JP2009019176A - 帯電防止粘着剤組成物およびそれを用いてなる粘着シート - Google Patents

帯電防止粘着剤組成物およびそれを用いてなる粘着シート Download PDF

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一郎 猿渡
Etsuko Yoshinari
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Noboru Kojima
登 小島
Hiroyuki Yanai
宏幸 矢内
Shuichi Kimura
秀一 木村
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Abstract

【課題】湿度の影響を受けない高い帯電防止能のみならず、透明性・耐湿熱性を併せ持ち、金属や金属イオンを含まない帯電防止粘着剤組成物を提供すること。
【解決手段】アクリル系樹脂(A)、及び下記一般式[1]で表される帯電防止剤(B)を含む帯電防止粘着剤組成物であって、前記アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度が−80〜0℃であることを特徴とする帯電防止粘着剤組成物。一般式[1]
Figure 2009019176

【選択図】なし

Description

本発明は、帯電防止粘着剤組成物に関するものである。
詳しくは、本発明は、、高い帯電防止能のみならず、透明性・樹脂や溶剤への溶解性(相溶性)・耐湿熱性を併せ持ち、金属や金属イオンを含まない汎用性の高い帯電防止粘着剤組成物に関する。
さらに、本発明は、前記粘着剤組成物を用いてなる粘着シートに関する。
加工性の高さ、軽量、素材の多様性といった観点から、樹脂は、現代において欠かすことのできない素材のひとつとなっている。その一般的な性質として、絶縁性の高さが上げられる。この特性を利用して、数多くの電子材料の絶縁部位として利用されてきた。一方、その絶縁性の高さゆえ、摩擦・剥離などにより容易に帯電するといった問題を抱えている。
帯電した樹脂成形物には、ほこりやゴミが付着するだけでなく、電子製品や電子材料に応用した場合、内装された回路、トランジスタ、IC、CPUなど悪影響を与え、それらを破損する恐れもある。他にも、人体に電撃を与えたり、可燃性気体や粉塵を扱う場所においては、爆発事故を起こす可能性もある。また、クリーンルームや医療機関などでは、チリやホコリが嫌われるため、帯電防止性能を持った内装材が求められている。
電子製品や電子材料の分野では、ナトリウムイオンやカリウムイオン等のアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンによる汚染が問題視されている。これらイオンが、電子材料等に混入することにより、それ自身の機能を低下、もしくは破壊するのみでなく、それに起因した発熱や発火、さらには爆発の危険も含むこととなる。このような観点から、電子製品や電子部品に応用される材料は、金属イオンを含有しないことが望ましいとされている。
これらの諸問題を解決するために、樹脂には帯電防止剤による処理が行われていることが多い。帯電防止剤の利用され方によって、表面処理と内部処理に大きく大別される。
表面処理とは、樹脂成形品の表面に対して、塗布・浸漬・吹きつけなどの手法を用いて帯電防止剤を処理するものである。水溶性界面活性剤等がその代表であるが、時間がたつとともにその帯電防止能が低下するといった欠点を持つ。
内部処理とは、樹脂成形時に高分子中に帯電防止剤を添加する手法である。この手法における代表的な帯電防止剤としては、導電性微粒子や界面活性剤があげられる。
導電性微粒子としては、金属粉、ITOやATOといった金属酸化物微粒子さらにはカーボン等があげられるが、これらの材料を用いて帯電防止能を付与するには、かなりの量を添加しなくてはいけなく、更にはそれらを均一に分散させる高度な技術が必要になる。また、その添加量の多さゆえ、本来の樹脂物性に大きな影響を与えてしまう。
更に、金属酸化物微粒子の中には、アンチモンやインジウムといった金属を含むものが多い。中でも、アンチモン等の重金属は、人の健康及び環境安全性が懸念されている。更に、インジウム等の貴金属は、その枯渇問題や価格の高さが問題となっている。
界面活性剤としては、アニオン系・カチオン系・ノニオン系などのものがあり、安価なため様々な用途で利用されている。しかし、それらが樹脂表面からブリードを起こし、他を汚染するといった問題も抱えている。加えて、アニオン系では、樹脂に対しての相溶性に欠け、均一分散が困難であり耐熱性も低い、カチオン系では、帯電防止性は問題ないが、熱的安定性が低い、ノニオン系では、高分子への相溶性の低いなどの特徴を持つ。
さらに、これらの材料は、周囲の環境による性能への影響が大きい。とりわけ、湿度の影響が大きいとされる。一般的には、湿度の高い条件下では、帯電防止効果を発生するが、湿度が低くなるとその効果が薄れ、最終的には全く機能しなくなることもある。
また、透明性の高い樹脂と組み合わせた場合には、その特徴を失わないよう、帯電防止剤にも高い透明性が要求される。あまり透明性を要しない用途であったとしても、意匠上の問題等から、透明性が高いことが望まれる。
前述の樹脂を、粘着剤として用いる場合にも、剥離帯電が問題となる。
一般的に、粘着シートは、粘着剤層の保護を目的として、剥離ライナーが粘着剤層に貼り合わされており、使用に際しては、剥離ライナーを剥離して被着体に貼り付けられる。
この剥離ライナーを剥離する際に粘着シートが帯電し、ほこりやゴミが付着し外観不良が発生する。そこで、このような剥離に伴い発生する弊害を抑制すべく、界面活性剤や導電性微粒子を添加すると、粘着剤用途における特有の問題として、ブリードした界面活性剤の影響で粘着物性の低下や、導電性微粒子により透明性が損なわれる場合もある。
また、その他にも、特許文献4、特許文献5、特許文献6には、それぞれエレクトロニクス用テープ用途、保護フィルム用途、偏光板固定用途において使用される、アクリル系樹脂に帯電防止剤としてアルカリ金属塩を含有する帯電防止性粘着剤組成物が開示されている。しかし、電気製品や電子部品に使用される材料に、金属イオン含有する帯電防止性粘着剤組成物を用いることは汚染の懸念があり、さらには粘着シートとしての耐湿熱性が低下する。
このような状況に鑑み、帯電防止剤の存在による粘着物性及び光学特性等の低下が抑制され、フィルムラベル用途から電気、光学用途に至るまで使用可能な、汎用性の高い帯電防止粘着剤組成物が望まれていた。
さらには、帯電防止能のみならず、透明性や樹脂、溶剤への溶解性(相溶性)、並びに耐湿熱性を併せ持つ粘着剤組成物が望まれていた。
特開平4−239565号公報 特開平4−7350号公報 特開平4−198239号公報 特表平10−511726号公報 特開2004−113217号公報 特開2006−199873号公報
本発明の目的は、湿度の影響を受けない高い帯電防止能のみならず、透明性・耐湿熱性を併せ持ち、金属や金属イオンを含まない、汎用性の高い帯電防止粘着剤組成物及びそれを用いてなる粘着シートを提供することにある。
第1の発明は、 アクリル系樹脂(A)、及び下記一般式[1]で表される帯電防止剤(B)を含む帯電防止粘着剤組成物であって、前記アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度が−85〜0℃であることを特徴とする帯電防止粘着剤組成物に関する。
一般式[1]
Figure 2009019176
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、または、置換基を有してもよい複素環基を表し、R〜Rは、隣り合う置換基同士で環を形成してもよい。)
また、第2の発明は、 R〜Rが、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、または、置換基を有してもよいアリール基である第1の発明の帯電防止粘着剤組成物に関する。
また、第3の発明は、 R〜Rが、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリール基である第1または第2の発明の帯電防止粘着剤組成物に関する。
また、第4の発明は、 R〜Rが、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基である第1ないし第3いずれかの発明の帯電防止粘着剤組成物に関する。
さらに、第5の発明は、第1ないし第4いずれかの発明の帯電防止粘着剤組成物から形成される帯電防止性粘着剤層に関する。
さらにまた、第6の発明は、 シート状基材の少なくとも一方の面に、第5の発明の帯電防止性粘着剤層が積層されてなる粘着シートに関する。
