JP2009014917A - 光学機能層形成用組成物、光学フィルム、反射防止フィルムおよび偏光板 - Google Patents

光学機能層形成用組成物、光学フィルム、反射防止フィルムおよび偏光板 Download PDF

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Abstract

【課題】異物故障がなく、十分な耐擦性、光学特性を備えた光学フィルムを得るための光学機能層形成用組成物、光学フィルム、反射防止フィルム、偏光板を提供する。
【解決手段】透光性樹脂と透光性樹脂微粒子とフルオロ脂肪族基含有ポリマーとを含有してなる光学機能層形成用組成物において、前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーが下記一般式(1)で表される少なくとも一種であることを特徴とする光学機能層形成用組成物。一般式(1)
Figure 2009014917

【選択図】図2

Description

本発明は、光学機能層形成用組成物、光学フィルム、反射防止フィルム、およびそれらを用いた偏光板に係り、特に反射防止性および視認性に優れた光学フィルムを形成することができる光学機能層形成用組成物、光学フィルム、反射防止フィルム、およびそれらを用いた偏光板に関する。
光学フィルム、中でも反射防止フィルムは、一般に陰極管表示装置(CRT)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や液晶表示装置(LCD)のようなディスプレイ装置において、外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、光学干渉の原理を用いて反射率を低減するためにディスプレイの最表面に配置される。
このような反射防止フィルムは、最表面に適切な膜厚の低屈折率層、場合により支持体との間に適宜高屈折率層、中屈折率層、ハードコート層、防眩層、帯電防止層、光拡散層などを形成することにより作製できる。低い反射率を実現するために低屈折率層にはできるだけ屈折率の低い材料が望まれる。また反射防止フィルムはディスプレイの最表面に用いられるため高い耐擦傷性が要求される。厚さ100nm前後の薄膜において高い耐擦傷性を実現するためには、皮膜自体の強度が必要である。
材料の屈折率を下げるには、含フッ素ポリマーをバインダー樹脂として用いるという手段があるが皮膜強度が損なわれ耐擦傷性が低下する方向であり、低い屈折率と高い耐傷性の両立は困難な課題であった。
そのため含フッ素ポリマーからなる低屈折率層に適量の無機酸化物微粒子を含有し、皮膜表面の硬度を上げて耐擦傷性を改良する手段がある。該手段は低反射率と耐傷性改良に有効であったが、低屈折率層中で無機酸化物微粒子が凝集し、膜面状が悪化する問題があった。
また反射率や像の写りこみ性の更なる低減の他、ハードコート性や防塵性の付与などのために、低屈折率層と支持体との間に適宜高屈折率層、中屈折率層、防眩層、ハードコート層、帯電防止層などを形成する場合がある。一般に、層の屈折率調節や層表面への凹凸形成、層の硬度アップや導電性付与などの手段として、無機酸化物微粒子を層に含有する方法が用いられる。しかし前述同様、層中で無機酸化物微粒子が凝集し、膜面状が悪化する問題があった。
一般に、無機酸化物微粒子が有機溶剤中で凝集を起こさないようにするには、有機溶媒中に安定して分散されていることが重要である。具体的には、無機酸化物微粒子表面の親疎水性や立体障害性の制御が重要であり、無機酸化物微粒子においては、アルコキシシランを用いて表面処理することが知られている。例えば非特許文献1にはシランカップリング剤を用い無機粒子を有機溶媒に分散する方法についての記載がある。また特許文献1〜3には無機微粒子を予め表面処理しておくことにより、耐擦傷性や層の強度が改善する記載がある。さらに特許文献4には塗布液中での無機微粒子の凝集に対する保存安定性への効果も記載されている。一方、機械的な分散性改良手段として、特許文献5には、微粒子を分散した液に超音波処理を行い、分散液を塗布、乾燥して機能性微粒子含有層を形成する手段が記載されている。また、特許文献6には、無機酸化物微粒子の表面シリル基濃度を調整して分散性改良を行う方法が記載されている。
特開2000−009908号公報 特開2001−310423号公報 特開2001−100013号公報 特開2001−272502号公報 特開2001−327917号公報 特開2007−069471号公報 「顔料分散技術 表面処理と分散剤の使い方および分散性評価」(技術情報協会編 1999年発行)
しかしながら、上記特許文献に記載されている方法では、無機酸化物微粒子を含有する光学機能層塗布液を塗設して光学機能層を形成していく乾燥過程では有機溶剤が揮発して、無機酸化物微粒子の濃度が上がり、凝集が促進されていた。したがって、形成された光学機能層中の粒子分散の安定性という意味では、十分なレベルではなかった。また、低屈折率層の塗布膜面に異物が生じることがあった。このような異物は、反射防止フィルムの外観特性(表示品位)に悪影響を及ぼすため、極力低減する必要があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、異物故障がなく、十分な耐擦性、光学特性を備えた光学フィルムを得るための光学機能層形成用組成物、該光学機能層形成用組成物を用いた光学フィルム、反射防止フィルム、偏光板を提供することを目的とする。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、透光性樹脂と、透光性樹脂微粒子と、フルオロ脂肪族基含有ポリマーと、を含有してなる光学機能層形成用組成物において、前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーが下記一般式(1)で表される少なくとも一種であることを特徴とする光学機能層形成用組成物を提供する。
一般式(1)
Figure 2009014917
一般式(1)中、i及びjはそれぞれ1以上の整数を表し、各繰り返し単位がそれぞれi及びj種類含まれることを意味し;Mはエチレン性不飽和モノマーより誘導され、且つk(kは1以上の整数)種類含まれる繰り返し単位であり;a、b及びcは重合比を表す質量百分率で、Σaiは1〜98質量%の数値を表し、Σbjは1〜98質量%の数値を表し、Σckは1〜98質量%の数値を表し;R11及びR12はそれぞれ、水素原子又はメチル基を表し;X及びXはそれぞれ、酸素原子、イオウ原子又は−N(R13)−を表し、R13は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し;m1及びm2はそれぞれ1〜6の整数を表し、n1は0〜3の整数を表す。
請求項1によれば、一般式(1)で表されるフルオロ脂肪族基含有ポリマーを光学機能層形成用組成物中に含有することにより、塗布後の初期乾燥において、前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーが塗布液の空気界面に速やかに移動し、塗膜空気界面を安定化させるため、乾燥ムラが生じることを抑制することができる。
請求項2は請求項1において、Σai/(Σai+Σbj)が、0.2〜0.8であることを特徴とする。
請求項3は請求項1または2において、Σai+Σbjが、フルオロ脂肪族基含有ポリマー全量に対して、20〜50質量%であることを特徴とする。
請求項2および3は、乾燥ムラをより効果的に抑制できる好ましいフルオロ脂肪族基含有ポリマーの組成を示したものである。
請求項4は請求項1から3において、前記一般式(1)中、n1が0であることを特徴とする。
請求項5は請求項1から4において、最大泡圧法にて測定した10m秒後の表面張力と1000m秒後の表面張力との比(10m秒/1000m秒)が、1.00〜1.20であることを特徴とする。
請求項5は、光学機能層形成用組成物の好ましい測定開始後の表面張力比を規定したものであり、10m秒後と1000m秒後の比を上記範囲とすることにより、乾燥ムラの発生を抑制することができる。
請求項6は請求項1から5において、前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーの濃度C質量%と、該フルオロ脂肪族基含有ポリマー中のフッ素含量F%との積C×Fが、0.05〜0.12であることを特徴とする。
請求項6によれば、C×Fを0.05〜0.12の範囲とすることにより、初期乾燥時のムラを軽減し、外観特性の良好な光学フィルムを製造することができる。C×Fが0.05未満であると、空気界面での透光性樹脂微粒子の制御が十分でなく、光学フィルムの外観特性(ムラの程度)が悪くなるという問題がある。また、0.12を超えると光学機能層形成用組成物を透明支持体に塗布したときの塗布性が十分でなく光学フィルムの外観特性(ハジキ故障が発生する)が悪くなるという問題がある。
本発明の請求項7は、前記目的を達成するために、透明フィルム上に、光学機能層形成用組成物を塗設して光学機能層が形成されてなる光学フィルムにおいて、前記光学機能層形成用組成物が、透光性樹脂と、透光性樹脂微粒子と、下記一般式(1)で表される少なくとも一種のフルオロ脂肪族基含有ポリマーを含有することを特徴とする光学フィルムを提供する。
一般式(1)
Figure 2009014917
一般式(1)中、i及びjはそれぞれ1以上の整数を表し、各繰り返し単位がそれぞれi及びj種類含まれることを意味し;Mはエチレン性不飽和モノマーより誘導され、且つk(kは1以上の整数)種類含まれる繰り返し単位であり;a、b及びcは重合比を表す質量百分率で、Σaiは1〜98質量%の数値を表し、Σbjは1〜98質量%の数値を表し、Σckは1〜98質量%の数値を表し;R11及びR12はそれぞれ、水素原子又はメチル基を表し;X及びXはそれぞれ、酸素原子、イオウ原子又は−N(R13)−を表し、R13は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し;m1及びm2はそれぞれ1〜6の整数を表し、n1は0〜3の整数を表す。
請求項7によれば、一般式(1)で表されるフルオロ脂肪族基含有ポリマーを光学機能層形成用組成物中に含有し、光学フィルムを製造することにより、塗布後の初期乾燥において、前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーが塗布液の空気界面に速やかに移動し、塗膜空気界面を安定化させるため、乾燥ムラが生じることを抑制することができ、外観特性の良好な光学フィルムを製造することができる。
本発明の請求項8は、前記目的を達成するために、請求項7に記載の光学フィルム上に、前記光学機能層より屈折率の低い低屈折率層を積層した反射防止フィルムを提供する。
本発明の請求項9は、請求項7に記載の光学フィルムまたは請求項8に記載の反射防止フィルムのいずれかを備える偏光板を提供する。
請求項8または9によれば、請求項7に記載の光学フィルムは、乾燥ムラの少ない高額フィルムであるため、反射防止フィルムまたは偏光板として好適に用いることができる。
したがって、ムラを生じることなく、又は、ムラが少ない光学フィルムおよび反射防止フィルムの作製に有用な透光性樹脂中に透光性樹脂微粒子を有する光学機能層形成用組成物を提供することができる。また、かかる光学フィルムまたは反射防止フィルムを用いた偏光板を提供することができる。
以下、本発明に係る光学機能層形成用組成物、光学フィルム、反射防止フィルム、およびそれらを用いた偏光板の好ましい実施の形態について説明する。なお、本実施形態では、光学フィルムが低屈折率(光学機能層)を備えた反射防止フィルムである例について説明するが、これに限定されるものではない。また、明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
本発明に係る光学フィルムは、透明な基材フィルム(透明支持体)上に、光学機能層を有している。光学フィルムの最も単純な例としては、基材フィルム上に低屈折率層のみを塗設した構成である。光学機能層としては、ハードコート層、防眩層、高屈折率層(基材フィルムよりも屈折率の高い)、中屈折率層(基材フィルムまたはハードコート層よりも屈折率が高く、高屈折率層よりも屈折率層の低い層)、または、これらを組み合わせた層を挙げることができ、これに、低屈折率層(基材フィルムよりも屈折率の低い層)を組み合わせた層である。
