JP2009026902A - 電解コンデンサ用電極とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】アルミ電解コンデンサに用いられる電解コンデンサ用電極並びにその製造方法に関し、特に陽極酸化後でも表面積が保たれる柱状構造をもつ電解コンデンサ用電極並びにその製造方法に関する。
【解決手段】凹部と凸部とが形成される導電性の基材と、前記基材の凹部上に低融点金属と高融点金属との合金または高融点金属を含む柱状構造体とから構成される。また、不活性ガス雰囲気下で、前記基材に対して、5〜85°でスパッタリングによって形成される。
【選択図】図1
【解決手段】凹部と凸部とが形成される導電性の基材と、前記基材の凹部上に低融点金属と高融点金属との合金または高融点金属を含む柱状構造体とから構成される。また、不活性ガス雰囲気下で、前記基材に対して、5〜85°でスパッタリングによって形成される。
【選択図】図1
Description
本発明はアルミ電解コンデンサに用いられる電解コンデンサ用電極と電解コンデンサ並びに電解コンデンサ用電極の製造方法に関し、特に陽極酸化後でも表面積が保たれる柱状構造をもつ電解コンデンサ用電極並びに電解コンデンサ用電極の製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化、高信頼性化に伴い、電解コンデンサに対する小型化、高容量化が強く要望されている。
電解コンデンサは、一般的には帯状の高純度のアルミニウム箔に、化学的あるいは電気化学的にエッチング処理を施して、アルミニウム箔表面を拡大させるとともに、このアルミニウム箔を硼酸アンモニウム水溶液に代表される無機塩水溶液やアジピン酸アンモニウム水溶液に代表される有機塩水溶液の化成液中にて化成処理して表面に酸化皮膜層を形成させた陽極電極箔と、エッチング処理のみを施した高純度のアルミニウム箔からなる陰極電極箔とを、マニラ紙等からなるセパレータを介して巻回してコンデンサ素子を形成する。そして、このコンデンサ素子は、電解コンデンサ駆動用の電解液を含浸した後、アルミニウム等からなる有底筒状の外装ケースに収納する。外装ケースの開口部には弾性ゴムからなる封口体を装着し、絞り加工により外装ケースを密封している。
このようなアルミ電解コンデンサにおいて、その静電容量を高めるためには、エッチング箔の実効表面積を拡大し単位面積当たりの静電容量の向上を図っており、エッチング箔の実効表面積を拡大させるエッチング技術の開発が行われている。このようなエッチング技術、特に中高圧用の直流エッチング技術としては、トンネル状のエッチングピットを形成するが、エッチング液の組成やエッチング時に印加する電流波形の開発が行われている(特許文献1)。
また、このようなエッチングピットを形成する技術として、スパッタリングによって柱状構造を形成する技術も報告されている(非特許文献1)。
このスパッタリング技術で形成されたエッチングピットは、柱状構造の先が太い構造になっているので、陽極酸化した際に柱状構造の間が酸化膜によって埋まってしまい、表面積が低下するという問題点があった。また、柱状構造の元が細い構造になっているので、陽極酸化した際に柱状構造が全て酸化物として消費され、電気的に絶縁されてしまうという問題があった。
そこで陽極酸化後でも表面積が保たれる柱状構造となる電解コンデンサ用電極とその製造方法を提供することを目的とする。
前記の課題を解決するために本発明の第1の側面である電解コンデンサ用電極は、凹部と凸部とが形成された導電性の基材と、前記凹部上に形成される低融点金属と高融点金属との合金または高融点金属を含む柱状構造体とから構成される。
前記柱状構造体が基材に対して傾斜して形成されてもよく、前記低融点金属がアルミニウムであってもよく、前記高融点金属がニオブであってもよく、前記基材がアルミニウムであってもよい。
前記の課題を解決するために本発明の第2の側面である電解コンデンサ用電極の製造方法は、凹部と凸部とが形成された導電性の基材と、前記凹部上に形成する低融点金属と高融点金属との合金または高融点金属を含む柱状構造体とから電解コンデンサ用電極を構成し、不活性ガス雰囲気下で、前記基材に対して、5〜85°、このましくは5〜30°の角度でスパッタリングによって形成する。
