JP2009026622A - アルカリ蓄電池およびその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】充放電特性を低下させることなく、三次元金属多孔体を用いた非焼結式電極の針状突起による短絡や充放電中の活物質の脱落を解決する。
【解決手段】本発明のアルカリ蓄電池は、帯状の正極、負極およびセパレータからなる電極群と、この電極群の上面および下面の少なくとも一方に接合された集電板とを含み、正極および負極のうち少なくとも一方は基板である三次元金属多孔体に活物質を充填した充填部と、長辺方向の両端に設けた活物質を充填しない無地部とからなり、無地部の一方をリード部として集電板と接合し、他方を補強部として厚み方向に加圧圧縮しかつ樹脂をその内部に充填した上でこの樹脂でさらに表面を被覆したことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明はアルカリ蓄電池に関し、より詳しくは正極と負極との間の短絡を抑制し電池の保存性能を向上させる技術に関する。
ニッケルカドミウム蓄電池やニッケル水素蓄電池等のアルカリ蓄電池は各種機器の電源として広く使用されている。最近では電気自動車用などの電動車両用電源として用いられて用途が拡大しており、容量、出力とともに信頼性を高めることが望まれている。
アルカリ蓄電池の正極には、ニッケルメッキ鋼板にニッケル粉末を焼結して作製される焼結式基板の微孔に活物質である水酸化ニッケルを充填した焼結式と、発泡メタルのような三次元金属多孔体基板に活物質である水酸化ニッケル粉末あるいはこれを含むペーストを充填する非焼結式とに分類される。焼結式正極は高率放電特性に優れている反面、電極中で基板や焼結体骨格の占める体積が大きいために高容量化は困難であり、活物質を充填させるためには電気的に水酸化ニッケルを析出させたり、硝酸ニッケルへの含浸と水酸化ナトリウムへの含浸を繰り返し行ったりする必要があり、生産設備も大規模であった。一方、非焼結式正極は基板中の空間が多いため活物質を多く充填することができ、また孔径が比較的大きいため、活物質を添加剤とともに水で混練しペースト状にしたものを直接充填できるため、生産設備が簡素化できる。
しかしながら、非焼結式正極で用いられる三次元金属多孔体基板は細長い針状や繊維状の金属により構成されているため、活物質を充填した後、切断する際に電極の端部に針状の突起が発生することが多い。このような針状突起が存在する帯状電極を、セパレータを介して対向させ捲回する場合、前記針状突起がセパレータを突き破り正極と負極が短絡してしまう問題がある。更に電極は充放電により体積膨張し電極厚みが厚くなるため、捲回時には短絡が発生しなくてもその後の充放電中に突然短絡する場合もあった。この問題を解決するため、電極の周縁部をその切断面も含んで耐アルカリ性の熱溶着性樹脂で被服する方法が提案されている(例えば、特許文献1)。
特開平5−190200号公報
特許文献1は切断時に発生した針上突起も含めて樹脂で被覆するものであるが、絶縁性を確保するためには樹脂を電極の厚み方向に厚く塗る必要があるため、電極を積層し電極群を作製する場合や帯状電極を捲回し電極群を作製する場合に部分的に電極群の厚みや直径が大きくなり、生産歩留まりを低下させることがある。また、活物質充填部を樹脂で被覆した場合、その部分の活物質は充放電反応に寄与しなくなるため活物質のロスとなる。
また、三次元金属多孔体を用いた電極の場合は、充放電に伴い充填した活物質が脱落しやすく、特に電極の端部からの脱落が多いため、積層あるいは捲回して作製した電極群の隙間から活物質が脱落して集電体上に堆積し、保存特性が低下する問題があった。電極中に結着剤を多量に添加することで活物質の脱落は抑制できるが、一般的に結着剤は絶縁物であるため、添加量が多いほど電気抵抗が高くなり電池の充放電特性は低下する。