反射率を低下させるためには、高屈折率層に低屈折率層を組み合わせて構成することが好ましい。また、屈折率の異なる3層を中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の順に積層する構成を挙げることができる。また、耐久性、光学特性、コストや生産性などから、ハードコート層を有する基材フィルム上に中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層の順に塗布することが好ましい。
以下に、本発明の光学フィルムの好ましい構成の例を示す。
基材フィルム/低屈折率層、
基材フィルム/防眩層/低屈折率層、
基材フィルム/ハードコート層/防眩層/低屈折率層、
基材フィルム/ハードコート層/高屈折率層/低屈折率層、
基材フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
基材フィルム/防眩層/高屈折率層/低屈折率層、
基材フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
基材フィルム/帯電防止層/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
帯電防止層/基材フィルム/ハードコート層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
基材フィルム/帯電防止層/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
帯電防止層/基材フィルム/防眩層/中屈折率層/高屈折率層/低屈折率層、
帯電防止層/基材フィルム/防眩層/高屈折率層/低屈折率層/高屈折率層/低屈折率層
本発明における光学フィルムは、光学干渉により反射率を低減できるものであれば、特に上記の構成に限定されない。ハードコート層は、防眩機能を有する防眩性ハードコート層でもよく、あるいは防眩機能がなく、光拡散機能を有する光拡散性ハードコート層でもよい。さらに、高屈折率層や中屈折率層は、防眩性機能やハードコート機能、光拡散機能を有するものでもよい。また、帯電防止層は、導電性ポリマー粒子または金属酸化物微粒子(例えばSnO、ITO)を含有することが好ましい。このように導電性ポリマー粒子または金属酸化物粒子は、塗布または大気圧プラズマ処理などにより設けることができる。
以下、光学機能層形成用組成物、低屈折率層形成用組成物(低屈折率層を形成するための各種材料)、およびその他光学フィルムの構成材料について説明する。
<光学機能層形成用組成物>
本発明の光学機能層形成用組成物は、透光性樹脂と、透光性樹脂微粒子と、フルオロ脂肪族基含有ポリマーと、を含有してなる。
[透光性樹脂]
透光性樹脂としては、エチレン性不飽和基を有する化合物を用いることが、皮膜強度、塗布液の安定性、塗膜の生産性等の点で好ましい。
このような透光性樹脂としては、飽和炭化水素鎖又はポリエ−テル鎖を主鎖として有するバインダーポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素鎖を主鎖として有するバインダーポリマーであることが更に好ましい。飽和炭化水素鎖を主鎖として有し、かつ架橋構造を有するバインダーポリマーとしては、二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの共重合体が好ましい。
高屈折率にするには、上記モノマーの構造中に芳香族環や、フッ素以外のハロゲン原子、硫黄原子、リン原子、及び窒素原子から選ばれた少なくとも1種の原子を含むことが好ましい。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーとしては、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4-シクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼン及びその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)及びメタクリルアミドが挙げられる。上記モノマーは2種以上併用してもよい。なお、本明細書においては、「(メタ)アクリレート」は「アクリレート又はメタクリレート」を表す。
高屈折率モノマーの具体例としては、ビス(4−メタクリロイルチオフェニル)スルフィド、ビニルナフタレン、ビニルフェニルスルフィド、4−メタクリロキシフェニルー4′−メトキシフェニルチオエーテル等が挙げられる。これらのモノマーも2種以上併用してもよい。
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーの重合は、光ラジカル開始剤あるいは熱ラジカル開始剤の存在下、電離放射線の照射又は加熱により行うことができる。
また、透光性樹脂として、ポリエーテルを主鎖とするポリマーを使用することもできるが、この場合、多官能エポキシ化合物の開環重合体が好ましい。多官能エポキシ化合物の開環重合は、光酸発生剤又は熱酸発生剤の存在下、電離放射線の照射又は加熱により行うことができる。これにより、多官能エポシキシ化合物、光酸発生剤又は熱酸発生剤、透光性樹脂微粒子及び無機フィラーを含有する塗布液を調製し、該塗布液を透明支持体上に塗布した後、電離放射線又は熱による重合反応により硬化して光学機能層を形成することができる。
二個以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりに、又はそれに加えて、架橋性官能基を有するモノマーを用いてポリマー中に架橋性官能基を導入し、この架橋性官能基の反応により、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。
架橋性官能基の例としては、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基及び活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステル及びウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。すなわち、本発明において架橋性官能基は、すぐには反応を示すものではなくとも、分解した結果反応性を示すものであってもよい。
これら架橋性官能基を有するバインダーポリマーは塗布後、加熱することによって架橋構造を形成することができる。
<透光性樹脂微粒子>
続いて本発明に用いることのできる透光性樹脂微粒子について説明する。
透光性樹脂微粒子は、光学機能層に防眩性を付与する目的で添加することができる。透光性樹脂微粒子としては、平均粒径が0.1〜5.0μm、好ましくは1.5〜3.5μmの樹脂粒子を挙げることができる。透光性樹脂微粒子と透光性樹脂の屈折率の差は、0.02〜020であることが好ましく、0.04〜0.10であることが好ましい。これは、透光性樹脂微粒子と透光性樹脂間の屈折率の差が、大きすぎるとフィルムが白濁し、小さすぎると十分な光拡散効果を得ることができないからである。
上記と同様の理由から、透光性樹脂に対する透光性樹脂微粒子の添加量は3〜30質量%であることが好ましく、5〜20質量%であることが好ましい。
透光性樹脂微粒子としては、例えばアクリル樹脂、架橋アクリル粒子、ポリスチレ粒子、架橋スチレン粒子、メラミン樹脂粒子、ベンゾグアナミン樹脂粒子などの樹脂粒子が好ましく使用できる。なかでも、架橋スチレン粒子、架橋アクリル粒子などが好ましい。透光性樹脂微粒子の形状は、真球または不定形のいずれも使用できる。
また、異なる2種以上の透光性樹脂微粒子を併用することができる。異なる2種類以上の透光性樹脂微粒子を併用する場合は、両者の混合による屈折率の制御を効果的に行うために、屈折率の差が0.02以上0.10以下であることが好ましく、0.03以上0.07以下であることが好ましい。
透光性樹脂微粒子の粒子径分布は、単分散であることが最も好ましく、各粒子の粒子径は、それぞれ同一に近いほどよい。たとえば、平均粒子径よりも20%以上粒子径が大きな粒子を粗大粒子と規定した場合には、この粗大粒子の割合は、全粒子数の1%以下であることが好ましく、0.1%以下であることがより好ましく、0.01%以下であることが更に好ましい。このような好ましい粒子径分布を有する透光性樹脂微粒子は、通常の合成反応後に分級によって得られ、分級の回数を上げたり、その程度を強くしたりすることにより得ることができる。
上記透光性樹脂微粒子は、光学機能層中に30〜1000mg/m含まれていることが好ましく、300〜800mg/m含まれていることがより好ましい。
透光性樹脂微粒子の粒度分布は、コールターカウンター法により測定された分布を、粒子数分布に換算することにより算出される。
光学機能層は、屈折率を向上させ、かつ硬化収縮を低減する目的で、上記の透光性樹脂微粒子に加えて、チタン、ジルコニウム、アルミニウム、インジウム、亜鉛、錫、アンチモンのうちより選ばれる少なくとも1種の金属の酸化物からなり、平均粒径が0.2μm以下、好ましくは0.06μm以下である無機微粒子が含有されることが好ましい。
<フルオロ脂肪族基含有ポリマー>
本発明の光学機能層形成用組成物に含まれるフルオロ脂肪族基含有ポリマーは下記一般式で表される。
一般式(1)
Figure 2009014917
一般式(1)中、i及びjはそれぞれ1以上の整数を表し、各繰り返し単位がそれぞれi及びj種類含まれることを意味し;Mはエチレン性不飽和モノマーより誘導され、且つk(kは1以上の整数)種類含まれる繰り返し単位であり;a、b及びcは重合比を表す質量百分率で、Σaiは1〜98質量%の数値を表し、Σbjは1〜98質量%の数値を表し、Σckは1〜98質量%の数値を表し;R11及びR12はそれぞれ、水素原子又はメチル基を表し;X及びXはそれぞれ、酸素原子、イオウ原子又は−N(R13)−を表し、R13は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し;m1及びm2はそれぞれ1〜6の整数を表し;n1は0〜3の整数を表す。
上記式(1)中、下記繰り返し単位A及びBはそれぞれ、末端が−(CFCFFであるフルオロ脂肪族基含有モノマーA及び末端が−(CFCFFであるフルオロ脂肪族基含有モノマーBから誘導される繰り返し単位である。
Figure 2009014917
前記繰り返し単位A及びB中、X及びXはそれぞれ、Oであるのが好ましい。即ち、前記繰り返し単位A及びBはそれぞれ、(メタ)アクリル系モノマー由来の繰り返し単位であるのが好ましい。m1及びm2はそれぞれ、1〜4であるのが好ましく、1〜2であるのがより好ましい。n1は、0〜2であるのが好ましく、0又は1であるのがより好ましく、0であるのが最も好ましい。
以下に、前記繰り返し単位Aを誘導するフルオロ脂肪族基含有モノマーの例を列挙するが、これらに限定されるものではない。中でも、(メタ)アクリル系モノマーである、例示化合物A1−1〜6及びA2−1〜6が好ましい。なお、下記の例示化合物は、式(1)中のn1=0の化合物を列挙しているが、n1が1〜3の化合物も、勿論、前記繰り返し単位Aを誘導するフルオロ脂肪族基含有モノマーの例に含まれる。
Figure 2009014917
Figure 2009014917
以下に、前記繰り返し単位Bを誘導するフルオロ脂肪族基含有モノマーの例を列挙するが、これらに限定されるものではない。中でも、(メタ)アクリル系モノマーである、例示化合物B1−1〜6及びB2−1〜6が好ましい。
Figure 2009014917
Figure 2009014917
前記フルオロ脂肪族基含有モノマーは、テロメリゼーション法(テロマー法ともいわれる)又はオリゴメリゼーション法(オリゴマー法ともいわれる)により製造することができる。これらのフルオロ脂肪族化合物の製造法に関しては、例えば、「フッ素化合物の合成と機能」(監修:石川延男、発行:株式会社シーエムシー、1987)の117〜118ページや、「Chemistry of Organic Fluorine Compounds II」(Monograph 187,Ed by Milos Hudlicky and Attila E.Pavlath,American Chemical Society 1995)の747-752ページに記載されている。テロメリゼーション法とは、ヨウ化物等の連鎖移動常数の大きいアルキルハライドをテローゲンとして、テトラフルオロエチレン等のフッ素含有ビニル化合物のラジカル重合を行い、テロマーを合成する方法である(Scheme-1に例を示した)。
