JP2009015061A - 画像形成装置用のローラおよびベルト並びにそれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成装置のローラ、ベルトにおいて、外周に弾性層を有する基材とフッ素樹脂層との接着性を改善する。
【解決手段】外周に弾性層を有する基材と、前記基材の外周面に形成された酸化ケイ素層と、前記酸化ケイ素層の外周に形成されたバインダー層と、前記バインダー層の外周に形成されたフッ素樹脂層を有していることを特徴とする画像形成装置用のローラまたはベルト。前記基材は、外周に弾性層が形成されている金属若しくはポリイミド製であることを特徴とする画像形成装置用のローラ。前記基材は、外周に弾性層が形成されているポリイミド製であることを特徴とする画像形成装置用のベルト。前記バインダー層は、変性フッ素樹脂層よりなることを特徴とする画像形成装置用のローラまたはベルト。
【選択図】図1

Description

本発明は画像形成装置用のローラおよびベルト並びにそれらの製造方法に関し、外周に弾性層を有する基材の外周にケイ酸化炎処理を施し、さらにバインダー層を介してあるいは直接フッ素樹脂で被覆している画像形成装置用のローラおよびベルト並びにそれらの製造方法に関する。
カラー複写機、カラーレーザープリンター等の画像形成装置においては、感光ドラム上に形成されたトナー像が転写ベルトにより転写材(紙)に転写され、さらに定着ローラ(回転体)や定着ベルト(いわゆるエンドレスベルト)によって加熱しつつ押圧されることにより転写材に定着される(特許文献1の図6、図7)。
このため、画像形成装置の定着ローラや定着ベルト等には高度の離型性(トナーの離脱性、広義には他の物質との非接着性)が要求される。さらに、近年のトナーは粉砕法で製造されたものから化学的方法で製造されたケミカルトナーになってきており、ケミカルトナーは粒子径が小さく、球形であるため付着し易く、この面からも定着ローラや定着用のエンドレスベルトに対する離トナー性の要望は大きい。
このため、高度の離型性を得る手段として、定着ローラや定着ベルト等の外周に弾性層を有する基材{基体。モノクロ用の定着ローラであればポリイミド(以下、原則として「PI」と記す)製や金属製の円筒形のローラ本体、カラー用の定着ローラであればさらにその外周をシリコーンゴム等の弾性層で囲んで製造された円筒形のローラ本体、定着ベルトであれば、ベルトとしての強度を受持つ部分あるいは物質層であり、通常はPIや上部に弾性層としてシリコーンゴム層を形成したPIが用いられる。なお、条件によってはPI等に導電材(剤)や熱伝導性改善材が添加されたりもしているが、これは本発明の趣旨に関係がないため、説明は省略する。}の外周面に、高度の離型性を有するフッ素樹脂層を形成することが行なわれている。
この場合、フッ素樹脂は高度の離型性を有しているため、今度は逆に定着ローラや定着ベルトの外周に弾性層を有する基材(以下、接着性についての説明では、原則として「弾性層」と略記する)との接着性が問題となる。
接着性を向上させる方法として、プライマー処理といわれるバインダー層(接着剤の層)を形成する処理を挙げることができる。これらの処理は、フッ素樹脂を被覆する前の基材の外周面に予め、外周面がポリイミドであればプライマーをはけ塗りやエアスプレーで、外周面がシリコーンゴムであれば変性フッ素樹脂(極性基を持たせたフッ素樹脂)をドライスプレーで塗布したりしておく処理である。
なおここに、PIに変性フッ素樹脂を使用しないのは、両者の接着性が悪いことによる。
また、シリコーンゴムに変性フッ素樹脂をドライスプレーするのは、液状であれば、はじかれることによる。
また別の方法として、ブラスト処理を挙げ挙げることができる。これは、シリコーンゴムの外表面(フッ素樹脂と接着を行なう側の表面)にサンドブラストを行って小さな凹部を多数形成し、その内部にフッ素樹脂の微粒子を含浸させた後、さらに外表面にフッ素樹脂含浸液層を形成して乾燥させた後、全体を焼成するものである(特許文献1)。