本発明によれば、湿度の影響を受けない高い帯電防止能のみならず、透明性・耐湿熱性を併せ持ち、金属や金属イオンを含まない汎用性の高い帯電防止粘着剤組成物及びそれを用いてなる粘着シートを提供することが可能となる。
本発明に用いられる帯電防止粘着剤組成物は、炭素数1〜14であるアルキル基を有する(メタ)アクリル系モノマーを主成分とするアクリル系樹脂(A)と帯電防止剤(B)を含んでなり、アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度が−85℃〜0℃であり、前記帯電防止剤(B)は、下記一般式[1]で表される化合物からなる帯電防止剤であることを特徴とする。
一般式[1]
Figure 2009019176
(式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、または、置換基を有してもよい複素環基を表し、R〜Rは、隣り合う置換基同士で環を形成してもよい。)
本発明における一般式[1]で示される化合物のRからRは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよい複素環基を表す。
置換基を有してもよいアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、3−ニトロフェナシル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルケニル基としては、炭素数2〜10のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、スチリル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアルキニル基としては、炭素数2〜10のアルキニル基が好ましく、例えば、エチニル基、プロピニル基、プロパルギル基等が挙げられる。
置換基を有してもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−、およびp−トリル基、キシリル基、o−、m−、およびp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、オバレニル基等が挙げられる。
置換基を有してもよい複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、芳香族あるいは脂肪族の複素環が好ましい。例えば、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基等が挙げられる。
さらに、前述した置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基および置換基を有してもよい複素環基の水素原子はさらに他の置換基で置換されていても良い。
そのような置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基等の他、ヒドロキシル基、カルボキシル基、スルホンアミド基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、ニトロソ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、トリアルキルアンモニウム基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
このような置換基のうち、好ましい置換基として電子求引性の置換基が挙げられる。電子求引性の置換基が置換することにより、一般的にイオン性化合物は解離しやすくなり、帯電防止能は高くなる。
このような、電子求引性の置換基とは、共鳴効果や誘起効果によって相手から電子をひきつける置換基の総称であり、その多くは、ハメット側において、置換基定数σが正の値で示される。これらの置換基としては、特に制限はないが、具体的には、Chemical Review Vol.91、第165−195項 1991年発行に記載のσpが0より大きなものが挙げられ、より具体的には、ハロゲン基、シアノ基、カルボキシル基、ニトロ基、ニトロソ基、アシル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、トリアルキルアンモニウム基、アミド基、ペルフルオロアルキル基、ペルフルオロアルキルチオ基、ペルフルオロアルキルカルボニル基、スルホンアミド基、4−シアノフェニル基等があげられる。
からRは、化合物の安定性面から考慮して、好ましくは置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基であり、より好ましくは、置換基を有してもよいアリール基である。
からRは、化合物の安定性面から考慮して、置換基を有してもよいアルキル基が好ましい。
本発明の一般式[1]で表される化合物の代表例を例示化合物(1)〜(80)として以下に具体的に例示するが、これらに限られるものではない。なお、例示化合物中のMeはメチル基、Etはエチル基、Prはノルマルプロピル基、i−Prはイソプロピル基、Buはノルマルブチル基、Hexはノルマルヘキシル基、c−Hexはシクロヘキシル基、Octはオクチル基、Cetはセチル基、Phはフェニル基を示す。
Figure 2009019176
Figure 2009019176
Figure 2009019176
Figure 2009019176
Figure 2009019176
Figure 2009019176
Figure 2009019176
Figure 2009019176
Figure 2009019176
Figure 2009019176
アクリル系樹脂(A)に対する帯電防止剤(B)の添加量としては、使用するアクリル系樹脂により、帯電防止性の効果が変わり、かつ使用する用途により必要な帯電防止性も変わるが、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して0.001〜20重量部が好ましく、0.01〜10重量部がより好ましい。0.001重量部未満では、帯電防止機能が期待できない。20重量部を超えると粘着物性が低下する場合がある。また、帯電防止剤(B)は単独、または複数組み合わせて使用することも可能である。
本発明においてアクリル系樹脂(A)は、ガラス転移温度(以下、「Tg」とも表記する)は−85℃〜0℃であることが重要であり、−60℃〜0℃がより好ましい。−85℃未満では、粘着剤として必要な凝集力が得られず、0℃以上では、粘着剤用樹脂として不適である。アクリル系樹脂(A)としては、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とした重量平均分子量が10万以上の共重合体であることが好ましい。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、次のような化合物を例示することができる。アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル等の直鎖または分岐脂肪族アルコールのアクリル酸エステル及び対応するメタクリル酸エステル等。好ましくは、使用される(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アルキル基の炭素数が4〜12個のアルキルエステルである。(メタ)アクリル酸アルキルエステルは単独で、または複数組み合わせて用いることができ、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーの合計100重量%中50〜100重量%を占めることが好ましい。
なお、上記のTgは、共重合体を構成する各モノマーから得られる単独重合体のガラス転移温度をもとにして、以下の式(1)(FOXの式)により理論的に算出した値である。
1/Tg =〔(W1/Tg1)+(W2/Tg2)+・・・+(Wn/Tgn)〕/100 式(1)
(ここに温度は絶対温度である。)
Wn:モノマーnの重量%
Tgn:モノマーnからなる単独重合体のガラス転移温度
Tg:共重合体のガラス転移温度
本発明のアクリル樹脂(A)を構成するその他の成分としては、特に限定はされないが、極性官能基含有モノマーを含有することができる。共重合可能なカルボキシル基を有するアクリル系モノマーとして、具体例には次のような化合物を例示することができる。アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、マレイン酸、マレイン酸モノエステル、イタコン酸、クロトン酸等。上記カルボキシル基を有するアクリル系モノマーは、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーの合計100重量%中好ましくは0.1〜20重量%含有され、より好ましくは、1〜10重量%の範囲で使用され、1種もしくは2種以上含有される。
