JP2009014222A - 睡眠環境の提供方法及び睡眠環境装置 - Google Patents

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JP2009014222A JP2007174244A JP2007174244A JP2009014222A JP 2009014222 A JP2009014222 A JP 2009014222A JP 2007174244 A JP2007174244 A JP 2007174244A JP 2007174244 A JP2007174244 A JP 2007174244A JP 2009014222 A JP2009014222 A JP 2009014222A
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耕 佐藤
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顕 山黒
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【課題】低廉な設備費用及びランニングコストでかつ省エネルギにも資することができ、夏場でも爽快でかつ体調を低下させるおそれのない睡眠環境を提供する方法、及び睡眠環境装置を提供する。
【解決手段】利用者が就寝するための就寝空間(寝室29)を外気空間91から区画する壁材2と、前記外気空間91と前記就寝空間(29)との間における空気の自然対流の可否を切り替える外気取込手段と、前記就寝空間(29)内下部の床付近部26から前記空気を吸い上げ、前記利用者が所望する人体部分に微風として供給する微風供給手段(ベッドファン5)と、を備える。前記壁材2は天井及び側壁21、22、23及び床25からなり、前記外気取込手段は、前記側壁21に形成された開口部(窓枠31)と、前記開口部(31)を開閉する開閉体(窓32)と、を有することでもよい。
【選択図】図1

Description

本発明は、爽快な睡眠環境を提供する方法、及び、爽快な睡眠環境を提供する装置に関する。
睡眠は人々の健康作りにきわめて重要であり、快適な睡眠環境を提供するための寝室や寝具の各種発明が為されている。例えば、特許文献1に開示されるベッドは、ベッド本体と空気質制御手段とを備え、ベッド本体の周囲空気の質を制御するようにしている。さらに、周囲空気を閉じこめて睡眠カプセルを構成するように遮蔽体を備える態様や、ベッド本体の周囲に調和空気を吹き出す態様、香りを発する態様、などが開示されている。これに類したいわゆるカプセルベッドは、簡易な宿泊施設として広く普及している。また、特許文献2に開示される寝室寝具は、ベッドの上方に箱形状の天蓋を配設して両者の間に空間を形成し、この空間に作用する空調装置と音響装置と照明装置とを備えている。さらには、空間に作用する加湿装置や芳香装置、あるいは就寝者に作用する温熱装置や冷却装置、及びこれらの各装置を集中して操作する設定操作部、を備える態様が開示されている。
特開2002−355147号公報 特開2005−214518号公報
ところで、特許文献1のベッドをはじめとするカプセル型の睡眠空間を区画する寝具は、一般の住宅の寝室に配置するとインテリア性を損ねるおそれがある。つまり、室内の他の家具や内壁面と調和せず、快適とは言い難い雰囲気となるおそれがある。さらに、閉鎖された狭い空間内で就寝するため、閉塞感により不安、不快を感じるおそれもある。一方、特許文献2の天蓋を設ける寝具は、規模が大掛かりとなるため設備費用が莫大になりがちである。
また、特許文献1及び2で用いられる空調設備は、設備費用自体が高価であることに加え、冷房や暖房の用途に電気を消費するのでランニングコストが嵩み、近年の省エネルギへの要請にも応えていない。一方、冷房を用いることでだるさや倦怠感などを感じたり夏風邪に罹ったりして体調を低下させるおそれがあり、また、空気を循環して使用するため爽快感に欠ける。
