JP2009018374A - 研磨パッド - Google Patents

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Abstract

【課題】平坦化特性及び面内均一性に優れ、特にウエハ周辺部の平坦化特性に優れる研磨パッドと研磨パッドを用いた半導体デバイスの製造方法を提供する。
【解決手段】研磨パッド1は研磨層とクッション層とを有し、クッション層は、アスカーC硬度40〜80度及び独立気泡率70〜90%のポリウレタンを含む発泡倍率1.5〜2.5倍の発泡体からなり吸水率は5%以下とする。研磨パッドは少なくとも研磨層が積層されている面側には無発泡のスキン層を有し、研磨層からクッション層まで貫通する孔を複数形成している。
【選択図】図1

Description

本発明はレンズ、反射ミラー等の光学材料やシリコンウエハ、ハードディスク用のガラス基板、アルミ基板、及び一般的な金属研磨加工等の高度の表面平坦性を要求される材料の平坦化加工を安定、かつ高い研磨効率で行うことが可能な研磨パッドに関するものである。本発明の研磨パッドは、特にシリコンウエハ並びにその上に酸化物層、金属層等が形成されたデバイスを、さらにこれらの酸化物層や金属層を積層・形成する前に平坦化する工程に好適に使用される。
半導体装置を製造する際には、ウエハ表面に導電性膜を形成し、フォトリソグラフィー、エッチング等をすることにより配線層を形成する形成する工程や、配線層の上に層間絶縁膜を形成する工程等が行われ、これらの工程によってウエハ表面に金属等の導電体や絶縁体からなる凹凸が生じる。近年、半導体集積回路の高密度化を目的として配線の微細化や多層配線化が進んでいるが、これに伴い、ウエハ表面の凹凸を平坦化する技術が重要となってきた。
ウエハ表面の凹凸を平坦化する方法としては、一般的にケミカルメカニカルポリシング(以下、CMPという)が採用されている。CMPは、ウエハの被研磨面を研磨パッドの研磨面に押し付けた状態で、砥粒が分散されたスラリー状の研磨剤(以下、スラリーという)を用いて研磨する技術である。CMPで一般的に使用する研磨装置は、例えば、図1に示すように、研磨パッド1を支持する研磨定盤2と、被研磨材(半導体ウエハ)4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤の供給機構を備えている。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と被研磨材4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、被研磨材4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。
従来、高精度の研磨に使用される研磨パッドとしては、一般的にポリウレタン発泡体シートが使用されている。しかし、ポリウレタン発泡体シートは、局部的な平坦化能力(平坦化特性)には優れているが、クッション性が不足しているためにウエハ全面に均一な圧力を与えることが難しい(つまり、面内均一性が劣る)。このため、通常、ポリウレタン発泡体シートの背面に柔らかいクッション層が別途設けられている。クッション層は、研磨層の特性を補うものである。クッション層は、CMPにおいて、トレードオフの関係にあるプラナリティとユニフォーミティの両者を両立させるために必要なものである。プラナリティとは、パターン形成時に発生する微小凹凸のある被研磨材を研磨した時のパターン部の平坦性をいい、ユニフォーミティとは、被研磨材全体の均一性をいう。研磨層の特性によって、プラナリティを改善し、クッション層の特性によってユニフォーミティを改善する。
従来、クッション層としては、例えば以下のようなものが開発されている。
不織布にポリウレタン溶液を含浸させた後、湿式製膜して得られる湿式発泡ポリウレタン(例えば、ロデール社製のSuba400)が市販されている。しかし、湿式製膜法により得られる発泡ポリウレタンは、連続気泡構造であり、研磨中にスラリーを吸収して膨潤するため、研磨パッドの面内均一性を十分に向上させることは困難である。
また、無発泡エラストマーからなるクッション層が提案されている(特許文献1及び2)。しかし、無発泡エラストマーからなるクッション層を用いた場合には、研磨時の押し圧によるクッション層の変形によりウエハ周辺部の平坦性が悪化する(エッジプロファイルの制御が困難になる)。
特開2002−224947号公報 特開2005−131720号公報
本発明は、平坦化特性及び面内均一性に優れ、特にウエハ周辺部の平坦化特性に優れる研磨パッドを提供することを目的とする。また、該研磨パッドを用いた半導体デバイスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、以下に示す研磨パッドにより上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、研磨層とクッション層とを有する研磨パッドにおいて、前記クッション層は、アスカーC硬度40〜80度及び独立気泡率70〜90%の発泡体からなり、かつ少なくとも研磨層が積層されている面側に無発泡のスキン層を有することを特徴とする研磨パッド、に関する。
