JP2009017388A - 差動増幅器および演算増幅器 - Google Patents

差動増幅器および演算増幅器 Download PDF

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Abstract

【課題】EMC耐量を向上させることが可能な差動増幅器および演算増幅器を低コストに提供する。
【解決手段】受動素子である抵抗に比べ、能動素子であるトランジスタは、外来ノイズによって誤動作しやすいため、EMC耐量の低下の原因になる。特に、グランド基準で動作するNPNトランジスタに比べ、電源基準で動作するPNPトランジスタは、電源Vccから侵入する外来ノイズによって誤動作しやすいため、EMC耐量の低下の原因になる。不平衡型差動増幅器11(不平衡型演算増幅器10)では、トランジスタQ1,Q2,Q6のコレクタ電流(バイアス電流)をプルアップ抵抗R1,R2によって設定しているため、カレントミラー回路を用いた定電流源により前記コレクタ電流を設定する従来技術に比べて、EMC耐量を向上できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は差動増幅器および演算増幅器に関するものである。
特許文献1には、差動信号を入力とし、シングルエンド信号を出力とする2入力−1出力のアンプを用いて構成される差動増幅回路であって、半導体基板と、前記半導体基板上に絶縁層を介して形成され、前記アンプを少なくとも有する回路部と、前記回路部を構成する前記アンプの2つの入力端子とそれぞれ接続され、前記差動信号が入力される信号入力端子と、前記信号入力端子と前記アンプの入力端子との間に接続され、前記半導体基板を介して進入する低周波ノイズおよび高周波ノイズを同時に除去する広帯域ノイズ除去手段とを具え、前記広帯域ノイズ除去手段は、抵抗およびコンデンサを用い、当該コンデンサを構成する一方の電極を、前記絶縁層を介して前記半導体基板側に設けると共に、前記抵抗を介して前記信号入力端子側に接続して構成した技術が開示されている。
特許文献1によれば、前記低周波ノイズは、前記半導体基板から前記絶縁層を介して前記広帯域ノイズ除去手段を構成する前記コンデンサの一方の電極を介して進入し、さらに、当該コンデンサの一方の電極から前記抵抗へと導かれて吸収される経路を辿ることによって、当該低周波ノイズが前記回路部に進入しないようにすることができる。
特許文献2には、センサ部から検出信号を入力して処理する入力段信号処理回路と、この入力段信号処理回路から出力された検出信号を処理して出力端子から出力する出力段信号処理回路とを備えたセンサ用半導体集積回路装置において、前記入力段信号処理回路を構成するオペアンプの入力線にコンデンサを含んでなる第1の高周波遮断回路を設け、前記出力段信号処理回路を構成するオペアンプにおける差動入力トランジスタの負荷回路に抵抗からなる第2の高周波遮断回路を直列に設けた技術が開示されている。
特許文献2によれば、第1の高周波遮断回路が設けられているので、例えばセンサ部周辺より侵入する外来ノイズは減衰し、回路に侵入する外来ノイズを低減することができる。また、第2の高周波遮断回路が設けられているので、電源線から侵入する外来ノイズは、抵抗により減衰することになり、回路に侵入するノイズが減少する。
特開2001−127556号公報(第2〜6頁、図1〜図3) 特開2003−110367号公報(第2〜8頁、図1、図2、図4)
図8は、従来の不平衡型演算増幅器(オペアンプ)80を示す回路図である。
不平衡型演算増幅器80は、不平衡型差動増幅器81、バイアス回路82、バッファ回路83、出力回路84から構成され、PNPトランジスタQ1,Q2,Q21〜Q26、NPNトランジスタQ3〜Q6、抵抗R6,R21〜R25、位相補償用コンデンサC、反転入力端子IN−、非反転入力端子IN+、出力端子OUTを備え、高電位側電源Vccと低電位側電源としてのグランドとに接続されている。
不平衡型差動増幅器81は、差動入力回路85および能動負荷回路86から構成されている。
差動入力回路85は、差動入力トランジスタQ1,Q2から構成されている。
尚、各トランジスタQ1,Q2は同一トランジスタサイズで同一特性である。
トランジスタQ1のベースは、差動入力回路85(不平衡型演算増幅器80、不平衡型差動増幅器81)の反転入力端子として機能し、反転入力端子IN−に接続されている。
トランジスタQ2のベースは、差動入力回路85(不平衡型演算増幅器80、不平衡型差動増幅器81)の非反転入力端子として機能し、非反転入力端子IN+に接続されている。
トランジスタQ2のコレクタは、差動入力回路85(不平衡型差動増幅器81)の出力端子として機能する。
位相補償用コンデンサCは、トランジスタQ2のコレクタと出力端子OUTの間に接続されている。
各トランジスタQ1,Q2のエミッタは、トランジスタQ22のエミッタ・コレクタ経路および抵抗R22を介して電源Vccに接続されている。
トランジスタQ22は、各トランジスタQ1,Q2に一定のコレクタ電流を供給する定電流源(テール電流源)として機能する。
抵抗R22は、各トランジスタQ1,Q2のコレクタ電流を制限する電流制限用抵抗として機能する。
能動負荷回路86は、各トランジスタQ3,Q4から構成されている。
尚、各トランジスタQ3,Q4は同一トランジスタサイズである。
各トランジスタQ3,Q4は、ワイドラー型のカレントミラー回路を構成し、そのカレントミラー回路は差動入力回路85の能動負荷として機能する。
各トランジスタQ3,Q4のエミッタはグランドに接続され、カレントミラー回路の入力側トランジスタQ3のベースは、カレントミラー回路の出力側トランジスタQ4のベースに接続されている。
トランジスタQ3はベースとコレクタを接続したダイオード接続にされており、そのベースおよびコレクタはトランジスタQ1のコレクタに接続されている。
トランジスタQ4のコレクタは、トランジスタQ2のコレクタに接続されている。
バイアス回路82は、各トランジスタQ21〜Q24および抵抗R22,R23,R25から構成されている。
各トランジスタQ21〜Q24は、入力側トランジスタQ21を共通とする三連出力形のワイドラー型カレントミラー回路を構成している。
そのため、カレントミラー回路の出力側トランジスタQ22〜Q24のコレクタ電流は、カレントミラー回路の入力側トランジスタQ21と出力側トランジスタQ22〜Q24トランジスタサイズの比に応じた電流値になる。
各トランジスタQ21,Q24のエミッタは電源Vccに接続され、各トランジスタQ22,Q23のエミッタはそれぞれ抵抗R22,R23を介して電源Vccに接続され、トランジスタQ21のベースは各トランジスタQ22〜Q24のベースに接続されている。
トランジスタQ21はベースとコレクタを接続したダイオード接続にされており、そのベースおよびコレクタは抵抗R25を介してグランドに接続されている。
バッファ回路83は、各トランジスタQ5,Q25,Q26および各抵抗R6,R21,R23,R24から構成されている。
トランジスタQ25のコレクタはグランドに接続され、トランジスタQ25のエミッタは抵抗R21を介して電源Vccに接続され、トランジスタQ25のベースは各トランジスタQ1,Q3のコレクタに接続されている。
トランジスタQ5のエミッタは抵抗R6を介してグランドに接続され、トランジスタQ5のコレクタは抵抗R24を介して電源Vccに接続され、トランジスタQ5のベースはトランジスタQ26のエミッタに接続されている。
トランジスタQ26のコレクタはグランドに接続され、トランジスタQ26のエミッタはトランジスタQ23のエミッタ・コレクタ経路および抵抗R23を介して電源Vccに接続され、トランジスタQ26のベースは各トランジスタQ2,Q4のコレクタに接続されている。
トランジスタQ23は、トランジスタQ26に一定のコレクタ電流を供給する定電流源として機能すると共に、トランジスタQ26の負荷としても機能する。
抵抗R23は、トランジスタQ26のコレクタ電流を制限する電流制限用抵抗として機能すると共に、トランジスタQ26の負荷としても機能する。
抵抗R24は、トランジスタQ5のコレクタ電流(バイアス電流)を設定するためのバイアス抵抗として機能すると共に、トランジスタQ5の負荷としても機能する。
出力回路84は、各トランジスタQ24,Q6から構成されている。
各トランジスタQ24,Q6は、電源Vccとグランドの間に直列接続されている。トランジスタQ6のエミッタはグランドに接続され、トランジスタQ6のコレクタはトランジスタQ24のコレクタに接続され、トランジスタQ6のベースはトランジスタQ5のエミッタに接続されている。