本発明は上記背景に鑑みてなされたものであり、低廉な設備費用及びランニングコストでかつ省エネルギにも資することができ、夏場でも爽快でかつ体調を低下させるおそれのない睡眠環境を提供する方法、及び睡眠環境装置を提供する。
本発明の睡眠環境の提供方法は、利用者が就寝するための就寝空間を外気空間から区画する壁材に形成された開口部を経由し、温度差による自然対流作用を利用して、前記外気空間の冷えた空気を前記就寝空間内下部の床付近部に取り込む外気取込ステップと、強制対流作用を利用して、前記床付近部から前記冷えた空気を吸い上げ、前記利用者が所望する人体部分に微風として供給する微風供給ステップと、を有することを特徴とする。
本発明は、主に夏場に、設備費用が嵩みかつ多くの電気を消費するエアコンディショナなどの空調装置の使用を抑制して、自然に冷えた屋外の空気を活用することにより、爽やかで快い睡眠環境を提供することを主旨としている。本発明の睡眠環境の提供方法は、外気取込ステップと微風供給ステップとを有している。
外気取込ステップは、外気空間すなわち屋外の冷えた空気を就寝空間内下部の床付近部に取り込むステップである。就寝空間は、一般的な住宅の寝室や旅館の客室などが相当するが、これに限定されず、ロッジなどの簡易宿泊施設や事務所の仮眠室、寝泊まりするキャンピングカーの車内空間なども含まれる。壁材に形成された開口部とは、例えば窓枠であり、窓を開放することにより、外気空間と就寝空間との間で空気が流通するように形成された部位を意味している。開口部は、窓枠のほかに出入口や換気口であってもよい。外気取込ステップでは、外気空間の温度が就寝空間の温度よりも低下しているときに開口部を開放する。すると、内外の温度差により自然対流が発生し、就寝空間内の暑い空気が開口部の上側から外気空間へ流れ出し、外気空間の密度が大きく冷えた空気が開口部の下側から就寝空間内へ流れ込む。この作用は、屋外が無風であっても、空気の温度差つまり密度差により引き起こされるものであり、外気空間から開口部を経て就寝空間へ風が吹き込んで換気されれば、冷えた空気の流入は促進される。就寝空間内に流れ込む冷えた空気は、元からある暑い空気よりも相対的に密度が大きいので、就寝空間内下部の床付近部に自動的に取り込むことができる。
微風供給ステップは、強制対流作用を利用して、床付近部の冷えた空気を吸い上げ、利用者が所望する人体部分に微風として供給するステップである。強制対流を生起する手段としては、例えば送風ガイドと送風機とを組み合わせて用いることができる。詳述すると、送風ガイドには略筒状の部材を用い、一端を床付近部に向け他端を人体部分に向けて配置することができる。送風ガイドの途中には、一端から他端に向けて風を送る送風機を設けることができ、かつ他端から人体部分に向かう空気の流れを微風に調節することができる。送風ガイド及び送風機の作用により、就寝空間内下部の床付近部の冷えた空気を吸い上げ、所望する人体部分に心地よい微風として優しく供給することができる。したがって、利用者は新鮮で冷えた空気に接することができ、暑さや寝苦しさを感じることなく、快適に睡眠することができる。
従来、夏場の暑さを緩和する手段として多用される扇風機は、利用者に風を送りつつ就寝空間全体の空気を撹拌している。これに対して、本発明は、就寝空間内の上下温度差に着目して低所の冷えた空気を選択的に吸い上げ、特定の人体部分にスポット的に送風するようにしている。したがって、利用者は所望する人体部分のみが気持ちよく冷やされて爽快感が向上するとともに、送風量も少ないので所要電気もわずかで済み、ランニングコストは低廉である。さらに、就寝空間全体の空気を撹拌することによって塵埃を巻き上げる弊害もなく、新鮮な外気を取り込んで清浄な空間環境を維持することができる。また、エアコンディショナと比較すると、設備費用の面でも格段に優れており、体調を低下させるおそれもない。
