JP2009019123A - 6位高アセチル化セルロースアセテート及びその製造方法 - Google Patents

6位高アセチル化セルロースアセテート及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 光学異方性の発現に優れるセルロースアセテートを提供する。
【解決手段】 2位のアセチル置換度をD2、3位のアセチル置換度をD3、6位のアセチル置換度をD6としたとき、以下の関係式を満足する6位高アセチル化セルロースアセテート。
0.5≦D2≦0.9
0.5≦D3≦0.9
D6≧0.9
前記6位高アセチル化セルロースアセテートの全アセチル置換度は、例えば1.7以上2.6未満であり、平均重合度は、例えば20〜400である。このような6位高アセチル化セルロースアセテートは、全アセチル置換度1.0〜2.5の部分アセチル置換セルロースアセテートを、酸触媒の存在下、少なくとも酢酸を含む溶媒中で処理することにより得ることができる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、吸着剤、フィルム、光学異性体分離剤等の原材料として有用な6位高アセチル化セルロースアセテートの製造方法に関する。
セルロースアセテートにはセルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースモノアセテートがある。このうち、セルローストリアセテートとセルロースジアセテートが工業上重要である。一般に、アセチル置換度が2.6以上のものをセルローストリアセテートと称し、アセチル置換度が2以上2.6未満のものをセルロースジアセテートと称している。セルロースアセテートの物性はアセチル置換度や重合度により大きく変化するため、それらを調整することにより種々の用途に利用することが可能となる。
特開2002−338601号公報及び特開2003−201301号公報には、セルロースを溶媒中で触媒の存在下、酢酸又は無水酢酸と反応させてセルロースアセテートを合成し、得られたセルロースアセテートを、特定の条件下で熟成することにより、分子間又は分子内のアセチル置換度を調整でき、2位のアセチル置換度を2DS、3位のアセチル置換度を3DS、6位のアセチル置換度を6DSとしたとき、下記の関係式を満足するセルロースアセテートが得られることが開示されている。
2DS+3DS>1.80
3DS<2DS
6DS>0.80
このようなセルロースアセテートは、アセチル置換度が均一であり(アセチル基が均一に分布しており)、置換度が例えば2.636〜2.958という高置換度セルローストリアセテートであっても溶媒に対する溶解性が高いという特徴を有する。しかしながら、置換度がさほど高くないセルロースアセテートにおいては、2位のアセチル置換度と3位のアセチル置換度と6位のアセチル置換度がほぼ同等である場合には、このもの自体の光学的性質においての異方性の発現や、残存水酸基に種々の修飾基を導入した誘導体化物質の光学的性質において異方性を発現する特性の点で劣り、位相差フィルムの機能が不十分という問題が生じる。
特開2002−338601号公報 特開2003−201301号公報
したがって、本発明の目的は光学的異方性に優れるセルロースアセテートを提供することにある。本発明の他の目的は、このような特性を有するセルロースアセテートを工業的に効率よく製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、全アセチル置換度1.0〜2.5の部分アセチル置換セルロースアセテートを特定の条件で処理すると、6位アセチル置換度の高い6位高アセチル化セルロースアセテート(特に、セルロースジアセテート)が得られること、このようなセルロースアセテートは、光学異方性の発現という点で優れていることを見いだし、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、2位のアセチル置換度をD2、3位のアセチル置換度をD3、6位のアセチル置換度をD6としたとき、以下の関係式を満足する6位高アセチル化セルロースアセテートを提供する。
0.5≦D2≦0.9
0.5≦D3≦0.9
D6≧0.9