本発明は充放電特性を低下させることなく、三次元金属多孔体を用いた非焼結式電極の針状突起による短絡や充放電中の活物質の脱落を解決することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明のアルカリ蓄電池は、帯状の正極、負極およびセパレータからなる電極群と、この電極群の上面および下面の少なくとも一方に接合された集電板とを含み、正極および負極のうち少なくとも一方は基板である三次元金属多孔体に活物質を充填した充填部と、長辺方向の両端に設けた活物質を充填しない無地部とからなり、無地部の一方をリード部として集電板と接合し、他方を補強部として厚み方向に加圧圧縮しかつ樹脂をその内部に充填した上でこの樹脂でさらに表面を被覆したことを特徴とする。
本発明のアルカリ蓄電池は三次元金属多孔体を基板とし、活物質を充填したものであるが、従来の電極とは異なり、集電体を溶接しない側の電極端部に活物質を充填しない無地部を設けている。これにより電極切断に伴い活物質が脱落し三次元金属多孔体の針状突起が発生するのを抑制できる。また、切断後にその無地部を電極の厚み方向に圧縮することで、三次元金属多孔体の切断により発生した針状突起を潰すことができる。さらにその無地部に樹脂を充填しながら、その表面を樹脂層で被覆することにより前記圧縮工程で潰した三次元金属多孔体の針状突起を絶縁物で覆うことができ、電池作製中に再び突起として起き上がることを抑制できるとともに、無地部の強度も向上するためにその後の製造工程での変形も抑制でき、無地部の内部まで樹脂が充填されているため、充放電に伴い電極端部から活物質が脱落することを抑制でき、三次元金属多孔体を基板としたアルカリ蓄電池の内部短絡の発生と電池の保存性能低下に関する課題を解決できる。
本発明によると、内部短絡の発生を抑制し、また、電池の保存性能を向上させた、三次元金属多孔体を基板としたアルカリ蓄電池を安定して提供できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図を用いて詳細に説明する。
第1の発明は、帯状の正極、負極およびセパレータからなる電極群と、この電極群の上面および下面の少なくとも一方に接合された集電板とを含み、正極および負極のうち少なくとも一方は基板である三次元金属多孔体に活物質を充填した充填部と、長辺方向の両端に設けた活物質を充填しない無地部とからなり、無地部の一方をリード部として集電板と接合し、他方を補強部として厚み方向に加圧圧縮しかつ樹脂をその内部に充填した上でこの樹脂でさらに表面を被覆したことを特徴とするアルカリ蓄電池に関する。
図1は本発明のアルカリ蓄電池の概略断面図であり、図2はその正極の一例を示す概略図である。正極1は活物質が充填された充填部2と、活物質が充填されない上辺無地部3および下辺無地部4とから構成される。充填部2を挟んで上辺無地部3の反対側に配置された下辺無地部4は、電極の厚み方向に圧縮された三次元金属多孔体5の内部を樹脂6が充填し、表面を樹脂7が被覆する構造を採っている。
この正極1と負極8とを、セパレータ9を介して円筒状に捲回することにより電極群が構成される。正極の上辺無地部3はこの電極群の上面に配置されて正極集電板11と接合され、下辺無地部4は下方に配置される。また電極群の下面に配置された負極8の端辺は負極集電板10と接合される。この電極群をケース12に収納し、さらに電解液を注入して封口板13をかしめることにより、本発明のアルカリ蓄電池が構成される。
第1の発明の特徴部分である正極1の補強部(下辺無地部4)について詳述する。下辺無地部4の内部に配置された三次元金属多孔体5は活物質を充填していないので、電極を切断する際に伴う活物質の脱落が発生せず、三次元金属多孔体5の一部が針状突起となる
