JP2009022168A - アリサイクロバチルス・アシドカルダリウス検出のためのプライマーおよびそれを用いた検出法 - Google Patents

アリサイクロバチルス・アシドカルダリウス検出のためのプライマーおよびそれを用いた検出法 Download PDF

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Abstract

【課題】食品や環境検体などにおいてアリサイクロバチルス・アシドカルダリウスを選択的、迅速かつ簡便に検出する方法を提供する。
【解決手段】LAMP法によりアリサイクロバチルス・アシドカルダリウスを検出するためのLAMPプライマーセットであって、アリサイクロバチルス・アシドカルダリウスのスクアレン−ホペン環化酵素(SHC)遺伝子の特定領域にアニーリング可能な少なくとも4種のLAMPプライマーのセットおよびこれらのLAMPプライマーセットを用いてアリサイクロバチルス・アシドカルダリウスを検出するための方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、アリサイクロバチルス・アシドカルダリウス(Alicyclobacillus acidocaldarius、以下、A. acidocaldariusと記載する)を選択的、迅速かつ簡便に検出する方法に関する。より具体的には、本発明はLAMP(loop-mediated isothermal amplification)法によりA. acidocaldariusのスクアレン−ホペン環化酵素(squalene-hopene cyclase)遺伝子(以下、SHC遺伝子と記載する)の増幅を検出することを含む、A. acidocaldariusの検出のための方法およびプライマーセットに関する。
耐熱性好酸性菌(アリサイクロバチルス属細菌;Alicyclobacillus属細菌)は土壌や温泉などから分離され、好気的に高温・酸性下で増殖する芽胞形成細菌である。土壌などに存在する耐熱性好酸性菌芽胞が果汁に混入した場合、製品中で発芽・増殖し、変敗事故を引き起こす可能性がある(非特許文献1;非特許文献2)。そのなかでも異臭物質グアイアコールを生成するアリサイクロバチルス・アシドテレストリス(Alicyclobacillus acidoterrestris、以下、A. acidoterrestrisと記載する)が汚染事故の原因菌として注目されている。
しかし、土壌や食品からの検出頻度はA. acidocaldariusが最も高く、環境に広く存在することが知られ(非特許文献3)、A. acidocaldariusを選択的、迅速かつ簡便に検出することは原料・製品の品質向上に役立つ。
耐熱性好酸性菌の検出・種の同定は増菌や分離培養を経て、温度差法やペルオキシダーゼ法により行う(非特許文献4)。これらの手法は結果を得るまでに時間を要することから、遺伝子解析手法を用いた方法が注目されている。例えば、一般に細菌の分類・同定に用いる16S rRNA遺伝子の配列比較による方法(特許文献1;非特許文献5)、近年細菌の分類・同定に注目されているgyrB(DNAジャイレースBサブユニット)遺伝子の特異的な領域によるPCR法(特許文献2)、あるいは16S rRNA遺伝子による耐熱性好酸性菌の特異的な領域によるreal-time PCR法(非特許文献6)、SHC遺伝子のA. acidocaldariusA. acidoterrestrisに特異的な領域によるreal-time PCR法(非特許文献7)などである。
しかし、シーケンス解析、PCRおよびreal-time PCR法による細菌の検出法は反応を行うために特別かつ高価な機器を必要とする。
近年、新しい遺伝子増幅法の一つとしてLAMP反応が栄研化学社(栃木)によって開発された。LAMP法は等温核酸増幅法であり、高い特異性および増幅効率を有し、反応から検出まで1時間程度で行うことができる(特許文献3;非特許文献8)。
LAMP法によるA. acidocaldariusの検出法はgyrB遺伝子について報告がある(非特許文献9)。しかし、一般に細菌の分類・同定に用いる遺伝子ではなく、細菌の生体内機能に関与する遺伝子の方がその細菌種に有意な特徴を有する場合があるため、本発明者は今回、A. acidocaldariusのSHC遺伝子に着目した。
