JP2009021260A - 非水系リチウム二次電池用正極活物質およびこの活物質を用いた正極、並びに非水系リチウム二次電池 - Google Patents

非水系リチウム二次電池用正極活物質およびこの活物質を用いた正極、並びに非水系リチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 Liと遷移金属の複合酸化物を正極に用いる非水系リチウム二次電池の正電極の放電容量を従来のものより大きくする。
【解決手段】 負極と、リチウム及び遷移金属からなる複合酸化物を正極活物質として塗布成形した正極と、その間にセパレータを配し、非水電解質を充填したリチウム二次電池の正極活物質であって、この正極活物質は、遷移金属化合物とリチウム化合物と水とを所定割合で混合してスラリーを作製し、このスラリーを4流体ノズルを備えた噴霧乾燥装置を用いて噴霧乾燥し、焼成することにより得られた球状粒子であって、前記球状粒子の平均粒径が1〜20μmで、且つ最大粒径が50μm以下である非水系リチウム二次電池用正極活物質である。
【選択図】図2

Description

本発明は、非水系リチウム二次電池の正極活物質に関し、この正極活物質の充填性改善と二次電池の小型化・薄型化に関するものである。
リチウム二次電池は、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池に比べて、エネルギー密度が高く、携帯端末の分野で急速に普及している。また、EVや電力貯蔵の分野でも期待されている。リチウム二次電池は正極、負極およびセパレータを容器内に配置し、有機溶媒による非水電解液を充填して構成されている。正極活物質はアルミニウム箔等の集電体に正極活物質を塗布し加圧成形したものである。正極活物質としてはコバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、スピネル型マンガン酸リチウム(LiMn2O4)などに代表されるようなリチウムと遷移金属の複合酸化物(以下、リチウム遷移金属酸化物と言う。)の粉体が主として用いられている。これら正極活物質の合成は一般にリチウム化合物(Li2CO3 等)粉末と遷移金属化合物(MnO2, Co3O, NiO等)粉末を混合し、焼成してリチウム遷移金属酸化物とする方法が広く採用されている。正極活物質を集電体に塗布するには、正極活物質に重量比で数%〜数十%程度の炭素粉を混ぜ、さらにPVDF(ポリフッ化ビリニデン)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等の結着材と混練してペースト状にして集電体箔上に厚み20μm〜100μmに塗布、乾燥、プレス工程を経て正電極が作られている。
これら正極活物質は、電気伝導率が10-1〜10-6S/cm2で一般の導体と比べ低く、アルミニウム集電体と正極活物質間の電気伝導度および電気的接触状況は、電池のサイクル特性、放電レート特性に大きな影響を与える。そこで、アルミニウム集電体と正極活物質間もしくは活物質相互間の電気伝導率を更に高めるように、正極活物質よりも電気伝導率の高い炭素粉等の導電助材が使用される。従来のコバルト酸リチウムやスピネル型マンガン酸リチウム正極活物質を集電体箔に塗布形成した後の正極活物質の粒形態を見ると、粒径はサブミクロンオーダーの一次粒子が凝集した二次粒子から成っている。通常、その粒形態は様々な大きさと形状を持ち、さらに凝集の仕方のバラツキにより二次粒子径も0.1μm〜100μm程度のバラツキがありその分布にも均一性が見られなかった。そして、正極活物質としては、専ら粉砕して粒径を細かくし比表面積を大きくした状態で、電極表面に塗布するなどの試みがなされている。
特開2000−223118号 公報