トランジスタQ24は、トランジスタQ6に一定のコレクタ電流を供給する定電流源として機能すると共に、トランジスタQ6の負荷としても機能する。
トランジスタQ6のベースは、出力回路84の入力端子として機能する。
各トランジスタQ24,Q6のコレクタは、出力回路84(不平衡型演算増幅器80、不平衡型差動増幅器81)の出力端子として機能し、出力端子OUTに接続されている。
そして、不平衡型差動増幅器81は、各入力端子IN−,IN+に入力された入力信号の電圧値の差分を増幅(差動増幅)し、その差動増幅によって生成された不平衡出力信号を各トランジスタQ2,Q4のコレクタから出力する。
このとき、差動入力回路85を構成する一対の差動入力トランジスタQ1,Q2は、各入力端子IN−,IN+に印加された差動入力電圧を差動電流に変換するトランスコンダクタンス機能を有し、各トランジスタQ1,Q2のコレクタ電流が差動電流となる。
不平衡型差動増幅器81から出力された不平衡出力信号は、バッファ回路83を構成する各トランジスタQ26,Q5のエミッタフォロワを介して、出力回路84を構成するトランジスタQ6のベースへ出力される。
出力回路84は、不平衡型差動増幅器81から出力された不平衡出力信号を増幅し、その増幅された不平衡出力信号を各トランジスタQ6,Q24のコレクタから出力端子OUTを介して出力する。
このとき、位相補償用コンデンサCは、出力端子OUTから出力される不平衡出力信号の位相を補償する。
このように構成された不平衡型演算増幅器80は、回路を構成する素子数が比較的少なく、出力端子OUTから出力される出力信号の電圧範囲を電源Vccの電圧値近傍からグランド電位近傍までの広範囲にできるため、各種半導体センサ(例えば、圧力センサ、回転センサ、速度センサ、加速度センサ、角速度センサ、変位センサ、位置センサ、磁気抵抗素子センサなど)の出力信号を増幅する用途に好適であり広く使用されている。
ここで、不平衡型差動増幅器81と出力回路84の間に、バッファ回路83を構成する各トランジスタQ26,Q5のエミッタフォロワを設けている理由は、不平衡型差動増幅器81と出力回路84の相互干渉を防止するためである。
そして、各トランジスタQ26,Q5のエミッタフォロワを2段に設けている理由は、PNPトランジスタQ26のエミッタフォロワと、NPNトランジスタQ5のエミッタフォロワとを組み合わせることにより、PNPとNPNの相補性を利用して不平衡型演算増幅器80の動作電流のズレを補償するためである。
また、バッファ回路83において、トランジスタQ25および抵抗R21を設けている理由は、不平衡型差動増幅器81の能動負荷回路86を構成する各トランジスタQ3,Q4のコレクタ電圧を同じにすることにより、不平衡型差動増幅器81を確実に動作させるためである。
すなわち、バッファ回路83にはトランジスタQ26が設けられているため、トランジスタQ25および抵抗R21を省いた場合には、各トランジスタQ3,Q4のコレクタ電圧が異なった電圧値になり、差動入力回路85を構成する各トランジスタQ1,Q2のコレクタ電流(不平衡型差動増幅器81の差動電流)にアーリー効果によるアンバランスが生じ、不平衡型差動増幅器81が正常動作しなくなるおそれがある。
近年、差動増幅器および差動増幅器を用いた演算増幅器では、他の電子機器からの電磁気的雑音等の外来ノイズに対する装置の耐量であるEMC(Electro Magnetic Compatibility)耐量を向上することが要求されている。
そこで、不平衡型差動増幅器81(不平衡型演算増幅器80)において、特許文献1の前記広帯域ノイズ除去手段を設けることが考えられる。
しかし、特許文献1の前記広帯域ノイズ除去手段は、前記信号入力端子と不平衡型差動増幅器81(不平衡型演算増幅器80)の入力端子IN−,IN+との間に接続されるものであるため、電源Vccおよびグランドから不平衡型差動増幅器81(不平衡型演算増幅器80)に侵入する外来ノイズを除去することができず、EMC耐量の向上効果に限界があるという欠点がある。
また、不平衡型差動増幅器81(不平衡型演算増幅器80)において、特許文献2の前記第1の高周波遮断回路を設けることが考えられる。
しかし、特許文献2の前記第1の高周波遮断回路は、不平衡型差動増幅器81(不平衡型演算増幅器80)の入力端子IN−,IN+に接続されるものであるため、入力端子IN−,IN+から不平衡型差動増幅器81(不平衡型演算増幅器80)に侵入する外来ノイズを減少させることは可能であるものの、電源Vccおよびグランドから不平衡型差動増幅器81(不平衡型演算増幅器80)に侵入する外来ノイズを減少させることはできず、EMC耐量の向上効果に限界があるという欠点がある。
また、不平衡型差動増幅器81(不平衡型演算増幅器80)において、特許文献2の前記第2の高周波遮断回路を設けることが考えられる。
しかし、特許文献2の前記第2の高周波遮断回路は、不平衡型差動増幅器81(不平衡型演算増幅器80)の能動負荷回路86に接続されるものであるため、グランドから不平衡型差動増幅器81(不平衡型演算増幅器80)に侵入する外来ノイズを減少させることは可能であるものの、電源Vccから不平衡型差動増幅器81(不平衡型演算増幅器80)に侵入する外来ノイズを十分に減少させることはできず、EMC耐量の向上効果に限界があるという欠点がある。
本発明は上記問題を解決するためになされたものであって、以下の目的を有するものである。
(1)EMC耐量を向上させることが可能な差動増幅器を低コストに提供する。
(2)前記(1)の差動増幅器を用いることにより、EMC耐量を向上させることが可能な演算増幅器を低コストに提供する。
[課題を解決するための手段]および[発明の効果]に記載した( )内の符号等は、[発明が解決しようとする課題]および[発明を実施するための最良の形態]に記載した構成部材・構成要素の符号等に対応したものである。
請求項1に記載の発明は、
2つの入力端子(IN−,IN+)に印加された差動入力電圧を差動電流に変換する一対の第1差動入力トランジスタ(Q1)および第2差動入力トランジスタ(Q2)と、
その第1差動入力トランジスタ(Q1)および第2差動入力トランジスタ(Q2)の負荷となる負荷回路(15)と、
高電位側電源(Vcc)から前記第1差動入力トランジスタ(Q1)および前記第2差動入力トランジスタ(Q2)へ供給される差動電流を設定する抵抗(R1)と
を備えた差動増幅器(11)であって、
前記第1差動入力トランジスタ(Q1)および前記第2差動入力トランジスタ(Q2)は、PNPトランジスタであり、
前記負荷回路(15)には、PNPトランジスタが使用されていないことを技術的特徴とする。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の差動増幅器(11)と、
その差動増幅器(11)から出力された出力信号を増幅して出力する出力回路(14)と
を備えた演算増幅器(10)であって、
前記出力回路(14)には、PNPトランジスタが使用されていないことを技術的特徴とする。
請求項3に記載の発明は、
請求項2に記載の演算増幅器(10)において、
前記出力回路(14)は、NPNトランジスタ(Q6)のエミッタ接地回路によって構成されていることを技術的特徴とする。
請求項4に記載の発明は、
請求項3に記載の演算増幅器(10)において、
前記差動増幅器(11)と前記出力回路(14)との間に接続されたNPNトランジスタ(Q5)から成るエミッタフォロワを備え、
前記負荷回路(15)は、ベース電流補償型カレントミラー回路によって構成された能動負荷回路であることを技術的特徴とする。
請求項5に記載の発明は、
2つの入力端子(IN−,IN+)に印加された差動入力電圧を差動電流に変換する一対の第1差動入力トランジスタ(Q11)および第2差動入力トランジスタ(Q12)と、
その第1差動入力トランジスタ(Q11)および第2差動入力トランジスタ(Q12)の負荷となる負荷回路(45)と、
高電位側電源(Vcc)から前記第1差動入力トランジスタ(Q11)および前記第2差動入力トランジスタ(Q12)へ供給される差動電流を設定する抵抗(R1)と
を備えた差動増幅器(41)であって、
前記第1差動入力トランジスタ(Q11)および前記第2差動入力トランジスタ(Q12)は、PMOSトランジスタであり、
前記負荷回路(45)には、PMOSトランジスタが使用されていないことを技術的特徴とする。
請求項6に記載の発明は、
請求項5に記載の差動増幅器(41)と、
その差動増幅器(41)から出力された出力信号を増幅して出力する出力回路(43)と
