JP2009013354A - ペースト組成物およびプラズマディスプレイ - Google Patents

ペースト組成物およびプラズマディスプレイ Download PDF

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Tomoyuki Inoue
朋之 井上
Takashi Ono
貴司 小野
Satoshi Shimatani
聡 嶋谷
Masatoshi Maeda
将俊 前田
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Abstract

【課題】気泡の発生を抑制することができ、銅を含む金属上を良好に覆うことができる誘電体層を形成可能なペースト組成物を提供する。
【解決手段】本発明のペースト組成物は、バインダー樹脂と、単環式モノテルペンまたはその水添化物の少なくとも1種を含有する溶剤と、無機粉末と、を含み、銅を含む金属上に塗布するためのペースト組成物であって、該バインダー樹脂が、アクリル系樹脂およびセルロース系樹脂を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、銅を含む金属上に設けられる誘電体層を形成するためのペースト組成物に関する。また、本発明は、このペースト組成物により形成された誘電体層を備えるプラズマディスプレイ(以下、「PDP」ともいう)に関する。
PDPは、透明電極とパス電極とからなる複合電極が互いに平行に形成された前面板と、上記複合電極と直交するようにアドレス電極が互いに平行に形成された背面板とが対向して配設され、一体化されてなる表示素子である。
前面板は表示面となる透明ガラス基板を有しており、このガラス基板の内側、即ち背面板側には、上記複合電極が配置されている。そして、この複合電極を覆うように誘電体層が形成され、この誘電体層上にはパターニングされたスペーサ層が設けられており、この誘電体層及びスペーサ層の表面には、金属酸化物からなる保護膜が形成されている。一方、背面板の基板の前面板側には、上記のアドレス電極が配置され、このアドレス電極を覆うように誘電体層が形成され、この誘電体層上に発光部が形成されている。PDPの誘電体層は、たとえば、ZnO系ガラス、PbO系ガラス等の低融点ガラス、樹脂および有機溶剤からなるペースト組成物を基板の表面に塗布して、焼成することにより形成される。
導電性改良の観点から、誘電体層側の表面の基板、又は電極の何れかに銅を使用する場合、銅表面から泡が発生し、焼成後も誘電体層中に気泡が残ることがある。その結果、十分な平坦性が得られず、良好な誘電体層が得られないという問題があった。そのため、銅表面からの気泡の発生を抑制することが可能な誘電体層の検討が行われている(特許文献1、2参照)。
特開2006−008792号公報(平成18年1月12日) 特開2006−107947号公報(平成18年4月20日)
しかしながら、特許文献1,2に記載のペースト組成物を用いても、気泡の発生を完全に抑制することはできず、十分な平坦性を有した誘電体層を得られなかった。そこで、誘電体層の厚さを、従来の半分程度の薄膜状に形成して、発生した気泡を通り抜けさせて逃がす方法なども検討されている。しかしながら、従来の誘電体層の厚さは、気泡の内径よりも厚いため、発生した気泡が中に閉じ込められてしまったり、表面に残ったりしてしまうことがあり、誘電体層を良好に形成することが困難であった。そのため、気泡の発生を抑制することができるペースト組成物の開発が望まれている。
本発明は、上記課題を解決するためになされ、その目的は、気泡の発生が抑制され、銅を含む金属上を良好に覆うことができるペースト組成物、およびこのペースト組成物を用いて形成された誘電体層を有するプラズマディスプレイを提供することにある。
本発明に係るペースト組成物は、バインダー樹脂と、単環式モノテルペンまたはその水添化物の少なくとも1種を含有する溶剤と、無機粉末と、を含み、銅を含む金属上に塗布するためのペースト組成物であって、該バインダー樹脂が、アクリル系樹脂およびセルロース系樹脂を含むことを特徴とする。
また、本発明に係るプラズマディスプレイは、上記ペースト組成物を用いて形成された誘電体層を含むことを特徴とする。
本発明のペースト組成物によれば、アクリル系樹脂と、セルロース系樹脂とを含むバインダー樹脂を含むことにより、このペースト組成物を用いて銅を含む金属上に誘電体層を形成するとき、気泡の発生を抑制することができ、良好な平坦性に優れた誘電体層を形成することができる。
以下、本発明の実施形態について説明する。
[ペースト組成物]
