JPH0632801A - セルロースエステルの製造方法 - Google Patents

セルロースエステルの製造方法

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JPH0632801A
JPH0632801A JP12266193A JP12266193A JPH0632801A JP H0632801 A JPH0632801 A JP H0632801A JP 12266193 A JP12266193 A JP 12266193A JP 12266193 A JP12266193 A JP 12266193A JP H0632801 A JPH0632801 A JP H0632801A
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JP
Japan
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anhydride
cellulose
amount
component
solvent
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JP12266193A
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English (en)
Inventor
Michael Buchanan Charles
マイケル バッチャナン チャールズ
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Eastman Kodak Co
Original Assignee
Eastman Kodak Co
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 推進剤として無水アシル及び無水トリフルオ
ロ酢酸を用いるセルロースエステルの製造方法を提供す
る。 【構成】 本発明はセルローストリエステルの形成、及
び所望によりその後の加水分解工程を含む。さらに、ト
リフルオロ酢酸の添加により、実質的に3未満の置換度
を有するセルロースエステルが直接製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、推進剤として、ある種の無水ア
シルと組み合わせた無水トリフルオロ酢酸の利用による
セルロースエステルの製造に関する。3の置換度(D
S)を有するセルローストリエステル並びに3未満のD
Sを有するセルロースエステルが製造される。
【0002】セルロースエステルは大きな産業上の重要
性を有している。例えば、セルロースアセテートはタバ
コフィルターにおいて及び写真フィルムベースとして用
いられている。他のセルロースエステル、例えばセルロ
ースプロピオネート、セルロースブチレート、セルロー
スアセテートプロピオネート、又はセルロースブチレー
トは、コーティング、化粧品、プラスチック、及び医薬
品において広範な用途が見出された。従って、セルロー
スエステルの改良された製造方法が産業上かなり重要で
ある。
【0003】セルローストリエステル、例えばセルロー
ストリアセテート(置換度もしくはDS=3、この置換
度は無水グルコース環あたりのアシル基の数と規定され
る)は沈澱セルロースを硫酸、酢酸、及び無水酢酸の混
合物で処理することにより製造されることは当該分野に
おいて公知である(H.L.B.Gray and C.J.Staud, 米国特
許第 1,683,347号(1928))。セルローストリエステルす
べての用途には適さず、従って0.6 〜2.8 の置換度のセ
ルロースアセテートにしばしば加水分解される(C.J.Mal
m,米国特許第 1,984,147号(1934);C.R.Fordyce, 米国特
許第 2,129,052号(1938)。そのような方法は長い反応時
間を必要とし、高沸点副生成物酢酸を回収しなければな
らない希反応混合物を与える。さらに、硫酸触媒はすみ
やかにポリマーの分子量を低下させる。この方法の他の
欠点は、単離後、セルロースアセテートがポリマーの所
望の特性を低下させるスルフェートエステルをしばしば
含むことである。
【0004】米国特許第 1,880,808号において、H.T.Cl
arke及びC.J.Malmは、脂肪酸によるセルロースのエステ
ル化における推進剤としてのクロロ、ブロモ、もしくは
アルコキシ含有アセチル無水物(すなわち、製造される
エステルにまったく基を与えずにエステル化を促進する
無水物)の使用を開示している。典型的方法において、
セルロースは過剰(ヒドロキシルあたり1.9 〜9.1 当
量)の推進剤、適当な脂肪酸及び触媒により処理され
た。必要な反応時間後、生成物は非溶媒への沈澱により
単離された。そのような方法は典型的には大過剰の推進
剤を必要とし、セルローストリエステルのみを形成す
る。さらに、エステル化する脂肪酸を含む希溶液からの
高沸点推進剤の単離が必要である。H.T.Clarke and C.
J.Malm により開示された同様の仕事(米国特許第 1,69
0,620号(1928);1,690,621号(1928);1,698,048号(1929);
1,698,049号(1929)) 並びにC.J.Malm and G.D.Hiattに
より開示された仕事(米国特許第 2,172,250号(1939))
は上記の同じ欠点を有していた。
【0005】E.J.Bourne、M.Stacey、J.C.Tatlow、及び
J.M.Tedder(J.Chem.Soc. 1949, 2976-2979) は、酢酸に
よるセルロース及びアミロースのアセチル化における推
進剤としての無水トリフルオロ酢酸(TFAA)の使用を開示
した。この方法により、満足なトリエステルの収率を得
るため大過剰のTFAA(8.4当量/ヒドロキシル)が必要で
あった。0.6 〜2.8 の置換度を有するセルロースアセテ
ートの製造方法は記載されていない。K.S.Barclay 、E.
J.Bourne、M.Stacey、及びM.Webb(J.Chem.Soc.1954, 15
01-1505) 、T.Morooka 、M.Norimoto、T.Yamada、N.Shi
raishi(J.Appl.Polym.Sci. 1984, 29, 3981-3990)、並
びにT.Yamagishi 、T.Fukuda、T.Miyamoto、J.Watanabe
(Polym.Bulletin 1988, 20, 373-377)に記載された仕事
も上記欠点を有している。
【0006】米国特許第 3,617,201号(1971)において、
R.J.Beral らは、セルロース布における使用に適した低
い置換度(0.1〜0.3)のセルロースエステルを製造するた
め不活性溶媒(ベンゼン)内でのTFAA及びカルボン酸に
よりセルロース繊維を処理する方法を記載している。こ
の方法において、セルロース繊維は、反応媒体が不均質
のままであるため分裂されていない。米国特許第 1,04
7,908号(R.H.Wade, 1963)及びS.U.特許第 1,047,908号
(O.S.Bludova, N.I.Klenkova, A.P.Sokorenko, 1983)も
同様の方法を教示している。
