JP2009018594A - スクリーン印刷用メタルマスク及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】液晶表示パネル用のパネル基板の周囲に周辺シール剤を塗布するためのスクリーン印刷版であって、前記液晶表示パネル内に封止される液晶層表面を傷付けてしまうことのないスクリーン印刷版、およびそれを製造する製造方法を提供すること。
【解決手段】金属板2に周辺シール剤を形成すべき形状の孔8が設けられ、かつ、孔8に、金属板2よりも薄膜のメッシュ4が形成されてなり、その一方の面において、メッシュ4が金属板2と面一になるように配され、当該面がスキージ面を構成することを特徴とするスクリーン印刷版。および、本発明のスクリーン印刷版20を製造するのに適した製造方法であって、2段階のメッキ処理の工程により1層目のメッキ層で金属板2の1部およ
びメッシュ4を形成し、2層目のメッキ層で金属板2を積層して完成させるメタルマスクスクリーン版の製造方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば液晶表示パネル等の基板の周囲に周辺シール剤を塗布するためのスクリーン印刷用メタルマスクおよびその製造方法に関する。
従来より、例えば各種の電子部品等の実装のために、プリント配線基板にハンダペースト、導体ペースト等を塗布形成するに際し、高精度なパターン印刷を可能にさせるスクリーン印刷が採用されている。特に高精度なパターン印刷が望まれる場合には、スクリーン印刷用の版材として、スクリーン印刷版が用いられる。
一方、液晶表示パネルは、一対のパネル基板間に液晶層を介在させた状態で、その周囲を周辺シール剤を介して貼り合わせることで得られる。そのため、液晶表示パネルを製造するには、パネル基板に対して周辺シール剤を塗布する作業が要求される。この塗布作業の一方法として、生産性に優れたスクリーン印刷方法が採用されている(例えば特許文献1参照)。
スクリーン印刷版は、伸縮性のあるメッシュ(紗)に、印刷材料(一般的にはインク、本用途では周辺シール剤)の滲み出しを防止する材料、例えば乳剤を被覆し、印刷すべきパターン状(本用途では、パネル基板周囲の周辺シール剤を形成すべき形状)の開口部のみが開口されてなるものである。
このスクリーン印刷版用のメッシュには、シルクスクリーンメッシュ,ナイロンやテトロンなどの合成繊維メッシュおよびステンレスメッシュが用いられている。これらの中で、周辺シール材の塗布に際しては、精密印刷用途のステンレスメッシュが主として用いられている。
図10に、液晶表示パネル製造途中のパネル基板であって、周辺シール剤が塗布された状態を平面図にて示す。図10に示されるように、液晶層106が表面に形成されたパネル基板102の周囲に周辺シール剤104が形成される。
図11は、スクリーン印刷によってパネル基板に周辺シール剤を塗布する作業の様子を示す模式図である。液晶層106が表面に形成されたパネル基板102の当該表面にスクリーン印刷版110を配置し、液晶層106側と反対側の面(スキージ面)に周辺シール剤104を流し込んで、これを矢印A方向に移動するスキージ108により摺り込むようにして、液晶層106側の面(被印刷面)に染み出させて周辺シール剤104を塗装する。
スクリーン印刷版110は、版枠112にメッシュ114が紗張りされてなる物であり、メッシュ114は図10に示す周辺シール剤10を形成すべき部分のみが開口部とされ、その他の部分は不図示の乳剤により被覆されている。
このとき、スキージ108を移動させる際にメッシュ114にテンションがかかりメッシュ114が液晶層106の表面に密着するため、液晶層106にメッシュ跡が転写されてしまう。このメッシュ跡は、最終的に得られる液晶表示パネルの表示不良の原因となる。
図12は、スクリーン印刷版に用いられるメッシュ114の一部を拡大した平面図であり、パネル基板10と対向する被印刷面側を示している。また、図13は、図12におけるメッシュ114のD−D断面図であり、図12からさらに拡大したものである。メッシュ114は、縦糸114aと横糸114bとが平織りで編み込まれてなるものである。縦糸114aおよび横糸114bは波状となっており、そのため、縦糸114aが被印刷面側に突出する山部114a’と横糸114bが被印刷面側に突出する山部114b’とが交互に存在している。この山部114a’,114b’が、パネル基板102の表面に形成された液晶層106に当接し押圧されることで、メッシュ跡となってしまう。
液晶表示パネル用のパネル基板の周囲に周辺シール剤を塗布するためのスクリーン印刷版の場合、メッシュ114には山部114a’,114b’を平滑にするカレンダー処理が施され、液晶層106との当接面がある程度の面積を有する平面とすることで、メッシュ跡が付き難くなるようにしている。しかし、山部114a’,114b’の液晶層106との当接面の面積は、カレンダー処理により平滑にして得られる程度では知れており、メッシュ跡の低減効果は十分とは言えない。
メッシュ跡を防止する方法として、乳剤の厚さを厚くする方法があるが、当該方法では、周辺シール剤の塗布量がばらつき易く、シール幅が一定でなくなる場合があるため好ましくない。
また、周辺シール剤10を形成すべき部分のみ貫通パターン孔を有するメタルマスク(パターン成形層)とメッシュ114とを貼り合わせたもの(一般に、「サスペンドメタルマスク版」あるいは「サスペンドスクリーン印刷版」等と称される。)によれば、液晶層106と当接する面がメタルマスクになるため、メッシュ跡が付くのがかなり防止される。しかし、メタルマスクの背面(スキージ面)にはメッシュ114が位置しており、スキージ108を押圧しつつ移動するとメッシュ114がメタルマスクを介して被印刷面に転写されるため、メッシュ跡を完全に防止することはできない。