極性官能基含有モノマーのうち、水酸基を有するアクリル系モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート、10−ヒドロキシデシル(メタ)アクリレート、12−ヒドロキシラウリル(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート類、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート類、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
尚、「2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート」とは、「2−ヒドロキシエチルアクリレート」、「2−ヒドロキシエチルメタクリレート」と併記すべきところを略記したものである。他も同様である。
水酸基を有するアクリル系モノマーのうち、特に一級の水酸基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが好ましく、具体的には、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートを挙げることが出来る。
水酸基を有するアクリル系モノマーは、アクリル系樹脂(A)を構成するモノマーの合計100重量%中好ましくは0.1〜20重量%含有され、より好ましくは、1〜10重量%の範囲で使用され、1種もしくは2種以上含有される。
また、その他の極性官能基を有するモノマーとしてはアミノ基、アミド基、マレイミド基、イタコンイミド基、ヌクレンイミド基及びエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の置換基と、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合可能なエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーが挙げられる。
アミノ基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーとしては、アミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミド基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーとしては、(メタ)アクリルアミド、N−置換(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
マレイミド基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーとしては、N−シクロヘキシルマレイミド、N−イソプロピルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−フェニルマレイミド等が挙げられる。
イタコンイミド基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーとしては、N−メチルイタコンイミド、N−エチルイタコンイミド、N−ブチルイタコンイミド、N−オクチルイタコンイミド、N−2−エチルヘキシルイタコンイミド、N−シクロヘキシルイタコンイミド、N−ラウリルイタコンイミド等が挙げられる。
ヌクレンイミド基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーとしては、N−(メタ)アクリロイルオキシメチレンヌクレンイミド、N−(メタ)アクリロイル−6−オキシヘキサメチレンヌクレンイミド、N−(メタ)アクリロイル−8−オキシオクタメチレンヌクレンイミド等が挙げられる。
エポキシ基とエチレン性不飽和二重結合とを有するモノマーとしてはグリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記のモノマーのいずれにも分類されない、エチレン性不飽和二重結合を有するその他のモノマーとしては、スチレン、メチルスチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニル等のビニル系モノマー、
ジビニルベンゼン等のジビニル系モノマー、
1、4−ブチルジアクリレートや1、6−ヘキシルジアクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート等のジアクリレート系モノマー、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェイト等のリン酸基含有モノマー等が挙げられる。
本発明の帯電防止粘着剤組成物においては、反応性化合物で、アクリル系樹脂(A)を三次元架橋することで、各種基材や被着体との密着性を確保するだけでなく、粘着力の制御や、従来よりも過酷な条件下における耐湿熱性をも向上させることもできる。反応性化合物とは、前記したアクリル系樹脂(A)中の水酸基、あるいはカルボキシル基と反応しうる官能基を分子内に有する化合物であり、このような化合物としてはポリイソシアネート化合物、多官能シラン化合物、N−メチロール基含有化合物、エポキシ化合物、アミン化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、メラミン化合物及び金属キレート化合物などが挙げられるが、これらの中でも、架橋剤として作用するために、アクリル系樹脂(A)中の水酸基、あるいはカルボキシル基と反応し得る官能基を分子内に2個以上有する化合物が好ましく用いられる。特に前記のアクリル系樹脂(A)が水酸基を有する場合にはポリイソシアネート化合物が、また、側鎖カルボキシル基を有する場合には、エポキシ化合物、アジリジン化合物、カルボジイミド化合物、オキサゾリン化合物、もしくは金属キレート化合物が好ましく用いられる。
例えば、ポリイソシアネート化合物としては、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。
芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
また上記ポリイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体や、イソシアヌレート環を有する3量体等も使用することができる。
さらには、ポリフェニルメタンポリイソシアネート(PAPI)、ナフチレンジイソシアネート、及びこれらのポリイソシアネート変性物等を使用し得る。なおポリイソシアネート変性物としては、カルボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトイミン基、水と反応したビュレット基、イソシアヌレート基のうちのいずれかの基、またはこれらの基の2種以上を有する変性物を使用できる。
また、ポリオールとジイソシアネートとの反応生成物もポリイソシアネートとして使用することができる。
これらポリイソシアネート化合物の内、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:イソホロンジイソシアネート)、キシリレンジイソシネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)(別名:水添MDI)等の無黄変型または難黄変型のポリイシソアネート化合物を用いると耐候性、耐熱性あるいは耐湿熱性の点から、特に好ましい。
反応性化合物としてポリイソシアネート化合物を使用する場合、反応促進のため、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。例えば三級アミン系化合物、有機金属系化合物等が挙げられ、単独でもあるいは複数を使用することもできる。
反応性化合物としてのエポキシ化合物の例としては、ビスフェノールA−エピクロロヒドリン型のエポキシ系樹脂、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ジグリシジルアニリン、N,N,N’,N’−テトラグリシジル−m−キシリレンジアミン、1、3−ビス(N、N’−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
