JP2009013885A - 直噴式v型エンジン用の燃料供給装置ならびに直噴式v型エンジン - Google Patents
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Abstract
【課題】直噴式V型エンジン20用の燃料供給装置において、インジェクタ6の燃料噴射時の反力に起因するデリバリパイプ5の変形を、専用補強無しに抑制または回避可能とする。
【解決手段】直噴式V型エンジン20の二つのバンク24,25間に配置されかつ高圧燃料を蓄積する単一のデリバリパイプ5と、デリバリパイプ5の幅方向両側に振り分けて取り付けられかつエンジン20における複数の燃焼室27にそれぞれ燃料を直接噴射する複数のインジェクタ6とを含む。単一のデリバリパイプ5に対し、その両側のインジェクタ6が、デリバリパイプ5の幅方向で一直線上に配置されている。
【選択図】図1
【解決手段】直噴式V型エンジン20の二つのバンク24,25間に配置されかつ高圧燃料を蓄積する単一のデリバリパイプ5と、デリバリパイプ5の幅方向両側に振り分けて取り付けられかつエンジン20における複数の燃焼室27にそれぞれ燃料を直接噴射する複数のインジェクタ6とを含む。単一のデリバリパイプ5に対し、その両側のインジェクタ6が、デリバリパイプ5の幅方向で一直線上に配置されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、直噴式V型エンジンに搭載される燃料供給装置と、当該燃料供給装置を搭載した直噴式V型エンジンとに関する。
従来、直噴式V型エンジンでは、各インジェクタに高圧燃料を供給するためのデリバリパイプを二つのバンク毎に装備するようになっている(例えば特許文献1参照。)。
なお、直噴式V型エンジンといっても、各気筒に燃料を直接供給する直噴用燃料供給装置と、吸気ポートに燃料を供給するポート噴射用燃料供給装置とを併せ持ったものも知られている。
いずれにしても、V型エンジンの二つのバンク毎にデリバリパイプを設置する場合には、部品点数が多くなるとともに、その占有スペースが大きくなることが指摘される。
それに対し、単一のデリバリパイプを用いるようにすることが提案されている(例えば特許文献2〜4参照。)。
これら単一のデリバリパイプを備える従来例では、いずれも、デリバリパイプを挟む両側のインジェクタ群の装着姿勢が、水平線に対して大きく傾いている。例えば正面側から見ると、逆さV字形となるように両側のインジェクタ群が傾いた姿勢になっている。
特開2004−132231号公報
特開平6−117343号公報
特開2000−145571号公報
特開2006−233806号公報
上記特許文献2〜4に示す従来例では、単一のデリバリパイプに対して一方バンク用のインジェクタ群と他方バンク用のインジェクタ群とを、正面側から見て逆さV字形となるように傾いた姿勢で配置している関係より、次のような不具合の発生が懸念される。
そもそも、各インジェクタによる高圧燃料の噴射時には、その反力(応力)が、前記デリバリパイプにかかることになるが、上記のようにデリバリパイプの両側のインジェクタ群の装着姿勢が傾いている場合、デリバリパイプに対して、交差する二方位から応力がかかるようになってしまうために、デリバリパイプが経年的に変形しやすくなるおそれがある。
そこで、従来では、デリバリパイプに補強用のリブを設ける等といった対策を施す必要が生じており、それが、設計コストの増大、ならびに重量増加をもたらす結果になっている。
本発明は、単一のデリバリパイプを有する直噴式V型エンジン用の燃料供給装置において、インジェクタの燃料噴射時の反力に起因するデリバリパイプの変形を、専用補強無しに抑制または回避可能とすることを目的としている。
また、本発明は、単一のデリバリパイプを有する直噴式V型エンジン用の燃料供給装置において、デリバリパイプを挟む両側のインジェクタ間の幅方向寸法を一時的に縮小可能とし、例えば二つのバンク間の空間における上方開口が狭いような場合でも、直噴式V型エンジンに対する設置作業性を容易とすることを目的としている。
