JP2009018149A - 磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 受信コイルの種類やその組合せに関係なく全身撮像における寝台の動きを自動的にかつ適切に制御可能な磁気共鳴イメージング装置を実現する。
【解決手段】 寝台112に配置された被検体101の全身又は連続部位について寝台112を移動させて撮像する磁気共鳴イメージング装置において、検出されたFID信号もしくはエコー信号の信号強度、または被検体の身長もしくは連続部位の長さに基づいて、撮像対象領域が撮像領域内に存在するか否かを判断して被検体が配置された寝台112の移動を制御する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、寝台の移動を繰り返して被検体の全身を撮像する磁気共鳴イメージング装置に関する。
近年、磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)の寝台移動を繰り返して被検体の全身のMRI画像を撮像し、スクリーニング検査などを行う全身MRIが関心を集めている。全身MRIの撮像は、マルチステーション撮像とムービングテーブル撮像との2種類に分類される。
前者は被検体を複数のステーション(領域)に分けて撮像し、得られた画像を合成して全身のMRI画像を作成する技術である。各ステーションの画像を撮像する際には、寝台は停止状態であり、ステーションを移動する際に寝台を動かす。
一方、後者は寝台を移動しながら撮像を行う技術である。
これらの撮像技術においては、寝台の移動と停止を制御することが重要である。すなわち、例えば、マルチステーション撮像において、寝台の移動回数を最適化し、検査を効率化するには、寝台移動後に、MRIの撮像可能な領域内に被検体が含まれることが望ましい。ムービングテーブル撮像においても同様である。
寝台の移動回数を最適化する方法として、一撮像領域分の距離だけ寝台を移動させる制御において、全身撮像用の受信コイル(以下、全身コイル)を用いて、コイル群の有無で寝台の移動制御を行なう方法が特許文献1に記載されている。
特開2002−10992号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載された技術では、所定長の全身コイルを用いた場合にのみ利用可能であり、複数の異なる局所受信コイルの組合せなどに適切な対応ができない。つまり、複数の別個の受信コイルを組み合わせた種々の長さのコイルを被検体に配置した場合、その端部が撮像領域内を通過したか否かの適切な判断方法について記載されていない。そのため、撮像対象が存在しない領域を撮像してしまう可能性を有しており、種々の長さの受信コイルを用いた場合に、効率的な撮像が行なえる様に、適切な寝台移動制御を行なうことが未解決のまま残されている。
そのため、受信コイルの種類に依存しない寝台の制御が求められている。
本発明の目的は、受信コイルの種類やその組合せに関係なく、効率的に撮像が行なえる様に、全身撮像における寝台の動きを適切に制御することが可能な磁気共鳴イメージング装置を実現することである。
上記目的を達成するため、本発明は以下のように構成される。
寝台に配置された被検体の全身又は連続部位について寝台を移動させて撮像する磁気共鳴イメージング装置において、検出手段により被検体の撮像対象領域からのFID信号又はエコー信号を検出し、検出したFID信号又はエコー信号を閾値と比較し、撮像対象領域が、撮像領域内に存在するか否かを判断して被検体が配置された寝台の移動を制御する。
好ましくは、静磁場内の全域からFID信号又はエコー信号を検出するシーケンスを実行してFID信号又はエコー信号を検出するf0サーチを行い、このf0サーチにより検出した信号の強度を閾値と比較し、上記撮像対象領域が、撮像領域内に存在するか否かを判断する。
また、好ましくは、HFサーチ、RLサーチ、AXサーチを行い、検出した信号の強度を閾値と比較して、撮像対象領域が、撮像領域内に存在するか否かを判断し、存在しないと判断した場合は、寝台をそれまでの移動方向と逆方向に所定距離だけ移動させた状態で、被検体の撮像対象領域からのFID信号又はエコー信号を検出し、撮像対象領域が、撮像領域内に存在するか否かを判断する。
本発明によれば、使用する受信コイル、被検体の身長にかかわらず、全身撮像の寝台移動制御を効率的な撮像となる様に適切に行なうことが出来る。したがって、全身撮像時間を短縮することが可能であるとともに、オペレータの負担を軽減することが出来る。