【0007】米国特許第 3,617,201号において、Morgan
はトリフルオロ酢酸によるセルロース及び他のアルコー
ル系化合物のエステル化を触媒する方法を記載してい
る。
【0008】従って、セルロースのエステル化における
触媒として強鉱酸、例えば硫酸の使用に伴う固有の問題
を避けるセルローストリエステルの製造方法が必要であ
る。この方法は3未満の置換度(例えば0.6 〜2.8 のD
S)を有するセルロースエステルの製造が容易であるべ
きである。この方法は大過剰の推進剤を必要としないべ
きである。この方法は容易な及び経済的な生成物の単離
並びに推進剤の回収を可能にすべきである。また、経済
的な短い反応時間及び実際的な反応温度を必要とすべき
である。この方法はエステル化の前に従来のセルロース
の活性化を必要としないべきである。反応条件は、生成
物ポリマーの分子量が実質的に低下しないようであるべ
きである。この方法は広範囲のセルロースエステルの製
造可能であるべきである。
【0009】我々は、セルロースエステル分野の要求を
満たす、3未満のDSを有するセルローストリエステル
及びセルロースエステルの製造方法を発見した。より詳
細には、本発明は、(a) 3未満の置換度を有するセルロ
ースポリマーを、(b) 無水トリフルオロ酢酸と(c) 下式
【化4】 (上式中、R及びR1 の各々は独立に、H、直鎖アルキ
ル、分枝アルキル、アリール、もしくは置換アリールで
ある)の少なくとも1種の無水アシルの混合物に、可溶
化量の溶媒の存在下、所望のセルロースエステルが形成
される条件において加えることからなる、3未満の置換
度を有するセルロースエステルの製造方法に関する(こ
の方法は「トリエステル化法」とも呼ばれる)。
【0010】3未満のDSを有するセルロースエステル
を製造するため、上記方法により形成されたセルロース
トリエステルは第二の工程(以後「加水分解工程」と呼
ぶ)に付し、ここでセルローストリエステル(すなわち
3のDSを有するセルロースエステル)は、トリエステ
ル化方法用の出発材料として用いられるセルロースポリ
マーより高いDSを有する所望のセルロースエステルを
形成する条件において十分量の反応性加水分解溶媒と接
触される。
【0011】加水分解工程の前に、アシル酸の溶液を反
応混合物に加えることが好ましい。より好ましくは、ア
シル酸はプロピオン酸である。
【0012】本発明の他の態様は、3未満のDSを有す
るセルロースエステルを直接製造する方法を提供する。
この方法(「直接法」とも呼ばれる)は、可溶化量の溶
媒の存在下、セルロースポリマー出発材料より高い置換
度を有する所望のセルロースエステルが形成する条件に
おいて、(a) セルロースポリマーを、(b) 無水トリフル
オロ酢酸、(c) ヒドロキシルあたり0.07〜1.0 当量の下
【化5】 (上式中、R及びR1 の各々は独立に、H、直鎖アルキ
ル、分枝アルキル、アリール、もしくは置換アリールで
ある)の少なくとも1種の無水アシル、及び(d) トリフ
ルオロ酢酸の混合物に加えることからなる、3未満の置
換度を有するセルロースエステルの製造方法として記載
される。
【0013】本発明により、本発明の方法によって製造
される典型的セルロースエステルは所望のDSを有し、
そして下式
【化6】 (上式中、R2 、R3 、及びR4 は独立に、水素、直鎖
アルカノイル、分枝アルカノイル、アロイル、ヘテロア
ロイル、アシルオキシ-(直鎖アルカノイル、分枝アルカ
ノイル、アロイル、ヘテロアロイル)アルキルエーテ
ル、又はアリルオキシ-(直鎖アルカノイル、分枝アルカ
ノイル、アロイル、ヘテロアロイル)アロイルエーテル
からなる群より選ばれる)の構造の繰り返し単位を含
む。アルカノイル、アロイル、ヘテロアロイル、アシル
オキシアルキルエーテル、及びアシルオキシアロイルエ
ーテル部分は典型的には20個までの炭素原子を含む。
【0014】セルローストリエステルの製造用の出発材
料として用いられるセルロースポリマーは、セルロー
ス、2級セルロースエステル、セルロースヒドロキシエ
ーテル、セルロースヒドロキシエーテル、又はこれらの
混合物であってよい。
【0015】2級セルロースエステルの例は、セルロー
スアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、
及びセルロースアセテートブチレートを含み、米国特許
第 1,984,147号に記載されている。セルロースヒドロキ
シエーテルの例は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、及びヒドロキシプロピルメ
チルセルロースを含み、米国特許第 3,278,520号に記載
されている。典型的セルロースヒドロキシアルキルエー
テルは、米国特許第 3,278,520号にも記載されている。
【0016】出発材料として本発明において有効なセル
ロースエステル、並びに本発明の方法により製造される
セルロースエステルは少なくとも2個のアンヒドログル
コース環を有し、そして典型的には2〜5,000 のアンヒ
ドログルコース環を有し、そのようなポリマーは典型的
には、フェノール/テトラクロロエタンの60/40重量溶
液100ml 内の0.25g のサンプルについて25℃の温度で測
定し、0.2 〜3.0 デシリットル/グラムのインヘレント
粘度(I.V.)を有する。
【0017】トリエステル化法用のセルロースポリマー
出発材料のDSは好ましくは0〜2.9 である。当該分野
において公知であるように、セルロースエステルの理論
的最大DSは3である。しかし、標準分析法の通常の誤
差のため、最大DSは変化し、例えばプラスもしくはマ
イナス3パーセントの誤差は一般的である。
【0018】本発明の方法において有効なアシル無水物
は下式
【化7】 (上式中、R及びR1 の各々は独立に、水素、直鎖アル
キル、分枝アルキル、アリールもしくは置換アリールで
ある)を有する。アシル無水物分子において、典型的直
鎖アルキル基は1〜20個の炭素原子を含み、典型的分枝
アルキル基は3〜20個の炭素原子を有し、そして典型的
アリール基は6〜12個の炭素原子を有する。置換アリー
ル基は典型的には1、2もしくは3個の置換基、例えば
低級アルキル(すなわち1〜3個の炭素原子を有するア
ルキル基)、ハロ(すなわちF、Br、Clもしくは
I)、及び低級アルコキシ(すなわち1〜3個の炭素原
子を有するアルコキシ基)で置換している。アシル無水
物は対称である、すなわちRとR1 が同じであることが
好ましい。
【0019】本発明において有効な好適アシル無水物の
例は、限定するものではないが、無水酢酸、無水プロピ
オン酸、無水イソブチル酸、無水ブチル酸、無水トリメ
チル酢酸、無水バレイン酸、無水ヘキサン酸、無水ノナ
ン酸、無水安息香酸、又はこれらの混合物を含む。より
好ましいアシル無水物は無水酢酸、無水プロピオン酸、
無水ブチル酸、無水ヘキサン酸、無水安息香酸、又はこ
れらの混合物を含む。
【0020】本発明の方法において、無水トリフルオロ
酢酸(又はTFAA)は、消費されないがエステル形成を促
進するため「推進剤」と呼ばれる。
【0021】セルローストリエステルの製造方法におい
て、成分(b)(すなわちTFAA) の量は好ましくはヒドロキ
シルあたり0.076 〜2.3 当量であり、より好ましくは0.
