JP2009019194A - パール光沢組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】強いパール光沢を維持しつつ、濁度の大きいパール光沢組成物を提供すること。
【解決手段】脂肪酸グリコールエステル及び水を含有してなるパール光沢組成物であって、さらに、脂肪族アルコール、脂肪酸モノグリセリド及び脂肪族エーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種の脂肪族化合物を、0.3〜3重量%含有してなるパール光沢組成物、並びに脂肪酸グリコールエステル、水及び脂肪族アルコール、脂肪酸モノグリセリド及び脂肪族エーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種の脂肪族化合物を含有してなる溶融混合液を、該脂肪酸グリコールエステルの融点未満の温度に冷却する工程を含む、前記パール光沢組成物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、パール光沢組成物及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、シャンプー、リンス、ボディシャンプー、液体洗浄剤等の付加価値を高めるのに好適に使用しうるパール光沢組成物及びその製造方法に関する。
従来、シャンプー、リンス、ボディシャンプー、化粧料、液体洗浄剤等の付加価値を高めるために、パール光沢を与える基剤が用いられており、脂肪酸グリコールエステルはパール光沢組成物における主成分として各種検討されている。また、パール光沢を与える他の基剤も検討されている。例えば、特許文献1には、脂肪酸グリコールエステルに代わり、脂肪族アルコール、脂肪酸モノグリセリド、脂肪族エーテル等の脂肪族化合物、界面活性剤、及びポリオールを含有する真珠光沢濃縮物が開示されている。特許文献2には、非常に長鎖の脂肪族アルコール、脂肪酸モノグリセリド、脂肪族エーテル等を含有した真珠光沢剤濃縮物が開示されている。
特表2000-511913号公報 特表2003−506393号公報
パール光沢組成物を化粧料や洗浄剤等に配合する場合、なるべく少量の配合で十分なパール感が発現することが望ましい。かかる観点より、白色度の高い、言い換えれば濁度の高いパール光沢組成物が求められていた。
本発明者らは、脂肪酸グリコールエステルを主成分とするパール光沢組成物に、特定の脂肪族化合物を特定量で配合することにより、強いパール光沢を維持しつつ、濁度の大きいパール光沢組成物を得ることができることを見出し、発明を完成した。
すなわち、本発明の課題は、強いパール光沢を維持しつつ、濁度の大きいパール光沢組成物を提供することにある。
本発明は、
〔1〕 脂肪酸グリコールエステル及び水を含有してなるパール光沢組成物であって、さらに、脂肪族アルコール、脂肪酸モノグリセリド及び脂肪族エーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種の脂肪族化合物を、0.3〜3重量%含有してなるパール光沢組成物、並びに
〔2〕 脂肪酸グリコールエステル、水及び脂肪族アルコール、脂肪酸モノグリセリド及び脂肪族エーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種の脂肪族化合物を含有してなる溶融混合液を、該脂肪酸グリコールエステルの融点未満の温度に冷却する工程を含む、前記〔1〕記載のパール光沢組成物の製造方法
に関する。
本発明のパール光沢組成物は、パール光沢組成物の強いパール光沢を維持しつつ、濁度が大きいため、少量の配合でも十分なパール感が発現できるという優れた効果を奏するものである。
本発明のパール光沢組成物は、脂肪酸グリコールエステル及び水を含有するものであり、さらに、特定の脂肪族化合物を特定量含有している点に大きな特徴を有する。脂肪酸グリコールエステルを主成分とするパール光沢組成物において、微量の脂肪族化合物を配合することにより、理由は不明なるも、パール光沢形成成分である脂肪酸グリコールエステルを含む微細なパール光沢形成粒子が多量に析出し、濁度の大きいパール光沢組成物が得られる。
本発明における脂肪族化合物は、脂肪族アルコール、脂肪酸モノグリセリド及び脂肪族エーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種である。
脂肪族アルコールとしては、炭素数8〜22の飽和又は不飽和の脂肪族アルコールが好ましく、直鎖でも分岐でもよい。結晶微細化の観点から、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の炭素数12〜22の脂肪族アルコールがより好ましく、炭素数12〜18の脂肪族アルコールがさらに好ましい。これらの脂肪族アルコールは、それぞれ単独でも、2種以上が併用されても良い。