以上述べた従来技術において、通常の方法で合成されたコバルト酸リチウムやスピネル型マンガン酸リチウム等の正極活物質粒子は、粒子径がサブミクロンオーダーの一次粒子が凝集した二次粒子から構成されている。このため二次粒子の粒度分布に広がりを持っており、粒子形状もさまざまで一定しない。このような正極活物質は導電助材、結着材と混練してアルミニウム電極上に塗布された場合、導電助材間との良好な接触を得るのが難しい。そのため、充放電サイクルが進行するに従い、正極活物質自身が導電助剤や集電体に対し電気的に接触不良をおこし容量劣化の原因となる。また、電池の容量は、電池内にどれだけ上記正極材粉末を充填させるかによっても大きく左右される。前記のように粒子形状が一定しない粉末は、粒子間の摩擦抵抗が大きく、流動性に著しく乏しい。そのため、電池内へ充填させた場合、もしくは集電体に塗布、プレスした場合、充填性が悪く、高容量電池を作成する場合の障害となっている。
上記問題に対し、これまで本願発明者らは特開2000−223118号公報に示されたようにディスク式スプレードライヤを用いて噴霧乾燥する方法を検討してきた。この方法は、原料と水の混合物であるスラリーを回転する円盤(ディスク)上に滴下することにより微粒化し、これを乾燥室にて乾燥するため、平均粒径が30〜150μm程度の球状粒子が得ることが出来る。
しかしながら、ディスク式スプレードライヤを用いた場合、20μm以下の球状粒子を製造することは難しく、特に10μm以下の球状粒子を製造することは不可能であった。また、仮に製造できたとしても、収率が低いなどの量産性に乏しい条件でしか製造できなかった。
そこで本発明の目的は、20μm以下の球状粒子を製造することを可能となし、正極活物質の電池内への充填性を改善し、電池容量を向上させることである。この点で本発明で使用する4流体ノズルを用いた噴霧乾燥方法は、20μm以下の球状粒子を製造する上で、生産性、コスト面で有効な球状化方法である。
本発明の非水系リチウム二次電池用正極活物質は、負極と、リチウム及び遷移金属からなる複合酸化物を正極活物質として塗布成形した正極と、その間にセパレータを配し、非水電解質を充填したリチウム二次電池の正極活物質であって、この正極活物質は、遷移金属化合物とリチウム化合物と水とを所定割合で混合してスラリーを作製し、このスラリーを4流体ノズルを備えた噴霧乾燥装置を用いて噴霧乾燥し、焼成することにより得られた球状粒子であって、前記球状粒子の平均粒径が1〜20μmで、且つ最大粒径が50μm以下であることを特徴とする。
前記4流体ノズルを用いた噴霧乾燥は、噴霧ガスの圧力は0.1〜10MPa、乾燥温度は100〜350℃で行うことが望ましい。噴霧ガスの圧力が0.1MPa未満の場合、スラリーを十分に微粒化できなくなり、また10MPaを超える場合、装置が大型となり実用的でない。乾燥温度が100℃未満の場合、乾燥が不十分であり、また350℃を越える場合、添加するバインダーが分解してしまう。
また、前記焼成は、大気あるいは酸素雰囲気中で、温度800〜1100℃で行うことが望ましい。800℃未満の温度で焼成する場合、焼結がほとんど進行せず、また1100℃を超える温度で焼成する場合、粒子同士がくっついて解砕できなくなる。なおスピネル型マンガン酸リチウムの場合、焼成を900℃以上で行うと、結晶格子に歪を生じてサイクル特性が劣化するため、500〜700℃で熱処理を行うことが望ましい。
また、本発明の非水系リチウム二次電池用正極活物質は、前記球状粒子の平均粒径は1〜20μmであり、最大粒径が50μm以下であることを特徴とする。このとき、前記球状粒子の粒径の粒度分布は複数のピーク、好ましくは2つのピ−クを持ち、さらにその2つのピークの粒径比は2以上であることが望ましい。さらに望ましくは粒径比が6〜7である。
これら本発明により合成された正極材は、4流体ノズルを用いて噴霧乾燥により平均粒径が1〜20μmの球状粒子となっている。従来技術で製造した正極材に比べ、粒子間の摩擦抵抗が小さく流動性に優れるため、電極上に塗布した場合、むらなく均一に塗布できる。また、20μm以下の薄型の正電極の製造も可能である。加えて粒度分布が2つのピ−クを持っていると、粒子間の隙間にも小さい粒子が充填されていき、更に密に充填される。このため電池内へ充填できる正極材の量を大きくすることが可能であり、電池として高容量を得ることが可能となった。また、正極の充填率が高いと、正極粒子間、導電助剤との接触性が良くなり、電気的な接触状態も良好になるため、サイクル特性も良好となる。