本発明者らは、アスカーC硬度40〜80度及び独立気泡率70〜90%の発泡体からなり、かつ少なくとも研磨層が積層されている面側に無発泡のスキン層を有するクッション層を用いることにより、研磨中の繰り返し圧縮によるスラリーの吸収を防止し、また研磨時の押し圧によるパッドの変形を防止し、平坦化特性及び面内均一性に優れる研磨パッドが得られることを見出した。特に、本発明の研磨パッドは、ウエハ周辺部の平坦化特性に優れる(エッジプロファイルの制御が容易である)。
クッション層のアスカーC硬度が40度未満の場合には、ウエハの周辺部の削り残り(縁ダレ)及び平坦性に問題を生じ、80度を超える場合にはウエハに対するパッドの追従性が悪くなって面内均一性が悪化する。また、クッション層の独立気泡率が70%未満の場合には、研磨中の繰り返し圧縮によるポンピング作用により連続気泡内部にまでスラリーが入り込み、クッション性能が損なわれるため研磨パッドの面内均一性を向上させることができない。一方、独立気泡率が90%を超える場合には、研磨時にリテーナリングから受ける応力に対するリバウンドの影響により、ウエハ外周部の過研磨あるいは未研磨が発生しやすくなり、その制御が困難になる。
前記クッション層は、少なくとも研磨層が積層されている面側に無発泡のスキン層を有する必要がある。それにより、スラリーの吸収をさらに抑制することができる。
前記クッション層は、吸水率が5%以下であることが好ましい。吸水率が5%を超える場合には、クッション層が膨潤しやすくなるため、研磨パッドの面内均一性を向上させることが困難である。
また、前記クッション層は、ポリウレタンを含むことが好ましい。ポリウレタンは耐久性に優れるため、研磨中の繰り返し圧縮によってクッション性が低下しにくく、長時間クッション層としての機能を維持させことができる。
また、前記クッション層は、発泡倍率が1.5〜2.5倍であることが好ましい。発泡倍率が1.5倍未満の場合には、リテーナリングからの圧力に対する応力緩和が不十分になり、ウエハのエッジプロファイルの制御が困難になる。一方、発泡倍率が2.5倍を超える場合には、独立気泡率を70〜90%に調整することが難しく、また研磨中の繰り返し圧縮によってクッション層のへたりが大きくなりクッション性が低下しやすくなる。
また、本発明の研磨パッドは、研磨層からクッション層まで貫通する孔が複数形成されていることが好ましい。それにより、被研磨材との吸着による被研磨材の破壊を効果的に防ぐことができる。
さらに本発明は、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法、に関する。
本発明の研磨層は、微細気泡を有する発泡体であれば特に限定されるものではない。例えば、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ハロゲン系樹脂(ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなど)、ポリスチレン、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレンなど)、エポキシ樹脂、感光性樹脂などの1種または2種以上の混合物が挙げられる。ポリウレタン樹脂は耐摩耗性に優れ、原料組成を種々変えることにより所望の物性を有するポリマーを容易に得ることができるため、研磨層の形成材料として特に好ましい材料である。以下、前記発泡体を代表してポリウレタン樹脂について説明する。
前記ポリウレタン樹脂は、イソシアネート成分、ポリオール成分(高分子量ポリオール、低分子量ポリオール)、及び鎖延長剤からなるものである。
イソシアネート成分としては、ポリウレタンの分野において公知の化合物を特に限定なく使用できる。イソシアネート成分としては、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、m−キシリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;エチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート;1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−ジシクロへキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ジイソシアネートが挙げられる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
イソシアネート成分としては、上記ジイソシアネート化合物の他に、3官能以上の多官能ポリイソシアネート化合物も使用可能である。多官能のイソシアネート化合物としては、デスモジュール−N(バイエル社製)や商品名デュラネート(旭化成工業社製)として一連のジイソシアネートアダクト体化合物が市販されている。
上記のイソシアネート成分のうち、芳香族ジイソシアネートと脂環式ジイソシアネートを併用することが好ましく、特にトルエンジイソシアネートとジシクロへキシルメタンジイソシアネートを併用することが好ましい。