機会を減らすことができる上に、切断後に三次元金属多孔体5を電極の厚み方向に圧縮することで、切断により発生した針状突起を潰すことができる。さらにその下辺無地部4に樹脂6を充填しながらその表面を樹脂7で被覆することにより、圧縮工程で潰した三次元金属多孔体5の針状突起を絶縁物で覆うことができ、電池作製中に再び針状突起として起き上がることを防ぐとともに、下辺無地部4の内部まで充填された樹脂6が、充放電の際に充填部2から正極1の端部を伝って活物質が脱落することを抑制する。この構造を採ることにより、内部短絡の発生を抑制しつつ、電池の保存性能を向上させることができる。
第2の発明は、第1の発明において、補強部に当る下辺無地部4の単位体積あたりの三次元金属多孔体5の平均占有体積比率を10〜50%としたことを特徴とする。この比率が10%未満であると、三次元金属多孔体4の絶対量が少ないため下辺無地部4の強度が低下し、電池を作製する工程において下辺無地部4の折れ曲がりや切れによる不具合が発生する可能性が若干高まる。またこの比率が50%を超えると、三次元金属多孔体5の内部における樹脂6の比率が低下して下辺無地部4の内部の空間が多くなり、充放電中に充填部2から脱落した活物質が下辺無地部4の内部を通過するため、保存特性に軽微な影響を及ぼす可能性が高くなる。よってこの比率は10〜50%であることが好ましい。
ここで下辺無地部4における単位体積あたりの三次元金属多孔体5の平均占有体積比率は、例えば以下のようにして算出することができる。
(1)下辺無地部4を含む形で正極1を樹脂6および7と色が異なるエポキシ樹脂などで固めて研磨し、この断面が観察できるように平滑にする。
(2)観察した下辺無地部4の断面から、三次元金属多孔体4と樹脂5とを区別する。
(3)三次元金属多孔体4と樹脂5との面積比を算出する。
(4)さらに研磨して新しい観察面が現れるようにし、(3)と同じ作業を行う。
(5)(4)の作業を少なくとも1回繰り返した後、下辺無地部4の内部の三次元金属多孔体5の平均占有体積比率を求める。
第3の発明は、基板である三次元金属多孔体に活物質を充填してなるアルカリ蓄電池用電極の製造法であって、活物質を三次元金属多孔体の帯状連続体の幅方向に部分的に連続充填して複数条の充填部と無地部とを形成する第1の工程と、圧延によって充填部を所定の厚みにした後に長辺方向の両端に無地部が配置されるように切断する第2の工程と、無地部の一方を厚み方向に加圧圧縮した後に内部を樹脂で充填し且つこの樹脂でさらに無地部の表面を被覆する第3の工程とからなることを特徴とする。以下、アルカリ蓄電池の正極の製造法を例にとって、図2を部分的に参照しながら、第3の発明について詳述する。
第1の工程において、活物質を三次元金属多孔体5の帯状連続体の幅方向に部分的に連続充填して複数条の充填部2と無地部とを形成する。第2の工程において、圧延によって充填部2を所定の厚みにした後、長辺方向の両端に無地部(後に上部無地部3および下部無地部4となる)が配置されるように切断する。第1〜2の工程において無地部を上辺無地部3と下辺無地部4の何れかに特定する必要はない。なお第1の工程には、あらかじめ無地部となる箇所に活物質が充填されないようテープなどでマスキングする方法や、活物質を充填した後に超音波振動や吸引などにより活物質を除去する方法などがある。
後述する第3の工程の前後いずれかにおいて、充填部1の両端に配置された無地部の一方を、正極集電体9を溶接するためのリード部(すなわち上辺無地部3)となるように加工する。具体的には、無地部を部分的に折り曲げる工程を繰り返して作製する方法、三次元金属多孔体5と同様の素材からなるフープ状基板を重ね合わせて圧延する方法、ニッケルや鉄にニッケルめっきを施した帯状のリードを溶接して作製する方法などがある。この過程を経ることにより、正極集電板11が垂直に配置され加圧されても破損しないだけの強度を上辺無地部3に持たせることができる。