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明が適用されるMRI装置の概略構成図である。図1に示したMRI装置は、マルチステーション撮像、或は、ムービングテーブル撮像にて寝台移動を実施可能な装置である。
図1において、MRI装置は、被検体101を載せる寝台112と、静磁場を発生する磁石102と、傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル103と、高周波磁場を発生するRF送信コイル104と、被検体101が発生するMR信号を検出するRF受信コイル105と、システムの全体を制御する制御部111とを備える。
寝台112は、磁石102から退避、あるいは、磁石102内に挿入することが出来る。寝台112の移動は、寝台駆動部113によって行う。寝台駆動部113は制御部111から与えられる制御信号に応じて、少なくとも被検体の体軸方向(Z方向)の動きを制御する。
傾斜磁場コイル103は、X,Y,Zの3方向の傾斜磁揚コイルで構成される。制御部111からの信号に応じて、傾斜磁場電源109から電流が傾斜磁場コイル103に供給され、互いに直交する傾斜磁場を発生する。それぞれの傾斜磁場はスライス選択傾斜磁場、位相エンコード傾斜磁場、読み出し傾斜磁場を任意方向に設定することが出来る。
RF送信コイル104は、RF送信部110からの信号に応じて高周波磁場を発生し、被検体101内のプロトンをラーモア周波数の高周波磁場で励起する。励起されたプロトンの核磁化は、FID(自由誘導減衰)信号、或はエコー信号として、RF受信コイル105で受信され、信号検出部106で検出される。
信号検出部106で検出された信号は、信号処理部107でFFT(高速フーリエ変換)などの処理が行われ、画像信号に変換され、表示部108で画像表示される。
制御部111は、入力部114又は信号処理部107からの命令や信号に応じて、傾斜磁場電源109、RF送信部110、信号検出部106、寝台駆動部113及び表示部108の制御を担う。この制御のタイムチャートは一般にパルスシーケンスと呼ばれている。
本発明の一実施形態において、MRI装置にて、全身MRIを撮像するための寝台移動制御は、検出されたFID信号やエコー信号の信号強度を用いて自動的に行う。図2は、寝台移動制御の概略全体動作フローチャートである。
図2において、MRI装置にて、所定間隔でFID信号やエコー信号の強度検出を行う(ステップ201)。その後、検出した信号強度により、撮像可否判断を行う(ステップ202)。ステップ202で行なった判断の結果に基づいて寝台の動きを制御する(ステップ203)。
ステップ202の撮像可否判断は、FID信号やエコー信号をFFT処理した信号強度Smと、予め定めた信号強度の閾値Sthとの比較結果から判断する。すなわち、Sm≧Sthの場合、被検体が撮像領域内に含まれると判断して撮像可能とし、Sm<Sthの場合は、被検体が撮像領域内に存在しないと判断して撮像不可とする。
FID信号やエコー信号の検出には、種々の方法が考えられる。FID信号或はエコー信号を得るシーケンス例を図8から図10に示す。
図8に示したシーケンスでは、RF送信コイルから所定のフリップ角度を有するパルスRF1を照射した後に、FID信号801が信号検出部106により検出される。
図9に示したシーケンスでは、パルスRF1の照射と同時にスライス選択傾斜磁場GSを加えることにより、ある断面のエコー信号901を検出する。
図10に示したシーケンスでは、パルスRF1の照射後、読み出し傾斜磁場1002を用いてあるエコー信号1001を読み出す。
なお、図8から図10に示した例では、グラジエントエコー系のシーケンスの適用例を示したが、他のシーケンスの適用も可能である。
次に、撮像可否判断の処理(図2に示した判断処理ステップ202)の詳細動作を、図3、図4を用いて説明する。
図3は、図8及び図9に示したシーケンスにおける信号検出を、ステップ301にて、flagが1か0かで切り替える処理である。図3において、被検体が、初めに静磁場内に入る時には、flag=1とし、図9のシーケンスで信号強度Smを検出する。それ以外の場合は、flag=0とし(ステップ304)、図8のシーケンスで信号強度Smを検出する。
図8のシーケンスで検出する信号強度Smは、静磁場内の全域から検出される。以降、図8のシーケンスによる検出をf0サーチ302とする。
一方、図9のシーケンスでは、スライス傾斜磁場GSとRFコイルから高周波磁場で指定されるスライス面から信号を検出する。このスライス面を、磁場中心を通るアキシャル(AX)断面とするシーケンスをAXサーチ303とする。