本発明におけるリチウム遷移金属酸化物は、非水系リチウム二次電池用正極活物質として有用なもので、遷移金属化合物がコバルト化合物、ニッケル化合物、マンガン化合物から選ばれる化合物である。例えばスピネル型マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウムが適当である。コバルト酸リチウムを正極活物質として用いた場合その二次電池の充放電特性が特に大きくなり、安価なマンガンを用いているスピネル型マンガン酸リチウムを正極活物質として用いた場合でも従来に比して大きな充放電特性が得られる。
そして、本発明は、上記した正極活物質と、導電助材と、結着剤を混合したスラリー状の合材とし、この合材を集電体上に塗布し、乾燥後に所定の圧力でプレスしてなることを特徴とする非水系リチウム二次電池用正極である。
また、本発明は、集電体に正極活物質を塗布成形してなる正極と、負極およびセパレータを容器内に配置し、有機溶媒による非水電解液を満たして構成される非水系リチウム二次電池であって、上記の正極を用いて構成されたことを特徴とする非水系リチウム二次電池である。
本発明によれば、充填性の優れた高容量で、駆動用電源として好ましい非水系リチウム二次電池用の正極活物質及びそれを用いた正極、非水系リチウム二次電池を提供することが出来る。
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
先ず、本発明による非水系リチウム二次電池用正極活物質は、図1のフローチャートに従って製造される。
まず工程1で原料として、焼成によって酸化物となる遷移金属、例えばコバルト、ニッケル、マンガンの化合物(例えばCo3O4,CoO, Co(OH)2,NiO, MnO2, Mn3O4,Mn2O3, MnCO3,)と、焼成によって酸化物となるリチウム化合物(例えばLi2CO3, LiOH,LiCl)とを所定の割合で混合する。
これらの粉末を工程2で水を加えて樹脂でコートしたボールを使ってボールミル中で例えば50時間混合しスラリーを作製する。原料には必要により添加元素として充放電特性を改善するためにCr, Al, Co, Ni,Mo,Wの酸化物などを加えることもできる。またスラリーにはPVA溶液を固形分に換算して1wt%前後添加することが好ましい。
工程3でスラリーをスプレードライヤで噴霧乾燥させて平均粒径1〜20μmの球状粒子を作製する。噴霧乾燥とは、微粒化装置を用いて乾燥室に微粒化したスラリーを供給し、乾燥させて球状粒子を得る方法である。ここで微粒子を作製する方法としては、ディスク式、加圧ノズル式、2流体ノズル式の3種類の方法が従来用いられてきたが、これらの方法では一般に30μm以上の球状粒子しか製造できなかった。しかしながら、以下で説明する4流体ノズルを用いれば1〜20μmの球状粒子が製造可能であることが判った。
次に工程4で焼成する。この焼成によって用いた原料が酸化物となって、スピネル型マンガン酸リチウム、コバルト酸リチウムなどリチウム遷移金属酸化物となる。焼成は大気中や酸素中800℃〜1100℃で10分から24時間行う。この焼成は2回以上行っても良い。
そして焼成後の粒子の粒子径を調整する場合には、工程5においてライカイ機などで解砕し、さらに工程6にて篩い分けを行う。
本発明のリチウム遷移金属酸化物からなる正極活物質はその粒度分布が2つのピ−クを持つことが望ましい。さらに望ましいのは、粒度分布の2つのピ−クの粒径比が2以上である。このように粒度分布に2つのピ−クを持たせるためには、粒度の異なる2種類の粉を用意し混合することで実施できる。例えば、平均粒径20μmの粉と平均粒径3μmの粉を約1:1の割合で混ぜれば2つの望ましいピークが得られる。