前記6位高アセチル化セルロースアセテートの全アセチル置換度は、例えば1.7以上2.6未満であり、平均重合度は、例えば20〜400である。また、硫酸根の含有量は6位高アセチル化セルロースアセテートに対して100重量ppm以下であるのが好ましい。
本発明は、また、全アセチル置換度1.0〜2.5の部分アセチル置換セルロースアセテートを、酸触媒の存在下、少なくとも酢酸を含む溶媒中で処理して、2位のアセチル置換度をD2、3位のアセチル置換度をD3、6位のアセチル置換度をD6としたとき、以下の関係式を満足する6位高アセチル化セルロースアセテートを得ることを特徴とする6位高アセチル化セルロースアセテートの製造方法を提供する。
0.5≦D2≦0.9
0.5≦D3≦0.9
D6≧0.9
前記少なくとも酢酸を含む溶媒として、酢酸、又は、酢酸とハロゲン系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒及びアミド系溶媒からなる群より選択された少なくとも1種の有機溶媒との混合溶媒を使用できる。
前記酸触媒として、塩酸、過塩素酸、次亜塩素酸、亜塩素酸及び硝酸から選択された少なくとも1種の酸を用いることができる。
本発明の6位高アセチル化セルロースアセテートは光学異方性の発現という点で優れた特性を有している。そのため、光学材料などの原材料等として好適である。また、本発明の製造方法によれば、このような優れた特性を有する6位高アセチル化セルロースアセテートを工業的に効率よく製造できる。
本発明の6位高アセチル化セルロースアセテートは、2位のアセチル置換度をD2、3位のアセチル置換度をD3、6位のアセチル置換度をD6としたとき、以下の関係式を満足するものである。このようなセルロースアセテートは、光学異方性の発現という点で優れている。
0.5≦D2≦0.9
0.5≦D3≦0.9
D6≧0.9
前記D2は、好ましくは0.55≦D2≦0.85の範囲であり、D3は、好ましくは0.55≦D3≦0.85の範囲である。また、全アセチル置換度は、好ましくは1.7以上2.6未満、さらに好ましくは2.0以上2.6未満である。平均重合度は、20〜400(好ましくは20〜300)程度であるが、有機溶媒に対する溶解性の点からは、20〜80の範囲が特に好ましい。平均重合度が20〜80のものは可塑剤や添加剤として好適に使用される。平均重合度は、セルロースを標品として、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により求められる。
前記6位高アセチル化セルロースアセテートは、例えば、全アセチル置換度1.0〜2.5(特に1.5〜2.5)の部分アセチル置換セルロースアセテートを、酸触媒の存在下、少なくとも酢酸を含む溶媒中で処理することにより製造することができる。
原料として用いる部分アセチル置換セルロースアセテートの2位のアセチル置換度D2は、例えば0.3〜0.9、好ましくは0.5〜0.9であり、3位のアセチル置換度D3は、例えば0.3〜0.9、好ましくは0.5〜0.9であり、6位のアセチル置換度D6は、例えば0.3以上0.9未満、好ましくは0.5〜0.8である。各位置のアセチル置換度はNMR法により求めることができる。
また、原料として用いる部分アセチル置換セルロースアセテートの平均重合度は、例えば20〜500、好ましくは81〜500、さらに好ましくは85〜400、特に好ましくは90〜250程度である。
本発明で用いられる酸触媒としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、過塩素酸、次亜塩素酸、亜塩素酸、硝酸、硫酸等の無機酸(鉱酸等)などが挙げられる。これらの中でも、塩酸、過塩素酸、次亜塩素酸、亜塩素酸、硝酸が好ましい。酸触媒は単独で又は2種以上を組み合わせて使用できる。
酸触媒の使用量は、特に制限はなく、反応速度、反応の選択性、コスト、後処理の容易性等を考慮して適宜選択できるが、一般には、原料として用いる部分アセチル置換セルロースアセテートに対して、0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、さらに好ましくは1〜20重量%程度である。