特開2004−255828号公報
しかしながら、近年のユーザの製品の信頼性に対する要求は厳しいものがある。特に、カラーファクシミリ等の画像形成装置は、各家庭にまで設置されはじめているため、長い年月に渡って故障せず、使用可能であることという要求は極めて高度になってきている。
かかる高度の信頼性の要求に照らした場合、前記各方法で行なった基材と、外周に弾性層を有する基材とフッ素樹脂層との接着性は、いずれも必ずしも充分とは言い難くなりはじめている。
また、イミド化したPIは化学的に安定であることと、ポリイミドの表面でプライマーがはじかれ易いため、PIと液状のプライマーの相性が良くない。このため、PI層の外周にプライマー層を形成するためにプライマーをPIにはけ塗りしたり、エアスプレーしたりするが、この際どうしてもロスが発生し、コストアップに繋がる。
同じく、弾性層に変性フッ素樹脂をドライスプレーするのも、液状のフッ素樹脂材を塗布する方法に比べて必要な変性フッ素樹脂が10倍程度増加する。
これらのため、これら従来から採用されている方法に比べて遥に確実かつ効率的に、しかも低コストで、フッ素樹脂層を画像形成装置用の定着ローラや定着ベルト等の弾性層に接着させることができる技術の開発が望まれていた。
本発明は、以上の課題を解決することを目的としてなされたものであり、画像形成装置用の定着ローラや定着ベルト等の弾性層の表面にケイ酸化炎処理を施し、さらにバインダー層を形成し、あるいは直接フッ素樹脂皮膜を形成する様にしたものである。以下、各請求項の発明を説明する。
請求項1に記載の発明は、
外周に弾性層を有する基材と、
前記基材の外周面に形成された酸化ケイ素層と、
前記酸化ケイ素層の外周に形成されたバインダー層と、
前記バインダー層の外周に形成されたフッ素樹脂層を有していることを特徴とする画像形成装置用のローラまたはベルトである。
本請求項の発明においては、外周に弾性層を有する基材の外周に酸化ケイ素層が形成されているため、弾性層の表面濡れ性が改善され、弾性層とバインダーの接着性、接着後の耐久性共に大きく改善される。このため、弾性層へのバインダー剤のはけ塗り、浸漬塗装が可能となり、さらにはバインダー層を介してのフッ素樹脂と弾性層との接着性(接着強度)と接着の耐久性も大きく改善され、従来から採用されている方法に比べて遥に確実かつ効率的に、しかも低コストで、フッ素樹脂層を画像形成装置用のローラやベルトの弾性層に接着させることができる。
また、酸化ケイ素層があるため、弾性層へのバインダー層の形成も容易となる。
その結果、トナーの離型性、耐久性共優れた画像形成装置用のローラやベルトを提供できる。
なおここに、「ローラ」とは、画像形成装置に使用されているローラであり、トナーとの離型性改善のためにトナー側の表面にフッ素樹脂層を形成している限り、転写ローラ等をも含み、定着ローラに限定されず、またドラム状の物を含む。
また、「ベルト」は、画像形成装置に使用されているベルトであり、トナーとの離型性改善のためにトナー側の表面にフッ素樹脂層を形成している限り、転写ベルト等をも含み、定着ベルトに限定されない。
なお、ベルトは、動作中にローラに比較して変形等が大きく、一層厳しい条件で使用されるため、本発明の効果が一層発揮されることとなる。
また、「画像形成装置」とは、カラー用に限定されず、モノクロ用を含む。
請求項2に記載の発明は、前記請求項1に記載の画像形成装置用のローラであって、
前記基材は、外周に弾性層が形成されている金属若しくはポリイミド製であることを特徴とする画像形成装置用のローラである。
本請求項の発明においては、基材の外周(外表面)の弾性層は離型性が優れているため必ずしもプライマーとの接着性が良好とはいえないが、その外周にケイ酸化炎処理により酸化ケイ素層が形成されるため、プライマーとの接着性が良好となり、ひいてはさらにその外表面に形成されるフッ素樹脂層との接着性、接着の耐久性も大きく改善される。