つまり、図3のステップ301において、flagが1であれば、ステップ303に進み、図9のシーケンスによりAXサーチ303により信号強度Smをサーチする。そして、ステップ304でflagを0とし、ステップ305でサーチした信号強度Smが閾値Sth未満か否かを判断する。サーチした信号強度Smが閾値Sth未満であれば撮影不可と判断し、閾値Sth以上であれば撮影可と判断する。撮像可能であれば、寝台制御を行い(ステップ203)、ステップ201に戻る。撮像不可であれば、寝台停止制御を行なう(ステップ203)。
また、ステップ301でflagが0であれば、ステップ302に進み、f0サーチ302により信号強度Smをサーチし、ステップ304に進む。その後、ステップ305で信号強度が判断され、撮像可能であれば、寝台制御を行い(ステップ203)、ステップ201に戻る。撮像不可であれば、寝台停止制御を行なう(ステップ203)。
また、図4は、図9に示したスライス選択シーケンスを用いて、異なる三断面から信号を取得する撮像可否判断である。図4において、サジタル面をスライス面とし、リードアウト方向を寝台の移動方向とするシーケンスであるHFサーチで、信号強度Smをサーチする(ステップ401)。
次に、サーチした信号強度Smが最低信号強度Sth未満か否かを判断する(判断ステップ402)。ステップ402において、信号強度Smが最低信号強度Sth未満の場合、撮像不可と判断し、被検体下肢の撮像漏れを防ぐため、RLサーチ(ステップ403)で信号強度Smをサーチし、ステップ404でサーチした信号強度Smが最低信号強度Sth未満か否かを判断する。
なお、RLサーチでは、コロナル面をスライス面とし、リードアウト方向を左右方向とするシーケンスを用いる。ステップ404で、信号強度Smが最低信号強度Sth未満であれば撮像不可であり、下腿など厚みが少ない領域の撮像漏れを避けるため、AXサーチにより信号強度Smをサーチする(ステップ405)。そして、サーチした信号強度Smが最低信号強度Sth未満か否かを判断し(ステップ406)、信号強度Smが最低信号強度Sth未満であれば撮像不可、信号強度Smが最低信号強度Sth以上であれば撮像可となる。
なお、図4の撮像可否判断を行う処理は、図10のスライス非選択シーケンスを用いても実現出来る。以降、図3に示した撮像可否判断を判断1、図4に示した撮像可否判断を判断2とする。また、撮像可否判断の処理は、各サーチ単独を用いることも出来る。
上述した撮像可否判断の結果に基づいて寝台制御が行われる。この寝台制御についての詳細を、マルチステーション撮像の場合の例と、ムービングテーブル撮像の場合の例とに分けて説明する。
まず、マルチステーション撮像の場合の例を、図5、図6を用いて説明する。図5は、所定の位置から撮像を開始し、自動的に全身を撮像する場合の動作フローチャートである。
図5において、寝台が磁石102から離れた状態で被検体101を寝台112に載せ、最初の撮像位置の位置決めを行う(ステップ501)。そして、磁石102の中へ寝台112を送る命令を与えると、寝台112が移動し、初期位置に設定される(ステップ502)。入力部114や内部記憶手段のデフォルト値を用いて、寝台112の移動距離xを設定する(ステップ503)。
撮像開始の命令を制御部111に与えると、1回目の撮像を行う(ステップ504)。これにより、撮像の回数を記憶するカウンタnの値に1が入力される。寝台が距離xを移動した後(ステップ505)、撮像可否判断を行う(ステップ506)。このステップ506における判断結果に基づいて、制御部111は寝台112の動きを制御する。すなわち、判断結果が撮像不可になるまで、処理(ステップ504〜506)が繰り返して行う。
ステップ506に判断1を用いる場合において、撮像不可と判断した場合、後述するステップ507から509の処理を省いてステップ510に進み、寝台停止となる。
ステップ506に判断2を用いる場合において、撮像不可と判断した場合、未撮像領域の有無を確認するため、寝台112をそれまでの移動方向とは逆方向にx/2だけ移動し(ステップ507)、再び撮像可否判断(判断1又は判断2)を行う(ステップ508)。このステップ508における判断結果が撮像不可となれば、全身撮像が完了となり、寝台を停止する(ステップ510)。ステップ508で撮像可能となれば、未撮像領域があると判断し、n+1回目の撮像(ステップ509)を行ってから、寝台停止(ステップ510)へ進む。
なお、上述した例においては、撮像の漏れを防ぐため、寝台移動量を逆方向にx/2としたが、必ずしも、x/2とする必要はない。ただし、以下の理由により、逆方向にx/2移動することが望ましい。