反応(酸触媒を用いた処理)は、少なくとも酢酸を含む溶媒中で行われる。少なくとも酢酸を含む溶媒としては、例えば、酢酸;酢酸と、ハロゲン系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒及びアミド系溶媒からなる群より選択された少なくとも1種の有機溶媒との混合溶媒などが挙げられる。ハロゲン系溶媒としては、例えば、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、クロロベンゼンなどが挙げられる。ケトン系溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。エーテル系溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジオキソラン等の環状エーテル;エチルエーテル、イソプロピルエーテル等の鎖状エーテルなどが挙げられる。エステル系溶媒としては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル;安息香酸メチル、安息香酸エチル等の芳香族カルボン酸エステルなどが挙げられる。アミド系溶媒としては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
本発明においては、上記のなかでも、酢酸/塩化メチレンや酢酸/クロロホルム等の酢酸とハロゲン系溶媒との混合溶媒;酢酸/アセトンや酢酸/シクロヘキサノン等の酢酸とケトン系溶媒との混合溶媒などの、酢酸とハロゲン系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒及びアミド系溶媒から選択された少なくとも1種の有機溶媒との混合溶媒が好ましい。酢酸と他の有機溶媒との混合溶媒を用いる場合、その比率は、例えば、前者/後者(重量比)=5/95〜95/5、好ましくは10/90〜90/10、さらに好ましくは20/80〜80/20程度である。
反応系内には水は特に必要はないが、酸触媒の溶媒として用いるなど必要に応じて少量使用してもよい。水の量は、例えば、反応溶媒(少なくとも酢酸を含む溶媒)に対して、0〜10重量%、好ましくは0〜5重量%、さらに好ましくは0〜1重量%である。
反応温度(酸触媒を用いた処理温度)は、反応速度や反応の選択性を考慮して適宜選択できるが、0〜100℃、特に20〜60℃の範囲が好ましい。温度が高すぎると重合度が低下しやすく、逆に低すぎると反応時間が長くなり、生産性が低いという問題を生じる。反応時間は、原料として用いる部分アセチル置換セルロースアセテートの種類、反応温度、酸触媒の使用量等により異なるが、一般には、0.5〜24時間、好ましくは1〜12時間、さらに好ましくは2〜8時間程度である。酸触媒による処理は、通常常圧で行われるが、加圧下又は減圧下で行ってもよい。酸触媒による処理は、回分式、半回分式、連続式等の何れの方式で行ってもよい。
上記処理により、原料として用いる部分アセチル置換セルロースアセテートのアセチル基が移動して、6位水酸基が選択的にアセチル化された6位高アセチル化セルロースアセテートが生成する。また、上記方法によれば、総置換度分布の狭い6位高アセチル化セルロースアセテートが得られる。総置換度分布とは、セルロース主鎖に対するアセチル基の導入位置の分布の状態を意味し、赤外線吸収スペクトルの吸収バンド解析により測定できる。なお、田所宏行著、高分子の構造(化学同人、1976年)の219頁〜221頁に記載がある。総置換度分布の狭い6位高アセチル化セルロースアセテートは溶媒溶解性が良好であり、溶液反応に供した場合の反応の均一性が高いので、さらなる誘導体を製造する場合も、光学特性の安定した組成物を得ることができる。また、溶解性が良好であることから、ドープの均一性が高い。そのため、光学異物を抑制し、光学特性のムラがないフィルムを得ることができる。
また、セルロースアセテートの遊離の水酸基は系内の酢酸によりアセチル化されることもある。また、条件によりセルロースアセテートの重合度が低下する。
酸触媒による処理後、反応生成物は、例えば、濾過、濃縮、抽出、晶析、再結晶、カラムクロマトグラフィーなどの分離手段により分離精製できる。例えば、処理後の反応混合液に、必要に応じて酸触媒を中和するための塩基を添加して適当な時間撹拌した後、貧溶媒中に注いで生成物を沈殿させ、沈殿した固体を濾過し、適当な洗浄液で洗浄した後、例えば減圧下で乾燥することにより目的とする6位高アセチル化セルロースアセテートを得ることができる。
