JP2009019246A - 巻取式成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】成膜フィルムの熱負けを防止できる巻取式成膜装置を提供する。
【解決手段】基体フィルム22を主ローラ12と密着させながら、成膜源161〜163から導電性粒子を到達させ、基体フィルム22上に導電性薄膜を形成する巻取式成膜装置において、導電性薄膜と接触するガイドローラ13cを浮遊電位に置く。また、導電性薄膜が巻取軸18と接触しないようにするか、巻取軸18を絶縁性材料で形成する。導電性薄膜に電流が流れないので、ジュール熱の発生が無く、成膜フィルム23に熱負けが発生しない。
【選択図】図1
【解決手段】基体フィルム22を主ローラ12と密着させながら、成膜源161〜163から導電性粒子を到達させ、基体フィルム22上に導電性薄膜を形成する巻取式成膜装置において、導電性薄膜と接触するガイドローラ13cを浮遊電位に置く。また、導電性薄膜が巻取軸18と接触しないようにするか、巻取軸18を絶縁性材料で形成する。導電性薄膜に電流が流れないので、ジュール熱の発生が無く、成膜フィルム23に熱負けが発生しない。
【選択図】図1
Description
本発明は、巻取式成膜装置に係り、特に、導電性薄膜を形成する巻取式成膜装置に関する。
巻取式成膜装置においては、プラスティックフィルムや金属箔などが基体フィルムとして使用されている。
成膜方法としては主にスパッタリング法、または蒸着法が用いられているが、いずれの方法でも成膜速度は基体フィルムの熱ダメージ(熱負け)のため制限される場合が多い。このため、より高速で成膜を行う目的で、熱ダメージの小さい巻取成膜法の開発が求められている。
成膜方法としては主にスパッタリング法、または蒸着法が用いられているが、いずれの方法でも成膜速度は基体フィルムの熱ダメージ(熱負け)のため制限される場合が多い。このため、より高速で成膜を行う目的で、熱ダメージの小さい巻取成膜法の開発が求められている。
通常、基体フィルムは表面を鏡面研磨した金属製の主ローラに、張力をかけた状態で接触されており、主ローラを冷却しながら基体フィルムを走行させ、基体フィルムの表面に薄膜を成長させている。
しかし、基体フィルムは、伸び状態や表面状態の違いなどにより、主ローラと完全な面接触で接触させることは困難であり、そのため基体フィルムの冷却には限界がある。特にスパッタリングによる成膜では、基体フィルムの表面が高エネルギーをもったイオンや電子(プラズマ)に曝され、しかも、荷電粒子の入射によって大きな電流が流れ、ジュール熱が発生するため熱負荷が大きい。基体フィルムが高温に加熱された場合、基体フィルムに、熱負けと呼ばれる変形やシワなどが発生する。
巻取式成膜装置は、例えば下記文献に記載されている。
国際公開番号WO2006/088024
本発明の目的は、巻取式スパッタリング装置において成膜中の基材への熱ダメージを軽減し、高速成膜が可能な巻取装置、及びこの装置を用いた導電性膜の製造方法を提供することである。
成膜フィルムの熱負けを防止できる巻取式成膜装置を提供する。
成膜フィルムの熱負けを防止できる巻取式成膜装置を提供する。
上記課題を解決するため、真空槽と、前記真空槽内に配置された主ローラと、ガイドローラと、成膜源とを有し、基体フィルムを前記主ローラに接触させながら移動させ、前記成膜源によって前記基体フィルムの前記主ローラと接触する部分の表面に導電性薄膜を成長させ、前記基体フィルム表面に前記導電性薄膜が形成された成膜フィルムを製造する巻取式成膜装置であって、前記導電性薄膜と接触する前記ガイドローラは前記真空槽と絶縁され、浮遊電位に置かれた巻取式成膜装置である。
また、本発明は、前記基体フィルムと接触する前記ガイドローラと前記主ローラは、前記真空槽と絶縁され、浮遊電位に置かれた巻取式成膜装置である。
また、本発明は、除電装置を有し、前記成膜フィルムを巻き取る前に、前記導電性フィルムが除電されるように構成された巻取式成膜装置である。
また、本発明は、前記基体フィルムと接触する前記ガイドローラと前記主ローラは、前記真空槽と絶縁され、浮遊電位に置かれた巻取式成膜装置である。
また、本発明は、除電装置を有し、前記成膜フィルムを巻き取る前に、前記導電性フィルムが除電されるように構成された巻取式成膜装置である。
ジュール熱の発生が無いので、成膜速度を早くしても成膜フィルムが高温にならず、熱負けが生じない。
図1の符号10は、本発明の一実施例の巻取式成膜装置を示している。