脂肪酸モノグリセリドとしては、グリセロールと脂肪酸とのエステルである、式(A):
(式中、Ra及びRbは、いずれか一方が水素原子、もう一方が−CORc(Rcは炭素数7〜21のアルキル基又はアルケニル基を示す)である)
で表される化合物が好ましい。
cにおいて、アルキル基及びアルケニル基の炭素数は11〜17が好ましく、アルキル基及びアルケニル基は、直鎖であっても分岐であってもよい。
本発明における脂肪酸モノグリセリドの好適例としては、ラウリン酸モノグリセリド、ミリスチン酸モノグリセリド、パルミチン酸モノグリセリド、ステアリン酸モノグリセリド、ベヘン酸モノグリセリド、ヤシ油脂肪酸モノグリセリド、パーム核油脂肪酸モノグリセリド、獣脂脂肪酸モノグリセリド、及びそれらの混合物等が挙げられ、製造工程からの少量のジグリセリド及びトリグリセリドが含有されていてもよい。
脂肪族エーテルは、式(B):
d−O−Re (B)
(式中、Rd及びReは、それぞれ独立して、炭素数8〜22のアルキル基又はアルケニル基を示す)
で表される化合物が好ましい。
d及びReにおいて、アルキル基及びアルケニル基の炭素数は12〜18が好ましく、またアルキル基及びアルケニル基は、直鎖であっても分岐であってもよい。また、脂肪族エーテルは、単一エーテルであっても、混成エーテルであってもよく、従って、Rd及びReも、同一であっても、互いに異なっていてもよい。
本発明における脂肪族エーテルの好適例としては、ジラウリルエーテル、ジミリスチルエーテル、ジセチルエーテル、ジステアリルエーテル等が挙げられる。
前記脂肪族化合物の含有量は、パール光沢組成物中、0.3〜3重量%であり、好ましくは0.5〜2重量%である。脂肪族化合物の含有量が3重量%を超えると、光沢劣化や濁度低下が生じる。これは過剰に細かい結晶が生成するためと推定される。また、前記脂肪族化合物の含有量は、後述の脂肪酸グリコールエステル100重量部に対して、1〜20重量部が好ましく、1.5〜20重量部がより好ましく、1.5〜15重量部がさらに好ましく、3〜10重量部がさらに好ましい。
脂肪酸グリコールエステルとしては、例えば、式(I):
Y−O−(CH2CH2O)m-COR1 (I)
(式中、R1は炭素数13〜21の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、Yは水素原子又は−COR1(R1は前記と同じ)を示し、mは1〜3の数で、平均付加モル数を意味する)
で表わされるものが挙げられる。
式(I)において、R1としては、炭素数13〜21のアルキル基及びアルケニル基が好ましく、具体的には、ペンタデシル基、ヘプタデシル基、ヘンイコシル基等が挙げられる。また、脂肪酸グリコールエステルは、式(I)で表されるように、Yが水素原子である場合のモノカルボン酸エステル、Yが−COR1である場合のジカルボン酸エステルのいずれであってもよく、ジカルボン酸エステルにおいて、R1は同一であっても、異なっていてもよい。
脂肪酸グリコールエステルとしては、融点が50℃以上のものが好ましく、また、結晶性のものが好ましい。従って、脂肪酸グリコールエステルとしては、融点が50℃以上の結晶性のものがより好ましく、具体的には、モノパルミチン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、モノイソステアリン酸エチレングリコール、ジパルミチン酸エチレングリコール、ジステアリン酸エチレングリコール、ジベヘン酸エチレングリコール等のモノエチレングリコール体;これらのジエチレングリコール体;並びにこれらのトリエチレングリコール体等が挙げられ、それぞれ単独であっても2種以上が併用されていてもよい。
なお、2種以上の脂肪酸グリコールエステルが併用されている場合、それぞれ調製された脂肪酸グリコールエステルの混合物であってもよく、異なるアルキル鎖長の脂肪酸の混合物とグリコールを用い、それらを反応させて得られた脂肪酸グリコールエステルの混合物であってよい。例えば、パルミチン酸とステアリン酸の混合物とグリコールとの反応からは、ジパルミチン酸エチレングリコール、モノパルミチン酸モノステアリン酸エチレングリコール、及びジステアリン酸エチレングリコールの混合物が得られる。異なる脂肪酸の混合物とグリコールとを反応させる際に用いられる脂肪酸の混合物において、各脂肪酸により占められる割合は、85重量%以下であることが好ましい。
上記に例示された脂肪酸グリコールエステルにおいて、本発明において好ましい脂肪酸グリコールエステルとしては、ジステアリン酸エチレングリコール、ジパルミチン酸エチレングリコール、モノステアリン酸エチレングリコール、モノパルミチン酸エチレングリコール、及びジベヘン酸エチレングリコール、並びにジパルミチン酸エチレングリコール、モノパルミチン酸モノステアリン酸エチレングリコール、及びジステアリン酸エチレングリコールの混合物が好ましい。