Figure 2009014917
得られた、末端ヨウ素化テロマーは通常、例えば[Scheme2]のごとき適切な末端化学修飾を施され、フルオロ脂肪族化合物へと導かれる。
Figure 2009014917
前記式(1)中、Mは、エチレン性不飽和モノマーより誘導される繰り返し単位である。Mについては特に制限されないが、側鎖に水素結合性を有する極性基を有する繰り返し単位であるのが好ましい。Mは、下記一般式(2)で表される繰り返し単位であるのが好ましい。
一般式(2)
Figure 2009014917
上記一般式(2)において、R、R、およびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子または−L−Qで表される基を表す。Lは2価の連結基を表し、Qは水素結合性を有する極性基を表す。
Lは下記の連結基群から選ばれる任意の基、またはそれらの2つ以上を組み合わせて形成される2価の連結基が好ましい。
(連結基群)
単結合、−O−、−CO−、−NR−、−S−、−SO−、−P(=O)(OR)−、アルキレン基、アリーレン基(Rは水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す。Rはアルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す。)
更に詳細に説明すると、一般式(2)中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等)、または後述する−L−Qで表される基であり、好ましくは水素原子、炭素数1〜6のアルキル基、塩素原子、−L−Qで表される基であり、より好ましくは水素原子、炭素数1〜4のアルキル基であり、特に好ましいのは水素原子、炭素数1〜2のアルキル基である。R、RおよびRが取りうるアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基等が挙げられる。該アルキル基は、1以上の置換基を有していてもよい。該置換基としては、ハロゲン原子、アリール基、ヘテロ環基、アルコキシル基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アシル基、ヒドロキシル基、アシルオキシ基、アミノ基、アルコキシカルボニル基、アシルアミノ基、オキシカルボニル基、カルバモイル基、スルホニル基、スルファモイル基、スルホンアミド基、スルホリル基、カルボキシル基などが挙げられる。
なお、アルキル基の炭素数は、置換基の炭素原子を含まない。以下、他の基の炭素数についても同様である。
Lは、単結合、−O−、−CO−、−NR−、−S−、−SO−、−PO(OR)−、アルキレン基、アリーレン基またはこれらを組み合わせて形成される2価の連結基を表す。ここでRは、水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す。Rはアルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す。
Lとしては、単結合、−O−、−CO−、−NR−、−S−、−SO−、アルキレン基、アリーレン基を含むことが好ましく、−CO−、−O−、−NR−、アルキレン基、またはアリーレン基を含んでいることが特に好ましい。
Lが、アルキレン基を含む場合、アルキレン基の炭素数は、好ましくは1〜10、より好ましくは1〜8、特に好ましくは1〜6である。特に好ましいアルキレン基の具体例として、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラブチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられる。
Lが、アリーレン基を含む場合、アリーレン基の炭素数は、好ましくは6〜24、より好ましくは6〜18、特に好ましくは6〜12である。特に好ましいアリーレン基の具体例として、フェニレン基、ナフタレン基等が挙げられる。
Lが、アルキレン基とアリーレン基を組み合わせて得られる2価の連結基(即ちアラルキレン基)を含む場合、アラルキレン基の炭素数は、好ましくは7〜34、より好ましくは7〜26、特に好ましくは7〜16である。特に好ましいアラルキレン基の具体例として、フェニレンメチレン基、フェニレンエチレン基、メチレンフェニレン基等が挙げられる。
Lとして挙げられた基は、適当な置換基を有していても良い。このような置換基としては先にR〜Rにおける置換基として挙げた置換基と同様なものを挙げることができる。
以下にLの具体的構造を例示するが、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
Figure 2009014917
Figure 2009014917
Qは水素結合性を有する極性基であれば得に制限はない。好ましくは水酸基、カルボキシル基、カルボキシル基の塩(例えばリチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩(例えばアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、トリメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、ジメチルフェニルアンモニウムなど)、ピリジニウム塩など)、カルボン酸のアミド(N無置換体またはN−モノ低級アルキル置換体、例えば−CONH、−CONHCHなど)スルホ基、スルホ基の塩(塩を形成するカチオンの例は上記カルボキシル基に記載のものと同じ)、スルホンアミド基(N無置換体またはN−モノ低級アルキル置換体、−SONH、−SONHCHなど)、ホスホ基、ホスホ基の塩(塩を形成するカチオンの例は上記カルボキシル基に記載のものと同じ)、ホスホンアミド(N無置換体またはN−モノ低級アルキル置換体、例えば−OP(=O)(NH、−OP(=O)(NHCHなど)、ウレイド基(−NHCONH)、N位が無置換またはモノ置換されたアミノ基(−NH、−NHCH)などである(ここで低級アルキル基はメチル基またはエチル基を表す)。
より好ましくは水酸基、カルボキシル基、スルホ基、ホスホ基であり、さらに好ましいのは水酸基またはカルボキシル基であり、特に好ましいのは水酸基である。
前記一般式(2)で表される繰り返し単位は、(メタ)アクリル系モノマーから誘導される繰り返し単位であるのが好ましい。
以下に、繰り返し単位Mを誘導するエチレン性不飽和モノマーの具体例を以下に示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2009014917
Figure 2009014917
Figure 2009014917
前記一般式(1)で表されるフルオロ脂肪族基含有ポリマーは、繰り返し単位A、B及びMをそれぞれ少なくとも1種含む。即ち、上記式(1)中、各繰り返し単位の種類の数を意味する、i、j及びkは、それぞれ1以上の整数である。前記一般式(1)で表されるフルオロ脂肪族基含有ポリマーは、各繰り返し単位を2種以上含んでいてもよいし、また、繰り返し単位A、B及びM以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。
例えば、前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーは、下記モノマー群から選ばれるモノマーから誘導される繰り返し単位を1種含有していてもよいし、2種以上含有していてもよい。
モノマー群
(1)アルケン類
エチレン、プロピレン、1−ブテン、イソブテン、1−ヘキセン、1−ドデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、ヘキサフルオロプロペン、フッ化ビニリデン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、テトラフルオロエチレン、塩化ビニル、塩化ビニリデンなど;
(2)ジエン類
1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−n−プロピル−1,3−ブタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−α−ナフチル−1,3−ブタジエン、1−β−ナフチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエン、1−ブロモ−1,3−ブタジエン、1−クロロブタジエン、2−フルオロ−1,3−ブタジエン、2,3−ジクロロ−1,3−ブタジエン、1,1,2−トリクロロ−1,3−ブタジエンおよび2−シアノ−1,3−ブタジエン、1,4−ジビニルシクロヘキサンなど;
(3)α,β−不飽和カルボン酸の誘導体
(3a)アルキルアクリレート類
メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、アミルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、tert−オクチルアクリレート、ドデシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−クロロエチルアクリレート、2−ブロモエチルアクリレート、4−クロロブチルアクリレート、2−シアノエチルアクリレート、2−アセトキシエチルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、2−クロロシクロヘキシルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−メトキシエチルアクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコールアクリレート(ポリオキシエチレンの付加モル数:n=2ないし100のもの)、3−メトキシブチルアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルアクリレート、1−ブロモ−2−メトキシエチルアクリレート、1,1−ジクロロ−2−エトキシエチルアクリレート、グリシジルアクリレートなど);(3b)アルキルメタクリレート類
メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、アミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニルメタクリレート、アリルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、クレジルメタクリレート、ナフチルメタクリレート、2−メトキシエチルメタクリレート、3−メトキシブチルメタクリレート、ω−メトキシポリエチレングリコールメタクリレート(ポリオキシエチレンの付加モル数:n=2ないし100のもの)、2−アセトキシエチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−(2−ブトキシエトキシ)エチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、3−トリメトキシシリルプロピルメタクリレート、アリルメタクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレートなど;
(3c)不飽和多価カルボン酸のジエステル類
マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、タコン酸ジブチル、クロトン酸ジブチル、クロトン酸ジヘキシル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジメチルなど;
(3d)α,β−不飽和カルボン酸のアミド類