さて、図1のフローチャートにおける噴霧乾燥は、例えば図2および図3に示すような4流体ノズルおよび噴霧乾燥装置を用いることができる。図3の4流体ノズルは、原料と液体(例えば、水)の混合物に、ノズル先端部分で気体(例えば、空気)を衝突させて霧状に微粒化する装置である。この4流体ノズルは、2つの液体路と2つの気体路から出た流体が1点で衝突するため、20μm以下の微粒化が可能である。また、図2の噴霧乾燥装置は、4流体ノズルで微粒化した液滴を乾燥室で熱風に接触させ、瞬時に乾燥する装置である。このため、4流体ノズルで作製した微粒子をそのまま乾燥でき、20μm以下の球状粒子得ることができる。
このようにして得られた球状化された正極活物質であると粒子間の摩擦が軽減され、また粒度分布が2つのピ−クを持っているような粒径となっていると、集電体箔上に塗布するとき粒子と粒子の間に粒子が入り込みやすく充填性が高くなる。また、まんべんなく均一な厚さに塗布できる。
本発明による正極活物質の特性評価は以下の手順で行った。まず、レーザー回折式粒度分布計にて、正極材の平均粒径および粒度分布を測定した。次に正極材、導電助材(炭素粉)、結着剤(8wt%PVdF/NMP)を重量比で85:10:5の割合でメノウ鉢にて混練しスラリ−状の合材とした。得られた合材を厚さ2μmの集電体(Al箔)上に約200μm厚に塗布した。この時、電極の塗布状態を目視にて確認した。塗布した合材は乾燥後、所定の寸法(巾10mm、長さはおよそ50mm)に切断し金型を用いて1.5×104ton/m2の圧力でプレスした。このときの塗布厚と、単位面積あたりの重量から、電極密度を測定した。得られた正極は十分に電解液(エチレンカ−ボネ−ト:ジメチルカ−ボネ−ト=1:2、電解質1M-LiPF)に浸潤した後、セパレータ(25mm厚ポリエチレン)、金属リチウム対極、試験用電池とした。セルが電気化学的に平衡になるように数時間程度放置してから、充放電測定装置に接続し、電池の放電容量の測定を行った。
以下、正極活物質としてコバルト酸リチウムを用いた実施例について説明する。
(実施例1):
図1に従い、Li:Co=1:1となるように炭酸リチウムと酸化コバルトを秤量し、これに水を加えてボ−ルミルで混合してスラリーを作製した。このスラリーにPVA溶液を添加した後、4流体ノズルを備えた噴霧乾燥装置を用いて、噴霧エアー圧力0.2MPa、乾燥温度200℃で噴霧乾燥し、球状粒子を得た。得られた球状粒子を電気炉中で950℃で焼成し、ライカイ機にて解砕を行い、平均粒径18μmの球状Li-Co複合酸化物粒子を合成した。
(実施例2):
実施例1と同様に操作して得た球状粒子を、1000℃で焼成し解砕を行い平均粒径16μmの球状Li-Co複合酸化物粒子を合成した。
(実施例3):
実施例1と同様に操作して得た球状粒子を、1050℃で焼成し解砕を行い平均粒径15μmの球状Li-Co複合酸化物粒子を合成した。
(比較例1):
実施例1と同様に操作して得た球状粒子を、600℃で焼成し解砕を行ったところ平均粒径4μmの不定形のLi-Co複合酸化物粒子を合成した。
(比較例2):
実施例1と同様に操作して得た球状粒子を、1200℃で焼成し解砕を行ったところ平均粒径54μmの不定形のLi-Co複合酸化物粒子を合成した。
(実施例4):
図1に従い、Li:Co=1:1となるように炭酸リチウムと酸化コバルトを秤量し、これに水を加えてボ−ルミルで混合してスラリーを作製した。このスラリーにPVA溶液を添加した後、4流体ノズルを備えた噴霧乾燥装置を用いて、噴霧エアー圧力0.7MPa、乾燥温度200℃で噴霧乾燥し、球状粒子を得た。得られた球状粒子を電気炉中で950℃で焼成し、ライカイ機にて解砕を行い、平均粒径7μmの球状Li-Co複合酸化物粒子を合成した。
次に、粒度分布に2つのピ−クを持たせる効果について検討した。
(実施例5):