脂肪酸グリコールエステルのパール光沢組成物中の含有量は、パール光沢付与の観点から、15重量%以上が好ましく、流動性の観点から、30重量%以下が好ましい。これらの観点から、脂肪酸グリコールエステルの含有量は、パール光沢組成物中、15〜30重量%が好ましく、15〜25重量%がより好ましく、18〜25重量%がさらに好ましい。
水の含有量は、パール光沢組成物の濃度及び粘度調整の観点から、25〜75重量%が好ましく、40〜75重量%がより好ましく、50〜75重量%がさらに好ましい。
さらに、本発明のパール光沢組成物は、アルキル硫酸エステル、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、脂肪酸モノアルキロールアミド等を含有していてもよい。
アルキル硫酸エステル塩は、分散剤として作用するものであり、例えば、式(II):
2−O−(R3O)n−SO3M (II)
(式中、R2は炭素数8〜20の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、R3はエチレン基又はプロピレン基を示し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムイオン又は炭素数2もしくは3のヒドロキシアルキル置換アンモニウムを示し、nは0〜8の数で、平均付加モル数を意味する)
で表わされるポリオキシアルキレン基を有していてもよいアルキル硫酸エステル塩等が挙げられる。
式(II)において、R2としては、炭素数8〜20のアルキル基及びアルケニル基が好ましく、具体的には、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基等が挙げられる。R3としては、エチレン基、n−プロピレン基及びイソプロピレン基が挙げられる。nは0〜4が好ましい。
アルキル硫酸エステル塩の好適例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンが挙げられ、それぞれ単独であっても2種以上が併用されていてもよい。
アルキル硫酸エステル塩のパール光沢組成物中の含有量は、各成分を均一に混合する観点から、5重量%以上が好ましく、流動性の観点から、15重量%以下が好ましい。これらの観点から、アルキル硫酸エステル塩の含有量は、5〜15重量%が好ましく、8〜15重量%がより好ましく、8〜13重量%がさらに好ましい。
ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤とは、ポリオキシエチレン基、ポリオキシプロピレン基等のポリオキシアルキレン基を有するものである。本発明では、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤の配合により、粘度を低下させることができ、流動性を損なうことなく強いパール光沢が得られるのみならず、濁度の向上が奏される。
ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤の具体例としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレン脂肪酸モノアルカノールアミド、ポリオキシアルキレン脂肪酸ジアルカノールアミド等が挙げられ、それぞれ単独であっても2種以上が併用されていてもよい。これらのうち、式(III):
4−O−(R5O)p−H (III)
(式中、R4は炭素数8〜20の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基、R5はエチレン基又はプロピレン基を示し、pは1〜12、好ましくは1〜6の数で、平均付加モル数を意味する)
で表わされるポリオキシアルキレンアルキルエーテルが好ましい。
式(III)において、R4としては、炭素数8〜20のアルキル基又は炭素数8〜20のアルケニル基が好ましい。また、R5としては、前記R3と同様のものが挙げられる。
ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤のHLBは、パール光沢組成物の乳化を抑制し、粘度を制御する観点から、15未満が好ましく、9〜12.5がより好ましい。なお、HLBとは、親水性−親油性のバランス(Hydrophilic-Lipophilic Balance)を示す指標であり、本発明においては、小田・寺村らによる式:
HLB=(Σ無機性値/Σ有機性値)×10
を用いて算出したときの値である。
ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤のパール光沢組成物中の含有量は、パール光沢組成物の粘度を低下させる観点から、0.5重量%以上が好ましく、良好なパール光沢を得る観点から、10重量%以下が好ましい。これらの観点から、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤の含有量は、パール光沢組成物中、0.5〜10重量%が好ましく、0.5〜8重量%がより好ましく、1〜5重量%がさらに好ましい。