本実施形態に係るペースト組成物は、アクリル系樹脂およびセルロース系樹脂を含むバインダー樹脂と、単環式モノテルペンまたはその水添化物の少なくとも1種を含有する溶剤と、無機粉末と、を含む。
(バインダー樹脂)
本実施形態に係るバインダー樹脂は、アクリル系樹脂およびセルロース系樹脂を含む。以下の説明では、始めにアクリル系樹脂およびセルロース系樹脂のそれぞれについて説明した後に、バインダー樹脂について説明する。
(アクリル系樹脂)
アクリル系樹脂は、その質量平均分子量が、150,000〜300,000であることが好ましく、200,000〜300,000であることがより好ましい。アクリル系樹脂の質量平均分子量を、上記の範囲内とすることにより、低固形分濃度で高粘度のペースト組成物を製造することが可能となる。そのため、特にダイコーターを用いた該ペースト組成物の薄膜塗布が容易となり、薄膜状の誘電体層を形成することが可能となる。
また、アクリル系樹脂のガラス転移点は、30℃〜100℃であることが好ましく、50℃〜80℃であることがより好ましく、60℃〜70℃であることがさらに好ましい。アクリル系樹脂のガラス転移点を、上記の範囲とすることによって、ペースト組成物の粘度をより増加させることが可能となる。これによって、低固形分濃度でも従来と同じ塗布方法(特にダイコーターを用いた塗布法)を用いて塗布することができるペースト組成物を提供することが可能となる。
このようなアクリル系樹脂としては、水酸基を有する重合性モノマー(以下、「(a1)成分」ともいう)と、下記の化学式で示される重合性モノマー(以下、「(a2)成分」ともいう)と、の共重合体を用いることが好ましい。
CH=CR−COOR
(式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、Rは炭素数1〜10のアルキル基である)
アクリル系樹脂は、(a1)成分を含有することによって、ペースト組成物に無機粉末と水素結合させることが容易となり、無機粉末の分散性を向上させることが可能となる。これによって、形成された誘電体層の平坦性を向上させることが可能となる。また、(a2)成分を含有することによって、アクリル系樹脂のガラス転移点を上昇させることが可能となる。また、形成された誘電体層の柔軟性を向上させることも可能となる。
まず、(a1)成分について説明する。(a1)成分としては、バインダー樹脂に水酸基を導入できる重合性モノマーであれば、特に限定されない。具体的には、2‐ヒドロキシ‐3‐フェノキシプロピルアクリレート、2‐アクリロイロキシエチル‐2‐ヒドロキシエチルフタレート、2‐メタクリロイロキシエチル2‐ヒドロキシプロピルフタレート、2‐ヒドロキシエチルアクリレート、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート、2‐ヒドロキシプロピルアクリレート、2‐ヒドロキシプロピルメタクリレート、3‐ヒドロキシプロピルアクリレート、3‐ヒドロキシプロピルメタクリレート、2‐ヒドロキシブチルアクリレート、2‐ヒドロキシブチルメタクリレート、3‐ヒドロキシブチルアクリレート、3‐ヒドロキシブチルメタクリレート、4‐ヒドロキシブチルアクリレート、4‐ヒドロキシブチルメタクリレート、エチレングリコールモノアクリレート、エチレングリコールモノメタクリレート、グリセロールアクリレート、グリセロールメタクリレート、ジペンタエリトリトールモノアクリレート、ジペンタエリトジトールモノメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、o‐ヒドロキシスチレン、m‐ヒドロキシスチレン、p‐ヒドロキシスチレン等を挙げることができる。
アクリル系樹脂中の(a1)モノマーの含有率(繰り返し単位の含有率)は、10モル%〜90モル%であることが好ましく、10モル%〜50モル%であることがさらに好ましく、10モル%〜30モル%であることがさらに好ましい。前記(a1)モノマーの含有率を、上記の範囲内とすることによって、焼成時に無機粉末とバインダー樹脂とを水素結合させることが容易となり、無機粉末の分散性を向上させることが可能となる。
次に、(a2)成分について説明する。(a2)成分におけるRが炭素数1〜5のアルキル基である場合、該アルキル基は、直鎖状、分岐状のアルキル基であってもよい。このうち、熱分解性の観点から、メチル基であることが好ましい。また、Rは、炭素数1〜10のアルキル基であり、直鎖状、分岐状のアルキル基であってもよい。Rは、炭素数1〜8のアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキル基であることがより好ましい。