図1に従い、Li:Co=1:1となるように炭酸リチウムと酸化コバルトを秤量し、これに水を加えてボ−ルミルで混合してスラリーを作製した。このスラリーにPVA溶液を添加した後、4流体ノズルを備えた噴霧乾燥装置を用いて、噴霧エアー圧力0.2MPa、乾燥温度200℃で噴霧乾燥し、球状粒子を得た。得られた球状粒子を電気炉中で950℃で焼成した後、粉砕を行い、平均粒径3μmの不定形のLi-Co複合酸化物粒子を合成した。これに、実施例1で合成した平均粒径18μmの球状Li-Co複合酸化物粒子を1:1の割合で混ぜた。
(比較例3):
Li:Co=1:1となるように炭酸リチウムと酸化コバルトを秤量し、これに水を加えてボ−ルミルで混合してスラリーを作製した。このスラリーにPVA溶液を添加した後、ディスク式スプレードライヤを用いて、乾燥温度200℃で噴霧乾燥し、球状粒子を得た。得られた球状粒子を電気炉中で950℃で焼成し、ライカイ機にて解砕を行い、平均粒径31μmの球状Li-Co複合酸化物粒子を合成した。
以上の実施例および比較例について特性評価を行った結果を表1に示す。
また、図4に実施例1、4、5と比較例3における粒度分布を示す。
表1より、本発明の製造条件に沿って製造した球状粉体によれば、電極の塗布状態と電極密度及び放電容量において好ましい結果を得ることが出来た。これに対して、焼成温度が800℃未満になると、反応不足のため解砕時に球状粒子が破壊されて粒径が小さくなり電極密度や放電容量が低下する結果となった。また、焼成温度が1100℃を超えると、反応過剰となって球状粒子同士がくっついて粒径が大きくなり、塗布時に電極に凹凸が出来たり、放電容量の低下が起こることが分かった。
また、比較例3のようにディスク式噴霧乾燥装置を用いた場合は、球状粒子の平均粒径が31μmとなり、塗布時に電極に凹凸が出来たり、電極密度や放電容量が低下した。
なお、実施例5では約4μmと約20μm付近ではっきりと2つのピークが現れており、塗布状況が良好でかつ他の例に比べ電極密度と放電容量が高い結果が得られた。
次に、正極活物質としてスピネル型マンガン酸リチウムを用いた本発明の他の実施例について説明する。
(実施例6):
図1に従い、Li:Mn=1:1.73となるように炭酸リチウムと二酸化マンガンを秤量し、これに水を加えてボ−ルミルで混合してスラリーを作製した。このスラリーにPVA溶液を添加した後、4流体ノズルを備えた噴霧乾燥装置を用いて、噴霧エアー圧力0.2MPa、乾燥温度200℃で噴霧乾燥し、球状粒子を得た。得られた球状粒子を電気炉中で950℃で焼成し600℃で熱処理した後、ライカイ機にて解砕を行い、平均粒径20μmの球状Li-Mn複合酸化物粒子を合成した。
(実施例7):
実施例6と同様に操作して得た球状粒子を、1000℃で焼成し600℃で熱処理した後、解砕を行い平均粒径18μmの球状Li-Mn複合酸化物粒子を合成した。
(実施例8):
実施例6と同様に操作して得た球状粒子を、1050℃で焼成し600℃で熱処理した後、解砕を行い平均粒径17μmの球状Li-Mn複合酸化物粒子を合成した。
(比較例4):
実施例6と同様に操作して得た球状粒子を、600℃で焼成し解砕を行い平均粒径5μmの不定形のLi-Mn複合酸化物粒子を合成した。
(比較例5):
実施例6と同様に操作して得た球状粒子を、1200℃で焼成し600℃で熱処理した後、解砕を行い平均粒径57μmの不定形のLi-Mn複合酸化物粒子を合成した。
(実施例9):
図1に従い、Li:Mn=1:1.73となるように炭酸リチウムと二酸化マンガンを秤量し、これに水を加えてボ−ルミルで混合してスラリーを作製した。このスラリーにPVA溶液を添加した後、4流体ノズルを備えた噴霧乾燥装置を用いて、噴霧エアー圧力0.7MPa、乾燥温度200℃で噴霧乾燥し、球状粒子を得た。得られた球状粒子を電気炉中で950℃で焼成し600℃で熱処理した後、ライカイ機にて解砕を行い、平均粒径9μmの球状Li-Mn複合酸化物粒子を合成した。