脂肪酸モノアルキロールアミドは、光沢の向上に有効であり、例えば、式(IV):
6CO−NH−R7OH (IV)
(式中、R6は炭素数7〜20の直鎖又は分岐鎖の飽和又は不飽和の炭化水素基を示し、R7はエチレン基又はプロピレン基を示す)
で表わされるものが挙げられる。
式(IV)において、R6としては、炭素数7〜20のアルキル基及びアルケニル基が好ましく、具体的には、ウンデシル基、トリデシル基、ヘプタデシル基等が挙げられる。また、R7としては、前記R3と同様のものが挙げられる。
脂肪酸モノアルキロールアミドとしては、ラウリン酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノプロパノールアミド、ラウリン酸モノイソプロパノールアミド、ミリスチン酸モノエタノールアミド、パルミチン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールアミド、オレイン酸モノエタノールアミド、オレイン酸モノイソプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノプロパノールアミド、ヤシ油脂肪酸モノイソプロパノールアミド、ヤシ科植物油脂肪酸モノエタノールアミド等が挙げられ、それぞれ単独で又は2種以上を混合して用いることができる。これらのなかでは、ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド、ラウリン酸モノエタノールアミド、パルミチン酸モノエタノールアミド及びステアリン酸モノエタノールアミドが好ましい。
脂肪酸モノアルキロールアミドのパール光沢組成物中の含有量は、光沢付与の観点から、3重量%以上が好ましく、パール光沢組成物の粘度の上昇を抑制し、流動性を高める観点から、15重量%以下が好ましい。これらの観点から、脂肪酸モノアルキロールアミドの含有量は、パール光沢組成物中、3〜15重量%が好ましく、3〜10重量%がより好ましく、5〜10重量%がさらに好ましい。
本発明のパール光沢組成物には、さらに、pH調整剤、防腐剤、塩類、アルコール類、ポリオール類等が適宜配合されていてもよい。
本発明のパール光沢組成物の製造方法は、脂肪酸グリコールエステル、脂肪族化合物、水等の原料の溶融混合液から、脂肪酸グリコールエステルを含むパール光沢形成粒子を結晶化させる方法であれば特に限定されない。具体的な方法としては、例えば、脂肪酸グリコールエステル、脂肪族化合物及び水、さらに必要に応じてアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、脂肪酸モノアルキロールアミド等からなる混合物を加熱した後、冷却する方法;水及び必要に応じてアルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤、脂肪酸モノアルキロールアミド等を含む混合物と、溶融状態の脂肪酸グリコールエステル及び脂肪族化合物を混合した後、冷却する方法等が挙げられる。
また、脂肪酸グリコールエステルと脂肪族化合物は、それぞれを加熱し、溶融させた両者の混合液を添加しても、また、別々に添加してもよいが、両者の溶融混合液を添加することが好ましい。
原料の溶融混合液の温度は、脂肪酸グリコールエステル又は脂肪族化合物の融点のいずれか高い方の融点以上の温度が好ましく、混合物の沸点以下の温度が好ましい。また、脂肪酸グリコールエステル又は脂肪族化合物の融点のいずれか高い方の融点より1〜30℃高い温度がより好ましく、いずれか高い方の融点より1〜20℃高い温度がさらに好ましい。
冷却温度は、脂肪酸グリコールエステルと脂肪族化合物を十分に結晶化させる観点から、脂肪酸グリコールエステルの融点未満が好ましく、該融点より10℃以下がより好ましく、該融点より20℃以下がさらに好ましい。さらには、脂肪酸グリコールエステル又は脂肪族化合物の融点のいずれか低い方の融点より10℃以下がより好ましく、いずれか低い方の融点より20℃以下がさらに好ましい。
また、冷却は、形状が均一なパール光沢形成粒子を得る観点から、温度分布が少ない緩やかな冷却が好ましい。かかる観点から、冷却速度は0.1〜10℃/minが好ましく、0.1〜5℃/minがより好ましく、0.1〜3℃/minがさらに好ましい。
パール光沢形成粒子が結晶化した後は、さらに冷却して、結晶を安定化させることが好ましく、液温が、10〜40℃、好ましくは15〜35℃となるまで冷却することが望ましい。
原料の溶融及び冷却は、溶解液が分離しないように、攪拌しながら行うことが好ましい。
本発明のパール光沢組成物は、流動性の観点から、30℃における粘度が、1,000〜50,000mPa・s、好ましくは1,000〜30,000mPa・sであるのが望ましい。ここで、粘度はパール光沢組成物を30℃に保持し、B型粘度計で測定される。また、パール光沢形成粒子の長径の個数平均径(個数平均長径)は、パール光沢の観点から、1〜6μmが好ましく、2〜5μmがより好ましい。