このため、基材の表面に弾性層が形成されている金属若しくはポリイミド製である画像形成装置用のローラの、特にカラー用の画像形成装置用のローラのトナーの離型性、耐久性共改善される。
なお、外周に弾性層として例えばシリコーンゴム層が形成されている金属若しくはポリイミド製の基材の製造方法としては、金属製またはPI製の円筒の表面にケイ酸化炎処理を施してごく薄い酸化ケイ素層を形成し、さらにプライマー処理を施してシランカップリンブ剤を含む厚さ5μm以下のプライマー層を形成し、さらにその外周(外表面)に厚さ0.3mm程度のシリコーンゴム層を形成する方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
請求項3に記載の発明は、前記請求項1に記載の画像形成装置用のベルトであって、
前記基材は、外周に弾性層が形成されているポリイミド製であることを特徴とする画像形成装置用のベルトである。
本請求項の発明は、請求項2の発明がバインダー層を有するローラを捉えているのに対して、ベルトを捉えたものである。
請求項4に記載の発明は、前記の画像形成装置用のローラまたはベルトであって、
前記バインダー層は、変性フッ素樹脂層よりなることを特徴とする画像形成装置用のローラまたはベルトである。
本請求項の発明においては、バインダー層がフッ素樹脂との接着性に優れる変性フッ素樹脂層としているため、酸化ケイ素層とフッソ樹脂層との接着性が良好となる。
請求項5に記載の発明は、
外周に弾性層を有する基材と、
前記基材の外周面に形成された酸化ケイ素層と、
前記酸化ケイ素層の外周に形成されたフッ素樹脂層を有していることを特徴とする画像形成装置用のローラまたはベルトである。
本請求項の発明は、酸化ケイ素層とフッ素樹脂層の間にバインダー層が無い場合である。かかる構造のローラやベルトにおいても、酸化ケイ素層とフッ素樹脂層の良好な接着が、ひいては弾性層と表層のフッ素樹脂層との良好な接着が確保される。
また、バインダー層がないため、その分コストの低下に繋がる。
請求項6に記載の発明は、前記請求項5に記載の画像形成装置用のローラであって、
前記基材は、外周に弾性層が形成されている金属若しくはポリイミド製であることを特徴とする画像形成装置用のローラである。
請求項2の発明がバインダー層を有するローラに関するのに対し、本請求項の発明はバインダー層を有しないローラに関する。
なお、本請求項のローラは、バインダー層を有していないためコストダウンに繋がる。
請求項7に記載の発明は、前記請求項5に記載の画像形成装置用のベルトであって、
前記基材は、外周に弾性層が形成されているポリイミド製であることを特徴とする画像形成装置用のベルトである。
請求項3の発明がバインダー層を有するベルトに関するのに対し、本請求項の発明はバインダー層を有しないベルトに関する。
なお、本請求項のベルトは、バインダー層を有していないためコストダウンに繋がる。
請求項8に記載の発明は、前記の画像形成装置用のローラまたはベルトであって、
前記フッ素樹脂層は、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)から選ばれる少なくとも1種、またはこれらの2種あるいは3種の混合物であることを特徴とする画像形成装置用のローラまたはベルトである。
本請求項の発明においては、フッ素樹脂の選択が適切であるため、トナーの離型性、耐久性、画像形成性とも優れた画像形成装置用のローラやベルトとなる。
なお、フッ素樹脂としては、PFAまたはPTFEが、耐久性とトナーの離型性の面から特に好ましい。
請求項9に記載の発明は、
外周に弾性層を有する基材と酸化ケイ素層とバインダー層とフッ素樹脂層を有している画像形成装置用のローラまたはベルトの製造方法であって、
前記基材の外周面をケイ酸化炎に晒して酸化ケイ素層を形成するケイ酸化炎処理ステップと、
前記形成された酸化ケイ素層の外周にバインダー層を形成するバインダー層形成ステップと、