さらに、本発明は、前記燃料供給装置を備える直噴式V型エンジンの提供を目的としている。
本発明に係る直噴式V型エンジン用の燃料供給装置は、直噴式V型エンジンの二つのバンク間に配置されかつ高圧燃料を蓄積する単一のデリバリパイプと、このデリバリパイプの幅方向両側に振り分けて取り付けられかつ前記エンジンにおける複数の燃焼室にそれぞれ燃料を直接噴射する複数のインジェクタとを含み、前記単一のデリバリパイプに対し、その両側のインジェクタが、前記デリバリパイプの幅方向で一直線上に配置されている、ことを特徴としている。
要するに、本発明では、直噴式V型エンジンにおいて二つのバンク毎にデリバリパイプを設けずに、単一のデリバリパイプを用いるようにした構成を前提にしている。これにより、二つのバンク毎にデリバリパイプを設けていた場合のように各デリバリパイプ間を連通連結する接続管が不要になり、また、当該接続管の連結部位に密封対策を施す必要が無くなるので、燃料供給装置の部品点数の削減、設置スペースの縮小ならびに重量軽減が可能になる他、エバポレーション低減を図るうえで有利となっている。
このような構成において、本発明では、デリバリパイプにその両側のインジェクタを一直線上に配置しているから、一方バンク用のインジェクタからの高圧燃料の噴射時の反力と、他方バンク用のインジェクタのそれとが打ち消し合うようになって、デリバリパイプに対して好ましくない応力が作用しにくくなる。
これにより、デリバリパイプの経年的な変形が抑制または防止されるようになり、ひいてはデリバリパイプに従来例のような補強用リブ等を設ける必要がなくなる。
なお、前記「一直線」という表現は、完全な一直線の場合だけでなく、デリバリパイプに対してインジェクタが、ある程度傾いている状態、つまり「略一直線」という概念を含むものであって、「略一直線」は「一直線」の均等の範疇であると考えられるものである。要するに、インジェクタの姿勢について、デリバリパイプに対するインジェクタの取り付け部位を支点として、各インジェクタの燃料噴射側を鉛直方向上側または下側に、ある程度傾けるようにしている場合も、本発明に含まれる。
好ましくは、前記デリバリパイプと各インジェクタとを連通連結する耐圧パイプは、デリバリパイプ内に部分的に没入する状態と、突出する状態とに出し入れ可能とされる。
なお、前記耐圧パイプとは、一般的に、高圧燃料の安定流通を長期にわたって保障可能とするような耐圧性ならびに耐久性に優れた特性を有する軽合金(例えばアルミニウム合金等)で形成されるものであって、弾性変形しにくい等、柔軟性が不足しているもののことを意味している。
このような構成では、耐圧パイプをデリバリパイプ内に没入させることで、デリバリパイプを挟む両側のインジェクタ間における幅方向寸法を一時的に縮小することが可能になる。そのため、例えば直噴式V型エンジンの二つのバンク間の空間が上方へ向けて狭くなっているような場合、言い換えれば、両バンクの内面上端間における離隔寸法が、二つのシリンダヘッドにおいてインジェクタの取り付け部位間における離隔寸法より小さくなっているような場合でも、直噴式V型エンジンに対する燃料供給装置の設置作業が比較的簡単に行えるようになる等、好ましい。
好ましくは、前記一方バンクに装着されるインジェクタと、他方バンクに装着されるインジェクタとについて、前記デリバリパイプからの突出長さが同等とされる。
この構成では、使用するインジェクタを特定しており、この特定により、すべてのインジェクタを共通部品とすることが可能になる等、部品調達性ならびに組み付け作業性を向上するうえで有利となる。
なお、前記「同等」という表現は、完全な同一の場合だけでなく、例えば製造公差や組み付け公差等、適宜の誤差を許容するように「略同一」という概念を含むものであり、このことは均等の範疇であると考えている。要するに、前記一方バンク用のインジェクタにおける突出長さと、前記他方バンク用のインジェクタにおける突出長さとが、ある程度異なるような場合も、本発明に含まれる。