すなわち、最初に撮像不可と判断された時(Sm<Sth)、図11の(a)に示すように、寝台の移動間隔1101に対して、長さをLとする未撮像領域1103があるとする。このとき、未撮像領域の長さLと寝台の移動距離xとの関係は次式(1)で表せる。
0<L<x/2 式(1)
なお、上記式(1)においては、静磁場の中心1102を参照点0として考える。最初の撮像不可と判断される前の寝台移動方向を正(図11の(a)の寝台移動方向)とし、その逆方向を負(図11(b)の寝台移動方向)とする。このとき、中心1102から、未撮像領域の体軸方向における任意点A(AはL内)との距離は、x/2−Aとなるので、次式(2)が成り立つ。
0<x/2−A<x/2 式(2)
点Aを負の方向にx/2移動すると、上式(2)は次式(3)のように書き換えることが出来る。
0−x/2<(x/2−A)−x/2<x/2−x/2、
つまり、 −x/2<−A<0 式(3)
上式(3)から、未撮像領域がある場合、逆方向にx/2の距離を移動すれば、図11(a)の状態から図11の(b)に示す状態となり、撮像可能と判断され、未撮像領域を撮像することが出来る。
図6は、マルチステーション撮像の場合であって、全身MRIの撮像と寝台制御とを自動的に行う例の動作フローチャートである(以降、全自動と称する)。
図6において、被検体101を寝台112に載せた後に、入力部114や内部記憶手段のデフォルト値を用いて寝台112の移動距離xを設定する(ステップ601)。そして、開始命令を与えて寝台送りをスタートさせる(ステップ602)。
全自動で寝台112を制御する場合、被検体101が静磁場内に入る前の段階(1)と、静磁場中に存在する段階(2)と、静磁場から出た段階(3)との3つの段階に分けられる。
まず、初期状態を段階(1)とする。この段階(1)では、撮像可否判断結果が撮像可能になるまで、寝台112は、所定の移動距離xで被検体101を静磁場内に送り続ける(ステップ603、604)。
撮像可能の場合は、段階(2)とする。ここで、判断1を用いる場合は、図6の(a)に示したステップ605〜607の処理を図6の(b)に示したステップ615〜617に置き換えて処理を行なう。これは、先頭領域(最初に静磁場内に入る領域)が静磁場内に極端に少ない場合を防ぐため、flag=1(図6の(b)示すステップ615)にし、AXサーチで検出した信号強度で撮像可否判断(ステップ616)を行う。撮像可能の場合、視野の体軸方向に占める被検体101の割合が半分以上なので、ステップ608へ進む。ステップ616で撮像不可の場合、半分未満であり、寝台をx/2移動して(ステップ617)から撮像を開始する(ステップ608に進む)。
一方、判断2を用いる場合は、先頭領域の撮像漏れを防ぐため、寝台112を逆方向にx/2を移動して(ステップ605)、再び撮像可能判断を行う(ステップ606)。撮像可能の場合、静磁場の中心に被検体101が既に居ることになるので、1回目の撮像処理を行う(ステップ608)。
ステップ606において、撮像不可の場合、寝台112を元の方向にx/2移動し(ステップ607)、元の位置に戻ってから1回目の撮像処理に入る(ステップ608)。その後、段階(2)を継続し、やがて段階(3)の状態に移行するが、ここでのステップ608〜614は、図5に示したステップ504〜510と同様の処理となる。
また、寝台112を移動している間に、AXサーチを用いて信号強度の検出と撮像可否判断を行うことも出来る。この場合は、撮像漏れや静磁場内に被検体101が配置されている部分が極端に少ない場合の判断を省くことが出来る。すなわち、図5において、ステップ505と506とを同時に進行させ、ステップ507から509までの処理を省くことが出来る。また、図6において、ステップ603と604及びステップ609と610を同時に進行させ、ステップ605から607とステップ611から613の処理を省くことが出来る。
また、図6の処理の一部を変更することにより、往復撮像を行う全身検査を自動的に行うことが可能である。この往復撮像を行なう例について、図6を参照して説明する。
第1の方法としては、n回目の撮像(図6のステップ608)とn+1回目の撮像(図6のステップ613)を行うプロセスに、そのときの寝台位置を制御部111に記憶させる処理を追加する。また、寝台停止処理(図6のステップ614)を、制御部111に寝台112の逆移動(復路)の命令に変更すれば、制御部111は記憶した寝台位置に基づいて復路の撮像を行うことが出来る。