前記柱状構造体が基材に対して傾斜して形成してもよく、前記低融点金属をアルミニウムで形成してもよく、前記高融点金属をニオブで形成してもよく、前記基材をアルミニウムで形成してもよい。
本発明に係る電解コンデンサ用電極は、凹部と凸部とが形成された基材と、前記基材の凹部に低融点金属と高融点金属との合金または高融点金属とを含む柱状構造体とからなる構成により、陽極酸化後でも表面積が保たれる柱状構造となる。
アルミニウムのターゲットにニオブのターゲットを重ねて、スパッタリングを行う。ターゲットにアルミ―ニオブ合金を用いて柱状構造を形成して、定電流で陽極酸化して構成し、その結果、陽極酸化後でも表面積が保たれる柱状構造をもつ電解コンデンサ用電極を提供する。
以下、本発明の1実施形態について詳細に説明する。
まず、基板にアルミニウム板を用いる。図1として、このアルミニウム板に柱状構造を成長させるために、表面にエッチングにより凹凸構造を形成することが必要となる。
エッチングのため、このアルミニウム板2をリン酸溶液に浸漬して電圧を印加する。この結果、酸化アルミニウム4(Al2O3)がAl表面から柱状に形成される。
その後、リン酸クロム酸水溶液に浸漬させると、酸化アルミニウム4が除去されて、アルミニウム板2上に凹凸構造6が出現する。
続いて、凹凸構造6を有するアルミニウム板2は、傾斜する基板ホルダー8に固定され(図2)、傾斜して固定されたアルミニウム板2に対してマグネトロンスパッタリング装置を用いて斜めスパッタリングする。合金とするため、スパッタリングのターゲットとしてアルミニウムのターゲットにニオブのターゲットを積層する。この結果、アルミニウム板2上に凹凸構造6上に図3に示す柱状構造が成長する。
(実施例)
本発明に係る電解コンデンサ用電極の製造方法を用いて以下の要領で電解コンデン用電極を製造した。スパッタリングは、DCマグネトロンスパッタリング技術を用いて行い、ターゲットからの蒸着原子の進行方向に対して基材とのなす角度θが、図2に示されるように5〜85°、このましくは5〜30°の間に設定した。蒸着源であるターゲットは99.999%のアルミニウムとニオブであり、スパッタリングに用いるガスは、アルゴン(Ar)と、アルゴンと窒素の混合ガス(Ar−N2)、アルゴンと酸素の混合ガス(Ar−O2)を用いた。基板としては平滑なガラス板と凹凸構造を有するアルミニウム板であり、これらの製膜時間は30分である。この結果、図3写真に示すように高さが0.6〜0.7μm柱状構造が得られる。高融点金属であるニオブを用いることで、スパッタリング金属の基材表面での活性度を低減することにより、基材への定着度が高まり、柱状構造を形成することができる。
(比較例1)
実施例と対比して比較例1は、ターゲットをアルミニウムのみとしたのが比較例1である。この場合は、アルミニウム単体が成長するが、柱状構造が得られない(図4)。
(比較例2)
実施例と対比して比較例2は、基板としてのアルミニウムの表面をelectropolish(電子研磨)されていて凹凸構造を有しないアルミニウム板を用いる。この場合もスパッタリングについてターゲットをアルミニウムとニオブとしても柱状構造は成長しない(図5)。
本発明に係る電解コンデンサ用電極の製造方法を用いて以下の要領で電解コンデン用電極を製造した。スパッタリングは、DCマグネトロンスパッタリング技術を用いて行い、ターゲットからの蒸着原子の進行方向に対して基材とのなす角度θが、図2に示されるように5〜85°、このましくは5〜30°の間に設定した。蒸着源であるターゲットは99.999%のアルミニウムとニオブであり、スパッタリングに用いるガスは、アルゴン(Ar)と、アルゴンと窒素の混合ガス(Ar−N2)、アルゴンと酸素の混合ガス(Ar−O2)を用いた。基板としては平滑なガラス板と凹凸構造を有するアルミニウム板であり、これらの製膜時間は30分である。この結果、図3写真に示すように高さが0.6〜0.7μm柱状構造が得られる。高融点金属であるニオブを用いることで、スパッタリング金属の基材表面での活性度を低減することにより、基材への定着度が高まり、柱状構造を形成することができる。
(比較例1)
実施例と対比して比較例1は、ターゲットをアルミニウムのみとしたのが比較例1である。この場合は、アルミニウム単体が成長するが、柱状構造が得られない(図4)。
(比較例2)