N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N−n−プロピルアクリルアミド、N−tertブチルアクリルアミド、N−tertオクチルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−(2−アセトアセトキシエチル)アクリルアミド、N−ベンジルアクリルアミド、N−アクリロイルモルフォリン、ジアセトンアクリルアミド、N−メチルマレイミドなど;
(4)不飽和ニトリル類
アクリロニトリル、メタクリロニトリルなど;
(5)スチレンおよびその誘導体
スチレン、ビニルトルエン、エチルスチレン、p−tertブチルスチレン、p−ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレン、p−クロロメチルスチレン、ビニルナフタレン、p−メトキシスチレン、p−ヒドロキシメチルスチレン、p−アセトキシスチレンなど;
(6)ビニルエステル類
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、クロロ酢酸ビニル、メトキシ酢酸ビニル、フェニル酢酸ビニルなど;
(7)ビニルエーテル類
メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−ペンチルビニルエーテル、n−ヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、n−ドデシルビニルエーテル、n−エイコシルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、フルオロブチルビニルエーテル、フルオロブトキシエチルビニルエーテルなど;および
(8)その他の重合性単量体
N−ビニルピロリドン、メチルビニルケトン、フェニルビニルケトン、メトキシエチルビニルケトン、2−ビニルオキサゾリン、2−イソプロペニルオキサゾリンなど。
前記一般式(1)中、a、b及びcは、各繰り返し単位を誘導するモノマーの重合比を表す質量百分率で、Σaiは1〜98質量%の数値を表し、Σbjは1〜98質量%の数値を表し、Σckは1〜98質量%の数値を表す。Σaiは5〜40質量%であり、Σbjは5〜40質量%であり、Σckは20〜90質量%であるのが好ましく、Σaiは10〜35質量%であり、Σbjは10〜35質量%であり、Σckは30〜80質量%であるのがより好ましい。前記一般式(1)で表されるフルオロ脂肪族基含有ポリマーは、前記繰り返し単位A、B及びM以外の繰り返し単位を含んでいてもよく、即ち、Σai+Σbj+Σck<100質量%であってもよいが、前記繰り返し単位A、B及びM以外の繰り返し単位を含まないのが好ましく、即ち、Σai+Σbj+Σck=100質量%であるのが好ましい。
また、フルオロ脂肪族基含有ポリマーに含まれるフルオロ脂肪族基含有モノマーから誘導される繰り返し単位A及びBの割合が、所定の範囲であると、乾燥初期におけるムラの発生をより軽減できるので好ましい。具体的には、i種の繰り返し単位Aの総質量Σaiと、j種の繰り返し単位Bの総質量の和(Σai+Σbj)が、20〜50質量%であるのが好ましく、25〜45質量%であるのがより好ましく、25〜40質量%であるのがさらに好ましい。(Σai+Σbj)が、20質量%未満であると、空気界面での液晶化合物の制御が十分でなく、光学フィルムのムラを低減させる本発明の効果が弱い場合があり、50質量%を超えると、液晶性組成物を表面(例えばポリマーフィルム等の透明支持体の表面)に塗布したときの塗布性が十分でなくハジキ故障が発生する場合がある。(Σai+Σbj)が前記範囲であると、かかる問題がなく、初期乾燥時のムラをより軽減することができる。
また、同様の観点から、Σai+Σbjに対するΣaiの比(Σai/(Σai+Σbj))が、0.2〜0.8であるのが好ましく、0.3〜0.6であるのがより好ましく、0.35〜0.55であるのがさらに好ましい。前記比(Σai/(Σai+Σbj))が、0.2未満であると、空気界面での液晶化合物の制御が十分でなく、光学フィルムのムラを低減させる本発明の効果が弱い場合があり、0.8を超えると、液晶性組成物を表面(例えばポリマーフィルム等の透明支持体の表面)に塗布したときの塗布性が十分でなくハジキ故障が発生する場合がある。Σai/(Σai+Σbj))が前記範囲である
と、かかる問題がなく、初期乾燥時のムラをより軽減できるので好ましい。
本発明に使用可能なフルオロ脂肪族基含有ポリマーの具体例を以下の表にまとめるが、以下の具体例に制限されるものではない。なお、下記表中、繰り返し単位A、B及びMは、それぞれの繰り返し単位を誘導するモノマーの例示化合物No.により特定している。
Figure 2009014917
本発明の光学機能層形成用組成物は、前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーを、少なくとも1種含有していればよく、勿論2種以上含有していてもよい。前記組成物中において、前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーの添加量としては、透光性樹脂の質量の0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%がさらに好ましい。
また、前記組成物(組成物が塗布液等として調製される場合は、固形分濃度)中における前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーの濃度C質量%の好ましい範囲は、該フルオロ脂肪族基含有ポリマー中のフッ素含量F%によって変動する。乾燥初期のムラをより軽減するためには、前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーの濃度C質量%と該フルオロ脂肪族基含有ポリマー中のフッ素含量F%との積は、0.05〜0.12であるのが好ましく、0.06〜0.09であるのがより好ましく、0.06〜0.08であるのがさらに好ましい。C×Fが0.05未満であると、空気界面での液晶化合物の制御が十分でなく、光学フィルムの外観特性(ムラの程度)が悪くなる場合があり、0.12を超えると液晶性組成物を表面(例えばポリマーフィルム等の透明支持体の表面)に塗布したときの塗布性が十分でなく光学フィルムの外観特性(ハジキ故障が発生する)が悪くなる場合がある。C×Fが前記範囲であると、かかる問題がなく、初期乾燥時のムラをより軽減することができる。
<第2のフルオロ脂肪族基含有ポリマー>
本発明の液晶性組成物中には、前記フルオロ脂肪族基含有ポリマー(以下、「第1のフルオロ脂肪族基含有ポリマー」という)の範囲外のフルオロ脂肪族基含有ポリマー(以下、「第2のフルオロ脂肪族基含有ポリマー」という場合がある)を1種以上添加してもよい。第2のフルオロ脂肪族基含有ポリマーとしては、フルオロ脂肪族基を有するモノマーから誘導される繰り返し単位の少なくとも一種と、カルボキシル基(−COOH)もしくはその塩、スルホ基(−SOH)もしくはその塩、またはホスホノキシ{−OP(=O)(OH)}もしくはその塩等の酸性基を有するモノマーから誘導される繰り返し単位の少なくとも一種と、を含有しているのが好ましい。
前記第2のフルオロ脂肪族基含有ポリマーの好ましい例としては、WO2006/001504号公報に記載の下記ポリマーA(フルオロ脂肪族基含有モノマーより誘導される繰り返し単位と下記一般式(1a)で表される繰り返し単位とを含む共重合体である)が挙げられる。
一般式(1a)
Figure 2009014917
(式中、R1a、R2aおよびR3aはそれぞれ、水素原子または置換基を表し;Lは下記の連結基群から選ばれる2価の連結基または下記の連結基群から選ばれる2つ以上を組み合わせて形成される2価の連結基を表し、
(連結基群)
単結合、−O−、−CO−、−NR4a−(R4aは水素原子、アルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す)、−S−、−SO−、−P(=O)(OR5a)−(R5aはアルキル基、アリール基、またはアラルキル基を表す)、アルキレン基およびアリーレン基;Qはカルボキシル基(−COOH)もしくはその塩、スルホ基(−SOH)もしくはその塩、またはホスホノキシ{−OP(=O)(OH)}もしくはその塩を表す。)
式中、R1a、R2a、R3a、及びLはそれぞれ、前記一般式(2)中の、R、R、R及びLの好ましい範囲とそれぞれ同義である。
前記第2のフルオロ脂肪族基含有ポリマーが有する、フルオロ脂肪族基含有モノマーから誘導される繰り返し単位としては、前記繰り返し単位A及びBのいずれかであってもよい。また、下記式(3)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーから誘導される繰り返し単位も好ましい。
一般式(3)
Figure 2009014917
一般式(3)中、Rは水素原子またはメチル基を表し、Xは酸素原子、イオウ原子または−N(R15)−を表し、R15は水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。Zは水素原子又はフッ素原子を表し、mは1〜6の整数を表し、nは2〜4の整数を表す。
また、前記第2のフルオロ脂肪族基含有ポリマーは、前記一般式(2)で表される水素結合性基を有する繰り返し単位を含んでいてもよいし、上記モノマー群(1)〜(7)から選択される少なくとも一種のモノマーから誘導される繰り返し単位を含んでいてもよい。以下に、本発明の液晶性組成物に、第2のフルオロ脂肪族含有ポリマーとして使用可能なポリマーの例示化合物を列挙するが、以下の具体例に限定されるものではない。
Figure 2009014917
Figure 2009014917
Figure 2009014917
Figure 2009014917
Figure 2009014917
Figure 2009014917
Figure 2009014917
Figure 2009014917
Figure 2009014917
前記第2のフルオロ脂肪族含有ポリマーを添加する態様では、前記第2のフルオロ脂肪族含有ポリマーの添加量(質量%)は、前記第1のフルオロ脂肪族基含有ポリマーの添加量(質量%)以下であるのが好ましい。
前記第1のフルオロ脂肪族基含有ポリマー(および所望により添加される第2のフルオロ脂肪族基含有ポリマー)の重量平均分子量は1,000,000以下であることが好ましい。更に好ましくは重量平均分子量が500,000以下であり、特に好ましくは重量平均分子量が100,000以下のものである。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)を用いて、ポリエチレンオキサイド(PEO)換算の値として測定可能である。
前記第1のフルオロ脂肪族基含有ポリマー(および所望により添加される第2のフルオロ脂肪族基含有ポリマー)の製造方法について特に制限されない。例えば、ビニル基を利用したカチオン重合やラジカル重合、あるいは、アニオン重合等の重合方法により製造することができ、これらの中では、ラジカル重合方法が汎用に利用できる点で特に好ましい。
ラジカル重合の重合開始剤としては、ラジカル熱重合開始剤や、ラジカル光重合開始剤等の公知の化合物を使用することができるが、特に、ラジカル熱重合開始剤を使用することが好ましい。ここで、ラジカル熱重合開始剤は、分解温度以上に加熱することにより、ラジカルを発生させる化合物である。このようなラジカル熱重合開始剤としては、例えば、ジアシルパーオキサイド(アセチルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド等)、ケトンパーオキサイド(メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド等)、ハイドロパーオキサイド(過酸化水素、tert−ブチルハイドパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド等)、ジアルキルパーオキサイド(ジ−tert−ブチルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジラウロイルパーオキサイド等)、パーオキシエステル類(tert−ブチルパーオキシアセテート、tert−ブチルパーオキシピバレート等)、アゾ系化合物(アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスイソバレロニトリル等)、過硫酸塩類(過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等)が挙げられる。このようなラジカル熱重合開始剤は、1種を単独で使用することもできるし、あるいは2種以上を組み合わせて使用することもできる。