なお、使用する就寝具や利用者の就寝位置及び姿勢に特別な制約はなく、ベッドや布団、ハンモックや安楽いすなどの就寝具の形態に合わせて、各種の態様で微風を供給することができる。
次に、爽快な睡眠環境を提供する本発明の睡眠環境装置について説明する。本発明の睡眠環境装置は、利用者が就寝するための就寝空間を外気空間から区画する壁材と、前記外気空間と前記就寝空間との間における空気の自然対流の可否を切り替える外気取込手段と、前記就寝空間内下部の床付近部から前記空気を吸い上げ、前記利用者が所望する人体部分に微風として供給する微風供給手段と、を備えることを特徴とする。また、前記壁材は天井及び側壁及び床からなり、前記外気取込手段は、前記側壁に形成された開口部と、前記開口部を開閉する開閉体と、を有することでもよい。
就寝空間として住宅の寝室を例示することができ、壁材として天井及び側壁及び床を用いて外気空間から寝室を区画することができる。また、前述の外気取込ステップを行う外気取込手段として、開口部及び開閉体を設けることができ、具体的には窓枠と窓の組み合わせを例示することができる。そして、窓を開放することにより、外気空間と就寝空間との間における空気の自然対流が生じるように構成することができる。さらに、前述の微風供給ステップを行う微風供給手段として、前述の送風ガイド及び送風機を例示することができる。
前記開口部は、前記床付近部の高さ及び、前記就寝空間内上部の天井付近部の高さで開口している、ことが好ましい。
外気空間の冷えた空気を取り込むために、開口部の開口面積は広いことが好ましいが、開口部の高さ寸法も床付近部から天井付近部まで延びる程に大きいことが好ましい。自然対流作用により、就寝空間の相対的に密度の小さな暑い空気を外部空間へ流出させるためには、暑い空気が滞留する天井付近部の高さで開口していることが好ましく、一方、外部空間の相対的に密度の大きな冷えた空気を就寝空間へ流入させるためには、床付近部で開口していることが好ましい。結局、上下に長い窓あるいは出入口などの開口部を有すると、自然対流よる冷えた空気の取り込みがスムースに行える。あるいは天井付近部と床付近部とに別々に換気口を設けるようにしてもよい。
前記利用者が所望する前記人体部分は、頭、手、足の3箇所のいずれか、あるいは前記3箇所の組み合わせとされている、ことが好ましい。
冷えた空気を微風として供給する人体部分は、頭、手、足の3箇所のいずれか、あるいは前記3箇所の組み合わせとすることができる。また、利用者の好みに合わせて適宜取捨選択できるように調節可能とすることもできる。これらの人体部分に適度の微風を供給することにより体感温度が低下するので、夏場の暑い時期における寝苦しさの解消に効果的であり、また、胸部や腹部を冷やさないので体調を低下させるおそれが少ない、
前記微風供給手段は就寝具に組み込まれて形成されている、ことでもよい。就寝空間内には、利用者が就寝するための就寝具を適宜配設することができる。そして、以下に説明するように、微風供給手段を就寝具に組み込んで形成することができる。
前記就寝具はベッドであり、前記微風供給手段は、前記ベッドのヘッドボードに形成されるとともに前記利用者の前記頭に前記微風を供給するヘッドボード供給口を有する、ようにしてもよい。
微風供給手段をベッドに組み込むことができ、例えば、一端の吸い込み口がベッドの下方に開き他端の吹き出し口がヘッドボードまで延設される通路状の通風路と、ヘッドボードに形成されて吹き出し口から就寝する利用者の頭の方向に向かうヘッドボード供給口と、通風路の途中に設けられる送風機と、で形成することができる。この態様では、ベッドの下側の床付近部の冷えた空気を吸い上げ、利用者の頭に微風として供給することができる。
前記就寝具はベッドであり、前記微風供給手段は前記ベッドの周縁に形成されるとともに前記利用者の前記手及び前記足に前記微風を供給するベッド周縁供給口を有する、ようにしてもよい。