反応性化合物としてのアジリジン化合物の例としては、N,N’−ジフェニルメタン−4,4’−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、N,N’−トルエン−2,4−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、ビスイソフタロイル−1−(2−メチルアジリジン)、トリ−1−アジリジニルホスフィンオキサイド、N,N’−ヘキサメチレン−1,6−ビス(1−アジリジンカルボキサイト)、トリメチロールプロパン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、テトラメチロールメタン−トリ−β−アジリジニルプロピオネート、トリス−2,4,6−(1−アジリジニル)−1、3、5−トリアジン、トリメチロールプロパントリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、トリメチロールプロパントリス[3−(1−アジリジニル)ブチレート]、トリメチロールプロパントリス[3−(1−(2−メチル)アジリジニル)プロピオネート]、トリメチロールプロパントリス[3−(1−アジリジニル)−2−メチルプロピオネート]、2,2’−ビスヒドロキシメチルブタノールトリス[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ペンタエリスリトールテトラ[3−(1−アジリジニル)プロピオネート]、ジフェニルメタン−4,4−ビス−N,N′−エチレンウレア、1,6−ヘキサメチレンビス−N,N′−エチレンウレア、2,4,6−(トリエチレンイミノ)−Syn−トリアジン、ビス[1−(2−エチル)アジリジニル]ベンゼン−1,3−カルボン酸アミド等が挙げられる。
反応性化合物としてのカルボジイミド化合物としては、カルボジイミド基(−N=C=N−)を分子内に2個以上有する化合物が好ましく用いられ、公知のポリカルボジイミドを用いることができる。
また、カルボジイミド化合物としては、カルボジイミド化触媒の存在下でジイソシアネートを脱炭酸縮合反応させることによって生成した高分子量ポリカルボジイミドも使用できる。
このような化合物としては、以下のジイソシアネートを脱炭酸縮合反応させたものが挙げられる。
ジイソシアネートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、1−メトキシフェニル−2,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネートの内の一種、または、これらの混合物を使用することができる。
カルボジイミド化触媒としては、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、あるいはこれらの3−ホスホレン異性体等のホスホレンオキシドを利用することができる。
このような高分子量ポリカルボジイミドとしては日清紡績株式会社製のカルボジライトシリーズが挙げられる。その中でもカルボジライトV−01,03,05,07,09は有機溶剤との相溶性に優れており好ましい。
反応性化合物としてのオキサゾリン化合物としては、分子内にオキサゾリン基を2個以上有する化合物が好ましく用いられ、具体的には、2′−メチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−エチレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−プロピレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−テトラメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ヘキサメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−オクタメチレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−p−フェニレンビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4,4′−ジメチル−2−オキサゾリン)、2,2′−m−フェニレンビス(4−フェニレンビス−2−オキサゾリン)、2,2′−o−フェニレンビス(2−オキサゾリン)、2,2′−o−フェニレンビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−メチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−エチル−2−オキサゾリン)、2,2′−ビス(4−フェニル−2−オキサゾリン)等を挙げることができる。または、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンや、2−イソプロペニル−4,4−ジメチル−2−オキサゾリンなどのビニル系モノマーと、これらのビニル系モノマーと共重合しうる他のモノマーとの共重合体でもよい。
反応性化合物としての金属キレート化合物の例としては、アルミニウム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウムなどの多価金属がアセチルアセトンやアセト酢酸エチルに配位した化合物が挙げられる。
これらの反応性化合物は、単独で用いてもよいし、あるいは複数を使用することもできる。
本発明の帯電防止粘着剤組成物は、アクリル系樹脂(A)100重量部に対して、反応性化合物を0.001〜20重量部含有することが好ましく、0.01〜10重量部含有することがより好ましい。反応性化合物の使用量が、20重量部を越えると得られる粘着剤組成物の接着性が低下傾向となり好ましくない。また0.001重量部未満では、充分な架橋構造が得られないため、目的とする耐湿熱性の向上が望めない。
本発明の帯電防止粘着剤組成物においては、アクリル系樹(A)と光重合性組成物とを混合し、光重合させることによりアクリル系樹脂(A)を実質的な三次元架橋構造化することで、各種基材や被着体との密着性を確保するだけでなく、粘着力の制御や、従来よりも過酷な条件下における耐湿熱性をも向上させることもできる。
光重合性組成物は、少なくとも、重合性置換基を有するモノマー、オリゴマーまたはプレポリマーと、光重合開始剤を含む
重合性置換基を有するモノマーの例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、2−n−ブチルー2−エチルー1,3−プロパンジオールジアクリレート、ジメチロールートリシクロデカンジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、シクロヘキサンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ヒドロキシピバリン酸トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化リン酸トリアクリレート、エトキシ化トリプロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジアクリレート、ステアリン酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、テトラメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、カプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化イソシアヌール酸トリアクリレート、トリ(2−ヒドロキシエチルイソシアヌレート)トリアクリレート、プロポキシレートグリセリルトリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヒドロキシペンタアクリレート、ネオペンチルグリコールオリゴアクリレート、1,4−ブタンジオールオリゴアクリレート、1,6−ヘキサンジオールオリゴアクリレート、トリメチロールプロパンオリゴアクリレート、ペンタエリスリトールオリゴアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、イソボルニルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、メトキシトリエチレングリコールアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−メトキシブチルアクリレート、ベンジルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、エトキシジエチレングリコールアクリレート、メトキシジプロピレングリコールアクリレート、メチルフェノキシエチルアクリレート、ジプロピレングリコールアクリレート、β-カルボキシルエチルアクリレート、フェノキシジエチレングリコールアクリレート、ビニルカプロラクタム、ビニルピロリドン、N-ビニルホルムアミド、エチルジグリコールアクリレート、トリメチロールプロパンフォルマルモノアクリレート、4−t−ブチルシクロヘキシルアクリレート、トリ(メタ)アリルイソシアヌレート、イミドアクリレート、イソアミルアクリレート、エトキシ化コハク酸アクリレート、カプロラクトン変性テトラヒドロフルフリルアクリレート、トリブロモフェニルアクリレート、エトキシ化トリブロモフェニルアクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、ω-カルボキシポリカプロラクトンモノアクリレート等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