第2の方法としては、寝台停止処理(図6のステップ614)を、制御部111に寝台112の逆移動(復路)の命令に変更し、n回目の撮像(図6のステップ608)からスタートさせる処理に置き換えることで、復路の全身撮像が可能になる。
次に、ムービングテーブル撮像にて全身を撮像する場合の例を、図7を用いて説明する。ムービングテービル撮像において読み出し方向を体軸方向とする場合、図7に示した撮像可否判断を、判断1を所定間隔t=mTRで行なうこととする。ここで、mは所定の整数であり、位相エンコードを0として信号を取得する走査の実行間隔である。
まず、全自動で寝台を制御する例について説明する。磁石102から離れた寝台112に被検体101を載せた後に、撮像可否判断の所定間隔t=mTRを設定する(ステップ701)。寝台送りをスタートさせると(ステップ702)、寝台112は移動速度vで移動し(ステップ703)、t刻みで、すなわち、位相エンコードが0となるmTR毎に(ステップ704)、撮像可否判断を行う(ステップ705)。
ステップ705における撮像可否判断の結果が撮像可能になるまでに、寝台112は移動速度vで移動し続ける(ステップ703〜705)。ステップ705で撮像可能と判断された場合、静磁場内に入っている被検体101の先頭領域が極端に少ないことを防ぐため、flag=1にし(ステップ706)、AXサーチで再び撮像可否の判断を行う(ステップ707)。
ステップ707において、撮像可否判断の結果が撮像不可であれば、静磁場内に有る先頭領域がv・t/2未満であるので、寝台112をv・t/2移動して(ステップ708)から、撮像処理(ステップ709)に進む。
ステップ707において、撮像可否判断の結果が撮像可能の場合、既に被検体101の先頭領域がv・t/2以上、v・t以下静磁場内に入っているので、そのまま撮像処理(ステップ709)を行う。
撮像処理に入ってからは、時間の刻みtとなる時刻において、撮像可否の判断を行い(ステップ712)、全身撮像を完了するまでに、撮像と寝台移動は同じ速度vで進み、処理が行なわれる(ステップ709〜712)。そして、ステップ712で撮像不可と判断すると、寝台112の移動を停止する(ステップ713)。
なお、位置決めを行う場合、撮像処理(ステップ709)より前に位置決めと所定時間間隔tの設定処理を追加することにより実現出来る。
ムービングテーブル撮像で往復の撮像を行う場合、往路の処理は、図7に示した動作になる。復路については、寝台停止の処理プロセス(ステップ713)に、寝台の逆移動とステップ703へのジャンプ処理を追加することで実現出来る。また、図7に示した例において、撮像可否判断に使用するf0サーチをHFサーチに置き換えることも可能である。
ここまでは、検出されたFID信号もしくはエコー信号の信号強度を用いた寝台移動制御の実施形態について述べてきた。次に、被検体の身長もしくは連続部位の長さに基づいて寝台移動制御を行う実施形態について説明する。
図12に本実施形態の寝台移動制御のフロー図を示す。以下、図12について説明する。まず、被検体を載置し、磁石外に配置された寝台が磁石の中へ搬送され、最初の撮像位置の位置決めが行われる (ステップ1201)。次に被検体の撮像対象領域(関心領域)が静磁場中心にセットされる(ステップ1202)。その後、入力部114を介して被検体の身長もしくは連続部位の長さがtallとして、寝台移動の移動距離がxとして入力される。さらに、スキャンパラメータから1回の撮像領域の体軸方向の長さとしてFOVが取得される(ステップ1203)。なお、tallとxは入力部から入力されるとしたが、予め記憶部に記憶させたtallとxを記憶部から取得するようにしても良い。そして、寝台の移動回数をカウントするカウンタnを0に初期化(ステップ1204)した後、撮像を行う(ステップ1205)。撮像後、後述する判断基準に従って、次の撮像の可否について判断する(ステップ1206)。ステップ1206において撮像可と判断されれば、寝台を距離x分だけ移動させ (ステップ1207)、ステップ1205へ戻る。ステップ1206において撮像不可と判断されれば、寝台を停止させる(ステップ1208)。
ここで、前記ステップ1206の判断基準の一例について、図13のフロー図を用いて説明する。まず、前記カウンタnがインクリメントされる(ステップ1301)。次にnが次式に代入され、次式を満たすか否かが判断される(ステップ1302)。
tall ≦ FOV +(n−1)・x 式(4)
(4)式を満たすnであれば、被検体の身長もしくは連続部位の長さの範囲の撮影を終えているので、次の撮像を行う必要はないとして、撮像不可と判断される。(4)式を満たさないnであれば、未撮像の対象領域があるとして、撮像可と判断される。