微風供給手段をベッドに組み込む別の態様として、一端の吸い込み口がベッドの下方に開き途中で分岐して複数の他端の吹き出し口がベッドの周縁まで延設される通路状の通風路と、ベッドの周縁に形成されて吹き出し口から就寝する利用者の手や足の方向に向かう複数箇所のベッド周縁供給口と、分岐する前の通風路に設けられる送風機と、で形成することができる。この態様では、ベッドの下側の床付近部の冷えた空気を吸い上げ、利用者の手や足に微風として供給することができる。
上述のヘッドボード供給口とベッド周縁供給口とは、両方設けるようにしてもよい。また、利用者の好みにより、供給口の方向や開度を調整できる供給口調整手段を設けてもよい。
前記微風発生手段は、送風機またはイオン風発生器を有する、ようにしてもよい。微風発生手段では、一般的な送風機の代わりに、人体に有用とされるマイナスイオンを含むイオン風を発生することのできるイオン風発生器を用いてもよい。さらに、イオン風発生器には除菌や脱臭の効果もあり、作動音も小さいので睡眠に好適である。
なお、本発明で言うところの微風は、気象用語の定義とは異なり、人体に心地よく優しく感じられる程度の弱い風を意味しており、物理的に厳密に限定されるものではないが、風速0.4m/s程度以下が好ましい。また、微風の強さは、例えば、利用者が送風機の運転モードを選択操作することにより、随意に調節できるようなっていてもよい。
前記利用者の睡眠状態を判定する睡眠判定装置、及び、前記就寝空間の室内環境を検出する室内環境センサ、及び、前記外気空間の屋外環境を検出する屋外環境センサ、の少なくとも一つを備え、前記睡眠状態、前記室内環境、前記屋外環境、のうち少なくとも一つを参照して、前記外気取込手段及び前記微風供給手段の少なくとも一方を制御する睡眠環境制御手段を備える、ようにしてもよい。
外気取込手段及び微風供給手段は、利用者が手動操作してもよいが、睡眠環境制御手段を備えて自動的に制御するようにしてもよい。睡眠環境制御手段を備える構成では、制御を行う際の指標として、利用者の睡眠状態、就寝空間の室内環境、外気空間の屋外環境、のうち少なくとも一つを参照できるように、睡眠判定装置や室内環境センサ、屋外環境センサを備えることができる。睡眠判定装置としては、例えば、本願出願人の出願による特開2006−167427号公報に開示された睡眠情報検出システムを用いることができる。室内環境や屋外環境とは、具体的には各空間の温度や湿度などであり、周知の各種センサを用いて検出することができる。続いて、睡眠環境制御手段による具体的な制御方法について説明する。
前記睡眠環境制御手段は、前記屋外環境の一項目である屋外温度が前記室内環境の一項目である室内温度よりも低下したときに、前記外気取込手段を制御して前記空気の前記自然対流を許容する、ようにしてもよい。
睡眠環境制御手段は、屋外温度が室内温度よりも低下したときに冷えた外気を取り込めるように、外気取込手段を制御して自然対流を許容することができる。本発明は、就寝空間の室内温度を下げることを目的とするので、屋外温度が室内温度よりも高いときに自然対流を許容するのは逆効果になる。したがって、屋外温度が低いときに限り、自然対流を許容する制御を行うことが好ましい。
前記睡眠環境制御手段は、前記屋外環境の一項目である屋外温度が所定の許容温度よりも低下したとき、及び、前記屋外環境の一項目である屋外湿度が所定の許容湿度を超過したとき、の少なくとも一方のときに、前記外気取込手段を制御して前記空気の前記自然対流を禁止する、ようにしてもよい。
睡眠環境制御手段は、屋外温度が所定の許容温度よりも低下したときや、屋外湿度が所定の許容湿度を超過したときなどに、外気取込手段を制御して自然対流を禁止することができる。例えば、夏場であっても明け方に冷え込んだときや、降雨により屋外の湿度が高まった場合には、自然対流を禁止する制御を行うことができる。