オリゴマー、プレポリマーの例としては、ダイセルUCB社製「Ebecryl230、244、245、270、280/15IB、284、285、4830、4835、4858、4883、8402、8803、8800、254、264、265、294/35HD、1259、1264、4866、9260、8210、1290.1290K、5129、2000、2001、2002、2100、KRM7222、KRM7735、4842、210、215、4827、4849、6700、6700−20T、204、205、6602、220、4450、770、IRR567、81、84、83、80、657、800、805、808、810、812、1657、1810、IRR302、450、670、830、835、870、1830、1870、2870、IRR267、813、IRR483、811、436、438、446、505、524、525、554W、584、586、745、767、1701、1755、740/40TP、600、601、604、605、607、608、609、600/25TO、616、645、648、860、1606、1608、1629、1940、2958、2959、3200、3201、3404、3411、3412、3415、3500、3502、3600、3603、3604、3605、3608、3700、3700−20H、3700−20T、3700−25R、3701、3701−20T、3703、3702、RDX63182、6040、IRR419」、サートマー社製「CN104、CN120、CN124、CN136、CN151、CN2270、CN2271E、CN435、CN454、CN970、CN971、CN972、CN9782、CN981、CN9893、CN991」、BASF社製「Laromer EA81、LR8713、LR8765、LR8986、PE56F、PE44F、LR8800、PE46T、LR8907、PO43F、PO77F、PE55F、LR8967、LR8981、LR8982、LR8992、LR9004、LR8956、LR8985、LR8987、UP35D、UA19T、LR9005、PO83F、PO33F、PO84F、PO94F、LR8863、LR8869、LR8889、LR8997、LR8996、LR9013、LR9019、PO9026V、PE9027V」、コグニス社製「フォトマー3005、3015、3016、3072、3982、3215、5010、5429、5430、5432、5662、5806、5930、6008、6010、6019、6184、6210、6217、6230、6891、6892、6893−20R、6363、6572、3660」、根上工業社製「アートレジンUN−9000HP、9000PEP、9200A、7600、5200、1003、1255、3320HA、3320HB、3320HC、3320HS、901T、1200TPK、6060PTM、6060P」、日本合成化学社製「紫光 UV−6630B、7000B、7510B、7461TE、3000B、3200B、3210EA、3310B、3500BA、3520TL、3700B、6100B、6640B、1400B、1700B、6300B、7550B、7605B、7610B、7620EA、7630B、7640B、2000B、2010B、2250EA、2750B」、日本化薬社製「カヤラッドR−280、R−146、R131、R−205、EX2320,R190、R130、R−300,C−0011、TCR−1234、ZFR−1122、UX−2201,UX−2301,UX3204、UX−3301、UX−4101,UX−6101、UX−7101、MAX−5101、MAX−5100,MAX−3510、UX−4101」等が挙げられる。
光重合開始剤としては、イルガキュアー651、イルガキュアー184、ダロキュアー1173、イルガキュアー500、イルガキュアー1000、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379、イルガキュアー1700、イルガキュアー149、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、イルガキュアー819、イルガキュアー784、イルガキュアー261、イルガキュアーOXE−01(CGI124)、CGI242(チバ・スペシャルティー・ケミカルズ社)、アデカオプトマーN1414、アデカオプトマーN1717(旭電化社)、Esacure1001M(Lamberti社)、ルシリンTPO(BASF社)、ダイドキュア174(大同化成社製)などが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
また紫外から近赤外の光に対して吸収を持つ増感剤と組み合わせて組成物とすることによっても紫外から近赤外領域にかけての光に対する活性を高め、極めて高感度な光重合性組成物とすることが可能である。
そのような増感剤としては、ベンゾフェノン類、カルコン誘導体やジベンザルアセトンなどに代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノンなどに代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明で使用される光重合性組成物に配合する光重合開始剤および増感剤の配合量は特に限定されないが、好ましくは、光重合性組成物の合計100重量%中0〜20重量%,好ましくは、0.1〜15重量%の範囲である。
本発明の帯電防止粘着剤組成物に光重合性組成物を使用する場合、配合する量は特に限定されないが、好ましくはアクリル系樹脂(A)100重量部に対して0.01〜49.99重量部、より好ましくは0.02〜20重量部、最も好ましくは0.02〜10重量部である。49.99重量部を越えると得られる粘着剤組成物の接着性が低下傾向となり好ましくない。また0.001重量部未満では、充分な架橋構造が得られないため、目的とする耐湿熱性の向上が望めない。
また、本発明で用いられる光重合性組成物は、保存時の重合を防止する目的で重合禁止剤を添加することも可能である。
添加可能な重合禁止剤の具体例としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、アルキル置換ハイドロキノン、カテコール、tert−ブチルカテコール、フェノチアジン等を挙げることが出来る。重合禁止剤の添加量はとくに限定されるものではないが、好ましくは光重合性組成物中に0.01〜5重量%の範囲で用いられる。
また、本発明で用いられる光重合性組成物はさらに重合を促進する目的で、アミンやチオール、ジスルフィドなどに代表される重合促進剤や連鎖移動触媒を添加することが可能である。
重合促進剤や連鎖移動触媒の具体例としては、例えば、トリメチルアミン、メチルジメタノールアミン、N−フェニルグリシン、トリエタノールアミン、N,N−ジエチルアニリン等のアミン類、USP第4414312号明細書や特開昭64−13144号公報記載のチオール類、特開平2−291561号公報記載のジスルフィド類、USP第3558322号明細書や特開昭64−17048号公報記載のチオン類、特開平2−291560号公報記載のO−アシルチオヒドロキサメートやN−アルコキシピリジンチオン類があげられる。重合促進剤や連鎖移動触媒の添加量はとくに限定されるものではないが、好ましくは光重合性組成物中に0.001〜5重量%の範囲で用いられる。
本発明における光重合性組成物は、光重合反応に際して、紫外線や可視光線、近赤外線、電子線等によるエネルギーの付与により重合し、目的とする重合物を得ることが可能である。尚、本明細書でいう紫外線、可視光線、近赤外線等の定義は久保亮五ら編「岩波理化学辞典第4版」(1987年、岩波)によった。
したがって、本発明における光重合性組成物は、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、カーボンアーク灯、メタルハライドランプ、蛍光灯、タングステンランプ、アルゴンイオンレーザ、ヘリウムカドミウムレーザ、ヘリウムネオンレーザ、クリプトンイオンレーザ、各種半導体レーザ、YAGレーザ、発光ダイオード、CRT光源、プラズマ光源、電子線、γ線、ArFエキシマーレーザ、KrFエキシマーレーザ、F2レーザ等の各種光源によるエネルギーの付与により目的とする重合物や硬化物を得ることが出来る。