前記(a2)成分としては、例えば、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、n‐プロピルアクリレート、n‐プロピルメタクリレート、i‐プロピルアクリレート、i‐プロピルメタクリレート、n‐ブチルアクリレート、n‐ブチルメタクリレート、i‐ブチルアクリレート、i‐ブチルメタクリレート、sec‐ブチルアクリレート、sec‐ブチルメタクリレート、tert‐ブチルアクリレート、tert‐ブチルメタクリレート等が挙げられる。これらの重合性モノマーの中でも、形成された誘電体層の柔軟性の観点から、i‐ブチルメタクリレートが好ましい。
アクリル系樹脂中の(a2)成分の含有率(繰り返し単位の含有率)は、10モル%〜90モル%であることが好ましく、30モル%〜90モル%であることがより好ましく、50モル%〜85モル%であることがさらに好ましい。(a2)成分の含有率を10モル%以上とすることによって、アクリル系樹脂中の水酸基に対する立体障害を抑制することが可能となる。また、(a2)成分の含有率を90モル%以下とすることによって、形成された誘電体用の柔軟性を良好にすることが可能となる。
バインダー樹脂は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記(a1)成分、および(a2)成分以外の他の重合性モノマー(後述する(その他の成分)の記載を参照)を含有していてもよい。
前記アクリル系樹脂の含有量は、前記バインダー樹脂100質量部当たり、5質量部以上、95質量部以下であることが好ましく、より好ましくは、25質量部以上、95質量部以下であり、さらに好ましくは、50質量部以上、95質量部以下である。アクリル系樹脂の含有量を上記範囲内にすることにより、ペースト組成物を高粘度に保つことが容易となる。
上記アクリル系樹脂は、公知のラジカル重合により製造することができる。すなわち、重合性モノマー、及び公知のラジカル重合開始剤を重合溶媒に溶解した後、加熱攪拌することにより製造することができる。アクリル系樹脂の調製では、重合溶媒として、ターピネオールまたはメンタノールを用いることが好ましい。この重合溶媒は、ペースト組成物の溶剤となり、ペースト組成物の溶剤として好ましいためである。さらに、重合溶媒は、メンタノールであることがより好ましい。この場合、アクリル系樹脂の分子量をより大きくすることができ、低固形分濃度であり高粘度のペースト組成物を得ることができる。
(セルロース系樹脂)
本実施形態において、セルロース系樹脂は、銅を含む金属の酸化を抑制し、気泡の発生を抑制できる。さらに、このセルロース樹脂は、アクリル系樹脂との相溶性を有することが好ましい。このようなセルロース系樹脂としては、下記式(1)で表される基を有することが好ましい。
−CO− (1)
(式(1)において、Rは炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖アルキル基である)
式(1)で表される基としては、アセチル基、ブチリル基が好ましい。本実施形態に係るペースト組成物では、セルロースアセテートブチレートを用いることが好ましい。
前記セルロース系樹脂の含有量は、前記バインダー樹脂100質量部当たり、5質量部以上、95質量部以下であることが好ましく、より好ましくは、5質量部以上、75質量部以下であり、さらに好ましくは、5質量部以上、50質量部以下である。セルロース系樹脂の含有量を上記範囲内にすることにより、銅を含む金属の酸化を抑制する効果を向上させて気泡の発生をより抑制することができる。これにより、本発明のペースト組成物から形成される誘電体層の平坦性をより良好にすることができる。とくに、銅を含む金属に本発明のペースト組成物が直接接触する場合に効果が高い。
また、セルロース系樹脂の熱分解温度の上限値は、450℃以下であることが好ましい。この上限値にすることにより、ペースト組成物からなる塗布膜を焼成する際に完全に焼き飛ばすことが容易となり、良好な膜質および平坦性を有する誘電体層を形成することができるさらに、後述する無機粉末がガラスフリットである場合、ガラスフリットの軟化点よりもその熱分解温度が低いことが好ましい。また、セルロース系樹脂の熱分解温度の下限値は、200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることが好ましい。この下限値にすることにより、ペースト組成物の塗布後における乾燥時にペースト組成物からなる膜の平坦性をより向上させることができ、誘電体層の平坦性をより良好にすることができる。