前記睡眠環境制御手段は、前記利用者の前記睡眠状態を参照しながら、前記微風供給手段の作動及び停止を制御しあるいは前記微風の強弱を制御する、ようにしてもよい。
睡眠環境制御手段は、利用者の睡眠状態を参照しながら、より快適に感じられるように微風供給手段を制御することができ、例えば、利用者が覚醒状態にあるときに微風を供給し、熟睡状態にあるときに微風を停止する制御を行うことができる。あるいは、利用者の睡眠が深まるにつれて、徐々に微風を弱める制御を行うこともできる。
以上説明した睡眠環境制御手段の制御方法は例であって、他にも様々なバリエーションで制御を行うことが可能である。
前記就寝空間を冷房する冷房装置を備える、ようにしてもよい。就寝空間内に昼間滞在する場合や、屋外温度が低下しない熱帯夜などを考慮し、冷房装置を備えて一時的に使用するようにしてもよい。この態様において、普段の就寝時には冷房装置を使用しないことで、ランニングコストを低減することができ、また体調低下のおそれを回避することができる。
前記床の下側に床暖房装置を備える、ようにしてもよい。本発明は、床暖房装置を併用することにより、冬場にも効果が発生する。すなわち、床暖房装置により生成された床付近部の暖かい空気が所望する人体部分に優しく供給されるので、利用者は寒さを感じることなく睡眠することができる。
本発明の睡眠環境の提供方法、及び睡眠環境装置によれば、空間を仕切る天蓋や仕切られた空間を空調するための冷房設備は不要であるため設備費用は低廉であり、微風の供給に要する電気もわずかであるためランニングコストも低廉で、かつ省エネルギにも資することができる。また、新鮮な外気を取り込んで換気する方式であるため爽快であり、冷房設備を用いたときの体調の低下のおそれもない。
本発明を実施するための最良の形態を、図1〜図5を参考にして説明する。図1は、本発明の実施例の睡眠環境装置の構成を説明する図である。実施例の睡眠環境装置1は、就寝空間に相当する寝室29の内部に、就寝具であるベッド4が配設されることによって構成されている。寝室29は壁材2によって外気空間91から区画されており、また、ベッド4の内部には微風供給手段に相当するベッドファン5が組み込まれて形成されている。以下、順に詳述する。
矩形空間の寝室29を区画する壁材2は、図略の天井と、四方向の側壁21、22、23(図中手前方向のみ符号略)と、床25と、からなっている。寝室29内空間のうち、床25に近い低い部分が床付近部26であり、天井に近い高い部分が天井付近部27である。図中左側の側壁21の略中央には、床付近部26から天井付近部27にまでわたり、開口部に相当する窓枠31が形成されている。窓枠31には、開閉体に相当する窓32が設けられて、外気空間91と寝室29との間における空気の自然対流の可否を切り替える外気取込手段が形成されている。さらに、窓枠31を覆うように防虫網戸33が設けられており、空気の流通を許容しつつ、虫類の侵入を防ぐようになっている。
ベッド4は、ヘッドボード41が図中奥側の側壁22と平行するように配置されている。図1に示されるように、ベッド4に組み込まれた微風供給手段としてのベッドファン5は、ヘッドボード41に形成された利用者の頭部すなわち枕元の方向に開口するヘッドボード供給口51と、ベッド4の図中左側縁部の上側に形成された周縁供給口52、53と、フット側縁部の上側に形成された周縁供給口54と、図中右側縁部の上側に形成された周縁供給口55、56とを備えている。しかして、ベッド4の図中左側縁部の下側には吸入口61、62が、フット側縁部の下側には吸入口63が、図中右側縁部の下側には吸入口64、65が、それぞれ床方向に開口するように形成されている。さらに、ベッド4の内部には電動ファン68が配置されている。