好ましくは、前記耐圧パイプには、デリバリパイプからの突出長さが調整された状態で、前記デリバリパイプとインジェクタとを互いに引き離す向きに弾性的に付勢するためのクランプが取り付けられる。
この構成によれば、インジェクタを直噴式V型エンジン側に位置決めすることが可能になる一方、仮にインジェクタに対してデリバリパイプ側へ向かう外力がかかった場合には、クランプが弾性的に圧縮されて、耐圧パイプがデリバリパイプの横孔内に入り込むことが許容されるようになっているから、それによって前記外力を吸収減衰することが可能になる。これにより、直噴式V型エンジンに対するインジェクタの装着部位に不要な応力がかかりにくい状態とすることが可能になる。
また、本発明は、複数の燃焼室にそれぞれ燃料を直接噴射する燃料供給装置を搭載した直噴式V型エンジンであって、前記燃料供給装置が、上述したいずれかの構成とされる、ことを特徴としている。
この構成の直噴式V型エンジンでは、上述したいろいろな作用が得られる燃料供給装置を搭載しているから、当該直噴式V型エンジンのトータルコストの低減、重量の軽減が可能になるとともに、燃料供給装置の耐久性、信頼性向上に貢献できるようになる。
本発明に係る直噴式V型エンジン用の燃料供給装置によれば、インジェクタによる燃料噴射時の反力に起因するデリバリパイプの変形を、専用補強無しに抑制または回避することが可能になる。
また、本発明に係る直噴式V型エンジン用の燃料供給装置によれば、二つのバンク間の空間における上方開口が狭いような場合でも、デリバリパイプとインジェクタとのヘッドユニットを前記空間内に比較的簡単に組み込んで設置することが可能になる。
さらに、本発明に係る直噴式V型エンジンによれば、前記のような効果を有する燃料供給装置を備えているので、当該直噴式V型エンジンにおける燃料供給系の耐久性、信頼性向上に貢献できるようになる。
以下、本発明の最良の実施形態について図1から図10を参照して詳細に説明する。
本発明の特徴を適用した部分の説明に先立ち、本発明の適用対象となる直噴式V型エンジンに用いる燃料供給装置の概要について図4を参照して説明する。
燃料供給装置は、図4に示すように、主として、燃料タンク1、フィードポンプ2、プレッシャレギュレータ3、高圧燃料ポンプ4、デリバリパイプ5、複数のインジェクタ6、低圧燃料配管7、高圧燃料配管8、リターン配管9等を含む。
この実施形態では、燃料供給装置が搭載される対象として、6気筒の直噴式V型ガソリン直噴式V型エンジン20を例に挙げている。
なお、インジェクタ6の数は、直噴式V型エンジン20の気筒数(燃焼室27の数)と同数とされる。図示例の燃料供給装置は、例えば図1から図3に示すような6気筒の直噴式V型エンジン20に搭載されるので、6個のインジェクタ6を備えている。
フィードポンプ2は、燃料タンク1から燃料を送り出すものである。プレッシャレギュレータ3は、低圧燃料配管7内の燃料圧力が所定圧を越えたときに低圧燃料配管7内の燃料を燃料タンク1に戻すことによって、この低圧燃料配管7内の燃料圧力を所定圧以下に維持する。高圧燃料ポンプ4は、フィードポンプ2によって送り出された燃料を加圧してデリバリパイプ5に貯留させるものである。
デリバリパイプ5は、内部に貯留される高圧燃料をインジェクタ6に供給するものである。インジェクタ6は、デリバリパイプ5内の高圧燃料を直噴式V型エンジン20の各燃焼室27にそれぞれ直接的に噴射するものである。なお、デリバリパイプ5にインジェクタ6を装着した組立体のことを、この実施形態ではヘッドユニット10と言うことにする。
デリバリパイプ5には、リリーフバルブ11を介してリターン配管9が接続されている。このリリーフバルブ11は、デリバリパイプ5内の燃料圧力が所定圧を越えたときに開弁し、デリバリパイプ5に蓄えられた燃料の一部をリターン配管9を介して燃料タンク1に戻すことにより、デリバリパイプ5内の燃料圧力の過上昇を防止する。
低圧燃料配管7には、高圧燃料ポンプ4の作動時における低圧燃料配管7内の燃圧脈動を抑制するためのパルセーションダンパ12が設けられている。
