程を繰り返し、オリフラ又はノッチを所定の位置に合わせるようにした第11の発明に記載の半導体製造方法である。
(a)オリフラ又はノッチ位置から所定位置までの最短経路となる方向に基板支持機構を所要量回転させる(b)基板を基板支持機構から退避させる(c)基板支持機構を(a)とは逆の方向に所要量回転させる(d)基板を支持機構に戻す
全基板のオリフラ又はノッチ位置検出後、オリフラ又はノッチ位置を所定の位置に合わせる際に、オリフラ又はノッチ位置が、所定位置から遠く離れている場合、装置の可動範囲の関係上、一度の回転では、オリフラ又はノッチを、所定の位置に合わせることができないことがある。そのような場合、上記工程(a)〜(d)を繰り返し、オリフラ又はノッチ位置を少しずつずらしていくことにより、所定の位置へ、移動させることができる。なお、その際、記憶した検出情報よりノッチ位置から所定位置までの最短経路を選択する。
第15の発明は、複数枚の基板のオリフラ又はノッチ合わせを一括して行う第1の発明〜第10の発明のいずれかに記載の半導体製造方法である。
複数枚の基板のオリフラ又はノッチ合わせを一括して行うので、スループットが格段に向上する。
第16の発明は、横置きに支持される1枚又は複数枚の基板のオリフラ又はノッチ合わせを行う基板位置合わせ装置を備えた半導体製造装置において、前記基板位置合わせ装置が、基板外周部を支持する基板支持部を有し、前記基板支持部を基板中心を軸として回転して前記基板を回転させる基板支持機構と、前記基板支持機構に支持されて回転する前記基板のオリフラ又はノッチを非接触で検出する検出センサとを備えた半導体製造装置である。
基板の支持は、裏面ではなく外周部で行うので、基板支持にともなって生じるパーティクルが裏面に付着しない。また検出センサでオリフラ又はノッチを非接触で検出すると、検出センサと基板との間で摩擦が生じない。したがって本発明によれば、基板とは非接触でオリフラ又はノッチを検出し、かつ基板外周部を支持するので、基板裏面へのパーティクル付着を有効に防止できる。
第17の発明は、第16の発明に記載の半導体製造装置において、前記支持部に支持テ
ーパ部を設け、支持テーパ部で基板の外周を支持するようにした半導体製造装置である。
基板は支持テーパ部に線接触ないし点接触で支持されるで、面接触で支持されるものに比べて、摩擦力が減少し、オリフラ又はノッチ合わせ時に伴うパーティクルの発生が低減するので、基板裏面へのパーティクル付着をより有効に防止できる。
第18の発明は、第16の発明又は第17の発明に記載の半導体製造装置おいて、前記基板支持部がさらに基板偏心補正用のテーパ部をもつ半導体製造装置である。
基板が基板偏心補正用テーパ部を経て支持テーパ部に支持されるようにした場合には、基板が横置き状態にあるため、オリフラ又はノッチ合わせ過程で、基板の自重により自動的に基板の中心合わせがなされる。
第19の発明は、前記基板を前記基板支持機構の基板支持部から退避させる基板退避機構を有する第16の発明ないし第18の発明のいずれかに記載の半導体製造装置である。
具体的には、横置きに支持される1枚又は複数枚の基板の位置合わせを行う基板位置合わせ装置を備えた半導体製造装置において、前記基板位置合わせ装置が、テーパ部をもち、前記テーパ部で基板の外周を支持する基板支持部を有し、前記基板支持部が基板中心に回転自在に設けられて、前記基板支持部で支持される基板を回転させる基板支持機構と、前記基板支持機構に支持されて回転する前記基板の外周部に形成されたオリフラ又はノッチを非接触で検出するセンサと、さらに前記基板の外周部を係止する基板係止部を有し、前記基板係止部を前記基板外周部に係止して、前記1枚又は複数枚の基板を前記基板支持機構の基板支持部から一時的に退避させる基板退避機構とを有する半導体製造装置であることが好ましい。
基板退避機構を有すると、基板支持部から基板を一旦退避させることができるので、基板支持部と基板との位置関係の不具合を解消できる。
第20の発明は、前記基板支持機構および前記基板退避機構を下記(a)〜(c)のように制御する制御部を備えた第19の発明に記載の半導体製造装置である。(a)複数の基板のオリフラ又はノッチを検出し、1枚ずつオリフラ又はノッチ合わせを行うために前記基板支持機構の回転を制御し、(b)前記オリフラ又はノッチ合わせの終わった基板を、1枚づつ前記基板支持機構から順次退避させるために前記基板退避機構を制御し、(c)全基板のオリフラ又はノッチ合わせ終了後、退避させていた複数の基板を前記基板支持機構に戻すために前記基板退避機構を制御するものである。
具体的には、横置きに支持される複数枚の基板の位置合わせを行う基板位置合わせ装置を備えた半導体製造装置において、前記基板位置合わせ装置が、複数枚の基板を積層状態で横置きに支持してこれらを一括回転する基板支持機構と、前記基板支持機構で一括回転する各基板のオリフラ又はノッチを非接触で検出するセンサと、前記基板支持機構から基板を一時的に退避させる基板退避機構と、前記基板支持機構および前記基板退避機構を制御する制御部とを備える。
前記制御部は、(a)複数の基板を一括回転させて各基板のオリフラ又はノッチを検出させるために、及び各基板のオリフラ又はノッチの検出値に基づいて1枚ずつ各基板の位置合わせを行うために前記基板支持機構の回転を制御し、各基板の位置合わせが終了すると個別位置合わせ終了信号を出力し、(b)前記個別位置合わせ終了信号に基づいて、位置合わせの終わった基板を1枚ずつ前記基板支持機構から順次退避させるために前記基板退避機構を制御し、(c)全基板の位置合わせが終了すると全位置合わせ終了信号を出力
し、全位置合わせ終了信号に基づいて、退避させていた複数の基板を前記基板支持機構に戻すために前記基板退避機構を制御するものであることが好ましい。
基板支持機構及び基板退避機構を前記制御部により前述のように制御することによって、複数の基板のオリフラ又はノッチ合わせを1つの回転駆動部により円滑に行うことができる。
第21の発明は、前記基板支持機構が、ターンテーブルと、前記ターンテーブルに立設された複数本の支持ポールと、各支持ポールに設けられ複数枚の基板の外周部を支持する基板支持部と、前記ターンテーブルを回転させる一台の回転駆動部とを備えた第16の発明ないし第20の発明のいずれかに記載の半導体製造装置である。
具体的には、前記基板支持機構は、ターンテーブルと、前記ターンテーブルに立設され、複数枚の基板を支持する複数本の支持ポールと、各支持ポールの軸方向に沿って所定ピッチをおいて設けられ、前記ターンテーブルの径方向内方側に突出するテーパ部を有し、前記テーパ部で前記基板の外周部を支持する複数枚の基板支持部と、前記支持ポールを立設した前記ターンテーブルを回転して前記複数枚の基板支持部に積層支持される前記複数枚の基板を一括回転させる一台の回転駆動部とを備えることが好ましい。
ターンテーブルとこれを回転させる回転駆動部が1つで済むので、構造の簡素化が図れる。なお、基板を支持する基板支持部は、基板外周部を支持するテーパ部を有する3本の支持ピンで構成することが好ましいが、接触面積が小さければピンである必要はない。
第22の発明は、前記基板退避機構が、昇降自在に設けられたベースと、前記ベースを昇降させる昇降駆動部と、前記ベースに立設され、前記ベースの昇降により複数枚の基板を順次前記基板支持部からすくい上げる複数本のすくい上げポールと、各すくい上げポールに設けられ、基板の外周部を係止する基板係止部とを備えた第19の発明ないし第20の発明のいずれかに記載の半導体製造装置である。
具体的には、前記基板退避機構は、昇降自在に設けられたベースと、前記ベースを昇降させる昇降駆動部と、前記複数本の支持ポールとは干渉しないように前記ベースに立設され、前記ベースの昇降により複数枚の基板を順次前記支持ポールから一時的にすくい上げる複数本のすくい上げポールと、各すくい上げポールに複数枚の基板を最下層のものから順次すくい上げるために軸方向に所定ピッチをおいて設けられ、ベースの径方向内方側に突出して基板の外周部を係止する基板係止部を有し、前記ベースの上昇により基板外周部を係止して基板支持機構の基板支持部から基板をすくい上げ、すくい上げた基板を前記ベースの下降により基板支持部に戻す複数の基板係止部とを備えることが好ましい。
すくい上げポールに基板係止部を取り付けるだけの簡単な構造で、基板の周方向の位置を保持したまま、基板支持機構から基板を退避させることができる。
第23の発明は、前記基板支持機構は、ターンテーブルと、前記ターンテーブルに立設された複数本の支持ポールと、各支持ポールに設けられ複数枚の基板の外周部を支持する基板支持部と、前記ターンテーブルを回転させる一台の回転駆動部とを有し、前記すくい上げポールに設けた基板係止部のピッチP1と、前記支持ポールの基板支持部のピッチP2とが、P1<P2という関係を満たすことを特徴とする第22の発明に記載の半導体製造装置である。
前記基板係止部のピッチP1と前記基板支持部のピッチP2とがP1<P2の関係を満たすと、支持ポールに設けられた基板支持部により支持されている複数枚の基板を、すく
い上げポールに設けられた基板係止部により、最下段のものから、順次すくい上げることができる。
第24の発明は、n枚の基板を前記支持ポールから前記すくい上げポールにより1 枚ずつ順次すくい上げる場合において、前記すくい上げポールに設けた基板係止部のピッチP1と、前記支持ポールの基板支持部のピッチP2とが、(n−1)P1>(n−2)P2という関係を満たすことを特徴とする第23の発明に記載の半導体製造装置である。
上記関係を満たしていれば、支持ポールに設けられた基板支持部により支持されている複数枚の基板を、すくい上げポールに設けられた基板係止部により、最下段のものから、順次すくい上げることができる。また、基板をすくい上げポールですくい上げた状態で支持ポールを回転させても、基板と前記すくい上げポールに設けた基板係止部、前記支持ポールに設けた基板支持部は干渉しない。
また第25の発明は、前記検出センサは、オリフラ又はノッチの検出時は基板の径方向内方に前進し、非検出時は基板の径方向外方に後退するように構成されている第16の発明ないし第24の発明のいずれに記載の半導体製造装置である。
具体的には、前記センサは、前記積層支持される各基板の径方向に進退自在に設けられ、基板外周部に形成されたオリフラ又はノッチの検出時は基板の径方向内方に前進して前記基板のオリフラ又はノッチを検出し、非検出時は基板の径方向外方に後退して前記基板支持部との干渉を回避するように構成されていることが好ましい。
検出センサは、基板外周部に形成されたオリフラ又はノッチの検出時は基板の径方向内方に前進して前記基板のオリフラ又はノッチを検出し、非検出時は基板の径方向外方に後退して前記基板支持部との干渉を回避する。