5 〜1当量であり、成分(c) の量はヒドロキシルあたり
少なくとも1当量である。
【0022】セルロースエステルの形成に適した条件は
広範囲にわたる。しかし、セルローストリエステルを製
造するため、温度は典型的には20〜60℃、好ましくは50
〜60℃である。
【0023】当業者は、接触時間及びセルロース形態が
互いに依存していることを容易に認識するであろう。例
えば、ラミーセルロースをアセチル化する場合には接触
時間を88時間まで延ばし、木材パルプをアセチル化する
場合は接触時間は1〜10時間の範囲内である。従って、
本発明のトリエステル化法の接触時間は1〜90時間であ
り、好ましい接触時間は1〜10時間である。
【0024】また当業者は、接触時間及びアシル無水物
反応性が互いに依存していることも認識するであろう。
例えば、無水酢酸による乾燥木材パルプのアセチル化は
6.5時間の接触時間を必要とする。無水ヘキサン酸によ
る、同じ反応条件での同じ木材パルプのアセチル化は65
時間の接触時間を必要とする。
【0025】当業者は反応に用いられる無水トリフルオ
ロ酢酸の量と接触時間が互いに依存していることを認識
するであろう。例えば、ヒドロキシルあたり0.76当量の
TFAAを用いる与えられた木材パルプのアセチル化は完全
なエステル化を達成するのに1時間必要とし、一方ヒド
ロキシルあたり0.076 当量のTFAAを用いる場合、完全な
アセチル化を達成するに168 時間必要である。典型的に
は、ヒドロキシルあたり0.076 〜2.3 当量のTFAAが本発
明の実施において考慮される。ヒドロキシルあたりのTF
AAの当量の好ましい範囲は1.0 〜0.5 である。
【0026】トリエステル化用の前記溶媒は典型的には
1〜20個の炭素原子を有するカルボン酸、ジメチルホル
ムアミド、ジメチルスルホキシド、又はこれらの混合物
であるが、過剰のアシルむすい物も溶媒として用いてよ
い。カルボン酸は所望によりF、Br、及びClのよう
なハロゲン原子で置換されてもよく、そのような置換し
たカルボン酸の例はトリフルオロ酢酸である。カルボン
酸、特に用いられるアシル無水物に対応したカルボン
酸、又は混合エステルの場合、最も反応性の低いアシル
無水物に対応したカルボン酸が好ましい。
【0027】反応溶媒としてカルボン酸を用いる場合、
この酸は、用いられる特定のカルボン酸が反応体(c) と
して用いられるアシル無水物よりも反応性の高い対応す
る無水物を有する場合には反応に寄与する(すなわち反
応体として作用する)。
【0028】加水分解工程の反応性加水分解溶媒は典型
的には、1〜4個の炭素原子を有するn−アルカノー
ル、水、3〜4個の炭素原子を有する分枝アルカノー
ル、6〜12個の炭素原子を有する芳香族アルコール、及
びこれらの混合物のような極性溶媒である。
【0029】好ましい反応性加水分解溶媒は、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、
イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、水、又
はこれらの混合物を含み、メタノール、水、又はこれら
の混合物が最も好ましい。
【0030】加水分解工程について、反応性加水分解溶
媒の量は1体積%から、溶液から所望の生成物が沈澱す
る量である。反応性加水分解溶媒の量は5〜15体積%で
あることがより好ましい。
【0031】加水分解工程の好ましい反応条件は、20〜
70℃の温度及び0.5 〜100 時間の反応時間である。より
好ましい条件は50〜60℃の温度及び0.5 〜44時間の反応
時間である。
【0032】トリエステル化法により形成されるセルロ
ーストリエステルは、非溶媒への沈澱、蒸留、又は噴霧
乾燥によるような公知の従来の手段により単離及び/又
は精製される。又は、セルローストリエステルは特別な
精製もしくは単離工程を必要とせずに反応媒体中で直接
加水分解してもよい。加水分解後、所望のセルロースエ
ステルは、非溶媒沈澱、蒸留、又は噴霧乾燥によるよう
な公知の従来の手段により単離及び精製される。
【0033】典型的には、トリフルオロ酢酸、並びにTF
AAは、所望の生成物が形成したのち反応媒体中に存在す
る。トリフルオロ酢酸は、例えばセルロースポリマー出
発材料中に存在する残留水とTFAAの反応により、又はセ
ルロースエステルへのセルロースポリマーの転化におけ
るエステル交換メカニズムによって形成される。従っ
て、トリエステル化工程後又は加水分解工程後にTFAA、
トリフルオロ酢酸、又はこれらの混合物を単離すること
も好ましい。そのような単離は蒸留により又は噴霧乾燥
法の使用により達成される。
【0034】同様にして、本発明の直接法は、反応後、
蒸留又は噴霧乾燥法によりTFAA、トリフルオロ酢酸、又
はこれらの混合物を単離する追加工程を含む。また本発
明の直接法は、反応後、沈澱量の非溶媒の転化により、
蒸留により、又は噴霧乾燥により所望の生成物を単離す
る追加工程を含む。
【0035】所望の生成物に対する典型的な非溶媒は、
水、1〜4個の炭素原子を有するn−アルカノール、3
〜4個の炭素原子を有する分枝アルカノール、又はこれ
らの混合物を含む。
【0036】直接法を行った後、所望のセルロースエス
テル生成物(これは典型的にはアセトン不溶性である)
は所望によりセルロースポリマーに結合したアシル基に
対応するカルボン酸(例えばアセチルに対応する酢酸)
に溶解される。ここでカルボン酸は実質的にアセトン溶
解性であるセルロースエステルが得られるように結合し
たアシル基の移動を促進するため十分なH2SO4(例えば少
なくとも0.05重量%、好ましくは0.1 重量%)を含む。
このアセトン溶解性生成物は所望により上記の方法(例
えば蒸留及び沈澱)により処理される。
【0037】本発明の直接法において、成分(b) の量は
ヒドロキシルあたり0.07〜2.3 当量であり、成分(c) の
量はヒドロキシルあたり0.07〜1.0 当量であり、成分
(d) の量は5〜10部の乾燥セルロースである。
【0038】直接法用のセルロースポリマー出発材料の
DSは2.85未満であることが好ましく、より好ましくは
2.5 未満である。直接法用の最も好ましいセルロースポ
リマー出発材料はセルロースである。加水分解工程又は
直接法により製造される典型的所望の生成物は0.5 〜2.
85、より好ましくは1.75〜2.85のDSを有する。
【0039】直接法の溶媒及び他の条件はトリエステル
化法と同じである。以下の例は本発明の説明であって、
なんら限定するものではない。
【0040】実施例 以下の例において、特に示す場合を除き、用いられる材
料は機械攪拌機を備えたフラスコに入れられる。次いで
反応器は50〜60℃に加熱される。反応混合物は透明な溶
液が得られるまで攪拌され、これはトリエステルについ
て示された反応時間である。典型的には、反応混合物は
非溶媒の転化により生成物を単離する前に濾過される。
推進剤、カルボン酸、及び無水物は、沈澱前に反応混合
物から又は当業者に公知の蒸留法による沈澱から回収さ
れる。又は、推進剤、カルボン酸、酸無水物、及び生成
物エステルは当業者に公知の噴霧乾燥法により単離され
る。この例の結果は、単離された、よく特性決定された
生成物の収率を示す。この生成物は典型的には、プロト
ンNMR スペクトル、極限粘度数、ゲル透過クロマトグラ
フィー、示差走査熱量計、及び当業者に公知の他の方法
により特性決定される。
【0041】例1 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0042】 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot A) 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.76 アシル無水物 無水酢酸 当量/ヒドロキシ 2.1 カルボン酸 酢酸 重量 (g) 30 接触時間 (h) 1 生成物、収率 セルローストリアセテート、96% 置換度(1H NMRより) 3.03 極限粘度数(フェノール/TCE) 1.65 DSC(℃) Tm = 309; Tch=201; Tg =160 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn =25.0 ×104; Mw =6.2×105 z =14.0 ×105; MW /Mn =2.48
【0043】この例は、1当量未満のTFAAが無水酢酸に
よるセルロースのエステル化を急速に促進することを示
している。また、これは高分子量セルローストリアセテ
ートを高収率で製造するためにTFAAを用いてよいことを
示している。
【0044】例2〜5において、以下に示した物質を、
示された反応条件において上記の標準方法を行った。所
望のセルロースエステルの収率及び生成物の基本的分析
値も以下に示す。
【0045】この例は、反応速度とTFAA/ヒドロキシル
の当量の数の間の関係を示す。この例はまた、高分子量
セルローストリアセテートを高収率で製造するために0.