次に、上述した燃料供給装置の搭載対象となる直噴式V型エンジン20を、例えば図1から図3に示している。
図示例の直噴式V型エンジン20は、シリンダブロック21の二つのバンク24,25上にシリンダヘッド22,23が搭載され、この各シリンダヘッド22,23にサージタンク付インテークマニホールド26が取り付けられた、一般的な構成になっている。
言うまでもないが、一般的に、V型エンジンの場合、タイミングチェーン(図示省略)が配置される側を前と表現するので、このV型エンジンを後から前を見たときに左側に位置するバンクを左側バンクと言い、右側に位置するバンクを右側バンクと言う。但し、図1から図3での記載形態では、図面の右側に前記左側バンクが位置していて、図面の左側に前記右側バンクが位置している。また、直噴式V型エンジン20の動作原理についても一般的に公知であるので、詳細な説明を割愛する。
そして、シリンダブロック21のバンク24,25間の空間に、デリバリパイプ5およびインジェクタ6を含むヘッドユニット10が設置されている。
具体的に、デリバリパイプ5は、空洞の四角い棒形状とされており、例えばアルミニウム合金、マグネシウム合金あるいは鋳鉄等の材料で形成される。
このデリバリパイプ5は、直噴式V型エンジン20の前後方向つまりクランクシャフト(図示省略)の長手方向と平行に配置されており、複数本のボルト13でシリンダブロック21の台座21a上に取り付けられている。このデリバリパイプ5の長手方向複数箇所には、ボルト挿通孔5aが厚み方向(図の上下方向)に貫通形成されている。このボルト挿通孔5aは、デリバリパイプ5の内部空間と非連通とされている。
そして、デリバリパイプ5の両側面の長手方向複数箇所には、デリバリパイプ5の内部空間に連通する横孔5bが設けられており、この横孔5bに、個別の耐圧パイプ15を介してインジェクタ6が取り付けられている。
なお、耐圧パイプ15は、一般的に、高圧燃料の安定流通を長期にわたって保障可能とするような耐圧性ならびに耐久性に優れた特性を有する軽合金(例えばアルミニウム合金等)で形成されており、弾性変形しにくい等、柔軟性が不足している。
各インジェクタ6は、二つのシリンダヘッド22,23において各燃焼室27に対応する位置に装着されており、インジェクタ6の噴射孔が燃焼室27に露呈するようになっている。
この実施形態では、要するに、単一のデリバリパイプ5に対し、その両側のインジェクタ群6を、デリバリパイプ5の幅方向(短手方向)で一直線上に配置させるように工夫している。
言い換えれば、ヘッドユニット10を直噴式V型エンジン20の前方から見た場合には、デリバリパイプ5の幅方向(短手方向)が水平方向に沿うような姿勢とされ、また、デリバリパイプ5の両側のインジェクタ6も水平姿勢または略水平姿勢とされることによって、デリバリパイプ5とその両側のインジェクタ6とが、デリバリパイプ5の幅方向で横一直線上に並んだ状態に配置されている。
なお、一般的に、V型エンジンの場合、図3に示すように、一方バンク24の燃焼室27に対し、他方バンク25の燃焼室27が気筒配列方向に若干ずれて配置されているが、それに合わせて、ヘッドユニット10をエンジン20の上方から見下ろした場合には、デリバリパイプ5を挟む一側のインジェクタ6と他側のインジェクタ6とが、デリバリパイプ5の長手方向に適宜ずれた状態とされている。
さらに、耐圧パイプ15は、デリバリパイプ5の横孔5b内に部分的に没入する状態と、突出する状態とに出し入れ可能とされている。この耐圧パイプ15の先端外周には、周溝(図示省略)が設けられていて、図5に示すように、前記周溝内にOリング17がはみ出す状態で装着されている。このOリング17が横孔5bの内周壁に接触して密封している。
このような場合、耐圧パイプ15をデリバリパイプ5の横孔5b内に没入させる度合いを変更することによって、ヘッドユニット10の幅方向寸法W(デリバリパイプ5を挟む両側のインジェクタ6間の幅方向寸法)を大小調整することが可能になっている。
そして、前記ヘッドユニット10の幅方向寸法Wを適宜に調整した後、その幅方向寸法Wを保持させるために、耐圧パイプ15には、クランプ16が取り付けられるようになっている。