前記形成されたバインダー層の外周にフッ素樹脂層を形成するフッ素樹脂層形成ステップを有していることを特徴とする画像形成装置用のローラまたはベルトの製造方法である。
本請求項の発明は、物の発明である請求項1を、方法の発明として捉えたものである。
請求項10に記載の発明は、
外周に弾性層を有する基材と酸化ケイ素層とフッ素樹脂層を有している画像形成装置用のローラまたはベルトの製造方法であって、
前記基材の外周面をケイ酸化炎に晒して酸化ケイ素層を形成するケイ酸化炎処理ステップと、
前記形成された酸化ケイ素層の外周にフッ素樹脂層を形成するフッ素樹脂層形成ステップを有していることを特徴とする画像形成装置用のローラまたはベルトの製造方法である。
本請求項の発明は、物の発明である請求項2を、方法の発明として捉えたものである。
本発明においては、弾性層の表面濡れ性が改善され、バインダー層との接着性、接着後の耐久性とも大きく改善される。このため、バインダー層を介してのフッ素樹脂と弾性層との接着性(接着強度)と接着の耐久性も改善され、従来から採用されている方法に比べて遥に確実かつ効率的に、しかも低コストで、フッ素樹脂層を画像形成装置用のローラやベルトの弾性層に接着させることができる。
また、酸化ケイ素層に加えてプライマー層があるため、フッ素樹脂層と弾性層との接着性が大きく改善される。
その結果、トナーの離型性、耐久性とも優れた画像形成装置用のローラやベルトを提供できる。
以下、本発明をその最良の実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
(第1の実施の形態)
本実施の形態は、モノクロ用の定着ローラの場合である。以下、本実施の形態を、図1を参照しつつ説明する。
図1は、製造中の定着ローラの回転軸に直交する断面を示す図であり、図1の(1)〜(4)に製造工程の進捗に伴って基材の外周に各種の層が順に形成されていく様子を概念的に示す。
図1において、10は外周にシリコーンゴム製の弾性層を有するPI製の基材であり、20は酸化ケイ素層であり、30はバインダー層としてのプライマー層であり、40はフッ素樹脂層である。
図1の(1)に示す基材10の外周の弾性層に、前記特許文献2に記載されている様に、プロパンガス等の可燃性ガスを燃焼させ、さらに空気を55L/分の流量で供給して形成した燃焼ガス中に、有機ケイ素化合物の蒸気を1.5L/分の流量で供給したり、噴霧したりして、ケイ酸化炎を形成し、そのケイ酸化炎に基材表面全体を0.5秒〜1秒晒し、図1の(2)に示す様に、表面にナノメートルのオーダと思われるごく薄い酸化ケイ素層20を形成する。なおこの際、晒す時間が短いため、熱による基材の劣化や損傷の恐れは皆無である。
図1の(3)に示す様に、酸化ケイ素層20の外周に、プライマー処理としてデュポン社製のプライマーPR990CLに浸漬した後引上げることによりプライマー塗装し、120分間200℃に保持して乾燥させ、厚さ5μm以下のシランカップリング剤を含有するプライマー層30を形成する。
なおこの際、弾性層とプライマー液とは必ずしも相性が良くないが、予め弾性層の表面にケイ酸化炎処理を施しているため、弾性層の外周にプライマー液をはけ塗りすることが容易となる。
図1の(4)に示す様に、プライマー層30の外周に、フッ素樹脂としてPFAとPTFEを重量で90対10含むディスパージョン(デュポン社製の855−712)に浸漬し、所定の速度で引上げて塗布し、さらに最終厚さが15μmとなる様にコーティングし、30分乾燥後、230℃で30分加熱し、さらに400℃で3分加熱して焼成し、フッ素樹脂層40を形成した。
(第2の実施の形態)
前記第1の実施の形態において、バインダー層としてのプライマー層30を設けず、酸化ケイ素層20の外周にフッ素樹脂層40を形成したこと以外は、第1の実施の形態と同じ構成の定着ローラとした。