076当量ほどのTFAAを用いてよいことを示している。
【0046】例2 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot A) 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.60 アシル無水物 無水酢酸 当量/ヒドロキシ 2.1 カルボン酸 酢酸 重量 (g) 30 接触時間 (h) 4 生成物、収率 セルローストリアセテート、78% 置換度(1H NMRより) 2.99 極限粘度数(フェノール/TCE) 2.12 DSC(℃) Tm = 306; Tch=200; Tg =167 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn =28.9 ×104; Mw =4.7×105 z = 7.5 ×105; MW /Mn =1.63
【0047】例3 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot A) 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.50 アシル無水物 無水酢酸 当量/ヒドロキシ 2.1 カルボン酸 酢酸 重量 (g) 30 接触時間 (h) 8.5 生成物、収率 セルローストリアセテート、68% 置換度(1H NMRより) 2.98 極限粘度数(フェノール/TCE) 2.07 DSC(℃) Tm = 300; Tch=209; Tg =165 Tcc= 225 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn =24.7 ×104; Mw =5.5×105 z =11.4 ×105; MW /Mn =2.23
【0048】例4 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot A) 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.30 アシル無水物 無水酢酸 当量/ヒドロキシ 2.1 カルボン酸 酢酸 重量 (g) 30 接触時間 (h) 50 生成物、収率 セルローストリアセテート、77% 置換度(1H NMRより) 3.03 極限粘度数(フェノール/TCE) 2.12 DSC(℃) Tm = 307; Tch=198; Tg =168 Tcc= 243 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 25.2×104; Mw =4.8×105 z = 8.6 ×105; MW /Mn =1.90
【0049】例5 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot A) 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.076 アシル無水物 無水酢酸 当量/ヒドロキシ 2.1 カルボン酸 酢酸 重量 (g) 30 接触時間 (h) 168 生成物、収率 セルローストリアセテート、67% 置換度(1H NMRより) 3.03 極限粘度数(フェノール/TCE) 1.76 DSC(℃) Tm = 307; Tch=197; Tg =166 Tcc= 249 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 15.1×104; Mw =3.4×105 z = 5.7 ×105; MW /Mn =2.24
【0050】例6(比較) 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0051】 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot A) 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.76 カルボン酸 酢酸 重量 (g) 50 接触時間 (h) 240 生成物、収率 反応せず
【0052】この例は以下の点で標準法と異なる。無水
酢酸を排除し、固体/液体比が例1と同じになるように
十分な酢酸を用いた。
【0053】この例は本発明の実施において無水酢酸が
必須であることを示している。また、この方法がE.J.Bo
urne, M.Stacey, J.C.Tatlow, and J.M.Tedderに教示さ
れた方法(J.Chem.Soc. 1949, 2976-2979)といかに異な
るかも示している。
【0054】例7 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0055】 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot A) 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.50 アシル無水物 無水酢酸 当量/ヒドロキシ 5.4 接触時間 (h) 8.5 生成物、収率 セルローストリアセテート、42% 置換度(1H NMRより) 3.03 極限粘度数(フェノール/TCE) 2.24 DSC(℃) Tm = 303; Tch=201; Tg =163 Tcc= 231 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 20.8×104; Mw =5.3×105 z = 11.6×105; MW /Mn =2.56
【0056】この例は以下の点で標準法と異なる。酢酸
を排除し、固体/液体比が前記例と同じになるように十
分な無水酢酸を用いた。
【0057】例3を参照し、この例は酢酸が反応速度の
調節において必須の役割を果たしていないことを示して
いる。また、この方法がE.J.Bourne, M.Stacey, J.C.Ta
tlow, and J.M.Tedderに教示された方法(J.Chem.Soc.
1949, 2976-2979)といかに異なるかも示している。
【0058】例8(比較) 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0059】 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot A) 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.76 アシル無水物 無水酢酸 当量/ヒドロキシ 2.1 カルボン酸 酢酸 重量 (g) 30 接触時間 (h) 172 生成物、収率 セルローストリアセテート、58% 置換度(1H NMRより) 3.02 極限粘度数(フェノール/TCE) 1.74 DSC(℃) Tm = 302; Tch=194; Tg =157 Tcc= 237 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 25.7×104; Mw =4.4×105 z = 7.6 ×105; MW /Mn =1.70
【0060】この例は以下の点で標準法と異なる。トリ
フルオロ酢酸を無水トリフルオロ酢酸に置換した。
【0061】この例は、例1と比べ、TFA をTFAAに変え
ることにより反応速度がかなり低下する、TFAAの重要性
を示している。
【0062】例9(比較) 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0063】 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot A) 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.76 アシル無水物 無水酢酸 当量/ヒドロキシ 2.1 カルボン酸 酢酸 重量 (g) 30 接触時間 (h) 25 生成物、収率 セルローストリアセテート、72% 置換度(1H NMRより) 3.05 極限粘度数(フェノール/TCE) 1.70 DSC(℃) Tm = 304; Tch=197; Tg =163 Tcc= 229 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 22.0×104; Mw =4.3×105 z = 8.1 ×105; MW /Mn =1.95
【0064】この例は以下の点で標準法と異なる。無水
トリクロロ酢酸(TCAA)を無水トリフルオロ酢酸に置換し
た。
【0065】この例は、推進剤としてのTFAAの使用によ
りTCAAを用いた場合(H.T.Clarke and C.J.Malm, 米国特
許第 1,880,808号(1932)) に比べ反応速度が25倍になる
ことを示している。
【0066】例10〜14において、以下に示す物質を、示
された反応条件において上記の標準方法を行った。所望
のセルロースエステルの収率及び生成物の基本的分析値
も以下に示す。この例は、反応速度、セルロース形態、
及びセルロース繊維内に吸収された水の含量の間の関係
を示している。
【0067】 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot B) 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.76 アシル無水物 無水酢酸 当量/ヒドロキシ 2.1 カルボン酸 酢酸 重量 (g) 30 接触時間 (h) 8 生成物、収率 セルローストリアセテート、56% 置換度(1H NMRより) 3.03 極限粘度数(フェノール/TCE) 1.95 DSC(℃) Tm = 310; Tch=200; Tg =171 Tcc= 243 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 20.4×104; Mw =3.0×105 z = 4.2 ×105; MW /Mn =1.46