このクランプ16は、例えば図5および図6に示すように、帯状金属材を屈曲して弾性変形可能な機能を有するように形成されるものであって、耐圧パイプ15に径方向から挟みつけられるような形状になっている。
このようなクランプ16を耐圧パイプ15に取り付けると、デリバリパイプ5から各インジェクタ6を引き離す向きに弾性的に付勢して各インジェクタ6を各シリンダヘッド22,23側に押し付けるようになる。
なお、クランプ16は、つまみ部16aと、つまみ部16aに連なる基端部16bと、基端側直線部16cと、V字形折り返し部16dと、自由端側直線部16eと、自由端16fとを有している。クランプ16を耐圧パイプ15に取り付けた状態では、基端側直線部16cがインジェクタ6の端面に当接され、自由端側直線部16eがデリバリパイプ5の側面に当接され、基端部16bおよび自由端部16fの内凹部が耐圧パイプ15の外周に沿うように当接して引っ掛けられるようになっている。
前述したようにヘッドユニット10の幅方向寸法Wを大小調整可能にしている理由について、説明する。
そもそも、例えば直噴式V型エンジン20のバンク24,25間の空間における上方開口が当該空間の深さ方向中程に比べて狭くなっているような場合があるが、そのような場合に、直噴式V型エンジン20に対してデリバリパイプ5およびインジェクタ6のヘッドユニット10を取り付けやすくするためである。
具体的に、図示例の直噴式V型エンジン20の場合、二つのシリンダヘッド22,23の内面側上方に、それぞれ、内部に吸気ポート28を形成した内側膨出部29が設けられている。
この内側膨出部29は、その上面にサージタンク付インテークマニホールド26を搭載するために設けられている。各内側膨出部29それぞれは、鍔状張り出し部で連接されており、それによって前記インテークマニホールド26を搭載しやすいようになっている。
なお、サージタンク付インテークマニホールド26は、一般的に公知の構成であるが、直噴式V型エンジン20の燃焼室27の数と同数の吸気通路(図示省略)を並列して有する構造になっており、前記吸気通路が、各内側膨出部29の吸気ポート28に連通されるようになっている。
このような内側膨出部29の存在によって、二つのシリンダヘッド22,23の各内側膨出部29間における離隔寸法L1が、二つのシリンダヘッド22,23においてインジェクタ6の取り付け部位間における離隔寸法L2より小さくなっている。
このように二つのバンク24,25間の空間における上方開口幅が狭くなっているような場合であっても、上述したようにデリバリパイプ5と各インジェクタ6とを連通連結する耐圧パイプ15を、デリバリパイプ5の横孔5b内に出し入れ可能にすることにより、ヘッドユニット10の幅方向寸法Wを大小調整可能にしていれば、ヘッドユニット10を前記空間の内部まで比較的簡単に差し入れることが可能になるのである。
ここで、直噴式V型エンジン20にヘッドユニット10を取り付けるときの手順および様子について、図7から図10を参照して説明する。
まず、図7の矢印で示すように、耐圧パイプ15をデリバリパイプ5の横孔5b内に没入させるようにすることで、ヘッドユニット10の幅方向寸法Wを一時的に小さくする。このようにすれば、図8に示すように、直噴式V型エンジン20のバンク24,25間の空間における上方開口が狭くても、そこからヘッドユニット10を通過させて前記空間内に差し入れやすくなる。
このようにして、前記空間内にヘッドユニット10を差し入れた後は、図9に示すように、耐圧パイプ15をデリバリパイプ5の横孔5b内から所定量引き出すことで、ヘッドユニット10の幅方向寸法Wを大きくしつつ、デリバリパイプ5の両側のインジェクタ6をそれぞれ各シリンダヘッド22,23の所定位置に装着する。この装着形態は、一般的に公知の方法と同様とするので、ここでの詳しい説明は割愛する。
この後、図10に示すように、ヘッドユニット10の耐圧パイプ15に対してクランプ16を装着する。