第3の工程において、無地部のもう一方を厚み方向に加圧圧縮した後に内部を樹脂で充填し且つこの樹脂でさらに無地部の表面を被覆することにより、下辺無地部4となるようにする。この下辺無地部4の具体的な作製方法については詳しく後述が、第2の工程において切断により先に下辺無地部4となる箇所を現出させ、その後に第3の工程においてこの箇所を厚み方向に加圧圧縮することにより、三次元金属多孔体5の切断により発生した針状突起を潰すことができる。またこの箇所を厚み方向に加圧圧縮し、その後に樹脂6でこの箇所の内部を充填し樹脂7で表面を被覆することにより、圧縮によって潰した三次元金属多孔体5の針状突起を絶縁物である樹脂7で覆って電池を作製するときに再び突起として起き上がることが抑制できる。
第4の発明は、第3の発明において、第3の工程にて溶融状態の樹脂6および7で下辺無地部4の内部を充填しつつこの表面を被覆させるようにしたことを特徴とする。第4の発明では、樹脂6および7を一度溶融し、固化させるため、そのままでは接着性のないポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンなどの樹脂を用いることができる。
第5の発明は、第3の発明において、第3の工程にて下辺無地部4の内部を溶液状態の樹脂6および7で充填した後に、加熱により樹脂6および7を溶融させて下辺無地部4の表面を樹脂6および7で被覆させるようにしたことを特徴とする。第5の発明では、結着性を有する樹脂を用いることができるので、樹脂6および7を再度溶解させる工程が不要となる。なお第5の発明に用いる樹脂6および樹脂7として、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素樹脂やフッ素ゴムなどをエマルジョンにしたものなどが挙げられる。
第6の発明は、第3の発明において、第3の工程にて下辺無地部4における三次元金属多孔体5の平均占有体積比率が10〜50%となるようにしたことを特徴とする。この理由については、第2の発明における説明と同様である。
第3の発明における第3の工程の具体的な態様としては、第4〜5の発明に記した方法の他に、次のようなものを挙げることができる。その1つとして、フィルム状の樹脂7で下辺無地部4の表面を被覆した後に、加熱により樹脂7を溶融させて下辺無地部4の内部を樹脂6で充填させ、樹脂6および7の定量性を高める(ムラをなくす)方法が挙げられる。別の1つとして、粉末状の樹脂7で下辺無地部4の表面を被覆した後に、加熱により樹脂7を溶融させて下辺無地部4の内部を樹脂6で充填させ、樹脂6および7の配置を容易にする方法が挙げられる。これらの方法に用いることができる樹脂6および樹脂7としてはポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンやエチレン酢酸ビニル共重合体などホットメルト接着剤用に市販されている樹脂が挙げられる。これらの樹脂は、第4の発明ともども、100〜150℃で部分的に溶融して本発明に適した状態にすることができる。さらに樹脂6と樹脂7とは、同じ成分でもよく、異なる成分でもよい。
本発明についてさらに詳しく説明する。
正極1は集電や活物質を保持する役割を担う三次元金属多孔体5と活物質のほかに、導電剤や結着剤により構成される。三次元金属多孔体5には発泡ニッケルや繊維状ニッケルなどを用いることができ、活物質には水酸化ニッケルを用いることができる。また導電剤には水酸化コバルトや金属コバルトなどのコバルト化合物を用いることができるが、添加法としては単純に混合するほかに、活物質の表面に被覆することもできる。さらに結着剤にはポリテトラフルオロエチレンやフッ素ゴムなどを混合して用いることができる。