【0068】例11 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot B) 0.1torr で4日間乾燥した 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.76 アシル無水物 無水酢酸 当量/ヒドロキシ 2.1 カルボン酸 酢酸 重量 (g) 30 接触時間 (h) 7.5 生成物、収率 セルローストリアセテート、60% 置換度(1H NMRより) 3.01 極限粘度数(フェノール/TCE) 1.93 DSC(℃) Tm = 306; Tch=1.95;Tg =165 Tcc= 243 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 19.6×104; Mw =4.4×105 z = 9.0 ×105; MW /Mn =2.25
【0069】例12 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot C) 0.1torr で4日間乾燥した 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.76 アシル無水物 無水酢酸 当量/ヒドロキシ 2.1 カルボン酸 酢酸 重量 (g) 30 接触時間 (h) 6.5 生成物、収率 セルローストリアセテート、67% 置換度(1H NMRより) 3.02 極限粘度数(フェノール/TCE) 2.04 DSC(℃) Tm = 300; Tch=207 ;Tg =168 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 28.4×104; Mw =5.2×105 z = 9.2 ×105; MW /Mn =1.82
【0070】例13 出発セルロース セルロース(コットンリンター) 0.1torr で4日間乾燥した 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.76 アシル無水物 無水酢酸 当量/ヒドロキシ 2.1 カルボン酸 酢酸 重量 (g) 30 接触時間 (h) 23 生成物、収率 セルローストリアセテート、88% 置換度(1H NMRより) 3.02 極限粘度数(フェノール/TCE) 1.69 DSC(℃) Tm = 309; Tch=192 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 21.4×104; Mw =3.4×105 z = 5.0 ×105; MW /Mn =1.58
【0071】例14 出発セルロース セルロース(ラミーセルロース) 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.76 アシル無水物 無水酢酸 当量/ヒドロキシ 2.1 カルボン酸 酢酸 重量 (g) 30 接触時間 (h) 88 生成物、収率 セルローストリアセテート、78% 置換度(1H NMRより) 2.97 極限粘度数(フェノール/TCE) 0.72 DSC(℃) Tm = 300; Tch=195 ;Tg =162 Tcc=236; GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 8.7×104; Mw =1.7×105 z = 2.4 ×105; MW /Mn =1.91
【0072】例15 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0073】 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot A) 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.76 アシル無水物 無水プロピオン酸 当量/ヒドロキシ 2.1 カルボン酸 プロピオン酸 重量 (g) 37 接触時間 (h) 6.5 生成物、収率 セルローストリプロピオネート、80% 置換度(1H NMRより) 2.95 極限粘度数(フェノール/TCE) 1.16 DSC(℃) Tm = 233; Tch=168 ;Tg =116 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 6.5×104; Mw =2.3×105 z = 8.9 ×105; MW /Mn =3.56
【0074】この例は、1当量未満のTFAAが無水プロピ
オン酸によるセルロースのエステル化を促進することを
示している。
【0075】例16 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0076】 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot A) 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.76 アシル無水物 無水ブチル酸 当量/ヒドロキシ 2.1 カルボン酸 ブチル酸 重量 (g) 44 接触時間 (h) 8 生成物、収率 セルローストリブチレート、38% 置換度(1H NMRより) 3.02 極限粘度数(フェノール/TCE) 0.98 DSC(℃) Tm = 183; Tg = 86 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 8.5×104; Mw =2.1×105 z = 4.4 ×105; MW /Mn =3.56
【0077】この例は、1当量未満のTFAAが無水ブチル
酸によるセルロースのエステル化を促進することを示し
ている。
【0078】例17 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0079】 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot C) 重量 (g) 2.5 TFAA/ヒドロキシの当量 2.0 アシル無水物 無水ヘキサン酸 当量/ヒドロキシ 2.0 カルボン酸 ヘキサン酸 重量 (g) 58 接触時間 (h) 65 生成物、収率 セルローストリヘキサノエート、64% 置換度(1H NMRより) 3.06 極限粘度数(フェノール/TCE) 1.10 DSC(℃) Tm = 99 ; Tg = 55 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 22.0×104; Mw =4.5×105 z = 8.2 ×105; MW /Mn =2.10
【0080】この例は、TFAAが長鎖脂肪酸の無水物によ
るセルロースのエステル化を促進することを示してい
る。
【0081】例18 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0082】 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot C) 0.1torr で4日間乾燥した 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.76 アシル無水物 無水安息香酸 当量/ヒドロキシ 2.1 カルボン酸 トリフルオロ酢酸 重量 (g) 10 接触時間 (h) 14 生成物、収率 セルローストリベンゾエート、93% 置換度(1H NMRより) 2.89 極限粘度数(フェノール/TCE) 0.28 DSC(℃) Tm =220 ; Tg =135 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 5.5 ×104; Mw =1.2×105 z = 1.9 ×105; MW /Mn =2.10
【0083】この例は、TFAAが無水芳香族によるセルロ
ースのエステル化を促進すること及びトリフルオロ酢酸
をセルロースのエステル化における溶媒として用いてよ
いことを示している。
【0084】例19 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0085】 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot A) 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.76 アシル無水物 無水プロピオン酸 当量/ヒドロキシ 2.1 カルボン酸 酢酸 重量 (g) 30 接触時間 (h) 96 生成物 セルロースアセテートプロピオネート 置換度(1H NMRより) Ac=1.96 、Pr=0.97 極限粘度数(フェノール/TCE) 1.14 DSC(℃) Tm =261 ; Tg =153 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 19.3×104; Mw =3.2×105 z = 5.0 ×105; MW /Mn =1.67
【0086】この例は、TFAAがセルロースからの混合エ
ステルの合成を促進することを示している。
【0087】例20 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0088】 出発セルロース セルロースジアセテート(DS=1.75) 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 2.7 アシル無水物 無水プロピオン酸 当量/ヒドロキシ 2.1 カルボン酸 プロピオン酸 重量 (g) 37 接触時間 (h) 16 生成物 セルロースアセテートプロピオネート 置換度(1H NMRより) Ac=1.75 、Pr=1.27 極限粘度数(フェノール/TCE) 0.73 DSC(℃) Tm =264 ; Tg =200; Tg =135 Tcc=224 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 11.7×104; Mw =1.8×105 z = 2.5 ×105; MW /Mn =1.57
【0089】この例は、TFAAが最初のアシル基を除去す
ることなく第二のセルロースエステルのエステル化を促
進することを示している。