以上説明したように、本実施形態により、被検体の身長もしくは連続部位の長さに基づいた寝台移動制御が可能となり、全身撮像時の寝台移動制御を適切に行うことができる。
ここまでの説明では、本撮影時の寝台の移動制御について述べてきたが、本発明はスカウト画像の撮影時にも適用可能である。すなわち、検出されたFID信号もしくはエコー信号の信号強度、または被検体の身長もしくは連続部位の長さに基づいて、スカウト画像撮影時の寝台移動制御を行っても良い。
MRI撮像において、被検体の撮像対象領域を無駄なく正確に撮像するためには、本撮像の前にスカウト画像を取得しておくのが望ましい。特に一撮像領域分を超える撮像範囲を撮像対象領域とする全身MRIにおいては、全身スカウト画像の取得が重要となる。しかし、全身スカウト画像の取得には手間や時間がかかり、オペレータにとって大きな負担となる。例えば、マルチステーション撮像により全身スカウト画像を取得するには、オペレータは次のような手順をふむ。まず撮像するステーション数を経験に基づいて予測し、予測したステーション数から移動距離あるいは寝台位置を計算し、計算結果をステーション毎に設定してから素画像を撮像し、さらに撮像した素画像を合成することにより全身スカウト画像を得る。このような手順で取得した全身スカウト画像では所望の撮像対象領域を全てカバーするとは限らないため、場合によっては再撮像を要しオペレータに負担をかける。そのため、全身スカウト画像を自動的に取得する方法が求められている。
ここで、全身スカウト画像を取得する方法の概要を図14のフローチャートを用いて説明する。まず、全身スカウト画像の材料となる素画像を撮像する(ステップ1401)。次に、撮像した前記素画像を合成し(ステップ1402)、合成した全身スカウト画像を表示することで(ステップ1403)、被検体の形状や内部構造を視認出来る全身スカウト画像が得られる。
前記ステップ1401から1403を自動的に行うことで、全身スカウト画像の自動取得が出来る。すなわち、寝台自動制御を応用し、前記ステップ1401を前記図5、6の往路撮像をベースにして、寝台停止後に合成処理、全身スカウト画像を表示するステップを付け加える。つまり、前記図5のステップ510、図6のステップ614の寝台停止を前記ステップ1402と1403を置き換えることで全身スカウト画像の自動取得が実現出来る。
以上述べたように、本実施形態によれば、スカウト画像の撮影時に本発明を適用することにより、オペレータに手間をかけさせることなく、全身スカウト画像を取得することができる。
本発明が適用されるMRI装置の概略構成図。 本発明の一実施形態における寝台移動制御の全体動作フローチャート。 本発明の一実施形態における撮像可否判断処理の第1の例を示すフローチャート。 本発明の一実施形態における撮像可否判断処理の第2の例を示すフローチャート。 本発明の一実施形態におけるマルチステーション撮像の一例の動作フローチャート。 本発明の一実施形態におけるマルチステーション撮像の他の例の動作フローチャート。 本発明の一実施形態におけるムービングテーブル撮像の一例の動作フローチャート。 本発明における信号強度検出シーケンスの一例を示す図。 本発明における信号強度検出シーケンスの他の例を示す図。 本発明における信号強度検出シーケンスのさらに他の例を示す図。 本発明における撮像漏れを防止するための寝台逆方向移動量の説明図。 本発明の一実施形態におけるマルチステーション撮像の他の例の動作フローチャート。 本発明の一実施形態における撮像可否判断処理の第3の例を示すフローチャート。 本発明が適用されるスカウト画像を取得する概略構成図。
符号の説明
101 被検体、102 静磁場磁石、103 傾斜磁場コイル、104 RFコイル、105 RFプローブ、106 信号検出部、107 信号処理部、108 表示部、109 傾斜磁場電源、110 RF送信部、111 制御部、112 寝台、113 寝台制御部、114 入力部

Claims (9)

  1. 寝台に配置された被検体の全身又は連続部位について寝台を移動させて撮像する磁気共鳴イメージング装置において、
    被検体の撮像対象領域からのFID信号又はエコー信号を検出する検出手段と、