を備えた演算増幅器(40)であって、
前記出力回路(43)には、PMOSトランジスタが使用されていないことを技術的特徴とする。
請求項7に記載の発明は、
請求項6に記載の演算増幅器において、
前記出力回路(43)は、NMOSトランジスタ(Q16)のソース接地回路によって構成されていることを技術的特徴とする。
請求項8に記載の発明は、
請求項1または請求項5に記載の差動増幅器において、
前記高電位側電源(Vcc)と前記抵抗(R1)との間に順方向接続されたダイオード(D,Da)を備えたことを技術的特徴とする。
請求項9に記載の発明は、
請求項2,3,4,6,7のいずれか1項に記載の演算増幅器において、
前記高電位側電源(Vcc)と前記出力回路(14,43)との間に順方向接続されたダイオード(D,Db)を備えたことを技術的特徴とする。
<請求項1:第1実施形態に該当(図1参照)>
請求項1の差動増幅器(11)は、各入力端子(IN−,IN+)に入力された入力信号の電圧値の差分を増幅(差動増幅)し、その差動増幅によって生成された出力信号を差動入力トランジスタ(Q1,Q2)のコレクタから出力する。
このとき、各差動入力トランジスタ(Q1,Q2)は、各入力端子(IN−,IN+)に印加された差動入力電圧を差動電流に変換するトランスコンダクタンス機能を有し、各差動入力トランジスタ(Q1,Q2)のコレクタ電流が差動電流となる。
従来の差動増幅器(81)では、カレントミラー回路によって構成されたバイアス回路(82)を用い、バイアス回路(82)を構成するPNPトランジスタ(Q22)を定電流源として各差動入力トランジスタ(Q1,Q2)に一定のコレクタ電流を供給している。
それに対して、請求項1の差動増幅器(11)では、高電位側電源(Vcc)から各差動入力トランジスタ(Q1,Q2)へ供給されるコレクタ電流(バイアス電流)を抵抗(R1)によって設定している。
受動素子である抵抗に比べ、能動素子であるトランジスタは、外来ノイズによって誤動作しやすいため、EMC耐量の低下の原因になっている。
特に、グランド基準で動作するNPNトランジスタに比べ、電源基準で動作するPNPトランジスタは、高電位側電源(Vcc)から侵入する外来ノイズによって誤動作しやすいため、EMC耐量の低下の原因になっている。
従って、請求項1の差動増幅器(11)では、従来の差動増幅器(81)のバイアス回路(82)を構成するPNPトランジスタ(Q22)を省き、その代わりに抵抗(R1)を設けているため、高電位側電源(Vcc)から侵入する外来ノイズによって当該PNPトランジスタ(Q22)が誤動作することによるEMC耐量の低下を防止することが可能になり、従来技術に比べてEMC耐量を向上させることができる。
尚、抵抗(R1)の抵抗値は大きくするほどEMC耐量を向上させることができるものの、例えば10kΩ以上に設定すれば十分な効果を発揮できることが、発明者の実験によって明らかとなっている。
そして、請求項1の差動増幅器(11)では、高電位側電源(Vcc)から侵入する外来ノイズによるEMC耐量の低下を防止可能であるため、特許文献1の前記広帯域ノイズ除去手段を設けた場合や、特許文献2の前記第1の高周波遮断回路を設けた場合に比べ、EMC耐量を向上させることができる。
また、請求項1の差動増幅器(11)では、従来の差動増幅器(81)や、特許文献1の前記広帯域ノイズ除去手段や、特許文献2の前記第1の高周波遮断回路に比べ、回路構成が単純であるため低コスト化を図ることができる。
<請求項2:第1実施形態に該当(図1参照)>
請求項2の演算増幅器(10)は、請求項1の差動増幅器(11)と、その差動増幅器(11)から出力された出力信号を増幅して出力する出力回路(14)とを備えている。そして、出力回路(14)には、PNPトランジスタが使用されていない。
従来の演算増幅器(80)における出力回路(84)では、カレントミラー回路によって構成されたバイアス回路(82)を用い、バイアス回路(82)を構成するPNPトランジスタ(Q24)を定電流源として出力回路(84)に電源を供給している。
それに対して、請求項2の演算増幅器(10)における出力回路(14)は、従来の演算増幅器(80)のバイアス回路(82)を構成するPNPトランジスタ(Q24)を省いているため、請求項1と同様の理由により、高電位側電源(Vcc)から侵入する外来ノイズによって当該PNPトランジスタ(Q24)が誤動作することによるEMC耐量の低下を防止することが可能になり、従来技術に比べてEMC耐量を向上させることができる。
そして、請求項2の演算増幅器(10)では、高電位側電源(Vcc)から侵入する外来ノイズによるEMC耐量の低下を防止可能であるため、特許文献1の前記広帯域ノイズ除去手段を設けた場合や、特許文献2の前記第1の高周波遮断回路を設けた場合に比べ、EMC耐量を向上させることができる。
また、請求項2の演算増幅器(10)では、従来の演算増幅器(80)や、特許文献1の前記広帯域ノイズ除去手段や、特許文献2の前記第1の高周波遮断回路に比べ、回路構成が単純であるため低コスト化を図ることができる。
<請求項3:第1実施形態に該当(図1参照)>
請求項3によれば、出力回路(14)がNPNトランジスタ(Q6)のエミッタ接地回路によって構成されているため、出力回路(14)を単純な回路構成にして低コスト化を図ることができる。
<請求項4:第1実施形態に該当(図1参照)>
請求項4によれば、差動増幅器(11)と出力回路(14)との間に接続されたNPNトランジスタ(Q5)から成るエミッタフォロワを備えているため、差動増幅器(11)と出力回路(14)の相互干渉を防止することができる。
そして、請求項4の負荷回路(15)は、ベース電流補償型カレントミラー回路によって構成された能動負荷回路であるため、各差動入力トランジスタ(Q1,Q2)のコレクタ電圧を同じにすることが可能になり、差動増幅器(11)を確実に動作させることができる。
すなわち、第2差動入力トランジスタ(Q2)のコレクタ電圧は、出力回路(14)を構成するトランジスタ(Q6)のベース・エミッタ間電圧VBEと、エミッタフォロワを構成するトランジスタ(Q5)のベース・エミッタ間電圧VBEとを加算した電圧値(=2×VBE)になる。
ところで、負荷回路(15)をワイドラー型カレントミラー回路によって構成された能動負荷回路(86)にした場合には、第1差動入力トランジスタ(Q1)のコレクタ電圧は、ワイドラー型カレントミラー回路の入力側トランジスタ(Q3)のベース・エミッタ間電圧VBEになるため、各差動入力トランジスタ(Q1,Q2)のコレクタ電圧が異なった電圧値になる。
すると、各差動入力トランジスタ(Q1,Q2)のコレクタ電流(差動電流)にアーリー効果によるアンバランスが生じ、差動増幅器(11)が正常動作しなくなるおそれがある。
そこで、負荷回路(15)をベース電流補償型カレントミラー回路によって構成された能動負荷回路にすると、各差動入力トランジスタ(Q1,Q2)のコレクタ電圧が同じ電圧値(=2×VBE)になるため、各差動入力トランジスタ(Q1,Q2)のコレクタ電流のバランスをとることが可能になるため、差動増幅器(11)を正常動作させることができる。
<請求項5:第3実施形態に該当(図5参照)>
請求項5の差動増幅器(41)は、各入力端子(IN−,IN+)に入力された入力信号の電圧値の差分を増幅(差動増幅)し、その差動増幅によって生成された出力信号を差動入力トランジスタ(Q11,Q12)のドレインから出力する。
このとき、各差動入力トランジスタ(Q11,Q12)は、各入力端子(IN−,IN+)に印加された差動入力電圧を差動電流に変換するトランスコンダクタンス機能を有し、各差動入力トランジスタ(Q1,Q2)のドレイン電流が差動電流となる。
請求項5の差動増幅器(41)では、高電位側電源(Vcc)から各差動入力トランジスタ(Q1,Q2)へ供給されるドレイン電流(バイアス電流)を抵抗(R1)によって設定している。
ところで、MOSトランジスタによって構成された従来の差動増幅器では、カレントミラー回路によって構成されたバイアス回路を用い、バイアス回路を構成するPMOSトランジスタを定電流源として各差動入力トランジスタ(Q1,Q2)に一定のドレイン電流を供給する方式がとられている。
受動素子である抵抗に比べ、能動素子であるトランジスタは、外来ノイズによって誤動作しやすいため、EMC耐量の低下の原因になっている。
特に、グランド基準で動作するNMOSトランジスタに比べ、電源基準で動作するPMOSトランジスタは、高電位側電源(Vcc)から侵入する外来ノイズによって誤動作しやすいため、EMC耐量の低下の原因になっている。