実施例と対比して比較例2は、基板としてのアルミニウムの表面をelectropolish(電子研磨)されていて凹凸構造を有しないアルミニウム板を用いる。この場合もスパッタリングについてターゲットをアルミニウムとニオブとしても柱状構造は成長しない(図5)。
以上の実施例(Al−Nb)と比較例1(Al単独)、比較例2(平坦)について定電流で陽極酸化した際の、電流印加時間と電圧曲線を図6に示す。比較例2(平坦)は実施例(Al−Nb)と比較例1(Al単独)とを比較すると、短い電流印加時間で電圧上昇している。これは、表面積が拡大していないためである。
一方、比較例2(平坦)に対して実施例(Al−Nb)および比較例1(Al単独)とを比較すると、実施例(Al−Nb)および比較例1(Al単独)はいずれも、電圧上昇に長時間要しており、表面積が拡大していることが示されている。
さらに、比較例1(Al単独)は図5において、電流印加時間が300〜400秒の間で電圧曲線の上昇角度が大きくなっている。これは比較例1(Al単独)が陽極酸化膜による空隙の目つぶれにより、表面積が小さくなっていることを示している。
これに対して実施例(Al−Nb)は一定の上昇角度を保持しており、均一で広い表面積を保持したまま、陽極酸化されている。
次に図7において、実施例と比較例2についての電流印加時間と電圧曲線を示す。基材が実施例(凹凸を設けた場合;凹凸構造表面)の方が表面積が比較例2(平坦表面)より拡大する。比較例2に対して実施例は5.9倍/1Vとなる。
2 アルミニウム板
4 酸化アルミニウム(Al2O3)
6 凹凸構造
4 酸化アルミニウム(Al2O3)
6 凹凸構造
Claims (10)
- 凹部と凸部とが形成された導電性の基材と、
前記凹部上に形成される低融点金属と高融点金属との合金または高融点金属を含む柱状構造体とから構成される電解コンデンサ用電極。 - 前記柱状構造体が基材に対して傾斜して形成されることを特徴とする請求項1に記載の電解コンデンサ用電極。
- 前記低融点金属がアルミニウムであることを特徴とする請求項1または2に記載の電解コンデンサ用電極。
- 前記高融点金属がニオブであることを特徴とする請求項1乃至3いずれか1つに記載の電解コンデンサ用電極。
- 前記基材がアルミニウムであることを特徴とする請求項1乃至4いずれか1つに記載の電解コンデンサ用電極。
- 凹部と凸部とが形成された導電性の基材と、
前記凹部上に形成する低融点金属と高融点金属との合金または高融点金属を含む柱状構造体とから電解コンデンサ用電極を構成し、
不活性ガス雰囲気下で、前記基材に対して、5〜85°でスパッタリングによって形成する電解コンデンサ用電極の製造方法。 - 前記柱状構造体が基材に対して傾斜して形成することを特徴とする請求項6に記載の電解コンデンサ用電極の製造方法。
- 前記低融点金属をアルミニウムで形成することを特徴とする請求項6または7に記載の電解コンデンサ用電極の製造方法。
- 前記高融点金属をニオブで形成することを特徴とする請求項6乃至8いずれか1つに記載の電解コンデンサ用電極の製造方法。
- 前記基材をアルミニウムで形成することを特徴とする請求項6乃至9いずれか1つに記載の電解コンデンサ用電極の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007187677A JP2009026902A (ja) | 2007-07-18 | 2007-07-18 | 電解コンデンサ用電極とその製造方法 |
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JP2007187677A Pending JP2009026902A (ja) | 2007-07-18 | 2007-07-18 | 電解コンデンサ用電極とその製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012195527A (ja) * | 2011-03-18 | 2012-10-11 | Lin Sei Kou | 固体アルミニウム電解コンデンサの陰極炭素含有アルミニウム箔構造及びその成形方法 |
-
2007
- 2007-07-18 JP JP2007187677A patent/JP2009026902A/ja active Pending
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