参考までに、デリバリパイプ5の両側面と各インジェクタ6との間にクランプ16を介入させた状態で耐圧パイプ15に挟みつける場合に、クランプ16については、その基端側直線部16cと自由端側直線部16eとが近接するように弾性変形されるサイズのものを使用するのが好ましい。
このようなサイズのクランプ16を用いれば、クランプ16の両直線部16c,16eが弾性復元力でもって離隔するように作用するから、この弾性復元力でもってデリバリパイプ5からインジェクタ6が引き離されるように押圧されることになり、それによってインジェクタ6がシリンダヘッド22,23側に付勢されるようになる。
したがって、上記状態とすれば、インジェクタ6をシリンダヘッド22,23側に位置決めすることが可能になる一方、仮にインジェクタ6に対してデリバリパイプ5側へ向かう外力がかかった場合には、クランプ16が弾性的に圧縮されて、耐圧パイプ15がデリバリパイプ5の横孔5b内に入り込むことが許容されるようになっているから、それによって前記外力を吸収減衰することが可能になる。これにより、直噴式V型エンジン20に対するインジェクタ6の装着部位に不要な応力がかかりにくい状態とすることが可能になる。
なお、上述したように直噴式V型エンジン20にヘッドユニット10を組み付けた状態では、一方バンク24側に装着される各インジェクタ6と、他方バンク25側に装着される各インジェクタ6とについて、デリバリパイプ5からの突出長さが同等とされており、それによって、ヘッドユニット10を正面から見てデリバリパイプ5を中心として左右対称形状になっている。
以上説明したように、本発明の特徴を適用した実施形態では、直噴式V型エンジン20において二つのバンク24,25毎にデリバリパイプを設けずに、単一のデリバリパイプ5を用いるようにしてコンパクトかつ簡素化した構成を前提とし、単一のデリバリパイプ5に対し、その両側のインジェクタ6それぞれをデリバリパイプ5の幅方向で一直線上に配置した構成としている。
これにより、デリバリパイプ5を挟んだ一側の各インジェクタ6からの高圧燃料の噴射時の反力と他側の各インジェクタ6のそれとが打ち消し合うようになるために、デリバリパイプ5に対して好ましくない応力が作用しにくくなる。
そのため、デリバリパイプ5の経年的な変形を抑制または防止することが可能になり、ひいてはデリバリパイプ5に従来例のような補強用リブ等を設ける必要がなくなる。したがって、デリバリパイプ5の変形を、専用補強無しに抑制または回避することが可能になり、デリバリパイプ5の設計自由度の拡大、設計コストの低減、ならびに重量の軽減を図るうえで有利となる。
なお、本発明は、上記実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内および当該範囲と均等の範囲で包含されるすべての変形や応用が可能である。以下で例を挙げる。
(1)本発明に係る直噴式V型エンジン20は、ガソリンエンジンの他、ディーゼルエンジンであってもよく、また、気筒数も特に限定されない。さらに、直噴式V型エンジン20のバンク角についても特に限定されるものではない。いずれにしても、例えばバンク角が比較的狭くて両バンク間の空間の上方開口幅が狭くなっているタイプのほうが、デリバリパイプ5およびインジェクタ6のヘッドユニット10を取り付ける際のメリットが大きいと言える。
(2)上記実施形態では、ヘッドユニット10について、デリバリパイプ5を挟んだ一側のインジェクタ6群と他側のインジェクタ6群とをデリバリパイプ5の長手方向でずらして配置している例を示している。これに対し、デリバリパイプ5を挟んだ一側のインジェクタ6群と他側のインジェクタ6群とをデリバリパイプ5の長手方向で合致する状態に配置することにより、ヘッドユニット10を上方から見下ろした状態で、一側の各インジェクタ6と他側の各インジェクタ6とを、デリバリパイプ5の幅方向に一直線上に並べて配置するような場合も、本発明に含まれる。