特許文献2には、配向膜(液晶層)のラビング方向とスクリーンメッシュのカレンダー処理の方向とを同方向に合わせることで、カレンダー処理による削り傷の方向とラビング方向とが同じ方向となり、その削り傷が配向膜に転写されたとしても配向がほとんど乱れることがなく、メッシュ跡による表示不良を防止することができる技術が開示されている。しかし、如何にカレンダー処理による削り傷の方向とラビング方向とを揃えたからといって、液晶層表面にメッシュ跡が付くことには変わりがなく、表示不良の懸念は払拭されない。
特開平7−137423号公報 特開2006−17835号公報
したがって、本発明は、例えば液晶表示パネル等の基板の周囲に周辺シール剤を塗布するためのスクリーン印刷用メタルマスク、およびかかるスクリーン印刷用メタルマスクを容易に得ることができる製造方法を提供することを目的とする。
本発明に係るスクリーン印刷用メタルマスクにおいては、被印刷面である基板の周囲に周辺シール剤を塗布するためのスクリーン印刷用メタルマスクであって、スクリーン印刷 用メタルマスクは金属板からなり、金属板には周辺シール剤を形成すべき周回形状の開口 部が設けられ、開口部のみに金属板よりも薄膜の同一金属からなるメッシュを形成し、メ ッシュの下面が金属板の下面の被印刷面よりも上方側に離れた引込み位置に配置されてい るものである
また、本発明に係るスクリーン印刷用メタルマスクの製造方法においては、被印刷面で ある基板の周囲に周辺シール剤を塗布するための金属板からなるスクリーン印刷用メタル マスクを製造する方法であって、平面を有する金属母材の当該平面に対して、周辺シール剤を形成すべき周回形状の第1のレジストを形成する第1レジスト形成工程と、金属母材の第1レジストが形成された面に第1の金属メッキ層を施すことにより、金属板に周辺 シール剤を形成すべき周回形状の開口部が設けられ、開口部のみに金属板よりも薄膜の同 一金属からなるメッシュを形成する第1メッキ工程と、第1レジストを剥離する予備剥離 工程と、金属母材の金属メッキ層が形成された面に、周回形状の第2のレジスト層を形成する第2レジスト形成工程と、金属母材の第2レジストが形成された面に、再び前記金属メッキと同一材質の第2の金属メッキを施すことにより、メッシュの下面が金属板の下 面の被印刷面よりも上方側に離れた引込み位置に配置され、開口部位以外の金属板の板厚 を厚くする第2メッキ工程と、残存するレジストを剥離する剥離工程と、金属母材から、積層された第1及び第2のメッキ層を脱型して金属板からなるスクリーン印刷用メタルマ スクを得る脱型工程とを含むものである。
本発明のスクリーン印刷用メタルマスクによれば、これを用いて、液晶層が形成された基板の周囲に周辺シール剤を塗布する際に、当該スクリーン印刷用メタルマスクのスキージ面と反対側の面である被印刷面側における前記液晶層と当接する領域が、平板状の金属板面であるため、面で前記液晶層と当接することになり、メッシュ跡を残すことがない。
しかも、スキージ面にもメッシュが存在しないため、前記金属板を介してのメッシュ映りの懸念も払拭され、メッシュ跡が前記液晶層に付くことを確実に防止することができる。
そのため、最終的に得られる液晶表示パネルのメッシュ跡に由来する表示不良を完全に防止することができる。
また、本発明のスクリーン印刷用メタルマスクの製造方法によれば、上記優れた特徴を有する本発明のスクリーン印刷用メタルマスクを容易に製造することができる。
以下、本発明を図面に則して詳細に説明する。
[本発明のスクリーン印刷用メタルマスク
図1(a)は、本発明の例示的一態様である実施形態のスクリーン印刷用メタルマスクを模式的に表す模式平面図であり、図1(b)は図1(a)のB−B断面図であり、図1(c)は図1(a)のC−C断面図である。図1に示されように、本実施形態のスクリーン印刷用メタルマスク20は、金属板2の縁からやや内側に、所定の幅を有する矩形状の開口部(周辺シール剤を形成すべき形状の孔)8が設けられ、当該開口部8にはメッシュ4が配されている。当該図1においては、図1(a)の平面図では被印刷物側の面が上を向いた状態であるが、図1(b)および図1(c)では、スキージ面が上方を向いている(以降の図においても、特に指定がない限り同様である。)。
本実施形態のスクリーン印刷用メタルマスク20において本発明に特徴的な構成としては、周辺シール剤を形成すべき周回形状の開口部8に配されたメッシュ4の上面が金属板2の上面とスキージ面で面一になるように配され、かつメッシュ4の下面が金属板2の下 面(被印刷物側の面)よりも上方側に離れた引込み位置に配置されている点に大きな特徴 ある。ここで「面一」とは、複数の部材ないし要素が平面部を有し、かつ、当該平面部が同一平面に位置することを意味し、本発明においては、すなわち、スキージ面においてメッシュと金属板とが同一平面上に位置するように配置されることを意味する。また 、被印刷物側の面においてメッシュ4の下面が金属板2の下面よりも上方側に離れた引込 み位置に配置されているということは、金属板2の下面は被印刷物側の面に当接するが、 メッシュ4の下面は被印刷物側の面に当接せず、メッシュ4の上面をスキージで押圧して も被印刷物に当接しないことを意味する。
図1におけるメッシュ4と金属板2との関係を見れば明らかなように、本実施形態においても、スキージ面(図1(b)および(c)における上方側の面)で両者が同一平面上に位置しており、両者が面一の状態に配置されていると言い得る。また、被印刷物側の面 (図1(b)および(c)における下方側の面)でメッシュ4の下面が金属板2の下面よ りも上方側に離れた引込み位置に配置されていると言い得る。