第26の発明は、横置きに支持される複数枚の基板のオリフラ又はノッチ合わせを行うオリフラ又はノッチ合わせ装置を備えた半導体製造装置において、前記基板位置合わせ装置が、回転中心を共通にして積層状態に設けられ、基板を1枚ずつ載置する複数のターンテーブルと、各ターンテーブルに設けられ、各基板の外周部を支持するための複数の基板支持部と、前記複数のターンテーブルをそれぞれ独立して回転させる複数の回転駆動部と、前記オリフラ又はノッチを非接触で検出する検出センサとを備えた半導体製造装置である。
基板を1枚ずつ載置する複数のターンテーブルを備えているので、個々に位置合わせを行うことができ、制御も容易である。
第27の発明は、第26の発明に記載の半導体製造装置において、さらに基板を基板支持部から退避させる基板退避機構を備えることを特徴とする半導体製造装置である。
具体的には、横置きに支持される複数枚の基板の位置合わせを行う基板位置合わせ装置を備えた半導体製造装置において、前記基板位置合わせ装置が、回転中心を共通にして積層状態に設けられ、基板を1枚ずつ載置する複数のターンテーブルと、前記複数のターンテーブルにそれぞれ取り付けられ、各ターンテーブル上に載置される基板の外周部を複数箇所支持し、その支持部にテーパ部が形成されている複数枚の基板支持部と、前記複数のターンテーブルをそれぞれ独立して回転させる複数の駆動部と、前記基板支持部のテーパ部で支持される基板の外周部に形成されたオリフラ又はノッチを非接触で検出する固定系のセンサと、基板退避機構とを備える。
基板退避機構をさらに備えると、基板支持部と基板間の位置関係などに不具合があっても、オリフラ又はノッチ合わせをキャンセルすることなく、上記不具合を解消できる。
第28の発明は、前記基板退避機構は、昇降移動自在に設けられた複数本のすくい上げポールと、各すくい上げポールに設けられ、上昇により基板外周部を係止して基板支持部から基板をすくい上げ、すくい上げた基板を下降により基板支持部に戻す複数の基板係止部とを有する第27の発明に記載の半導体製造装置である。
前記基板退避機構は、昇降自在に設けられたベースと、前記ベースを昇降させる昇降駆動部と、前記ベースに立設され前記ベースの昇降により複数枚の基板を前記基板支持部から一時的にすくい上げる複数本のすくい上げポールと、各すくい上げポールに、複数枚の基板をすくい上げるために軸方向に所定ピッチをおいて設けられ、基板の径方向内方側に突出して基板の外周部を係止する基板係止部を有し、前記ベースの上昇により基板外周部を係止してターンテーブルの基板支持部から基板をすくい上げ、すくい上げた基板を前記ベースの下降により基板支持部に戻す複数の基板係止部とを有することが好ましい。
基板退避機構をさらに備えると、基板支持部と基板間の位置関係などに不具合があっても、オリフラ又はノッチ合わせをキャンセルすることなく、上記不具合を解消できる。
第29の発明は、前記基板を回転させる際、前記検出センサと前記基板支持部とが干渉しない位置関係にあることを特徴とする第26の発明ないし第28の発明のいずれかに記載の半導体製造装置である。
検出センサと前記基板支持部とが干渉しない位置関係にあると、基板支持機構又はターンテーブルの回転規制がなくなり回転はフリーになるので、オリフラ又はノッチ位置がどこにあってもオリフラ又はノッチを容易に検出でき、オリフラ又はノッチ合わせを円滑に行うことができる。
第30の発明は、前記検出センサと前記基板支持部とが干渉しない位置関係にある構造は、前記検出センサが光学センサである場合において、前記基板の径よりも小径としたターンテーブルと、前記ターンテーブルから径方向外方に突出して表面側に前記基板の外周部を支持する支持部を形成した基板支持部と、前記ターンテーブルの径方向外方であって、前記基板支持部に基板が支持されるときに小径のターンテーブルから飛出す基板外周部の裏面側に配置された受光部又は発光部と、受光部又は発光部に対向する基板外周部の表面側に配置された発光部又は受光部とを有する光学センサとを備えている構造である第29の発明に記載の半導体製造装置である。
光学センサで基板外周部に形成したオリフラ又はノッチを検出しようとした場合、基板の径とターンテーブルの径が同じであると、オリフラ又はノッチを通過した光の進路をターンテーブルが塞ぐため、オリフラ又はノッチの検出ができなくなる。したがって、ターンテーブルの径を基板の径よりも小さくして、ターンテーブル上に載置した基板の外周部がターンテーブルよりも径方向外方に突出するようにする。これによりターンテーブルより突出した基板の外周部を支持する支持部を基板支持部に形成するだけの簡単な構造でターンテーブル回転時に、光学センサと基板支持部とが干渉しないようにすることができる。
第31の発明は、前記ターンテーブルの下にターンテーブルを回転させる回転駆動部を置かない配置とする第26の発明ないし第30の発明のいずれかに記載の半導体製造装置である。
回転駆動部は例えばパルスモータである。回転駆動部とターンテーブルとを例えばベルト・プーリでつないで、回転駆動部をターンテーブルの側部に並行配置すると、ターンテーブルやターンテーブル上に支持される基板の厚さが回転駆動部の高さ中に吸収されるので、ターンテーブルの下に回転駆動部を直列配置する場合に比して、装置の高さ方向の小形化が図れる。ターンテーブルの下に回転駆動部を置かないので、装置高が低くなり装置を小形化できる。
第32の発明は、垂直方向で隣り合う回転駆動部については、回転中心が異なるよう配置した第31の発明に記載の半導体製造装置である。
垂直方向で隣り合う回転駆動部については、回転中心が異なるように回転駆動部を分散配置させると、回転駆動部同士の干渉が回避できるので、ターンテーブル間の間隔を所望の間隔以下とすることができ、装置の小形化を一層促進できる。
第33の発明は、前記基板支持部が透明である第26の発明ないし第32の発明のいずれに記載の半導体製造装置である。透明部材は光学センサで取り扱う光に対して透明な部材で構成する。
基板支持部が透明なので、オリフラ又はノッチが基板支持部にかかっても、基板支持部によって光は遮られることがなくなり、オリフラ又はノッチを検出することができる。したがって、オリフラ又はノッチが基板支持部にかかっても、基板支持部を基板に対してずらす必要がなくなり、操作性が向上する。
本発明によれば、基板を裏面ではなく、基板の外周部で支持しているため、基板裏面にパーティクルが付着しない。また、複数枚の基板を支持できる支持ポールを持つことにより、複数枚の基板の一括位置合わせができる。また、基板を載置するターンテーブルを複数段持つことにより、複数枚の基板を同時に位置合わせできる。また、基板移載機の空き時間を利用して基板の位置合わせを行うことによりスループットを向上できる。特に、基板退避機構を設けたことにより、オリフラ又はノッチと基板支持部とが重なる等の不具合が生じた場合でも、その不具合を解消して、基板のオリフラ又はノッチを一定位置に整列させることができる。
以下に本発明に実施の形態を説明する。実施の形態では位置合わせ基板として大型の12インチウェハを対象としているが、本発明は12インチに限定されない。また、基板の位置合わせマークがノッチである場合について説明しているが、オリフラでもよい。さらに、ノッチを一括検出するウェハ枚数は5枚としているが、5枚に限定されず、1枚でも何枚でもよい。
図30は、実施形態の半導体製造装置例である縦型CVD/拡散装置を示し、(a)は平面図、(b)は正面図で、(c)は基板収納容器としてのフープの斜視図であり、この装置に備えられた基板位置合わせ装置100の配置を示している。半導体製造装置は、ウェハをフープ単位で搬入・搬出する搬入室251、搬入室251と処理室253との間でウェハ104をやり取りする移載室252、ウェハ104に成膜処理などを行う処理室253から主に構成され、複数枚のウェハ104を一括して位置合わせすることができる基板位置合わせ装置100は中央の移載室252に備えられる。前記搬入室251には図示しないI/Oステージ、フープローダや保管棚としてのフープ棚が備えられている他、図示するようにフープ254の蓋254aを開閉するポッドオープナ255が備えられ、ウェハを横置きにしたフープ254の蓋254aを開けてフープ254内部から12インチ
ウェハ104を横向きで取り出せるようになっている。
さて、横置きの状態でウェハ104が収納されたフープ254は、装置外部から搬送装置又は人手によって搬入室251内に搬入される。所定の経路を通ってポッドオープナ255の備えられた位置まで運ばれて蓋254aが開けられる。移載室252には、複数枚のウェハ104を一括して移載することができるウェハ移載機256と前述した複数枚のウェハ104のノッチを一括して位置合わせする基板位置合わせ装置100とが備えられ、蓋254aの開けられたフープ254からウェハ移載機256のツィーザ257により複数枚のウェハ104が基板位置合わせ装置100に一括して投入される。
基板位置合わせ後、ウェハ移載機256により基板位置合わせ装置100から排出されたウェハ104は、ボート引出し位置にあるボート263へ移載する。ここでボート引出し位置とは、ボート263に対してウェハチャージ、ディスチャージを行う、ボート263を反応管258より引出した位置(アンロード位置)のことである。またボート263が処理用治具となる。所要枚数のウェハ104が移載されたボート263は、処理室253の上部の反応管258内に搬入される。その後、反応管258で成膜、拡散、酸化等の処理がなされる。このウェハ処理が終了すると、ボート263が下降して反応管258から搬出され、ボート263上のウェハ104は、上記とは逆の動作により処理室253から搬入室251に移載され(ただし基板位置合わせ装置100は介さない)、フープ254に収納されて装置外へと搬出される。
なお、図30中、259は移載エレベータ、260は移載機アーム、261はボートエレベータ、262はボートアームである。
本発明の実施形態の半導体製造装置では、前述の通り、基板位置合わせ装置は中央の移載室252に備えられており、ノッチ合わせを行う際はウェハ移載機256を用いて行う。具体的には、前述の通り、フープ254からウェハ移載機256により、複数枚のウェハ104が基板位置合わせ装置100に一括して投入され、ノッチ合わせ後、ウェハ移載機256により基板位置合わせ装置100から取り出されたウェハ104はそのままボート263に移載される。ボート263へ、所要枚数のウェハ104が装填された後、ウェハ移載機256は、フリーな状態となる。この状態は、処理中はもちろんボート263より処理後のウェハ104を払い出す時まで続く。この間、移載機256、基板位置合わせ装置100、ポッドオープナ255等反応室以外の部分の駆動系は自由に動かすことができるため、この空き時間を利用して、ノッチ合わせを行うことができる。