従って、請求項5の差動増幅器(41)では、従来の差動増幅器のバイアス回路を構成するPMOSトランジスタを省き、その代わりに抵抗(R1)を設けているため、高電位側電源(Vcc)から侵入する外来ノイズによって当該PMOSトランジスタが誤動作することによるEMC耐量の低下を防止することが可能になり、従来技術に比べてEMC耐量を向上させることができる。
尚、抵抗(R1)の抵抗値は大きくするほどEMC耐量を向上させることができるものの、例えば10kΩ以上に設定すれば十分な効果を発揮できることが、発明者の実験によって明らかとなっている。
そして、請求項5の差動増幅器(41)では、高電位側電源(Vcc)から侵入する外来ノイズによるEMC耐量の低下を防止可能であるため、特許文献1の前記広帯域ノイズ除去手段を設けた場合や、特許文献2の前記第1の高周波遮断回路を設けた場合に比べ、EMC耐量を向上させることができる。
また、請求項5の差動増幅器(41)では、従来の差動増幅器や、特許文献1の前記広帯域ノイズ除去手段や、特許文献2の前記第1の高周波遮断回路に比べ、回路構成が単純であるため低コスト化を図ることができる。
<請求項6:第3実施形態に該当(図5参照)>
請求項6の演算増幅器(40)は、請求項5の差動増幅器(41)と、その差動増幅器(41)から出力された出力信号を増幅して出力する出力回路(43)とを備えている。そして、出力回路(43)には、PMOSトランジスタが使用されていない。
ところで、MOSトランジスタによって構成された従来の演算増幅器における出力回路では、カレントミラー回路によって構成されたバイアス回路を用い、バイアス回路を構成するPMOSトランジスタを定電流源として出力回路(43)に電源を供給する方式がとられている。
それに対して、請求項6の演算増幅器(40)における出力回路(43)は、従来の演算増幅器のバイアス回路を構成するPMOSトランジスタを省いているため、請求項5と同様の理由により、高電位側電源(Vcc)から侵入する外来ノイズによって当該PMOSトランジスタが誤動作することによるEMC耐量の低下を防止することが可能になり、従来技術に比べてEMC耐量を向上させることができる。
そして、請求項6の演算増幅器(40)では、高電位側電源(Vcc)から侵入する外来ノイズによるEMC耐量の低下を防止可能であるため、特許文献1の前記広帯域ノイズ除去手段を設けた場合や、特許文献2の前記第1の高周波遮断回路を設けた場合に比べ、EMC耐量を向上させることができる。
また、請求項6の演算増幅器(40)では、従来の演算増幅器(80)や、特許文献1の前記広帯域ノイズ除去手段や、特許文献2の前記第1の高周波遮断回路に比べ、回路構成が単純であるため低コスト化を図ることができる。
<請求項7:第3実施形態に該当(図5参照)>
請求項7によれば、出力回路(43)がNMOSトランジスタ(Q16)のソース接地回路によって構成されているため、出力回路(43)を単純な回路構成にして低コスト化を図ることができる。
<請求項8:第2実施形態または第4実施形態に該当(図3,図4,図6,図7参照)>
請求項8の差動増幅器(11,41)では、高電位側電源(Vcc)と差動電流を設定する抵抗(R1)との間に順方向接続されたダイオード(D,Da)を備えている。
従って、請求項8によれば、高電位側電源(Vcc)から差動増幅器(11,41)に負電圧の外来ノイズが侵入する際に、その負電圧の外来ノイズがダイオード(D,Da)によって除去されるため、EMC耐量を更に向上させることができる。
<請求項9:第2実施形態または第4実施形態に該当(図3,図4,図6,図7参照)>
請求項9の演算増幅器(20,30,50,60)では、高電位側電源(Vcc)と出力回路(14,43)との間に順方向接続されたダイオード(D,Db)を備えている。
従って、請求項9によれば、高電位側電源(Vcc)から出力回路(14,43)に負電圧の外来ノイズが侵入する際に、その負電圧の外来ノイズがダイオード(D,Db)によって除去されるため、EMC耐量を更に向上させることができる。
以下、本発明を具体化した各実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、各実施形態において、図8に示した従来技術と同一の構成部材および構成要素については符号を等しくして説明を省略してある。また、各実施形態において、同一の構成部材および構成要素については符号を等しくすると共に、同一内容の箇所については重複説明を省略してある。
<第1実施形態>
図1は、第1実施形態の不平衡型演算増幅器(オペアンプ)10を示す回路図である。
不平衡型演算増幅器10は、不平衡型差動増幅器11、バイアス回路12、バッファ回路13、出力回路14から構成され、PNPトランジスタQ1,Q2、NPNトランジスタQ3〜Q7、抵抗R1〜R6,R24、位相補償用コンデンサC、反転入力端子IN−、非反転入力端子IN+、出力端子OUTを備え、高電位側電源Vccと低電位側電源としてのグランドとに接続されている。
不平衡型差動増幅器11は、差動入力回路85および能動負荷回路15から構成されている。
差動入力回路85は、第1差動入力トランジスタQ1および第2差動入力トランジスタQ2から構成されている。
各トランジスタQ1,Q2のエミッタは、抵抗R1を介して電源Vccに接続されている。
トランジスタQ1のベースは、差動入力回路85(不平衡型演算増幅器10、不平衡型差動増幅器11)の反転入力端子として機能し、反転入力端子IN−に接続されている。
トランジスタQ2のベースは、差動入力回路85(不平衡型演算増幅器10、不平衡型差動増幅器11)の非反転入力端子として機能し、非反転入力端子IN+に接続されている。
トランジスタQ2のコレクタは、差動入力回路85(不平衡型差動増幅器11)の出力端子として機能する。
位相補償用コンデンサCは、トランジスタQ2のコレクタと出力端子OUTの間に接続されている。
能動負荷回路15は、各トランジスタQ3,Q4,Q7および各抵抗R3〜R5から構成されている。
トランジスタQ3のコレクタは、トランジスタQ1のコレクタに接続されている。
トランジスタQ4のコレクタは、トランジスタQ2のコレクタに接続されている。
トランジスタQ7のベースは各トランジスタQ1,Q3のコレクタに接続され、トランジスタQ7のエミッタは各トランジスタQ3,Q4のベースに接続されると共に抵抗R5を介してグランドに接続され、トランジスタQ7のコレクタはトランジスタQ5のコレクタに接続されている。
すなわち、トランジスタQ3のコレクタ・ベース間は、トランジスタQ7のベース・エミッタ経路を介して接続されている。
そして、各トランジスタQ3,Q4,Q7は、ベース電流補償型カレントミラー回路を構成し、そのカレントミラー回路は差動入力回路85の能動負荷として機能する。
各トランジスタQ3,Q4のエミッタはそれぞれ抵抗R3,R4を介してグランドに接続され、カレントミラー回路の入力側トランジスタQ3のベースは、カレントミラー回路の出力側トランジスタQ4のベースに接続されている。
バッファ回路13は、各トランジスタQ5,Q7および各抵抗R5,R6,R24から構成されている。
トランジスタQ5のエミッタは抵抗R6を介してグランドに接続され、トランジスタQ5のコレクタは抵抗R24を介して電源Vccに接続され、トランジスタQ5のベースは各トランジスタQ2,Q4のコレクタに接続されている。
出力回路14は、トランジスタQ6および抵抗R2から構成されている。
トランジスタQ6と抵抗R2は、電源Vccとグランドの間に直列接続されている。
トランジスタQ6のエミッタはグランドに接続され、トランジスタQ6のコレクタは抵抗R2を介して電源Vccに接続され、トランジスタQ6のベースはトランジスタQ5のエミッタに接続されている。
トランジスタQ6のベースは、出力回路14の入力端子として機能する。
トランジスタQ6のコレクタは、出力回路14(不平衡型演算増幅器10、不平衡型差動増幅器11)の出力端子として機能し、出力端子OUTに接続されている。
尚、各抵抗R24,R6,R2および各トランジスタQ5,Q6により、トランジスタQ6のエミッタ接地回路が構成されている。
バイアス回路12は、各抵抗(プルアップ抵抗)R1,R2,R24から構成されている。
抵抗R1は、各トランジスタQ1,Q2のコレクタ電流(バイアス電流)を設定するためのバイアス抵抗として機能する。
抵抗R24は、トランジスタQ5のコレクタ電流(バイアス電流)を設定するためのバイアス抵抗として機能すると共に、トランジスタQ5の負荷としても機能する。
