JP2009014488A - 容量式半導体加速度センサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 センサチップ11には、センサ部12及びセンサ部13が長手方向に並んで形成されている。センサ部12及びセンサ部13の間の領域には、素子形成基板20cの表面20eから埋込酸化膜20bに向かって、センサチップ11の厚さを薄く形成するための溝状の薄肉部31が短手方向に略平行に形成されており、薄肉部31に対向して、支持基板20aの表面20dから埋込酸化膜20bに向かって、溝状の薄肉部32が形成されている。センサチップ11に、薄肉部31及び薄肉部32を形成することにより、センサチップ11の内部応力や接着層30に起因する温度変化に伴うセンサチップ11の反りを、長手方向において減少させることができるので、温度特性を向上することができる。
【選択図】 図3
Description
ここで、このような容量式半導体加速度センサとして、例えば、特許文献1には、SOI基板等の半導体基板より形成された長方形のチップ内に、検出軸方向に変位可能な可動電極と、この可動電極と対向して設けられた固定電極とを備え、両電極間の容量変化に基づいて検出軸方向に生じる加速度を検出可能な1軸センサを複数個形成し、このチップを回路基板に接着固定して形成した容量式力学量センサが開示されている。
特に、上述したタイプの容量式力学量センサでは、チップ長手方向の変形が短手方向に比べて大きくなるため、チップ長手方向に検出軸を有するセンサの温度特性が、短手方向に検出軸を有するセンサの温度特性に比べて劣るという問題がある。
また、薄肉部は、裏面からも形成されているため、センサチップの接着層側の長手方向の剛性を低くすることができるので、温度変化に伴うセンサチップの反りについて、接着層の熱膨張、熱収縮の影響を低減することができる。
更に、薄肉部は、主面及び裏面より対向して形成されているため、半導体基板の厚さを薄くすることができるので、センサチップの剛性を低くすることができる。
これにより、温度変化に伴いセンサチップの反りがセンサ部に及ぼす影響を小さくすることができるので、容量式力学量センサの温度特性を向上することができる。
この発明に係る容量式半導体加速度センサの第1実施形態について、図を参照して説明する。図1は、容量式半導体加速度センサの平面説明図である。図2は、容量式半導体加速度センサのセンサ部の説明図である。図2(A)は、センサ部の平面図であり、図2(B)は、図2(A)のA−A矢視断面図であり、図2(C)は、図2(A)のB−B矢視断面図である。図3は、容量式半導体加速度センサの断面説明図である。
なお、各図では、説明のために一部を拡大して誇張して示している。
なお、図1において、センサ部12及びセンサ部13の形成領域のみを示しており、詳細な構造については、図2を参照して以下に説明する。
センサ部12は、素子形成基板20cに形成された可動部14と固定部15とから構成されており、この可動部14と固定部15とに櫛歯状の梁構造が形成されている。
錘部14bは、長手方向が加速度を検出する検出軸方向になるように配置されており、両端部には四角形の枠状に形成された梁部14cがそれぞれ設けられている。梁部14cに隣接して錘部14bの延長線上に埋込酸化膜20bを介して支持基板20aに保持されたアンカ14dが形成されている。一方のアンカ14dの表面には、回路基板21に電気的に接続される可動電極パッド14eが形成されている。
電極配線15bは錘部14bと平行に配置されている。電極配線15bの一端の表面には、回路基板21に電気的に接続される固定電極パッド15cが形成されている。
このとき、可動電極14aと固定電極15aとの間隔が変化するため、可動電極14aと固定電極15aとの間に形成されたコンデンサの静電容量が、可動電極14aの変位に応じて変化する。この静電容量の変化を回路基板に形成されているスイッチトキャパシタ構成のC−V変換部(図示せず)において電圧として出力し、その出力値に基づいて加速度を検出することができる。
図3に示すように、センサチップ11の素子形成基板20cには、センサ部12及びセンサ部13が長手方向(X方向)に並んで形成されている。センサチップ11は、支持基板20aの表面20dにおいて、接着層30を介して回路基板21に接着固定されている。
素子形成基板20cのセンサ部12及びセンサ部13の間の領域には、表面20eから埋込酸化膜20bに向かって、センサチップ11の厚さを薄く形成するための溝状の薄肉部31が短手方向(Y方向)に略平行に形成されている。薄肉部31は、センサ部12、13の形成時に、ドライエッチングによりセンサ部12、13と同時に形成されている。
薄肉部31、32は、単純な形状である溝状に形成されているため、ドライエッチングやハーフカットなどの方法により容易に形成することができる。
センサチップ11に、薄肉部32を形成することにより、センサチップ11の接着層30側の剛性を低くすることができるので、温度変化に伴うセンサチップ11の反りについて、接着層30の熱膨張、熱収縮の影響を低減することができる。
更に、薄肉部31、32は、対向して形成されているため、センサチップ11の厚さを薄くすることができるので、センサチップ11の剛性を低くすることができる。
つまり、センサチップ11に、薄肉部31及び薄肉部32を形成することにより、センサチップ11の内部応力や接着層30に起因する温度変化に伴うセンサチップ11の反りを、長手方向において減少させることができる。これにより、温度変化に伴うセンサチップ11の反りがセンサ部13に及ぼす影響を小さくすることができ、温度特性を向上することができる。
(1)本実施形態では、薄肉部31及び薄肉部32は、埋込酸化膜20bに到達しない構成を示したが、薄肉部31は埋込酸化膜20bを貫通して支持基板20aに到達するまで形成してもよいし、薄肉部32は埋込酸化膜20bを貫通して素子形成基板20cに到達するまで形成してもよい。