具体的には、この空き時間(成膜時等)に、ノッチ合わせ前のウェハ104が収納されたフープ254は、図示しない保管棚よりポッドオープナ255の備えられた位置まで運ばれて蓋254aが開けられる。蓋254aの開けられたフープ254からウェハ移載機256のツィーザ257により複数枚のウェハ104が基板位置合わせ装置100に一括して移載される。ノッチ合わせ後、ウェハ移載機256により、ノッチ合わせ後のウェハ104は基板位置合わせ装置100からポッドオープナ255の位置にあるフープ254へ回収される。その後、本動作を繰り返し、フープ254内の全てのウェハ104のノッチ合わせが終了したらフープ254の蓋254aが閉じられ、ノッチ合わせ済みのウェハ104を収納したフープ254は、図示しない保管棚へ戻される。この動作を、ウェハ移載機256の空き時間にできる限り行う。これにより、ノッチ合わせ済みとなったウェハ104については、基板位置合わせ装置100を介さずにウェハ104をフープ254から直接ボート263に移載することが可能となる。
なお、前述のように予めウェハ104のノッチ合わせを行った場合、その情報を記憶しておくのが望ましい。そうすることにより、ウェハ104の移載の際、前記情報に基づい
て、移載するウェハ104のノッチ合わせが予め行われているかどうかを判断し、ウェハ104のノッチ合わせが予め行われている場合は、ウェハ104をフープ254から基板位置合わせ装置100を介さず、直接ボート263に移載するようにできる。また、移載するウェハ104のノッチ合わせが予め行われていない場合は、前述の通り、ウェハ104はフープ254から基板位置合わせ装置100に移載され、ノッチ合わせ後、ボート263に移載されるようにする。以上のように、ウェハ104移載の際、前記情報に基づいて適切なウェハ搬送経路が自動的に選択されるので、ユーザはウェハ104のノッチ合わせが予め行われているかどうか意識する必要がなく、ウェハ搬送経路を選択する等の煩わしい操作を行う必要がなくなる。
このようにウェハ移載機256の空き時間を利用して、予め未処理ウェハ104のノッチ合わせを行うことにより、ノッチ合わせ済みとなったウェハ104については、基板位置合わせ装置を介さず直接ボートへ移載できるため、ノッチ合わせ工程を省略でき、その分スループットが向上する。
次に移載室252に備えられた基板位置合わせ装置100について詳細に説明する。
第1の実施の形態(図1〜図14)これは1台のモータにて横置き状態にあるウェハのノッチを5枚一括で検出して位置合わせする基板位置合わせ装置例である。
図1は、基板位置合わせ装置の斜視図、図2は正面図である。基板位置合わせ装置100は、台座101と、台座101上に昇降自在に設けられたリング状のベース102と、リング状ベース102よりは上方に配置されているが同じく台座101上に回転自在に設けられたターンテーブル103とを備えている。
複数枚(図示例では5枚)のウェハ104は、ターンテーブル103の外周に所定角度を置いて立設された複数本(図示例では3本)の支持ポール105によって、基板外周部104bが下側から支持されて、横置きの積層状態で垂直方向に一定間隔で保持される。
3本の支持ポール105は、回転駆動部としてのモータ106によって可逆回転するターンテーブル103の周辺部のほぼ半円部に偏って分散配置され、その立設方向は、ターンテーブル103の回転軸線と平行になっている。各支持ポール105には、長さ方向に一定ピッチでウェハ104の外周部104bを下側から支持する基板支持部としての支持ピン107がターンテーブル103の径方向内方側に向かって腕状に突設されている。したがって、ウェハ104は支持ポール105によって横置き状態に支持されたままターンテーブル103によって回転するようになっている。なお、ターンテーブル103は台座101に支持台108を介して取り付けられており、ターンテーブル103を回転するモータ106は、支持台108の中に設けられている。また、3本の支持ポール105の上部にはウェハ104の表面を覆うプレート109を設けて、ウェハ104の表面にパーティクルが付着しないようにしている。
本発明の基板支持機構は、上記ターンテーブル103と、支持ポール105と、支持ピン107と、一台のモータ106とから主に構成される。
また、5枚のウェハ104は、ノッチ位置合わせを終了したウェハ104から順に、昇降(矢印a方向)自在に設けられた3本のすくい上げポール110によって、その上昇により基板支持ピン107からすくい上げられるようになっている。またすくい上げられたウェハ104はすくい上げポール110の下降により基板支持ピン107に戻されるようになっている。この際、すくい上げポール110は昇降するだけで、すくい上げポール110を支持しているベース102は回転しないので、ウェハ104の周方向の角度位置は
、固定されたままで動かない。
すくい上げポール110には、長さ方向に一定ピッチでウェハ104の外周部104bを支持してウェハ104をすくい上げる基板係止部としてのすくい上げ支持ピン111が回転中心に向かって腕状に突設されている。このすくい上げ支持ピン111は、図に示すように、ウェハ104の枚数に対応して5個等間隔に設けられる。3本のすくい上げポール110は、台座101に取り付けられたモータ112とスライド機構113とによって昇降移動するベース102の周辺部に略120°間隔に分散配置されて、その立設方向はターンテーブル103の回転軸心と平行になっている。
昇降移動は台座101とベース102間に設けたガイド114によって滑らかに行われるようになっている。またすくい上げポール110は、起立状態で径方向(矢印b方向)に進退自在に設けられ、ウェハ104を回転するときは支持ポール105と干渉しないように後退して退避し、すくい上げ時は前進してすくい上げ支持ピン111が基板外周部104bに達するようになっている。そのために各すくい上げポール110は、ベース102に固定した、対応するエアシリンダ115に取り付けられている。
本発明の基板退避機構は、上記ベース102と、すくい上げポール110と、すくい上げ支持ピン111と、エアシリンダ115と、モータ112から主に構成される。
さらに、基板位置合わせ装置100には、基板支持ピン107に支持した5枚のウェハ104のノッチ104aを検出する光学センサ116を有するセンサポール117が立設されている。センサポール117は、すくい上げポール110と同様に、径方向(矢印c方向)に一定ストローク進退自在に設けられ、ウェハ104のノッチ104aを検出するときは、前進して光学センサ116が基板外周部104bに非接触で近づき、検出しないときは支持ポール105と干渉しないように後退して退避するようになっている。
ここで支持ポール105、すくい上げポール110、センサポール117の動的関係は、支持ポール105は回転自在であるけれども(すくい上げポール110が後退して支持ポール105と干渉しない限りにおいて)、進退や昇降はしないのに対し、すくい上げポール110は回転しないけれども、進退および昇降はする。そしてセンサポール117は進退のみが許されるようになっている。
また相互の位置関係は、支持ポール105とすくい上げポール110は同心円状に配列され、支持ポール105の方はウェハ外周の円周上に略90°、90°180°間隔で配置されるのに対し、すくい上げポール110の方は、支持ポール105より一回り外側の円周上に略120°の等間隔で配置されるようになっている。図面斜め手前の180°開いた2本の支持ポール105間がウェハ104の投入・排出口となり、黒塗り矢印が進入方向であり、その逆がウェハ104の排出方向になる。センサポール117は、ターンテーブル103の回転軸を挟んで前記ウェハ104の投入・排出口のちょうど反対側に配置される。センサポール117を反対側に設けたのは、投入・排出の邪魔にならないようにするためである。5枚のウェハ104は横置き状態でウェハ移載機256(図30)によって基板位置合わせ装置100に投入され、又は基板位置合わせ装置100から抜き出される。
図3(a)に示すように、支持ポール105に突設した5本の基板支持ピン107のウェハ104を支持する支持部は、比較的テーパ角度の大きい第1テーパ部118を有する。第1テーパ部118の下部には、第1テーパ部118よりもテーパ角度の小さな第2テーパ部99が連続して形成されている。
第1テーパ部118の支持面はθ=60°の角度のテーパ面をもち、これを第1テーパ面とする。第2テーパ部99の支持面はθ=6.6°の角度のテーパ面をもち、これを第2テーパ面とする。第1テーパ面は、ウェハ104の自重によりウェハ104の偏心補正を行う。第2テーパ面はウェハ104を外周部で支持する。ウェハ104と基板支持ピン107を面で接触させるのではなく、点あるいは線で接触させてウェハ裏面へのパーティクル付着を防止する。第2テーパ面の適正角度は2°〜7°である。つまり、基板支持ピン107の第1テーパ部118はウェハ104の偏心補正を行うための偏心補正用テーパ部であり、第2テーパ部99はウェハ104の外周部を支持するための支持テーパ部である。なお、ここで示したテーパ角度は、ほんの一例であり、基板の偏心補正又は外周保持を行えるものであれば、何度であっても構わない。また、テーパ部は基板の偏心補正および外周保持を同時に行えるものであれば、1つであっても構わない。
また、図3(b)に見られるように、すくい上げポール110のすくい上げ支持ピン111のウェハ104を支持するウェハ受載縁面119にもごく僅かではあるがテーパが付けられている。テーパにより点接触させて、すくい上げ時にウェハ裏面にパーティクルが付着するのを防止するためである。図3(a)の基板支持ピン107の第2テーパ部99と同様に、テーパ面の適正角度は2°〜7°でよい。
すくい上げポール110のすくい上げ支持ピン111にあっては、ノッチ合わせ後(偏心補正後)のウェハ104が載るため、偏心補正の必要がなく、ウェハ裏面へのパーティクル付着防止のため、ウェハとの接触面積が低減するよう、上述したように僅かにテーパがついていればよい。
図4は、すくい上げポール110とウェハ104との関係を示している。ベース102に固定したエアシリンダ115を動作させて、すくい上げポール110をウェハ104側(径方向内方側)へ進めた状態を示す。モータ112によりスライド機構113を介してベース102を上昇することによりすくい上げポール110は上昇するから、すくい上げ支持ピン111でウェハ104を垂直方向にすくい上げることができる。