この巻取式成膜装置10は真空槽11を有しており、真空槽11の内部には円筒形の主ローラ12が配置されている。
真空槽11の内部には、巻出軸17と巻取軸18が配置されている。
この巻取式成膜装置10は真空槽11を有しており、真空槽11の内部には円筒形の主ローラ12が配置されている。
真空槽11の内部には、巻出軸17と巻取軸18が配置されている。
巻出軸17と主ローラ12の間と、主ローラ12と巻取軸18の間には、一乃至複数個のガイドローラ13a〜13dがそれぞれ配置されている。
巻出軸17には、基体フィルム22が巻き取られた原反ロール21が装着されており、基体フィルム22を原反ロール21の外周側面から引き出し、原反ロール21に近いガイドローラ13a,13bと、主ローラ12と、巻取軸18に近いガイドローラ13c,13dの順序で掛け渡し、基体フィルム22の端部を巻取軸18に固定する。
巻出軸17には、基体フィルム22が巻き取られた原反ロール21が装着されており、基体フィルム22を原反ロール21の外周側面から引き出し、原反ロール21に近いガイドローラ13a,13bと、主ローラ12と、巻取軸18に近いガイドローラ13c,13dの順序で掛け渡し、基体フィルム22の端部を巻取軸18に固定する。
巻取軸18はモータに接続されており、モータを起動して巻取軸18を回転させると、原反ロール21から基体フィルム22が繰り出されながら、基体フィルム22は巻取軸18に巻き取られる。
各ローラ12,13a〜13dは回転可能に構成されており、巻き取りに伴って、基体フィルム22は各ローラ12,13a〜13dと接触しながら移動する。各ローラ12,13a〜13dは基体フィルム22の移動に追随して回転するので、基体フィルム22は各ローラ12,13a〜13dと摺動せずに移動する。
ガイドローラ13a〜13dのうち、主ローラ12に隣接するガイドローラ13b、13cは移動可能に構成されており、主ローラ12とガイドローラ13a〜13dに掛け渡された基体フィルム22は、移動可能なガイドローラ13b,13cは基体フィルム22を主ガードローラ12に押しつける方向に移動し、基体フィルム22は一定の力で主ローラ12に密着されるように構成されている。これにより、基体フィルム22が熱等の影響によって伸びた場合でも、基体フィルム22と主ローラ12との接触が維持される。
基体フィルム22が主ローラ12と接触する位置と、接触した後、離間する位置との間には、金属等の導電性材料から成る一乃至複数個の成膜源161〜163が配置されている。
各成膜源161〜163は、主ローラ12と接触している部分の基体フィルム22表面と向き合う位置に配置されている。
各成膜源161〜163は、主ローラ12と接触している部分の基体フィルム22表面と向き合う位置に配置されている。
ここでは、成膜源161〜163には金属製のスパッタリングターゲットが設けられており、各成膜源161〜163はそれぞれスパッタリング電源(不図示)に接続されている。また、真空槽11には真空排気系28とガス導入系29が接続されており、真空排気系28によって真空槽11内を真空排気し、ガス導入系29からスパッタリングガスを導入し、巻取軸18によって基体フィルム22を巻き取ることで基体フィルム22を主ローラ12上で密着しながら走行させ、スパッタリング電源を起動して成膜源161〜163内のスパッタリングターゲットをスパッタし、薄膜材料の導電性粒子(スパッタリング粒子)を放出させると、放出された導電性微粒子は基体フィルム22の成膜源161〜163と向き合う部分に到達し、その部分に導電性薄膜が成長し、成膜フィルム23が得られる。得られた成膜フィルム23は、巻取軸18に巻き取られる。
成膜源161〜163が配置された空間と、巻取軸18や原反ロール21が配置された空間との間には防着板51が配置されており、巻取軸18に巻き取られる成膜フィルム23や原反ロール21には、成膜源161〜163から放出された導電性粒子が到達しないようにされている。
基体フィルム22及び成膜フィルム23が一定方向に走行する場合、ガイドローラ13a〜13dには、基体フィルム22の表面又は裏面に接触するガイドローラ13a、13b,13dと、基体フィルム22上に成膜された導電性薄膜に接触するガイドローラ13cの二種類がある。
本発明の巻取式成膜装置10によってフレキシブル配線フィルムを得る場合、基体フィルム22に絶縁性を有する樹脂フィルムを用い、その表面に導電性薄膜(ここではニッケル・クロム薄膜と銅薄膜の積層膜)を形成する。