抵抗R2は、トランジスタQ6のコレクタ電流(バイアス電流)を設定するためのバイアス抵抗として機能すると共に、トランジスタQ6の負荷としても機能する。
[第1実施形態の作用・効果]
第1実施形態によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
[1]不平衡型差動増幅器11は、各入力端子IN−,IN+に入力された入力信号の電圧値の差分を増幅(差動増幅)し、その差動増幅によって生成された不平衡出力信号を各トランジスタQ2,Q4のコレクタから出力する。
このとき、差動入力回路85を構成する一対の差動入力トランジスタQ1,Q2は、各入力端子IN−,IN+に印加された差動入力電圧を差動電流に変換するトランスコンダクタンス機能を有し、各トランジスタQ1,Q2のコレクタ電流が差動電流となる。
不平衡型差動増幅器11から出力された不平衡出力信号は、バッファ回路13を構成するトランジスタQ5のエミッタフォロワを介して、出力回路14を構成するトランジスタQ6のベースへ出力される。
出力回路14は、不平衡型差動増幅器11から出力された不平衡出力信号を増幅し、その増幅された不平衡出力信号をトランジスタQ6のコレクタから出力端子OUTを介して出力する。
このとき、位相補償用コンデンサCは、出力端子OUTから出力される不平衡出力信号の位相を補償する。
[2]従来の不平衡型差動増幅器81(不平衡型演算増幅器80)では、カレントミラー回路によって構成されたバイアス回路82を用い、バイアス回路82を構成するPNPトランジスタQ22を定電流源として各トランジスタQ1,Q2に一定のコレクタ電流を供給している。
それに対して、第1実施形態の不平衡型差動増幅器11(不平衡型演算増幅器10)では、各抵抗(プルアップ抵抗)R1,R2,R24だけから構成されたバイアス回路12を用い、電源Vccから各トランジスタQ1,Q2へ供給されるコレクタ電流(バイアス電流)を抵抗R1によって設定している。
受動素子である抵抗に比べ、能動素子であるトランジスタは、外来ノイズによって誤動作しやすいため、EMC耐量の低下の原因になっている。
特に、グランド基準で動作するNPNトランジスタに比べ、電源基準で動作するPNPトランジスタは、電源Vccから侵入する外来ノイズによって誤動作しやすいため、EMC耐量の低下の原因になっている。
従って、第1実施形態の不平衡型差動増幅器11(不平衡型演算増幅器10)では、従来の不平衡型差動増幅器81(不平衡型演算増幅器80)からPNPトランジスタQ22を省き、その代わりに抵抗R1を設けているため、電源Vccから侵入する外来ノイズによってPNPトランジスタQ22が誤動作することによるEMC耐量の低下を防止することが可能になり、従来技術に比べてEMC耐量を向上させることができる。
尚、抵抗R1の抵抗値は大きくするほどEMC耐量を向上させることができるものの、例えば10kΩ以上に設定すれば十分な効果を発揮できることが、発明者の実験によって明らかとなっている。
[3]従来の不平衡型演算増幅器80における出力回路84では、カレントミラー回路によって構成されたバイアス回路82を用い、バイアス回路82を構成するPNPトランジスタQ24を定電流源としてトランジスタQ6に一定のコレクタ電流を供給している。
それに対して、第1実施形態の不平衡型演算増幅器10における出力回路14では、各抵抗(プルアップ抵抗)R1,R2,R24だけから構成されたバイアス回路12を用い、電源VccからトランジスタQ6へ供給されるコレクタ電流(バイアス電流)を抵抗R2によって設定している。
従って、第1実施形態の不平衡型演算増幅器10における出力回路14では、従来の不平衡型演算増幅器80における出力回路84からPNPトランジスタQ24を省き、その代わりに抵抗R2を設けているため、前記[2]と同様の理由により、電源Vccから侵入する外来ノイズによってPNPトランジスタQ24が誤動作することによるEMC耐量の低下を防止することが可能になり、従来技術に比べてEMC耐量を向上させることができる。
尚、抵抗R2の抵抗値は大きくするほどEMC耐量を向上させることができるものの、例えば10kΩ以上に設定すれば十分な効果を発揮できることが、発明者の実験によって明らかとなっている。
[4]従来の不平衡型演算増幅器80では、PNPトランジスタQ21,Q23,Q26を備えている。
それに対して、第1実施形態の不平衡型演算増幅器10では、従来のPNPトランジスタQ21,Q23,Q26に相当するPNPトランジスタを備えていない。
従って、第1実施形態の不平衡型演算増幅器10では、前記[2]と同様の理由により、電源Vccから侵入する外来ノイズによってPNPトランジスタQ21,Q23,Q26が誤動作することによるEMC耐量の低下を防止することが可能になり、従来技術に比べてEMC耐量を向上させることができる。
[5]不平衡型演算増幅器10(不平衡型差動増幅器11)では、差動入力回路85を構成する各トランジスタQ1,Q2のコレクタ電流(不平衡型差動増幅器11の差動電流)を抵抗R1によって設定しているため、各入力端子IN−,IN+の入力信号の電圧値が変動すると、各トランジスタQ1,Q2のコレクタ電流も変動してしまう。
そのため、各入力端子IN−,IN+の入力信号の電圧値が大きく変動すると、各トランジスタQ1,Q2のコレクタ電流も大きく変動することになり、不平衡型演算増幅器10(不平衡型差動増幅器11)の正常動作が阻害されるおそれがある。
従って、不平衡型演算増幅器10(不平衡型差動増幅器11)は、各入力端子IN−,IN+の入力信号の電圧値が極力一定になるような状況で使用することが望ましい。
具体的には、D/A(Digital-to-Analog)変換器の出力用バッファとして不平衡型演算増幅器10を用いる場合には、図2(A)に示すボルテージフォロワを構成すると、各入力端子IN−,IN+の入力信号の電圧値が大きく変動するおそれがあるため望ましくない。
そこで、DA変換器の出力用バッファとして不平衡型演算増幅器10を用いる場合には、図2(B)に示す各抵抗Ra〜Rdを用いた反転増幅回路を構成すれば、各入力端子IN−,IN+の入力信号の電圧値が大きく変動しないため、不平衡型演算増幅器10の正常動作を維持できる。
[6]グランドから不平衡型差動増幅器11(不平衡型演算増幅器10)に侵入する外来ノイズは、各抵抗R3〜R5によって減少(減衰)される。
また、各抵抗R3,R4を同一抵抗値に設定することにより、差動入力回路85を構成する各トランジスタQ1,Q2のコレクタ電流のバランスをとって差動入力回路85(不平衡型差動増幅器11)の対称性を高めることが可能になるため、グランドから侵入する外来ノイズに起因して各トランジスタQ1,Q2のコレクタ電流にアンバランスが生じるのを防止できる。
その結果、グランドから不平衡型差動増幅器11(不平衡型演算増幅器10)に侵入する外来ノイズに対するEMC耐量を向上させることができる。
尚、各抵抗R3,R4の抵抗値は大きくするほどEMC耐量を向上させることができるものの、例えば10kΩ以上に設定すれば十分な効果を発揮できることが、発明者の実験によって明らかとなっている。
[7]能動負荷回路15は、各トランジスタQ3,Q4,Q7を備えたベース電流補償型カレントミラー回路によって構成されている。
ここで、トランジスタQ7のコレクタ電流が各トランジスタQ3,Q4のベース電流として供給される。
尚、各トランジスタQ1,Q3のコレクタ電流の一部がトランジスタQ7のベース電流となるため、トランジスタQ7のベース電流が各トランジスタQ1,Q3のコレクタ電流に与える影響が無視できるほど小さくなければならない。
トランジスタQ7のエミッタ(各トランジスタQ3,Q4のベース)は、トランジスタQ3によるNFBが作用して極めて低いインピーダンスになっているため、各抵抗R3〜R5を設けてもトランジスタQ4のミラー効果を小さくすることができる。
[8]不平衡型差動増幅器11と出力回路14の間に、バッファ回路13を構成するトランジスタQ5のエミッタフォロワを設けている理由は、不平衡型差動増幅器11と出力回路14の相互干渉を防止するためである。
[9]ベース電流補償型カレントミラー回路によって構成された能動負荷回路15を用いることにより、トランジスタQ7を設けている理由は、不平衡型差動増幅器11の能動負荷回路15を構成する各トランジスタQ3,Q4のコレクタ電圧(各トランジスタQ1,Q2のコレクタ電圧)を同じにすることにより、不平衡型差動増幅器11を確実に動作させるためである。
すなわち、各トランジスタQ2,Q4のコレクタ電圧は、各トランジスタQ5,Q6のベース・エミッタ間電圧VBEを加算した電圧値(=2×VBE)になる。