本実施形態に係るペースト組成物では、バインダー樹脂の含有量は、溶剤以外の全固形成分100質量部に対し、5質量部〜40質量部であることが好ましく、10質量部〜30質量部であることがより好ましい。バインダー樹脂の含有量を、上記の範囲とすることによって、低固形分濃度で高粘度のペースト組成物を製造することが可能となる。 本実施形態に係るペースト組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、上述のバインダー樹脂以外の共重合体を含有してもよい。
(溶剤)
溶剤は、単環式モノテルペンまたはその水添化物の少なくとも1種を含有する。単環式モノテルペンとしては、リモネン、ターピネオール、カルボン等が挙げられる。また、単環式モノテルペンの水添化物としては、メンタノールが挙げられる。これらは単独又は2種以上を組み合わせて用いることが可能である。単環式モノテルペンは、従来溶剤として用いられていたエステル系溶剤よりも、高い粘性を有しているため、ペースト組成物の粘度を増加させることが可能となる。これによって、低固形分濃度のペースト組成物であっても、従来と同じ塗工装置を用いて塗布することが可能となる。中でも、ターピネオールや、メンタノールは、より高い粘性を有しているため、これらの少なくとも一方を用いることが好ましい。
本発明に係るペースト組成物中の溶剤の含有量は、ペースト組成物の粘度が5,000mPa.s〜50,000mPa.s、より好ましくは5,500mPa.s〜45,000mPa.sであり、固形分濃度が40質量%〜70質量%、より好ましくは45質量%〜65質量%、さらに好ましくは、50質量%〜60質量%となる範囲であればよく、特に限定されるものではない。
(無機粉末)
本発明に係るペースト組成物は、無機粉末を含有する。無機粉末は、焼成することでガラス化するガラスフリットであることが好ましく、例えば、PbO‐SiO系、PbO‐B‐SiO系、ZnO−SiO系、ZnO‐B‐SiO系、BiO‐SiO系、BiO‐B‐SiO系、PbO‐B‐SiO‐Al系、PbO‐ZnO‐B‐SiO系等が挙げられる。中でも、環境への影響の観点から、鉛を含有しないガラスフリットであることが好ましい。
また、ガラスフリットに加えて、セラミックス(コーディライト等)、金属等の無機粉末を用いてもよい。このような無機粉末として、具体的には、酸化コバルト、酸化鉄、酸化クロム、酸化ニッケル、酸化銅、酸化マンガン、酸化ネオジウム、酸化バナジウム、酸化セリウムチペークイエロー、酸化カドミウム、酸化ルテニウム、シリカ、マグネシア、スピネル等の各酸化物等が挙げられる。
また、ZnO:Zn、Zn(PO:Mn、YSiO:Ce、CaWO:Pb、BaMgA11423:Eu、ZnS:(Ag,Cd)、Y:Eu、YSiO:Eu、Y1512:Eu、YBO:Eu、(Y,Gd)BO:Eu、GdBO:Eu、ScBO:Eu、LuBO:Eu、ZnSiO:Mn、BaAl1219:Mn、SrAl1319:Mn、CaAl1219:Mn、YBO:Tb、BaMgAl1423:Mn、LuBO:Tb、GdBO:Tb、ScBO:Tb、SrSiCl:Eu、ZnS:(Cu、Al)、ZnS:Ag、YS:Eu、ZnS:Zn、(Y、Cd)BO:Eu、BaMgAl1223:Eu等の蛍光体粉末、鉄、ニッケル、パラジウム、タングステン、銅、アルミニウム、銀、金、白金等の金属粉末等が挙げられる。
無機粉末の平均粒径は、0.1μm〜10μm、より好ましくは0.5μm〜8μmである。平均粒径を10μm以下とすることによって、焼成後の表面粗さの増加を防止することが可能となる。また、平均粒径を0.1μm以上とすることによって、焼成時に微細な空洞が形成され、絶縁不良が発生することを防止することが可能となる。前記無機粉末の形状としては、球状、ブロック状、フレーク状、デンドライト状が挙げられ、その単独又は2種類以上を組み合わせて用いることができる。
本発明に係るペースト組成物中の無機粉末の含有量は、溶剤以外の全固形成分100質量部に対し、50質量部〜95質量部であることが好ましく、70質量部〜90質量部であることがより好ましい。
(その他の成分)
本発明に係るペースト組成物は、上述のバインダー樹脂、溶剤および無機粉末以外に、必要に応じて、その他の成分を含有することが可能である。
例えば、上述のバインダー樹脂以外の樹脂を、さらにバインダー樹脂として添加することが可能である。