図2を用いて、従来のサスペンドスクリーン印刷版と本実施形態のスクリーン印刷用メ タルマスクの構造的相違を説明する。ここで、図2(x)が従来のサスペンドスクリーン印刷版20’、図2(y)が本実施形態のスクリーン印刷用メタルマスク20を示す模式断面図である。これらは、図1におけるB−B断面に相当する断面図(すなわち、下方が被印刷側)である。ただし、図2(x)では、メッシュ4’をより模式化して描いている。
図2(x)に示されるように、従来のサスペンドスクリーン印刷版20’は、被印刷面側における例えば液晶層と当接する領域E’が、平板状の金属板(メタルマスク)2’の面となっているものの、その背面であるスキージ面側にメッシュ4’が存在しており、図11を用いて説明したようにスキージ108で擦り込むようにして押圧すると、メッシュ4’がメタルマスク2’の開口8’を介して被印刷面に転写されるため、メッシュ跡を完全に防止することはできない。
それに対して、本実施形態のスクリーン印刷用メタルマスク20は、図2(y)に示されるように、被印刷面側における例えば液晶層と当接する領域Eが、平板状の金属板2の面となっていることは勿論のこと、その背面であるスキージ面側には、周辺シール剤を形 成すべき周回形状の開口部8のみにメッシュ4が配されており、そのメッシュ4の上面が 金属板2の上面と面一にされ、かつメッシュ4の下面が金属板2の下面(被印刷物側の面 )よりも上方側に離れた引込み位置にあるため、図11を用いて説明したようにスキージ108で擦り込むようにして押圧した場合にも、メッシュ跡が被印刷物(例えば液晶表示パネルのパネル基板に形成された液晶層)に付くことを確実に防止することができる。
また、図2(x)に示されるように、従来のサスペンドスクリーン印刷版20’は、所定の幅を有する矩形状の開口部8’を有するメタルマスク2’に、それとは別体のメッシュ4’を貼り合わせてなるものである。このように従来のサスペンドスクリーン印刷版20’においては、メタルマスク2’の厚さT1とメッシュ4’の厚さT2’との合計(T1+T2’)が版全体の厚さとなり、メッシュ線径が大きくなればなるほど版全体としてある程度以上の厚みになる。
メタルマスク2’およびメッシュ4’の厚みは、両者が貼り合わされる前の別体の状態で自立している事が要求されるため、両者が貼り合わされた状態で自立可能な程度まで薄くすることはできず、全体としての厚みの低減には制限がある。特にメタルマスク2’は、それ自体で版としての実用性ないし耐久性に見合った自立性が要求されるため、ある程度の堅牢さが必要であり、厚さT1を低減することは限界がある。
それに対して、本実施形態のスクリーン印刷用メタルマスク20は、図2(y)に示されるように、従来例のメタルマスク2’に相当する金属板2の開口部(パターン状の孔)8に、金属板2よりも薄膜のメッシュ4が形成されているため、版全体の厚さにメッシュ4の厚さT2は影響を与えず、金属板2の厚さT1と版全体の厚さとが同一になる。そのため、版全体として厚さを低減することができるといった効果もある。
さらに、従来例のサスペンドスクリーン印刷版20’では、スキージ面S全面がメッシュ4’であり、その平面性が確保されているが、本実施形態のスクリーン印刷用メタルマ スク20でも、メッシュ4の上面と金属板2の上面とが面一になっているため、スキージ面Sの平面性が確保されている。そのため、スキージにより擦り込むように押圧して印刷する際にスムーズであり、不具合が生じることが無い。
なお、例えば液晶表示パネルのパネル基板の周囲に周辺シール剤を塗布するためのスクリーン印刷用メタルマスクにおいては、一般的に、前記周辺シール剤を形成すべき領域の幅が比較的狭いため、メッシュ4に大きな負荷は掛からず、メッシュ4が撓む懸念も大きくない。しかし、より耐久性を向上させたい場合や前記周辺シール剤を形成すべき領域の幅が比較的広い場合等の際には、メッシュ4の被印刷物側の面に、当該面から垂直に垂下し、かつその端部が金属板2の被印刷物側の面と略揃う長さのポストを配することもできる。
<構成部材の詳細>
次に、本発明のスクリーン印刷用メタルマスクを構成する各部材について、詳細に説明する。
(金属板)
本発明において金属板の材料としては、特に制限はなく、従来からスクリーン印刷版におけるメタルマスクの材料として用いられてきた各種金属を問題なく使用することができる。具体的には例えば、ニッケル、鉄、銅、およびこれらの金属を含む合金(例えば、ステンレス)が挙げられる。加工性や経済性の観点から、これらの中でもニッケルおよびその合金が好ましい。
本発明において金属板の厚みとしては、特に制限はないが、ある程度の耐久性を確保するためには、10μm以上であることが好ましく、12μm以上であることがより好ましい。一方、当該金属板の厚みの上限としては、目的に応じて適宜厚膜とすることもできるが、高精細な画像を得るためには、70μm以下であることが好ましく、40μm以下であることがより好ましい。
周辺シール剤を塗布するパネル基板(被印刷物)としては、前記実施形態の例では1個のみであるが、2個以上並置しておきこれを1枚のスクリーン印刷用メタルマスクで印刷することも可能であり、生産性の観点から好ましい。この場合、本発明のスクリーン印刷用メタルマスクに開けられる孔(開口部)としては、それら全てのパネル基板に対応した数の「周辺シール剤を形成すべき形状の孔」が設けられる。
本発明において金属板の大きさとしては、周辺シール剤を塗布するパネル基板の大きさや一度に塗布する数に応じた面積に依存し、特に制限はないが、一般的には一辺が200mm〜850mmの範囲内の矩形状のものが選択される。勿論、金属板の形状としては、矩形に制限されるものではない。