ところで、トランジスタQ7を省き、従来の能動負荷回路86のようにトランジスタQ3のベースとコレクタを接続した場合(ワイドラー型カレントミラー回路によって構成された能動負荷回路86を用いた場合)には、各トランジスタQ1,Q3のコレクタ電圧はトランジスタQ3のベース・エミッタ間電圧VBEになるため、各トランジスタQ3,Q4のコレクタ電圧(各トランジスタQ1,Q2のコレクタ電圧)が異なった電圧値になる。
すると、差動入力回路85を構成する各トランジスタQ1,Q2のコレクタ電流(不平衡型差動増幅器11の差動電流)にアーリー効果によるアンバランスが生じ、不平衡型差動増幅器11が正常動作しなくなるおそれがある。
そこで、トランジスタQ7を設けると、各トランジスタQ1,Q3のコレクタ電圧は、各トランジスタQ3,Q7のベース・エミッタ間電圧VBEを加算した電圧値(=2×VBE)になるため、各トランジスタQ3,Q4のコレクタ電圧(各トランジスタQ1,Q2のコレクタ電圧)が同じ電圧値になる。
その結果、差動入力回路85を構成する各トランジスタQ1,Q2のコレクタ電流のバランスをとることが可能になるため、不平衡型差動増幅器11を正常動作させることができる。
[10]第1実施形態の不平衡型演算増幅器10では、出力回路14がトランジスタQ6のエミッタ接地回路によって構成されているため、出力回路14を単純な回路構成にして低コスト化を図ることができる。
[11]第1実施形態の不平衡型演算増幅器10(不平衡型差動増幅器11)を評価した結果、EMC耐量を数V/m〜数十V/mに向上可能なことが、発明者の実験によって明らかとなっている。
そして、第1実施形態の不平衡型演算増幅器10(不平衡型差動増幅器11)では、前記[2]〜[4]により、電源Vccから侵入する外来ノイズによるEMC耐量の低下を防止可能であるため、特許文献1の前記広帯域ノイズ除去手段を設けた場合や、特許文献2の前記第1の高周波遮断回路を設けた場合に比べ、EMC耐量を向上させることができる。
また、第1実施形態の不平衡型演算増幅器10(不平衡型差動増幅器11)では、従来の不平衡型演算増幅器80(不平衡型差動増幅器81)や、特許文献1の前記広帯域ノイズ除去手段や、特許文献2の前記第1の高周波遮断回路に比べ、回路構成が単純であるため低コスト化を図ることができる。
ところで、第1実施形態の不平衡型演算増幅器10は、各種半導体センサ(例えば、圧力センサ、回転センサ、速度センサ、加速度センサ、角速度センサ、変位センサ、位置センサ、磁気抵抗素子センサなど)の出力信号を増幅する用途に好適であり、例えば、特許文献2の図1に示す半導体圧力センサ装置のオペアンプ(OP1〜OP4)や、特許文献2の図1に示す半導体圧力センサ装置のD/A変換器(3)の出力用バッファなどに使用できる。
<第2実施形態>
図3は、第2実施形態の不平衡型演算増幅器20を示す回路図である。
不平衡型演算増幅器20は、不平衡型差動増幅器11、バイアス回路12、バッファ回路13、出力回路14から構成され、PNPトランジスタQ1,Q2、NPNトランジスタQ3〜Q7、抵抗R1〜R6,R24、位相補償用コンデンサC、反転入力端子IN−、非反転入力端子IN+、出力端子OUT、ダイオードDを備え、高電位側電源Vccと低電位側電源としてのグランドとに接続されている。
第2実施形態の不平衡型演算増幅器20において、第1実施形態の不平衡型演算増幅器10と異なるのは、各抵抗R1,R2,R24と電源Vccとの間に順方向接続されたダイオードDが追加挿入されている点だけである。
第2実施形態によれば、第1実施形態の前記作用・効果に加え、電源Vccから不平衡型演算増幅器20(不平衡型差動増幅器11)に負電圧の外来ノイズが侵入する際に、その負電圧の外来ノイズがダイオードDによって除去されるため、EMC耐量を更に向上させることができる。
図4は、第2実施形態の変形例の不平衡型演算増幅器30を示す回路図である。
不平衡型演算増幅器30は、不平衡型差動増幅器11、バイアス回路12、バッファ回路13、出力回路14から構成され、PNPトランジスタQ1,Q2、NPNトランジスタQ3〜Q7、抵抗R1〜R6,R24、位相補償用コンデンサC、反転入力端子IN−、非反転入力端子IN+、出力端子OUT、ダイオードDa〜Dcを備え、高電位側電源Vccと低電位側電源としてのグランドとに接続されている。
不平衡型演算増幅器30において、不平衡型演算増幅器20と異なるのは、各抵抗R1,R2,R24と電源Vccとの間にそれぞれ、順方向接続された各ダイオードDa〜Dcが挿入されている点だけである。
このように、各抵抗R1,R2,R24毎に個別にダイオードDa〜Dcを設けるようにしても、電源Vccから侵入する負電圧の外来ノイズを各ダイオードDa〜Dcによって除去可能であるため、EMC耐量を向上させることができる。
<第3実施形態>
図5は、第3実施形態の不平衡型演算増幅器40を示す回路図である。
不平衡型演算増幅器40は、不平衡型差動増幅器41、バイアス回路42、出力回路43から構成され、PMOS(PチャネルMOS)トランジスタQ11,Q12、NMOS(NチャネルMOS)トランジスタQ13,Q14,Q16、抵抗R1〜R4、位相補償用コンデンサC、反転入力端子IN−、非反転入力端子IN+、出力端子OUTを備え、高電位側電源Vccと低電位側電源としてのグランドとに接続されている。
第3実施形態の不平衡型演算増幅器40において、第3実施形態の不平衡型演算増幅器10と異なるのは、PNPトランジスタQ1,Q2をPMOSトランジスタQ11,Q12に置き換えると共に、NPNトランジスタQ3,Q4,Q6をNMOSトランジスタQ13,Q14,Q16に置き換え、各トランジスタQ5,Q7および各抵抗R5,R6,R24を省いた点だけである。
不平衡型差動増幅器41は、差動入力回路44および能動負荷回路45から構成されている。
差動入力回路44は、第1差動入力トランジスタQ11および第2差動入力トランジスタQ12から構成されている。
尚、各トランジスタQ11,Q12は同一トランジスタサイズで同一特性である。
各トランジスタQ11,Q12のソースは、抵抗R1を介して電源Vccに接続されている。
トランジスタQ11のゲートは、差動入力回路44(不平衡型演算増幅器40、不平衡型差動増幅器41)の反転入力端子として機能し、反転入力端子IN−に接続されている。
トランジスタQ12のゲートは、差動入力回路44(不平衡型演算増幅器40、不平衡型差動増幅器41)の非反転入力端子として機能し、非反転入力端子IN+に接続されている。
トランジスタQ12のドレインは、差動入力回路44(不平衡型差動増幅器41)の出力端子として機能する。
位相補償用コンデンサCは、トランジスタQ12のドレインと出力端子OUTの間に接続されている。
能動負荷回路45は、各トランジスタQ13,Q14および各抵抗R3,R4から構成されている。
尚、各トランジスタQ13,Q14は同一トランジスタサイズである。
各トランジスタQ13,Q14は、ワイドラー型のカレントミラー回路を構成し、そのカレントミラー回路は差動入力回路44の能動負荷として機能する。
各トランジスタQ13,Q14のソースはグランドに接続され、カレントミラー回路の入力側トランジスタQ13のゲートは、カレントミラー回路の出力側トランジスタQ14のゲートに接続されている。
トランジスタQ13はゲートとドレインを接続したダイオード接続にされており、そのゲートおよびドレインはトランジスタQ11のドレインに接続されている。
トランジスタQ14のドレインは、トランジスタQ12のドレインに接続されている。
出力回路43は、トランジスタQ16および抵抗R2から構成されている。
トランジスタQ16と抵抗R2は、電源Vccとグランドの間に直列接続されている。
トランジスタQ16のソースはグランドに接続され、トランジスタQ16のドレインは抵抗R2を介して電源Vccに接続され、トランジスタQ16のゲートは各トランジスタQ12,14のドレインに接続されている。
尚、抵抗R2およびトランジスタQ16により、トランジスタQ16のソース接地回路が構成されている。
トランジスタQ16のゲートは、出力回路43の入力端子として機能する。
トランジスタQ16のドレインは、出力回路43(不平衡型演算増幅器40、不平衡型差動増幅器41)の出力端子として機能し、出力端子OUTに接続されている。
バイアス回路42は、各抵抗(プルアップ抵抗)R1,R2から構成されている。
抵抗R1は、各トランジスタQ11,Q12のドレイン電流(バイアス電流)を設定するためのバイアス抵抗として機能する。