本実施形態の加速度センサ10によれば、センサチップ11に、薄肉部31を形成することにより、センサ部12、13が形成されている素子形成基板20c側の剛性を低くすることができるので、温度変化に伴うセンサチップ11の反りについて、内部応力の影響を低減することができる。
センサチップ11に、薄肉部32を形成することにより、センサチップ11の接着層30側の剛性を低くすることができるので、温度変化に伴うセンサチップ11の反りについて、接着層30の熱膨張、熱収縮の影響を低減することができる。
更に、薄肉部31、32は、対向して形成されているため、センサチップ11の厚さを薄くすることができるので、センサチップ11の剛性を低くすることができる。
つまり、センサチップ11に、薄肉部31及び薄肉部32を形成することにより、センサチップ11の内部応力や接着層30に起因する温度変化に伴うセンサチップ11の反りを、長手方向において減少させることができる。これにより、温度変化に伴うセンサチップ11の反りがセンサ部13に及ぼす影響を小さくすることができ、温度特性を向上することができる。
(1)上述した実施形態では、素子形成基板20cと支持基板20aとの両者に薄肉部31、32をそれぞれ形成した構成を示したが、いずれか一方のみ形成する構成を採用することもできる。
図4(A)に示すように、薄肉部32のみを形成する構成によれば、温度変化に伴うセンサチップ11の反りについて、接着層30の熱膨張、熱収縮の影響を低減することができる。また、センサチップ11のダイシングの際に、ハーフカットにより形成するため、工程を追加する必要がない。
図4(B)に示すように、薄肉部31のみを形成する構成によれば、温度変化に伴うセンサチップ11の反りについて、内部応力の影響を低減することができる。
いずれの場合においても、SOI基板20の一方の面からのみ薄肉部を形成するため、SOI基板20の強度を向上させることができるので、センサチップ11の製造中に破損するおそれを少なくすることができる。
例えば、図5(A)に示すように、薄肉部31または薄肉部32を複数箇所に平行に形成することもできる。この構成によれば、薄肉部31または薄肉部32を形成する面積を増大させることができるので、より効果的にセンサチップ11の反りを、長手方向において減少させることができる。
また、図5(B)に示すように、ドライエッチングにより、薄肉部31または薄肉部32を孔状に形成することもできる。この構成によれば、薄肉部31または薄肉部32が連続して形成されていないので、SOI基板20の強度を向上させることができるので、センサチップ11の製造中に破損するおそれを少なくすることができる。
SOI基板20が請求項1に記載の半導体基板に、支持基板20aが裏面に、素子形成基板20cが主面に、回路基板21がセンサチップを支持する基板にそれぞれ対応する。
11 センサチップ
12、13 センサ部
14b 可動電極
15b 固定電極
20 SOI基板(半導体基板)
20a 支持基板(裏面)
20c 素子形成基板(主面)
21 回路基板(センサチップを支持する基板)
31、32 薄肉部
X 長手方向、検出軸方向
Y 短手方向、検出軸方向
Claims (9)
- 加速度を検出する検出軸方向に変位可能な可動電極と、この可動電極と対向して設けられた固定電極とを有し、両電極間の容量変化に基づいて前記検出軸方向に生じる加速度を検出可能に構成されたセンサ部を、矩形板状に形成された共通の半導体基板上の長手方向に複数個配置したセンサチップと、
前記センサチップを接着層を介して接着固定する基板と、を備えた容量式半導体加速度センサにおいて、
前記複数個のセンサ部が形成された前記半導体基板の主面と、この主面と対向する裏面との少なくとも一方の面から他方の面に向かって前記センサチップの厚さを薄く形成する薄肉部が、前記複数組の各センサ部の間であって、前記センサチップの短手方向に配列して形成されていることを特徴とする容量式半導体加速度センサ。 - 前記薄肉部は、前記主面及び前記裏面からそれぞれ対向して形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容量式半導体加速度センサ。
- 前記薄肉部は、前記主面からのみ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容量式半導体加速度センサ。
- 前記薄肉部は、前記裏面からのみ形成されていることを特徴とする請求項1に記載の容量式半導体加速度センサ。
- 前記薄肉部は、前記センサチップの短手方向に略平行である溝状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1つに記載の容量式半導体加速度センサ。
- 前記複数個のセンサ部の少なくとも1組の検出軸方向が異なるように配置されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか1つに記載の容量式半導体加速度センサ。
- 前記1組の検出軸方向が直交していることを特徴とする請求項6に記載の容量式半導体加速度センサ。
- 前記1組の検出軸方向のうち、一方の検出軸方向が前記センサチップの長手方向に平行であり、他方の検出軸方向が前記センサチップの短手方向に平行であることを特徴とする請求項7に記載の容量式半導体加速度センサ。
- 前記半導体基板は、前記センサチップが形成される素子形成基板が埋込酸化膜を介して支持基板上に積層して形成されたSOI(Silicon On Insulator)基板であることを特徴とする請求項1ないし請求項8のいずれか1つに記載の容量式半導体加速度センサ。
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