特開平11−137259号 特開2006−223160号 特開2002−330796号 G.Cerny et al.,Z.Lebensm.Unters.Forsch.,179(3),224-227,1984 M.Niwa et al.,果汁協会報,9,31-42,1991 ILSI Japan 食品安全研究部会微生物分科会,好熱性好酸性菌 −Alicyclobacillus属細菌−,93-94,2004 社団法人日本果汁協会,果汁協会報,3,4-12,2003 K.Goto et al.,J. Gen. Appl. Microbiol., 48,243-250,2002 CJ.Connor et al.,Int.J.Food.Microbiol.,99(3),229-235,2005 H.Luo et al.,Lett.Appl.Microbiol., 39(4),376-382,2004 T.Notomi et al., Nucleic Acids Research, 28(12), e63,2000 A.Nishibori et al., Jpn. J. Food. Microbiol., 24(1), 34-38, 2007
本発明の目的は、LAMP法によってA. acidocaldariusを特異的に検出可能であるプライマーセットを提供することである。
本発明の別の目的は、上記プライマーセットを用いてA. acidocaldariusを特異的に検出する方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するため検討を行った結果、A. acidocaldariusのSHC遺伝子に選択的にハイブリダイズするオリゴヌクレオチドプライマーを作製し、このオリゴヌクレオチドをプライマーとしてLAMP法により増幅することにより、A. acidocaldariusを検体中から特異的、簡便、迅速かつ高感度に検出することを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、要約すると、以下の特徴を有する。
本発明は、第1の態様において、A. acidocaldarius検出用LAMPプライマーセットであって、A. acidocaldariusのSHC遺伝子の特定領域にアニーリング可能な配列番号1〜4に示されるそれぞれ塩基配列F3、B3、FIPおよびBIPからなる4種のプライマーを含むセットを提供する。
その実施形態において、上記プライマーセットは、配列番号1〜4の4種のプライマーに加えて、配列番号5に示される塩基配列Loop−Bのプライマーをさらに含むことができる。
本発明は、第2の態様において、A. acidocaldariusのSHC遺伝子の増幅をLAMP法によって検出することを含む、A. acidocaldariusの検出方法を提供する。
その実施形態において、LAMP法が、(i)上記の配列番号1〜4の4種のプライマーを含むLAMPプライマーセット、または(ii)配列番号1〜4の4種のプライマーに加えて、配列番号5のプライマーをさらに含むLAMPプライマーセットを用いて行われる。
本発明のA. acidocaldariusのSHC遺伝子増幅用プライマーセットはいずれも、LAMP法によりA. acidocaldariusを特異的に検出可能である(後述の表1)。種々の細菌株について試験した結果、本発明のプライマーセットによってそのすべてのA. acidocaldarius株が陽性に検出された。一方、他のAlicyclobacillus属細菌種および他の属の細菌に対してはいずれも陰性の結果が得られた。
本発明により、A. acidocaldariusを特異的、簡便、迅速かつ高感度に検出することができる。
A. acidocaldariusのSHC遺伝子の塩基配列を他のAlicyclobacillus属細菌と比較し、A. acidocaldariusに特異的な配列を特定し、本発明のLAMPプライマーを設計した。この細菌のSHC遺伝子の塩基配列は、例えばGenBank(米国NCBI)から入手可能であり、M73834の登録番号を有している。
A. acidocaldariusのSHC遺伝子の特定領域にアニーリング可能な領域として決定された塩基配列はそれぞれ、配列番号1〜4、5に示される塩基配列である。
これらの配列のプライマーセットを用いてLAMP法を実施するときには、 A. acidocaldariusを他のAlicyclobacillus属細菌種または他の属の細菌から区別して(すなわち特異的に)検出することができる。
したがって、本発明のA. acidocaldarius検出用LAMPプライマーセットは、A. acidocaldariusのSHC遺伝子上の他の細菌とは異なる塩基配列が存在している領域を利用し、これを標的としたプライマー4種類(F3、B3、FIPおよびBIP)を用いるプライマーセットである。また、核酸の増幅反応を加速するために1種類(Loop−B)のプライマーを追加した、合計5種類のプライマーで1セットとしてもよい。