抵抗R2は、トランジスタQ16のドレイン電流(バイアス電流)を設定するためのバイアス抵抗として機能すると共に、トランジスタQ16の負荷としても機能する。
[第3実施形態の作用・効果]
第3実施形態によれば、以下の作用・効果を得ることができる。
[a]不平衡型差動増幅器41は、各入力端子IN−,IN+に入力された入力信号の電圧値の差分を増幅(差動増幅)し、その差動増幅によって生成された不平衡出力信号を各トランジスタQ12,Q14のドレインから出力する。
このとき、差動入力回路44を構成する一対の差動入力トランジスタQ11,Q12は、各入力端子IN−,IN+に印加された差動入力電圧を差動電流に変換するトランスコンダクタンス機能を有し、各トランジスタQ11,Q12のドレイン電流が差動電流となる。
不平衡型差動増幅器41から出力された不平衡出力信号は、出力回路43を構成するトランジスタQ16のゲートへ出力される。
出力回路43は、不平衡型差動増幅器41から出力された不平衡出力信号を増幅し、その増幅された不平衡出力信号をトランジスタQ16のドレインから出力端子OUTを介して出力する。
[b]第3実施形態の不平衡型差動増幅器41(不平衡型演算増幅器40)では、各抵抗(プルアップ抵抗)R1,R2だけから構成されたバイアス回路42を用い、電源Vccから各トランジスタQ11,Q12へ供給されるドレイン電流(バイアス電流)を抵抗R1によって設定している。
ところで、MOSトランジスタによって構成された従来の不平衡型差動増幅器(不平衡型演算増幅器)では、カレントミラー回路によって構成されたバイアス回路を用い、そのバイアス回路を構成するPMOSトランジスタを定電流源として各トランジスタQ1,Q2に一定のドレイン電流を供給する方式がとられている。
受動素子である抵抗に比べ、能動素子であるトランジスタは、外来ノイズによって誤動作しやすいため、EMC耐量の低下の原因になっている。
特に、グランド基準で動作するNMOSトランジスタに比べ、電源基準で動作するPMOSトランジスタは、電源Vccから侵入する外来ノイズによって誤動作しやすいため、EMC耐量の低下の原因になっている。
従って、第3実施形態の不平衡型差動増幅器41(不平衡型演算増幅器40)では、従来の不平衡型差動増幅器(不平衡型演算増幅器)からバイアス回路を構成するPMOSトランジスタを省き、その代わりに抵抗R1を設けているため、電源Vccから侵入する外来ノイズによって当該PMOSトランジスタが誤動作することによるEMC耐量の低下を防止することが可能になり、従来技術に比べてEMC耐量を向上させることができる。
[c]第3実施形態の不平衡型演算増幅器40における出力回路43では、各抵抗(プルアップ抵抗)R1,R2だけから構成されたバイアス回路42を用い、電源VccからトランジスタQ16へ供給されるドレイン電流(バイアス電流)を抵抗R2によって設定している。
ところで、MOSトランジスタによって構成された従来の不平衡型差動増幅器(不平衡型演算増幅器)では、カレントミラー回路によって構成されたバイアス回路を用い、そのバイアス回路を構成するPMOSトランジスタを定電流源としてトランジスタQ16に一定のドレイン電流を供給する方式がとられている。
従って、第3実施形態の不平衡型演算増幅器40における出力回路43では、従来の不平衡型演算増幅器におけるバイアス回路を構成するPMOSトランジスタを省き、その代わりに抵抗R2を設けているため、前記[b]と同様の理由により、電源Vccから侵入する外来ノイズによって当該PMOSトランジスタが誤動作することによるEMC耐量の低下を防止することが可能になり、従来技術に比べてEMC耐量を向上させることができる。
[d]不平衡型演算増幅器40(不平衡型差動増幅器41)では、差動入力回路85を構成する各トランジスタQ11,Q12のドレイン電流(不平衡型差動増幅器41の差動電流)を抵抗R1によって設定しているため、各入力端子IN−,IN+の入力信号の電圧値が変動すると、各トランジスタQ11,Q12のドレイン電流も変動してしまう。
そのため、各入力端子IN−,IN+の入力信号の電圧値が大きく変動すると、各トランジスタQ11,Q12のドレイン電流も大きく変動することになり、不平衡型演算増幅器40(不平衡型差動増幅器41)の正常動作が阻害されるおそれがある。
従って、不平衡型演算増幅器40(不平衡型差動増幅器41)は、各入力端子IN−,IN+の入力信号の電圧値が極力一定になるような状況で使用することが望ましく、第1実施形態の前記[5]と同様に、ボルテージフォロワではなく、反転増幅回路にすることが望ましい。
[e]グランドから不平衡型差動増幅器41(不平衡型演算増幅器40)に侵入する外来ノイズは、各抵抗R3〜R5によって減少(減衰)される。
また、各抵抗R3,R4を同一抵抗値に設定することにより、差動入力回路85を構成する各トランジスタQ11,Q12のドレイン電流のバランスをとって差動入力回路85(不平衡型差動増幅器41)の対称性を高めることが可能になるため、グランドから侵入する外来ノイズに起因して各トランジスタQ11,Q12のドレイン電流にアンバランスが生じるのを防止できる。
その結果、グランドから不平衡型差動増幅器41(不平衡型演算増幅器40)に侵入する外来ノイズに対するEMC耐量を向上させることができる。
[f]第3実施形態の不平衡型演算増幅器40では、出力回路43がトランジスタQ16のソース接地回路によって構成されているため、出力回路43を単純な回路構成にして低コスト化を図ることができる。
[g]第3実施形態の不平衡型演算増幅器40(不平衡型差動増幅器41)を評価した結果、EMC耐量を数V/m〜数十V/mに向上可能なことが、発明者の実験によって明らかとなっている。
そして、第3実施形態の不平衡型演算増幅器40(不平衡型差動増幅器41)では、前記[b][c]により、電源Vccから侵入する外来ノイズによるEMC耐量の低下を防止可能であるため、特許文献1の前記広帯域ノイズ除去手段を設けた場合や、特許文献2の前記第1の高周波遮断回路を設けた場合に比べ、EMC耐量を向上させることができる。
また、第3実施形態の不平衡型演算増幅器40(不平衡型差動増幅器41)では、従来の不平衡型演算増幅器80(不平衡型差動増幅器81)や、特許文献1の前記広帯域ノイズ除去手段や、特許文献2の前記第1の高周波遮断回路に比べ、回路構成が単純であるため低コスト化を図ることができる。
[h]第3実施形態の不平衡型演算増幅器40では、不平衡型差動増幅器41を構成する各トランジスタQ11〜Q14がMOSトランジスタであるため、不平衡型差動増幅器41の出力インピーダンスを十分に低くすることが可能であり、出力回路43を構成するトランジスタQ16がMOSトランジスタであるため、出力回路43の入力インピーダンスを十分に高くすることが可能であることから、不平衡型差動増幅器41と出力回路43を直接接続しても、不平衡型差動増幅器41と出力回路43の相互干渉を防止することができる。
従って、第3実施形態の不平衡型演算増幅器40では、第1実施形態の不平衡型演算増幅器10におけるバッファ回路13を構成するトランジスタQ5のエミッタフォロワを省くことが可能になり、回路構成を単純化して更なる低コスト化を図ることができる。
[i]第3実施形態の不平衡型演算増幅器40(不平衡型差動増幅器41)はMOSトランジスタQ11〜Q14,Q16によって構成されているため、バイポーラトランジスタQ1〜Q7によって構成されている第1実施形態の不平衡型演算増幅器10(不平衡型差動増幅器11)におけるベース・エミッタ間電圧VBEに起因する諸問題(第1実施形態の前記[7][9]参照)を回避できる。
従って、第3実施形態の不平衡型演算増幅器40(不平衡型差動増幅器41)では、第1実施形態の不平衡型演算増幅器10(不平衡型差動増幅器11)におけるバッファ回路13および能動負荷回路15を構成するトランジスタQ7を省くことが可能になり、回路構成を単純化して更なる低コスト化を図ることができる。
<第4実施形態>
図6は、第4実施形態の不平衡型演算増幅器50を示す回路図である。
不平衡型演算増幅器40は、不平衡型差動増幅器41、バイアス回路42、出力回路43から構成され、PMOSトランジスタQ11,Q12、NMOSトランジスタQ13,Q14,Q16、抵抗R1〜R4、位相補償用コンデンサC、反転入力端子IN−、非反転入力端子IN+、出力端子OUT、ダイオードDを備え、高電位側電源Vccと低電位側電源としてのグランドとに接続されている。
第4実施形態の不平衡型演算増幅器50において、第3実施形態の不平衡型演算増幅器40と異なるのは、各抵抗R1,R2と電源Vccとの間に順方向接続されたダイオードDが追加挿入されている点だけである。