前記塩基としては、例えば、ピリジン等の含窒素複素環化合物;トリエチルアミン等の第三級アミン、ジエチルアミン等の第二級アミンなどのアミンなどが挙げられる。塩基の使用量は、例えば、用いた酸触媒に対して、1当量以上(1〜20当量)、好ましくは1〜5当量程度である。塩基を添加して撹拌する際の温度は、例えば20〜100℃、好ましくは20〜60℃である。前記沈殿操作に用いる貧溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール、ヘキサンやトルエン等の炭化水素、水、これらの混合溶媒、これらと他の有機溶媒との混合溶媒などが挙げられる。前記洗浄液としては、上記の貧溶媒として例示した溶媒を使用できる。
こうして得られる6位高アセチル化セルロースアセテートは、そのまま又はさらに誘導化して、吸着剤、フィルム(光学フィルムなど)、塗料、光学異性体分離剤等の用途に利用できる。また、この6位高アセチル化セルロースアセテート又はその誘導体を他の物質や材料に添加することで機能を変化させたり新たな機能を付加することができる。
本発明の6位高アセチル化セルロースアセテートにおいては、硫酸根の含有量が該6位高アセチル化セルロースアセテートに対して、例えば100重量ppm以下(例えば1〜100重量ppm)、好ましくは70重量ppm以下(例えば1〜70重量ppm)、さらに好ましくは50重量ppm以下(例えば1〜50重量ppm)である。硫酸根の含有量が多く残留すると、製品乾燥時や経時変化で製品の色味が黄色に着色するなどの問題を生じることがある。また、機能阻害を起こす要因になる可能性がある。
ここでいう硫酸根は、結合硫酸、非結合の硫酸、硫酸塩、硫酸エステル、硫酸錯体などの形でセルロースアセテート(6位高アセチル化セルロースアセテート)中に存在している硫酸根の全量を意味する。セルロースアセテート中の硫酸根の含有量は、絶乾状態の試料(セルロースアセテート)を1300℃の電気炉で焼成し、昇華した亜硫酸ガスを10重量%過酸化水素水にトラップし、電量測定法によって定量する(SO4 2-換算の値)ことにより測定できる。単位はセルロースアセテートに対する重量ppmである。電量滴定法の分析条件は以下の通りである。電量滴定法に用いる機器として、例えば、三菱化学製の商品名「TOX−10Σ」などが挙げられる。
温度:1100℃
試料量:20±2mg
燃焼ガス:酸素ガス(99.7%以上)
通気量:アルゴン200ml/min、酸素150ml/min
燃焼管:石英ガラス管(内管内径13mm、外管内径22mm)
硫酸根の含有量の低い6位高アセチル化セルロースアセテートは、例えば、6位高アセチル化セルロースアセテートの製造工程において硫酸以外の酸触媒を用いたり、反応系に供給する酢酸及び水の量を調整することにより得ることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。セルロースアセテートの分子量、平均重合度はGPCにより求めた。平均重合度100以上の酢酸セルロースを標品として用いて検量線を作成し、外挿によりセルロースアセテートの平均重合度を求めた。分析条件は下記の通りである。
移動相:クロロホルム
カラム:TSK−Gel GMHhr−M x2 +guard
温度:40℃
流速:0.8ml/min
注入量:100μL
試料濃度:0.2重量%
アセチル置換度の測定は、手塚(Tezuka, Carbohydr. Res., 273, 83(1995))の方法に従い実施した。すなわち、試料セルロースアセテートの遊離水酸基をピリジン中で無水プロピオン酸によりプロピオニル化する。得られた試料を重クロロホルムに溶解し、13C−NMRスペクトルを測定する。アセチル基のカルボニル炭素のシグナルは169ppmから171ppmの領域に、高磁場から2位、3位、6位の順、プロピオニル基のカルボニル炭素のシグナルは、172ppmから174ppmの領域に同じ順序で現れる。それぞれ対応する位置でのアセチル基とプロピオニル基の存在比から、元のセルロースアセテートにおけるアセチル基の分布を求めることができる。セルロースアセテート中の硫酸根の含有量は前記の方法により求めた。