ラジカル重合方法は、特に制限されるものでなく、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法等を採ることが可能である。典型的なラジカル重合方法である溶液重合についてさらに具体的に説明する。他の重合方法についても概要は同等であり、その詳細は例えば「高分子科学実験法」高分子学会編(東京化学同人、1981年)等に記載されている。
溶液重合を行うためには有機溶媒を使用する。これらの有機溶媒は本発明の目的、効果を損なわない範囲で任意に選択可能である。これらの有機溶媒は通常、大気圧下での沸点が50〜200℃の範囲内の値を有する有機化合物であり、各構成成分を均一に溶解させる有機化合物が好ましい。好ましい有機溶媒の例を示すと、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール類、ジブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル、γ−ブチロラクトン等のエステル類、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類が挙げられる。なお、これらの有機溶媒は、1種単独または2種以上を組み合わせて用いることが可能である。さらに、モノマーや生成するポリマーの溶解性の観点から上記有機溶媒に水を併用した水混合有機溶媒も適用可能である。
また、溶液重合条件も特に制限されるものではないが、例えば、50〜200℃の温度範囲内で、10分〜30時間加熱することが好ましい。さらに、発生したラジカルが失活しないように、溶液重合中はもちろんのこと、溶液重合開始前にも、不活性ガスパージを行うことが好ましい。不活性ガスとしては通常窒素ガスが好適に用いられる。
前記第1のフルオロ脂肪族基含有ポリマー(及び所望により添加される第2のフルオロ脂肪族基含有ポリマー)を好ましい分子量範囲で得るためには、連鎖移動剤を用いたラジカル重合法が特に有効である。
連鎖移動剤としてはメルカプタン類(例えば、オクチルメルカプタン、デシルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン、オクタデシルメルカプタン、チオフェノール、p−ノニルチオフェノール等)、ポリハロゲン化アルキル(例えば、四塩化炭素、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,1−トリブロモオクタンなど)、低活性モノマー類(α−メチルスチレン、α−メチルスチレンダイマー等)のいずれも用いることができるが、好ましくは炭素数4〜16のメルカプタン類である。これらの連鎖移動剤の使用量は、連鎖移動剤の活性やモノマーの組み合わせ、重合条件などにより著しく影響され精密な制御が必要であるが、通常は使用するモノマーの全モル数に対して0.01モル%から50モル%程度であり、好ましくは0.05モル%から30モル%、特に好ましくは0.08モル%から25モル%である。これらの連鎖移動剤は、重合過程において重合度を制御するべき対象のモノマーと同時に系内に存在させればよく、その添加方法については特に問わない。モノマーに溶解して添加してもよいし、モノマーと別途に添加することも可能である。
均一性の高い光学フィルムを作製する場合には、塗布液の表面張力は、25mN/m以下であることが好ましく、22mN/m以下であることが更に好ましい。
また、初期乾燥時のムラをより軽減するためには、前記光学機能層形成用組成物の塗布液を最大泡圧法にて測定した10m秒と1000m秒との表面張力比(10m秒/1000m秒)が、1.00〜1.20であるのが好ましく、1.00〜1.15であるのがより好ましく、1.00〜1.10であるのがさらに好ましい。前記表面張力比が1.20を越えると塗布直後の空気界面への移動速度が遅く、空気界面での塗膜表面の安定性が劣り、初期乾燥時のムラを低減する効果が十分でない場合がある。表面張力比が前記範囲であると、かかる問題がなく、初期乾燥時のムラをより軽減することができる。
なお、最大泡圧法による表面張力の測定については、「化学便覧改訂5版」8章 界面とコロイド,90頁、8.2表面張力とぬれ、「ASTM D3825−90」等に詳細が記載されているので、本発明の光学機能層形成用組成物の表面張力もかかる公報等に記載の方法を参考にして測定することができる。また、表面張力を時間変化とともに連続的に測定するためには、例えば、LAUDA社の「MPT2」などの表面張力計を用いることができる。
<透明フィルム>
本発明の光学フィルムに使用される透明フィルムとしては、プラスチックフィルムが好ましい。プラスチックフィルムを形成するポリマーとしては、セルロースエステル(例えば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、代表的には富士フイルム社製TAC−TD80U,TD80UF等)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等)、ポリスチレン、ポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂(アートン:商品名、JSR社製)、非晶質ポリオレフィン(ゼオネックス:商品名、日本ゼオン社製)、等が挙げられる。このうち、トリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートが好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。また、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を実質的に含まないセルロースアシレートフィルム及びその製造法については、発明協会公開技報(公技番号2001−1745、2001年3月15日発行、以下、公開技報2001−1745号と略す)に記載されており、該記載されたセルロースアシレートも好ましく使用できる。
<無機フィラー>
また、光学機能層形成用組成物中には、架橋収縮を防止し、高屈折率化、高強度化するための無機フィラーを含有させることができる。無機フィラーとしては、TiO、ZrO、Al、In、ZnO、SnO、Sb、ITOとSiO等が挙げられ、中でもTiO及びZrOが、高屈折率化の点で好ましい。このような無機フィラーは、表面をシリル化剤又はバインダーポリマーと反応する官能基を有する表面処理剤で処理することが好ましい。
無機フィラーの添加量は、光学機能層の全質量に対して10〜90質量%であることが好ましく、20〜80質量%であることがより好ましく、30〜70質量%であることが更に好ましい。
このような無機フィラーは、粒径が光の波長よりも十分小さいために散乱が生じない。このため、バインダーポリマーに上記無機フィラーを分散させた分散体は、光学的に均一な物質として機能する。
透光性樹脂及び無機フィラーの混合物を含む防眩性ハードコート層のバルクの屈折率は、1.48〜2.00であることが好ましく、1.50〜1.80であることがより好ましい。透光性樹脂及び無機フィラーの種類や含有量を適宜調整することにより、屈折率を上記範囲にすることができる。
このようにして形成された本発明の光学フィルムは、へイズ値が3〜70%、好ましくは4〜60%であり、450nmから650mmの平均反射率が3.0%以下、好ましくは2.5%以下である。これにより、透過画像の劣化を伴うことなく、良好な防眩性及び反射防止性を有する光学フィルムを得ることができる。
<低屈折率層形成用組成物>
低屈折率層は、低屈折率バインダー成分としての含フッ素共重合体(フルオロカーボンを含む硬化性化合物)と、ポリシロキサン構造を有する重合体(ジメチルシロキサンを含む硬化性化合物)と、ハードコート性や耐擦傷性、屈折率、表面凹凸等を付与するためのフィラー(微粒子を含む)と、を備えて構成される。
含フッ素共重合体を含むバインダー成分は、低屈折率層中の全固形分に対して60質量%以上含有されることが好ましく、70質量%以上含有されることがより好ましく、80質量%以上含有されることが更に好ましい。低屈折率層の屈折率を低くし、かつ低屈折率層の硬度を高くする観点から、多官能(メタ)アクリレート等の硬化剤も、相溶性を損なわない範囲の添加量で好ましく用いられる。
低屈折率層の屈折率は、1.20〜1.46であることが好ましく、1.25〜1.46であることがより好ましく、1.30〜1.46であることが更に好ましい。低屈折率層の厚さは、50〜200nmであることが好ましく、70〜100nmであることがさらに好ましい。低屈折率層のへイズは、3%以下であることが好ましく、2%以下であることがさらに好ましく、1%以下であることが最も好ましい。具体的な低屈折率層の強度は、500g荷重の鉛筆硬度試験でH以上であることが好ましく、2H以上であることがさらに好ましく、3H以上であることが最も好ましい。
また、光学フィルムの防汚性能を向上するために、該光学フィルムの表面の水に対する接触角が90°以上であることが好ましく、95°以上であることがより好ましく、100°以上であることが更に好ましい。
[含フッ素共重合体]
次に、本発明で用いられる含フッ素共重合体について説明する。
含フッ素共重合体としては、パーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2-テトラヒドロデシル)トリエトキシシラン)の加水分解、脱水縮合物の他、含フッ素モノマーの重合単位と架橋反応性付与のための重合単位を構成成分とする含フッ素共重合体が挙げられる。
含フッ素共重合体の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(商品名、大阪有機化学製)やM-2020(商品名、ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、好ましくはパーフルオロオレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレンである。
架橋反応性付与のための重合単位としては、グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテルのように分子内にあらかじめ自己架橋性官能基を有するモノマーの重合によって得られる重合単位、カルボキシル基やヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基等を有するモノマー(例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、マレイン酸、クロトン酸等)の重合によって得られる重合単位、これらの重合単位に高分子反応によって(メタ)アクリルロイル基等の架橋反応性基を導入した重合単位(例えばヒドロキシ基に対してアクリル酸クロリドを作用させる等の手法で導入できる)が挙げられる。本明細書において、「(メタ)アクリレート」等の記載は、「アクリレート又はメタクリレート」の意味を表す。
また、上記含フッ素モノマーの重合単位、架橋反応性付与のための重合単位以外に溶剤への溶解性、皮膜の透明性等の観点から適宜フッ素原子を含有しないモノマーの重合単位を共重合体成分とすることもできる。併用可能なモノマーとしては、特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α-メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N−tert−ブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロニトリル誘導体等を挙げることができる。
上記のポリマーに対しては特開平10−25388号公報および特開平10−147739号公報に記載のごとく適宜硬化剤を併用しても良い。