負極8は集電や活物質を保持する役割を担う基板と、活物質である水素吸蔵合金と、導電剤と、結着剤と、増粘剤により構成される。基板には三次元金属多孔体5の他に、パン
チングメタル(穿孔した鋼板にニッケルなどをメッキしたもの)や、ニッケル箔、ニッケルメッキした鉄箔、三次元金属多孔体(発泡ニッケルなど)を用いることができる。導電剤にはカーボン粉末などを用いることができ、結着剤にはスチレンブタジエン共重合体ゴムバインダーなどを用いることができる。また増粘剤にはカルボキシルメチルセルロースやキサンタンガムを用いることができる。
セパレータ9には、スルホン化したポリプロピレンなどのポリオレフィン不織布やナイロンなどのポリアミド不織布を用いることができる。負極集電板10および正極集電板11には、ニッケル板やニッケルメッキした鉄板などを用いることができる。これら集電板の形状はアルカリ蓄電池の形状に合せて、円板状のほか短冊状もしくは角形状であってもよい。ケース12には、ニッケルやニッケルメッキした鉄などの缶を用いることができる。封口板13は、ニッケルやニッケルメッキした鉄などからなる正極端子と、電池内部圧力が高くなった場合に作動する安全弁とで構成される。
(実施例1)
目付重量が400g/m2で、多孔度が97%である三次元金属多孔体4(発泡ニッケル基板)を平面ローラーで厚さ1.2mmがとなるように調整した。この発泡ニッケル基板に、活物質である球状の水酸化ニッケル粉末(粒子径10〜20μm)100重量部と、水酸化コバルト粉末(平均粒子径0.2μm)10重量部と、酸化亜鉛粉末2重量部とを混練してペースト状にしたものを、充填部の幅が32mmとなるように充填し、乾燥した。
上述した充填部が0.5mmの厚みとなるように加圧成型した後、活物質充填部の両側の無地部が1.5mmとなるように幅35mm、長さ260mmに切断し、無地部の片側の上に幅1.5mmのニッケル板を重ね合わせ溶接することで集電体を溶接するためのリード部(すなわち上辺無地部)を作製した。
さらに無地部のもう片側(下辺無地部)の厚みが0.15mmとなるように加圧圧縮してこの内部にポリエチレン粉末を水に分散させたものを刷毛で充填し、さらに下辺無地部の表面にもポリエチレン粉末を水に分散させたものを刷毛で塗布して(厚み0.2mm)、下辺無地部を被覆した。その後に110℃の雰囲気温度で3分加熱することで三次元金属多孔体の内部および表面のポリエチレンを溶融し、さらに冷却することで補強部とし、充填部の両端にリード部と補強部とを有する図2の形態の正極を作製した。なお補強部における単位体積あたりの三次元金属多孔体の平均占有体積比率は30%であった。
この正極と、公知の水素吸蔵合金からなる負極とを、正極の上辺無地部が上方に、負極の無地部が下方にそれぞれ突出するように位置をずらして、厚み0.15mmのスルホン化処理をしたポリプロピレン製のセパレータを介して捲回した。次に、負極の無地部に平坦な円板状の負極集電板を電気抵抗溶接した後、正極の上辺無地部に集電リードの付いた平坦な円板状の正極集電板を電気抵抗溶接した。
上述した電極群をケースに挿入した後、正極集電板の集電リードを封口板と抵抗溶接し、負極集電板をケースの内底部と抵抗溶接した。さらにアルカリ電解液を注入し、安全弁を備えた封口板で密封し、図1に示す渦巻状電極群を有する3Ah、SCサイズの円筒型ニッケル水素蓄電池を作製した。これを実施例1の電池とする。
(実施例2)
実施例1に対し、正極の三次元金属多孔体の目付重量を300g/m2にし、補強部の内部の三次元金属多孔体の厚みを0.45mmとなるように加圧圧縮することで、補強部
における単位体積あたりの三次元金属多孔体の平均占有体積比率を8%とした以外は実施例1と同様にしてニッケル水素蓄電池を作製した。
(実施例3)