    上記検出手段により検出されたFID信号又はエコー信号に基づいて上記寝台の移動を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    上記制御手段は、上記検出手段により検出されたFID信号又はエコー信号を閾値と比較し、上記撮像対象領域が、撮像領域内に存在するか否かを判断し、被検体が配置された寝台の移動を制御することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    上記制御手段は、静磁場内の全域からFID信号又はエコー信号を検出するシーケンスを実行してFID信号又はエコー信号を検出するf0サーチを行い、このf0サーチにより検出した信号の強度を閾値と比較し、上記撮像対象領域が、撮像領域内に存在するか否かを判断し、被検体が配置された寝台の移動を制御することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項3記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    上記制御手段は、被検体が静磁場内に入り、撮像対象領域が撮像領域内に存在するか否かの最初の判断は、スライス面を磁場中心を通るアキシャル断面とするシーケンスを実行してFID信号又はエコー信号を検出するAXサーチを行い、このAXサーチにより検出した信号を使用し、その後の判断は、上記f0サーチにより検出したFID信号又はエコー信号を使用することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項1記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    上記制御手段は、サジタル面をスライス面とし、リードアウト方向を寝台の移動方向とするシーケンスを実行してFID信号又はエコー信号を検出するHFサーチを行い、このHFサーチにより検出した信号の強度を閾値と比較し、上記撮像対象領域が、撮像領域内に存在するか否かを判断し、被検体が配置された寝台の移動を制御することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  6. 請求項5記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    上記制御手段は、上記HFサーチにより検出した信号の強度が、上記閾値未満である場合は、コロナル面をスライス面とし、リードアウト方向を寝台の移動方向にほぼ直交する方向とするシーケンスを実行してFID信号又はエコー信号を検出するRLサーチを行い、このRLサーチにより検出した信号の強度を閾値と比較し、上記撮像対象領域が、撮像領域内に存在するか否かを判断し、上記RLサーチにより検出した信号の強度が、上記閾値未満である場合は、スライス面を磁場中心を通るアキシャル断面とするシーケンスを実行してFID信号又はエコー信号を検出するAXサーチを行い、このAXサーチにより検出した信号の強度を閾値と比較し、上記撮像対象領域が、撮像領域内に存在するか否かを判断し、上記撮像対象領域が、撮像領域内に存在するか否かを判断することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  7. 請求項6記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    上記制御手段は、上記AXサーチにより検出した信号の強度が、上記閾値未満である場合は、寝台をそれまでの移動方向と逆方向に所定距離だけ移動させた状態で、被検体の撮像対象領域からのFID信号又はエコー信号を検出し、検出したFID信号又はエコー信号を閾値と比較し、上記撮像対象領域が、撮像領域内に存在するか否かを判断することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  8. 寝台に配置された被検体の全身又は連続部位について寝台を移動させて撮像する磁気共鳴イメージング装置において、
    被検体の身長もしくは連続部位の長さを取得する取得手段と、
    上記取得手段により取得された被検体の身長もしくは連続部位の長さに基づいて上記寝台の移動を制御する制御手段と、
    を備えることを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
  9. 請求項8に記載の磁気共鳴イメージング装置において、
    上記制御手段は、上記取得手段により取得された被検体の身長もしくは連続部位の長さを閾値と比較し、上記被検体もしくは上記連続部位が、撮像領域内に存在するか否かを判断し、前記寝台の移動を制御することを特徴とする磁気共鳴イメージング装置。
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