実施例1
アセトン100ml、酢酸107mlに二酢酸セルロース(重合度140、アセチル置換度2.45)25gを溶解させた。この溶液を40℃にて撹拌しながら、酢酸3.75mlと70重量%過塩素酸3.75mlの混合液を加え、40℃で11時間反応させた。その後、ピリジン5mlを滴下し、40℃で1時間撹拌した。反応液をメタノール875ml中へ注ぎ込み、析出した沈殿を濾別し、メタノールでよく洗浄した。結晶を80℃にて真空乾燥し、6位高アセチル化セルロースアセテートを得た。収量は17.8gであった。原料セルロースアセテート及び得られた6位高アセチル化セルロースアセテートの全アセチル置換度、アセチル基の分布、平均重合度及び硫酸根含有量を表1に示す。
実施例2
アセトン150ml、酢酸160mlに二酢酸セルロース(重合度100、アセチル置換度1.80)35gを溶解させた。この溶液を40℃にて撹拌しながら、酢酸5.6mlと70重量%過塩素酸2.5mlの混合液を加え、40℃で5時間反応させた。その後、ピリジン7gを滴下し、40℃で1時間撹拌した。反応液をメタノール15L中へ注ぎ込み、析出した沈殿を濾別し、メタノールでよく洗浄した。結晶を80℃にて真空乾燥し、6位高アセチル化セルロースアセテートを得た。収量は23.8gであった。原料セルロースアセテート及び得られた6位高アセチル化セルロースアセテートの全アセチル置換度、アセチル基の分布、平均重合度及び硫酸根含有量を表1に示す。
実施例3
塩化メチレン125ml、酢酸106ml、水5gに二酢酸セルロース(重合度140、アセチル置換度2.45)50gを溶解させた。この溶液を40℃にて撹拌しながら、酢酸3.7mlと70重量%過塩素酸1.7mlの混合液を加え、40℃で4時間反応させた。その後、ピリジン4gを滴下し、40℃で1時間撹拌した。反応液をメタノール15L中へ注ぎ込み、析出した沈殿を濾別し、メタノールでよく洗浄した。結晶を80℃にて真空乾燥し、6位高アセチル化セルロースアセテートを得た。収量は47.6gであった。原料セルロースアセテート及び得られた6位高アセチル化セルロースアセテートの全アセチル置換度、アセチル基の分布、平均重合度及び硫酸根含有量を表1に示す。
Figure 2009019123

Claims (7)

  1. 2位のアセチル置換度をD2、3位のアセチル置換度をD3、6位のアセチル置換度をD6としたとき、以下の関係式を満足する6位高アセチル化セルロースアセテート。
    0.5≦D2≦0.9
    0.5≦D3≦0.9
    D6≧0.9
  2. 全アセチル置換度が1.7以上2.6未満である請求項1記載の6位高アセチル化セルロースアセテート。
  3. 平均重合度が20〜400である請求項1又は2記載の6位高アセチル化セルロースアセテート。
  4. 硫酸根の含有量が6位高アセチル化セルロースアセテートに対して100重量ppm以下である請求項1〜3の何れかの項に記載の6位高アセチル化セルロースアセテート。
  5. 全アセチル置換度1.0〜2.5の部分アセチル置換セルロースアセテートを、酸触媒の存在下、少なくとも酢酸を含む溶媒中で処理して、2位のアセチル置換度をD2、3位のアセチル置換度をD3、6位のアセチル置換度をD6としたとき、以下の関係式を満足する6位高アセチル化セルロースアセテートを得ることを特徴とする6位高アセチル化セルロースアセテートの製造方法。
    0.5≦D2≦0.9
    0.5≦D3≦0.9
    D6≧0.9
  6. 少なくとも酢酸を含む溶媒が、酢酸、又は、酢酸とハロゲン系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒及びアミド系溶媒からなる群より選択された少なくとも1種の有機溶媒との混合溶媒である請求項5記載の6位高アセチル化セルロースアセテートの製造方法。
  7. 酸触媒として、塩酸、過塩素酸、次亜塩素酸、亜塩素酸及び硝酸から選択された少なくとも1種の酸を用いる請求項5又は6記載の6位高アセチル化セルロースアセテートの製造方法。
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