次に光学センサ116について説明する。図5は光学センサ116の発光素子116aおよび受光素子116bとを取り付けたセンサポール117と、ウェハ104との関係を示す図であり、図5(a)はセンサポール117を退避させた状態図、図5(b)はノッチ位置を検出するためにセンサポール117を進出させた状態図である。
ノッチを検出するためには、台座101に固定された支持台121上に取り付けたエアシリンダ122を動作させて、退避位置にあるセンサポール117(図5(a))を矢印の方向へ移動させ、光学センサ116をウェハ104の外周部104bに送り込む(図5(b))。この状態で、ウェハ104を一定角度だけ回転させると、ウェハ104の外周部104bは、発光素子116aと受光素子116bの間隙123を通過するから、ノッチの有無を検知することができる。ノッチがどの角度位置にあるかは、モータ106の位置検出用エンコーダからの角度信号で検知できるようになっている。各ウェハ104のノッチ角度位置は図示しない記憶装置に記憶される。ノッチ角度位置を検知後、すくい上げ動作前に、センサポール117は後退して退避させる(図5(a))。センサが挿入されている状態では、ウェハをすくい上げる際、センサとウェハが干渉するので、これを回避するためである。
図6を用いて光学センサ116によるノッチ検出の原理説明をする。図6(a)は斜視図、図6(b)は受光素子での受光量変化特性図である。
光学センサ116は基板外周部104bより上方にある発光ダイオードなどからなる発
光素子116aと、基板外周部104bより下方にあるCCDカメラなどからなる受光素子116bからなり、発光素子116aからの光125を受光素子116bで受光し、その光量変化でノッチを検索する。ウェハ104を回転させると受光素子116bからの受光量は図6(b)に示すように変化するが、ノッチ104aに差し掛かると、それまで基板外周部104bによって遮られていた発光素子116aからの光125がノッチ104aを通過するので急激に受光量が増大する。この急激に受光量が増大する山がノッチ部となる。例えばウェハ104を回転させ、1周目で回転始点からノッチ104aまでの距離、受光素子116bの受光量を調査し、2周目以降でノッチが受光素子116b上に来たとき回転を止めることにより、ノッチの位置合わせができる。
つぎに上述した構成の基板位置合わせ装置の動作について図7および図8を用いて説明する。図7はノッチ104aを検出する際のウェハ104の挙動を説明する平面図、図8は5枚のウェハを一括してノッチ合わせする場合に、ノッチ合わせの終了したウェハ(ハッチングしたウェハ)104を順次すくい上げていく説明図である。
図7(a)はウェハ投入時を示し、ウェハ移載機256でウェハ5枚を矢印aの方向から基板位置合わせ装置に一括投入し、投入されたウェハ104をウェハ支持ポール105の基板支持ピン107で支える。センサポール117は、支持ポール105の後方に配置してある。また、すくい上げポール110は後退させてウェハ104から遠ざけたところに退避させている。
このとき基板支持ピン107で支持されるウェハ5枚のノッチ104aの周方向の角度位置は、それぞれ光学センサ116の位置Bと回転中心Oを結んだラインの延長線AOを挟んで角度θの範囲にあるとする。本装置ではθ=60°(±30°)の範囲内にノッチ104aがあることを前提としている。これは本装置で扱うウェハ104は洗浄工程を終えたものであり、洗浄時にノッチ104aが多少ずれるものの、ノッチ104aの位置は5枚のウェハ104で全くランダムということはなく、そのずれは一般に±30°といわれており、そのずれをカバーするよう、本装置の可動範囲を60°(±30°)と設定したためである。なお、ここでは本装置の可動範囲を、洗浄工程でのノッチ104aのずれに合わせて比較的狭い範囲に設定したが、実際に装置が動けるのは、ノッチ検出時においては、支持ポール105とセンサポール117が干渉しない程度の範囲であり、ノッチ合わせ時においては、支持ポール105とすくい上げポール110が干渉しない程度の範囲であり、これは支持ポール105、すくい上げポール110、センサポール117の形状、寸法、幅位置等により決まる。
前述した図7(a)の原点位置の状態から、モータ106でターンテーブル103を回転して支持ポール105を動かすことにより、ウェハ5枚を180°矢印のように反時計回りに回転させてノッチ検出開始位置である図7(b)の状態にもっていく。なお回転方向はどちらでもよいので、時計回りに回転させてもよい。要は光学センサ116によるノッチ検出が可能となればよい。その結果、支持ポール105は同図(b)のような位置へ来て、ノッチ104aが光学センサ116に接近する。なお、すくい上げポール110は周方向の動きが固定されているから角度位置の変化はない。また光学センサ116も周方向の角度位置変化はない。この状態で光学センサ116をウェハ104の方向へ進入させると、光学センサ116は点線位置から実線位置へ来る。ここでモータ106を回転させ、各ウェハ104のノッチ104aの角度位置を、一括して検索し、その検出情報である角度位置を記憶手段に記憶しておく。なお、角度位置はモータ106の位置検出用エンコーダからの角度信号で検知できるようになっている。
次に、前記角度位置データをもとに、各ウェハ104のノッチ104aを順次ラインOB上に合わせる動作を説明する。なお、ここではノッチ104aをラインOB上に合わせ
る動作について述べるが、ノッチ104aは任意の位置に合わせることが可能である。
1枚目のウェハ104のノッチ104aが図7(b)に見られるように、光学センサ116の左側にあるとすると、この角度位置データをもとにウェハ104を時計方向に回転させて、ラインOBの位置へノッチ104aを合わせ、モータ106の回転を停止させる。このようにして1枚目のノッチ位置合わせを終了する。図8(a)は5枚のウェハ104の中の一番下のウェハ104(ハッチングで示す)のノッチをラインOBに合わせた後、すくい上げポール110をウェハの径方向内方へ進入させ、すくい上げ支持ピン111を各ウェハ104の外周部104bの下方に滑り込ませた状態を示す。さらに図8(b)に示すように、スライド機構113によりすくい上げ支持ピン111を上昇させて、ノッチ合わせを終えた1枚目のウェハ104をすくい上げて、支持ポール105の基板支持ピン107から離す。
次に、下から1枚目のウェハ104をすくい上げた状態で、支持ポール105を回転させ、下から2枚目のウェハ104のノッチ104aを検出角度位置データに基づいてラインOBに合わせる。2枚目のノッチ合わせを終わったら、図8(c)に示すようにすくい上げ支持ピン111により2枚目のウェハ104をすくい上げる。同様に3枚目、4枚目、5枚目というようにノッチ合わせとすくい上げを順次繰り返す。図8(d)は最後のウェハ104をすくい上げポール110のすくい上げ支持ピン111ですくい上げた状態を示す。このようにして全てのウェハ104を基板支持ピン107からすくい上げ支持ピン111へ移載する。以上の動作を終了した時点で、全てのウェハ104のノッチ104aはラインOBの線上に来る。
最初のウェハのノッチ合わせを行うときは、すくい上げポール110は退避しているので、支持ポール105はすくい上げポール110と干渉せずにフリーに回転できる。しかし、すくい上げポール110をすくい上げ可能な位置にセット後、すくい上げた状態を保持して、次のウェハ104のノッチ合わせを行っていくために、ウェハ104が回転できるのは、支持ポール105とすくい上げポール110とが干渉しない程度の範囲内(θ)に限定される。しかし、その範囲は、洗浄工程でのノッチのずれが±30°であるため、少なくともそれをカバーできる範囲であることを要する。なお、すくい上げポール110をすくい上げ可能な位置にセットするタイミングについては、ノッチ位置検出後、1枚目のウェハのノッチ位置合わせ動作を行う前であっても構わない。
上述したようにノッチ合わせの終わったウェハ104を1枚ずつ順次すくい上げていくためには、すくい上げポール110のすくい上げ支持ピン111のピッチP1 と支持ポール105の基板支持ピン107のピッチP2 とは、図8において、少なくとも下記のような関係になっている必要がある。
P1 <P2 (1)
4P1 >3P2 (2)
ただし、式(2)はノッチ合わせ対象ウェハが5枚の場合に成り立つ式である。ノッチ合わせ対象ウェハがn枚の場合には、式(2)は次のようになる。
(n−1)P1 >(n−2)P2 (3)
実際に、P1 、P2 を決定するときは、更に、ウェハたわみ、ウェハ104とすくい上げ支持ピン111、基板支持ピン107との隙間についても考慮する必要がある。例えば、ウェハたわみ=0.3とした場合において、図8(a)に示す最下段同士のすくい上げ支持ピン111と基板支持ピン107との隙間ΔL=2mmとしたとき、P1 =19mm、P2 =23mm、すくい上げピッチ=4mmとなる。この導出は後述する実施例で詳細に説明する。
上述した一連の動作終了後は、3本の支持ポール105はノッチ合わせ動作を繰り返したため、図7(b)の位置から外れている。よって、ここでターンテーブル103を回転して支持ポール105を図7(b)の位置状態に戻す。次に、すくい上げポール110を下降させて、5枚のウェハ104全てをすくい上げ支持ピン111から支持ポール105の基板支持ピン107へ戻す。戻した後、すくい上げポール110をウェハ104の外側へ退避させる。この状態で、支持ポール105を180°回転させると、支持ポール105は図7(a)の元の原点位置に戻る。ここでウェハ移載機256で5枚のウェハ104を一括して基板位置合わせ装置100から排出する。
上述した説明は、基板支持ピン107で支持されるウェハ5枚のノッチ104aの角度位置が、それぞれ光学センサ116の位置Bと回転中心Oを結んだラインの延長線AOを挟んで角度θ=60°の範囲に限定されている場合を想定した。しかし、ノッチ104aが所定角度θ範囲内にない場合もあり得るので、本方式を所定角度θ範囲内にない場合でもノッチ検出が行えるように汎用化する必要がある。さらにすくい上げポール110で任意のウェハ104をすくい上げている状態で、支持ポール105に支持されているウェハ104を回転させるには、支持ポール105とすくい上げポール110との干渉が生じるので、この干渉による制約も考慮する必要がある。