【0090】例21 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0091】 出発セルロース ヒドロキシプロピルセルロース 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.76 アシル無水物 無水酢酸 当量/ヒドロキシ 2 カルボン酸 酢酸 重量 (g) 40 接触時間 (h) 15.5 生成物 (アセトキシプロピル)セルロース GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 10×104; Mw =1.6×105 z = 2.3 ×105; MW /Mn =1.59
【0092】この例は、TFAAがセルロースエーテルのエ
ステル化を促進することを示している。
【0093】例22 以下の例は、3未満の置換度を有するセルロースエステ
ル製造を説明する。この例は以下の点で標準法と異な
る。
【0094】用いられる材料(60g のセルロース、0.76
当量のTFAA、2.1 当量のAc2O、及び360gのAcOH)を機械
攪拌機を備えたフラスコに入れた。次いで反応器を55℃
に加熱し、反応混合物を透明な溶液が得られるまで攪拌
する(2.5h)。均一な溶液に700gのAcOH及び208.5gの水を
加える前に一部を取り出した。50℃で攪拌し、以下に示
す時間に一部を取り出した。この取り出したものを標準
法で処理し、標準法で分析した。
【0095】
【表1】
【0096】例23 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0097】 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot B) 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.76 アシル無水物 無水酢酸 当量/ヒドロキシ 0.8 カルボン酸 トリフルオロ酢酸 重量 (g) 44 接触時間 (h) 1.5 生成物、収率 セルロースジアセテート、81% 置換度(1H NMRより) 2.56 極限粘度数(フェノール/TCE) 1.81 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 24.3×104; Mw =5.3×105 z = 10.4×105; MW /Mn =2.17
【0098】この例は、カルボン酸溶媒としてトリフル
オロ酢酸を用いてセルースより直接セルロースアセテー
トが製造されることを示している。この例において、反
応は透明な溶液を得た直後に標準法で処理される。この
セルロースジアセテート(CDA)(図1参照)は従来
の方法により製造されたCDA(図2参照)(C.J.Mal
m、米国特許第 1,984,147号(1934);C.R.Fordyce 、米
国特許第 2,129,052号(1938))とは、異なるアセチル分
布を有しそしてアセトンに不溶である点で異なる。この
アセトン不溶性CDAは、0.1% H2SO4を含む酢酸中にこ
れを溶解することにより簡単にアセトン溶解性CDAに
される。標準法により処理した後、セルロースアセテー
トはアセトン溶解性であり、従来のアセトン溶解性CD
Aと同じアセチル分布を有する(図2及び3参照)。
【0099】例24 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0100】 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot B) 重量 (g) 5 TFAA/ヒドロキシの当量 0.76 アシル無水物 無水酢酸 当量/ヒドロキシ 0.4 カルボン酸 トリフルオロ酢酸 重量 (g) 44 接触時間 (h) 23.3 生成物、収率 セルロースジアセテート、81% 置換度(1H NMRより) 2.40 極限粘度数(フェノール/TCE) 0.47
【0101】この例は、反応時間を長くし、そしてトリ
フルオロ酢酸がカルボン酸溶媒である場合、無水酢酸の
両方のアセチルがセルロースエステルに混入されること
を示している。
【0102】例25 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0103】 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot D) 重量 (g) 250 TFAA/ヒドロキシの当量 1.37 アシル無水物 無水プロピオン酸 当量/ヒドロキシ 1.7 アシル無水物 無水酢酸 当量/ヒドロキシ 0.05 カルボン酸 プロピオン酸 重量 (g) 1490 反応性加水分解溶媒 水 重量 (g) 420 接触時間 (h) 23 (エステル化=8h 、加水分解=15h) 生成物 セルロースアセテートプロピオネート 収率 64% 置換度(1H NMRより) Ac=0.03 、Pr=2.33 極限粘度数(フェノール/TCE) 1.88 DSC(℃) Tm =182 ; Tg =135 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 23.6×104; Mw =4.8×105 z = 10.5×105; MW /Mn =2.05
【0104】この例は、3未満の置換度を有する混合エ
ステルへのトリエステルの加水分解を促進するためトリ
エステル段階(DS Ac=0.06 、DSPr=3.0) における均一反
応混合物へ反応性溶媒を加える点で標準法とは異なる。
【0105】この例は、TFAAがセルロースから3未満の
置換度を有するセルロースアセテートプロピオネートの
合成を促進することを示している。さらに、この例は、
高分子量、高ヒドロキシル混合セルロースエステルが得
られることも示している。
【0106】例26 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0107】 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot D) 重量 (g) 50 TFAA/ヒドロキシの当量 1.5 アシル無水物 無水ブチル酸 当量/ヒドロキシ 1.73 アシル無水物 無水酢酸 当量/ヒドロキシ 0.08 カルボン酸 ブチル酸 重量 (g) 289 反応性加水分解溶媒 水 重量 (g) 91 接触時間 (h) 49.3(エステル化=20.3;加水分解=29h) 生成物 セルロースアセテートブチレート 収率 73% 置換度(1H NMRより) Ac=0.03 、Pr=2.14 極限粘度数(フェノール/TCE) 1.49 DSC(℃) Tm =173 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 24.0×104; Mw =4.2×105 z = 6.5×105; MW /Mn =1.74
【0108】この例は、3未満の置換度を有する混合エ
ステルへのトリエステルの加水分解を促進するためトリ
エステル段階(DS Ac=0.09 、DSPr=3.0) における均一反
応混合物へ反応性溶媒を加える点で標準法とは異なる。
【0109】この例は、TFAAがセルロースから3未満の
置換度を有するセルロースアセテートブチレートの合成
を促進することを示している。さらに、この例は、高分
子量、高ヒドロキシル混合セルロースエステルが得られ
ることも示している。
【0110】例27 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0111】 出発セルロース セルロース(Placetate, Lot C) 重量 (g) 200 TFAA/ヒドロキシの当量 1.0 アシル無水物 無水酢酸 当量/ヒドロキシ 2.1 カルボン酸 酢酸 重量 (g) 2518 反応性加水分解溶媒 水 重量 (g) 550 接触時間 (h) 19(エステル化=8h;加水分解=11h) 生成物 セルロースアセテート 収率 59% 置換度(1H NMRより) 2.39 極限粘度数(フェノール/TCE) 2.00 DSC(℃) Tm =223;Tg =171 GPC(DMF、ポリスチレン当量)Mn = 20.0×104; Mw =4.1×105 z = 7.1×105; MW /Mn =1.99
【0112】この例は、3未満の置換度を有するセルロ
ースアセテートへのトリエステルの加水分解を促進する
ためトリエステル段階における均一反応混合物へ反応性
溶媒を加える点で標準法とは異なる。この例のこの生成
物は噴霧乾燥(入口温度=180 ℃、出口温度=30℃、流
速=58g/min)により単離される。
【0113】この例は、TFAAがセルロースから3未満の
置換度を有するセルロースアセテートブチレートの合成
を促進することを示している。さらに、この例は、高分
子量、高ヒドロキシルセルロースアセテートが得られる
ことも示している。
【0114】例28(比較) 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0115】バッチ法において、以下の工程を行った。 出発セルロース重量 625g セルロースを水で飽和させた。過剰の水を除去した。次
いでこのセルロースをプロピオン酸で飽和させた。過剰
のプロピオン酸を除去した。セルロースのこの2つの異
なる飽和を2回繰り返した。セルロース内のプロピオン
酸の計算量は1613mlであった。
【0116】無水プロピオン酸(2550ml)を少量づつ活性
化セルロースに加えた。次いで330ml の無水酢酸を加え
た。次いで無水トリフルオロ酢酸(2250ml)を攪拌しなが
ら加えた。
【0117】次いで3140mlの量のプロピオン酸を少量づ
つ1.75時間かけて攪拌しながら、反応混合物を55℃に保
ちつつこの混合物に加えた。55℃で約4時間15分攪拌
後、これ以上攪拌できなかった。
【0118】この例は、活性化セルロースへの無水プロ
ピオン酸、無水酢酸、無水トリフルオロ酢酸、及びプロ
ピオン酸の少量の逐次添加が攪拌できない溶液を与える
ことを示している。
【0119】例29(比較) 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0120】バッチ法において、以下の工程を行った。 出発セルロース重量 625g セルロースは例28のようにして活性化した。
【0121】35℃以下の温度において無水トリフルオロ
酢酸を少量づつ活性化セルロースに加えた。セルロース
及び無水トリフルオロ酢酸を1.5 時間の層接触時間の間
攪拌した。次いでこの混合物に2550mlの無水プロピオン