本発明の帯電防止粘着剤組成物には、必要に応じて各種樹脂、他の帯電防止剤、顔料、染料、着色剤、タッキファイヤ、酸化防止剤、紫外線吸収剤、補強剤、耐候剤、可塑剤、香料、発泡剤、難燃剤、表面調整剤、シランカップリング剤等の添加物を配合することも可能である。
他の帯電防止剤としては、グリセリンモノ脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ジエタノールアミン脂肪酸アミド、ポリアルキレングリコールアルキルエーテル、N−アルキルアンモニウムクロライド、金属微粒子、金属酸化物(ITO、FTO、ATO等)等があげられる。
顔料としては、カーボンブラック、酸化鉄、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、カドミウムイエロー、ニッケルチタンイエロー、ストロンチウムクロマート、プルシアンブルー等の無機顔料、アゾ顔料、インジゴ顔料、フタロシアニン顔料、キノフタロン顔料、イソインドリン顔料、イソインドリノン顔料、ジケトピロロピロール顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、インダンスロン顔料、ペリノン顔料、ジオキサジン顔料等の有機顔料があげられる。
可塑剤としては、フタル酸エステル、リン酸エステル、ポリエステル、トリメリット酸エステル、塩素化パラフィン、二塩基酸エステル、エポキシ化エステル等が挙げられる。
難燃剤としては、テトラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモベンゼン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、デカブロモジフェニルオキサイド、ヘキサブロモシクロデカン、テトラブロモ無水フタル酸、塩素化ポリエチレン、塩素化パラフィン、パークロロシクロペンタデカン、クロレンド酸、テトラクロロ無水フタル酸、リン酸アンモニウム、トリクレジルフォスフェート、トリエチルフォスフェート、トリス(β−クロロエチル)フォスフェート、トリスクロロエチルフォスフェート、トリスジクロロプロピルフォスフェート、クレジルジフェニルフォスフェート、キシレニルジフェニルフォスフェート、赤燐、酸化スズ、三酸化アンチモン、水酸化ジルコニウム、メタホウ酸バリウム、ホウ酸亜鉛、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、窒素化グアニジン等が挙げられる。
本発明の帯電防止粘着剤組成物は、優れた帯電防止能を有する帯電防止性粘着剤層を形成することができ、粘着剤層とシート状基材とからなる積層製品(以下、「粘着シート」という。)を得ることができる。
例えば、種々のシート状基材に本発明の帯電防止粘着剤組成物を塗工、乾燥・硬化することによって粘着シートを得ることができる。
帯電防止粘着剤組成物を塗工するに際し、適当な液状媒体、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶剤;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素系溶剤;ジエチルエーテル、メトキシトルエン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、その他の炭化水素系溶媒等の有機溶媒を添加して、粘度を調整することもできるし、帯電防止粘着剤組成物を加熱して粘度を低下させることもできる。ただし、イソシアネート化合物を反応性化合物として用いる場合は、水酸基を含有する溶剤は用いることができない。
シート状基材としては、セロハン、各種プラスチックシート、ゴム、発泡体、布帛、ゴムびき布、樹脂含浸布、ガラス板、金属板、木材等の平坦な形状のものが挙げられる。また、各種基材は単独でも用いることもできるし、複数のものを積層してなる多層状態にあるものも用いることができる。さらに表面を剥離処理したものを用いることもできる。
各種プラスチックシートとしては、各種プラスチックフィルムともいわれ、ポリビニルアルコールフィルムやトリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系樹脂のフィルム、ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレート,ポリエチレンナフタレートなどのポリエステル系樹脂のフィルム、ポリカーボネート系樹脂のフィルム、ポリノルボルネン系樹脂のフィルム、ポリアリレート系樹脂のフィルム、アクリル系樹脂のフィルム、ポリフェニレンサルファイド樹脂のフィルム、ポリスチレン樹脂のフィルム、ビニル系樹脂のフィルム、ポリアミド系樹脂のフィルム、ポリイミド系樹脂のフィルム、エポキシ系樹脂のフィルムなどが挙げられる。
常法にしたがって適当な方法で上記シート状基材に帯電防止粘着剤組成物を塗工した後、帯電防止粘着剤組成物が有機溶媒や水等の液状媒体を含有する場合には、液状媒体を除去したり、帯電防止粘着剤組成物が揮発すべき液状媒体を含有しない場合は、溶融状態にある粘着剤層を冷却して固化したりして、シート状基材の上に帯電防止性粘着剤層を形成することができる。
帯電防止性粘着剤層の厚さは、0.1μm〜200μmであることが好ましく、1μm〜100μmであることがより好ましい。0.1μm未満では十分な接着力が得られないことがあり、200μmを超えても接着力等の特性はそれ以上向上しない場合が多い。
本発明の帯電防止粘着剤組成物をシート状基材に塗工する方法としては、特に制限は無く、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、リップコーター、コンマコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等種々の塗工方法が挙げられる。
乾燥・硬化方法には特に制限はなく、熱風乾燥、赤外線や減圧法を利用したものが挙げられる。乾燥・硬化条件としては粘着剤組成物が熱硬化型である場合には、通常60〜180℃程度の熱風加熱でよい。
一方、帯電防止粘着剤組成物が、光重合性組成物を含有する、光重合型である場合には、必要に応じて含有される有機溶剤等の揮発成分を温風加熱などの方法により除去した後、各種光源による光を照射し、粘着剤層を硬化させる。照射する光のエネルギーは、粘着剤層の膜厚等を考慮し、適宜決定される。
本発明の粘着シートは、
(ア)剥離ライナーの剥離処理面に帯電防止性粘着剤組成物を塗工、乾燥・硬化し、帯電防止性粘着剤層を形成し、その表面にシート基材を積層したり、
(イ)シート状基材に帯電防止性粘着剤組成物を塗工、乾燥・硬化し、帯電防止性粘着剤層を形成したりする、
ことによって得ることができる。
上記(イ)の場合、形成された帯電防止性粘着剤層の保護を目的として、その表面上に剥離ライナーを積層することが好ましい。
また本発明の帯電防止粘着剤組成物は、シート状基材としての、液晶セル部材に使用される偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム、紫外線吸収フィルム、ウィンドウフィルム等の光学特性を持つ、いわゆるシート(前述の通りフィルムともいう)状の光学部材を積層するための帯電防止性粘着剤層を好ましく形成することができる。
また、本発明の粘着シートは、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、輝度向上フィルム、紫外線吸収フィルム、ウィンドウフィルム等の光学特性を持つ、いわゆるシート(前述の通りフィルムともいう)状の光学部材を保護する保護フィルムとして用いることも出来る。
高級なステッカーや書籍の表面保護に用いられるラミネートフィルムには、特に高い透明性や、静電気によるほこりやゴミの付着に起因する外観不良の低減が要求され、本発明の粘着シートは、それらの用途向けのラミネートフィルムとしても用いることができる。
本発明の帯電防止粘着剤組成物は、その外、帯電防止性が必要なラベル・シール用途、エレクトロニクス用テープ用途、建材保護フィルム用途、包装材料用途に使用することもできる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。なお、例中、「部」とは「重量部」を、「%」とは「重量%」をそれぞれ示すものとする。
まず、以下に本発明における化合物の合成例を示す。
<合成例1> 化合物(9)の合成
ナトリウム テトラフェニルボレート 342gを、イオン交換水1Lに溶解させた。そこに、テトラエチルアンモニウムブロマイド 210gをイオン交換水1Lに溶解させたものを徐々に添加した。析出物をろ過することにより、化合物(9)を 403g得た。元素分析(組成式:C3240BN 計算値(%):C, 85.51; H, 8.97; N, 3.12 実測値(%):C, 85.61; H, 8.85; N, 3.24)により確認した。
<合成例2> 化合物(20)の合成
