JP2009013349A - ガソリン基材及びそれを含有するガソリン組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車の運転性能(加速応答性)を高めることができるガソリン基材、及びそのようなガソリン基材を含有し運転性能が良好であり、安定性に優れるガソリン組成物を提供すること。
【解決手段】炭化水素油の接触分解又はナフサの熱分解によって得られる炭素数4の炭化水素留分を原料として用い、この原料についてジエン類を除去する処理を行い、ついで該炭素数4の炭化水素留分中のイソブテンに重合反応を施し、該重合反応生成物を分留して得られる炭素数8のモノオレフィン及び炭素数12のオレフィンを主成分とする留分からなるガソリン基材、及び該基材を含有するガソリン組成物である。
【選択図】なし

Description

本発明はガソリン基材及びそれを含有するガソリン組成物に関し、さらに詳しくは、運転性能を高める効果を付与するガソリン基材及びそれを含有するガソリン組成物に関するものである。
自動車の燃料として使用されるガソリンに対しては、数多くの性能を有することが要求される。中でも、基本性能として要求されるのは、自動車の加速性が優れるなど運転性能を高める性能である。
一般に、オレフィン分、特に炭素数が8以上のオレフィン分を多く含有すれば運転性能は向上することが知られている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、通常オレフィン分、特に炭素数が8以上のオレフィン分を多くすると、幾つかの弊害が生ずることがある。
例えば、この種のオレフィン分を多く含むガソリン基材である分解ガソリンを増量すると、それに伴って芳香族分も過度に増加する結果となり、運転性能が低下すると共に、ジオレフィンも増加するためガソリンの安定性を悪化する。
特開2005−226070号公報
本発明は、このような状況下で、自動車の運転性能(加速応答性)を高めることができるガソリン基材、及びそのようなガソリン基材を含有し運転性能が良好であり、安定性に優れるガソリン組成物を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、炭化水素油の接触分解又はナフサの熱分解によって得られる炭素数4の炭化水素留分を重合して得られる特定炭素数のオレフィンを主成分とするガソリン基材及び該基材を含有するガソリン組成物がその目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、
〔1〕炭化水素油の接触分解又はナフサの熱分解によって得られる炭素数4の炭化水素留分を原料として用い、この原料についてジエン類を除去する処理を行い、ついで該炭素数4の炭化水素留分中のイソブテンに重合反応を施し、該重合反応生成物を分留して得られる炭素数8のオレフィン及び炭素数12のオレフィンを主成分とする留分からなるガソリン基材、
〔2〕炭素数4の炭化水素留分が、流動接触分解装置又はエチレン製造装置から得られるものである前記〔1〕に記載のガソリン基材、
〔3〕炭素数8及び12のオレフィンの含有量の合計が70容量%以上である前記〔1〕又は〔2〕に記載のガソリン基材、
〔4〕前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載のガソリン基材を含有するガソリン組成物、
〔5〕ガソリン基材の含有量が1〜20容量%である前記〔4〕に記載のガソリン組成物、
〔6〕下記の(1)〜(6)の条件を満たす前記〔4〕又は〔5〕に記載のガソリン組成物、
(1)リサーチ法オクタン価が89〜102、(2)硫黄分が10質量ppm以下、(3)芳香族分が10〜45容量%、(4)ベンゼンが1.0容量%以下、(5)オレフィン分が10〜30容量%であって、該オレフィン分のうち、炭素数8のオレフィン分及び炭素数12のオレフィン分が1〜20容量%、(6)ジオレフィン分が0.1容量%以下
〔7〕オレフィン分のうち、炭素数8のオレフィン分が、ガソリン組成物基準で2.0〜20容量%、及び炭素数12のオレフィン分がガソリン組成物基準で0.5〜10容量%である前記〔6〕に記載のガソリン組成物、