(メッシュ)
本発明においてメッシュは、前記金属板と一体成形することが、製造適性から好ましく、その観点からは、前記金属板と同一の材料とすることが望ましい。
本発明において、メッシュの厚さとしては、少なくとも前記金属板よりも薄膜であることが要求され、前記金属板の厚さにもよるが、下限は5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。また、前記メッシュの厚さの上限は、前記金属板を厚膜とした場合、それに応じて適宜厚膜とすることができるが、高精細な画像を得るためには、30μm以下であることが好ましく、25μm以下であることがより好ましい。
本発明において、メッシュを構成する素材の太さとしては、スクリーン印刷用メタルマ スクとしての機能を損なわない程度に細く、また、印刷時のある程度の柔軟性と耐久性とを確保するために、5μm〜40μmの範囲から選択することが好ましく、10μm〜30μmの範囲から選択することがより好ましい。
本発明において、メッシュを構成する素材の密度(いわゆる「メッシュ」)としては、高精細な画像を形成するためには大きい(目が細かい)方が好ましいが、あまり大きすぎる(目が細かすぎる)と周辺シール剤の成分を十分に透過させることができなくなる場合がある。したがって、1mm当たり27.6〜315本(70〜800メッシュ)程度の範囲から選択される。
また、後述する製造方法によれば、メッキにより新たにメッシュを形成するので、例えば、周辺シール剤(印刷パターン)の厚みを大きくしたい場所はメッシュの密度を小さくし、小さくしたい場所はメッシュの密度を大きくする等、形成しようとするパターンに応じて、メッシュの密度、メッシュの厚さ、メッシュの形状、素材の太さ等を部位により異なるものとしてもよい。
メッシュの孔の形状としては、図面上は全て縦横素材が等間隔で直交してなる正方形となっているが、本発明においてはこれに限定されるものではない。後述する製造方法によれば、メッシュの孔の形状を任意に設定することができるため、あらゆる形状、例えば、正三角形、正方形、長方形、ひし形、正六角形、その他多角形(正多角形および変形多角形を含む。)、円形、楕円形、不定形等いずれの形状にしてもよく、種々の条件等を勘案して、最適の形状を選択すればよい。
(ポスト)
前記ポストを配する場合に、ポストは前記金属板や前記メッシュと一体成形することが、製造適性から好ましく、その観点からは、前記金属板やメッシュと同一の材料とすることが望ましい。
ポストとしては、その形状には特に制限は無く、角柱状、円柱状、載頭円錐状、載頭角錐状、その他不定形等いずれの形状を採用しても構わない。
<使用態様>
本発明のスクリーン印刷用メタルマスクは、版枠に固定して用いてもよい。通常のサスペンドスクリーン印刷版ではスキージ側全面に設けられる紗(一般に言うところの「メッシュ」のことを指し、本発明での「メッシュ」とは概念が異なるため、本発明においては、用語を変えて概念分けして用いることとする。)を、メタルマスクの外周まで設けて、これを版枠に固定することでいわゆる「紗張り」している。しかし、本発明のスクリーン印刷用メタルマスクには、この「紗」に相当する部材が無いため、本発明のスクリーン印刷用メタルマスクの外周(好ましくはスキージ面側)に帯状の弾性張架帯を貼り付け、これを介して版枠に固定すればよい。
当該弾性張架帯は、前記メタルマスクの外周においては、通常のサスペンドスクリーン印刷版で用いられる紗と同等の意義の部材であるため、従来からスクリーン印刷版におけるメッシュ(紗)の材料として用いられてきたものを問題なく使用することができる。具体的には例えば、ステンレス、アルミニウム、鉄、銅、およびこれらの金属を含む合金等の金属メッシュや、ポリエステル(例えばテトロン(登録商標))等の樹脂製メッシュが挙げられる。また、これら樹脂製メッシュの表面を前記金属あるいは合金で被覆した物でも構わない。
ただし、本発明において弾性張架帯として採用可能な紗は、前記開口部に設けられるものではないことから、繊維の太さや繊維の密度(いわゆる「メッシュ」)に何ら制限は無い。通常のサスペンドスクリーン印刷版においてメタルマスクに相当する「金属板」と版枠との間を、印刷に供するのに適した程度の張力で張り渡すことができる所望の弾性力を有していれば、繊維の太さや繊維の密度は全く任意の値で構わない。また、前記所望の弾性力を有していれば、特に紗に限定されるものではなく、従来公知のシート状ないしフィルム状の部材を前記弾性張架帯として採用することも可能である。耐久性やコストの観点からは、前記弾性張架帯として紗を用いることが最も簡便であり好ましい。
また、使用可能な版枠としては、特に制限はなく、従来からスクリーン印刷版における版枠として用いられてきたものを問題なく使用することができる。前記弾性張架帯を介して前記版枠に固定(いわゆる、「紗張り」)した際、前記弾性張架帯に十分なテンションがかけられ、スクリーン印刷に供する際、十分な形状保持性を有するものであれば、その形状、構造、大きさ、材料に如何なる制限も課されない。具体的な材料としては、ステンレス、アルミニウム、鉄、銅、等の金属材料のほか、各種プラスチック材料でも構わない。
前記メタルマスクと前記弾性張架帯との間の固定、および、前記弾性張架帯と版枠との間の固定は、特に制限は無く、従来公知の一般的な方法によればよい。例えば、接着固定方法の例を挙げれば、溶接による方法、接着剤による方法、メッキによる方法、超音波溶着による方法、ビス止めや押さえ具により加圧しての取り付け等機械的取付方法、等が挙げられ、いずれの方法で行っても全く問題ない。