さらに添加することが可能なバインダー樹脂としては、ポリビニルアルコールとブチルアルデヒドとの反応生成物であるポリブチラール樹脂などのポリビニルアルコール類、δ‐バレロラクトン、ε‐カプロラクトン、β‐プロピオラクトン、α‐メチル‐β‐プロピオラクトン、β‐メチル‐β‐プロピオラクトン、α‐メチル‐β‐プロピオラクトン、β‐メチル‐β‐プロピオラクトン、α,α‐ジメチル‐β‐プロピオラクトン、β,β‐ジメチル‐β‐プロピオラクトンなどのラクトン類が開環重合したポリエステル類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等のアルキレングリコール単独又は二種以上のジオール類と、マレイン酸、フマル酸、グルタル酸、アジピン酸などのジカルボン酸類との縮合反応で得られたポリエステル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリペンタメチレングリコールなどのポリエーテル類、ビスフェノールA、ヒドロキノン、ジヒドロキシシクロヘキサン等のジオール類と、ジフェニルカーボネート、ホスゲン、無水コハク酸等のカルボニル化合物との反応生成物であるポリカーボネート類が挙げられる。これらの樹脂は、単独又2種以上での混合物でも使用できる。
また、バインダー樹脂の物性を制御するために、必要に応じて、単量体を添加することも可能である。単量体としては、上述の(a1)成分で例示したモノマーを挙げることができるが、それ以外に、重合可能なエチレン性不飽和結合を2個以上有するモノマー(以下、「多官能性モノマー」という)を用いることもできる。
多官能性モノマーとして、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール等のアルキレングリコールのジアクリレート又はジメタクリレート類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコールのジアクリレート又はジメタクリレート類、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の多価アルコールのポリアクリレート又はポリメタクリレート類やそれらのジカルボン酸変性物等が挙げられる。この中で、具体的には、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールプロパンテトラアクリレート、テトラメチロールプロパンテトラメタクリレート、ペンタエリトリトールトリアクリレート、ペンタエリトリトールトリメタクリレート、ペンタエリトリトールテトラアクリレート、ペンタエリトリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリトリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリトリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。
さらに、可塑性を付与するために、可塑剤を添加することも可能である。可塑剤としては、公知の可塑剤を用いることができ、沸点が200℃以上であって、室温で液体の透明性に優れるものが好ましい。
具体的には、フタル酸ジメチルやフタル酸ジエチル、フタル酸ジブチルやフタル酸ジヘプチル、フタル酸ジ‐2‐エチルヘキシルやフタル酸ジイソブチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシルやフタル酸ジブトキシエチル、フタル酸ジブチルベンジル、フタル酸ジオクチルやブチルフタリルブチルグリコレートなどのフタル酸系化合物、アジピン酸ジメチルやアジピン酸ジエチル、アジピン酸ジブチルやアジピン酸ジへプチル、アジピン酸ジ‐2−エチルヘキシルやアジピン酸ジイソブチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシルやアジピン酸ジブトキシエチル、アジピン酸ジブチルベンジル、アジピン酸ジオクチルなどのアジピン酸系化合物、セバシン酸ジメチルやセバシン酸ジエチル、セバシン酸ジブチルやセバシン酸ジへプチル、セバシン酸ジ‐2‐エチルヘキシルやセバシン酸ジイソブチル、セバシン酸ジイソノニル、セバシン酸ジイソデシルやセバシン酸ジブトキシエチル、セバシン酸ジブチルベンジル、セバシン酸ジオクチルなどのセバシン酸系化合物、アゼライン酸ジメチルやアゼライン酸ジエチル、アゼライン酸ジブチルやアゼライン酸ジヘプチル、アゼライン酸ジ‐2‐エチルヘキシルやアゼライン酸ジイソブチル、アゼライン酸ジイソノニル、アゼライン酸ジイソデシルやアゼライン酸ジブトキシエチル、アゼライン酸ジブチルベンジル、アゼライン酸ジオクチルなどのアゼライン酸系化合物、リン酸トリエチルやリン酸トリフェニル、リン酸トリクレジル、リン酸トリキシレニル、リン酸クレジルフェニルなどのリン酸系化合物、ジオクチルセバケート、メチルアセチルリシノレートなどの脂肪酸系化合物、ジイソデシル4,5‐エポキシテトラヒドロフタレートなどのエポキシ系化合物、トリメリット酸トリブチル、トリメリット酸トリ‐2‐エチルヘキシル、トリメリット酸トリn‐オクチル、トリメリット酸トリイソデシルなどのトリメリット酸系化合物、その他、オレイン酸ブチル、塩素化パラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン等が挙げられる。これらは必要に応じて単独又は2種以上を組み合わせて配合できる。