酸及び330ml の無水酢酸を加えた。次いで2482mlのプロ
ピオン酸をこの混合物に加えた。2層が形成した。この
反応混合物を55℃に加熱した。15分後、均一ではある
が、曇った溶液が得られた。その後、発熱が制御できな
くなった。
【0122】この例は、第一段階としてセルロースに無
水トリフルオロ酢酸を加え、そして無水酢酸、無水プロ
ピオン酸及びプロピオン酸の添加が第二段階である場
合、反応温度がバッチスケールにおいて制御できなくな
ることを示している。
【0123】例30(比較) 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0124】
【数1】 一般的方法:300ml のフラスコに20mlのAcOHを加えた。
所定時間後(以下参照)、18.5mlのAc2O及び10mlの無水
トリフルオロ酢酸それぞれをセルロース(5g 、Placetat
e 、Lot 212 (C) 、乾燥)に加えた。この混合物を加熱
し、透明な溶液が得られるまで攪拌した。
【0125】30A:セルロースをAcOHで0.5 時間処理し
た。温度は30分間70℃にし、そして55〜60℃に保った。
反応時間は7時間であった。収量は6.35g であった。
【0126】30B:セルロースを30A に記載の温度でAcOH
で2時間処理した。反応時間は10.0時間であった。収量
は4.54g であった。
【0127】30C:セルロースを30A に記載の温度でAcOH
で5時間処理した。反応時間は10.0時間であった。収量
は8.16g であった。
【0128】30D:セルロースをAcOHで15.5時間処理し
た。反応時間は10.5時間であった。収量は6.54g であっ
た。
【0129】この例はAcOHによる従来の処理が反応速度
を遅らせることを示している(例1参照)。
【0130】例31(比較) 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0131】バッチ法において、以下の工程を行った。 出発セルロース重量 625g このセルロースを例28のようにして活性化した。
【0132】この活性化セルロースに無水トリフルオロ
酢酸を発熱を防ぐ温度において少しずつ加えた。セルロ
ース及び無水トリフルオロ酢酸を1.5 時間攪拌した。次
いで2550mlの無水プロピオン酸及び165ml の無水酢酸を
この混合物に加えた。この反応混合物を55℃に加熱し
た。9時間後、この反応混合物は攪拌困難になった。
【0133】この例は、活性化セルロースを第一段階で
無水トリフルオロ酢酸に加え、そして第二段階で無水酢
酸及び無水プロピオン酸を加えた場合、反応温度が攪拌
困難になることを示している。
【0134】例32(比較) 以下に示す物質を、示された反応条件において上記の標
準方法を行った。所望のセルロースエステルの収率及び
生成物の基本的分析値も以下に示す。
【0135】バッチ法において、以下の工程を行った。 出発セルロース重量 625g このセルロースを例28のようにして活性化した。
【0136】例28のようにして製造した活性化セルロー
スに2550mlの無水プロピオン酸を加えた。無水プロピオ
ン酸は発熱を防ぐため少量ずつ加えた。この反応混合物
に330ml の無水酢酸を加えた。混合を始めた。次いでこ
の反応混合物に2250mlの無水トリフルオロ酢酸を加え
た。次いでこの混合物に2140mlのプロピオン酸を加え
た。この混合物を55℃に加熱し、アセリル化するまで保
った。この反応混合物に1050mlの水を少量ずつ加えた。
約5時間後、この反応混合物は攪拌困難になった。
【0137】この例は、セルロース、無水酢酸、無水プ
ロピオン酸及び無水トリフルオロ酢酸を反応混合物に順
に加えた場合、攪拌できない溶液が得られた。
【0138】例33 乾燥セルロース1ポンド(454g)あたり6.45lb(2.93kg)の
無水トリフルオロ酢酸、4.84lb(2.20kg)の無水プロピオ
ン酸、及び0.32lb(0.15lg)の無水酢酸を反応器に加え
た。活性化セルロースを加える際の発熱を最小にするた
め外被に冷却水を流した。攪拌機を開始し、セルロース
を加えた際に活性化セルロースを分散させた。活性化セ
ルロースはできるだけ素早く加えるが、反応器内部の温
度が30℃以上である場合、活性化セルロースの添加を止
め、反応器を閉じた。無水トリフルオロ酢酸の沸点は36
℃である。活性化セルロースを加えた後、反応器を65℃
水蒸気/水混合物で55℃に加熱した。53℃において、溶
液粘度を低下させそして加熱の際の温度行き過ぎを防ぐ
ためプロピオン酸を加えた。加えられるプロピオン酸の
量は乾燥セルロースの量から加えた活性化セルロースの
量を除いた量の1ポンドあたり6ポンドであった。この
溶液をエステル化が終了するまで55℃に保った。
【0139】本発明を特定の実施態様によって説明した
が、本発明の範囲内で変形してもよいことは明らかであ
ろう。本明細書内で引用した米国特許はすべて参考であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】例23におけるセルロースの直接エステル化によ
り得られるセルロースジアセテートのメチルアセチル領
域の400Mz プロトン核磁気共鳴スペクトル(NMR) を示す
グラフである。
【図2】例23に記載の従来の方法(米国特許第 1,984,1
47号及び2,129,052 号)により得られるセルロースジア
セテートのメチルアセチル領域の400Mz プロトンNMR ス
ペクトルを示すグラフである。
【図3】例23に記載の,硫酸及び酢酸による図1に示し
たセルロースジアセテートの処理後に得られたセルロー
スジアセテートのメチルアセチル領域の400Mz プロトン
NMR スペクトルを示すグラフである。

Claims (51)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 3の置換度を有するセルロースエステル
    の製造方法であって、 (a) 3未満の置換度を有するセルロースポリマーを、 (b) 無水トリフルオロ酢酸と (c) 下式 【化1】 (上式中、R及びR1 の各々は独立に、H、直鎖アルキ
    ル、分枝アルキル、アリール、もしくは置換アリールで
    ある)の少なくとも1種の無水アシルの混合物に、可溶
    化量の溶媒の存在下、所望のセルロースエステルが形成
    される条件において加えることからなる方法。
  2. 【請求項2】 成分(a) が0〜2.9 の置換度を有するセ
    ルロースポリマーであり、そしてセルロース、2級セル
    ロースエステル、セルロースヒドロキシエーテル、セル
    ロースヒドロキシアルキルエーテル、及びこれらの混合
    物からなる群より選ばれる、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 成分(c) が無水酢酸、無水プロピオン
    酸、無水イソブチル酸、無水ブチル酸、無水トリメチル
    酢酸、無水バレイン酸、無水ヘキサン酸、無水ノナン
    酸、無水安息香酸、及びこれらの混合物からなる群より
    選ばれる、請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 成分(b) の量がヒドロキシルあたり0.07
    〜2.3 当量であり、成分(c) の量がヒドロキシルあたり
    少なくとも1当量である、請求項1記載の方法。
  5. 【請求項5】 成分(c) が無水酢酸、無水プロピオン
    酸、無水ブチル酸、無水ヘキサン酸、無水安息香酸、及
    びこれらの混合物からなる群より選ばれ、成分(b) の量
    がヒドロキシルあたり 0.5〜1当量である、請求項1記
    載の方法。
  6. 【請求項6】 20〜60℃の温度において1〜90時間行わ
    れる、請求項1記載の方法。
  7. 【請求項7】 50〜60℃の温度において1〜10時間行わ
    れる、請求項1記載の方法。
  8. 【請求項8】 前記溶媒が1〜20個の炭素原子を有する
    カルボン酸、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキ
    シド、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる、請
    求項1記載の方法。
  9. 【請求項9】 前記溶媒が酢酸である、請求項1記載の
    方法。
  10. 【請求項10】 R及びR1 が同じである、請求項1記
    載の方法。
  11. 【請求項11】 反応後、蒸留又は噴霧乾燥により無水
    トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、又はこれらの混
    合物を単離する追加工程を含む、請求項1記載の方法。
  12. 【請求項12】 反応後、沈澱量の非溶媒の添加により
    所望の生成物を単離する追加工程を含む、請求項1記載
    の方法。
  13. 【請求項13】 反応後、蒸留又は噴霧乾燥により所望
    の生成物を単離する追加工程を含む、請求項1記載の方
    法。
  14. 【請求項14】 加水分解の前に、アシル酸の溶液の添
    加をさらに含む、請求項1記載の方法。
  15. 【請求項15】 アシル酸がプロピオン酸である、請求
    項14記載の方法。
  16. 【請求項16】 3未満の置換度を有するセルロースエ
    ステルの製造方法であって、 (A) 可溶化量の溶媒の存在下、3の置換度を有するセル
    ロースエステルが形成される条件において (a) 3未満の置換度を有するセルロースポリマーを、 (b) 無水トリフルオロ酢酸と (c) 下式 【化2】 (上式中、R及びR1 の各々は独立に、H、直鎖アルキ
    ル、分枝アルキル、アリール、もしくは置換アリールで
    ある)の少なくとも1種の無水アシルの混合物に加える
    こと、及び (B) 工程(A)(a)の当初のセルロースポリマーより高い置
    換度を有する所望のセルロースエステルを形成する条件
    において工程(A) により形成されたセルロースエステル
    を十分量の反応性加水分解溶媒と接触させること、を含
    む方法。
  17. 【請求項17】 工程(A) について、成分(a) が0〜2.