LAMP法は、標的遺伝子の6つの領域に対して4つのプライマー(一般にFIP、BIP、F3およびB3と称する)を設定し、鎖置換反応を利用して等温で核酸を増幅させることが可能な手法である(特開2002−330796号;T. Notomi et al., Nucleic Acids Research,28(12),e63,2000)。この手法について以下に説明する。
まず、標的遺伝子について、3’末端側からF3c、F2c、F1cという3つの領域を、標的遺伝子の5’末端側に向かってB1、B2、B3という領域をそれぞれ規定し、この6領域に対し、4種類のプライマー、すなわちFIP、F3、BIPおよびB3を設計する。ここで、F3c、F2c、F1cの各領域に相補的な領域はそれぞれF3、F2、F1であり、またB1、B2、B3の各領域に相補的な領域はそれぞれB1c、B2c、B3cである。
FIPは、標的遺伝子のF2c領域と相補的なF2領域を3’末端側にもち、5’末端側に標的遺伝子のF1c領域と同じ配列をもつように設計されたプライマーである。必要ならば、FIPプライマーのF1cとF2の間に制限酵素部位を導入することもできる。
F3は、標的遺伝子のF3c領域と相補的なF3領域をもつように設計されたプライマーである。
BIPは、標的遺伝子のB2c領域と相補的なB2領域を3’末端側にもち、5’末端側に標的遺伝子のB1c領域と同じ配列をもつように設計されたプライマーである。必要ならば、BIPプライマーのB1cとB2の間に制限酵素部位を導入することもできる。
B3は、標的遺伝子のB3c領域と相補的なB3領域をもつように設計されたプライマーである。
FIPおよびBIPプライマーに制限酵素部位が含まれる場合、反応後に増幅産物を制限酵素で処理することによって、電気泳動後に1つのバンドとして観察することができる。この場合、もし標的DNAに制限酵素部位があれば、プライマーに人為的に制限酵素部位を導入しなくてもよい。
また、Loop−Bプライマーを使用するときには、これらのプライマーが核酸増幅過程で利用されていないループ部分に結合することにより全てのループ部分を起点として核酸反応が進み、核酸の増幅反応が加速される(特開2002−345499号)。
LAMP反応は、サンプル遺伝子、プライマー、鎖置換型DNA合成酵素、基質等を一緒に一定温度(約60〜65℃)で保温することにより、検出まで1ステップの工程で行うことができる。
この反応では鎖置換型DNA合成酵素が使用されるが、この酵素は、PCR法における耐熱性DNAポリメラーゼと異なり安価であるうえに、鋳型DNAの二本鎖をほどきながらDNA合成を行うことができる。酵素の例は、BstDNAポリメラーゼ、Bca(exo-)DNAポリメラーゼ、Vent(Exo-)DNAポリメラーゼなどである。このため、LAMP法では、PCR法のようにあらかじめ二本鎖DNAを一本鎖に熱変性する必要がない。
LAMP反応試薬は、栄研化学社から市販のLoopamp DNA増幅試薬キット(但し、プライマーセットを除く)を利用すると便利である。具体的には、反応液の例は次のとおりである。2倍濃度反応用緩衝液:40mM Tris-HCl(pH8.8)、20mM KCl、20mM(NH4)2SO4、16mM MgSO4、0.2% Tween20、1.6M Betain、各終濃度2.8mMのdATP、dCTP、dGTP、dTTP;DNAポリメラーゼ:Bst DNA Polymerase 8units/μl;本発明の各プライマーの終濃度、FIPおよびBIP:40μM、F3およびB3:5μM、Loop-B:20μM。
LAMP反応液としては、例えば、滅菌蒸留水を4.5μl、2倍濃度反応用緩衝液を12.5μl、FIP、BIP、F3、B3、Loop−Bの各プライマーを1μl加え、DNAポリメラーゼ1μl、検体液(鋳型DNA)2μlを加え、全量25μlの反応液を調製する。
反応は、次のような工程を経て行われる。
(i) 鎖置換型DNAポリメラーゼの働きにより、FIPのF2領域の3’末端を起点として鋳型DNAと相補的なDNA鎖が合成される。
(ii) FIPの外側に、F3プライマーがアニールし、その3’末端を起点として鎖置換型DNAポリメラーゼの働きによって、先に合成されているFIPからのDNA鎖を剥がしながらDNA合成が伸長する。
(iii)F3プライマーから合成されたDNA鎖と鋳型DNAが二本鎖となる。