この支持ポール105とすくい上げポール110との干渉の問題を図10(a)を用いて説明する。各ウェハ104をすくい上げポール110に最終的に載せるときは、各ウェハ104のノッチ位置は、ノッチ合わせ位置(光センサ位置)Sに来るようにしたい。このとき支持ポール105上にあるウェハ104のノッチ位置は、図10(a)のθ=60°の範囲内になければ、ノッチ104aをノッチ合わせ位置Sに移動させることはできない。これは、本装置においては、ノッチ合わせ動作を行う際にはウェハ周方向の可動範囲が制限されてしまうからである。ノッチ合わせ動作においては、すくい上げポール110を図7(b)に示す退避位置からウェハ径方向内方へ挿入し、図10(a)に示すように、すくい上げ可能な位置にセットする必要がある。このため、支持ポール105のウェハ周方向の可動範囲は支持ポール105とすくい上げポール110とが干渉しない程度の範囲に制限されてしまう。なお、本装置においては、支持ポール105とすくい上げポール110間に十分に余裕を持たせるようにしてあり、少なくとも洗浄工程におけるノッチのずれ(±30°)をカバーできるように可動範囲を決めている。
上記問題を解決し、ノッチ104aが所定角度θ範囲内にない場合にも対応できる装置について以下に説明する。まず本装置においてノッチを検索することが可能な領域、ノッチを検索することが不可能な領域について図10(b)を用いて説明する。ウェハ104は、略180°、90°、90°の間隔で配置された3本の支持ポール105で支持されている。ウェハ104のノッチ104aを検索する場合、センサポール117を退避位置からウェハ径方向内方へ挿入し、図10(b)に示すように、ノッチ検索可能な位置にセットする必要がある。従って、ウェハ104には、センサポール117と支持ポール105とが干渉しない程度の範囲内でノッチ位置検索を行うことができる支持ポール105で囲まれた3つの検索可能領域R1〜R3と、センサポール117と支持ポール105とが干渉しないように可動範囲を制限したためにノッチ位置検索を行うことができなくなる支持ポール105近傍の3つの検索不可能領域D1〜D3とが形成される。ノッチ位置検索可能領域R1〜R3の範囲はそれぞれ148°、81°、81°である。なお、ここで示したノッチ位置検索可能領域の範囲はほんの一例であり、支持ポール105、センサポール117の幅、形状、両ポールの干渉を回避するための両ポール間のクリアランス等を変更することにより更に広くすることも可能である。
次にノッチ合わせ方法の概要について説明する。まず、ウェハ104の各148°、81°、81°の検索可能領域R1〜R3についてノッチ104a検索を行う。ノッチ10
4aが見つからなければ、ノッチ104aは検索不可能領域D1〜D3のどこかにあることになる。この場合、一旦全ウェハをすくい上げポール110によりすくい上げ、支持ポール105のみを所定角度回転させ、ウェハ104を支持ポール105上に戻す。この動作により、支持ポール105に対してノッチ位置をずらすことができ、ノッチ104aは検索不可能領域から検索可能領域R1〜R3のいずれかに入る。その後、再度検索可能領域R1〜R3を検索する。全ウェハ104のノッチ検出後、ノッチ104aを所定位置に合わせる動作に入る。まずノッチ位置がθ範囲内にあるかどうか判断する。なお、この判断は、検出し記億したノッチ104aの角度位置データにより行う。θ範囲内にあれば、そのままノッチ104aがノッチ合わせ位置Sに来るようにウェハ104を回転させ、すくい上げポール107に載せる。θ範囲内になければ、可動範囲の関係上、一度の回転ではノッチ104aをノッチ合わせ位置Sに移動させることができないので、少しずつノッチ位置をずらしていく。具休的には、一旦ウェハ104をすくい上げ、支持ポール105をノッチ位置を移動させる方向とは反対方向に所要角度回転させ、ウェハ104を支持ポール105に戻し、支持ポール105をノッチ位置がノッチ合わせ位置Sに近づくよう所要角度回転させることによりノッチ位置をずらす。これを繰り返すことにより、ノッチ位置はθ範囲内に入るのでノッチ104aをノッチ合わせ位置Sに合わせることができる。なお、その際、ノッチ104aが最短経路となる方向に移動するようにする。すなわち、図10(a)においては、ノッチ104aが右半分側にあれば時計方向に、左半分側にあれば、時計と反対方向にノッチ104aを移動させる。本図の場合は、ノッチ104aは左半分側にあるので、時計と反対方向に移動させることとなる。なお、前記最短経路の選択は、記億した角度位置データにより行われる。
図9は、上述したノッチ合わせを行う機構を制御する制御部のブロック図を示す。制御部は、制御回路150とドライバ151、152、電磁弁153、154とから構成され、次の機能を持つ。
複数のウェハを一括回転させて各ウェハのノッチを検出するために基板支持機構のモータ106の回転を制御し、(a)各ウェハのノッチの検出値に基づいてウェハの位置合わせ(ノッチ合わせ)を1枚ずつ行うために基板支持機構のモータ106の回転を制御し、(b)1枚のウェハ104の位置合わせが終了すると個別位置合わせ終了信号を出力し、(c)個別位置合わせ終了信号に基づいて、位置合わせの終わったウェハ104を1枚ずつ基板支持機構から順次退避させるために基板退避機構のモータ112、スライド機構113、エアシリンダ115を制御し、(d)位置合わせの終わったウェハ104の退避後に、残りのウェハ104について(a)〜(c)の制御を行い、(e)全ウェハの位置合わせが終了すると全位置合わせ終了信号を出力し、(f)全位置合わせ終了信号に基づいて、位置合わせ済みの全基板は基板退避機構により退避したままの状態で基板支持機構をノッチ検出を行う前の初期の状態に戻すよう基板支持機構のモータ106の回転を制御し、(g)退避させていた複数の位置合わせ済みの全ウェハを基板支持機構に戻すために基板退避機構のモータ112、スライド機構113、エアシリンダ115を制御する。
上記制御部に基づく上述した一連の詳細な流れを図11〜図13のフローに示す。
ウェハ移載機256により5枚のウェハ104を基板位置合わせ装置100に一括投入して、3本の支持ポール105上に移載する(ステップ201)。移載後、ノッチ検出するために支持ポール105をノッチ検出開始位置まで180°回転させて、図7(a)の状態から図7(b)の状態にする(ステップ202)。センサポール117を進出させて光学センサ116をノッチ検出可能な位置へ挿入する(ステップ203)。ここまでがノッチ検出準備である。
次に検索可能領域についてのノッチ検出動作に入る。即ち、ウェハ104の支持ポール
105間の角度148°の範囲(第1領域R1)に対し5枚一括でノッチ104aを検索する(ステップ204)。ノッチ検索後、センサポール117を後退させてセンサ116を抜く(ステップ205)。これは他の領域の検索に移る際の支持ポール105との干渉や、ウェハ104をすくい上げる際のウェハ104との干渉を避けるためである。
ここで、全ウェハ104のノッチ104aが検出されたか否かを判断する(ステップ206)。検出された場合は、ステップ213に進み、すくい上げポール107をすくい上げ可能位置に挿入する。検出されなかった場合は、ステップ207に進み、ウェハの次の角度81°の領域(第2領域R2)についてのノッチ検出動作を行う。全ウェハ104のノッチ104aが検出されたか判断する(ステップ208)。検出された場合は、前述したステップ213に進む。検出されない場合は、さらにステップ209に進み、ウェハ104の残りの角度81°の領域(第3領域R3)についてのノッチ検出動作を行う。
全ウェハのノッチが検出されたか判断する(ステップ210)。検出された場合は、前述したステップ213に進む。検出されない場合は、前述した3つのうちのいずれかの検索不可能領域D1〜D3にノッチ104aが存在するとしてステップ211に進み、すくい上げポール110をすくい上げ可能位置に挿入する。そして検索不可能領域D1〜D3にあるノッチ104aが検索可能領域R1〜R3に入るよう支持ポールに対しノッチ位置をずらす(ステップ212)。このようにして検索不可能領域に存在していたノッチ104aを検索可能領域に移してから、ステップ203に戻り、前述した一連の検索可能領域についてのノッチ検出動作(ステップ203〜210)を再度行う。以上の動作により全ウェハ104のノッチ104aを検出することができる。
全てのウェハ104のノッチ位置が検出されると、前述したようにすくい上げポール110をすくい上げ可能位置へ挿入するが(ステップ213)、このステップ213の処理後、ノッチ合わせ及びすくい上げ動作を行わせるためにステップ214に進む。ここで、すくい上げ動作が終わっていないウェハ104であって一番下の段にあるウェハ104のノッチ位置がθ(60°)範囲内にあるか否かを判断する(ステップ214)。なお、この判断は記憶したノッチの角度位置データにより行う。θ範囲内にない場合は、支持ポールに対するノッチ104aの相対位置を所要量ずつずらしてノッチ104aをθ範囲内の領域に入れる処理を行い(ステップ218)、前述のステップ214に戻す。
θ範囲内にある場合は、すくい上げ動作が終わっていないウェハ104であって、一番下の段にあるウェハ104のノッチ位置が最終的に揃えたいノッチの位置Sになるよう支持ポール105を回転する(ステップ215)。そしてノッチ合わせ後のウェハ104をすくい上げる(ステップ216)。ついで、すくい上げが終了していないウェハ104があるか判断する(ステップ217)。終了していないウェハ104がある場合は、前述したステップ214に戻り、全ウェハのすくい上げが終了するまで上記ステップ214〜217を繰り返す。
全てのウェハ104のすくい上げが終了したらステップ219に進み、ここですくい上げポール110によりウェハ104をすくい上げたままの状態で、ノッチ検出開始位置(図7(b)の状態)となるよう支持ポール105を回転させる。その後、すくい上げポール110上のウェハ104を支持ポール105上に載せ(ステップ220)、すくい上げポール110を退避させる(ステップ221)。そして支持ポール105を原点位置に回転させて図7(a)の位置に戻す(ステップ222)。最後にウェハ移載機256によりウェハ払出しを行う(ステップ223)。
ここで図13を用いて前述した個別処理ステップ207、209、212、218の詳細を説明する。
(a)ステップ207(第2領域についてのノッチ検出動作)
ウェハ104の第2領域が検索可能となるよう支持ポール105を所要量回転させる(ステップ2071)。光学センサ116を挿入して(ステップ2072)、ウェハ104の支持ポール105間にある81°の範囲に対して未検出のウェハについてのみノッチ104aを検索する(ステップ2073)。検索後、光学センサ116を後退させる(ステップ2074)。
(b)ステップ209(第3領域についてのノッチ検出動作)
