JP2009025401A - 内視鏡 - Google Patents

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Abstract

【課題】移動レンズを、観察者の所望の速度で、所望の倍率に相当する位置に確実に移動させる調整を行うことができる構成を具備する内視鏡を提供する。
【解決手段】対物レンズ群によって被写体の表面を等倍で観察する通常観察と、被写体の表面を拡大して観察する拡大観察と、被写体の組織内を観察する超拡大観察とが行える位置に、移動レンズを光軸方向に対して移動させる牽引ワイヤ114及びロッド棒115と、牽引ワイヤ114及びロッド棒115の移動量を、操作量によって調整するズームレバー300と、ズームレバー300の一定の操作量にて、牽引ワイヤ114及びロッド棒115によって、拡大観察から超拡大観察までの第2の領域内に対し移動レンズが移動できる第2の移動量が、通常観察から拡大観察までの第1の領域内に対し移動レンズが移動できる第1の移動量よりも多くなるよう調整するカム120とを具備したことを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明は、被写体を観察する対物レンズ群における少なくとも1つのレンズが、対物レンズ群の光軸方向に対して移動自在な移動レンズを構成することにより、対物レンズ群の観察倍率を可変できる内視鏡に関する。
近年、内視鏡は、医療分野及び工業用分野において広く利用されている。内視鏡は、細長い挿入部を管路内に挿入することによって、管路内を観察することができる。
また、内視鏡、例えば電子内視鏡の挿入部における挿入方向先端側の先端部内には、管路内を観察する用の複数の対物レンズ群からなる対物光学系や、CCD等の固体撮像素子が設けられているのが一般的であり、電子内視鏡は、固体撮像素子により、対物光学系によって結像された管路内の観察部位の像が撮像される構成になっている。
さらに、対物光学系における複数の対物レンズ群の内、少なくとも1つのレンズを、対物光学系の光軸方向に対して移動自在な移動レンズとすることにより、移動レンズを光軸方向に移動させて、対物光学系の観察部位に対する焦点深度や、結像倍率、視野角等の光学特性を可変できる、例えば1倍〜100倍までの観察部位の表面に対する通常観察〜拡大観察までが可能な構成を具備するズーム内視鏡も周知である。ズーム内視鏡を用いて観察を行えば、例えば医療用の内視鏡であれば、体腔内の観察部位における粘膜や毛細血管の構造等の観察を行うことができる。
ここで、上述したような移動レンズを光軸方向に移動させる機構は、種々提案されている。例えば特許文献1には、内視鏡が、移動レンズを保持するレンズ枠と、該レンズ枠から移動レンズの径方向に突出して形成された突出部と、該突出部に光軸方向の先端が固定されるとともに後端が内視鏡の操作部に設けられた焦点調整レバー(以下、ズームレバーと称す)に固定されたワイヤとを具備することにより、ズームレバーの操作に応じて、ワイヤを牽引弛緩してレンズ枠、即ち移動レンズを光軸方向に移動させる構成が開示されている。
また、その他にも、アクチュエータを用いて移動レンズを保持するレンズ枠を、例えば電動で光軸方向に移動させる構成や、ズームレバーの回動操作によって回動するカムを具備し、該カムの回動に伴って、レンズ枠に一端が固定された牽引ワイヤの他端が固定されたロッド棒を光軸方向に移動させることにより、レンズ枠に保持された移動レンズを光軸方向に移動させる構成も周知である。
特開2000−292712号公報
ところで、近年、観察部位の表面に対する1倍〜100倍までの通常観察及び拡大観察ができるズーム内視鏡の他、例えば医療用の内視鏡であれば、体腔内の観察部位における組織の細胞レベルの観察を行うことができる、1倍〜500倍までの観察部位に対する通常観察〜超拡大観察(以下、ECS(Endo Cyto Scope)観察と称す)までを、複数の対物レンズ群からなる1つの対物光学系で行うことができるズーム内視鏡も周知である。
ECS観察が行える内視鏡によれば、組織観察を行う際、手術や内視鏡の処置具を用いた切除等により、組織細胞の採取を行う必要がなくなるため、検査における被検者の苦痛を低減させることができる。
ここで、複数の対物レンズ群からなる1つの対物光学系でECS観察を行うには、内視鏡の挿入部の先端部を小型化する目的から、移動レンズの移動量を、微少量、例えば2.0mmの範囲に設定しなくてはならない。即ち、微少量の移動レンズの移動量にて、移動レンズを、1倍〜500倍観察に相当する位置まで移動させざるを得ない。
具体的には、1倍〜100倍の観察を行うズーム内視鏡であれば、例えば図27の点線で示すように、移動レンズを2.0mm移動させると、観察倍率が100倍に設定される構成を有しているのに対し、ECS観察を行うズーム内視鏡では、挿入部の先端部の小型化を図るため、図27の実線で示すように、1〜100倍の観察を行うズーム内視鏡と同じ2.0mm移動させた場合であっても、観察倍率が500倍に設定される構成にせざるを得ない。
よって、特許文献1に開示された構成やカムを用いた構成のように、ズームレバーの回動操作に伴って、ワイヤで移動レンズを保持するレンズ枠を移動させる構成においては、図28の点線に示すように、1倍〜100倍の観察を行うズーム内視鏡であれば、ズームレバーの回動操作角度を、90°可変させると、観察倍率が100倍に設定されるのに対し、ECS観察を行うズーム内視鏡では、図28の実線で示すように、ズームレバーの回動操作角度を、1〜100倍の観察を行うズーム内視鏡と同じ90°可変させると、観察倍率が500倍に設定されてしまう。
尚、以上のことは、アクチュエータを用いて電動で移動レンズを移動させる場合であっても、ズームレバーの操作量に応じて、移動レンズを移動させる構成を有していることから同様である。
また、ECS観察を行えるズーム内視鏡であっても、1倍〜100倍までの観察においては、体腔内の観察部位における粘膜や毛細血管の構造等の拡大観察を行うため、移動レンズを、出来るだけゆっくり移動させて、観察者の所望の倍率に調整して観察が行える構成が要求されている。
さらに、100倍〜500倍の観察においては、ECS観察は、体腔内の観察部位における組織の細胞レベルを観察するものであることから、200倍、300倍といった中途位置に移動レンズを移動させることなく、100倍から500倍へと素早く移動レンズを移動させる構成が要求されている。
しかしながら、図27、図28の実線に示すように、ECS観察が行えるズーム内視鏡においては、ズームレバーの一定の回動操作量に対する1倍〜100倍の範囲における移動レンズの移動量と、100倍〜500倍の範囲における移動レンズの移動量とが同じであることから、ズームレバーの回動操作角度を多少可変しただけでも、1倍〜500倍の範囲内において、回動操作角度の量に応じて、移動レンズが移動してしまう。
このことから、100倍観察〜500倍観察が行える位置に、素早く移動レンズを移動させることができないばかりか、1倍〜100倍まで可変できるズーム内視鏡よりも、1倍〜100倍の範囲において、移動レンズが素早く移動してしまうことから、観察者の所望の位置に、移動レンズを移動させる調整が難しくなってしまうといった問題があった。
本発明の目的は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、移動レンズを、観察者の所望の速度で、所望の倍率に相当する位置に確実に移動させる調整を行うことができる構成を具備する内視鏡を提供することにある。
上記目的を達成するため本発明による内視鏡は、被写体を観察する対物レンズ群における少なくとも1つのレンズが、前記対物レンズ群の光軸方向に対して移動自在な移動レンズを構成することにより、前記対物レンズ群の観察倍率を可変できる内視鏡において、前記対物レンズ群によって、生体組織内の細胞核等を観察する超拡大観察と、組織の表面の微細な凹凸や毛細血管の走行を観察する拡大観察と、拡大観察より低倍な通常観察とが行える位置に、前記移動レンズを前記光軸方向に対して移動させる移動部材と、前記移動部材の移動量を、操作量によって調整する操作部材と、前記操作部材の一定の前記操作量にて、前記移動部材によって、前記拡大観察から前記超拡大観察までの第2の領域内に対し前記移動レンズが移動できる第2の移動量が、前記通常観察から前記拡大観察までの第1の領域内に対し前記移動レンズが移動できる第1の移動量よりも多くなるよう調整する調整部材と、を具備したことを特徴とする。
本発明によれば、移動レンズを、観察者の所望の速度で、所望の倍率に相当する位置に確実に移動させる調整を行うことができる構成を具備する内視鏡を提供することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。尚、以下に示す実施の形態において、内視鏡は、医療用の内視鏡を例に挙げて説明する。
(第1実施の形態)
図1は、第1実施の形態を示す内視鏡装置の構成の概略を示す図、図2は、図1の内視鏡装置における内視鏡の挿入部の先端部の先端面を示す平面図、図3は、図2中のIII-III線に沿う内視鏡の挿入部の先端部の部分断面図である。
図1に示すように、内視鏡装置1は、ECS観察が行える内視鏡2と周辺装置200とにより構成されている。内視鏡2は、操作部7と、挿入部6と、ユニバーサルコード8と、内視鏡コネクタ(以下、単にコネクタと称す)9とから主要部が構成されている。
周辺装置200は、光源装置3と、ビデオプロセッサ4と、接続ケーブル4aと、モニタ5とから主要部が構成されている。また、このような構成を有する内視鏡2と周辺装置200とは、コネクタ9により互いに接続されている。
内視鏡2の操作部7に、湾曲操作ノブ17と、操作部材であるズームレバー300と、ビデオスイッチ14と、送気送水操作釦15と、吸引操作釦16と、把持部7aと、処置具挿入口18とが配設されている。