その他公知の分散剤、表面張力調整剤、安定剤、消泡剤等の各種添加剤を添加してもよい。
(ペースト組成物の調製方法)
本実施形態に係るペースト組成物は、上記バインダー樹脂、無機粉末、溶剤および必要に応じてその他の成分を混合することにより得られる。
各成分の混合順序は、特に限定されるものではない。例えば、バインダー樹脂、無機粉末を一度に混合してもよいし、予めバインダー樹脂を、溶剤に混合または溶解させて、バインダー成分を調製した後に、該バインダー成分に無機粉末を添加して混合してもよい。以下に、後者の方法を例にして、本発明のペースト組成物の製造方法について詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
まず、かき混ぜ機で混合することにより、バインダー樹脂を溶剤に溶解させ、バインダー成分を調製する。このとき、単量体や、可塑剤、分散剤、表面張力調整剤、安定剤、消泡剤等の各種添加剤を添加してもよい。
ついで、このバインダー成分中に、無機粉末を添加して混合物を調製し、この混合物を混練することによって無機粉末を分散させることにより、本発明に係るペースト組成物を得ることができる。
本実施形態に係るペースト組成物には、アクリル系樹脂と、セルロース系樹脂とを含むバインダー樹脂が用いられている。そのため、このペースト組成物を用いて、銅を含む金属の表面に被膜を形成したとき、銅を含む金属から気泡が発生することを抑制することができる。その結果、本実施形態に係るペースト組成物によれば、銅を含む金属上を良好に覆うことができる誘電体層を形成することができる。
[プラズマディスプレイ]
次に、本実施形態に係るペースト組成物を用いてPDPを製造する方法について説明する。まず、ガラス基板の電極設置面に、本発明に係るペースト組成物を均一に塗布する。このときのガラス基板と塗工装置のギャップは、20μm〜100μmであることが好ましく、50μm〜90μmであることがより好ましい。塗布方法は、ダイヘッドコータ一等を用いることが可能である。
次に、塗膜が形成されたガラス基板を90℃〜180℃で、5分〜60分間加熱乾燥する。その後、500℃〜700℃で15分〜60分間焼成する。この焼成により、ペースト組成物中のガラスフリットが焼結され、誘電体層が形成される。なお、ペースト組成物中の溶剤等は加熱により揮発、分解されるため、形成された膜には実質的に残らない。ここで、前記電極に銅が用いられている場合、膜中で気泡が発生することが抑制できる。このような工程により、本実施形態に係るプラズマディスプレイの前面板が得られる。
なお、ディスプレイパネルを製造した後、表面に露出している誘電体層を、例えばMgOのような金属酸化物の保護膜で被覆することが好ましい。
背面板は、ガラス基板のような基板の電極設置面に、上記と同様の方法で誘電体層を形成し、さらに、公知の方法によりリブ(バリアリブ)及び蛍光体層を形成することにより得られる。なお、上記電極はアドレス電極である。
焼成後の前面板の誘電体層の膜厚は、5μm〜30μmであり、好ましくは5μm〜20μmであり、より好ましくは7μm〜15μmである。焼成後の膜厚を30μm以下とすることによって、透過率を良好にすることが可能となる。焼成後の膜厚を5μm以上とすることによって、誘電体層としての十分な特性を得ることが可能となる。背面板の誘電体層の膜厚は、5μm〜30μmであり、好ましくは5μm〜20μmである。なお、誘電体層を形成する際には、上記工程(基板にペースト組成物を塗布した後、焼成する工程)を複数回繰り返して誘電体層を形成してもよい。
[実施例1〜3]
(ペースト組成物の調製)
実施例1〜3に係るペースト組成物として、低融点粉末ガラス(無機粉末)80質量部、メンタノールを用いて重合した分子量250,000のアクリル系樹脂(詳細は後述する)15質量部、アクリル系樹脂に可溶であるセルロース系樹脂(セルロースアセテートブチレート)5質量部をプラネタリミキサ用タンクに計量した。計量したタンクをプラネタリミキサにて、3時間混練を行った。次に、メンタノールを用いて希釈し、10,000mPa・sになるように希釈した。
このとき粘度は、粘度計:東機産業製 RE550V型にて測定した。粘度は、ローターの回転数によって変化するため、20sec−1で固定し測定した。