高分子量ポリオールとしては、ポリテトラメチレンエーテルグリコールに代表されるポリエーテルポリオール、ポリブチレンアジペートに代表されるポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカプロラクトンのようなポリエステルグリコールとアルキレンカーボネートとの反応物などで例示されるポリエステルポリカーボネートポリオール、エチレンカーボネートを多価アルコールと反応させ、次いで得られた反応混合物を有機ジカルボン酸と反応させたポリエステルポリカーボネートポリオール、及びポリヒドキシル化合物とアリールカーボネートとのエステル交換反応により得られるポリカーボネートポリオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
高分子量ポリオールの数平均分子量は特に限定されるものではないが、得られるポリウレタン樹脂の弾性特性等の観点から500〜2000であることが好ましい。数平均分子量が500未満であると、これを用いたポリウレタン樹脂は十分な弾性特性を有さず、脆いポリマーとなる。そのためこのポリウレタン樹脂から製造される研磨層は硬くなりすぎ、ウエハ表面のスクラッチの原因となる。また、摩耗しやすくなるため、パッド寿命の観点からも好ましくない。一方、数平均分子量が2000を超えると、これを用いたポリウレタン樹脂は軟らかくなりすぎるため、このポリウレタン樹脂から製造される研磨層は平坦化特性に劣る傾向にある。
ポリオール成分として上述した高分子量ポリオールの他に、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、トリメチロールプロパン、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、テトラメチロールシクロヘキサン、メチルグルコシド、ソルビトール、マンニトール、ズルシトール、スクロース、2,2,6,6−テトラキス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサノール、及びトリエタノールアミン等の低分子量ポリオールを併用することができる。また、エチレンジアミン、トリレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、及びジエチレントリアミン等の低分子量ポリアミンを併用することもできる。これら低分子量ポリオール、低分子量ポリアミンは1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。低分子量ポリオール、低分子量ポリアミンの配合量は特に限定されず、研磨層に要求される特性により適宜決定されるが、全ポリオール成分の20〜70モル%であることが好ましい。
ポリウレタン発泡体をプレポリマー法により製造する場合において、プレポリマーの硬化には鎖延長剤を使用する。鎖延長剤は、少なくとも2個以上の活性水素基を有する有機化合物であり、活性水素基としては、水酸基、第1級もしくは第2級アミノ基、チオール基(SH)等が例示できる。具体的には、4,4’−メチレンビス(o−クロロアニリン)(MOCA)、2,6−ジクロロ−p−フェニレンジアミン、4,4’−メチレンビス(2,3−ジクロロアニリン)、3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミン、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,4−ジアミン、3,5−ジエチルトルエン−2,6−ジアミン、トリメチレングリコール−ジ−p−アミノベンゾエート、ポリテトラメチレンオキシド−ジ−p−アミノベンゾエート、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトラエチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−3,3’,5,5’−テトライソプロピルジフェニルメタン、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、4,4’−ジアミノ−3,3’−ジエチル−5,5’−ジメチルジフェニルメタン、N,N’−ジ−sec−ブチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、m−キシリレンジアミン、N,N’−ジ−sec−ブチル−p−フェニレンジアミン、m−フェニレンジアミン、及びp−キシリレンジアミン等に例示されるポリアミン類、あるいは、上述した低分子量ポリオールや低分子量ポリアミンを挙げることができる。これらは1種で用いても、2種以上を混合しても差し支えない。
本発明におけるイソシアネート成分、ポリオール成分、及び鎖延長剤の比は、各々の分子量や研磨パッドの所望物性などにより種々変え得る。所望する研磨特性を有する研磨層を得るためには、ポリオール成分と鎖延長剤の合計活性水素基(水酸基+アミノ基)数に対するイソシアネート成分のイソシアネート基数は、0.80〜1.20であることが好ましく、さらに好ましくは0.99〜1.15である。イソシアネート基数が前記範囲外の場合には、硬化不良が生じて要求される比重及び硬度が得られず、研磨特性が低下する傾向にある。
ポリウレタン発泡体は、溶融法、溶液法など公知のウレタン化技術を応用して製造することができるが、コスト、作業環境などを考慮した場合、溶融法で製造することが好ましい。