(3)上記実施の形態では、燃焼室27に燃料を直接噴射するインジェクタ6のみを備える直噴タイプの燃料供給装置を例に挙げている。例えば燃焼室27に燃料を直接噴射するインジェクタ6に加えて、吸気ポートに燃料を噴射するインジェクタ(図示省略)を併せ持つタイプの燃料供給装置にも、本発明を適用することが可能である。
1 燃料タンク
2 高圧燃料ポンプ
5 デリバリパイプ
6 インジェクタ
10 ヘッドユニット
15 耐圧パイプ
16 クランプ
20 直噴式V型エンジン
21 シリンダブロック
22,23 リンダヘッド
24,25 シリンダブロックのバンク
27 燃焼室
28 シリンダヘッドの吸気ポート
29 シリンダヘッドの内側膨出部
L1 内側膨出部間の離隔寸法(両バンクの各上端側の対向間隔)
L2 シリンダヘッドのインジェクタ取り付け部位間の離隔寸法
W ヘッドユニット(デリバリパイプおよびインジェクタ)の幅方向寸法
2 高圧燃料ポンプ
5 デリバリパイプ
6 インジェクタ
10 ヘッドユニット
15 耐圧パイプ
16 クランプ
20 直噴式V型エンジン
21 シリンダブロック
22,23 リンダヘッド
24,25 シリンダブロックのバンク
27 燃焼室
28 シリンダヘッドの吸気ポート
29 シリンダヘッドの内側膨出部
L1 内側膨出部間の離隔寸法(両バンクの各上端側の対向間隔)
L2 シリンダヘッドのインジェクタ取り付け部位間の離隔寸法
W ヘッドユニット(デリバリパイプおよびインジェクタ)の幅方向寸法
Claims (5)
- 直噴式V型エンジンの二つのバンク間に配置されかつ高圧燃料を蓄積する単一のデリバリパイプと、このデリバリパイプの幅方向両側に振り分けて取り付けられかつ前記エンジンにおける複数の燃焼室にそれぞれ燃料を直接噴射する複数のインジェクタとを含み、
前記単一のデリバリパイプに対し、その両側のインジェクタが、前記デリバリパイプの幅方向で一直線上に配置されている、ことを特徴とする直噴式V型エンジン用の燃料供給装置。 - 請求項1に記載の直噴式V型エンジン用の燃料供給装置において、
前記デリバリパイプと各インジェクタとを連通連結する耐圧パイプは、デリバリパイプ内に部分的に没入する状態と、突出する状態とに出し入れ可能とされる、ことを特徴とする直噴式V型エンジン用の燃料供給装置。 - 請求項1または2に記載の直噴式V型エンジン用の燃料供給装置において、
前記一方バンクに装着されるインジェクタと、他方バンクに装着されるインジェクタとについて、前記デリバリパイプからの突出長さが同等とされる、ことを特徴とする直噴式V型エンジン用の燃料供給装置。 - 請求項2または3に記載の直噴式V型エンジン用の燃料供給装置において、
前記耐圧パイプには、デリバリパイプからの突出長さが調整された状態で、前記デリバリパイプとインジェクタとを互いに引き離す向きに弾性的に付勢するためのクランプが取り付けられる、ことを特徴とする直噴式V型エンジン用の燃料供給装置。 - 複数の燃焼室にそれぞれ燃料を直接噴射する燃料供給装置を搭載した直噴式V型エンジンであって、
前記燃料供給装置が、請求項1から4のいずれか一つに記載の構成とされる、ことを特徴とする直噴式V型エンジン。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012012955A (ja) * | 2010-06-29 | 2012-01-19 | Suzuki Motor Corp | V型エンジンの燃料供給装置 |
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2007
- 2007-07-05 JP JP2007177204A patent/JP2009013885A/ja active Pending
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JP2012012955A (ja) * | 2010-06-29 | 2012-01-19 | Suzuki Motor Corp | V型エンジンの燃料供給装置 |
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