含フッ素共重合体は、パーフルオロオレフィンとビニルエーテル類又はビニルエステル類のランダム共重合体である。特に単独で架橋反応可能な基((メタ)アクリロイル基等のラジカル反応性基、エポキシ基、オキセタニル基等の開環重合性基等)を有していることが好ましい。これらの架橋反応性基含有重合単位は、ポリマーの全重合単位の5〜70mol%を占めていることが好ましく、30〜60mol%を占めていることがより好ましい。
[ポリシロキサン構造を有する重合体]
次に、本発明で用いられるポリシロキサン構造を有する重合体について説明する。
低屈折率層の防汚性を向上させ、反射防止膜表面の表面自由エネルギーを下げる観点から、ポリシロキサン構造を有する重合体を低屈折率層に含有させることが好ましい。
ポリシロキサン構造を有する重合体としては、特に限定はないが、下記一般式(4)や(5)に示されるような、側鎖にポリシロキサンセグメントを有するグラフトポリマーが好ましい。
一般式(4)
Figure 2009014917
一般式(5)
Figure 2009014917
一般式(4)で表されるポリシロキサンセグメントを側鎖に有するグラフトポリマーは、特にその主鎖構造に制限はないが、エチレン性不飽和基を重合させた構造を有することが好ましく、ポリシロキサンセグメントと主鎖とは直接結合していてもよく、適当な連結基を介して結合していても良い。
一般式(4)中、R、Rは水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、アリール基を表わす。R、Rは同一であっても異なっていてもよい。アルキル基としては、炭素数1〜4が好ましく、例としてメチル基、トリフルオロメチル基、エチル基等が挙げられる。アリール基としては炭素数6〜20が好ましく、例としてフェニル基、ナフチル基が挙げられる。これらの中でもメチル基およびフェニル基が好ましく、特に好ましくはメチル基である。R、Rにおいて置換していても良い置換基としては、炭素数1〜6のアルキル基(例えば、メチル、エチル)、炭素数6〜10のアリール基(例えば、フェニル)、炭素数1〜6のアルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ)、炭素数1〜6のアルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル)、シアノ基、フッ素原子及び塩素原子が挙げられる。pは10〜500の整数を表わし、50〜300であることが好ましく、100〜250であることがより好ましい。
側鎖に一般式(4)で表わされるポリシロキサン構造を有するポリマーは、例えばJ.Appl.Polym.Sci.2000,78,1955、特開昭56−28219号公報等に記載の如く、エポキシ基、水酸基、カルボキシル基、酸無水物基等の反応性基を有するポリマーに対して、相対する反応性基(例えばエポキシ基又は酸無水物基に対してアミノ基、メルカプト基、カルボキシル基、水酸基等)を片末端に有するポリシロキサンを高分子反応によって導入する方法、ポリシロキサン含有シリコンマクロマーを重合させる方法によって合成されるが、シリコンマクロマーの重合によって導入する方法が特に好ましい。
シリコンマクロマーとしては、その重合性基に特に制限はないが、一般式(5)で表されるような構造が好ましく、一般式(5)においてR,R,pは一般式(4)と同じ意味を表す。R〜Rは、それぞれ、置換又は無置換の1価の有機基又は水素原子を表わし、好ましくは炭素数1〜10のアルキル基(メチル基、エチル基、オクチル基等)、炭素数1〜10のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基等)、炭素数6〜20のアリール基(フェニル基、ナフチル基等)を表わし、より好ましくはフェニル基または炭素数1〜5のアルキル基であり、特に好ましくはメチル基である。R〜Rはそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。R〜Rの好ましい置換基としては、R,Rの置換基として挙げたものと同じである。Rは、水素原子又はメチル基を表わす。Lは、単結合又は2価の連結基を表し、炭素数1〜25からなるものが好ましく、重合可能なビニル基を連結できるものであれば特に制限はない。
以下に、本発明に有用な側鎖にポリシロキサン部位を含む重合単位(繰り返し単位)の好ましい例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2009014917
Figure 2009014917
Figure 2009014917
Figure 2009014917
Figure 2009014917
Figure 2009014917
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また、ポリシロキサン構造を有する添加剤としては、反応性基含有ポリシロキサン(例えばKF-100T、X−22−169AS、KF−102、X−22−3701IE、X−22−164B,X−22−5002、X−22−173B、X−22−174D、X−22−167B、X−22−161AS(以上、商品名、信越化学工業社製)、AK−5、AK−30、AK−32(以上、商品名、東亜合成社製)、サイラプレーンFM0725、サイラプレーンFM0721(以上、商品名、チッソ社製)等)を添加するのも好ましい。また、特開2003−112383の表2、表3に記載のシリコーン系化合物も好ましく使用できる。これらのポリシロキサンは、低屈折率層全固形分の0.1〜10質量%の範囲で添加されることが好ましく、1〜5質量%で添加されることがより好ましい。
<フィラー>
次に、本発明に使用されるフィラーについて説明する。
本発明に使用されるフィラーとしては、特に限定されないが、強度が高く、屈折率の選択幅が広く、無色性が高い観点から、無機微粒子、特に無機酸化微粒子が好ましい。
低屈折率層の全固形分に対する無機微粒子の含有量は、1mg/m〜100mg/mが好ましく、5mg/m〜80mg/mがより好ましく、10mg/m〜60mg/mが更に好ましい。無機微粒子の含有量が少なすぎると耐擦傷性の改善効果が小さく、無機微粒子の含有量が多すぎると、低屈折率層表面に微細な凹凸ができ、窯の締まり等の外観や積分反射率が悪化する。
無機微粒子は、低屈折率層に含有させる観点から、低屈折率のものが好ましい。無機微粒子の具体例としては、シリル化処理により分散性が改善されている無機酸化物粒子又は中空無機酸化物粒子であり、かつ低屈折率のものが好ましく使用される。たとえば、シリカ又は中空シリカの微粒子が挙げられる。
無機微粒子の平均粒径は、低屈折率層の厚さの30%以上150%以下が好ましく、35%以上80%以下がより好ましく、40%以上60%以下が更に好ましい。すなわち、低屈折率層の厚さが100nmであれば、無機微粒子の粒径は30nm以上150nm以下が好ましく、35nm以上80nm以下がより好ましく、40nm以上60nm以下が更に好ましい。無機微粒子は、結晶質、アモルファスのいずれでもよく、単分散粒子、所定の粒径を満たす範囲であれば凝集粒子でもよい。無機微粒子の形状は、球形が最も好ましいが、不定形であってもよい。
低屈折率層の屈折率上昇をより一層少なくするために、前記無機微粒子は、中空構造であるのが好ましく、また、無機微粒子の屈折率は1.17〜1.40が好ましく、1.17〜1.35がより好ましく、1.17〜1.30が更に好ましい。ここでの屈折率は、粒子全体としての屈折率を表し、中空構造の無機微粒子の場合に外殻の無機質のみの屈折率を表すものではない。このとき、粒子内の空腔の半径をaとし、粒子外殻の半径をbとすると、空隙率xは下記数式(I)で表される。
(数式I)
x=(4πa3/3)/(4πb3/3)×100
空隙率xは、10〜60%が好ましく、20〜60%がより好ましく、30〜60%が更に好ましい。
上記含フッ素共重合体、ポリシロキサン構造を有する重合体、無機微粒子等を含む低屈折率層用組成物は、必要に応じて各種添加剤及びラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤が含まれ、更にこれらを適当な溶媒(親油性溶媒)に溶解されて塗布液として調製される。
低屈折率層を形成するための塗布液の溶媒組成としては、単独及び混合のいずれでもよく、全溶媒中、沸点が100℃以下の溶媒が50〜100質量%であることが好ましく、80〜100質量%であることがより好ましく、90〜100質量%であることが更に好ましい。沸点が100℃以下の溶媒が50質量%以下であると、乾燥速度が非常に遅くなり、塗布面状が悪化し、塗布膜厚にもムラが生じるため、反射率などの光学特性も悪化する虞があり、好ましくない。本発明では、沸点が100℃以下の溶媒を多く含む塗布液を用いることが好ましく、上記含フッ素共重合体、ポリシロキサン構造を有する重合体等の溶解性が高いメチルエチルケトン等がより好ましい。
沸点が100℃以下の溶媒としては、例えば、ヘキサン(沸点68.7℃、以下「℃」を省略する)、ヘプタン(98.4)、シクロヘキサン(80.7)、ベンゼン(80.1)などの炭化水素類、ジクロロメタン(39.8)、クロロホルム(61.2)、四塩化炭素(76.8)、1,2−ジクロロエタン(83.5)、トリクロロエチレン(87.2)などのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル(34.6)、ジイソプロピルエーテル(68.5)、ジプロピルエーテル(90.5)、テトラヒドロフラン(66)などのエーテル類、ギ酸エチル(54.2)、酢酸メチル(57.8)、酢酸エチル(77.1)、酢酸イソプロピル(89)などのエステル類、アセトン(56.1)、2−ブタノン(=メチルエチルケトン、79.6)などのケトン類、メタノール(64.5)、エタノール(78.3)、2−プロパノール(82.4)、1−プロパノール(97.2)などのアルコール類、アセトニトリル(81.6)、プロピオニトリル(97.4)などのシアノ化合物類、二硫化炭素(46.2)、等がある。このうちケトン類、エステル類が好ましく、特に好ましくはケトン類である。ケトン類の中では2−ブタノンが特に好ましい。
沸点が100℃以上の溶媒としては、例えば、オクタン(125.7)、トルエン(110.6)、キシレン(138)、テトラクロロエチレン(121.2)、クロロベンゼン(131.7)、ジオキサン(101.3)、ジブチルエーテル(142.4)、酢酸イソブチル(118)、シクロヘキサノン(155.7)、2−メチル−4−ペンタノン(=MIBK、115.9)、1−ブタノール(117.7)、N,N−ジメチルホルムアミド(153)、 N,N−ジメチルアセトアミド(166)、ジメチルスルホキシド(189)、などがある。好ましくは、シクロヘキサノン、2−メチル−4−ペンタノン、である。
上記低屈折率層用組成物を前述の組成の溶媒で希釈することにより、それらの層用塗布液が調製される。
低屈折率層は、低屈折率層用塗布液を触媒の存在下で重合反応(硬化)させることにより形成される。このような触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸類や、シュウ酸、酢酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸類が好ましく使用できる。中でも、無機酸では塩酸、硫酸が好ましく、有機酸では、メタンスルホン酸、シュウ酸、フタル酸、マロン酸等が好ましい。
また、この酸触媒と、塗布液中に微量に存在するアルカリ金属又はアルカリ土類金属(特に、マグネシウム等)との反応により、不溶な塩が形成される。この不要な円を溶解するため、親水性溶媒を低屈折率層形成用組成物に添加することが好ましい。
このような親水性溶媒としては、前記不溶な塩を溶解できる溶媒であれば特に限定されないが、例えば、アルコールが好ましい。アルコールとしては、例えば、1価アルコール又は2価アルコールが挙げられ、このうち1価アルコールとしては炭素数1〜8の飽和脂肪族アルコールが好ましい。これらのアルコール類の具体例としては、メタノール、エタノール、:n-プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、酢酸エチレングリコールモノエチルエーテル等を挙げることができる。中でも、メタノール、エタノールがより好ましい。