第4実施形態によれば、第3実施形態の前記作用・効果に加え、電源Vccから不平衡型演算増幅器50(不平衡型差動増幅器41)に負電圧の外来ノイズが侵入する際に、その負電圧の外来ノイズがダイオードDによって除去されるため、EMC耐量を更に向上させることができる。
図7は、第4実施形態の変形例の不平衡型演算増幅器60を示す回路図である。
不平衡型演算増幅器60は、不平衡型差動増幅器41、バイアス回路42、出力回路43から構成され、PMOSトランジスタQ11,Q12、NMOSトランジスタQ13,Q14,Q16、抵抗R1〜R4、位相補償用コンデンサC、反転入力端子IN−、非反転入力端子IN+、出力端子OUT、ダイオードDa,Dbを備え、高電位側電源Vccと低電位側電源としてのグランドとに接続されている。
不平衡型演算増幅器60において、不平衡型演算増幅器50と異なるのは、各抵抗R1,R2と電源Vccとの間にそれぞれ、順方向接続された各ダイオードDa,Dbが挿入されている点だけである。
このように、各抵抗R1,R2毎に個別にダイオードDa,Dbを設けるようにしても、電源Vccから侵入する負電圧の外来ノイズを各ダイオードDa,Dbによって除去可能であるため、EMC耐量を向上させることができる。
<別の実施形態>
本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、上記各実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
(1)第1実施形態および第2実施形態において、抵抗R3を各トランジスタQ1,Q3の間に挿入すると共に、抵抗R4を各トランジスタQ2,Q4の間に挿入してもよい。このようにした場合でも、第1実施形態の前記[6]と同様の作用・効果を得ることができる。
また、第1実施形態および第2実施形態において、各抵抗R3,R4に加え、各トランジスタQ1,Q3の間に抵抗を追加挿入すると共に、各トランジスタQ2,Q4の間に抵抗を追加挿入してもよい。このようにすれば、第1実施形態の前記[6]の作用・効果を更に高めることができる。
(2)第3実施形態および第4実施形態において、抵抗R3を各トランジスタQ11,Q13の間に挿入すると共に、抵抗R4を各トランジスタQ12,Q14の間に挿入してもよい。このようにした場合でも、第1実施形態の前記[6]と同様の作用・効果を得ることができる。
また、第3実施形態および第4実施形態において、各抵抗R3,R4に加え、各トランジスタQ11,Q13の間に抵抗を追加挿入すると共に、各トランジスタQ12,Q14の間に抵抗を追加挿入してもよい。このようにすれば、第3実施形態の前記[e]の作用・効果を更に高めることができる。
(3)上記各実施形態では、低電位側電源としてグランドを用いているが、高電位側電源Vccの電圧よりも低い適宜な電圧の電源を低電位側電源として用いてもよい。
(4)上記各実施形態は不平衡型演算増幅器(不平衡型差動増幅器)に適用したものであるが、本発明は、平衡差動出力信号が出力される平衡差動出力端子を備えた平衡型演算増幅器(平衡型差動増幅器)に適用してもよい。
(5)第1実施形態および第2実施形態の負荷回路15は、各トランジスタQ3,Q4,Q7を用いたベース電流補償型カレントミラー回路に限らず、PNPトランジスタを使用していない負荷回路であれば、どのような回路構成にしてもよい。
第3実施形態および第4実施形態の負荷回路45は、各トランジスタQ13,Q14を用いたワイドラー型カレントミラー回路に限らず、PMOSトランジスタを使用していない負荷回路であれば、どのような回路構成にしてもよい。
(6)第1実施形態および第2実施形態の出力回路14は、トランジスタQ6を用いたエミッタ接地回路に限らず、PNPトランジスタを使用していない出力回路であれば、どのような回路構成にしてもよい。
第3実施形態および第4実施形態の出力回路43は、トランジスタQ16を用いたソース接地回路に限らず、PMOSトランジスタを使用していない出力回路であれば、どのような回路構成にしてもよい。
本発明を具体化した第1実施形態の不平衡型演算増幅器10を示す回路図。 第1実施形態の不平衡型演算増幅器10の使用例を示す回路図。 本発明を具体化した第2実施形態の不平衡型演算増幅器20を示す回路図。 第2実施形態の変形例の不平衡型演算増幅器30を示す回路図。 本発明を具体化した第3実施形態の不平衡型演算増幅器40を示す回路図。 本発明を具体化した第4実施形態の不平衡型演算増幅器50を示す回路図。 第4実施形態の変形例の不平衡型演算増幅器60を示す回路図。 従来の不平衡型演算増幅器80を示す回路図。
符号の説明
10,20,30,40,50,60…不平衡型演算増幅器
11,41…不平衡型差動増幅器
12,42…バイアス回路
13…バッファ回路
14,43…出力回路
15,45…能動負荷回路
44,85…差動入力回路
Q1…PNPトランジスタ(第1差動入力トランジスタ)
Q2…PNPトランジスタ(第2差動入力トランジスタ)
Q3〜Q7…NPNトランジスタ
Q11…PMOSトランジスタ(第1差動入力トランジスタ)
Q12…PMOSトランジスタ(第2差動入力トランジスタ)
Q13,Q14,Q16…NMOSトランジスタ
R1〜R6,R24…抵抗
C…位相補償用コンデンサ
IN−…反転入力端子
IN+…非反転入力端子
OUT…出力端子
Vcc…高電位側電源
D,Da〜Dc…ダイオード

Claims (9)

  1. 2つの入力端子に印加された差動入力電圧を差動電流に変換する一対の第1差動入力トランジスタおよび第2差動入力トランジスタと、
    その第1差動入力トランジスタおよび第2差動入力トランジスタの負荷となる負荷回路と、
    高電位側電源から前記第1差動入力トランジスタおよび前記第2差動入力トランジスタへ供給される差動電流を設定する抵抗と
    を備えた差動増幅器であって、
    前記第1差動入力トランジスタおよび前記第2差動入力トランジスタは、PNPトランジスタであり、
    前記負荷回路には、PNPトランジスタが使用されていないことを特徴とする差動増幅器。
  2. 請求項1に記載の差動増幅器と、
    その差動増幅器から出力された出力信号を増幅して出力する出力回路と
    を備えた演算増幅器であって、
    前記出力回路には、PNPトランジスタが使用されていないことを特徴とする演算増幅器。
  3. 請求項2に記載の演算増幅器において、
    前記出力回路は、NPNトランジスタのエミッタ接地回路によって構成されていることを特徴とする演算増幅器。
  4. 請求項3に記載の演算増幅器において、
    前記差動増幅器と前記出力回路との間に接続されたNPNトランジスタから成るエミッタフォロワを備え、
    前記負荷回路は、ベース電流補償型カレントミラー回路によって構成された能動負荷回路であることを特徴とする演算増幅器。
  5. 2つの入力端子に印加された差動入力電圧を差動電流に変換する一対の第1差動入力トランジスタおよび第2差動入力トランジスタと、
    その第1差動入力トランジスタおよび第2差動入力トランジスタの負荷となる負荷回路と、
    高電位側電源から前記第1差動入力トランジスタおよび前記第2差動入力トランジスタへ供給される差動電流を設定する抵抗と
    を備えた差動増幅器であって、
    前記第1差動入力トランジスタおよび前記第2差動入力トランジスタは、PMOSトランジスタであり、
    前記負荷回路には、PMOSトランジスタが使用されていないことを特徴とする差動増幅器。
  6. 請求項5に記載の差動増幅器と、
    その差動増幅器から出力された出力信号を増幅して出力する出力回路と
    を備えた演算増幅器であって、
    前記出力回路には、PMOSトランジスタが使用されていないことを特徴とする演算増幅器。
  7. 請求項6に記載の演算増幅器において、
    前記出力回路は、NMOSトランジスタのソース接地回路によって構成されていることを特徴とする演算増幅器。
  8. 請求項1または請求項5に記載の差動増幅器において、
    前記高電位側電源と前記抵抗との間に順方向接続されたダイオードを備えたことを特徴とする差動増幅器。
  9. 請求項2,3,4,6,7のいずれか1項に記載の演算増幅器において、
    前記高電位側電源と前記出力回路との間に順方向接続されたダイオードを備えたことを特徴とする演算増幅器。
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