ポリウレタン発泡体の製造は、プレポリマー法、ワンショット法のどちらでも可能であるが、事前にイソシアネート成分とポリオール成分からイソシアネート末端プレポリマーを合成しておき、これに鎖延長剤を反応させるプレポリマー法が、得られるポリウレタン樹脂の物理的特性が優れており好適である。
なお、イソシアネート末端プレポリマーは、分子量が800〜5000程度のものが加工性、物理的特性等が優れており好適である。
前記ポリウレタン発泡体の製造は、イソシアネート基含有化合物を含む第1成分、及び活性水素基含有化合物を含む第2成分を混合して硬化させるものである。プレポリマー法では、イソシアネート末端プレポリマーがイソシアネート基含有化合物となり、鎖延長剤が活性水素基含有化合物となる。ワンショット法では、イソシアネート成分がイソシアネート基含有化合物となり、鎖延長剤及びポリオール成分が活性水素基含有化合物となる。
ポリウレタン発泡体の製造方法としては、中空ビーズを添加させる方法、機械的発泡法、化学的発泡法などが挙げられる。
特に、ポリアルキルシロキサンとポリエーテルの共重合体であるシリコン系界面活性剤を使用した機械的発泡法が好ましい。かかるシリコン系界面活性剤としては、SH−192、L−5340(東レダウコーニングシリコン製)等が好適な化合物として例示される。
なお、必要に応じて、酸化防止剤等の安定剤、滑剤、顔料、充填剤、帯電防止剤、その他の添加剤を加えてもよい。
微細気泡タイプのポリウレタン発泡体を製造する方法の例について以下に説明する。かかるポリウレタン発泡体の製造方法は、以下の工程を有する。
1)イソシアネート末端プレポリマーの気泡分散液を作製する発泡工程
イソシアネート末端プレポリマー(第1成分)にシリコン系界面活性剤を添加し、非反応性気体の存在下で撹拌し、非反応性気体を微細気泡として分散させて気泡分散液とする。前記プレポリマーが常温で固体の場合には適宜の温度に予熱し、溶融して使用する。
2)硬化剤(鎖延長剤)混合工程
上記の気泡分散液に鎖延長剤(第2成分)を添加、混合、撹拌して発泡反応液とする。
3)注型工程
上記の発泡反応液を金型に流し込む。
4)硬化工程
金型に流し込まれた発泡反応液を加熱し、反応硬化させる。
前記微細気泡を形成するために使用される非反応性気体としては、可燃性でないものが好ましく、具体的には窒素、酸素、炭酸ガス、ヘリウムやアルゴン等の希ガスやこれらの混合気体が例示され、乾燥して水分を除去した空気の使用がコスト的にも最も好ましい。
非反応性気体を微細気泡状にしてシリコン系界面活性剤を含む第1成分に分散させる撹拌装置としては、公知の撹拌装置は特に限定なく使用可能であり、具体的にはホモジナイザー、ディゾルバー、2軸遊星型ミキサー(プラネタリーミキサー)等が例示される。撹拌装置の撹拌翼の形状も特に限定されないが、ホイッパー型の撹拌翼の使用にて微細気泡が得られ好ましい。
なお、発泡工程において気泡分散液を作成する撹拌と、混合工程における鎖延長剤を添加して混合する撹拌は、異なる撹拌装置を使用することも好ましい態様である。特に混合工程における撹拌は気泡を形成する撹拌でなくてもよく、大きな気泡を巻き込まない撹拌装置の使用が好ましい。このような撹拌装置としては、遊星型ミキサーが好適である。発泡工程と混合工程の撹拌装置を同一の撹拌装置を使用しても支障はなく、必要に応じて撹拌翼の回転速度を調整する等の撹拌条件の調整を行って使用することも好適である。
ポリウレタン発泡体の製造方法においては、発泡反応液を型に流し込んで流動しなくなるまで反応した発泡体を、加熱、ポストキュアすることは、発泡体の物理的特性を向上させる効果があり、極めて好適である。金型に発泡反応液を流し込んで直ちに加熱オーブン中に入れてポストキュアを行う条件としてもよく、そのような条件下でもすぐに反応成分に熱が伝達されないので、気泡径が大きくなることはない。硬化反応は、常圧で行うと気泡形状が安定するため好ましい。
ポリウレタン発泡体において、第3級アミン系等の公知のポリウレタン反応を促進する触媒を使用してもかまわない。触媒の種類、添加量は、混合工程後、所定形状の型に流し込む流動時間を考慮して選択する。
ポリウレタン発泡体の製造は、各成分を計量して容器に投入し、撹拌するバッチ方式であっても、また撹拌装置に各成分と非反応性気体を連続して供給して撹拌し、気泡分散液を送り出して成形品を製造する連続生産方式であってもよい。
また、ポリウレタン発泡体の原料となるプレポリマーを反応容器に入れ、その後鎖延長剤を投入、撹拌後、所定の大きさの注型に流し込みブロックを作製し、そのブロックを鉋状、あるいはバンドソー状のスライサーを用いてスライスする方法、又は前述の注型の段階で、薄いシート状にしても良い。また、原料となる樹脂を溶解し、Tダイから押し出し成形して直接シート状のポリウレタン発泡体を得ても良い。
前記ポリウレタン発泡体の平均気泡径は、30〜80μmであることが好ましく、より好ましくは30〜60μmである。この範囲から逸脱する場合は、研磨速度が低下したり、研磨後の被研磨材(ウエハ)のプラナリティ(平坦性)が低下する傾向にある。
前記ポリウレタン発泡体の比重は、0.5〜1.3であることが好ましい。比重が0.5未満の場合、研磨層の表面強度が低下し、被研磨材のプラナリティが低下する傾向にある。また、1.3より大きい場合は、研磨層表面の気泡数が少なくなり、プラナリティは良好であるが、研磨速度が低下する傾向にある。