内視鏡2の挿入部6は、先端部11と湾曲部12と可撓管部13とにより構成されている。湾曲部12は、操作部7に設けられた湾曲操作ノブ17により湾曲操作されるものであり、先端部11と可撓管部13との間に配設されている。
先端部11の挿入方向先端側(以下、単に先端側と称す)の先端面11sに、図2に示すように、後述する撮像装置100における対物レンズ群101(いずれも図2参照)の光軸方向Kの先端側に位置する対物レンズ108が配設されている。
また、先端面11sに、対物レンズ108の表面に水や空気等の流体を噴きつけて対物レンズ108の表面を洗浄するノズル106と、例えば3つの照明窓109と、処置具挿通路を兼ねた吸引管路105(図3参照)の先端開口105aとが配設されている。尚、対物レンズ108、ノズル106、照明窓109、先端開口105aは、先端部11を構成する先端枠104に設けられている。
ノズル106からは、操作部7の送気送水操作釦15の釦操作により、気体と液体とが選択的に噴出される。処置具挿通路を兼ねた吸引管路105の先端開口105aからは、操作部7の吸引操作釦16の釦操作により、挿入部6内に処置具挿入口18から先端開口105aまで設けられた処置具挿通路を兼ねた吸引管路105を介して、体腔内の粘液や、ノズル106から供給された流体により対物レンズ108の表面から除去された汚れ等が回収される。
ここで、通常の、例えば1倍〜100倍までの観察が行えるズーム内視鏡、または単焦点観察が行える内視鏡では、対物レンズ108の表面を洗いやすくするため、通常、ノズル106は、対物レンズ108よりも先端側に突出して設けられている。
しかしながら、本実施の形態に示すECS観察が行える内視鏡2においては、周知のように、500倍観察等のECS観察において、対物レンズ108を観察部位に当接させて観察を行う必要がある。
よって、通常の内視鏡のように、ノズル106が対物レンズ108よりも先端側に突出して設けられていると、ECS観察を行う際、ノズル106が対物レンズ108よりも先に観察部位に当接することから、対物レンズ108を観察部位に当接させ難いといった問題がある。
尚、このことは、先端開口105aであっても同様であり、対物レンズ108と同一面に形成されていると、対物レンズ108を観察部位に当接させた際、先端開口105aは、観察部位を吸引してしまうといった問題がある。
このような問題に鑑み、ECS観察が行える内視鏡2においては、図2、図3に示すように、先端部11の先端面11sに傾斜部104aを設け、ノズル106及び先端開口105aが、対物レンズ108よりも挿入方向後端側に凹んだ位置に設けられているのが一般的である。ところが、この構成では、ノズル106から供給される流体が、対物レンズ108の表面に供給され難かった。即ち、対物レンズ108の表面の汚れが除去し難かった。
そこで、本実施の形態のECS観察が行える内視鏡2においては、図2に示すように、対物レンズ108と、ノズル106と、先端開口105aとが、先端面11sを平面視した状態で同軸上に並んで配置された構成を有している。
このような構成によれば、送気送水操作釦15が操作されて、ノズル106から流体の供給が開始されるとともに、吸引操作釦16が操作されて、先端開口105aから吸引が開始されれば、先端面11s上において、ノズル106と先端開口105aとの間に、流体流れWが発生する。
このことから、流体流れWにより、対物レンズ108よりもノズル106及び先端開口105aが後端側に凹んで位置していたとしても、確実に対物レンズ108の表面に液体または気体を供給することができ、また、観察部位を吸引してしまうことがない。
また、図2に示すように、先端面11sのノズル106と先端開口105aとの結ぶ軸上において、対物レンズ108とノズル106との間、及び対物レンズ108と先端開口105aとの間に、溝250が形成されておれば、より確実に流体流れWを発生させることができる。
図1に戻って、内視鏡2のユニバーサルコード8の先端に、コネクタ9が設けられ、このコネクタ9は、周辺装置200の光源装置3にライトガイドコネクタ9aを介して接続されている。
また、コネクタ9に、ビデオコネクタ9bを介して、光源装置3をビデオプロセッサ4に電気的に接続するための接続ケーブル4aが接続されている。
ライトガイドコネクタ9aから延出されたライトガイド133(図18参照)は、コネクタ9内、ユニバーサルコード8内、操作部7内及び挿入部6内を介して先端部11内の3つの照明窓109に近接する位置まで挿通されている。
ライトガイド133は、光源装置3からの、R(RED)光、G(GREEN)光、B(BLUE)光からなる照明光を照明窓109に、それぞれ別々にまたは同時に送ることにより、照明光を、照明窓109を介して体腔内に拡開照射するものである。
また、ビデオコネクタ9bから延出された信号ケーブル27(図3参照)は、コネクタ9内、ユニバーサルコード8内、操作部7内及び挿入部6内を介して、先端部11内の後述する撮像装置100の後述する固体撮像素子102eに電気的に接続された後述する回路基板102g(いずれも図3参照)に接続される位置まで挿通されている。
信号ケーブル27は、撮像装置100の固体撮像素子102eで撮像した照明窓109を介して照明された体腔内の観察部位の像の電気信号を、ビデオコネクタ9bを介してビデオプロセッサ4へと伝達するものである。
ビデオプロセッサ4は、制御部4tにより、固体撮像素子102eで撮像された観察部位のR成分の画像、G成分の画像、B成分の画像を同時化して、明るく色再現に優れた画像へと画像処理を行い、モニタ5に観察部位の像を表示させる、または各成分の画像を、モノクロ画像にて、モニタ5に観察部位の像を表示させる。
また、先端部11内に、撮像装置100が設けられている。具体的には、図3に示すように、撮像装置100は、先端枠104に形成された光軸方向Kに貫通する貫通孔に設けられた、対物レンズ群101を具備する対物光学系ユニット400と、撮像ユニット102とから主要部が構成されている。
また、先端枠104には、上述した貫通孔の他、複数の光軸方向Kに貫通する貫通孔が形成されている。具体的は、ノズル106が装着される内部に送気送水管路が構成された送気送水チューブ107が設けられる貫通孔や、内部に処置具挿通路を兼ねた吸引管路105が構成されるチャンネルチューブ105bが設けられる貫通孔や、ライトガイド133が挿通される貫通孔等が形成されている。さらに、先端枠104の外周には、先端保護チューブ261が被覆されている。
対物レンズ群101は、複数のレンズからなる前群レンズ111aと、移動レンズ113aと、複数のレンズからなる後群レンズ112aとから主要部が構成されており、前群レンズ111aは、前群レンズ枠111に保持され、移動レンズ113aは、移動レンズ枠113に保持され、後群レンズ112aは、後群レンズ枠112に保持されている。
移動レンズ113aは、移動レンズ枠113に一端が接続され他端が操作部7内の後述するロッド棒115に接続された移動部材である牽引ワイヤ114によって、移動レンズ枠113が光軸方向Kに移動自在なことにより、光軸方向Kに移動自在な構成を有している。
具体的には、移動レンズ113aは、被写体である観察部位の表面を等倍(1倍)で観察する通常観察を行う位置と、生体組織の表面の微細な凹凸や毛細血管の走行を観察する、例えば1倍〜100倍までの拡大観察を行う第1の領域Q1と、生体組織内の細胞核等を観察する、例えば100倍〜500倍までの超拡大観察(ECS観察)を行う第2の領域Q2(いずれも図5、図6参照)とに、牽引ワイヤ114によって、光軸方向Kに移動自在な構成を有している。尚、第1の領域Q1は、1倍〜100倍に、第2の領域Q2は、100倍〜500倍に限定されない。
撮像ユニット102は、撮像部102aと、回路基板102gとにより主要部が構成されている。具体的には、撮像部102aは、レンズ102bと、芯出しカバーガラス102cと、カバーガラス102dと、固体撮像素子102eとから主要部が構成されている。
後群レンズ枠112の後端側の内周に、素子枠228が嵌合されており、素子枠228に対し、光軸方向Kの先端側から順に、レンズ102bと芯出しカバーガラス102cとが固定されている。
また、固体撮像素子102eの撮像面に、該撮像面を保護するカバーガラス102dが貼着されており、カバーガラス102dの先端面が、芯出しカバーガラス102cの後端面に貼着されている。
また、素子枠228の外周には、保護ブレード215の先端が固定されており、保護ブレード215内に、リジット基板、またはフレキシブル基板から構成された回路基板102gが設けられている。
回路基板102gは、固体撮像素子102eに電気的に接続されている。また、回路基板102gに、信号ケーブル27より延出したリード線のリードピン102fが電気的に接続されている。
次に、操作部7の構成について、図4〜図12を用いて説明する。図4は、図1の操作部内の構成を概略的に示す図、図5は、図4のカムを用いた場合のズームレバー回動操作角度の可変量に対する移動レンズの移動量を示す図表、図6は、図4のカムを用いた場合のズームレバー回動操作角度の可変量に対する拡大倍率の変化を示す図表、図7は、図5、図6の図表に示す関係を満たすカムの形状を示す図である。
また、図8は、図4中のVIII-VIII線に沿う操作部の断面図、図9は、図4のクリック機構を拡大して示す図、図10は、図1の操作部におけるズームレバー周辺を示す図、図11は、図10のズームレバーのガイド溝の形状の変形例を示す図、図12は、図10のズームレバーのガイド溝の形状の他の変形例を示す図である。