図2は、ベッドファン5における空気の流れを説明するブロック図である。図示されるように、電動ファン68の上流側は、ベッド4の内部に形成された吸入通路PUを介して各吸入口61〜65に連通している。また、電動ファン68の下流側は、ベッド4の内部に形成された供給通路PDを介してヘッドボード供給口51及び各周縁供給口52〜56に連通している。そして、電動ファン68が駆動されると、白抜き矢印で示されるように、床付近部26の空気が各吸入口61〜65から吸い上げられ、吸入通路PU、電動ファン68、供給通路PDを経由して、各供給口51〜56に供給されるようになっている。前述したように、各供給口51〜56は、利用者を志向しているので、利用者には微風が吹きかけられることになる。
また、図1に示されるように、ヘッドボード41の中央上部には、利用者の睡眠状態を判定する睡眠判定装置7が設けられている。睡眠判定装置7は、利用者の睡眠状態を参照してベッドファン5の電動ファン68を制御できるように構成されている。さらに、図中左側の側壁21の奥寄りの天井付近部27にはエアコンディショナ8が設けられて、寝室29内を冷房できるようになっている。
次に、実施例の睡眠環境装置1のねらい、作用、効果について説明する。図3は、本発明による外気取込の効果を確認するために、実測された熱帯夜の屋外温度変化を基にして寝室29内の温度変化をシミュレーションした結果を示す図であり、横軸は時間t、縦軸は温度Tを示している。図中の4本のグラフはそれぞれ、屋外温度T0、何もしないときの閉止寝室温度T1、就寝時t1にエアコンディショナ8を停止して窓32を開放した時の開放寝室温度T2、本発明でねらいとする睡眠に適した適正寝室温度T3、の時間的変化を示している。
図3に示されるように、屋外温度T0は夜が更けるにつれて徐々に低下し、利用者の就寝時間帯tSにおいては、暑くない快適な温度領域に落ち着いている。これに対して、何もしないときの閉止寝室温度T1は、屋外温度T0よりも10℃程度以上高く推移するため、就寝時間帯tSにおいても、暑く寝苦しい高温となっている。一方、夕方t0に利用者が入室してエアコンディショナ8を作動させ就寝時t1にエアコンディショナ8を停止して窓32を開放したときの開放寝室温度T2は、エアコンディショナ8停止以降に上昇する。この開放寝室温度T2の上昇は、主に天井や側壁21、22、23などの建材に昼間蓄積された熱が放散されて生じるものであり、事前の冷房や換気の効果があって閉止寝室温度T1よりは低いとはいえ、寝苦しい高温領域に達している。勿論、エアコンディショナ8を一晩中連続作動させれば、寝室29内を適正な温度に保つことはできるが、体調の低下を引き起こすおそれがあり、また電気代や省エネルギの観点からも好ましくない。
実施例の睡眠環境装置1では窓32による換気にベッドファン5を併用して、利用者の体感温度を、開放寝室温度T2よりも数℃低い適正寝室温度T3とすることをねらいとしている。図2において、就寝時t1にエアコンディショナ8を停止して窓32を開放したとき、エアコンディショナ8で制御してきた開放寝室温度T2は屋外温度T0に略一致しており、以降では開放寝室温度T2が上昇する。したがって、図1に矢印Aで示されるように、屋外の相対的に冷えている空気が窓枠31から寝室内に流れ込む。そして、流れ込んだ冷たい空気が、矢印Bで示されるように、床付近部26に拡がって取り込まれる。
次に、図4を参考にして、微風供給手段の効果について説明する。図4は、外気空間91の屋外温度T4=21℃一定、寝室29の室内初期温度33℃、空気湿度40%の条件で模擬実験を行ってベッド4の枕元付近の温度の変化及び風速の変化を実測した結果を示す図である。図中の横軸は共通の時間軸tであり、窓開放時刻t5で窓32を半分開放し、微風開始時刻t6でベッドファン5を作動させている。また、縦軸は(1)が微風の風速V、(2)が枕元の温度T、をそれぞれ示している。なお、屋外の風速は0.5m/s以下の無風に近い状態であり、ヘッドボード供給口51から吹き出して枕元に達する微風の風速Vは平均0.3m/sに設定されている。図4(2)の枕元付近の温度Tを示す3本のグラフは、上から順にそれぞれ、窓32を開放せずベッドファン5も作動させなかったときの閉止枕元温度T6、窓32を半分開放しベッドファン5は作動させなかったときの開放枕元温度T7、窓32を半分開放しベッドファン5も作動させたときの微風枕元温度T8、である。