前記ポリウレタン発泡体の硬度は、アスカーD硬度計にて、40〜65度であることが好ましい。アスカーD硬度が40度未満の場合には、被研磨材のプラナリティが低下し、また、65度より大きい場合は、プラナリティは良好であるが、被研磨材のユニフォーミティ(均一性)が低下する傾向にある。
研磨層の被研磨材と接触する研磨表面は、スラリーを保持・更新するための凹凸構造を有することが好ましい。発泡体からなる研磨層は、研磨表面に多くの開口を有し、スラリーを保持・更新する働きを持っているが、研磨表面に凹凸構造を形成することにより、スラリーの保持と更新をさらに効率よく行うことができ、また被研磨材との吸着による被研磨材の破壊を防ぐことができる。凹凸構造は、スラリーを保持・更新する形状であれば特に限定されるものではなく、例えば、XY格子溝、同心円状溝、貫通孔、貫通していない穴、多角柱、円柱、螺旋状溝、偏心円状溝、放射状溝、及びこれらの溝を組み合わせたものが挙げられる。また、これらの凹凸構造は規則性のあるものが一般的であるが、スラリーの保持・更新性を望ましいものにするため、ある範囲ごとに溝ピッチ、溝幅、溝深さ等を変化させることも可能である。
前記凹凸構造の作製方法は特に限定されるものではないが、例えば、所定サイズのバイトのような治具を用い機械切削する方法、所定の表面形状を有した金型に樹脂を流しこみ、硬化させることにより作製する方法、所定の表面形状を有したプレス板で樹脂をプレスし作製する方法、フォトリソグラフィを用いて作製する方法、印刷手法を用いて作製する方法、炭酸ガスレーザーなどを用いたレーザー光による作製方法などが挙げられる。
研磨層の厚みは特に限定されるものではないが、通常0.8〜4mm程度であり、1.2〜2.5mmであることが好ましい。前記厚みの研磨層を作製する方法としては、前記微細発泡体のブロックをバンドソー方式やカンナ方式のスライサーを用いて所定厚みにする方法、所定厚みのキャビティーを持った金型に樹脂を流し込み硬化させる方法、及びコーティング技術やシート成形技術を用いた方法などが挙げられる。
本発明のクッション層は、アスカーC硬度40〜80度、かつ独立気泡率70〜90%の発泡体からなる。アスカーC硬度は45〜70度であることが好ましく、独立気泡率は75〜85%であることが好ましい。
前記発泡体の材料は特に制限されず、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、シリコーンポリマーなどが挙げられる。これらのうち、特にポリウレタンを用いることが好ましい。
前記発泡体を得る方法としては、例えば、COなどの低分子ガスを所定の温度、圧力で樹脂中に溶解させた後、急激な減圧・昇温操作により溶解ガスを過飽和状態にさせ樹脂中に気泡を発生させるような物理発泡法、低沸点の有機化合物を重合性の樹脂原料に混合し、発泡と同時に硬化させる方法、樹脂原料に化学発泡剤(反応物質)を混練した後、所定の温度条件で分解反応させ、COやNなどのガスを発生させ樹脂中に気泡を発生させる化学発泡法、溶融樹脂やプレポリマーを機械的に撹拌し気泡を含有させ、冷却して固化させるか、重合反応により固化させて気泡を強制的に閉じこめる機械発泡法などが挙げられる。
前記クッション層は、例えば、押出し成形法、射出成形法、モールド成形法などにより作製することができる。クッション層のアスカーC硬度は、ポリマーの分子量、架橋密度、発泡倍率等を適宜調整することにより目的の値にすることができる。また、クッション層の独立気泡率は、ポリマー及び触媒の種類、その配合量などを適宜調整することにより目的の値にすることができる。例えば、クッション層としてポリウレタンを用いる場合、泡化反応と樹脂化反応のバランスを考慮し、泡化、樹脂化反応に適した触媒の種類及び配合量などの原料の選定により、反応全体の制御を行うことで独立気泡率をコントロールすることができる。また、クッション層の発泡倍率は1.5〜2.5倍であることが好ましく、より好ましくは1.7〜2.3倍である。クッション層の発泡倍率は、例えば、樹脂中に添加する低分子ガス、低沸点有機化合物、又は発泡剤の量、機械発泡法の場合には撹拌翼の回転速度や撹拌時間などにより調整することができる。
前記クッション層は、吸水率が5%以下であることが好ましく、より好ましくは4%以下である。クッション層の吸水率は、ポリマーの種類、親水成分や疎水成分の割合を適宜調整することにより目的の値にすることができる。また、吸水率を5%以下にするためには、同量の水に対して完全に混和する水溶性ポリマーを用いないことが望ましく、そのようなポリマーを用いる場合には使用量を限定して用いる。なお、吸水率の測定方法は実施例の記載による。
前記クッション層は、少なくとも研磨層を積層する面側に無発泡のスキン層を有することが必要である。スキン層の厚さは特に制限されないが、10〜200μm程度であることが好ましい。前記厚さのスキン層を形成する方法としては、スキン層を形成する面に接触させる金型の温度を樹脂温度又は発泡温度よりも低くしておく方法が挙げられる。また、発泡後にクッション層表面を樹脂溶融温度よりも高い温度状態に曝して、表層を溶融させる方法などが挙げられる。
前記クッション層の厚さは特に制限されないが、通常0.5〜5mm程度であり、好ましくは0.5〜2mmである。