図4に示すように、操作部7内に、各移動部材の単位時間当たりの移動量もしくは、ズームレバー300の単位操作量あたりの移動量を調整する調整部材であるカム120が、カム固定ピン119により、操作部7の外装部材7bに、回動自在となるように固定されて設けられている。具体的には、カム120の一側面120iが、操作部7内に外装部材7bに固定されて設けられたカムストッパ122aに当接する、回動角度が0°に相当する第1の回動位置R1から、カム120の他側面120tが、操作部7内の外装部材7bに固定されて設けられたカムストッパ122bに当接する、回動角度が90°に相当する第2の回動位置R2までの回動可能範囲V内において回動自在となるよう、カム120はカム固定ピン119により固定されている。
また、カム120に、ズームレバー300が固定されている。よって、カム120を回動可能範囲V内において回動させることにより、ズームレバー300も、回動可能範囲V内において回動する。
操作部7内において、光軸方向Kに沿って、移動部材であるロッド棒115が、外装部材7bに固定されている。具体的には、図8に示すように、ロッド棒115は、ロッド棒嵌合部材116に光軸方向Kに沿って形成された貫通孔116hに挿通されており、ロッド棒嵌合部材116が、固定ビス117aにより、外装部材7bに固定されることにより、ロッド棒115は、外装部材7bに固定されている。
ロッド棒115の光軸方向Kの先端に、スリット115bが形成されており、スリット115bに、牽引ワイヤ114の他端が、例えばロウ付け等により固定されている。また、ロッド棒115の光軸方向Kの後端に、カム120の外周面120gに当接するフランジ115aが形成されている。フランジ115aは、該フランジ115aとロッド棒嵌合部材116との間に設けられたバネ118により、外周面120gに当接するカム120を常時光軸方向Kの後端側に付勢する。
よって、カム120は、曲面を有する外周面120gが回動を伴ってロッド棒115を押圧する、または外周面120gが回動を伴ってバネ118によりロッド棒115から押圧されることにより、ロッド棒115は、光軸方向Kに進退移動する。即ち、牽引ワイヤ114は光軸方向Kに進退移動する結果、移動レンズ枠113に保持された移動レンズ113aも光軸方向Kに進退移動する。
カム120の外周面120gは、第1の面120g1と第2の面120g2との2つの面から主要部が構成されている。
具体的には、図4、図5、図7に示すように、第1の面120g1は、ズームレバー300の回動操作角度が、第1の回動位置R1に相当する回動角度が0°から、回動角度が60°に相当する第3の回動位置R3までの第1の回動角度可変範囲V1における回動により、移動レンズ113aが、図5の実線における第1の領域Q1内において移動できるよう調整する形状、具体的には、図7の実線における第1の領域Q1に示す形状に形成されている。より具体的には、第1の面120g1は、図5に示すように、一定量回動角度を可変すると、例えば20°回動角度を可変すると、移動レンズは、第1の移動量であるZ1量移動するよう調整する形状を具備している。
その結果、図6の実線に示すように、ズームレバー300による第1の回動角度可変範囲V1における回動角度の可変においては、観察倍率は、1倍〜約100倍に可変する。尚、図6の点線は、観察倍率が1倍〜100倍までしか可変できないズーム内視鏡におけるズームレバー回動操作角度の可変量に対する拡大倍率の変化を示しているが、第1の回動角度可変範囲V1における回動角度の可変においては、本実施の形態の1倍〜500倍まで観察倍率が可変できるECS観察可能な内視鏡2と、100倍までのズーム内視鏡とは、略同じ挙動を示していることが分かる。
第2の面120g2は、ズームレバー300の回動操作角度が、回動角度が60°に相当する第3の回動位置R3から、第2の回動位置R2に相当する回動角度が90°までの第2の回動角度可変範囲V2における回動により、移動レンズ113aが、図5の実線における第2の領域Q2内において移動できるよう調整する形状、具体的には、図7の実線における第2の領域Q2に示す形状に形成されている。より具体的には、第2の面120g2は、図5に示すように、一定量回動角度を可変すると、例えば20°回動角度を可変すると、移動レンズは、第1の移動量Z1よりも多い第2の移動量であるZ2量移動するよう調整する形状を具備している。
その結果、図6の実線に示すように、ズームレバー300による第2の回動角度可変範囲V2における回動角度の可変においては、観察倍率は、約100倍〜約500倍に可変する。
即ち、ズームレバー300を第2の回動角度可変範囲V2において回動させると、観察倍率は、一挙に100倍〜500倍まで上がるまたは下がるようになっている。尚、図5の2点鎖線、図7の2点鎖線は、第1の面120g1と第2の面120g2とが同一形状を有している場合におけるズームレバー回動操作角度の可変量に対する移動レンズの移動量と、カム120の外周面120gの形状をそれぞれ示している。
図4に戻って、ロッド棒115の光軸方向Kの中途位置に、V溝115cが形成されている。また、操作部7内において、ロッド棒115のV溝115cに対して嵌合自在なクリック機構123が設けられている。
具体的には、図9に示すように、クリック機構123は、クリックピン125と、クリックピン固定部材600とにより主要部が構成されている。
クリックピン125は、クリックピン固定部材600に形成された操作部7の外装部材7bの図4中の面内に平行であって、方向Cに平行な貫通孔127hに挿通されており、クリックピン固定部材600が外装部材7bに対して固定ビス117bで固定されることにより、外装部材7bに固定されている。
クリックピン125の先端は、ロッド棒115のV溝115cに対して嵌合自在な形状を有しており、また、クリックピン125の先端側にフランジ125aが形成されている。さらに、フランジ125aとクリックピン固定部材600との間に、クリックバネ124が嵌合されており、クリックバネ124は、クリックピン125の先端が、常時ロッド棒115の側面に当接するよう押圧する。
また、クリックピン125の後端に、クリックピン125がクリックピン固定部材600の貫通孔127hから抜去されてしまうのを防止する抜け止め126が設けられている。
クリックピン125は、ズームレバー300が、第1の回動角度可変範囲V1において、第1の回動位置R1から第3の回動位置R3まで回動された際、または、第2の回動角度可変範囲V2において、第2の回動位置R2から第3の回動位置R3まで回動された際、第3の回動位置R3のみにおいて、ロッド棒115のV溝115cに対して嵌合する構成となっている。
このような構成によれば、ズームレバー300の回動範囲が第1の回動角度可変範囲V1から第2の回動角度可変範囲V2に移行する際に、即ち、移動レンズ113aの移動によって、観察倍率が1倍〜100倍までの拡大観察から、観察倍率が100倍〜500倍までのECS観察に切り換える際に、クリックピン125がロッド棒115のV溝115cに対する嵌合により発生するクリック感により、操作者は、切り換わりを容易に認識することができる。
ここで、操作者に対して、観察倍率が1倍〜100倍までの拡大観察から、観察倍率が100倍〜500倍までのECS観察に切り換ったことを認識させる手段としては、ズームレバー300の柄300aをガイドするガイド溝300bの形状を用いた構成であっても構わない。
具体的には、図10に示すように、ズームレバー300の回動操作の際にズームレバー300の柄300aをガイドするガイド溝300bの中途位置に、クランク部310が形成されていればよい。より具体的には、ズームレバー300の第3の回動位置R3に相当する位置に、クランク部310が形成されていれば良い。
このことによれば、ズームレバー300の回動範囲が第1の回動角度可変範囲V1から第2の回動角度可変範囲V2に移行する際に、操作者は、ズームレバー300の柄300aを、T方向に移動させなければいけないことから、操作者は、移動レンズ113aの移動によって、観察倍率が1倍〜100倍までの拡大観察から、観察倍率が100倍〜500倍までのECS観察に切り換わったことを、容易に認識することができる。
また、ガイド溝300bのクランク部310によって、第1の回動角度可変範囲V1と、第2の回動角度可変範囲V2とにおいて、ズームレバー300の回動領域が分かれていることから、ズームレバー300の柄をT方向に移動させない限りは、操作者は、現在、観察倍率が1倍〜100倍までの拡大観察において、ズームレバー300により移動レンズ113aを移動させている旨、または、観察倍率が100倍〜500倍までのECS観察において、ズームレバー300により移動レンズ113aを移動させている旨を容易に認識することができる。
尚、ガイド溝300bに形成されるズームレバー300の第1の回動角度可変範囲V1から第2の回動角度可変範囲V2への移行を操作者に認識させる手段としては、クランク部310に限らず、図11に示すようなクランク溝320や突起等であっても良いばかりか、図12に示すような、スライド部330であっても構わない。
また、上述したようなカム120を用いない構成で、ズームレバー300に接続された既知のリンク機構により、ロッド棒115を移動させる構成においては、リンク比を異ならせることで、図10〜図12に示した構成と、略同じ効果を得ることができる。
カム120の外周面120gのうち、第1の面120g1と第2の面120g2とのいずれか一方の面に、コーティング等を施して、表面の滑りやすさ(摩擦係数)に差を設けてもよい。この場合、一方の面からもう一方の面に移る際に、レバーを操作する力量が変化する。このことで第1の回動角度可変範囲V1から第2の回動角度可変範囲V2への移行を操作者に容易に認識させることができる。
次に、このように構成された本実施の形態の内視鏡2及び内視鏡装置の作用について説明する。