なお、本発明において、当該版枠は必須の構成要素ではないが、通常のスクリーン印刷においては、版枠に紗張りした状態で用いられることが多い。ただし、印刷装置に直接取り付ける態様のもの等版枠を有しない状態のまま、スクリーン印刷に供しうる場合も想定され、かかる場合においても本発明のスクリーン印刷用メタルマスクは好適に使用することができる。
<本発明のスクリーン印刷用メタルマスクの製造方法>
本発明のスクリーン印刷用メタルマスクの製造方法(以下、単に「本発明の製造方法」という場合がある。)は、大きく分けて2度のメッキ処理の工程(1および2)と、剥離工程と、からなる。また、それぞれのメッキ処理の工程は、さらにレジスト形成工程およびメッキ工程、第2のメッキ処理の工程ではさらに剥離工程に分かれ、これらが必須の工程となる。つまり整理すると以下のようになる。
(1)第1のメッキ処理の工程
(1−A) 平面を有する金属母材の当該平面に対して、メッシュのネガ像からなる前記周辺シール剤を形成すべき周回形状の第1のレジストを形成する第1レジスト形成工程。
(1−B) 金属母材のレジストが形成された面に第1の金属メッキを施す第1メッキ工程。
(2)第2のメッキ処理の工程
(2−A) 金属母材の金属メッキ層が形成された面に、メッシュのネガ像を含まない前記パターン状の第2のレジストを形成する第2レジスト形成工程。
(2−B) 金属母材のレジストが形成された面に、再び前記金属メッキと同一材質の第2の金属メッキを施す第2メッキ工程。
(2−C) 残存する前記レジストを剥離する剥離工程。
(3) 金属母材から、積層された第1及び第2の金属メッキ層を脱型してスクリーン印刷用メタルマスクを得る脱型工程
なお、(1)第1のメッキ処理の工程の最終工程として、第1レジスト形成工程において形成された第1のレジストを剥離する(1−C)予備剥離工程を設けても構わない。
以下、本発明の製造方法を、具体的な例を挙げて各工程ごとに分けて説明する。
[製造方法の具体例]
本例においては、図1に示す構成の実施形態のスクリーン印刷用メタルマスクを製造する製造方法の例を説明する。
(1)第1のメッキ処理の工程
(1−A)第1レジスト形成工程
第1レジスト形成工程とは、平面を有する金属母材の当該平面に対して、メッシュのネガ像からなる周辺シール剤を形成すべき周回形状の第1のレジストを形成する工程である。
まず、図3に示されるような平面を有する金属母材10を用意する。ここで、図3は、本発明のスクリーン印刷用メタルマスクの製造方法の一例を説明するための模式説明図であり、図3(a)は、本発明のスクリーン印刷用メタルマスクの製造方法による処理前の金属母材を表す模式平面図であり、図3(b)は図3(a)のB−B断面図であり、図3(c)は図3(a)のC−C断面図である。なお、図3〜図7についても、全て本発明のスクリーン印刷用メタルマスクの製造方法の一例を説明するための模式説明図である。
金属母材10としては、形成されるメタルマスクを平面状に保持し得る平面を有するものであれば、特に制限はなく、図3に示されるような平板状のものに限定されるものでは無い。
本工程では、金属母材10の表面に、メッシュのネガ像からなる周辺シール剤を形成すべき周回形状の第1のレジストを形成する。図4(a)は本工程による操作が為された後の金属母材10表面の状態を示す模式平面図であり、図4(b)は図4(a)のB−B断面図であり、図4(c)は図4(a)のC−C断面図である。図4を見ればわかるように、本工程による操作の後に、メッシュのネガ像からなる第1のレジスト12が形成されている。
ここで「メッシュのネガ像」とは、縦横の素材からなるメッシュの当該素材以外の部分、換言すればメッシュにおける孔の部分に相当する形状のことを指す。すなわち微視的には、レジスト12の個々の形状は正方形であるけれども、レジスト12が形成されている領域全体を見ると、レジストが形成されていない部分がメッシュ状になっている状態である(ただし、図4においては、当該像が微細に過ぎるため、図示を省略している。)。このような形状のレジスト像を本発明においては「メッシュのネガ像」と表現している。
また、かかるメッシュのネガ像からなる「周辺シール剤を形成すべき周回形状」とは、レジスト12が形成されている領域全体を見た場合に、当該レジスト12の部位とメッシュに相当する部位とを含めた全体像が、周辺シール剤を形成すべき周回形状となっていることを意味する。図4(a)に示される例で言えば、レジスト12が形成されている領域全体を見ると、全体として所定の幅を有する矩形状となっている。すなわち、本例では、当該形状が所望のパターン状であり、最終的に形成されるスクリーン印刷用メタルマスクには、当該形状の開口部8が形成されることになる。
レジスト12としては、従来公知の各種レジスト剤を用いることができ、レジスト剤として市販されている物でも、本発明のために新たに調合したものでも、何ら問題なく用いることができる。また、一般的にはレジストとして用いられていないもの(例えば、接着剤等)であっても、電解メッキにおける通電に対して不導体として作用するような材料であれば、いずれも採用可能である。精緻な印刷パターンを形成するためには、感光性のレジスト材料を用いることが望ましい。
感光性のレジスト材料としては、上市されているネガ型あるいはポジ型の市販品を挙げることができる。例えば、各種メーカーから市販されている感光性ドライフォトフィルム(感光性レジスト材、感光性樹脂)を挙げることができる。
感光性のレジスト材料を用いてレジスト12を形成するには、当該感光性のレジスト材料を金属母材10の表面に塗布し、現像後にメッシュのネガ像からなる所定の幅を有する矩形状のレジストが形成されるように、選択したレジスト材料の種類に応じてネガ状ないしポジ状に光を照射した後に、所定の現像を施せばよい。