本発明の研磨パッドは、例えば、研磨層とクッション層とを両面テープで貼り合わせる方法、クッション層上に研磨層の形成材料を塗布し硬化させて一体的に形成する方法などにより作製される。
前記両面テープは、不織布やフィルム等の基材の両面に接着層を設けた一般的な構成を有するものである。また、基材を有さないテープの使用も可能である。接着層の組成としては、例えば、ゴム系接着剤やアクリル系接着剤等が挙げられる。金属イオンの含有量を考慮すると、アクリル系接着剤は、金属イオン含有量が少ないため好ましい。また、研磨層とクッション層は組成が異なることもあるため、両面テープの各接着層の組成を異なるものとし、各層の接着力を適正化することも可能である。
本発明の研磨パッドは、研磨層からクッション層まで貫通する孔が複数形成されていることが好ましい。貫通孔の割合は表面積の5〜20%であることが好ましく、より好ましくは6〜15%である。貫通孔の割合が5%未満の場合には、被研磨材に吸着しやすくなり、被研磨材の破壊が起こりやすくなる。一方、20%を超える場合には、研磨層の表面積が少なくなりすぎて研磨効率が悪くなる。
本発明の研磨パッドは、プラテンと接着する面に両面テープが設けられていてもよい。該両面テープとしては、上述と同様に基材の両面に接着層を設けたものを用いることができる。研磨パッドの使用後のプラテンからの剥離を考慮すれば、基材にフィルムを用いることが好ましい。
半導体デバイスは、前記研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を経て製造される。半導体ウエハとは、一般にシリコンウエハ上に配線金属及び酸化膜を積層したものである。半導体ウエハの研磨方法、研磨装置は特に制限されず、例えば、図1に示すように研磨パッド(研磨層)1を支持する研磨定盤2と、半導体ウエハ4を支持する支持台(ポリシングヘッド)5とウエハへの均一加圧を行うためのバッキング材と、研磨剤3の供給機構を備えた研磨装置などを用いて行われる。研磨パッド1は、例えば、両面テープで貼り付けることにより、研磨定盤2に装着される。研磨定盤2と支持台5とは、それぞれに支持された研磨パッド1と半導体ウエハ4が対向するように配置され、それぞれに回転軸6、7を備えている。また、支持台5側には、半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付けるための加圧機構が設けてある。研磨に際しては、研磨定盤2と支持台5とを回転させつつ半導体ウエハ4を研磨パッド1に押し付け、スラリーを供給しながら研磨を行う。スラリーの流量、研磨荷重、研磨定盤回転数、及びウエハ回転数は特に制限されず、適宜調整して行う。
これにより半導体ウエハ4の表面の突出した部分が除去されて平坦状に研磨される。その後、ダイシング、ボンディング、パッケージング等することにより半導体デバイスが製造される。半導体デバイスは、演算処理装置やメモリー等に用いられる。
以下、本発明を実施例を上げて説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
[測定、評価方法]
(平均気泡径)
作製したポリウレタン発泡体を厚み1mm以下になるべく薄くミクロトームカッターで平行に切り出したものを平均気泡径測定用試料とした。試料をスライドガラス上に固定し、SEM(S−3500N、日立サイエンスシステムズ(株))を用いて100倍で観察した。得られた画像を画像解析ソフト(WinRoof、三谷商事(株))を用いて、任意範囲の全気泡径を測定し、平均気泡径を算出した。
(比重)
JIS Z8807−1976に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を4cm×8.5cmの短冊状(厚み:任意)に切り出したものを比重測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定には比重計(ザルトリウス社製)を用い、比重を測定した。
(D硬度)
JIS K6253−1997に準拠して行った。作製したポリウレタン発泡体を2cm×2cm(厚み:任意)の大きさに切り出したものを硬度測定用試料とし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、試料を重ね合わせ、厚み6mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーD型硬度計)を用い、硬度を測定した。
(C硬度)
JIS K−7312に準拠して行った。実施例及び比較例のクッション層を5cm×5cm(厚み:任意)の大きさに切り出したものをサンプルとし、温度23℃±2℃、湿度50%±5%の環境で16時間静置した。測定時には、サンプルを重ね合わせ、厚み10mm以上とした。硬度計(高分子計器社製、アスカーC型硬度計、加圧面高さ:3mm)を用い、加圧面を接触させてから30秒後の硬度を測定した。
(独立気泡率)
独立気泡率は下記式により算出した。
独立気泡率(%)=100−連続気泡率
なお、前記式中の連続気泡率はASTM−2856−94−C法に準拠して測定した。ただし、円形に打ち抜いたクッション層を10枚重ねたものを測定サンプルとした。測定器は、空気比較式比重計930型(ベックマン株式会社製)を用いた。連続気泡率は下記式により算出した。