    9 の置換度を有するセルロースポリマーであり、そして
    セルロース、2級セルロースエステル、セルロースヒド
    ロキシエーテル、セルロースヒドロキシアルキルエーテ
    ル、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる、請求
    項16記載の方法。
  18. 【請求項18】 工程(A) について、成分(c) が無水酢
    酸、無水プロピオン酸、無水イソブチル酸、無水ブチル
    酸、無水トリメチル酢酸、無水バレイン酸、無水ヘキサ
    ン酸、無水ノナン酸、無水安息香酸、及びこれらの混合
    物からなる群より選ばれる、請求項16記載の方法。
  19. 【請求項19】 工程(A) について、成分(b) の量がヒ
    ドロキシルあたり0.07〜2.3 当量であり、成分(c) の量
    がヒドロキシルあたり少なくとも1当量である、請求項
    16記載の方法。
  20. 【請求項20】 工程(A) について、成分(c) が無水酢
    酸、無水プロピオン酸、無水ブチル酸、無水ヘキサン
    酸、無水安息香酸、及びこれらの混合物からなる群より
    選ばれ、成分(b) の量がヒドロキシルあたり 0.5〜1当
    量である、請求項16記載の方法。
  21. 【請求項21】 工程(A) が20〜60℃の温度において1
    〜90時間行われる、請求項16記載の方法。
  22. 【請求項22】 工程(A) が50〜60℃の温度において1
    〜10時間行われる、請求項16記載の方法。
  23. 【請求項23】 前記反応性加水分解溶媒が、1〜4個
    の炭素原子を有するn−アルカノール、水、3〜4個の
    炭素原子を有する分枝鎖アルカノール、6〜12個の炭素
    原子を有する芳香族アルコール、及びこれらの混合物か
    らなる群より選ばれる、請求項16記載の方法。
  24. 【請求項24】 前記反応性加水分解溶媒が、メタノー
    ル、エタノール、n−プロパノール、n−ブタノール、
    イソプロピルアルコール、ベンジルアルコール、及び水
    からなる群より選ばれる、請求項16記載の方法。
  25. 【請求項25】 前記反応性加水分解溶媒が、メタノー
    ル、水、及びこれらの混合物からなる群より選ばれる、
    請求項16記載の方法。
  26. 【請求項26】 反応性加水分解溶媒の量が、1体積%
    〜溶液から所望の生成物が沈澱する量である、請求項1
    6記載の方法。
  27. 【請求項27】 反応性加水分解溶媒の量が、5〜15体
    積%である、請求項16記載の方法。
  28. 【請求項28】 工程(B) が25〜70℃の温度において
    0.5〜100 時間行われる、請求項16記載の方法。
  29. 【請求項29】 工程(B) により形成されたセルロース
    エステルが 0.5〜2.85の置換度を有する、請求項16記
    載の方法。
  30. 【請求項30】 工程(A) 用の溶媒が1〜20個の炭素原
    子を有するカルボン酸、ジメチルホルムアミド、ジメチ
    ルスルホキシド、及びこれらの混合物からなる群より選
    ばれる、請求項16記載の方法。
  31. 【請求項31】 工程(A) 用の溶媒が酢酸である、請求
    項16記載の方法。
  32. 【請求項32】 R及びR1 が同じである、請求項16
    記載の方法。
  33. 【請求項33】 反応後、蒸留により無水トリフルオロ
    酢酸、トリフルオロ酢酸、又はこれらの混合物を単離す
    る追加工程を含む、請求項16記載の方法。
  34. 【請求項34】 反応後、沈澱量の非溶媒の添加により
    所望の生成物を単離する追加工程を含む、請求項16記
    載の方法。
  35. 【請求項35】 反応後、噴霧乾燥により所望の生成物
    を単離する追加工程を含む、請求項16記載の方法。
  36. 【請求項36】 3未満の置換度を有するセルロースエ
    ステルの製造方法であって、可溶化量の溶媒の存在下、
    セルロースポリマー出発材料より高い置換度を有する所
    望のセルロースエステルが形成する条件において、 (a) セルロースポリマー、 (b) 無水トリフルオロ酢酸、 (c) ヒドロキシルあたり0.07〜1.0 当量の下式 【化3】 (上式中、R及びR1 の各々は独立に、H、直鎖アルキ
    ル、分枝アルキル、アリール、もしくは置換アリールで
    ある)の少なくとも1種の無水アシル、及び (d) トリフルオロ酢酸を接触させることを含む方法。
  37. 【請求項37】 反応後、蒸留又は噴霧乾燥により無水
    トリフルオロ酢酸、トリフルオロ酢酸、又はこれらの混
    合物を単離する追加工程を含む、請求項36記載の方
    法。
  38. 【請求項38】 反応後、沈澱量の非溶媒の添加により
    所望の生成物を単離する追加工程を含む、請求項36記
    載の方法。
  39. 【請求項39】 反応後、噴霧乾燥により所望の生成物
    を単離する追加工程を含む、請求項36記載の方法。
  40. 【請求項40】 成分(b) の量がヒドロキシルあたり0.
    07〜2.3 当量であり、成分(c) の量がヒドロキシルあた
    り0.07〜1.0 当量であり、成分(d) の量が5〜10部乾燥
    セルロースである、請求項36記載の方法。
  41. 【請求項41】 成分(a) が0〜2.9 の置換度を有する
    セルロースポリマーであり、そしてセルロース、2級セ
    ルロースエステル、セルロースヒドロキシエーテル、セ
    ルロースヒドロキシアルキルエーテル、及びこれらの混
    合物からなる群より選ばれる、請求項36記載の方法。
  42. 【請求項42】 成分(c) が無水酢酸、無水プロピオン
    酸、無水イソブチル酸、無水ブチル酸、無水トリメチル
    酢酸、無水バレイン酸、無水ヘキサン酸、無水ノナン
    酸、無水安息香酸、及びこれらの混合物からなる群より
    選ばれる、請求項36記載の方法。
  43. 【請求項43】 成分(b) の量がヒドロキシルあたり0.
    07〜2.3 当量であり、成分(c) の量がヒドロキシルあた
    り少なくとも1当量である、請求項36記載の方法。
  44. 【請求項44】 成分(c) が無水酢酸、無水プロピオン
    酸、無水ブチル酸、無水ヘキサン酸、無水安息香酸、及
    びこれらの混合物からなる群より選ばれ、成分(b) の量
    がヒドロキシルあたり 0.5〜1当量である、請求項36
    記載の方法。
  45. 【請求項45】 20〜60℃の温度において1〜90時間行
    われる、請求項36記載の方法。
  46. 【請求項46】 50〜60℃の温度において1〜10時間行
    われる、請求項36記載の方法。
  47. 【請求項47】 前記溶媒が、1〜20個の炭素原子を有
    するカルボン酸、ジメチルホルムアミド、ジメチルスル
    ホキシド、及びこれらの混合物からなる群より選ばれ
    る、請求項36記載の方法。
  48. 【請求項48】 前記溶媒が酢酸である、請求項36記
    載の方法。
  49. 【請求項49】 R及びR1 が同じである、請求項36
    記載の方法。
  50. 【請求項50】 前記方法の生成物が実質的にアセトン
    不溶性でありそしてセルロースエステル生成物に結合し
    たアシル基に相当するカルボン酸に溶解され、カルボン
    酸が実質的にアセトン可溶性であるセルロースエステル
    生成物を与えるに十分な量の硫酸を含む、請求項36記
    載の方法。
  51. 【請求項51】 セルロースエステルがセルロースアセ
    テートであり、カルボン酸が酢酸である、請求項50記
    載の方法。
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