先ず、内視鏡2を用いて体腔内の検査を行う際は、操作者は、挿入部6を、体腔内に挿入する。その後、操作者は、対物レンズ群101で観察しながら、挿入部6を、体腔内の所望の観察部位まで体腔内において進行させる。
尚、この際、ズームレバー300は、カム120の一側面120iが、カムストッパ122aに当接する、回動角度が0°に相当する第1の回動位置R1に位置していることにより、図6に示すように、対物レンズ13aは、観察部位の表面に対して1倍で観察を行う、通常観察を行う位置に停止している。
その後、対物レンズ群101が、所望の観察部位を捉えた後、観察部位における粘膜や毛細血管の構造等の観察を行う、例えば1倍〜100倍までの拡大観察を行う場合は、操作者は、ズームレバー300を、第1の回動位置R1〜第3の回動位置R3における第1の回動角度可変範囲V1内において、回動角度を可変させる。
その結果、カム120の外周面120gの第1の面120g1が、回動に伴いロッド棒115のフランジ115aをバネ118の付勢に抗して押圧するまたはフランジ部115aから押圧されることにより、ロッド棒115、牽引ワイヤ114、移動レンズ枠113を介して、移動レンズ113aは、図5の実線に示すように、第1の領域Q1の範囲内において、例えばズームレバー300の20°の回動角度の可変に伴い第1の移動量であるZ1量移動する。
この際、観察倍率は、図6の点線に示すような1倍〜100倍までしか観察できないズーム内視鏡と略同様に、図6の実線に示すように、第1の領域Q1の範囲内において、1倍〜約100倍の範囲内において可変される。
即ち、図5、図7の2点鎖線に示すカム120の外周面120gの第1の面120g1と第2の面120g2とが同一形状を有している場合のように、ズームレバー300の回動操作角度に比例して、移動レンズ113aが移動してしまうことがない。具体的には、本実施の形態においては、図5に示すように、ズームレバー300を60°まで可変しても移動レンズ113aは、光軸方向Kの後端側に約0.7mmしか移動しないが、図7の2点鎖線に示す形状にカム120の外周面120gが形成されていると、光軸方向Kの後端側に約1.3mmも移動してしまうことが分かる。
拡大観察後、操作者が、観察部位における組織の細胞レベルの観察を行うECS観察を行う場合は、さらに対物レンズ108が観察部位に近接するよう挿入部6を進行させた後、ズームレバー300を第3の回動位置R3〜カム120の他側面120tがカムストッパ122bに当接する第2の回動位置R2までの第2の回動角度可変範囲V2内において、回動角度を可変させる。
その結果、カム120の外周面120gの第2の面120g2が、回動に伴いロッド棒115のフランジ115aをバネ118の付勢に抗してさらに押圧するまたはフランジ115aから押圧されることにより、ロッド棒115、牽引ワイヤ114、移動レンズ枠113を介して、移動レンズ113aは、図5の実線に示すように、第2の領域Q2の範囲内において、例えばズームレバー300の20°の回動角度の可変に伴い第1の移動量Z1よりも多い第2の移動量Z2だけ移動する。
この際、観察倍率は、図6の実線に示すように、第2の領域Q2の範囲内において、約100倍〜500倍までの範囲内において急速に一挙に可変される。
即ち、図5、図7の2点鎖線に示すカム120の外周面120gの第1の面120g1と第2の面120g2とが同一形状を有している場合のように、ズームレバー300の回動操作角度に比例して、移動レンズ113aが移動してしまうことがない。具体的には、本実施の形態においては、ズームレバー300を60°から90°まで可変させると、移動レンズ113aは、一気に光軸方向Kの後端側における2.0mmの位置まで移動することが分かる。
尚、観察倍率を落とすときも同様に、ズームレバー300を、第2の回動角度可変範囲V2内において回動角度を可変すると、図6の実線に示すように、急速に、500倍から100倍に観察倍率が低下するとともに、ズームレバー300を、第1の回動角度可変範囲V1内において回動角度を可変すると、1倍〜100倍までのズーム内視鏡と略同様に、図6の実線に示すように、第1の領域Q1の範囲内において、観察倍率が低下する。
このように、本実施の形態においては、カム120は、ズームレバー300の一定の回動角度の可変量に対して、第2の領域Q2内における移動レンズ113aの第2の移動量Z2が、第1の領域Q1内における移動レンズ113aの第1の移動量Z1よりも多くなるよう調整すると示した。即ち、ズームレバー300の第1の回動角度可変範囲V1における回動角度の一定量の可変に対する移動レンズ113aの移動速度よりも、ズームレバー300の第2の回動角度可変範囲V2における回動角度の一定量の可変に対する移動レンズ113aの移動速度が速くなるよう、カム120は調整すると示した。
このことによれば、移動レンズ113aを観察倍率1倍〜100倍に相当する第1の領域Q1内に対して移動させる際は、図6に示すように、観察倍率を1倍〜100倍までしか可変できない内視鏡と約同等の速さで移動させることができるとともに、移動レンズ113aを観察倍率100倍〜500倍に相当する第2の領域Q2内に対して移動させる際は、ズームレバー300の回動角度を20°可変させるのみで、一挙に移動させることができる。
即ち、ECS観察を行える内視鏡2であっても、1倍〜100倍までの観察においては、体腔内の観察部位における粘膜や毛細血管の構造等の拡大観察を行うため、移動レンズ113aを、ゆっくり移動させて、観察者の所望の倍率に調整して観察が行えるとともに、100倍〜500倍の観察においては、ECS観察は、体腔内の観察部位における組織の細胞レベルを観察するものであることから、200倍、300倍といった中途位置に移動レンズ113aを移動させることなく、100倍から500倍へと素早く移動レンズ113aを移動させることができる。
以上から、移動レンズ113aを、観察者の所望の速度で、所望の倍率に相当する位置に確実に移動させる調整を行うことができる構成を具備する内視鏡2、及び内視鏡装置1を提供することができる。
(第2実施の形態)
図13は、第2実施の形態を示す内視鏡における撮像装置の構成を示す部分断面図、図14は、図13の内視鏡の操作部内の構成の概略を示す図、図15は、ポテンショメータの回動角度の可変量に対する移動レンズの移動量を示す図表、図16は、ポテンショメータの回動角度の可変量に対する送りネジの回転角速度を示す図表である。
この第2実施の形態の内視鏡、及び内視鏡装置の構成は、上述した図1〜図12に示した第1実施の形態の内視鏡、及び内視鏡装置と比して、移動レンズを電動制御にて光軸方向に移動させる点が異なる。よって、この相違点のみを説明し、第1実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
図13に示すように、本実施の形態においては、移動レンズ113aを保持する移動レンズ枠113に、移動レンズ113aの径方向において、図13中下方に突出する突出部113tが形成されており、該突出部113tに光軸方向Kに貫通する図示しない貫通孔が形成されているとともに、貫通孔に、図示しないネジ部が形成されている。
また、突出部113tの貫通孔に形成されたネジ部に、光軸方向Kに延在する移動部材である送りネジ129が螺合している。送りネジ129は、例えば素子枠228の図13中下方に固定された調整部材であるアクチュエータを構成するクリックピン固定部材600によって回動自在となっている。このことにより、送りネジ129の回動に伴うネジ部への螺合により、移動レンズ枠113、即ち、移動レンズ113aは、光軸方向Kに移動する。
具体的には、クリックピン固定部材600は、上述した第1の領域Q1内において、ズームレバー301の一定の操作量に応じて、例えば回動角度を20°可変させた場合、上述した図5の図表の実線に示すように、移動レンズ113aが第1の移動量Z1にて移動するよう、送りネジ129を回動させて、移動レンズ枠113を光軸方向Kに移動させるとともに、上述した第2の領域Q2内において、ズームレバー301の一定の操作量に応じて、例えば回動角度を20°可変させた場合、移動レンズ113aが第2の移動量Z2にて移動するよう、送りネジ129を回動させて、移動レンズ枠113を光軸方向Kに移動させる。
尚、移動レンズ113aの光軸方向への移動量は、送りネジ129の中途位置に設けられた回転ポテンショメータ128が、送りネジ129の回動量を検出することにより検出される。尚、回転ポテンショメータ128は、撮像装置100以外に設けられていても構わない。
クリックピン固定部材600からは、制御ケーブル131が延出されており、制御ケーブル131は、挿入部6、操作部7、ユニバーサルコード8、コネクタ9内に挿通された後、ビデオコネクタ9b、接続ケーブル4aを介して、ビデオプロセッサ4の制御部4t(いずれも図1参照)に接続されている。
よって、クリックピン固定部材600は、制御部4tから制御ケーブル131を介して通電されることにより、移動レンズ枠113、即ち、移動レンズ113aの移動量を、電気的に制御して調整する。
また、本実施の形態の操作部7内には、図14に示すように、光軸方向Kに、図14中外装部材7bの面内において直交する方向において延出する2本の接触部301a、301bを有するズームレバー301が、操作部7の外装部材7bに対し、回動ピン311で固定されることにより、回動自在に固定されている。
また、操作部7内において、接触部301aに対向する位置に、該接触部301aによりオンされる接点スイッチ132aが設けられているとともに、接触部301bに対向する位置に、該接触部301bによってオンされる接点スイッチ132bが設けられている。
ズームレバー301は、図14に示すように、回動角度が0°に相当する第1の回動位置R1から、回動角度が90°に相当する第2の回動位置R2までの回動可能範囲V内において、接触部301aが接点スイッチ132aに接触するM1方向及び接触部301bが接点スイッチ132bに接触するM2方向にそれぞれ回動自在となっている。