比較例として、基材の外周にケイ酸化炎処理を施さないことの他は前記第1の実施の形態と同じ定着ローラを製造し、高温(210℃)環境下で放置した場合に、基材とフッ素樹脂層との接着力がどの様に変化(劣化)するかを調べた。その結果、ケイ酸化炎処理を施した前記第1の実施の形態および第2の実施の形態の定着ローラは、比較例の定着ローラに比較して、耐久性が優れていた。従って、温度が低い実際の仕様環境では、非常に優れた耐久性を発揮するものと思われる。
(第3の実施の形態)
本実施の形態は、物がベルトであり、その基材はPI製層の表面にシリコーンゴム層が形成されている半製品のベルトである点が第1の実施の形態と異なる。なお、そのシリコーンゴム層の表面にケイ酸化炎処理、次いでプライマー処理を施し、最後にフッ素樹脂層を形成する点は、第1の実施の形態と同じである。以下、本実施の形態を、図2を参照しつつ説明する。
図2は、各製造工程中の定着ベルトの回転方向に直交する断面を示す図であり、図2の(1)〜(4)に製造工程の進捗に伴って基材の外周に各種の層が順に形成されていく様子を概念的に示す。
図2において、15は基材の強度を受持つPI層であり、16は基材の弾性を受持つシリコーンゴム層であり、25は酸化ケイ素層であり、35はプライマー層であり、45はフッ素樹脂層であり、90は円筒状の金型である。
図2の(1)は、円筒状の金型90の外周に、PI層15の外周にシリコーンゴム層16が形成された半製品の状態のベルトが形成されている様子を概念的に示す図である。なお、PI層15の厚さは50μmであり、シリコーンゴム層16の厚さは0.3mmであり、ベルトの幅は230mmであり、ベルトの全長(エンドレス部の1箇所を切り離して、伸ばした長さ)は150mmである。
この半製品のベルトの製造方法は、金型90の外周に形成されたPI製の管状物の外周にケイ酸化炎処理を施してごく薄い酸化ケイ素層(図示せず)を形成し、さらにプライマー処理を施してシランカップリンブ剤を含むプライマー層(図示せず)を形成し、さらにその外周(トナー側の表面)にシリコーンゴム層を形成する方法や、その他例えば前記特許文献1の段落33から段落46、段落54から段落60に記載されている方法を挙げられる。
図2の(2)に示す様に、第1の実施の形態と同様の方法により、シリコーンゴム層16の外表面に、ケイ酸化炎処理によりナノメートルのオーダと思われるごく薄い酸化ケイ素層25を形成する。形成する方法は先の第1の実施の形態と同じく、プロパンガス等の可燃性ガスを燃焼させ、さらに酸素や空気を55L/分の流量で供給して形成した燃焼ガス中に、有機ケイ素化合物の蒸気を1.5L/分の流量で供給したり、噴霧したりしてケイ酸化炎を形成し、そのケイ酸化炎に基材表面全体を0.5秒〜1秒晒す。なおこの際も、ケイ酸化炎に晒される時間が短く、さらにシリコーンゴムは比較的耐熱性に優れているため、ケイ酸化炎処理の際の熱による劣化、変質はない。
またこの際、基材はシリンダー状の金型に挿入したままの状態(金型の外周に形成した状態)である方が、作業が容易である。
酸化ケイ素層を形成したベルトに、プライマー処理として、デュポン社製のプライマーPR−990OLに浸漬した後引上げることによりプライマーを塗装し、120分間200℃に保持して乾燥させ、図2の(3)に示す様に、酸化ケイ素層25の外周に厚さ5μm以下のシランカップリング材のプライマー層35を形成する。
なおこの際、弾性層とプライマー液とは必ずしも相性が良くないが、予め弾性層の表面にケイ酸化炎処理を施しているため、弾性層の外周にプライマー液を塗装することが容易となる。
プライマー層35を形成した半製品のベルトを、フッ素樹脂としてPFAとPTFEを重量で90対10含むディスバージョン(デュポン社製の855−712)に浸漬し、所定の速度で引上げて塗布し、さらに最終厚さが15μmとなる様にコーティングし30分乾燥後、230℃で30分加熱し、さらに400℃で3分加熱して焼成し、図2の(4)に示す様に、プライマー層35の外周にフッ素樹脂層45を形成した。
次いで、金型90から半製品のベルトを取外し、裁断して最終製品のベルトを得た。このベルトにおいて、各層が順に積層されている様子を、図3に概念的に示す。