テトラエチルアンモニウムブロマイドの代わりに、オクチルトリメチルアンモニウムブロマイド を用いた以外は、合成例1と同様にして、化合物(20)を得た。元素分析(組成式:C35H46BN 計算値(%):C, 85.52; H, 9.43; B, 2.20; N, 2.85 実測値(%):C, 85.68; H, 9.36; N, 2.79)により確認した。
<合成例3> 化合物(47)の合成
テトラエチルアンモニウムブロマイドの代わりに、トリメチルビニルオキシカルボニルメチルアンモニウムクロライド を用いた以外は、合成例1と同様にして、化合物(47)を得た。元素分析(組成式:C31H14BF20NO2計算値(%):C, 45.23; H, 1.71; N, 1.70 実測値(%):C, 45.14; H, 1.78; N, 1.88)により確認した。
<合成例4> 化合物(56)の合成
テトラエチルアンモニウムブロマイドの代わりに、アリルトリメチルアンモニウムブロマイド を用いた以外は、合成例1と同様にして、化合物(56)を得た。元素分析(組成式:C30H14BF20N 計算値(%):C, 46.24; H, 1.81; N, 1.80 実測値(%):C, 46.18; H, 1.74; N, 1.89)により確認した。
<合成例5> 化合物(62)の合成
テトラエチルアンモニウムブロマイドの代わりに、テトラブチルアンモニウムブロマイド を用いた以外は、合成例1と同様にして、化合物(62)を得た。元素分析(組成式:C40H36BF20N 計算値(%):C, 52.14; H, 3.94; N, 1.52 実測値(%):C, 52.00; H, 4.00; N, 1.66)により確認した。
<合成例6> 化合物(64)の合成
テトラエチルアンモニウムブロマイドの代わりに、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド を用いた以外は、合成例1と同様にして、化合物(64)を得た。元素分析(組成式:C43H34BF20N 計算値(%):C, 54.05; H, 3.59; N, 1.47 実測値(%):C, 54.20.14; H, 5.66; N, 1.68)により確認した。
合成例に挙げていない化合物に関しては、合成例1に従い、相当するボレートのナトリウム、カリウム、リチウムまたはマグネシウムハライド塩と相当するアンモニウム塩のブロマイド、クロライドまたはヨーダイドとの塩交換により化合物を合成した。なお、原料はアルドリッチ社、東京化成社、ナカライテスク社、メルク社等の試薬メーカーから購入した。
また、入手が困難なボレートに関しては、特開昭62−132893号公報、特開昭62−277307号公報、特開平6−247980号公報、特開平6−247981号公報、特開平8−311074号公報、特開平10−330381号公報、特開平10−310589号公報、特開平11−292883号公報、特開2000−143671号公報、特開2003−238572号公報、特開2003−335786号公報、特開2004−43435号公報、米国特許第398236号公報、米国特許第5473036号公報、Journal of Organometallic Chemistry誌 1964年 第2巻 245頁、Journal of Organometallic Chemistry誌 1967年 第8巻 411頁等を参考に合成を行った。
表1に、合成した化合物のうち代表的なものの元素分析値を示す。
また、表2に、比較化合物(1)〜(4)の構造を示す。
表1
Figure 2009019176
表2
Figure 2009019176
《ガラス転移温度(Tg)の算出》
1/Tg =〔(W1/Tg1)+(W2/Tg2)+・・・+(Wn/Tgn)〕/100 式(1)
(ここに温度は絶対温度である。)
Wn:モノマーnの重量%
Tgn:モノマーnからなる単独重合体のガラス転移温度
Tg:共重合体のガラス転移温度
共重合体のガラス転移温度(Tg)の算出にあたり、単独重合体のガラス転移温度として、下記の値を使用した。
アクリル酸2-エチルヘキシル:−85℃
アクリル酸ブチル:−54℃
アクリル酸エチル:−22℃
4−ヒドロキシブチルアクリレート:−80℃
アクリル酸:106℃
メタクリル酸メチル:105℃
《重量平均分子量(Mw)の測定》
Mwの測定は東ソー株式会社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「HPC−8020」を用いた。
GPCは溶媒(THF;テトラヒドロフラン)に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)の決定はポリスチレン換算で行った。
(製造例1)
攪拌機、温度計、冷却器、滴下装置、窒素導入管を備えた四つ口フラスコに、アクリル酸ブチル99.0部、4−ヒドロキシブチルアクリレート1.0部、重合溶媒としてアセトン150.0部、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.06部を仕込み、この反応容器内の空気を窒素ガスで置換した後、攪拌しながら窒素雰囲気下中で、この反応溶液を60℃に昇温させ、5時間反応させた。反応終了後、トルエンを190部とアクリル酸0.25部および重合開始剤である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.50部を添加して、70℃に昇温し、6時間反応させた。反応後、トルエン55部を添加して室温まで冷却し、固形分20.0%のアクリル系樹脂の溶液を得た。樹脂のガラス転移温度(Tg)は54℃であった。
(製造例2)
撹拌機、還流冷却管、窒素導入管、温度計、滴下ロートを備えた4口フラスコにアクリル酸2−エチルヘキシル36.5部、アクリル酸ブチル10.0部、4−ヒドロキシブチルアクリレート3.5部、重合溶媒として酢酸エチル、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチロニトリルを適量仕込み、
アクリル酸2−エチルヘキシル36.5部、アクリル酸ブチル10.0部、4−ヒドロキシブチルアクリレート3.5部に、酢酸エチル、アゾビスイソブチロニトリルを適量添加して混合した溶液を約1時間かけて滴下し、窒素雰囲気下約80℃にて5時間重合させた。反応終了後、冷却し、酢酸エチルで希釈し、アクリル系樹脂の溶液を得た。この反応溶液は、固形分41%であり、樹脂のMw(重量平均分子量)は390,000、ガラス転移温度(Tg)は79℃であった。
(製造例3)
アクリル酸2−エチルヘキシル50.5部、アクリル酸ブチル40.5部、アクリル酸エチル5部、メタクリル酸メチル:3部、アクリル酸:1部、連鎖移動剤であるチオグリコール酸オクチル:0.01部を混合し、溶解させてモノマー混合物を得た。
この混合物に非反応性界面活性剤であるアルキル炭素数12、エチレンオキサイド付加モル数18のポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート:0.5部と脱イオン水45.6部を加え、ホモミキサーにて撹拌し、50%粒子径が0.5μmのモノマーエマルジョンを得、該モノマーエマルジョンを滴下槽に仕込んだ。
加熱装置、撹拌機、還流冷却装置、温度計、窒素導入管および滴下槽を備えた重合用容器に脱イオン水:46部とアルキル炭素数12、エチレンオキサイド付加モル数18のポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェート:0.1部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌して内温78℃まで昇温させて、重合開始剤である5%過硫酸カリウム水溶液を固形分で0.065部を入れた。5分後に上記モノマーエマルジョンと、5%過硫酸アンモニウム水溶液を固形分として0.187部をそれぞれ別の滴下槽から3時間かけて滴下して重合を行った。
滴下終了後30分間80℃に保ち、次いで30分かけて内温を60〜65℃に設定し、重合開始剤であるt−ブチルハイドロパーオキサイド:0.01部とロンガリット:0.012部を5%水溶液にて10分おきに3回に分けて添加した。更に撹拌しながら1時間反応させた後、アンモニア水で中和し、不揮発分49.7%であるアクリル系樹脂のエマルジョン(1)を得た。樹脂のガラス転移温度は66℃であった。
上記で得たアクリル系樹脂のエマルジョン(1)100部に、シリコン系消泡剤:0.1部、濡れ剤としてナトリウムジオクチルスルホサクシネート:0.1部を加え、さらにウレタン系増粘剤:1部で5000mPa・s(BL型粘度計、25℃で#4ロータ/60rpmにて測定。)に増粘して、アクリル系樹脂のエマルジョン(2)を得た。
(製造例4)