また、接点スイッチ132a、132bは、制御部4tにリード線等で電気的に接続されている。接点スイッチ132aに、接触部301aが接触された際は、接点スイッチ132aは、制御部4tに、送りネジ129を正回転させる、即ち移動レンズ113aを、通常観察に用いる1倍に相当する位置から、ECS観察に用いる500倍に相当する位置まで、光軸方向Kの後端側に移動させる信号を制御部4tに送る。
また、接点スイッチ132bに、接触部301bが接触された際は、接点スイッチ132bは、制御部4tに、送りネジ129を逆回転させる、即ち移動レンズ113aを、ECS観察に用いる500倍に相当する位置から、通常観察に用いる1倍に相当する位置まで、光軸方向Kの先端側に移動させる信号を制御部4tに送る。
次に、図17を用いて、本実施の形態の作用について説明する。図17は、本実施の形態における制御部のサーボモータに対する制御方法を示すフローチャートである。尚、本作用においては、挿入部6を体腔内の観察部位まで挿入した後の作用について説明する。
図17に示すように、先ず、ステップS1において、ポテンショメータ128の回動角度を読み取った後、ステップS2において、制御部4tは、該制御部4tが具備する図15に示すような、ポテンショメータ128の回動角度の可変量に対する移動レンズ113aの移動量の変化を示す図表のデータから、移動レンズ113aの移動に伴う観察倍率の変化、即ち拡大倍率を計算する。
次いで、ステップS3において、制御部4tは、該制御部4tが具備する図16に示すような、ポテンショメータ128の回動角度の可変量に対する送りネジ129の回動角度速度の変化を示す図表のデータから、送りネジ129の目標回動速度を読み取る。
次いで、ステップS4において、ズームレバー301がM1方向に回転され、接触部301aにより、接点スイッチ132aがオンされた信号が、制御部4tに入力された否かが判定される。
制御部4tに接点スイッチ132aがオンされた信号が入力されれば、ステップS5において、制御部4tは、クリックピン固定部材600を介して、送りネジ129を正回転させる、即ち移動レンズ113aを、通常観察に用いる1倍に相当する位置から、ECS観察に用いる500倍に相当する位置まで、光軸方向Kの後端側に移動させる電力を、クリックピン固定部材600に供給し、その後リターンする。その結果、送りネジ129は、正回転する。
ステップS4において、接点スイッチ132aがオンされた信号が、制御部4tに入力されなければ、ステップS6に分岐し、ズームレバー301がM2方向に回転され、接触部301aにより、接点スイッチ132bがオンされた信号が、制御部4tに入力されたか否かが判定される。
制御部4tに接点スイッチ132bがオンされた信号が入力されなければ、そのままリターンし、入力されれば、ステップS7に移行する。
ステップS7では、制御部4tは、クリックピン固定部材600を介して、送りネジ129を逆回転させる、即ち移動レンズ113aを、ECS観察に用いる500倍に相当する位置から、通常観察に用いる1倍に相当する位置まで、光軸方向Kの先端側に移動させる電力をクリックピン固定部材600に供給し、その後リターンする。その結果、送りネジ129は、逆回転する。
尚、以下、ステップS5、ステップS7における制御部4tのクリックピン固定部材600を正回転させる制御及び逆回転させる制御を具体的に説明する。
制御部4tは、接点スイッチ132aまたは接点スイッチ132bから、ズームレバー301の回動操作角度が、第1の回動位置R1に相当する回動角度が0°から、回動角度が約60°に相当する第3の回動位置R3までの第1の回動角度可変範囲V1において回動操作された検知信号が入力されると、移動レンズ113aが、図5の実線における第1の領域Q1内において移動できるよう、図15、図16に示すデータから移動レンズ113aの移動に伴う拡大倍率と、送りネジ129の速度を計算して、クリックピン固定部材600に電力を供給する制御を行う。
より具体的には、制御部4tは、図5に示すように、ズームレバー301が、一定量回動角度が可変されると、例えば20°回動角度が可変されると、移動レンズ113aが、第1の移動量であるZ1量移動するよう、拡大倍率と、送りネジ129の速度を計算して、クリックピン固定部材600に電力を供給する制御を行う。
その結果、図6の実線に示すように、ズームレバー301による第1の回動角度可変範囲V1における回動角度の可変においては、観察倍率は、1倍〜約100倍の間で可変する。このため、第1の回動角度可変範囲V1における回動角度の可変においては、観察倍率が1倍〜100倍までしか可変できないズーム内視鏡と略同じ挙動を示していることが分かる。
また、制御部4tは、接点スイッチ132aまたは接点スイッチ132bから、ズームレバー301の回動操作角度が、回動角度が約60°に相当する第3の回動位置R3から、第2の回動位置R2に相当する回動角度が90°までの第2の回動角度可変範囲V2において回動された検知信号が入力されると、移動レンズ113aが、図5の実線における第2の領域Q2内において移動できるよう、図15、図16に示すデータから移動レンズ113aの移動に伴う拡大倍率と、送りネジ129の速度を計算して、クリックピン固定部材600に電力を供給する制御を行う。
具体的には、制御部4tは、図5に示すように、ズームレバー301が、一定量回動角度が可変されると、例えば20°回動角度が可変されると、移動レンズ113aが、第2の移動量Z2量移動するよう、拡大倍率と、送りネジ129の速度を計算して、クリックピン固定部材600に電力を供給する制御を行う。
その結果、図6の実線に示すように、ズームレバー301による第2の回動角度可変範囲V2における回動角度の可変においては、観察倍率は、約100倍〜約500倍の間で可変する。
即ち、ズームレバー301を第2の回動角度可変範囲V2において回動させると、観察倍率は、一挙に100倍〜500倍まで上がる、または500倍〜100倍まで下がるようになっている。
このように、本実施の形態においては、制御部4tは、上述した第1実施の形態の図5、図6に示した、ズームレバー301の回動操作角度の可変量に対するする移動レンズの移動量の変化、または観察倍率の変化を示すデータを具備しているとともに、図15に示すような、ポテンショメータ128の回動角度の変化に対する移動レンズ113aの移動量の変化を示す図表のデータ、及び図16に示すような、ポテンショメータ128の回動角度の変化に対する送りネジ129の回動角速度の変化を示す図表のデータを具備していると示した。
また、移動レンズ113aは、制御部4tからの図5、図6、図15、図16を考慮した電力の供給により、送りネジ129をクリックピン固定部材600によって回動させることで、光軸方向Kに電動で移動量がクリックピン固定部材600により調整されて移動されると示した。
以上のように、移動レンズ113aを電動で光軸方向Kに移動させたとしても、上述した第1実施の形態と同様の効果を得ることができる。
即ち、移動レンズ113aを観察倍率1倍〜100倍に相当する第1の領域Q1内に対して移動させる際は、図6に示すように、観察倍率を1倍〜100倍までしか可変できない内視鏡と約同等の速さで移動できるとともに、移動レンズ113aを観察倍率100倍〜500倍に相当する第2の領域Q2内に対して移動させる際は、ズームレバー301の回動角度を20°可変させるのみで、一挙に移動させることができる。
即ち、ECS観察を行える内視鏡2であっても、1倍〜100倍までの観察においては、体腔内の観察部位における粘膜や毛細血管の構造等の拡大観察を行うため、移動レンズ113aを、ゆっくり移動させて、観察者の所望の倍率に調整して観察が行えるとともに、100倍〜500倍の観察においては、ECS観察は、体腔内の観察部位における組織の細胞レベルを観察するものであることから、200倍、300倍といった中途位置に移動レンズ113aを移動させることなく、100倍から500倍へと素早く移動レンズ113aを移動させることができる。
以上から、移動レンズ113aを、観察者の所望の速度で、所望の倍率に相当する位置に確実に移動させる調整を行うことができる構成を具備する内視鏡2、及び内視鏡装置1を提供することができる。
図18は、図2中のXVIII-XVIII線に沿う内視鏡の挿入部の先端部の断面図、図19は、ECS観察を行う場合の制御部の光源装置への制御動作を示すフローチャートである。
ところで、観察倍率が1倍における通常観察または100倍までの拡大観察においては、固体撮像素子102eは、照明窓109から観察部位に対して拡開照射されたR光、G光、B光からなる照明光の観察部位からの回折光を、対物レンズ群101を介して撮像する構成を具備している。
ここで、観察部位に対物レンズ108を当接させて行うECS観察において、照明窓109から照明光を照射すると、図18に示すように、B光は、既知のように波長帯域が、約390〜490nmと短いことから、観察部位の組織内部における表面近傍(以下、第1の部位と称す)で回折する特性を有し、R光は、既知のように波長帯域がB光よりも約590〜650nmと長いことから、観察部位の組織内部の深部(以下、第2の部位と称す)まで進入して回折する特性を有している。
また、G光の波長帯域は、B光よりも長くR光よりも短い約500〜580nmとなっていることから、観察部位において、該観察部位に対してB光よりも深部であってR光よりも浅い部位(以下、第3の部位と称す)に、観察部位の組織内部に進入して回折する特性を有している。即ち、R光とG光とB光とでは、回折のしやすさが異なる。具体的には、R光、G光、B光の順に、回折しやすくなっている。