(1−B)第1メッキ工程
第1メッキ工程とは、第1レジスト形成工程においてレジストが形成された金属母材の面に、第1の金属メッキを施すことにより、金属板に周辺シール剤を形成すべき周回形 状の開口部が設けられ、開口部のみに金属板よりも薄膜の同一金属からなるメッシュを形 成し、メッシュの上面が金属板の上面とスキージ面で面一になるように配される工程である(図5参照)
図4に示されるような、表面にレジスト12が形成された金属母材10の当該表面に、最終的に求めるスクリーン印刷用メタルマスクを構成すべき材料の金属メッキを施すと、図5に示されるように、金属母材10表面のうちレジスト12が形成された部位以外の部位に、金属板2となる第1の金属メッキ層が形成される。ここで、図5(a)は本工程による操作が為された後の金属母材10表面の状態を示す模式平面図であり、図5(b)は図5(a)のB−B断面図であり、図5(c)は図5(a)のC−C断面図である。
例えば、金属メッキとして電解メッキを採用した場合、不導体として作用するレジスト12の部分には、メッキが施されない。また、それ以外のメッキ方法を採用した場合にも、レジスト12の部分には、メッキが施されないか、あるいはレジスト12の上にメッキされ、金属母材10表面に直接メッキが施されることは無い。
なお、レジスト12が形成されていた部分は、メッシュのネガ像となっていたため、本工程による操作が為された後には、全体的に見ると、メッシュ4となる金属メッキ層とレジスト12とが混在した状態(レジスト12の網目状の隙間に金属メッキ層が形成された状態)となっている(符号12,4参照)。
電解メッキによりメッキ処理する金属としては、各種金属およびその合金が挙げられ、本発明における金属板の材料として挙げた金属ないし合金を用いることができる。中でもニッケルおよびその合金は、細線印刷時の耐久性がより一層向上するため好ましく、また、加工性や経済性の観点からも好ましい。
本工程により形成すべき金属メッキの厚みとしては、最終的に開口部8に設けられるメッシュ4の厚みになるため、当該厚みを所望の値とする程度にすればよい。
(1−C)予備剥離工程
予備剥離工程とは、第1レジスト形成工程において形成されたレジストを、第1メッキ工程の操作の後に剥離する工程である。
第1メッキ工程の操作が終了すると、図5に示されるように、金属母材10表面には、レジスト12と第1の金属メッキ層(金属板2)とが混在した状態で存在している。本工程においては、このレジスト12を除去する。
図6(a)は本工程による操作が為された後の金属母材10表面の状態を示す模式平面図であり、図6(b)は図6(a)のB−B断面図であり、図6(c)は図6(a)のC−C断面図である。
図6に示されるように、本工程の操作が終了した時点で、金属母材10表面における開口部8には、当該開口部8の形状(周辺シール剤を形成すべき形状)のメッシュ4が形成される。
レジスト12の除去は、レジスト材料の種類に応じて最適な方法を採用すればよく、例えば、アルカリ液やその他有機・無機の各種溶剤を用いて除去すればよい。いずれにしても、従来公知の方法で行えば問題ないため、詳細な説明は割愛する。なお、当該工程は任意の工程であり、残存するレジストをその状態のまま後述する(2)第2のメッキ処理の工程の操作を継続し、当該工程の最終工程である(2−C)剥離工程で、全てのレジストを剥離しても構わない。
(2)第2のメッキ処理の工程
(2−A)第2レジスト形成工程
第2レジスト形成工程とは、「(1)第1のメッキ処理の工程」の操作が終了した後、金属母材の第1の金属メッキ層が((1−C)予備剥離工程の操作を省略している場合には、残 存するレジストとともに)形成された面に、メッシュのネガ像を含まない前記形状の第2のレジストを形成する工程である。つまり、(1−A)第1レジスト形成工程とは、形成するレジストにおいて、メッシュのネガ像を含まない点のみが異なる。
図7(a)は本工程による操作が為された後の金属母材10表面の状態を示す模式平面図であり、図7(b)は図7(a)のB−B断面図であり、図7(c)は図7(a)のC−C断面図である。図7を見ればわかるように、本工程で形成される第2のレジスト12は、図4に示されるようなメッシュのネガ像ではなく、単なる開口部8に相当する形状のベタ像となっている。
図7(b)および図7(c)において、第1のレジスト層(金属母材10側の層)として形成されている層12,4は、メッシュ4となる金属メッキ層とレジスト12とが混
在した状態の層であり、レジスト12のみからなる第2のレジスト層(被印刷物側の層)とは異なっている。
なお、メッシュ4の被印刷物側の面に、当該面から垂直に垂下し、かつその端部が金属板2の被印刷物側の面と略揃う長さのポストを配する場合には、本工程で、得ようとするポストの形状の貫通孔が所望の箇所に形成されるようにレジストを形成すればよい。
その他、レジスト12の材料や形成方法等は、「(1−A)第1レジスト形成工程」の場合と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
(2−B)第2メッキ工程
第2メッキ工程とは、第2レジスト形成工程においてレジストが形成された金属母材の面に、再び、前記第1メッキ工程における金属メッキと同一材質の第2の金属メッキを施すことにより、メッシュの下面が金属板の下面の被印刷面よりも上方側に離れた引込み 位置に配置され、開口部位以外の金属板の板厚を厚くする工程である(図8参照)