低屈折率用塗布液を構成する全溶媒に対する親水性溶媒の含有量は、5〜20質量%が好ましく、8〜12質量%がより好ましい。親水性溶媒が5質量%未満であると、不溶な塩を溶解する効果が充分ではなく、20質量%を超えると、硬化性化合物を溶解しにくくなるため硬化が不足し、充分な耐擦性が得られなくなり好ましくない。
[光学フィルム(反射防止フィルム)の製造方法]
以下、本発明の光学フィルム(反射防止フィルム)の製造方法の一例について説明するが、以下の方法に限定されるものではない。
<光学機能層形成方法>
まず、各層を形成するための成分を含有した塗布液をそれぞれ調製する。これらの塗布液を、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書参照)等により透明フィルム上に塗布し、加熱・乾燥する。その後、光照射及び(又は)加熱し、各層が形成される。
これらの塗布方式のうち、反射防止膜の各層を高い膜厚均一性で薄層塗布できるグラビアコート法が好ましい。グラビアコート法の中でも、より高い膜厚均一性で薄層塗布できるマイクログラビア法がより好ましい。また、ダイコート法は、塗布液を高い膜厚均一性で薄層塗布できるだけでなく、前計量方式のため膜厚制御が比較的容易であり、塗布部における溶剤の蒸散が少ない点で好ましい。反射防止膜を構成する各層は、2層以上を同時に塗布してもよい。同時塗布する方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書及び原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
ここで、防眩性ハードコート層を形成する際には、基材フィルム上に直接又は他の層を介してウェット膜厚として1〜20μmの範囲で塗布することが好ましい。また、低屈折率層を形成する際には、上記防眩性ハードコート層上にウェット膜厚として1〜10μmの範囲で塗布することが好ましく、2〜5μmの範囲で塗布することがより好ましい。
このような製造方法に用いる装置として、図1のフィルム製造装置1の概略図を示す。フィルム製造装置1には、形成する反射防止フィルムのベース、すなわちベースフィルムを送り出す送出機70と、ベースフィルム2の表面に液を塗布して塗布層を形成するための塗布装置10と、複数のパスローラ31を備え塗布層を乾燥させるための乾燥装置30と、塗布層を熱硬化させるための加熱装置40と、塗布層に紫外線を照射して硬化を十分に促進させることで反射防止フィルム3とする紫外線ランプ50と、反射防止フィルム3を巻き取るための巻取機60とが備えられている。また、この他にも、フィルム製造装置1には、複数の搬送ローラ80や除塵機90が備えられている。
塗布装置10には、ベースフィルム2の搬送路の下方に、グラビアパターンが刻印されたマイクログラビアローラ11と塗布液が入れられているタンク(図示しない)とが備えられている。このマイクログラビアローラ11は、ベースフィルム2の所望の面に、塗布液を塗布するための部材である。また、上記のタンクは、マイクログラビアローラ11の下方であり、マイクログラビアローラ11の表面が塗布液に接触する位置に配されているので、タンク内の塗布液にマイクログラビアローラ11の表面を接触させることにより、グラビアパターンを塗布液に供給することができる。ここで、余剰の塗布液は、ドクターブレード(図示しない)により、取り除かれるため、グラビアパターンへ供給する塗布液を適量に調節することができる。
乾燥装置30には、整風板34により仕切られた搬送室32と排気室33とが備えられている。整風板34は、複数の開口が設けられた金属製の板であり、搬送室32と排気室33とを仕切りながらも、両室間での風通しを良好なものとしている。整風板34の開口率及び材質などは、特に限定されないが、開口率が50%以下の金網やパンチングメタルが好ましく、より好ましくは開口率が20〜40%である。本実施形態では、300メッシュで開口率30%の金網を用いている。なお、整風板34は、整風板34とベースフィルム2の塗布層表面との間隔が10mm程度となるように設けることが好ましい。
搬送室32には、ベースフィルム2を支持しながら搬送するための複数のパスローラ31が備えられている。なお、各パスローラ31は、脱着が可能であり、容易に脱着操作を行うことができる形態であることが好ましい。例えば、ベースフィルム2の上に塗布された液の残留溶媒量が20%以上45%以下の場合には、パスローラ31を取り外してベースフィルム2に非接触で搬送するようにすると、平面性を低下させずにベースフィルム2を搬送することができる。
排気室33には、ベースフィルム2の幅方向であり、それぞれ対向する位置に、排気室33内の空気を排気するための、排気パイプと、排気室33内に新たな空気を送り込むための給気パイプ(共に図示しない)とが取り付けられている。排気室33では、排気パイプにより排気室33内に空気が室外へと排気されると共に、給気パイプにより排気室33の内部に所望の温度に加熱した乾燥空気が送り込まれることで、その内部温度が適宜調整される。これにより、搬送室32を搬送されるベースフィルム2上の塗布層の乾燥を促進させることができる。なお、給気パイプから給気される空気は、空気以外のガスでも良く、特に限定されるものではない。
従来の光学機能層形成用組成物を用いた場合、この乾燥装置30内において乾燥を行うと、有機溶剤が揮発し、微粒子の濃度が上がるため、凝集が促進され、光学機能層中に透光性樹脂微粒子が安定して分散しないという問題があった。
しかしながら、本発明においては、光学機能層形成用組成物中に、上記一般式(1)で表されるフルオロ脂肪族基含有ポリマーを含んでいるため、微粒子の凝集が起こらず、良好な面状の光学フィルムを製造することができる。
加熱装置40では、乾燥装置30で乾燥を行い溶媒が除去された塗布層を、さらに加熱することにより、熱硬化させる。加熱装置40内には、部屋の温度を調整するための温度制御手段(図示せず)が設置されている。
図2に反射防止フィルム3の断面図を示す。反射防止フィルム3は、ベースフィルム2の上に低屈折率層24が形成された構造を有する。また、第1層22、第2層23からなる光学機能層26を有する。なお、図2においては、光学機能層を2層としているが、光学フィルムを用いる対象により、適宜選択することができる。図2においては、第1層22をハードコート層とし、第2層23を防眩性ハードコート層としている。
[鹸化処理]
本発明の光学フィルムを液晶表示装置に用いる場合、該光学フィルムの片面に粘着層を設けるなどして、ディスプレイの最表面に配置する。トリアセチルセルロースは、偏光板の偏光層を保護する保護フィルムとして使用できるため、本発明の光学フィルムをそのまま保護フィルムとして使用することがコスト上好ましい。
本発明の光学フィルムは、ディスプレイの最表面に配置されたり、偏光板用保護フィルムとして使用されたりする際の被接着面の接着性を高めるために、透明支持体上に含フッ素ポリマーを主体とする最外層を形成した後、鹸化処理を実施することが好ましい。
光学フィルムの被接着面の親水化は、ポリビニルアルコールを主成分とする偏光膜との接着性を向上させる上で特に有効である。また、被接着面の親水化は、空気中の塵埃が付着しにくくなるため、偏光膜と接着させる際に偏光膜と光学フィルムの間に塵埃が入りにくく、塵埃による点欠陥を防止する上でも有効である。
鹸化処理は、最外層を有する側とは反対側の透明フィルムの表面に実施するが、このとき、水に対する接触角が40°以下となるようにするのが好ましく、30°以下がより好ましく、20°以下が更に好ましい。
アルカリ鹸化処理の具体的方法としては、以下の(1)及び(2)の2つの方法が挙げられる。汎用のトリアセチルセルロースフィルムと同一の工程で処理できる点で(1)の方法が優れているが、反射防止膜面まで鹸化処理されるため、該反射防止膜面がアルカリ加水分解されて膜が劣化する点、鹸化処理液が残ると汚れになる点が問題となる。この場合、特別な工程が必要となるが、(2)の方法が優れている。
(1)透明フィルム上に反射防止層を形成後、アルカリ液中に少なくとも1回浸漬することで、該フィルムの裏面を鹸化処理する。
(2)透明フィルム上に反射防止層を形成する前又は後に、アルカリ液を該光学フィルムの光学フィルムを形成する面とは反対側の面に塗布し、加熱・水洗及び(又は)中和することで、該フィルムの裏面だけを鹸化処理する。
<偏光板>
偏光板は、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムで主に構成される。本発明の光学フィルムは、偏光膜を両面から挟む2枚の保護フィルムのうち少なくとも1枚に使用されることが好ましい。本発明の光学フィルムが保護フィルムを兼ねることで、偏光板の製造コストを低減できる。また、本発明の光学フィルムを最表層に使用することにより、外光の映り込み等を防止でき、耐傷性・防汚性等も優れた偏光板とすることができる。
偏光膜としては公知の偏光膜、偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜から切り出された偏光膜を用いてもよい。偏光膜の吸収軸が長手方向に平行でも垂直でもない長尺の偏光膜は、以下の方法により作成される。
すなわち、連続的に供給されるポリマーフィルムの両端を保持手段により保持しつつ、張力を付与して延伸した偏光膜で、少なくともフィルム幅方向に1.1〜20.0倍に延伸し、フィルム両端の保持手段の長手方向の進行速度差が3%以内であり、フィルム両端を保持する工程の出口おけるフィルムの進行方向と、フィルムの実質延伸方向のなす角が、20〜70°傾斜するようにフィルム進行方向を、フィルム両端を保持させた状態で屈曲させてなる延伸方法によって製造することができる。特に、45°傾斜させたものが生産性の観点から好ましく用いられる。
ポリマーフィルムの延伸方法については、特開2002−86554号公報の段落0020〜0030に詳しい記載がある。
本発明の光学フィルムは、偏光膜の表面保護フィルムの片側として用いた場合、ツイステットネマチック(TN)、スーパーツイステットネマチック(STN)、バーティカルアライメント(VA)、インプレインスイッチング(IPS)、オプティカリーコンペンセイテットベンドセル(OCB)等のモードの透過型、反射型、又は半透過型の液晶表示装置に好ましく用いることができる。
VAモードの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印力時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of tech、Papers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
VAモードの液晶セル用には、2軸延伸したトリアセチルセルロースフィルムを本発明の光学フィルムと組み合わせて作成した偏光板が好ましく用いられる。2軸延伸したトリアセチルセルロースフィルムの作製方法については、例えば特開2001−249223号公報、特開2003−170492号公報等に記載の方法を用いることが好ましい。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルを用いた液晶表示装置であり、米国特許4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が、液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。このため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードとも呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
ECBモードの液晶セルは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向しており、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されている。これに関しては、多数の文献に記載がある。例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ」東レリサーチセンター発行(2001)等に記載されている。