連続気泡率(%)=〔(V−V1)/V〕×100
V:サンプル寸法から算出した見かけ容積(cm
V1:空気比較式比重計を用いて測定したサンプルの容積(cm
(吸水率)
1.5cm×5.0cmのクッション層のサンプルを50℃で24時間乾燥を行い、乾燥剤の入った容器内で放冷した後、サンプルの重量を精密天秤にて測定した。次にこのサンプルを蒸留水中に浸漬し、20℃にて24時間浸漬・放置した後、サンプルを取り出し、表面の水分をふき取り、サンプルの重量を精密天秤にて測定した。これらの重量の値を用い、以下の式にて吸水率を算出した。
吸水率(%)=[(浸漬後の重量―浸漬前の重量)/浸漬前の重量]×100
(面内均一性)
研磨装置としてSPP600S(岡本工作機械社製)を用い、作製した研磨パッドを用いて、面内均一性の評価(σ法、Max−Min法)を行った。酸化膜の膜厚測定には、干渉式膜厚測定装置(大塚電子社製)を用いた。研磨条件としては、スラリーとして、シリカスラリー(SS12、キャボット社製)を研磨中に流量150ml/min添加した。研磨荷重としては350g/cm、研磨定盤回転数35rpm、ウエハ回転数30rpmとした。
面内均一性の評価は、8インチシリコンウエハに熱酸化膜が1μm堆積したものを用いて上記研磨条件にて2分間研磨を行い、図2に示すようにウエハ上の特定位置77点(5mm間隔)の研磨前後の膜厚測定値から研磨速度最大値、研磨速度最小値、平均研磨速度、及びσ(ウエハ上の特定位置77点の研磨速度の標準偏差)を求め、その値を下記式に代入することにより算出した。ウエハ300枚目における面内均一性を表1に示す。なお、面内均一性の値が小さいほどウエハ表面の均一性が高いことを表す。
(1)σ法
面内均一性(%)=(σ/平均研磨速度)×100
(2)Max−Min法
面内均一性(%)={(研磨速度最大値−研磨速度最小値)/平均研磨速度}×100
(過研磨度)
研磨装置としてSPP600S(岡本工作機械社製)を用い、作製した研磨パッドを用いて、ウエハ周端から内部方向に10mmの位置における過研磨の程度を測定した。過研磨の程度は以下の方法により測定した。8インチシリコンウエハに熱酸化膜が1μm堆積したものを用いて下記研磨条件にて熱酸化膜が約0.5μmになるまで研磨を行い、同様の操作を300枚繰り返し行った。そして、ウエハ300枚目において、図2に示すようにウエハ上の特定位置77点(5mm間隔)の研磨前後の膜厚測定値から平均研磨速度を算出した。また、ウエハ周端から内部方向に10mmの位置における研磨速度Xを測定した。酸化膜の膜厚測定には、干渉式膜厚測定装置(大塚電子社製)を用いた。研磨条件としては、スラリーとして、シリカスラリー(SS12 キャボット社製)を研磨中に流量150ml/min添加した。研磨荷重としては350g/cm、研磨定盤回転数35rpm、ウエハ回転数30rpmとした。
過研磨度は下記式にて算出される。なお、過研磨度の値が1より大きくなればなるほど過研磨が生じており、1より小さくなればなるほど未研磨の状態であることを表す。過研磨度は、0.90〜1.10であることが好ましく、より好ましくは0.92〜1.08であり、前記範囲内であれば望ましい研磨状態であるといえる。
過研磨度=研磨速度X/平均研磨速度
実施例1
(研磨層の作製)
容器にトルエンジイソシアネート(2,4−体/2,6−体=80/20の混合物)1229重量部、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート272重量部、数平均分子量1018のポリテトラメチレンエーテルグリコール1901重量部、ジエチレングリコール198重量部を入れ、70℃で4時間反応させてイソシアネート末端プレポリマーを得た。
該プレポリマー100重量部及びシリコン系界面活性剤(東レダウコーニングシリコン製、SH−192)3重量部を重合容器内に加えて混合し、80℃に調整して減圧脱泡した。その後、撹拌翼を用いて、回転数900rpmで反応系内に気泡を取り込むように激しく約4分間撹拌を行った。そこへ予め70℃に温度調整したエタキュア300(アルベマール社製、3,5−ビス(メチルチオ)−2,6−トルエンジアミンと3,5−ビス(メチルチオ)−2,4−トルエンジアミンとの混合物)21重量部を添加した。該混合液を約1分間撹拌した後、パン型のオープンモールド(注型容器)へ流し込んだ。この混合液の流動性がなくなった時点でオーブン内に入れ、100℃で16時間ポストキュアを行い、ポリウレタン発泡体ブロックを得た。
約80℃に加熱した前記ポリウレタン発泡体ブロックをスライサー(アミテック社製、VGW−125)を使用してスライスし、ポリウレタン発泡体シート(平均気泡径:50μm、比重:0.86、硬度:52度)を得た。次に、バフ機(アミテック社製)を使用して、厚さ1.27mmになるまで該シートの表面をバフ処理し、このバフ処理をしたシートを直径61cmの大きさで打ち抜いて研磨層を作製した。
(クッション層の作製)