よって、対物レンズ群101には、回折しやすいR光が多く入射されてしまうことから、ECS観察において、通常観察または100倍までの拡大観察と同じ手法にて、照明窓109から照明光を照射すると、モニタ5に表示される画像が、赤色の多い色調の画像になってしまい、観察部位の状態が判断し難いといった問題があった。
このような問題を解決するため、制御部4tは、図19に示すように、先ず、ステップS11において、ポテンショメータ128の回動角度を読み取った後、ステップS12において、制御部4tが具備する図15に示すような、ポテンショメータ128の回動角度の可変量に対する移動レンズ113aの移動量の変化を示す図表のデータから、移動レンズ113aの移動に伴う観察倍率の変化、即ち拡大倍率を計算する。
ステップS12における拡大倍率の計算の結果、ステップS13において、観察倍率が超高倍率ではない、具体的には、1倍〜100倍となっておれば、通常観察または100倍までの拡大観察を行うとして、ステップS15に分岐する
ステップS15では、制御部4tの制御により、照明窓109から、それぞれ波長の異なるR光、G光、B光からなる照明光を照射する。固体撮像素子102eは、観察部位からのR光、G光、B光による回折光から、対物レンズ群101を介して、観察部位の像を撮像し、その結果、モニタ5に、明るく色再現に優れたR光、G光、B光による観察部位の通常観察画像が表示される。
ステップS13において、観察倍率が500倍の超高倍率となっておれば、ECS観察を行うとして、ステップS14に移行し、ステップS14では、対物レンズ108を観察部位に当接させた後、制御部4tの駆動制御により、先ず、照明窓109からR光のみを照射して、観察部位の第2の部位の画像を、固体撮像素子102eによって撮像し、R光のみによるECS観察画像であるモノクロ画像を、モニタ5に表示する。その結果、観察者は、第2の部位の状態が観察できる。
次いで、制御部4tの駆動制御により、照明窓109からG光のみを照射して、観察部位の第3の部位の画像を、固体撮像素子102eによって撮像し、G光のみによるECS観察画像であるモノクロ画像を、モニタ5に表示する。その結果、観察者は、第3の部位の状態が観察できる。
最後に、制御部4tの駆動制御により、照明窓109からB光のみを照射して、観察部位の第1の部位の画像を、固体撮像素子102eによって撮像し、B光のみによるECS観察画像であるモノクロ画像を、モニタ5に表示する。その結果、観察者は、第1の部位の状態が観察できる。
尚、この際、R光、G光、B光のみによる各モノクロ画像を同時化して、R光の成分を弱くするよう色調を変化させたECS観察画像であるカラー画像を、モニタ5に表示しても構わない。
以上のような構成によれば、ECS観察の際、照明窓109から照射される照明光の波長を切り換えることができることから、また、順次照射される照明光と同期して撮像される画像を操作者は選択できることから、さらには、通常観察、拡大観察、ECS観察に応じて、照明光の波長を切り換えることができることから、操作者は、ズームレバー301の操作のみでモニタ5から観察部位の異なる深さを選択的に観察することができる。
尚、ECS観察の際、照明窓109から、それぞれ波長の異なるR光、G光、B光からなる照明光を照射し、観察部位からのR光、G光、B光による回折光から、対物レンズ群101を介して、観察部位の像を撮像して、上述したように、赤色の多い色調の観察部位の画像を取得した後、制御部4tにおける画像処理にて、通常観察画像と同等の色調に変更しても構わない。
この際、例えばビデオプロセッサ4に色調変化検知装置を設け、該色調変化検知装置により、撮像された画像の色調が赤色の多い色調に変化されたことが検知された場合のみ、ECS観察に移行したと判断し、撮像された画像を、通常観察画像と同等の色調に変更するような構成によれば、接点スイッチ132a、132bを用いたズームレバー301の回動角度可変位置の検出に誤差が生じたとしても、確実に、通常観察画像と同等の色調のECS観察画像を得ることができる。
図20は、図3の挿入部の先端部の構成の変形例を示す断面図、図21は、ノズルよりも対物レンズが光軸方向の後端側に位置するよう、対物光学系ユニットを光軸方向に移動させた状態を概略的に示す図、図22は、ノズルよりも対物レンズが光軸方向の先端側に位置するよう、対物光学系ユニットを光軸方向に移動させた状態を概略的に示す図である。
ところで、通常の、例えば1倍〜100倍までの観察が行えるズーム内視鏡、または単焦点観察が行える内視鏡では、対物レンズ108の表面を洗いやすくするため、通常、ノズル106は、対物レンズ108よりも先端側に突出して設けられている。
しかしながら、本実施の形態に示すECS観察が行える内視鏡2においては、周知のように、500倍観察等のECS観察において、対物レンズ108を、観察部位に当接させて観察を行う必要がある。
よって、通常の内視鏡のように、ノズル106が対物レンズ108よりも先端側に突出して設けられていると、ECS観察を行う際、ノズル106が対物レンズ108よりも先に観察部位に当接することから、対物レンズ108を観察部位に当接させ難いといった問題がある。
このため、対物レンズ108を観察部位に当接させてECS観察が行えるとともに、対物レンズ108の表面の汚れを除去しやすい構成のECS観察が行える内視鏡が望まれていた。
このような事情に鑑み、図20に示すように、内視鏡2の先端部11内において、先端枠104を、前群レンズ枠111及び後群レンズ枠112の外周に嵌合された第1の先端枠104cと、該第1の先端枠104cの外周に嵌合された第2の先端枠104dとから構成しても構わない。
この場合、第1の先端枠104cは、対物レンズ群101を具備する対物光学系ユニット400(図21、図22参照)とともに、第1の先端枠104cの光軸方向Kの後端側に接続された牽引ワイヤ114aにより、第2の先端枠104dに対して相対的に、光軸方向Kに移動自在に構成されている。
このような構成によれば、先ず、通常観察の際は、牽引ワイヤ114aを、光軸方向Kの後端側に牽引することにより、図21に示すように、対物光学系ユニット400を、対物レンズ108が、ノズル106よりも光軸方向Kの後端側に位置するよう光軸方向Kに移動させる。このことにより、対物レンズ108の表面には、ノズル106から確実に液体または気体が選択的に供給されることから、通常の内視鏡と同等の洗浄性を得ることができる。
次に、ECS観察を行う場合は、牽引ワイヤ114aを、光軸方向Kの先端側に弛緩することにより、図22に示すように、対物光学系ユニット400を、対物レンズ108が、ノズル106よりも光軸方向Kの先端側に位置するとともに観察部位に当接するよう光軸方向Kに移動させる。この場合、挿入部6を進行させなくとも、対物レンズ108を観察部位に当接させることができる。
以上のような構成によれば、ECS観察が行える内視鏡2によって、対物レンズ108を観察部位に当接させる際、対物レンズ108を具備する対物光学系ユニット400を光軸方向Kの先端側に突出させて行うことにより、従来の挿入部6を進行させて対物レンズ108を観察部位に当接させる場合のように、進行の際、観察部位を見失ってしまうことが無くなる。
また、対物光学系ユニット400を移動させるのみで、対物レンズ108と観察部位との距離を最適に設定することができることから、対物レンズ108と観察部位との距離を設定する従来用いていた先端キャップを、検査毎に先端部11に装着する必要がなくなるため、内視鏡2の操作性が向上する。
さらに、通常観察の際、対物レンズ108は、ノズル106よりも光軸方向Kの後端側に位置していることから、ECS観察が行える内視鏡2以外の通常の内視鏡と同様に、対物レンズ108表面の洗浄性が確保できる。
図23は、従来の前群レンズ枠に対して前群レンズが固定された状態を示す断面図、図24は、本構成の前群レンズ枠に対して凸レンズを治具で組み付けた状態を示す断面図、図25は、図24中のIIXV-IIXV線に沿う断面図、図26は、図24の前群レンズ枠に対して、全ての前群レンズが固定された状態を示す断面図である。
従来、前群レンズ枠111に対して、前群レンズ111aと取り付ける際は、図23に示すように、先ず、凸レンズ111dを、前群レンズ枠111の光軸方向Kの後端側の内周において凸レンズ111dの径方向に突出したレンズ受け部111eに突き当てる。
その後、凸レンズ111dの光軸方向Kの先端面の外周に、間隔管134を当接させた後、間隔管134の先端面に、前群レンズ枠111の内周に嵌合させた状態でフィルタ111cを当接させる。
さらに、フィルタ111cの先端面に、前群レンズ枠111の内周に嵌合させた状態でフィルタ111bを当接させ、フィルタ111bの先端面の外周縁を、前群レンズ枠111の光軸方向Kの中途位置に対し、接着剤135aで固定する。
最後に、フィルタ111bの光軸方向Kの先端側に、対物レンズ108を前群レンズ枠111の内周に嵌合させた後、対物レンズ108の先端面を、前群レンズ枠111の先端の内周に、接着剤135bで固定することにより、前群レンズ枠111に対して前群レンズ111aが取り付けられる構成となっている。
しかしながら、このような取り付け方法及び構成では、凸レンズ111dは、直接、前群レンズ枠111に対して接着されていないことから、取り付け誤差が生じ、凸レンズ111dが傾いて取り付けられてしまう場合があるといった問題があった。
このような問題に鑑み、図24〜図26に示すように、前群レンズ枠111は、レンズ受け部111eが嵌合される位置よりも光軸方向Kの前方近傍に、凸レンズ111dの径方向に貫通するスリット111fが形成されて構成を有していても構わない。
このようにスリット111fが形成された前群レンズ枠111に対して前群レンズ111aを取り付ける際は、先ず、図24に示すように、凸レンズ111dを、前群レンズ枠111の光軸方向Kの後端側の内周に、治具136を用いて、凸レンズ111dの径方向に突出したレンズ受け部111eに突き当てる。