この場合、形成された導電性薄膜と接触するガイドローラ13cが接地されていると、導電性薄膜はそのガイドローラ13cを介して接地電位に接続されてしまう。
この場合、形成された導電性薄膜と接触するガイドローラ13cが接地されていると、導電性薄膜はそのガイドローラ13cを介して接地電位に接続されてしまう。
スパッタリング法やプラズマCVD法等のプラズマを用いる成膜方法では、導電性薄膜がプラズマに曝され、導電性薄膜にプラズマ中の荷電粒子が入射する。導電性薄膜が浮遊電位に置かれていない場合には、導電性薄膜に入射した荷電粒子によって導電性薄膜中に電流が流れ、ジュール熱が発生し、成膜フィルム23中の基体フィルム22が熱伸びしてしまう。
本発明では、導電性薄膜と接触するガイドローラ13cは、図2の符号31に示す浮遊電位型のガイドローラユニットの構造で真空槽11内に設けられている。
その構造を説明すると、ガイドローラユニット31はハウジング34L,34Rを有している。
真空槽11の壁面には、エンドプレート33L,33Rが取り付けられており、ハウジング34L,34Rはエンドプレート33L,33Rに取り付けられている。
その構造を説明すると、ガイドローラユニット31はハウジング34L,34Rを有している。
真空槽11の壁面には、エンドプレート33L,33Rが取り付けられており、ハウジング34L,34Rはエンドプレート33L,33Rに取り付けられている。
導電性薄膜と接触するガイドローラ13cは、細長円筒形のガイドローラ本体32と、突起36L,36Rとを有している。突起36L,36Rは、ガイドローラ本体32の両底面の中心位置に配置され、両底面から外部に突き出されており、この突起36L,36Rがハウジング34L,34Rの内部に挿入されている。
ハウジング34L,34Rと突起36L,36Rの間には、ベアリング35L,35Rが配置されている。ガイドローラ本体32は、ベアリング35L,35Rを介してハウジング34L,34Rによって回転可能に支持されており、ガイドローラ本体32の円筒表面に導電性薄膜の部分が接触しながら成膜フィルム23が移動する際には、ガイドローラ本体32は成膜フィルム23の移動に伴って回転し、導電性フィルムが擦られないように構成されている。
ベアリング35L,35Rとガイドローラ本体32と突起36L,36Rは金属製であるのに対し、ハウジング34L,34Rは樹脂等の電気絶縁性材料で構成されている。ガイドローラ本体32は、ベアリング35L,35R以外の部材とは接触しておらず、真空槽11が接地されていても、ガイドローラ本体32と真空槽11の間は電気的に絶縁され、ガイドローラ13cは浮遊電位に置かれる。従って、導電性薄膜に電子や荷電粒子が入射し、導電性薄膜が帯電しても放電されずに巻取軸18の方向に搬送される。
巻取軸18の直前位置には除電装置25が設けられており、この除電装置25から、帯電した導電性薄膜に導電性薄膜の帯電電位とは逆極性の正イオン又は電子が照射されると帯電が解消され、巻取軸18に巻き取られる。除電装置25によって帯電が解消される際には、導電性薄膜の発熱は小さく、熱負けは生じない。
上記実施例では、成膜フィルム23を巻取軸18で巻き取る際、巻取軸18が導電性薄膜と接触しないようにしているか、又は、巻取軸18を、樹脂等の電気絶縁性材料で構成させ、導電性薄膜が巻取軸18と接触しても巻取軸18を介して接地されないようになっている。
上記実施例では、主ローラ12は基体フィルム22と接触し、導電性薄膜と接触していない。基体フィルム22は電気絶縁性を有していたため、後述するように、導電性薄膜が基体フィルム22の側面に付着しなければ、導電性薄膜が主ローラ12を介して接地電位に接続されないが、基体フィルム22が金属箔等の導電性フィルムの場合は、基体フィルム22と接触する主ローラ12やガイドローラ13a〜13dも浮遊電位に置かないと、導電性薄膜を浮遊電位に置くことができない。
この場合、基体フィルム22と接触するガイドローラ13a、13b、13dも図2に示した浮遊電位型のガイドローラユニット31の構造を採用すると共に、主ローラ12も、図3に示した浮遊電位型の主ローラユニット41の構造が採用される。
主ローラユニット41の構造を説明すると、該主ローラユニット41は主ローラ12とハウジング44L,44Rとを有している。
主ローラユニット41の構造を説明すると、該主ローラユニット41は主ローラ12とハウジング44L,44Rとを有している。