(iv) FIPから先に合成されたDNA鎖は、F3プライマーからのDNA鎖によって剥がされて一本鎖DNAとなるが、このDNA鎖は、5’末端側に相補的な領域F1c、F1をもち、自己アニールを起こし、ループを形成する。
(v) 上記(iv)の過程でループを形成したDNA鎖に対し、BIPがアニールし、このBIPの3’末端を起点として相補的なDNA合成が行われる。さらに、BIPの外側にB3プライマーがアニールし、その3’末端を起点として鎖置換型DNAポリメラーゼの働きによって、先に合成されたBIPからのDNA鎖を剥がしながらDNA合成が伸長する。
(vi) 上記(v)の過程で二本鎖DNAが形成される。
(vii)上記(v)の過程で剥がされたBIPから合成されたDNA鎖は両端に相補的な配列を持つため、自己アニールし、ループを形成してダンベル様の構造となる。
(viii)上記ダンベル構造のDNA鎖を起点として、FIP次いでBIPのアニーリングを介して所望DNAの増幅サイクルが行われる。
本発明の各プライマーセットは、約60〜65℃(例えば65℃)においてアニーリングと同時にDNA鎖の合成も起こす。アニーリング反応およびDNA鎖合成により約1時間反応を行うことにより10〜1010倍に核酸を増幅させることが可能である。
A. acidocaldariusの特定のDNA領域が増幅されると、副産物として形成されるピロリン酸マグネシウムの影響で反応液が白濁するため、この濁度に基づき増幅の有無が目視により判定できる、あるいは濁度測定装置を用いて濁度を光学的に測定することもできる。また、必要に応じて、アガロースゲル電気泳動法などを利用してDNA断片の有無を確認し検出することもできる。
核酸増幅によるA. acidocaldariusの同定のための検体としては、食品検体、例えば果実飲料、酸性飲料、野菜加工食品など、また環境検体、例えば土壌、水などでもよい。
これら検体をLAMP法の試料として用いる場合には、検体中に存在する菌の濃縮、分離、菌体からの核酸分離や、核酸の濃縮などの操作を前処理として行うこともできる。菌の濃縮、分離の方法としては、ろ過、遠心分離などが知られており、適宜選択できる。食品検体や環境検体などに存在する菌体からの核酸の遊離には、例えばLysozymeやProteinase Kなどによって菌体を処理し、100℃での加熱により菌体から核酸を遊離させる方法もある。また、特に食品検体によってはさらなる精製の必要があれば、フェノール/クロロホルム処理、エタノール沈殿や遠心等により核酸の精製を行い、最終的にTE緩衝液などに再溶解させ鋳型DNAとして試験に供してもよい(J. Appl. Bacteriol.,70, 121-126,1991;J. Clin. Pathol., 49,861-863,1996)。
例えば食品中に存在すると考えられるA. acidocaldariusをYSG液体培地(酵母エキス0.2%、グルコース0.1%、可溶性デンプン0.2%、pH3.7±0.1)で増菌培養し、YSG寒天培地(YSG液体培地に寒天1.5%添加)上に形成されたコロニーからDNAを分離し、このDNAに対して上記プライマーを用いたLAMP反応を行い、A. acidocaldariusの特定遺伝子領域を増幅する。
増幅反応により副産物として形成されるピロリン酸マグネシウムの影響により反応液は、上述のとおり、白濁するので、反応液の濁度を目視または濁度測定装置などを用いた光学的手法により核酸増幅の有無を簡単に確認できる。もしSHC遺伝子の特定領域の核酸増幅が観察されるならば、標的遺伝子が存在することを意味し、結果としてA. acidocaldarius陽性(+)を表す。逆に、核酸増幅が観察されない場合には、標的遺伝子が不存在であることを意味し、結果としてA. acidocaldarius陰性(−)を表す。
上で説明したように、本発明により、SHC遺伝子に由来する特定遺伝子領域、すなわち配列番号6の塩基配列中、配列番号約1020〜約1320の領域内、好ましくは約1062〜約1298の領域内を増幅する配列番号1〜4、および適宜追加して実施可能な配列番号5に示される塩基配列からなるプライマーセットをLAMPプライマーセットとして用いることによって、A. acidocaldariusを特異的に検出することができる。ここで、「特異的に」とは、検出反応が他のAlicyclobacillus属細菌種および他の属の細菌に対して陰性であることを意味する。