図4の模擬実験では、窓開放時刻t5の直後から室外の冷たい空気が継続的に流入している。すなわち、屋外の冷えた空気を、継続的に取り込むことができている。また、(1)に示されるように、微風は微風開始時刻t6以前にもわずかに自然対流によって発生しており、微風開始時刻t6以降は瞬時値としては増減しているが、平均値としては0.3m/s程度に落ち着いている。ここで、窓32を開放せずベッドファン5も作動させなかったときの閉止枕元温度T6は、(2)に示されるように非常に緩慢にしか低下しない。なぜなら、寝室29を出入りする自然対流が行われず、寝室29から壁材2を介しての放熱のみが行われるからである。これに対して、窓32を半分開放しベッドファン5は作動させなかったときの開放枕元温度T7は、冷えた空気が流入して寝室29全体の温度を下げるので、2倍程度の変化率で低下している。さらに、ベッドファン5も作動させたときの微風枕元温度T8は、床付近部の冷たい空気が選択的に枕元に供給されるため、開放枕元温度T7よりもさらに低下している。
最後に、体感温度を考慮した総合的な効果について、図5を参考にして説明する。図5は、図4の模擬実験終了時刻t7において実測された3条件の枕元温度T6E、T7E、T8Eを基にして、演算によりそれぞれ閉止体感温度T6F、開放体感温度T7F、微風体感温度T8Fを求めた結果を示す図である。なお、体感温度は、湿度の効果を評価するミスナールの公式と、風速の効果を評価するリンケの公式とを用いて演算し、両者の平均値を求めている。図5から明らかなように、窓32を半分開放しベッドファン5も作動させたときに、体感温度は最も顕著に低下する。
結局、外気取込手段と微風供給手段とを併用したときの微風体感温度T8Fは、何もしない場合の閉止体感温度T6Fよりも約3℃低下し、利用者は寝苦しさを感じることなく快適に就寝することができ、実施例の睡眠環境装置1は夏場の睡眠環境の向上に役立つ。上記3℃は、屋外が無風の条件で得られる最小の効果であり、風が吹いている状況下では、冷えた空気の流入量が増加して効果はさらに顕著となる。
本発明は、一般的な住宅の寝室や旅館の客室などの他に、ロッジなどの簡易宿泊施設や事務所の仮眠室、寝泊まりするキャンピングカーなどにも利用することができ、とりわけ電気の使用が制限される箇所において効果的である。
本発明の実施例の睡眠環境装置の構成を説明する図である。 図1の実施例において、ベッドファンにおける空気の流れを説明するブロック図である。 図1の実施例において、実測された熱帯夜の屋外温度変化を基にして寝室内の温度変化をシミュレーションした結果を示す図である。 図1の実施例の構成による模擬実験を行って、ベッドの枕元付近の温度の変化及び風速の変化を実測した結果を示す図である。 図4の模擬実験終了時刻において実測された3条件の枕元温度を基にして、演算によりそれぞれ体感温度を求めた結果を示す図である。
符号の説明
1:睡眠環境装置
2:壁材
21、22、23:側壁 25:床
26:床付近部 27:天井付近部
29:寝室(就寝空間)
31:窓枠(開口部) 32:窓(開閉体)
4:ベッド(就寝具)
5:ベッドファン(微風供給手段)
51:ヘッドボード供給口 52〜56:周縁供給口
61〜65:吸入口 68:電動ファン
PU:吸入通路 PD:供給通路
7:睡眠判定装置
8:エアコンディショナ
91:外気空間
T0:屋外温度
T1:閉止寝室温度 T2:開放寝室温度 T3:適正寝室温度
T6:閉止枕元温度 T7:開放枕元温度 T8:微風枕元温度