ウェハ104の残りの第3領域が検索可能となるよう支持ポール105を所要量回転させる(ステップ2091)。光学センサ116を挿入して(ステップ2092)、ウェハ104の支持ポール105間にある81°の範囲に対して未検出のウェハについてのみノッチ104aを検索する(ステップ2093)。検索後、光学センサ116を後退させる(ステップ2094)。
(c)ステップ212(検出不可能領域にあるノッチを、検索可能領域に入るようにノッチ位置をずらす動作)
支持ポール105上のウェハ104をすくい上げポール110によりすくい上げる(ステップ2121)。その後、ノッチ104aが検索不可能領域から検索可能領域(148°、81°、81°)に入るように支持ポール105を所定量回転させる。この際、ノッチ検出済みウェハについては、ここで回転させた分を、検出したノッチ位置データに反映させるようデータを修正する。具体的には検出したノッチ位置データに回転した分を加える(ステップ2122)。支持ポール105を回転させる前記所定量は、(360°−(148°+81°+81°))/3=16.7°以上である。所定量回転させた後、すくい上げポール110を下げてウェハ104を支持ポール105上に戻し、すくい上げポール110を後退させる(ステップ2123)。
(d)ステップ218(ウェハのノッチをθ範囲内の領域に入れる動作)
支持ポール105上のすくい上げ動作が終わっていないウェハ104であって一番下の段にあるウェハ104をすくい上げポール110によりすくい上げて退避させる(ステップ2181)。支持ポール105をノッチ104aを移動させる方向と反対の方向に所要量回転させ(ステップ2182)、すくい上げポール110を下げて前のステップですくい上げたウェハを支持ポール上に戻す(ステップ2183)。その後、支持ポール105をノッチ104aが、ノッチ位置からノッチ合わせ位置までの最短経路となる方向に(時計方向もしくは時計と反対方向に)に回転させる(ステップ2181)。なお、前述の通り前記最短経路は、記憶しているノッチ104aの角度位置データにより決められる。すなわち、図10(a)においては、ノッチ104aが、左半分側にある場合は時計と反対方向に、右半分側にあれば時計方向に回転させる。この後、ステップ214に戻り、ノッチ位置がθ範囲内にあるかどうか判断する。なければ再度ステップ2181〜2184を行い、ノッチ位置がθ範囲内に入るまでこのステップを繰り返す。
図14に、ステップ214〜218において、ノッチ位置検出を終えたウェハ104を所要量づつ回転させ、ラインOB(図7参照)上にノッチ104aを合わせる様子を示す。図中の点線は、支持ポール105の回転推移を表している。また、図中の一点鎖線はノッチ104aとウェハ中心を通る直線であり、ウェハ104の回転推移を表わしている。なお、ウェハ104に点線や、一点鎖線で直径を引いたのは支持ポールに対するウェハの回転推移を分かり易く説明するためである。また、実際に本動作を行う場合、すくい上げポール110はウェハ径方向内方に挿入されているが、動作を分かり易く示すため、すくい上げポール110は退避した状態で描いている。
すべてのウェハ104のノッチ位置検出後、ノッチ合わせを行うウェハ104(すくい
上げ動作が終わっていないウェハ104であって、一番下の段にあるウェハ104)のノッチ位置がθ範囲内にあるかどうかを、記憶した角度位置データより判断する。θ範囲内にない場合は、ラインAB(図7参照)の右側にあるか左側にあるかを、記憶した角度位置データより判断する。右側にある場合はウェハ104を時計と反対方向に、左側にある場合はウェハ104を時計方向に所要量ずつ回転させ、ノッチ104aをラインOB上に移動させる際、最短経路をとるようにする。
初期状態(ノッチ検出後ノッチ合わせ前の状態)で、ウェハ104のノッチ位置が左下にあるとする(図14(a))。この場合、ノッチ104aがθ範囲内になく、ラインABの左側にあるため、ウェハ104はノッチ104aが最短経路でラインOB上に移動するよう時計方向に所要量ずつ回転させることになる。一旦ウェハ104をすくい上げて支持ポール105のみをノッチ104aを移動させる方向と反対の方向である反時計方向に所要量回転させる。したがってこの動作ではウェハ104のノッチ位置は動かない(図14(b))。ウェハ104を支持ポール105に戻して、支持ポール105を、すなわちウェハ104を時計方向に所容量回転させる。これによりノッチ位置は所要量時計方向に動く(図14(c))。再度ウェハ104をすくい上げて支持ポール105をノッチ104aを移動させる方向と反対の方向である時計と反対方向に所要量回転させる(図14(d))。ウェハ104を支持ポール105に戻してウェハ104を時計方向に回転する。これによりさらにノッチ位置は右回りに動く(図14(e))。このようにして、ノッチ位置をθ範囲内に入るようずらし、最終的にラインOB上に合わせる。
なお、これまでの説明では、まず一旦ウェハ104をすくい上げ、ノッチをずらす方向と反対の方向に支持ポール105のみを所要量回転させる動作を行っているが、この動作の前にウェハ104を載せた状態で支持ポール105をノッチ位置がラインOB上までの最短経路となる方向に回転させる動作を行うようにしてもよい。
第1実施形態のものは、ウェハ毎に必要となるウェハ載置用のターンテーブルを排し、その代りに支持ポール105を設けてウェハを支持するとともに、すくい上げポールを設けてノッチ合わせ済みのウェハを退避できるようにしたので、一括して複数枚のウェハノッチ合わせができる。また、ノッチ合わせの際、基板外周部104bをテーパ部99で支持することにより、線接触状態ないし点接触状態で支持することになるので接触面積が少なく、ウェハ裏面を真空吸着するものに比べてパーティクルの発生を低減し、しかも支持されているのは基板外周部104bなので、ウェハ裏面へのパーティクル付着が大幅に低減できる。
しかしながら上述した第1の実施形態の基板位置合わせ装置でも、なお操作が複雑で、位置合わせ速度もそれほど速くはない。また、モータ106などの駆動部をウェハ104の下方に設置したことにより、装置高が高くなるという問題もある。そこで次に説明する第2実施形態のものは、個別ターンテーブル方式を導入することにより上述した問題の解決を図っている。
第2の実施の形態(図15〜図18)これは、複数枚のウェハのノッチをウェハにほとんど接触せずに、ウェハの枚数に応じた5個のモータを用意して、5枚一括で検出することが可能な基板位置合わせ装置である。
図15に示すように、基板位置合わせ装置は、上板301を含めて5段の棚301〜305と下板306をもつ箱体300を備え、箱体300の前面2面が開放されて開架式となっている。5つの棚301〜305の上面には、回転中心を一致させたターンテーブル307がそれぞれ取り付けられて、5枚のウェハのノッチを検出できるようになっている。各ターンテーブル307は独立して回転駆動できるようになっており、その駆動機構に
はタイミングベルト308とモータ309が使用されている。各モータ309はターンテーブル307の下ではなく、サイドに設けられる。各棚301〜305はターンテーブル307の取付板としての機能に加えて、発生したパーティクルが下段のウェハ表面に付着するのを防止する防止板としての機能も有する。また、各棚301〜305の前面コーナ部がカットされ、そこがウェハ104の投入・排出口となる。
なお、各モータ309の取付け状況は、図示例では、棚301〜305の表裏面、又は箱体300の左右というように分散配置されているが、これはモータ長があるので、最小スペースに納まるように配置するためである。ここでは各ターンテーブルの間隔を30mm以内に納めている。
各ターンテーブル307の表面の外周部には、ウェハの外周部を支持できるように3つの支持ピン310が、ほぼ120°間隔に分散配置されて取り付けられている。また、ウェハ投入口と反対側の各棚301〜305の奥に光学センサ311が取り付けられ、支持ピン310に支持された5枚のウェハのノッチをそれぞれ検出できるようになっている。
図16はターンテーブル307の駆動機構の詳細を示した側面図であり、図16(a)はモータ309をターンテーブル307のサイドに設けるようにした実施形態(最上段に相当)によるものであり、図16(b)はターンテーブル307の真下にモータ309を設けた場合を想定した比較図である。ただし図16(b)は比較の便宜のために上下を逆にしている。
図16(a)に示すように、ターンテーブル307の回転軸314にプーリ313を噛ます一方、モータ309の駆動軸315にもプーリ312を噛まして、プーリ312、313間にタイミングベルト308を張設している。タイミングベルト308はターンテーブル307と棚301との間隙に沿わせる。ターンテーブル307のサイドにモータ309を設けて、回転軸314と駆動軸315とを並列にならべると、駆動軸315を含めたモータ309の高さ(厚み)の一部がターンテーブル307の厚みに吸収されること、駆動軸315と回転軸314とを直列接続しないでもよいことが起因して、装置高Laが低くなり装置の小形化が可能となる。これに対して、図16(b)のようにターンテーブル307の下にモータ309があると、モータ309の駆動軸315とターンテーブル307の回転軸314との接続長、及びモータ309の高さがそのまま部品の高さとして突出するので、装置高Lbが高くなり、装置が大型化する。
図17に前記光学センサ311と支持ピン310の詳細を示す。光学センサ311は断面コ字形をしており、断面コ字形の開口部316にウェハ104の外周部104bを受け入れるようになっている。コ字形上部に発光部311aを下部に受光部311bを備え、ノッチが開口部316に来て受光部311bでの受光量が変化したときノッチ位置を検出できるようになっている。
ターンテーブル307の径はこれに載置されるウェハ104の径よりも若干小さく、支持ピン310がターンテーブル307の外周部から径方向外方に飛出してウェハ104の外周部104bを支持するようになっている。このようにウェハ104の外周部104bを支持する支持ピン310を形成することによって、支持ピン310と光学センサ311は干渉しないようになっているので、ウェハ104を制約なしに回転でき、ノッチ位置合わせを容易かつ高速に行うことができる。
各支持ピン310のウェハ104を支持する支持面は、テーパ部317となっており、これによりウェハ中心とターンテーブル307の回転中心とを容易に合わせて、ウェハ104の偏心を自動補正することができ、かつテーパ部317で基板外周部104bを支持
することによりウェハ裏面へのパーティクルの付着を防止している。