特に、TNモードやIPSモードの液晶表示装置に対しては、特開2001−100043号公報等に記載されているように、視野角拡大効果を有する光学補償フィルムを偏光膜の裏表2枚の保護フィルムのうち、本発明の光学フィルムとは反対側の面に用いることにより、1枚の偏光板の厚さで、反射防止効果と視野角拡大効果を有する偏光板を得ることができ、特に好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、物質量とその割合、操作などは本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。なお、以下において、部および%は、特に断りの無い限り、すべて、質量基準であるものとする。
[実施例1]
≪防眩性ハードコート層形成用組成物Aの調整≫
ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物(PET−30、日本化薬(株)製)50kgをトルエン38.5kgとシクロヘキサノン31.7kgで希釈した。更に、重合開始剤(イルガキュア184、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製)を2kg添加し、混合攪拌した。さらにこの溶液にポリトロン分散機にて10000rpmで20分間分散した平均粒径3.5μmの架橋ポリスチレン粒子(屈折率1.60、SX−350、綜研化学(株)製)の30%トルエン分散液を1.5kgおよび平均粒径3.5μmの架橋アクリル−スチレン粒子(屈折率1.55、綜研化学(株)製)の30%トルエン分散液を13.0kg加え、最後に、下記化学式で表されるフルオロ脂肪族基含有ポリマー(P−1(a:20、b:20、c:60)、固形分30%MEK溶液、大日本インキ工業製)0.75kg、シランカップリング剤(KBM−5103、信越化学工業(株)製)を10kg加え、完成液とした。
上記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して防眩性ハードコート層形成用組成物Aを調製した。
防眩性ハードコート層形成用組成物Aの固形分濃度は45質量%であった。
Figure 2009014917
<実施例2>
≪光拡散性ハードコート層形成用組成物Bの調整≫
デソライトZ7404(ジルコニア微粒子含有ハードコート組成液:JSR(株)製)100kgにジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)31kgを混合した。この混合組成物に、予めポリトロン分散機にて5000rpmで3時間分散した粒子径3.0μmの架橋アクリレート粒子(屈折率1.49、MXS−300、綜研化学(株)製)の30%メチルイソブチルケトン分散液を11.3kgと1.5μmのシリカ粒子の30%メチルエチルケトン分散液を29.7kg加え、最後に、メチルエチルケトン20.7kg、メチルイソブチルケトン23.9kgおよびフルオロ脂肪族基含有ポリマー(P−1)0.42kg、シランカップリング剤(KBM−5103、信越化学工業(株)製)を10kg加えて完成液とした。
上記混合液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して光拡散性ハードコート層形成用組成物Bを調製した。
光拡散性ハードコート層形成用組成物Bの固形分濃度は50質量%であった。
<比較例1>
≪防眩性ハードコート層形成用組成物Cの調整≫
図3に示すように実施例1の防眩性ハードコート層形成用組成物Aのフルオロ脂肪族基含有ポリマーを下記化学式で表されるフルオロ脂肪族基含有ポリマー(P−2(a:90、b:10))に変更した以外は実施例1と同様にして防眩性ハードコート層形成用組成物Cを調整した。
Figure 2009014917
<比較例2>
≪光拡散性ハードコート層形成用組成物Dの調整≫
図3に示すように実施例2の光拡散性ハードコート層形成用組成物Bのフルオロ脂肪族基含有ポリマーを(P−2)に変更した以外は実施例2と同様にして光拡散性ハードコート層形成用組成物Dを調整した。
<比較例3>
≪防眩性ハードコート層形成用組成物Eの調整≫
図3に示すように実施例1の防眩性ハードコート層形成用組成物Aのフルオロ脂肪族基含有ポリマーを下記化学式で表されるフルオロ脂肪族基含有ポリマー(P−3(a:40、b:55、c:5))に変更した以外は実施例1と同様にして防眩製ハードコート層形成用組成物Eを調整した。
Figure 2009014917
<比較例4>
≪防眩性ハードコート層形成用組成物Fの調整≫
図3に示すように実施例1の防眩製ハードコート層形成用組成物Aのフルオロ脂肪族基含有ポリマーを含有しない以外は実施例1と同様にして防眩性ハードコート層形成用組成物Fを作製した。
(光学機能層の塗設)
透明フィルムとして80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(TAC−TD80U、富士フィルム(株)製)をロール形態で巻き出して直接、表に記載の光学機能層(防眩性ハードコート層または光拡散性ハードコート層)形成用塗布液を線数135本/インチ、深度60μmのグラビアパターンを有する直径50mmのマイクログラビアロールとドクターブレードを用いて、搬送速度10m/分の条件で塗布した。
次いで、60℃で150秒乾燥の後、さらに窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハイドライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm、照射量250mJ/cmの紫外線を照射して塗布層を硬化させ、防眩性ハードコート層又は光拡散性ハードコート層を形成し、巻き取った。
各種ハードコート層の厚さは、防眩性ハードコート層形成用組成物Aを塗布した場合は3.4μmであった。
<結果>
実施例1、2、比較例1〜4の光学フィルムについて乾燥ムラの評価を行った。乾燥ムラは、試料の光学機能層が塗設されていない側に油性黒インクを塗り、反射光で目視観察して乾燥ムラの度合いを以下の基準で評価した。
○・・・・・非常に注意深く見ても、全くムラが見えない。
△・・・・・弱いムラが見えるが、製品の品質上問題無いレベルである。
×・・・・・一目見ただけで分かるムラがある。
結果を図3に示す。前記一般式(1)に記載されているフルオロ脂肪族基含有ポリマーを含む実施例1、2の光学フィルムは、乾燥ムラが僅かに見えるのみで、非常に良好な光学フィルムを製造することができた。フルオロ脂肪族基含有ポリマーが、一般式(1)に含まれない化合物である比較例1から3、および、フルオロ脂肪族基含有ポリマーが含まれない比較例4はムラの発生が確認された。
<実施例3>
実施例1で光学フィルムの作製に用いた防眩性ハードコート層形成用組成物Aについて、例示ポリマー(式(1)のフルオロ脂肪族基含有ポリマー)の濃度を変えた以外は、同様にして種々の組成物を調整し、該組成物を用いて種々の光学フィルムを作製した。これらの光学フィルムについて、上記と同様にして外観評価を行った。各光学フィルムについて、その作製に用いられた塗布液中のポリマー(P−1)の固形分濃度Cとポリマー(P−1)との積C×Fを横軸にとり、縦軸に光学フィルムの外観評価結果の点数をプロットして図4のグラフにまとめた。点数3以下が外観許容レベルである。
図4のグラフに示した結果から、塗布液中のポリマーC×Fの値は、光学フィルムの外観特性に影響を与えていて、C×Fが0.05〜0.12の範囲であると、特に、ムラが軽減され、外観に優れる光学フィルムが得られることがわかった。
このように、本発明を適用することにより、乾燥ムラの発生が少なく、優れた面状の光学フィルムを得ることができる。
本発明に係るフィルム製造装置の一例の概略図である。 本発明に係る光学フィルムの一例の断面図である 実施例の結果を示す表図である。 実施例4の結果を示すグラフである。
1…フィルム製造装置、2…ベースフィルム、3…反射防止フィルム、10…塗布装置、11…マイクログラビアローラ、21…支持体、22…第1層、23…第2層、24…低屈折率層、25…透光性微粒子、26…光学機能層、30…乾燥装置、31…パスローラ、32…搬送室、33…排気室、34…整風板、40…加熱装置、50…紫外線ランプ、60…巻取機、70…送出機、80…搬送ローラ、90…除塵機

Claims (9)

  1. 透光性樹脂と、透光性樹脂微粒子と、フルオロ脂肪族基含有ポリマーと、を含有してなる光学機能層形成用組成物において、
    前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーが下記一般式(1)で表される少なくとも一種であることを特徴とする光学機能層形成用組成物。
    一般式(1)
    Figure 2009014917
    一般式(1)中、i及びjはそれぞれ1以上の整数を表し、各繰り返し単位がそれぞれi及びj種類含まれることを意味し;Mはエチレン性不飽和モノマーより誘導され、且つk(kは1以上の整数)種類含まれる繰り返し単位であり;a、b及びcは重合比を表す質量百分率で、Σaiは1〜98質量%の数値を表し、Σbjは1〜98質量%の数値を表し、Σckは1〜98質量%の数値を表し;R11及びR12はそれぞれ、水素原子又はメチル基を表し;X及びXはそれぞれ、酸素原子、イオウ原子又は−N(R13)−を表し、R13は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し;m1及びm2はそれぞれ1〜6の整数を表し、n1は0〜3の整数を表す。
  2. Σai/(Σai+Σbj)が、0.2〜0.8であることを特徴とする請求項1記載の光学機能層形成用組成物。
  3. Σai+Σbjが、フルオロ脂肪族基含有ポリマー全量に対して、20〜50質量%であることを特徴とする請求項1または2に記載の光学機能層形成用組成物。
  4. 前記一般式(1)中、n1が0であることを特徴とする請求項1から3いずれか記載の光学機能層形成用組成物。
  5. 最大泡圧法にて測定した10m秒後の表面張力と1000m秒後の表面張力との比(10m秒/1000m秒)が、1.00〜1.20であることを特徴とする請求項1から4いずれか記載の光学機能層形成用組成物。
  6. 前記フルオロ脂肪族基含有ポリマーの濃度C質量%と、該フルオロ脂肪族基含有ポリマー中のフッ素含量F%との積C×Fが、0.05〜0.12であることを特徴とする請求項1から5いずれか記載の光学機能層形成用組成物。
  7. 透明フィルム上に、光学機能層形成用組成物を塗設して光学機能層が形成されてなる光学フィルムにおいて、
    前記光学機能層形成用組成物が、透光性樹脂と、透光性樹脂微粒子と、下記一般式(1)で表される少なくとも一種のフルオロ脂肪族基含有ポリマーを含有することを特徴とする光学フィルム。
    一般式(1)
    Figure 2009014917
    一般式(1)中、i及びjはそれぞれ1以上の整数を表し、各繰り返し単位がそれぞれi及びj種類含まれることを意味し;Mはエチレン性不飽和モノマーより誘導され、且つk(kは1以上の整数)種類含まれる繰り返し単位であり;a、b及びcは重合比を表す質量百分率で、Σaiは1〜98質量%の数値を表し、Σbjは1〜98質量%の数値を表し、Σckは1〜98質量%の数値を表し;R11及びR12はそれぞれ、水素原子又はメチル基を表し;X及びXはそれぞれ、酸素原子、イオウ原子又は−N(R13)−を表し、R13は水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し;m1及びm2はそれぞれ1〜6の整数を表し、n1は0〜3の整数を表す。
  8. 請求項7に記載の光学フィルム上に、前記光学機能層より屈折率の低い低屈折率層を積層した反射防止フィルム。
  9. 請求項7に記載の光学フィルムまたは請求項8に記載の反射防止フィルムのいずれかを備える偏光板。
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KR101915338B1 (ko) * 2014-10-10 2018-11-06 주식회사 엘지화학 기능성 반사 방지 필름

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