図7に示されるような、表面に金属メッキ層(金属板2)およびレジスト12が形成された金属母材10の当該表面に、さらに第2の金属メッキを施すと、図8に示されるように、金属母材10表面のうちレジスト12が形成された部位以外の部位に第2の金属メッキ層が積層される。ここで、図8(a)は本工程による操作が為された後の金属母材10表面の状態を示す模式平面図であり、図8(b)は図8(a)のB−B断面図であり、図8(c)は図8(a)のC−C断面図である。
つまり、本工程の金属メッキによれば、開口部8には第2の金属メッキが為されず、それ以外の部位に第2の金属メッキ層2が積層される状態となる。すなわち、開口部8以外の金属メッキ層(金属板2)は、境界L1を境に、第1と第2の2つのメッキ処理の工程で積層されて厚さが増して、全体として、本発明における「金属板」として要求されるに十分な厚みが確保される。そして、開口部8においては、第1のメッキ処理の工程で形成されたメッシュ4が薄膜のまま保持される。
なお、金属メッキ層(金属板2)は、図8においては境界L1において上下に分断されているように表されているが、実際には、第1と第2の2つのメッキ処理の工程で積層されたこの上下のメッキ層は融合して、1つの膜を形成した状態となっている。その点、既述のように、両者を積層する2つのメッキ処理の工程を有していても、これら工程は一体で捉えることができ、本例の製造方法は、本発明に言う「一体成形」の概念から外れるものではない。
本工程において積層する金属メッキ層の厚みは、(1−B)第1メッキ工程で形成された金属メッキ層との合計である金属メッキ層(金属板2)全体の厚みとして、最終的に得られるスクリーン印刷用メタルマスクに要求される厚さになるように、適宜調整してやればよい。すなわち、例えば、全体として15μmの厚さで、メッシュ4を5μmの厚さにすることを望む場合、(1−B)第1メッキ工程で5μm、そして本工程(第2メッキ工程)で10μmの金属メッキを施せばよい。
その他、金属メッキ層におけるメッキ材料やメッキ方法等は、「(1−B)第1メッキ工程」の場合と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
(2−C)剥離工程
剥離工程とは、第2メッキ工程の操作終了後に残存する前記レジストを剥離する工程である。
第2メッキ工程の操作が終了すると、図8に示されるように、金属母材10表面には、レジスト12と金属メッキ層である金属板2とが混在した状態で存在している。特に、レジスト12は、開口部8を埋めるような状態で残存している。また、層12,4においては、メッシュ4となる金属メッキ層とレジスト12とが混在した状態となっている。本工程においては、このレジスト12を除去する。
図9(a)は本工程による操作が為された後の金属母材10表面の状態を示す模式平面図であり、図9(b)は図9(a)のB−B断面図であり、図9(c)は図9(a)のC−C断面図である。
図9に示されるように、本工程の操作が終了した時点で、金属母材10表面における開口部8には、周辺シール剤を形成すべき形状(所定の幅を有する矩形状)のメッシュ4が形成されているとともに、当該部位の下方(被印刷物側)には、空間部が形成されている。
その他、レジスト12の除去方法等は、「(1−C)予備剥離工程」の場合と同一であるため、その詳細な説明は省略する。
(3)脱型工程
脱型工程とは、「(2)第2のメッキ処理の工程」の操作が終了した後、金属母材から、積層されたメッキ層を脱型してスクリーン印刷用メタルマスクを得る工程である。すなわち、図9に示される状態となった金属メッキ層2を、本工程において金属母材10から引き剥がすことで脱型し、目的の図1に示す構成の前記実施形態のスクリーン印刷用メタ ルマスクを得る。すなわち、本実施形態のスクリーン印刷用メタルマスク20は、周辺シ ール剤を形成すべき周回形状の開口部8に配されたメッシュ4の上面が金属板2の上面と スキージ面で面一になるように配され、かつメッシュ4の下面が金属板2の下面(被印刷 物側の面)よりも上方側に離れた引込み位置に配置されている点に大きな特徴がある。
この際の引き剥がす方法(脱型方法)としては、特に制限は無いが、ステンレス製の金属母材からニッケルないしその合金製の成型物を剥離しようとする場合のように、両者異なる金属材料である場合には、通常、引き剥がすことは困難ではなく、手や器具を用いて、単に物理的な脱型作業を行えばよい。脱型が困難な場合には、従来公知の各種剥離手法により脱型を行えばよい。また、脱型を容易にするべく、例えば有機溶剤に浸漬する等の操作により、残存するレジスト12を完全に溶解してから脱型の操作を行うことも好ましい。
以上のようにして、優れた特徴を有する本発明のスクリーン印刷用メタルマスクを製造することができる。すなわち、(1)第1のメッキ処理の工程によって、金属板2のスキージ面側とメッシュ4とを同時にメッキ処理により形成すれば、それらの表面は自ずと面一になり、(2)第2のメッキ処理の工程によって、金属板2のみメッキ処理によってメッキ層を積層すれば、金属板2のみを所望の厚みとし、それよりも薄膜のメッシュ4とすることができ、本発明のスクリーン印刷用メタルマスクを容易に製造することができる。
本例の製造方法によれば、2回のメッキ処理を施すことにより、高性能なスクリーン印刷用メタルマスクを高精度で簡単に製造できるため、印刷精度の向上と共に、低コスト化をも実現することができる。
また、本例の製造方法では、メッキ処理の両工程において用いるメッキ材料を同一のものとしているため、金属板2とメッシュ4とが一体成形されてなるスクリーン印刷用メタ ルマスクを容易に製造することができる。
以上、本発明のスクリーン印刷用メタルマスクおよびその製造方法について、好ましい実施形態および具体例を挙げて詳細に説明してきたが、本発明は、以上の実施形態および例に限定されるものではなく、当業者は公知の知見により本発明の構成に変更・改良を加えることができる。