また図示するように支持ピン310は略L字形をしており、屈曲部318を下にして横倒しした格好でターンテーブル307の外周部に取り付けられている。そのL字形の屈曲部318の凹みが光学センサ311の突出した受光部311bの逃げ部となっている。このような逃げ部を形成すると、発光部311aと受光部311bの対向距離を短くできるので、装置の小形化が図れる。
なお上記逃げ部は必須ではない。裏面側にセンサ用逃げ部はなくても、光学センサ311の発光部311aと受光部311bとの間に支持ピン310があり、該支持ピン310が干渉していなければよい。
次に上述した構成をもつ5枚一括基板位置合わせ装置の動作手順を図18のフローを用いて説明する。
5枚一括ウェハ移載機で基板位置合わせ装置に5枚のウェハ104を投入し、各ターンテーブル307に移載する(ステップ401、402)。各ターンテーブル307を独立に回転させ、各光学センサ311によりノッチを検出し(ステップ403)、ノッチを所定の位置に合わせる(ステップ404)。5段全てのターンテーブル307のノッチ合わせが終了したら、ウェハ移載機によりウェハ104を基板位置合わせ装置から搬出する。上記したノッチ合わせのやり方は、ウェハを回転させ、1周目でノッチを検出するが、検出した時点で減速し、回転を止め、行き過ぎた分を戻すように制御する。一見すると、ノッチを検出すると同時に合わせるという動作になる。
このように第2の実施形態は、ターンテーブル307に設けた支持ピン310のテーパ部317でウェハ104の外周部104bを支持し、ウェハ104を回転させ、ウェハ104のノッチ104aを非接触で検出し、整列させるものであるから、パーティクルの発生を低減することができ、ウェハ裏面へのパーティクル付着を有効に防止できる。また、ターンテーブル307を回転させるモータ309は、ターンテーブル307毎に設けられ、それぞれ独立して動作するので、ノッチ位置が不揃いでもその整列のために他のウェハに拘束されることなく、個別的に対応できる。また、モータ309はウェハ104の真下に配置せずに、ターンテーブル307のサイドに設けてタイミングベルト308を用いてターンテーブル307へ駆動力を伝達するようにしたので、装置高を低くできる。このように比較的構造が単純で、回転に制約がなく、一括整列のため、ノッチ位置検出速度が非常に速い。
しかしながらこの第2の実施の形態の場合でも、支持ピン310上にノッチが重なった場合や、ノッチ合わせ後にツィーザ投入位置に支持ピン310が来る場合に次のような問題がある。例えば、図19に示すように、ノッチ位置に支持ピン310が重なってしまうと、支持ピン310が光学センサの光路を塞いでしまうのでノッチ位置が検出できなくなる。また、図20に示すように、ノッチ合わせのためにターンテーブル307を回転させたために、支持ピン310の位置がずれて、支持ピン310がウェハ移載機256のツィーザ257の進入位置に来て進入の障害になることがある。そのような場合には、ターンテーブル307の原点出しを行って、ツィーザ257の進入を可能にする必要があるが、そうすると折角ノッチ合わせをしたのにノッチの整列が乱れてしまうという問題が生じる。
そこで次に述べる第3の実施形態は、上述したような場合は、全てのウェハをすくい上げて退避させ、ターンテーブルを所定量回転させて支持ピンの位置をずらすことにより上述した問題の解決を図っている。このすくい上げ機構は第1の実施形態の考え方を取り入
れている。
第3の実施の形態(図21〜図29)これはウェハのノッチがターンテーブルの支持ピンと重なった場合でも、ノッチを整列することが可能な基板位置合わせ装置である。
図21に示す基本構成は、図15に示す第2の実施の形態の基板位置合わせ装置と同じである。異なる点は、第1の実施の形態で採用したウェハをすくい上げて退避させる基板退避機構を設けて、ノッチと支持ピンが重なった場合に、一旦ウェハをすくい上げて退避させ、その間ターンテーブルのみをずらし、ずらしたターンテーブルに再度ウェハを載置することにより、支持ピンとの重なりを防ぐようにした点である。また、位置合わせ後に支持ピンがツィーザの進入路を塞ぐことになった場合でも、同様にターンテーブルのみをずらし、ツィーザの進入路を解放するようにした点である。
5段積みのターンテーブル307の外周に昇降自在に設けられた3本のすくい上げポール321が立設されている。その立設方向はターンテーブル307の回転軸と平行になっている。すくい上げポール321には、長さ方向に一定ピッチでウェハの外周部を支持してウェハをすくい上げるすくい上げ支持ピン322が回転中心に向かって腕状に突設されている。図21では、すくい上げ支持ピン322はターンテーブル307に設けた支持ピン310と重なる場合を描いてある。すくい上げ支持ピン322のウェハ支持面は、第1の実施形態と同様に僅かにテーパ角を付けたウェハ受載縁面としている。
3本のすくい上げポール321は、各棚301〜305を貫通して、最下段の棚305の下と下板306との間に形成される空間に設けられたベース323に一体的に取り付けられる。ベース323はエアシリンダ324によって昇降移動するようになっている。すくい上げポール321は、昇降するだけで回転も進退もしない。このすくい上げポール321の上昇により、すくい上げ支持ピン322が基板外周部に係止して基板支持ピン310からウェハをすくい上げるようになっている。すくい上げられたウェハはすくい上げポール321の下降により基板支持ピン310に戻されるようになっている。
ターンテーブル307を回転させる各モータ309の取付け状況は、第2の実施形態でも説明した通りであるが、ここでは、それとはまた別のモータ配置、取付け状況について説明する。より詳しく説明すると、図22(a)のようになっている。投入時にウェハ104とモータ309が干渉するためラインZより矢印側にモータ309を配置できない。図22(b)のように、各棚301〜305同士の間隔、すなわち各ターンテーブル307同士の間隔は、移載機256のピッチ変更機構の制約により30mm以内にする必要がある。上の段のモータ(2段目のモータ(2))309と下の段のモータ(4段目のモータ(4))309の軸を揃えようとすると、モータ同士が干渉し30mm以内に納めることができないため、モータ位置を互いにずれた配置としてある(図22(a))。モータ309が角の方にあるのは、ターンテーブル307の中心とモータ軸の間をつなぐタイミングベルト308が入るよう距離を取るためである。奇数段目と偶数段目のモータ309が左右に分けて配置してあるのも各段が30mm以内に納まるように、モータ同士が干渉しないようにするためである。
図23は図21の基板位置合わせ装置の詳細な説明図であり、(a)は平面図、(b)は最下段の縦断面図を示す。図23(a)に示す支持ピン位置センサ325は、ターンテーブル307の原点出しに使用されるセンサであって、このセンサ信号でターンテーブル307の原点出しを行って後述するように、ターンテーブル307上の支持ピン310とツィーザとの干渉を防ぐことができる。また、図23(b)に示すように、すくい上げシリンダ324はベース323を駆動させることにより、すくい上げポール321を昇降させるようになっているが、シリンダ324の昇降ロッド326と並行してガイド327が
設けられ、このガイド327によって昇降移動は滑らかに行われるようになっている。図24に示すように、第3の実施形態のすくい上げポール321は、長さ方向に等間隔にすくい上げ支持ピン322が設けられ、ウェハ104をすくい上げるときは、5枚一括してすくい上げるようになっている。なお、すくい上げ支持ピン322のウェハ支持面は第1の実施形態と同様に、わずかにテーパ角を付けたウェハ受載面となっており、ウェハ外周を支持するようになっている。
さて上述した構成において、図25〜図28を用いて、支持ピン310の上にウェハ104のノッチが重なって置かれてノッチ位置が検出できない場合も含めたノッチ合わせ動作を説明する。
図27に示すように、5枚一括ウェハ移載機で基板位置合わせ装置に5枚のウェハ104を投入し、各ターンテーブル307に移載する(ステップ501、502)。移載後、ターンテーブル307を回転してノッチ104aを検出する(ステップ503)。ノッチ検出後、ノッチ104aが検出されたウェハ104について並列にノッチ合わせを行う(ステップ504)。なお、本実施形態においては第2実施形態と同様、ノッチ104aを検出した時点でターンテーブル307を減速し、回転を止め、行き過ぎた分を戻すような制御を行うため、ノッチ104aが検出されたウェハ104については、一見するとノッチ104aを検出すると同時にノッチ104aを合わせるという動作になる。その後、全ウェハ104のノッチ104aが検出されたかを判断する(ステップ505)。ここで、全ウェハ104のノッチ104aが検出された場合、この時点で全ウェハ104のノッチ合わせが終了したことになりステップ509に飛ぶ。全ウェハ104のノッチ104aが検出されなかった場合、ターンテーブル307の支持ピン310とノッチ104aが重なつているウェハ104があるということなので、そのウェハ104について、その重なりを解消する動作を行う。まず、エアシリンダ324の動作により、すくい上げポール321を上昇させて、ターンテーブル307の支持ピン310に支持されている全てのウエハ104(図25(a))をすくい上げ、ポール321により、一旦すくい上げて退避させる(b)、(ステップ506))。
全ウェハ104を退避させている間に、ノッチ104aが検出されなかったウェハ104のターンテーブル307の支持ピン310を所定量回転させターンテーブル307を停止する(ステップ507)。図26に示すように、ターンテーブル停止時は支持ピン310とすくい上げ支持ピン322とは角度δだけずれた位置で停止するようにしてある。したがって支持ピン310とノッチの重なりを解消することができる。この状態で、エアシリンダ324を逆動作して、すくい上げポール321を降下させ(ステップ508)、ウェハ104を支持ピン310に移載する(図25(a))。これによりノッチ位置が検出できるようになる。
支持ピン310とノッチ104aの重なりが解消され、ノッチ104aが検出できるようになると、ステツプ503に戻り、ノッチ104aが検出されなかったウェハ104について、前述した一連のノッチ検出、ノッチ合わせ動作を再度行う(ステップ503〜505)。以上の動作により全ウェハ104のノッチ合わせを行うことができる。
全ウェハのノッチ合わせ後、全ウェハ104を退避させ(ステップ509)、退避中に各ターンテーブル307をそれぞれ所要量回転して全ターンテーブルの原点戻しを行う(ステップ510)。この原点戻しは、次回のノッチ合わせを行える状態にするためにも、ツィーザ搬入位置に支持ピンが有る無しにかかわらず、ノッチ合わせ後に毎回必ず行う。その後ウェハをターンテーブル307上に戻す(ステップ511)。そしてウェハ104をウェハ移載機を使用して円滑に排出する(ステップ522)。