比較例として、基材の外表面にケイ酸化炎処理を施さないことと、プライマー層の形成に際してプライマーのエアスプレーを行った他は前記実施の形態と同じ定着ベルトを製造し、高温(210℃)環境下で放置した場合に、基材とフッ素樹脂層との接着力がどの様に変化(劣化)するかを調べた。比較結果を、表1に示す。
なお、比較例のベルトのプライマー処理をプライマーのエアスプレーで行なったのは、ケイ酸化炎処理を施していない基材の表面はプライマーの表面濡れ性が良くないため、プライマー浸漬塗装が困難であることによる。また、エアスプレーの際に、150%程度のプライマーの吹きつけロスが生じた。
Figure 2009015061
試験は、いわゆる加速試験であり、実際の仕様状態よりも高温の環境に一定時間晒した後の接着力の変化(劣化)を検査するものである。
表1において、耐久性欄の○印は接着性が良好なことを表し、△印は必ずしも良好とはいえないことを表す。
ケイ酸化炎処理を施していない比較例の定着ベルトは、400時間までは接着性は充分であるが、500時間を経過すると必ずしも良好とはいえないことが判る。
一方、ケイ酸化炎処理を施した実施の形態の定着ベルトは、600時間を経過しても接着性が良好であり、優れた耐久性を有しているのが判る。従って、温度が低い実際の仕様環境では、非常に優れた耐久性を発揮するものと思われる。
なお、比較例のベルトのコストが高くなるのは、プライマー処理において、基材とプライマー剤との濡れ性が良好でないため、プライマーをエアスプレーするが、この際150%程度の吹きつけロスが生じるからである。
(第4の実施の形態)
本実施の形態は、バインダー層が比較的低融点の変性フッ素樹脂層である点とフッ素樹脂層の形成方法を除き、第3の実施の形態と同じである。
本実施の形態のベルトの製造方法を、図4を参照しつつ説明する。図4は、本実施の形態のベルトの製造法の要部を、概念的に示す図である。図4において、36は変性フッ素樹脂層であり、95はナイロン6製の中子であり、99はステンレス製円筒である。
金属製円筒(図示せず)の外周に、内周側に厚さ50μmのPI層15が、外周側に厚さ0.3mm程度のシリコーンゴム層16を有する基材を形成し、さらに基材の外周にケイ酸化炎処理を施してごく薄い酸化ケイ素層25を形成し、さらにその外周にバインダー層として厚さ5μmの変性フッ素樹脂層36を形成し、樹脂製管状物を製造する。この上で、樹脂製管状物を金属製円筒(図4では、図示せず)から取り外し、その内周側のPI層15内に中子95を嵌め込む。
なお、変性フッ素樹脂としては、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンおよびビニリデンフロライドの共重合体(THV)を使用した。
フッ素樹脂層45は、内周面に鏡面加工を施したステンレス製円筒99の内周面に別途製造する。次いで、図4に示す様に、この状態のフッ素樹脂層45の内周側に、前記ナイロン6製の中子を嵌め込んだ状態の樹脂製管状物を挿入する。そして、真空中で200度程度に加熱する。これにより、熱膨張率の差異に基づきステンレス(熱膨張率は、1.76×10−7/℃)製の円筒99とナイロン6(熱膨張率は、8.0×10−5/℃)製の中子95間で発生する押圧力で、フッ素樹脂層45の内周面と樹脂製管状物の外周の変性フッ素樹脂層36の外周面とを熱融着させる。なおこのため、中子95の外径とステンレス製の円筒99の内径は、予め整合させて製造している。
その後、各層が強固に接着したベルト状の管状物を、ステンレス製の円筒99の内周側から取去り、中子95を抜き去り、適切な幅に切断して定着ベルトを完成させる。
本実施の形態の定着ベルトにおいても、基材とフッ素樹脂層との接着性が良好であり、優れた耐久性を有していた。
また、画像形成能力、トナーの離型性、耐久性とも優れていた。