なお、実施例1〜3で用いたアクリル系樹脂とは、下記化学式で示される繰り返し単位を有する共重合体(新中村化学社製:商品名TKOシリーズ・組成比(モル比)x:y=8:2、ガラス転移点(Tg)=63℃、質量平均分子量(Mw)=250,000)である。
Figure 2009013354
また、実施例1〜3で用いたセルロース系樹脂とは、アセチル基、ブチリル基およびヒドロキシル基の含有率を異ならせた3種類のセルロースアセテートブチレートである。各実施例で用いたセルロース系樹脂のアセチル基、ブチリル基およびヒドロキシル基の含有量を表1に示す。
Figure 2009013354
[比較例]
実施例1〜3において、セルロース系樹脂を添加することなく、実施例1〜3で用いたアクリル系樹脂を20質量部に変更した以外は、実施例1〜3と同様に行い、比較例に係るペースト組成物を製造した。
<塗布試験>
基板上に、実施例及び比較例で調製したペースト組成物をそれぞれ塗布した。次に、した後、触針式表面粗さ計を用いて膜厚を測定した。
(評価)
アプリケーターを用いて、実施例および比較例により得られたペースト組成物を銅電極が設けられた基板(高歪点ガラスPD200)に塗布し、乾燥させた後、600℃で30分間焼成(12℃/分の昇温条件)し、誘電体層を形成した。その後、該誘電体層を顕微鏡およびSEMにて観察したところ、実施例1〜3のペースト組成物では銅電極から気泡が発生していないことが確認された。一方、比較例のペースト組成物では銅電極から気泡が発生していることが確認された。
実施例および比較例の評価結果から判るように、本実施例に係るペースト組成物によれば、銅電極の表面において気泡の発生を抑制できることが確認された。
本発明に係るペースト組成物は、電極として銅を含む金属を備えるデバイスにおける誘電体層の形成に好適に用いることができる。

Claims (10)

  1. バインダー樹脂と、単環式モノテルペンまたはその水添化物の少なくとも1種を含有する溶剤と、無機粉末と、を含み、銅を含む金属上に塗布するためのペースト組成物であって、
    該バインダー樹脂が、アクリル系樹脂およびセルロース系樹脂を含むことを特徴とするペースト組成物。
  2. 前記セルロース系樹脂は、
    −CO− (1)
    (式(1)において、Rは炭素数1〜5の直鎖または分岐鎖アルキル基である)
    で表される基を有することを特徴とする請求項1に記載のペースト組成物。
  3. 前記(1)で表される基は、アセチル基、ブチリル基の少なくとも何れかであることを特徴とする請求項2に記載のペースト組成物。
  4. 前記セルロース系樹脂の含有量は、前記バインダー樹脂100質量部当たり、5質量部以上、50質量部以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のペースト組成物。
  5. 前記アクリル系樹脂は、水酸基を有する重合性モノマーと、
    CH=CR−COOR
    (Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基、Rは炭素数1〜10のアルキル基である)
    で表される重合性モノマーと、
    の共重合体を含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載のペースト組成物。
  6. 前記アクリル系樹脂の含有量は、前記バインダー樹脂100質量部当たり、5質量部以上、95質量部以下であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載のペースト組成物。
  7. 前記溶剤は、ターピネオールおよびメンタノールの少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のペースト組成物。
  8. 前記無機粉末は、鉛を含有しないガラスフリットであることを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のペースト組成物。
  9. 前記セルロース系樹脂の熱分解温度は、上記ガラスフリットの軟化点よりも低いことを特徴とする請求項8に記載のペースト組成物。
  10. 請求項1〜9の何れか1項に記載のペースト組成物を用いて形成された誘電体層を含むプラズマディスプレイ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012017632A1 (ja) * 2010-08-04 2012-02-09 パナソニック株式会社 プラズマディスプレイパネル用電極ペーストおよびプラズマディスプレイパネルの製造方法

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