以上述べたように、ウェハ移載機によってフープから取り出したウェハ104のノッチが、基板位置合わせ装置の支持ピン上に重なって置かれた場合でも、基板退避機構を有する基板位置合わせにより、一定の位置にノッチを整列させることができる。また、全ウェハのノッチ合わせ終了後、ターンテーブルの支持ピン位置がツィーザの進入経路にあった場合でも、すくい上げ機構により、全ウェハを、一旦、持ち上げ、その間に何も載っていないターンテーブルを、所要量だけ回転させて、原点戻しをする。その後、ウェハ持ち上げ機構を下降させ、原点合わせがなされたターンテーブル上に再びウェハを載置するので、ツィーザの進入の障害がなくなる。
なお、第3の実施形態では、ノッチが基板支持ピン上に重なってノッチを検出できない場合、基板退避機構を用いて重なりを解消するようにしているが、図29に示すように、重なったままでも、支持ピン330を光学センサの光に対して透明な材料で形成すれば、基板退避機構を用いずにノッチを検出することができる。ノッチ104aが支持ピン330上に重なっていても支持ピン330が透明であるため、光を遮ることなく、ノッチ104aを検出することができる。支持ピン330の材質は石英ガラス等がよい。支持ピン330を透明な材質にすることの利点は、ノッチ104aと支持ピン330が重なったときでも、ノッチ104aを検出することが可能となり、再度ノッチを検出するといった動作がいらなくなるため、ノッチ検出時間の短縮ができる点である。ただし、この場合にも、ターンテーブル307上の支持ピン330と基板位置合わせ装置内に進入してくる移載機ツィーザとの干渉の問題があるので、基板退避機構は必要である。
上述した第1実施形態は原則としてノッチ位置が所定角度θ範囲内にあることを前提としているが、第2および第3実施形態は、そのような制約がなく、ノッチがどこにあっても検出可能である。なお、第2および第3実施形態の制御部のフローについては説明したが、制御ブロック図は省略した。制御ブロックは、基本的には第1実施の形態(図9参照)と同様に構成する。
第1の実施形態は、ノッチ位置を検出し、検出したノッチの角度位置データに基づいて、一枚ずつ、順次ノッチを所定位置に合わせるものであるが、これのノッチ合わせ時間は36秒/5枚(7.2秒/枚)であった。また、ノッチ位置を検出し、検出したノッチの角度位置データに基づいて、ノッチを一括して所定位置に合わせる第2、第3の実施形態では、19秒/5枚(3.8秒/枚)とさらに好い成績を示した。ただし、第3の実施形態での上記値は、ノッチと支持ピンとの重なりがない場合、もしくは、支持ピン330が透明な材料により構成されている場合であって、ノッチ104aと支持ピン330が重なったときの最短時間である。透明材料でない場合であって、ノッチと支持ピンとの重なりがあるときは、30+α秒/5枚(6+α′/枚)となる。なお、上記ノッチ合わせ時間は本装置を用いた場合のほんの一例であり、回転速度、すくい上げ速度等を、ウェハのずれ等不具合の生じない範囲で変更すれば、もっと短時間に行うことも可能である。
なお、ウェハ支持の安定上から支持ポールおよびすくい上げポールの数は3本が好ましいが、4本以上であってもよい。また本実施の形態では、基板位置合わせ装置に対するウェハの投入、排出時に基板移載機を用いているが、基板位置合わせ装置のウェハ間ピッチが、フープやボートのウェハ間ピッチと異なる場合は、それに合わせて基板移載機のツィーザ間ピッチを変更してやる必要がある。
[実施例]
ここでは第1の実施の形態の具体的な基板位置合わせ装置の構成と、5枚一括検出の場合のピッチP1、P2の値について説明する。
(1)基板位置合わせ装置図31は第1の実施の形態の具体的な基板位置合わせ装置の斜視図である。
基板位置合わせ装置は2階立て構造になっている。1階はすくい上げポール610を昇降又は進退させる機構が収納された機構室601であり、2階はノッチ合わせを行う位置合わせ機構部602である。
2階の位置合わせ機構部602は、機構室601の上に回転自在に設けられたターンテーブル603と、ターンテーブル603の外周に立設されて5枚のウェハを横置きに積層して支持する3本の支持ポール605と、3本の支持ポール605の頂部に支持されて支持ポール605に支持される5枚のウェハの表面を覆う三角プレート609と、ターンテーブル603の径方向に対して進退自在に設けられ、ノッチ検出用の5つの光学センサ618を有し、これらの光学センサ616でウェハのノッチを検出するセンサポール617と、ターンテーブル駆動用モータ606とから構成されている。
1階の機構室601は、四角形の1隅をカットして変則5角形とした天板611と底板619をもつハウジング600を備え、ハウジング600の前面2面が開放されている。この開放されたハウジング600の内部に、昇降自在に設けられた略円板状の水平プレート613と、この水平プレート613の外周に立設され、初期状態は機構室601内に退避しており、ノッチ合わせ時は2階のすくい上げ可能な位置まで上昇する3本のすくい上げポール610と、各すくい上げポール610を径方向に進退させる3個のシリンダ615と、水平プレート613に挿通されたボールネジ616と、水平プレート613に取り付けられてボールネジ616に装着されるボールナット(図示略)と、ボールネジ616を回転させるモータ612とが設けられている。
すくい上げポール610が初期状態において1階の機構室601に退避されているのは、すくい上げポール610が2階のすくい上げ可能な位置にあるとウェハの投入時にウェハと干渉するので、これを回避するためである。即ち、図32に示すように、ウェハ移載時、ウェハ104が移載される動作範囲内にすくい上げポール610が存在するため、すくい上げポール610を退避しなければならない。このために上述したすくい上げポール610の退避動作が必要になり、ウェハ移載は必ず退避位置で行われることになる。
モータ612を駆動するとボールネジ616が回転し、ボールネジ616に沿って水平支持板613が上昇する。水平支持板613の上昇にともなって、すくい上げポール610が1階の退避位置から上がって来て、1階のすくい上げ可能な位置まで上昇する。水平支持板613に取り付けたシリンダ615を作動して、各すくい上げポール610を径方向内方に動かし、すくい上げ支持ピンをウェハ104の外周部の下に滑り込ます。モータ612を再び駆動して、すくい上げポール610を上昇させると、支持ポール605に支持されていたウェハ104はすくい上げられてすくい上げポール610に移載される。
上記構成の基板位置合わせ装置を用いてノッチ合わせするときの図11および図112のフローの変更点は、ステップ202においては、支持ポール605をノッチ位置開始位置まで回転させた後、さらにすくい上げポール610をすくい上げ可能な位置まで上昇させる点、ステップ221においては、すくい上げポール610を後退させた後さらに1階の機構室601まで下降・退避させる点である。なお、すくい上げポール610をすくい上げ可能な位置まで上昇させる動作は、ステップ201以降211以前であれば、いつ行っても構わない。
(2)ピッチP1 、P2実際にウェハ104を1枚ずつ順次すくい上げていく場合、ウ
ェハ104とすくい上げ支持ピン111、基板支持ピン107の干渉を避けるために、ウェハたわみε、ウェハ104とすくい上げ支持ピン111、基板支持ピン107との隙間等を考慮する必要がある。ここでは、それらを考慮し、実際にウェハ104を1枚ずつ順
次すくい上げていくための、すくい上げ支持ピン111のピッチP1と基板支持ピン10
7のピッチP2 を決定する方法の一例について示す。
図8において、各すくい上げ支持ピン111を下から順に、S1、S2、…、S5、各基板支持ピン107を下から順に、K1、K2、…、K5、各ウェハ104を下から順に、W1、W2、…、W5、すくい上げ支持ピン111の厚さをs、基板支持ピン107の厚さをk、ウェハ104の厚さをw、ウェハたわみをεとする。
また、図8において、
(1)初期状態における最下段のすくい上げ支持ピンS1と最下段のウェハW1 との隙間(図8(a))、
(2)m枚目のウェハ(mは1〜4の正数)をすくい上げた状態における、すくい上げられたウェハWmと基板支持ピンKmとの隙間、次にすくい上げるウェハW(m+1)とそのウェハをすくい上げるすくい上げ支持ピンS(m+1)との隙間(図8(b)においてはm=1)、
(3)最終(5枚目)のウェハをすくい上げた状態における最上段のウェハW5 と最上段の基板支持ピンK5 との隙間、最下段のウェハW1 と下から2番目の基板支持ピンK2 との隙間(図8(d))、をそれぞれ△Lとすると、
P2=P1 +2△L ・・・(4)
4P1 =3P2+k+w+2△L ・・・ (5)
という式が成り立つ。
ここで隙間△Lは、ウェハ104と基板支持ピン107、すくい上げ支持ピン111が干渉しないよう少なくともウェハたわみ量ε以上にする必要があり(図33)、更に適度な余裕ΔL′を持たせ、△L=ε+ΔL′とする。ウェハたわみをε=0.3mm、余裕ΔL′≧1mmと考え、設計時に△L=2mmと設定した。
すくい上げピツチは、図8より2△L=4mmとなる。また、s=k=2mm、w=0.775mmとし、w=0.775mmを約1mmとすると、(4)、(5)式は次のようになる。
P2=P1 +44P1 =3P2+7
よって、P1 =19mm、P2 =23mmとなり、すくい上げポール110のすくい上げ支持ピン111のピッチP1 と支持ポール105の基板支持ピン107のピッチP2が決定される。
ただし、ここで示した余裕ΔL′、すくい上げ支持ピン111の厚さs、基板支持ピン107の厚さkの値はほんの一例であり、また、ウェハたわみ量ε、ウェハ104の厚さwはウェハの種類、材質、大きさ等の条件により様々に変化し得る。よって、すくい上げポール110のすくい上げ支持ピン111のピッチP1 と支持ポール105の基板支持ピン107のピッチP2 は様々な値に設定することができる。
12インチウェハのたわみとの関係性において、ノッチ合わせ装置設計時にはウェハとの隙間ΔLをどのくらいに設定すれば良いかは必ずしも明確でない。そこでウェハをすくい上げた時に基板支持ポールを回転させて干渉しない間隔を、一応2mmと仮定した。これはウェハたわみの0.3mmの6倍以上の隙間をとれば、たわみの存在が関係なくなると考えたからである。
また、ここではすくい上げ支持ピン111の間隔、基板支持ピン107の間隔がそれぞれ一定であるものについて述べたが、ノッチ合わせ後のウェハを一枚ずつ順次すくい上げることができるのであれば、等間隔でなくても構わない。