本発明のLAMP法によるA. acidocaldariusの検出法は、食品や環境などの検査対象物から分離されたAlicyclobacillus属細菌の種を迅速に判別することができる検査法として用いることができる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
1.LAMP反応
LAMP反応に用いる各試薬の濃度の内容は次のとおりであるが、LAMP反応試薬は栄研化学社製のLoopamp DNA増幅試薬キットを用いた。2倍濃度反応用緩衝液:40mM Tris-HCl(pH8.8)、20mM KCl、20mM(NH4)2SO4、16mM MgSO4、0.2% Tween20、1.6M Betain。各終濃度2.8mMのdATP、dCTP、dGTP、dTTP。DNAポリメラーゼ:Bst DNA Polymerase 8units/μl。本発明の各プライマーの終濃度、FIP、BIP:各40μM、F3、B3:各5μM、Loop−B:20μM。(栄研化学社、DNA増幅試薬キット添付説明書参照)
LAMP反応液は、滅菌蒸留水を4.5μl、2倍濃度反応用緩衝液を12.5μl、FIP、BIP、F3、B3、Loop−Bの各プライマーを1μl加え、DNAポリメラーゼ1μl、上記より得られた検体液(鋳型DNA)2μlを加え、全量25μlの反応液を調製した。
LAMP反応は、テラメックス社製の濁度測定装置LA−200Fを用い、65℃の等温反応を60分間行い、その後80℃、2分間の酵素失活処理を行った。濁度測定装置は、LAMP反応の副産物であるピロリン酸マグネシウムによる白濁を経時的に観察することが可能で、濁度が上昇するものをA. acidocaldarius陽性、濁度の上昇が認められないものを陰性とした。
2.プライマーの設計
A. acidocaldariusのSHC遺伝子と他のAlicyclobacillus属細菌の塩基配列とを比較し、A. acidocaldariusに特異的なLAMPプライマーを設計した。配列番号6に示すA. acidocaldariusのSHC遺伝子の塩基配列のうち、塩基番号1062〜1298で表される塩基配列の領域をLAMPプライマーの設計に用いた。
3.結果
配列番号1〜4(それぞれF3、B3、FIPおよびBIP)および追加可能な配列番号5(Loop−B)によるプライマーセットは、SHC遺伝子の特定領域を増幅するように設計してある。実際に表1に示したA. acidocaldarius 7株、およびその他のAlicyclobacillus属細菌を用いてLAMP反応を行った結果、A. acidocaldariusのみに、増幅反応の副産物であるピロリン酸マグネシウムの白濁が観察された。また、その他細菌でも交差性は見られなかった。結果を表1に示した。
Figure 2009022168
表1に示されるように、本発明においてSHC遺伝子増幅用プライマーセットを使用してLAMP法を実施することにより、A. acidocaldariusを特異的に検出することが可能であり、また1時間以内に増幅反応を確認することができた。
このことから、SHC遺伝子増幅用プライマーセットは、A. acidocaldariusを特異的に検出するためのプライマーとして有効であると判断された。
本発明のLAMP法によるA. acidocaldariusの検出法は、食品や環境検体などの検査対象物に存在するA. acidocaldariusの有無を迅速にかつ特異的に判別することができる検査法として用いることができるため、果実飲料、酸性飲料、野菜加工食品などでのA. acidocaldariusの汚染の検出に有用である。

Claims (4)

  1. アリサイクロバチルス・アシドカルダリウス検出用LAMPプライマーセットであって、アリサイクロバチルス・アシドカルダリウスのスクアレン−ホペン環化酵素(SHC)遺伝子の特定領域にアニーリング可能な配列番号1〜4に示されるそれぞれ塩基配列F3、B3、FIPおよびBIPからなる4種のプライマーを含むセット。
  2. 配列番号5に示される塩基配列Loop−Bのプライマーをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載のLAMPプライマーセット。
  3. アリサイクロバチルス・アシドカルダリウスのSHC遺伝子の増幅をLAMP法によって検出することを含む、アリサイクロバチルス・アシドカルダリウス の検出方法。
  4. LAMP法が請求項1または2に記載のLAMPプライマーセットを用いて行われることを特徴とする、請求項3に記載の方法。
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