容器に数平均分子量2000のポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMEG)100重量部、発泡剤として水0.07重量部、及び触媒としてオクチル酸錫0.08重量部を入れて撹拌した。この混合物に対してNCO/OH混合比が1.10になるように変性MDI(BASF INOAC ポリウレタン株式会社製、MM−103、NCO%=29.2%)を加えて素早く撹拌し、それを離型処理された650×650角モールド(60℃)に流し込んで厚さ4mm、片面にスキン層を有する発泡体(発泡倍率1.9倍)を得た。得られた発泡体をバンドナイフ式スライサー(フェッケン社製)でスライスして厚さ1.3mm、片面にスキン層を有するクッション層を作製した。
(研磨パッドの作製)
前記研磨層と前記クッション層のスキン層面とを両面テープ(積水化学工業社製、#5782PGW)で貼り合わせた。その後、研磨層からクッション層まで貫通する直径1.6mmの貫通孔を研磨層の表面積に対して6.5%形成した。そして、クッション層の他面にラミ機を使用して前記両面テープを貼り合わせ、研磨層の外周に沿ってクッション層のはみ出し部分を切り取って研磨パッドを作製した。
実施例2
クッション層の作製において、PTMEG100重量部の代わりに、数平均分子量2000のポリプロピレングリコール70重量部及び数平均分子量1000のポリプロピレングリコール30重量部を用いた以外は実施例1と同様の方法でクッション層(発泡倍率1.8倍)を作製した。前記クッション層を用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
実施例3
クッション層の作製において、PTMEG100重量部の代わりに、数平均分子量1200の脂肪酸系ポリエステルポリオール70重量部及び数平均分子量1000のポリプロピレングリコール30重量部を用いた以外は実施例1と同様の方法でクッション層(発泡倍率2.0倍)を作製した。前記クッション層を用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
実施例4
クッション層の作製において、PTMEG100重量部の代わりに、数平均分子量1200の脂肪酸系ポリエステルポリオール70重量部及び数平均分子量1000のポリプロピレングリコール30重量部を用い、水の量を0.07重量部から0.12重量部に変更した以外は実施例1と同様の方法でクッション層(発泡倍率2.3倍)を作製した。前記クッション層を用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
比較例1
クッション層として、ポリエチレン発泡体(東レ社製、トーレペフ、発泡倍率5.0倍)を用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
比較例2
クッション層の作製において、PTMEG100重量部の代わりに、グリセリンを開始剤としてEO/PO(付加比率20/80)を付加したポリオール(数平均分子量4000)100重量部を使用した以外は実施例1と同様の方法でクッション層(発泡倍率1.9倍)を作製した。前記クッション層を用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
比較例3
クッション層として、ポリエステル不織布(目付け量160g/m)に水分散ポリウレタンエマルジョンを30重量%含浸させた後に乾燥させたポリウレタン含浸不織布を用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
比較例4
クッション層の作製において、PTMEG100重量部の代わりに、数平均分子量1200の脂肪酸系ポリエステルポリオール100重量部を使用した以外は実施例1と同様の方法でクッション層(発泡倍率2.2倍)を作製した。前記クッション層を用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
比較例5
クッション層として、クロロプレンゴムの無発泡シートを用いた以外は実施例1と同様の方法で研磨パッドを作製した。
Figure 2009018374
CMP研磨で使用する研磨装置の一例を示す概略構成図 ウエハ上の膜厚測定位置77点を示す概略図
符号の説明
1:研磨パッド
2:研磨定盤
3:研磨剤(スラリー)
4:被研磨材(半導体ウエハ)
5:支持台(ポリシングヘッド)
6、7:回転軸

Claims (6)

  1. 研磨層とクッション層とを有する研磨パッドにおいて、前記クッション層は、アスカーC硬度40〜80度及び独立気泡率70〜90%の発泡体からなり、かつ少なくとも研磨層が積層されている面側に無発泡のスキン層を有することを特徴とする研磨パッド。
  2. 前記クッション層は、吸水率が5%以下である請求項1記載の研磨パッド。
  3. 前記クッション層は、ポリウレタンを含む請求項1又は2記載の研磨パッド。
  4. 前記クッション層は、発泡倍率が1.5〜2.5倍である請求項1〜3のいずれかに記載の研磨パッド。
  5. 研磨層からクッション層まで貫通する孔が複数形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の研磨パッド。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の研磨パッドを用いて半導体ウエハの表面を研磨する工程を含む半導体デバイスの製造方法。
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