第1の実施の形態の定着ローラの製造工程の進捗に伴って、基材の外周に各種の層が順に形成されていく様子を概念的に示す図である。 第3の実施の形態の定着ベルトの製造工程の進捗に伴って、基材の外周に各種の層が順に形成されていく様子を概念的に示す図である。 第3の実施の形態の定着ベルトにおいて、各層が積層されている様子を概念的に示す図である。 第4の実施の形態の定着ベルトの製造工程の要部を概念的に示す図である。
符号の説明
10 基材
15 PI層
16 シリコーンゴム層
20 酸化ケイ素層
25 酸化ケイ素層
30 プライマー層
35 プライマー層
40 フッ素樹脂層
45 フッ素樹脂層
46 変性フッ素樹脂層
90 金型
95 中子
99 ステンレス製円筒

Claims (10)

  1. 外周に弾性層を有する基材と、
    前記基材の外周面に形成された酸化ケイ素層と、
    前記酸化ケイ素層の外周に形成されたバインダー層と、
    前記バインダー層の外周に形成されたフッ素樹脂層を有していることを特徴とする画像形成装置用のローラまたはベルト。
  2. 前記基材は、外周に弾性層が形成されている金属若しくはポリイミド製であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置用のローラ。
  3. 前記基材は、外周に弾性層が形成されているポリイミド製であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置用のベルト。
  4. 前記バインダー層は、変性フッ素樹脂層よりなることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の画像形成装置用のローラまたはベルト。
  5. 外周に弾性層を有する基材と、
    前記基材の外周面に形成された酸化ケイ素層と、
    前記酸化ケイ素層の外周に形成されたフッ素樹脂層を有していることを特徴とする画像形成装置用のローラまたはベルト。
  6. 前記基材は、外周に弾性層が形成されている金属若しくはポリイミド製であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置用のローラ。
  7. 前記基材は、外周に弾性層が形成されているポリイミド製であることを特徴とする請求項5に記載の画像形成装置用のベルト。
  8. 前記フッ素樹脂層は、PFA(テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)、FEP(テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体)から選ばれる少なくとも1種、またはこれらの2種あるいは3種の混合物であることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の画像形成装置用のローラまたはベルト。
  9. 外周に弾性層を有する基材と酸化ケイ素層とバインダー層とフッ素樹脂層を有している画像形成装置用のローラまたはベルトの製造方法であって、
    前記基材の外周面をケイ酸化炎に晒して酸化ケイ素層を形成するケイ酸化炎処理ステップと、
    前記形成された酸化ケイ素層の外周にバインダー層を形成するバインダー層形成ステップと、
    前記形成されたバインダー層の外周にフッ素樹脂層を形成するフッ素樹脂層形成ステップを有していることを特徴とする画像形成装置用のローラまたはベルトの製造方法。
  10. 外周に弾性層を有する基材と酸化ケイ素層とフッ素樹脂層を有している画像形成装置用のローラまたはベルトの製造方法であって、
    前記基材の外周面をケイ酸化炎に晒して酸化ケイ素層を形成するケイ酸化炎処理ステップと、
    前記形成された酸化ケイ素層の外周にフッ素樹脂層を形成するフッ素樹脂層形成ステップを有していることを特徴とする画像形成装置用のローラまたはベルトの製造方法。
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