各実施例及び各比較例で得られたパール光沢組成物の諸性質は、以下の方法によって測定した。
<パール光沢形成粒子の個数平均長径>
パール光沢組成物を水で1000倍(重量比)に希釈し、希釈液をスライドガラス上に滴下し自然乾燥させ、カラーレーザー顕微鏡(キーエンス社製)で観察し、結晶として確認されるパール光沢形成粒子の長径を無作為に100点測定して得られる平均値を結晶の個数平均長径とする。
<パール光沢組成物のパール光沢>
パール光沢組成物を水で20倍(重量比)に希釈し、肉眼にてパール光沢の外観を観察し、以下の基準に従って評価する。なお、気泡の混入しているものは遠心分離に掛け、脱泡を行う。
〔評価基準〕
1:光沢がない。
2:弱い光沢が認められる。
3:強い光沢が認められる。
<パール光沢組成物の濁度>
パール光沢組成物を水で1000倍(重量比)に希釈し、紫外可視分光光度計(UVmini-1240、島津製作所製)を用い、1cm幅のセルを使用し、550nmの波長吸光度を測定する。
<脂肪酸グリコールエステル又は脂肪族化合物の融点>
示差走査熱量計(Thermo plus DSC8230, Rigaku製)を用い、脂肪酸グリコールエステル又は脂肪族化合物を5℃/minで昇温し、得られる融解のピークトップを融点とする。
実施例1〜9及び比較例1〜5
表1に示す脂肪酸モノアルキロールアミド、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤及びその他成分の混合物を80℃で混合し、これに予め両者を溶融させ混合してあった、表1に示す脂肪酸グリコールエステルと脂肪族アルコール、脂肪酸モノグリセリド、又は脂肪族エーテルを溶融状態のまま加え混合した。その後、0.5℃/minの冷却速度で20℃まで冷却し、パール光沢組成物を得た。実施例3、比較例1、4で得られたパール光沢組成物中の結晶(パール光沢形成粒子)のカラーレーザー顕微鏡写真を図1〜3に示す。
以上の結果より、実施例のなかでも、実施例1〜3及び実施例5〜9のパール光沢組成物は、特に強いパール光沢を有し、濁度も高いことが分かる。これに対し、(B)、(C)、(D)成分が配合されていない比較例1のパール光沢組成物は、パール光沢は強いもののパール光沢形成粒子が大きく、濁度が低いことが分かる。また、所定量以上の脂肪族アルコール又は脂肪酸モノグリセリドが配合された比較例2〜4のパール光沢組成物は、パール光沢組成物としての光沢にかけ、また所定量以上の脂肪族エーテルが配合された比較例5のパール光沢組成物も、パール光沢に欠けることが分かる。特に、実施例4と比較例3は、脂肪族アルコールの配合量の差はわずかであるにもかかわらず全く異なった結果となっており、脂肪族アルコールが所定量以上に配合された比較例3では、実施例4と対比して、濁度が低いことが分かる。
本発明のパール光沢組成物は、シャンプー、リンス、ボディシャンプー、液体洗浄剤等に好適に用いられるものである。
実施例3で得られたパール光沢組成物中の結晶のカラーレーザー顕微鏡写真である。 比較例1で得られたパール光沢組成物中の結晶のカラーレーザー顕微鏡写真である。 比較例4で得られたパール光沢組成物中の結晶のカラーレーザー顕微鏡写真である。

Claims (7)

  1. 脂肪酸グリコールエステル及び水を含有してなるパール光沢組成物であって、さらに、脂肪族アルコール、脂肪酸モノグリセリド及び脂肪族エーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種の脂肪族化合物を、0.3〜3重量%含有してなるパール光沢組成物。
  2. 脂肪族化合物の含有量が、脂肪酸グリコールエステル100重量部に対して、1〜20重量部である、請求項1記載のパール光沢組成物。
  3. さらに、アルキル硫酸エステル塩を含有してなる請求項1又は2記載のパール光沢組成物。
  4. さらに、脂肪酸モノアルキロールアミドを含有してなる請求項1〜3いずれか記載のパール光沢組成物。
  5. さらに、ポリオキシアルキレン型ノニオン界面活性剤を含有してなる請求項1〜4いずれか記載のパール光沢組成物。
  6. 脂肪酸グリコールエステルを含有するパール光沢形成粒子の個数平均長径が1〜6μmである、請求項1〜5いずれか記載のパール光沢組成物。
  7. 脂肪酸グリコールエステル、水及び脂肪族アルコール、脂肪酸モノグリセリド及び脂肪族エーテルからなる群より選ばれた少なくとも1種の脂肪族化合物を含有してなる溶融混合液を、該脂肪酸グリコールエステルの融点未満の温度に冷却する工程を含む、請求項1〜6いずれか記載のパール光沢組成物の製造方法。
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