次いで、治具136により、凸レンズ111dがレンズ受け部111eに突き当てられた状態において、例えば3つ、前群レンズ枠111に形成されたスリット111fを介して、接着剤135cが注入される。その結果、接着剤135cにより、凸レンズ111dは、前群レンズ枠111に接着固定される。
その後、凸レンズ111dよりも光軸方向Kの先端側であって、前群レンズ枠111の内周の光軸方向Kの中途位置に形成された段部111sに、前群レンズ枠111の内周に嵌合させた状態でフィルタ111cを当接させ、さらに、フィルタ111cの先端面に、前群レンズ枠111の内周に嵌合させた状態でフィルタ111bを当接させ、フィルタ111bの先端面の外周縁を、前群レンズ枠111の光軸方向Kの中途位置に対し、接着剤135aで固定する。
最後に、フィルタ111bの光軸方向Kの先端側に、対物レンズ108を前群レンズ枠111の内周に嵌合させた後、対物レンズ108の先端面を、前群レンズ枠111の先端の内周に、接着剤135bで固定することにより、前群レンズ枠111に対して前群レンズ111aが取り付けられる構成となっている。
このような構成及び取り付け方法によれば、凸レンズ111dは、直接前群レンズ枠111に対して接着されることから、取り付け誤差が生じ、凸レンズ111dが傾いて取り付けられてしまうことを確実に防止することができる。
尚、上述した第1、第2実施の形態においては、医療用の内視鏡を例に挙げて説明したが、これに限らず、工業用の内視鏡に適用した場合であっても、本実施の形態と同様の効果を得ることができる。
[付記]
以上詳述した如く、本発明の実施形態によれば、以下の如き構成を得ることができる。即ち、
(1)被写体を観察する対物レンズと、該対物レンズに対して気体または液体を供給するノズルと、液体及び汚れを吸引する吸引開口とが、挿入部の先端面に設けられた内視鏡において、
前記先端面において、前記対物レンズと、前記ノズルと、前記吸引開口とが、平面視した状態で同軸上に設けられていることを特徴とする内視鏡。
(2)前記吸引開口は、吸引装置に連通していることを特徴とする付記1に記載の内視鏡。
(3)前記ノズルから前記気体または前記液体の吐出を指示する送気送水操作釦と、前記吸引装置を駆動して、前記吸引開口から吸引を指示する吸引操作ボタンとが操作部に設けられており、
前記送気送水操作釦の指示による前記ノズルからの前記気体または前記液体の吐出と、前記吸引操作ボタンの指示による前記吸引開口からの吸引とは、同時に行われることを特徴とする付記2に記載の内視鏡。
(4)被写体を観察する対物レンズ群における少なくとも1つのレンズが、前記対物レンズ群の光軸方向に対して移動自在な移動レンズを構成することにより、前記対物レンズ群の観察倍率を可変できる内視鏡において、
前記対物レンズ群によって、前記被写体の表面を等倍で観察する通常観察と、前記被写体の表面を拡大して観察する拡大観察と、前記被写体の組織内を観察する超拡大観察とが行える位置に、前記移動レンズを前記光軸方向に対して移動させる移動部材と、
前記移動部材の移動量を、操作量によって調整する操作部材と、
を操作部に具備し、
前記移動部材に、前記移動レンズが、前記拡大観察から前記超拡大観察が行える位置に移動する際、前記操作部材の操作負荷を重くする負荷部材が設けられていることを特徴とする内視鏡。
(5)前記移動部材は、前記移動レンズを保持する移動レンズ枠に固定された光軸方向に移動自在なロッド棒であり、
前記負荷部材は、前記ロッド棒に対して、クリックピンを押しつけるバネ及びモータであることを特徴とする付記4に記載の内視鏡。
(6)前記ロッド棒に溝が形成されており、前記移動レンズが、前記拡大観察から前記超拡大観察に切り換わる位置に移動した際、前記クリックピンは、前記溝に嵌合することを特報とする付記5に記載の内視鏡。
(7)被写体を観察する対物レンズ群における少なくとも1つのレンズが、前記対物レンズ群の光軸方向に対して移動自在な移動レンズを構成することにより、前記対物レンズ群の観察倍率を可変できる内視鏡において、
前記対物レンズ群によって、前記被写体の表面を等倍で観察する通常観察と、前記被写体の表面を拡大して観察する拡大観察と、前記被写体の組織内を観察する超拡大観察とが行える位置に、前記移動レンズを前記光軸方向に対して移動させる移動部材と、
前記移動部材の移動量を、操作量によって調整するズームレバーと、
前記ズームレバーの柄が嵌入するガイド溝と、
を操作部に具備し、
前記ガイド溝は、前記移動レンズが、前記通常観察から前記拡大観察まで行える位置に移動する際、前記柄が嵌入する第1の溝と、前記移動レンズが、前記拡大観察から前記超拡大観察まで行える位置に移動する際、前記柄が嵌入する第2の溝とから構成されていることを特徴とする内視鏡。
(8)被写体を観察する対物レンズ群の観察倍率を可変できる内視鏡を具備する内視鏡装置において、
前記対物レンズ群によって、前記被写体の表面を等倍で観察する通常観察と、前記被写体の表面を拡大して観察する拡大観察と、前記被写体の組織内を観察する超拡大観察とが行える位置に、前記光軸方向に対して移動自在な、前記対物レンズ群の少なくとも1つから構成された移動レンズと、
被写体を照明する照明部と、
波長の異なる照明光を、前記照明部から順次照射する光源装置と、
照明光に同期して順次被写体を撮像する撮像部と、
を具備し、
前記移動レンズが、前記通常観察が行える位置から前記拡大観察が行える位置まで移動する際は、前記照明部から前記光源装置により、複数の異なる波長により前記照明光を前記被写体に照射して、前記撮像部にて撮像した画像を組み合わせた画像を表示し、
前記移動レンズが、前記拡大観察が行える位置から前記超拡大観察が行える位置まで移動する際は、前記照明部から前記光源装置により、単一の波長の照明光を前記被写体に照射して、前記撮像部にて撮像した画像を表示することを特徴とする内視鏡装置。
(9)前記通常観察と前記拡大観察と前記超拡大観察とのいずれかに応じて、前記照明光の波長を選択して、前記照明光を、前記照明部から前記被写体に照射して、前記撮像部にて撮像した画像を表示することを特徴とする付記8に記載の内視鏡装置。
(10)被写体を観察する対物レンズ群の観察倍率を可変できる内視鏡を具備する内視鏡装置において、
前記対物レンズ群によって、前記被写体の表面を等倍で観察する通常観察と、前記被写体の表面を拡大して観察する拡大観察と、前記被写体の組織内を観察する超拡大観察とが行える位置に、前記光軸方向に対して移動自在な、前記対物レンズ群の少なくとも1つから構成された移動レンズと、
前記移動レンズを、所定の観察倍率を得る位置に移動させる変倍操作装置と、
前記変倍操作装置により、前記拡大観察から前記超拡大観察が行える位置に、前記移動レンズが移動したことを判断する変倍検知装置と、
前記変倍検知装置の指示により、観察画像の色調を変更する色調変更装置と、
を具備することを特徴とする内視鏡装置。
(11)前記観察画像の色調が急激に変化したことを判断する色調変化検知装置をさらに具備し、
前記色調変更装置は、前記変倍検知装置と前記色調変更装置との判断に基づき、前記観察画像の色調を変更することを特徴とする付記10に記載の内視鏡装置。
(12)前記色調変更装置は、R、G、Bのゲインをそれぞれ別々に変更することを特徴とする付記10または11に記載の内視鏡装置。
(13)前記色調変更装置が、前記被写体を照射する光源の色温度を変更させることを特徴とする付記10〜12のいずれかに記載の内視鏡装置。
(14)前記光源は、面順次式の光源であり、
前記光源のR、G、Bの出射光量を変更させることで、前記観察画像の色調を変更させることを特徴とする付記13に記載の内視鏡装置。
(15)シャッタにより、R、G、Bの露光時間を変更させることを特徴とする付記12に記載の内視鏡装置。
(16)被写体を観察する対物レンズ群が設けられた対物光学系ユニットと、前記対物レンズ群の光軸方向の先端の対物レンズに気体または液体を供給するノズルとを具備する内視鏡において、
前記対物レンズが、前記ノズルよりも前記光軸方向の先端側及び後端側に進退するよう、前記対物光学系ユニットが前記光軸方向に移動自在であることを特徴とする内視鏡。
(17)被写体を観察する対物レンズ群を保持する保持枠を具備する内視鏡において、
前記保持枠における前記対物レンズ群の内、光軸方向において最も後端に位置するレンズに対応する位置に、前記レンズを前記保持枠に接着固定する用の接着剤が流入されるスリットが、前記レンズの径方向に貫通して形成されていることを特徴とする内視鏡。
(18)被写体を観察する対物レンズ群における少なくとも1つのレンズが、前記対物レンズ群の光軸方向に対して移動自在な移動レンズを構成することにより、前記対物レンズ群の観察倍率を可変できる内視鏡において、
前記対物レンズ群によって、生体組織内の細胞核等を観察する超拡大観察と、組織の表面の微細な凹凸や毛細血管の走行を観察する拡大観察と、拡大観察より低倍な通常観察とが行える位置に、前記移動レンズを前記光軸方向に対して移動させる移動部材と、
前記移動部材の移動量を、操作量によって調整する操作部材と、
前記操作部材の一定の前記操作量にて、前記移動部材によって、前記拡大観察から前記超拡大観察までの第2の領域内に対し前記移動レンズが移動できる第2の移動量が、前記通常観察から前記拡大観察までの第1の領域内に対し前記移動レンズが移動できる第1の移動量よりも多くなるよう調整する調整部材と、
を具備したことを特徴とする内視鏡。
(19)前記調整部材により、前記移動部材の単位時間当たりの移動量もしくは、前記操作部材の単位操作量当たりの移動量を調整することを特徴とする付記18に記載の内視鏡。
(20)前記調整部材は、カム機構もしくはリンク機構により構成されていることを特徴とする付記18または19に記載の内視鏡。