攪拌機、温度計、窒素導入管、還流冷却器を備えた四つ口フラスコにアクリル酸2−エチルヘキシル200部、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュア184)0.1部、ベンジルメチルケタール(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製、イルガキュア651)0.1部を仕込み、緩やかに攪拌しながら窒素ガスを導入し、高圧水銀灯(東芝ライテック社製、SHL−100UVQ−2)による紫外線を約5分間照射し反応を行い、酢酸エチル200部で希釈し、アクリル系樹脂の溶液を得た。樹脂のガラス転移温度(Tg)は−85℃であった。
[実施例1]
製造例1で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分20部に対して、化合物(1)0.4部、XDI/TMP(キシリレンジイソシネートのトリメチローププロパンアダクト体)0.05部を添加してよく撹拌して粘着剤組成物を得た。
この粘着剤組成物を、剥離ライナー(剥離処理されたポリエステルフィルム)の剥離処理面に、乾燥塗膜の厚さが20μmになるように塗工し、100℃で1分間乾燥させた後、形成されつつある粘着剤層にポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)を積層し、この状態で温度23℃相対湿度50%の条件で1週間熟成させて試験用粘着シートを得た。
該粘着シートを用いて、以下に示す方法に従って、粘着力、表面抵抗値、透明性、耐湿熱性の評価を行った。
<粘着力>
試験用粘着テープを25mm幅に裁断し、剥離ライナーを剥がし、露出した粘着剤層を厚さ2mmのガラス板に23℃−50%RHにて貼着し、JIS Z−0237に準じてロール圧着した。圧着から24時間経過後、ショッパー型剥離試験器にて剥離強度(180度ピール、引っ張り速度300mm/分、単位;g/25mm)を測定した。
<表面抵抗値>
試験用粘着テープの剥離ライナーを剥がし、露出した粘着剤層表面の表面抵抗値を、23℃−35、45、55%RHの各条件下で、表面抵抗値測定装置(三菱化学株式会社製)を用いて測定した(単位:Ω/□)。
<透明性(ヘイズ)>
各実施例、比較例で得られた粘着剤組成物を、剥離処理されたポリエステルフィルムに塗工して乾燥させ、厚さ25μmの粘着剤層を設けた後に、更に剥離処理されたポリエステルフィルムを貼り合わせた。この剥離処理されたポリエステルフィルムに挟持された粘着剤層を温度23℃相対湿度50%の条件で1週間熟成させた後、両方の剥離処理ポリエステルフィルムを取り除き、粘着剤層単体の外観を目視判定するとともに、HAZEを「NDH−300A」[日本電色工業(株)社製]で測定した。
○:「実用上全く問題がない。HAZE:1未満。」
△:「曇り等は認められない、かつHAZE:1以上3未満。」
×:「若干曇りが認められる、光学干渉ムラが認められる、またはHAZE:3以上。
<耐湿熱性>
試験用粘着テープを150mm×80mmの大きさに裁断し、剥離ライナーを剥がし、厚さ1.1mmのフロートガラス板にラミネーターを用いて貼着した。続いて、試験用粘着テープが貼り付けられたガラス板を50℃−5気圧の条件のオートクレーブ内に20分保持させて、試験用粘着テープをガラス板に強固に密着させ、試験用粘着テープとの積層物を得た。
耐湿熱性の評価として、上記積層物を80℃、相対湿度90%で1000時間放置した後の浮きハガレ及び白化の程度を目視で観察し、下記の3段階の評価基準に基づいて評価をおこなった。
○:「浮きハガレ、白化が全く認められず、実用上全く問題なし。」
△:「若干浮きハガレ、白化の何れかが認められるが、実用上問題がない」
×:「全面的に浮きハガレまたは白化があり、実用不可である」
をそれぞれ意味する。
実施例2〜実施例12、比較例1〜比較例4
実施例1の化合物(1)の代わりに、表3に示す化合物をそれぞれ用いたこと以外は実施例1と同様にして粘着剤組成物を得、評価した。結果を表3に示す。
[実施例13]
製造例2で得られたアクリル系樹脂溶液の固形分40部に対して、化合物(5)0.8部、トリレンジイソシアネートトリメチロールプロパンアダクト体の37%酢酸エチル溶液 10部を配合し粘着剤組成物を得たこと以外は、実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
[実施例14]
製造例3で得られたアクリル系樹脂のエマルジョン(2)の固形分40部に対して、化合物(5)0.8部を配合し粘着剤組成物を得たこと以外は、実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
[実施例15]
製造例4で得られたアクリル系樹脂溶液100部に対して、化合物(5)1.0部 光重合性樹脂として、アロニックスM408(東亞合成株式会社製)5部とカプロラクトン変性トリメチロールプロパントリアクリレート2部、光重合開始剤として、ダイドキュア174(大同化成社製)を0.5部添加してよく撹拌して粘着剤組成物を得た。
この粘着剤組成物を、剥離処理されたポリエステルフィルムの剥離処理面に乾燥塗膜の厚さが20μmになるように塗工し、100℃で1分間乾燥させた後、メタルハライドランプを照射し(640mW/cm)、硬化させ、形成された粘着剤層にポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)を積層し試験用粘着シートを得た。得られた粘着シートを用いて、実施例1と同様に評価した。結果を表3に示す。
Figure 2009019176
本発明の帯電防止粘着剤組成物から形成される帯電防止性粘着剤層は、湿度が変化してもその表面抵抗値はほとんど変化しないことがわかった。しかし、帯電防止剤として比較化合物(1)〜(4)を用いた粘着剤組成物においては、湿度が低下するにつれ表面抵抗値が大きくなり、35%RHでは1014以上の値となり、帯電防止効果はないと判断できる。また、比較化合物(1)〜(4)を用いた粘着剤組成物は耐湿熱性にも劣る。
これら実施例から総合的に判断をすると、本発明の帯電防止粘着剤組成物は、湿度の影響を受けない高い帯電防止能のみならず、透明性・樹脂や溶剤への溶解性(相溶性)・耐湿熱性を併せ持ち、貴金属や重金属さらには金属イオンを含まないといった特徴を兼ね備えている汎用性の高い帯電防止粘着剤組成物と判断することができる。
また、本発明の耐電防止粘着剤組成物は、光学部材用樹脂組成物として好適であるほか、塗料、弾性壁材、塗膜防水材、床材、タッキファイヤ、接着剤、積層構造体用接着剤、シーリング剤、成形材料、表面改質用コーティング剤、バインダー(磁気記録媒体、インキバインダー、鋳物バインダー、焼成レンガバインダー、グラフト材、マイクロカプセル、グラスファイバーサイジング等)、ウレタンフォーム(硬質、半硬質、軟質)、ウレタンRIM、UV・EB硬化樹脂、ハイソリッド塗料、熱硬化型エラストマー、マイクロセルラー、繊維加工剤、可塑剤、吸音材料、制振材料、界面活性剤、ゲルコート剤、人工大理石用樹脂、人工大理石用耐衝撃性付与剤、インキ用樹脂、フィルム(ラミネート接着剤、保護フィルム等)、合わせガラス用樹脂、反応性希釈剤、各種成形材料、弾性繊維、人工皮革、合成皮革等の原料として、また、各種樹脂添加剤およびその原料等としても非常に有用に使用できる。

Claims (6)

  1. アクリル系樹脂(A)、及び下記一般式[1]で表される帯電防止剤(B)を含む帯電防止粘着剤組成物であって、前記アクリル系樹脂(A)のガラス転移温度が−85〜0℃であることを特徴とする帯電防止粘着剤組成物。
    一般式[1]
    Figure 2009019176
    (式中、R〜Rは、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいアルキニル基、置換基を有してもよいアリール基、または、置換基を有してもよい複素環基を表し、R〜Rは、隣り合う置換基同士で環を形成してもよい。)
  2. 〜Rが、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、または、置換基を有してもよいアリール基である請求項1記載の帯電防止粘着剤組成物。
  3. 〜Rが、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアリール基である請求項1または2記載の帯電防止粘着剤組成物。
  4. 〜Rが、それぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基である請求項1ないし3いずれか記載の帯電防止粘着剤組成物。
  5. 請求項1ないし4いずれか記載の帯電防止粘着剤組成物から形成される帯電防止性粘着剤層。
  6. シート状基材の少なくとも一方の面に、請求項5記載の帯電防止性粘着剤層が積層されてなる粘着シート。
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