実施例1に対し、正極の補強部の内部の三次元金属多孔体の厚みを0.45mmとなるように加圧圧縮することで、補強部における単位体積あたりの三次元金属多孔体の平均占有体積比率を10%とした以外は実施例1と同様にしてニッケル水素蓄電池を作製した。
(実施例4)
実施例1に対し、正極の補強部の内部の三次元金属多孔体の厚みを0.09mmとなるように加圧圧縮することで、補強部における単位体積あたりの三次元金属多孔体の平均占有体積比率を50%とした以外は実施例1と同様にしてニッケル水素蓄電池を作製した。
(実施例5)
実施例1に対し、正極の三次元金属多孔体の目付重量を500g/m2にし、補強部の内部の三次元金属多孔体5の厚みを0.10mmとなるように加圧圧縮することで、補強部における単位体積あたりの三次元金属多孔体の平均占有体積比率を55%とした以外は実施例1と同様にしてニッケル水素蓄電池を作製した。
(実施例6)
実施例1に対し、正極の補強部に設ける樹脂をフッ素ゴム(水に分散したディスパージョン)とした以外は実施例1と同様にしてニッケル水素蓄電池を作製した。
(実施例7)
実施例1に対し、正極の補強部に設ける樹脂を市販のホットメルト樹脂(主成分はポリプロピレン)に変更し、溶融状態でホットメルトガンから吐出して補強部に充填および塗布した以外は実施例1と同様にしてニッケル水素蓄電池を作製した。
(実施例8)
実施例1に対し、正極の補強部の表面にポリエチレン粉末を塗布する代わりに、厚み0.03mmのポリプロピレンテープを挟み込むように貼り付け、熱風によりポリプロピレンテープの一部を溶融させた以外は実施例1と同様にしてニッケル水素蓄電池を作製した。
(実施例9)
実施例1に対し、市販のホットメルト樹脂(主成分はポリプロピレン)を溶融状態でホットメルトガンから吐出して正極の補強部に充填した後、厚み0.03mmのポリプロピレンテープを挟み込むように貼り付け、熱風によりポリプロピレンテープの一部を溶融させた以外は実施例1と同様にしてニッケル水素蓄電池を作製した。
(比較例1)
実施例1に対し、正極の補強部の表面に厚み0.03mmのポリプロピレンテープを挟み込むように貼り付け、熱風によりポリプロピレンテープを溶融させることで、補強部の内部に樹脂を充填せず、その表面のみに樹脂を設けた以外は実施例1と同様にしてニッケル水素蓄電池を作製した。
(比較例2)
実施例1に対し、補強部を設けずに正極の下端部が充填部になるようにし、この下端部の表面をポリエチレン粉末で覆うように刷毛で塗布して被覆し、その後110℃の雰囲気温度で3分加熱して、補強部に該当する充填部の表面に樹脂を設けた以外は実施例1と同
様にしてニッケル水素蓄電池を作製した。
以上の各例を、以下のように評価した。結果を(表1)に示す。
(短絡検査)
各例の電極群に対し、正極集電板と負極集電板の間に0.1Aで250Vの電圧を印加した際に通電したものを短絡不良とし、その発生率を(表1)に記した。
(保存特性評価)
25℃雰囲気下で、3Aの定電流で満充電を示す電池電圧の最大値から10mV低下するまで充電し、1時間休止した後、3Aの定電流で電池電圧が1Vに達するまで放電した。この充放電を300回繰り返した後、3Aの定電流で72分間充電し、1時間休止した後、3Aの定電流で電池電圧が1Vに達するまで放電した(この放電容量をAとする)。さらに3Aの定電流で72分間充電した後、45℃雰囲気下で2週間保存した。次いで雰囲気温度を25℃に戻し、3Aの定電流で電池電圧が1Vに達するまで放電した(この放電容量をBとする)。BをAで除した値を、容量維持率として(表1)に記した。
Figure 2009026622
(表1)より、比較例2の電池は補強部がないために短絡不良が発生した。また比較例1および2の電池は保存試験後の容量維持率が顕著に低下する結果となったが、この理由として、補強部(あるいはこれに該当する充填部)の内部まで樹脂が充填されていないため、充放電に伴い徐々に活物質が脱落して正極と負極とが微小短絡したものと思われる。