(21)前記調整部材は、前記操作部材の回動操作に伴って回動するとともに、該回動に伴って、外周面が前記移動部材の一部に当接して、該移動部材を前記光軸方向に移動させるカム部材であり、
前記カム部材の前記外周面は、前記第1の領域内において前記移動レンズが前記第1の移動量にて移動するよう前記移動部材を前記光軸方向に移動させる第1の面と、前記第2の領域内において前記移動レンズが前記第2の移動量にて移動するよう前記移動部材を前記光軸方向に移動させる第2の面とを具備したことを特徴とする付記18に記載の内視鏡。
(22)前記操作部材は、前記通常観察での前記移動レンズの前記光軸方向における位置に相当する第1の回動位置から前記超拡大観察での前記移動レンズが前記光軸方向に最大限移動できる位置に相当する第2の回動位置までの回動可能範囲内において回動角度が可変できるよう構成されており、
前記操作部材による前記回動可能範囲内における第1の回動角度可変範囲の回動操作により、前記第1の面によって、前記移動レンズは、前記第1の領域内において前記第1の移動量にて移動され、前記操作部材による前記回動可能範囲内における前記第1の回動角度可変範囲よりも回動角度の大きな第2の回動角度可変範囲の回動操作により、前記第2の面によって、前記移動レンズは、前記第2の領域内において前記第2の移動量にて移動されるよう、前記カム部材は、前記移動部材を前記光軸方向に移動させることを特徴とする付記21に記載の内視鏡。
(23)前記調整部材は、前記第1の領域内において前記移動レンズが前記第1の移動量にて移動するとともに、前記第2の領域内において前記移動レンズが前記第2の移動量にて移動するよう前記移動部材を前記光軸方向に移動させる、前記操作部材の操作入力によって前記移動部材の前記移動量を電気的に制御できるアクチュエータであることを特徴とする付記18に記載の内視鏡。
(24)前記操作部材は、前記通常観察での前記移動レンズの前記光軸方向における位置に相当する第1の回動位置から前記超拡大観察での前記移動レンズが前記光軸方向に最大限移動できる位置に相当する第2の回動位置までの回動可能範囲内において回動角度が可変できるよう構成されており、
前記操作部材による前記回動可能範囲内における第1の回動角度可変範囲の回動操作により、前記移動レンズは、前記第1の領域内において前記第1の移動量にて移動されるとともに、前記操作部材による前記回動可能範囲内における前記第1の回動角度可変範囲よりも回動角度の大きな第2の回動角度可変範囲の回動操作により、前記移動レンズは、前記第2の領域内において前記第2の移動量にて移動されるよう、前記アクチュエータは、前記移動部材を前記光軸方向に移動させることを特徴とする付記23に記載の内視鏡。
(25)被写体を観察する対物レンズ群における少なくとも1つのレンズが、前記対物レンズ群の光軸方向に対して移動自在な移動レンズを構成することにより、前記対物レンズ群の観察倍率を可変できる内視鏡を具備する内視鏡装置において、
前記対物レンズ群によって、前記被写体の表面を等倍で観察する通常観察と、前記被写体の表面を拡大して観察する拡大観察と、前記被写体の組織内を観察する超拡大観察とが行える位置に、前記移動レンズを前記光軸方向に対して移動させる移動部材と、
前記移動部材の移動量を、操作量によって調整する操作部材と、
前記操作部材の一定の前記操作量にて、前記移動部材によって、前記拡大観察から前記超拡大観察までの第2の領域内に対し前記移動レンズが移動できる第2の移動量が、前記通常観察から前記拡大観察までの第1の領域内に対し前記移動レンズが移動できる第1の移動量よりも多くなるよう調整する調整部材と、
前記調整部材を駆動制御する制御部と、
を具備したことを特徴とする内視鏡装置。
(26)前記調整部材は、前記移動部材を前記光軸方向に移動させる、前記操作部材の操作入力によって前記移動部材の前記移動量を電気的に制御できるアクチュエータであり、
前記制御部は、前記第1の領域内において前記移動レンズが前記第1の移動量にて移動するとともに、前記第2の領域内において前記移動レンズが前記第2の移動量にて移動するよう前記アクチュエータへの電力供給制御用のデータを具備していることを特徴とする付記25に記載の内視鏡装置。
(27)前記移動部材は、電気的に制御できるアクチュエータにより移動され、
前記アクチュエータは、制御部によって制御され、
前記制御部は、前記操作部の入力をもとに、観察倍率に応じてあらかじめ決められた移動量で前記移動部材を移動するように構成されていることを特徴とする付記18または19に記載の内視鏡。
(28)被写体を観察する対物レンズ群における少なくとも1つのレンズが、前記対物レンズ群の光軸方向に対して移動自在な移動レンズであり、
該移動レンズを移動することにより、前記対物レンズ群の観察倍率を変化させ、
生体組織内の細胞核等を観察する超拡大観察と、組織の表面の微細な凹凸や毛細血管の走行を観察する拡大観察と、拡大観察より低倍な通常観察とを行う内視鏡において、
前記移動レンズを前記光軸方向に対して移動させる移動部材と、
前記移動部材を駆動する駆動部材と、
前記駆動部材を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記操作部の操作量に基き、観察倍率に応じて、レンズ移動量を調整することを特徴とする内視鏡。
(29)前記通常観察から前記拡大観察までの前記第1の領域と前記拡大観察から前記超拡大観察までの前記第2の領域内では、前記第2の領域内の方が前記移動レンズの移動量もしくは移動速度が大きいことを特徴とする付記18に記載の内視鏡。
第1実施の形態を示す内視鏡装置の構成の概略を示す図。 図1の内視鏡装置における内視鏡の挿入部の先端部の先端面を示す平面図。 図2中のIII-III線に沿う内視鏡の挿入部の先端部の部分断面図。 図1の操作部内の構成を概略的に示す図。 図4のカムを用いた場合のズームレバー回動操作角度の可変量に対する移動レンズの移動量を示す図表。 図4のカムを用いた場合のズームレバー回動操作角度の可変量に対する拡大倍率の変化を示す図表。 図5、図6の図表に示す関係を満たすカムの形状を示す図。 図4中のVIII-VIII線に沿う操作部の断面図。 図4のクリック機構を拡大して示す図。 図1の操作部におけるズームレバー周辺を示す図。 図10のズームレバーのガイド溝の形状の変形例を示す図。 図10のズームレバーのガイド溝の形状の他の変形例を示す図。 第2実施の形態を示す内視鏡における撮像装置の構成を示す部分断面図。 図14は、図13の内視鏡の操作部内の構成の概略を示す図。 ポテンショメータの回動角度の可変量に対する移動レンズの移動量を示す図表。 ポテンショメータの回動角度の可変量に対する送りネジの回転角速度を示す図表。 本実施の形態における制御部のサーボモータに対する制御方法を示すフローチャート。 図2中のXVIII-XVIII線に沿う内視鏡の挿入部の先端部の断面図。 ECS観察を行う場合の制御部の光源装置への制御動作を示すフローチャート。 図3の挿入部の先端部の構成の変形例を示す断面図。 ノズルよりも対物レンズが光軸方向の後端側に位置するよう、対物光学系ユニットを光軸方向に移動させた状態を概略的に示す図。 ノズルよりも対物レンズが光軸方向の先端側に位置するよう、対物光学系ユニットを光軸方向に移動させた状態を概略的に示す図。 従来の前群レンズ枠に対して前群レンズが固定された状態を示す断面図。 本構成の前群レンズ枠に対して凸レンズを治具で組み付けた状態を示す断面図。 図24中のIIXV-IIXV線に沿う断面図。 図24の前群レンズ枠に対して、全ての前群レンズが固定された状態を示す断面図。 従来のズームレバー回動操作角度の可変量に対する移動レンズの移動量を示す図表。 従来のズームレバー回動操作角度の可変量に対する拡大倍率の変化を示す図表。
符号の説明
1…内視鏡装置
2…内視鏡
4t…制御部
101…対物レンズ群
113a…移動レンズ
114…牽引ワイヤ
115…ロッド棒
120…カム
120g…カムの外周面
120g1…第1の面
120g2…第2の面
127…サーボモータ
129…送りネジ
300…ズームレバー
301…ズームレバー
K…光軸方向
Q1…第1の領域
Q2…第2の領域
R1…第1の回動位置
R2…第2の回動位置
V…回動可能範囲
V1…第1の回動可能範囲
V2…第2の回動可能範囲
Z1…第1の移動量
Z2…第2の移動量

Claims (3)

  1. 被写体を観察する対物レンズ群における少なくとも1つのレンズが、前記対物レンズ群の光軸方向に対して移動自在な移動レンズを構成することにより、前記対物レンズ群の観察倍率を可変できる内視鏡において、
    前記対物レンズ群によって、生体組織内の細胞核等を観察する超拡大観察と、組織の表面の微細な凹凸や毛細血管の走行を観察する拡大観察と、拡大観察より低倍な通常観察とが行える位置に、前記移動レンズを前記光軸方向に対して移動させる移動部材と、
    前記移動部材の移動量を、操作量によって調整する操作部材と、
    前記操作部材の一定の前記操作量にて、前記移動部材によって、前記拡大観察から前記超拡大観察までの第2の領域内に対し前記移動レンズが移動できる第2の移動量が、前記通常観察から前記拡大観察までの第1の領域内に対し前記移動レンズが移動できる第1の移動量よりも多くなるよう調整する調整部材と、
    を具備したことを特徴とする内視鏡。
  2. 前記調整部材により、前記移動部材の単位時間当たりの移動量もしくは、前記操作部材の単位操作量当たりの移動量を調整することを特徴とする請求項1に記載の内視鏡。
  3. 前記調整部材は、カム機構もしくはリンク機構により構成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡。
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