ガイドローラユニット31の構造と同様に、エンドプレート43L,43Rは真空槽11の壁面に取り付けられ、エンドプレート43L,43Rにはハウジング44L,44Rが取り付けられている。
主ロール12は、ガイドローラ13よりも大径の主ローラ本体42と、突起46L,46Rを有しており、突起46L,46Rは、主ローラ本体42の両底面の中心位置で外部に突き出され、ハウジング44L,44Rの内部に挿入されている。
ハウジング44L,44Rと突起46L,46Rの間には、ベアリング45L,45Rが配置されており、主ローラ本体42はベアリング45L,45Rを介してハウジング44L,44Rによって回転可能に支持されている。
二個の突起46L,46Rのうち、少なくとも一方の突起46Rの端部は、接続管47に接続されている。突起46Rと接続管47の間は相対回転可能に構成されており、接続管47が静止した状態で、突起46L,46Rは主ローラ本体42と一緒に回転できるように構成されている。主ローラ本体42の円筒表面に成膜フィルム23や基体フィルム22が接触しながら移動する場合、主ローラ本体42は、成膜フィルム23や基体フィルム22の移動に追随して回転し、それらを擦らない。
接続管47には、導入管48aと排出管48bが接続されている。導入管48aと排出管48bは、真空槽11の外部に配置された循環装置40に接続されている。
主ローラ本体42の内部には、冷却水が流れる流路が形成されている。この流路の両端は、突起46R内部の配管と、接続管47の内部の配管を介して、導入管48aと排出管48bにそれぞれ接続されており、循環装置40から導入管48aや接続管47を介して、主ローラ本体42に一定温度に温度制御された冷却水が供給されると、その冷却水は主ローラ本体42内部を流れ、主ローラ本体42に密着された成膜フィルム23を冷却した後、排出管48bによって循環装置40に戻るように構成されている。
導入管48aと排出管48bの途中には、リング状の絶縁部材49a,49bがそれぞれ挿入されている。この絶縁部材49a,49bは、導入管48aと排出管48bの接続管47に接続された部分と、真空槽11等の導入管48aや排出管48b他の部材と接触する部分の間に配置されており、導入管48aと排出管48bの接続管47に接続された部分は、接続管47以外の部材から電気的に絶縁されている。
ハウジング44L,44Rは樹脂製で電気絶縁性を有しており、ハウジング44L,44Rと絶縁部材49a,49bによって真空槽11等の部材から絶縁されており、浮遊電位に置かれている。
基体フィルム22が金属箔等の導電性を有する場合、基体フィルム22に接触される主ローラ12、ガイドローラ13a,13b,13d、巻出軸17及び巻取軸18が接地されていると、成膜フィルム23の帯電によって蓄積された電荷は、基体フィルム22を介して接地電位に流れ、ジュール熱が発生してしまう。
本発明では、基体フィルム22が導電性を有する場合、導電性薄膜に接触するガイドローラ13cに加え、基体フィルム22に接触するガイドローラ13a,13b,13dと、主ローラ12は、それぞれ図2、図3に記載された様な浮遊電位型の構造であり、また、巻出軸17と巻取軸18は樹脂等の絶縁性材料で構成されており、成膜フィルム23は浮遊電位に置かれるようになっている。この成膜フィルム23も、除電装置25によって巻取軸18に巻き取られる前に除電される。
基体フィルム22が樹脂フィルム等の絶縁性フィルムであり、成膜フィルム23中の基体フィルム22と接触するガイドローラ13dや主ローラ12が金属製であり、それらのローラ12,13dが接地電位に接続されている場合、基体フィルム22の側面に導電性薄膜が成長し、ガイドローラ13dや主ローラ12が導電性薄膜と接触すると、導電性薄膜が接地されてしまう。
この場合、図4に示すように成膜源161〜163と、主ローラ12上の基体フィルム22との間に、基体フィルム22の両側を覆うマスク27を設け、マスク27の開口部26の底面下に導電性薄膜を形成すれば、基体フィルム22の表面の縁や側面には導電性薄膜は形成されず、基体フィルム22上の導電性薄膜がローラ12、13dと接触することはない。
以上は、スパッタリング方法によって、基体フィルム22表面に導電性薄膜を形成する場合について説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、成膜フィルム23表面の導電性薄膜に電子や荷電粒子が入射する成膜方法に広く用いることができる。例えばプラズマCVD法が挙げられる。