これらの比較例に対し、本発明の実施例の電池は、短絡不良の発生もなく、保存試験後の容量維持率も良好であった。なお補強部における単位体積あたりの三次元金属多孔体の平均占有体積比率が50%を超える実施例5は、保存試験後の容量維持率がやや低下したが、この理由として、樹脂の絶対量が少なくなって補強部の内部における樹脂の比率が低下して補強部の内部空隙が多くなり、充放電中に充填部から活物質が通過して脱落したと
考えられる。またこの比率が10%未満である実施例2は、短絡不良への影響はなかったものの、電極群の状態で、補強部の強度低下による折れ曲がりが目視できた。よってこの比率は10〜50%であることが好ましい。
本発明にかかるアルカリ蓄電池は、電池作製時の短絡が抑制され、さらに、充放電後の保存特性の向上が可能になるので、各種機器の電源の高信頼性化に有用である。
本発明のアルカリ蓄電池の概略断面図 本発明の正極の一例を示す概略図
符号の説明
1 正極
2 充填部
3 上部無地部
4 下部無地部
5 三次元金属多孔体
6、7 樹脂
8 負極
9 セパレータ
10 負極集電体
11 正極集電体
12 ケース
13 封口板

Claims (6)

  1. 帯状の正極、負極およびセパレータからなる電極群と、この電極群の上面および下面の少なくとも一方に接合された集電板とを含むアルカリ蓄電池であって、
    前記正極および負極のうち少なくとも一方は基板である三次元金属多孔体に活物質を充填した充填部と、長辺方向の両端に設けた前記活物質を充填しない無地部とからなり、
    前記無地部の一方をリード部として前記集電板と接合し、他方を補強部として厚み方向に加圧圧縮しかつ樹脂をその内部に充填した上でこの樹脂でさらに表面を被覆したことを特徴とするアルカリ蓄電池。
  2. 前記補強部の単位体積あたりの三次元金属多孔体の平均占有体積比率を10〜50%としたことを特徴とする、請求項1記載のアルカリ蓄電池。
  3. 基板である三次元金属多孔体に活物質を充填してなるアルカリ蓄電池用電極の製造法であって、
    前記活物質を、前記三次元金属多孔体の帯状連続体の幅方向に部分的に連続充填して複数条の充填部と無地部とを形成する第1の工程と、
    圧延によって前記充填部を所定の厚みにした後に、長辺方向の両端に無地部が配置されるように切断する第2の工程と、
    前記無地部の一方を厚み方向に加圧圧縮した後に内部を樹脂で充填し、且つこの樹脂でさらに前記無地部の表面を被覆する第3の工程と、
    からなることを特徴とするアルカリ蓄電池用電極の製造法。
  4. 前記第3の工程において、溶融状態の前記樹脂で前記無地部の内部を充填しつつ前記無地部の表面を被覆させるようにしたことを特徴とする、請求項3記載のアルカリ蓄電池用電極の製造法。
  5. 前記第3の工程において、前記無地部の内部を溶液状態の前記樹脂で充填した後に、加熱により前記樹脂を溶融させて前記無地部の表面を前記樹脂で被覆させるようにしたことを特徴とする、請求項3記載のアルカリ蓄電池用電極の製造法。
  6. 前記第3の工程において、前記無地部における三次元金属多孔体の平均占有体積比率が10〜60%となるようにしたことを特徴とする、請求項3記載のアルカリ蓄電池の製造法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114824166A (zh) * 2021-01-19 2022-07-29 本田技研工业株式会社 非水电解质二次电池用负极及非水电解质二次电池

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