例えば、第1および第2のメッキ工程の2段のメッキ処理が行われているが、メッシュおよび/または金属板の厚みを確保する等の目的で、それぞれの工程において2段以上のメッキ処理を施すことにより、全体として3回以上のメッキ処理の操作が為されていても構わない。この場合は、単にそれぞれのメッキ工程の中で便宜上2回以上メッキ処理の操作が為されているのみであり、複数回のメッキ処理が1つの工程の中で為されているものと解される。
本発明のスクリーン印刷用メタルマスクの一例を模式的に表す図であり、(a)は模式平面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は(a)のC−C断面図である。 (x)は従来のサスペンドスクリーン印刷版であり、(y)は図1のスクリーン印刷用メタルマスクを示す模式断面図である。 本発明のスクリーン印刷用メタルマスクの製造方法の一例による処理前の金属母材を表す模式説明図であり、(a)は模式平面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は(a)のC−C断面図である。 第1レジスト形成工程による操作が為された後の金属母材表面の状態を示す模式説明図であり、(a)は模式平面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は(a)のC−C断面図である。 第1メッキ工程による操作が為された後の金属母材表面の状態を示す模式説明図であり、(a)は模式平面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は(a)のC−C断面図である。 予備剥離工程による操作が為された後の金属母材表面の状態を示す模式説明図であり、(a)は模式平面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は(a)のC−C断面図である。 第2レジスト形成工程による操作が為された後の金属母材表面の状態を示す模式説明図であり、(a)は模式平面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は(a)のC−C断面図である。 第2メッキ工程による操作が為された後の金属母材表面の状態を示す模式説明図であり、(a)は模式平面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は(a)のC−C断面図である。 剥離工程による操作が為された後の金属母材表面の状態を示す模式説明図であり、(a)は模式平面図、(b)は(a)のB−B断面図、(c)は(a)のC−C断面図である。 液晶表示パネル製造途中のパネル基板であって、周辺シール剤が塗布された状態を示す平面図である。 スクリーン印刷によってパネル基板に周辺シール剤を塗布する作業の様子を示す模式図である。 スクリーン印刷版に用いられるメッシュの一部を拡大した平面図である。 図12におけるD−D断面図である。
符号の説明
2:金属板
4:金属板よりも薄膜のメッシュ(開口部に配された)
8:周回形状の開口部(周辺シール剤を形成すべき矩形状の孔)
10:金属母材
12:レジスト
20:スクリーン印刷用メタルマスク

Claims (7)

  1. 液晶表示パネル用のパネル基板の周囲に周辺シール剤を塗布するためのスクリーン印刷版であって、
    金属板に前記周辺シール剤を形成すべき形状の孔が設けられ、かつ、当該孔に、前記金
    属板よりも薄膜のメッシュが形成されてなり、その一方の面において、前記メッシュが前
    記金属板と面一になるように配され、当該面がスキージ面を構成することを特徴とするス
    クリーン印刷版。
  2. 前記金属板と前記メッシュとが、一体成形されてなることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷版。
  3. 前記金属板および前記メッシュの材質が、ニッケルまたはその合金であることを特徴とする請求項2に記載のスクリーン印刷版。
  4. 前記金属板の外周が、帯状の弾性張架帯を介して版枠に固定されてなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスクリーン印刷版。
  5. 前記弾性張架帯が、紗であることを特徴とする請求項4に記載のスクリーン印刷版。
  6. 液晶表示パネル用のパネル基板の周囲に周辺シール剤を塗布するためのスクリーン印刷版を製造する方法であって、
    平面を有する金属母材の当該平面に対して、メッシュのネガ像からなる前記周辺シール
    剤を形成すべき形状のレジストを形成する第1レジスト形成工程と、
    金属母材のレジストが形成された面に金属メッキを施す第1メッキ工程と、
    金属母材の金属メッキ層が形成された面に、メッシュのネガ像を含まない前記形状のレ
    ジストを形成する第2レジスト形成工程と、
    金属母材のレジストが形成された面に、再び前記金属メッキと同一材質の金属メッキを
    施す第2メッキ工程と、
    残存する前記レジストを剥離する剥離工程と、
    金属母材から、積層されたメッキ層を脱型してスクリーン印刷版を得る脱型工程と、
    を含むことを特徴とするスクリーン印刷版の製造方法。
  7. 前記金属メッキが、ニッケルメッキまたはその合金メッキであることを特徴とする請求項6に記載のスクリーン印刷版の製造方法。
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