上記巻取式成膜装置10の巻出軸17に絶縁性の基体フィルム22の原反ロール21を装着し、スパッタリング法によって導電性薄膜を成膜した後、各ローラ12、13a〜13dを逆転させ、成膜フィルム23を逆向きに搬送して元の位置に戻した後、再度スパッタリング法によって、導電性薄膜上に更に導電性薄膜を形成した。
この工程を繰り返し、基体フィルム22上に導電性薄膜を積層する間、基体フィルム22の温度を測定した。
基体フィルム22は、幅254mm、厚み25μmのポリイミドフィルムを用いた。温度は、その表面に貼付されたK熱電対によって測定した。
冷却水は、主ローラ12の温度が25℃を維持するように供給した。
基体フィルム22は、幅254mm、厚み25μmのポリイミドフィルムを用いた。温度は、その表面に貼付されたK熱電対によって測定した。
冷却水は、主ローラ12の温度が25℃を維持するように供給した。
成膜源161〜163のスパッタリングターゲットにはCuを用いた。スパッタ圧力は1Pa、スパッタ電力密度は6.5W/cm2、基体フィルム22の移動速度は0.5m/minである。一回の成膜工程で形成される導電性薄膜(銅薄膜)の膜厚は、0.3μmであった。
本発明の場合は、ハウジング、絶縁部材をPTFE樹脂で構成させ、各ガイドローラ13a〜13dと主ローラ12を浮遊電位に置き、また、巻出軸17と巻取軸18もPTFE樹脂で構成し、導電性薄膜がが接地電位に接続されず、浮遊電位に置かれるようにして導電性薄膜を積層させ、温度測定を行なった。
比較例として、各ガイドローラ13a〜13dと主ローラ12を接地電位に接続させ、導電性薄膜を積層させ、温度測定を行なった。
測定結果を図5に示す。
測定結果を図5に示す。
本発明の場合は、比較例の場合よりも基体フィルム22の温度上昇が少ないことが分かる。
比較例の場合、成膜回数が増加すると温度も上昇しているが、その原因は、導電性薄膜の膜厚が増加すると、プラズマ中のイオンや電子が基材フィルム上の導電性薄膜(Cu膜)に入射して流れる電流による発熱量が増加するからと考えられる。
比較例の場合、成膜回数が増加すると温度も上昇しているが、その原因は、導電性薄膜の膜厚が増加すると、プラズマ中のイオンや電子が基材フィルム上の導電性薄膜(Cu膜)に入射して流れる電流による発熱量が増加するからと考えられる。
本発明の場合、導電性薄膜に電流は流れないから、成膜回数が増加しても、温度は上昇しない。
これらの結果から、プラズマを使用した成膜工程に於ける成膜フィルム23の熱負けは、高エネルギーを持ったイオンや電子が基体フィルム22表面に成膜された導電性薄膜中を流れることが大きな原因の一つであり、本発明により成膜フィルム23の熱負けを軽減することができ、高速成膜が可能になることが分かる。
これらの結果から、プラズマを使用した成膜工程に於ける成膜フィルム23の熱負けは、高エネルギーを持ったイオンや電子が基体フィルム22表面に成膜された導電性薄膜中を流れることが大きな原因の一つであり、本発明により成膜フィルム23の熱負けを軽減することができ、高速成膜が可能になることが分かる。
10……巻取式成膜装置
11……真空槽
12……主ローラ
13a〜13d……ガイドローラ
161〜163……成膜源
17……巻出軸
21……原反ロール
22……基体フィルム
23……成膜フィルム
25……除電装置
11……真空槽
12……主ローラ
13a〜13d……ガイドローラ
161〜163……成膜源
17……巻出軸
21……原反ロール
22……基体フィルム
23……成膜フィルム
25……除電装置
Claims (3)
- 真空槽と、
前記真空槽内に配置された主ローラと、ガイドローラと、成膜源とを有し、
基体フィルムを前記主ローラに接触させながら移動させ、前記成膜源によって前記基体フィルムの前記主ローラと接触する部分の表面に導電性薄膜を成長させ、前記基体フィルム表面に前記導電性薄膜が形成された成膜フィルムを製造する巻取式成膜装置であって、
前記成膜源はスパッタリング成膜手段であり、
前記導電性薄膜と接触する前記ガイドローラは前記真空槽と絶縁され、浮遊電位に置かれた巻取式成膜装置。 - 前記基体フィルムと接触する前記ガイドローラと前記主ローラは、前記真空槽と絶縁され、浮遊電位に置かれた請求項1記載の巻取式成膜装置。
- 除電装置を有し、前記成膜フィルムを巻き取る前に、前記導電性フィルムが除電されるように構成された請求項1又は請求項2のいずれか1項記載の巻取式成膜装置。
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