T6F:閉止体感温度 T7F:開放体感温度 T8F:微風体感温度

Claims (15)

  1. 利用者が就寝するための就寝空間を外気空間から区画する壁材に形成された開口部を経由し、温度差による自然対流作用を利用して、前記外気空間の冷えた空気を前記就寝空間内下部の床付近部に取り込む外気取込ステップと、
    強制対流作用を利用して、前記床付近部から前記冷えた空気を吸い上げ、前記利用者が所望する人体部分に微風として供給する微風供給ステップと、
    を有することを特徴とする睡眠環境の提供方法。
  2. 利用者が就寝するための就寝空間を外気空間から区画する壁材と、
    前記外気空間と前記就寝空間との間における空気の自然対流の可否を切り替える外気取込手段と、
    前記就寝空間内下部の床付近部から前記空気を吸い上げ、前記利用者が所望する人体部分に微風として供給する微風供給手段と、
    を備えることを特徴とする睡眠環境装置。
  3. 前記壁材は天井及び側壁及び床からなり、前記外気取込手段は、前記側壁に形成された開口部と、前記開口部を開閉する開閉体と、を有する請求項2に記載の睡眠環境装置。
  4. 前記開口部は、前記床付近部の高さ及び、前記就寝空間内上部の天井付近部の高さで開口している請求項3に記載の睡眠環境装置。
  5. 前記利用者が所望する前記人体部分は、頭、手、足の3箇所のいずれか、あるいは前記3箇所の組み合わせとされている請求項2〜4のいずれか一項に記載の睡眠環境装置。
  6. 前記微風供給手段は就寝具に組み込まれて形成されている、請求項2〜5のいずれか一項に記載の睡眠環境装置。
  7. 前記就寝具はベッドであり、前記微風供給手段は、前記ベッドのヘッドボードに形成されるとともに前記利用者の前記頭に前記微風を供給するヘッドボード供給口を有する請求項6に記載の睡眠環境装置。
  8. 前記就寝具はベッドであり、前記微風供給手段は前記ベッドの周縁に形成されるとともに前記利用者の前記手及び前記足に前記微風を供給するベッド周縁供給口を有する請求項6または7のいずれか一項に記載の睡眠環境装置。
  9. 前記微風発生手段は、送風機またはイオン風発生器を有する請求項2〜8のいずれか一項に記載の睡眠環境装置。
  10. 前記利用者の睡眠状態を判定する睡眠判定装置、及び、前記就寝空間の室内環境を検出する室内環境センサ、及び、前記外気空間の屋外環境を検出する屋外環境センサ、の少なくとも一つを備え、前記睡眠状態、前記室内環境、前記屋外環境、のうち少なくとも一つを参照して、前記外気取込手段及び前記微風供給手段の少なくとも一方を制御する睡眠環境制御手段を備える、請求項2〜9のいずれか一項に記載の睡眠環境装置。
  11. 前記睡眠環境制御手段は、前記屋外環境の一項目である屋外温度が前記室内環境の一項目である室内温度よりも低下したときに、前記外気取込手段を制御して前記空気の前記自然対流を許容する請求項10に記載の睡眠環境装置。
  12. 前記睡眠環境制御手段は、前記屋外環境の一項目である屋外温度が所定の許容温度よりも低下したとき、及び、前記屋外環境の一項目である屋外湿度が所定の許容湿度を超過したとき、の少なくとも一方のときに、前記外気取込手段を制御して前記空気の前記自然対流を禁止する請求項10または11のいずれか一項に記載の睡眠環境装置。
  13. 前記睡眠環境制御手段は、前記利用者の前記睡眠状態を参照しながら、前記微風供給手段の作動及び停止を制御しあるいは前記微風の強弱を制御する請求項10〜12のいずれか一項に記載の睡眠環境装置。
  14. 前記就寝空間を冷房する冷房装置を備える請求項2〜13のいずれか一項に記載の睡眠環境装置。
  15. 前記床の下側に床暖房装置を備える請求項3〜14のいずれか一項に記載の睡眠環境装置。
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