次に、粒度分布に2つのピ−クを持たせる効果について検討した。
(実施例10):
図1に従い、Li:Mn=1:1.73となるように炭酸リチウムと二酸化マンガンを秤量し、これに水を加えてボ−ルミルで混合してスラリーを作製した。このスラリーにPVA溶液を添加した後、4流体ノズルを備えた噴霧乾燥装置を用いて、噴霧エアー圧力0.2MPa、乾燥温度200℃で噴霧乾燥し、球状粒子を得た。得られた球状粒子を電気炉中で950℃で焼成し600℃で熱処理した後、粉砕を行い、平均粒径3μmの不定形のLi-Mn複合酸化物粒子を合成した。これに、実施例1で合成した平均粒径20μmの球状Li-Mn複合酸化物粒子を1:1の割合で混ぜた。
(比較例6):
Li:Mn=1:1.73となるように炭酸リチウムと二酸化マンガンを秤量し、これに水を加えてボ−ルミルで混合してスラリーを作製した。このスラリーにPVA溶液を添加した後、ディスク式スプレードライヤを用いて、乾燥温度200℃で噴霧乾燥し、球状粒子を得た。得られた球状粒子を電気炉中で950℃で焼成し600℃で熱処理した後、ライカイ機にて解砕を行い、平均粒径33μmの球状Li-Mn複合酸化物粒子を合成した。
以上の実施例および比較例について特性評価を行った結果を表2に示す。
表2より、本発明の製造条件に沿って製造した球状粉体によれば、電極の塗布状態と電極密度及び放電容量において好ましい結果を得ることが出来た。これに対して、焼成温度が800℃未満になると、反応不足のため解砕時に球状粒子が破壊されて粒径が小さくなり、電極密度や放電容量が低下した。また、焼成温度が1100℃を超えると、反応過剰となって球状粒子同士がくっついて粒径が大きくなり、塗布時に電極に凹凸が出来たり、放電容量の低下が起こった。
また、ディスク式噴霧乾燥装置を用いた場合、球状粒子の平均粒径が33μmとなり、塗布時に電極に凹凸が出来たり、電極密度や放電容量が低下して使用できない。
本発明に従って正極活物質を作成するためのフローチャートを示す。 本発明において噴霧乾燥を行いスラリーを乾燥するための装置概略図である。 本発明においてスラリーを微粒化するための4流体ノズルの装置概略図である。 実施例および比較例の正極粒子の粒度分布を示すグラフである。 本発明において噴霧乾燥を行い球状化した粒子の顕微鏡写真である。

Claims (5)

  1. 負極と、リチウム及び遷移金属からなる複合酸化物を正極活物質として塗布成形した正極と、その間にセパレータを配し、非水電解質を充填したリチウム二次電池の正極活物質であって、この正極活物質は、遷移金属化合物とリチウム化合物と水とを所定割合で混合してスラリーを作製し、このスラリーを4流体ノズルを備えた噴霧乾燥装置を用いて噴霧乾燥し、焼成することにより得られた球状粒子であって、前記球状粒子の平均粒径が1〜20μmで、且つ最大粒径が50μm以下であることを特徴とする非水系リチウム二次電池用正極活物質。
  2. 前記球状粒子を800℃以上、1100℃以下で焼成したものであることを特徴とする請求項1に記載の非水系リチウム二次電池用正極活物質。
  3. 前記遷移金属化合物がコバルト化合物、ニッケル化合物、マンガン化合物から選ばれる化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の非水系リチウム二次電池用正極活物質。
  4. 請求項1〜3の何れかに記載の正極活物質と、導電助材と、結着剤を混合したスラリー状の合材とし、この合材を集電体上に塗布し、乾燥後に所定の圧力でプレスしてなることを特徴とする非水系リチウム二次電池用正極。
  5. 集電体に正極活物質を塗布成形してなる正極と、負極およびセパレータを容器内に配置し、有機溶媒による非水電解液を満たして構成される非水系リチウム二次電池であって、請求項4に記載の正極を用いて構成されたことを特徴とする非水系リチウム二次電池。
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