〔8〕未洗実在ガム量が20mg/100mL以下、洗浄実在ガム量が5mg/100mL以下である前記〔4〕〜〔7〕のいずれかに記載のガソリン組成物、
〔9〕70容量%留出温度が130℃以下で、90容量%留出温度が175℃以下である前記〔4〕〜〔8〕のいずれかに記載のガソリン組成物、
を提供するものである。
本発明によれば、自動車の運転性能(加速応答性)を高めることができるガソリン基材、及びそのようなガソリン基材を含有し運転性能が良好であり、しかも安定性に優れるガソリン組成物を提供することができる。
本発明のガソリン基材は、炭化水素油の接触分解又はナフサの熱分解によって得られる炭素数4の炭化水素留分を原料として用い、この原料についてジエン類を除去する処理を行い、ついで該炭素数4の炭化水素留分中のイソブテンに重合反応を施し、該重合反応生成物を分留して得られる炭素数8のオレフィン及び炭素数12のオレフィンを主成分とする留分からなるガソリン基材である。
原料である前記炭化水素油の接触分解又はナフサの熱分解によって得られる炭素数4の炭化水素留分としては、通常流動接触分解装置又はエチレン製造装置から得られる炭素数4の炭化水素留分が好適に用いられる。
上記炭素数4の炭化水素留分には、通常1−ブテン、2−ブテン、イソブテンなどのブテン類さらにブタジエン、ブタンなどが含まれている。
本発明においては、これら炭素数4の炭化水素留分中のジエン類を除去する処理を行って得られたものを原料として用いる。
このような処理を行うことによって、安定性を低下することなく、運転性能を高めるガソリン基材を得ることが容易になる。
前記ジエン類の除去方法については、特に限定されるものではなく、例えば、気相水素化法、液相水素化法などによってジエンを水素化して除く方法、メチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、アセトニトリルなどを抽出溶剤とする抽出法によって除く方法などが挙げられる。これらの中で水素化法が、装置構成が簡素でかつ運転性の点で好ましく、例えばパラジウム/アルミナ触媒の存在下、反応温度30〜150℃、反応圧力0.1〜1MPa、SV(空間速度)0.1〜10hr-1として固定床流通反応装置で行う方法が挙げられる。
本発明においては、前記処理を施した原料である炭素数4の炭化水素留分を重合し、主としてイソブテンの2量体及び3量体であるオレフィンを製造する。この重合反応は、公知の方法で行えばよく、例えば、ニッケル塩及びアルミニウム・アルキルハロゲン化物を触媒とするいわゆるチーグラー系触媒や固体リン酸、結晶性アルミノシリケートおよびシリカアルミナなどの固体酸を触媒とする酸触媒を用いることができる。この場合の反応条件としては、例えば、チーグラー系触媒では、反応温度は40〜50℃が好ましく、反応圧力については0.5〜2.5MPaが好ましい。また、固体酸触媒系では、反応温度50〜150℃、反応圧力1〜10MPa、SV(空間速度)0.1〜10hr-1として実施すればよい。
本発明においては、上記重合反応で得られた重合反応生成物を分留して、イソブテンの2量体及び3量体である炭素数8及び12のオレフィンを主成分とする留分を分離採取する。
本発明においては、このような分留によって得られた炭素数8及び炭素数12のオレフィンを主成分とする留分をガソリン基材として用いる。
この場合、分留により炭素数8及び12のオレフィンを共に含む基材としても良いが、それぞれ別の基材として別々に採取し、炭素数8のオレフィンを主成分とする基材及び炭素数12のオレフィンを主成分とする基材との2つを用意し、その後2つの基材を混合して1つの基材としてもよい。このようにすることにより、2つのオレフィンの割合を任意に調整することができ、目的に応じて適切な基材を選択することができる。
本発明におけるガソリン基材は、炭素数8及び炭素数12のオレフィンを主成分とする。主成分であるとは、具体的には70容量%以上であることが好ましく、さらに基材の配合効果を高める観点から、90容量%以上がより好ましく、95容量%以上がさらに好ましく、98容量%以上が特に好ましい。
したがってガソリン基材中における炭素数8及び12のオレフィンの合計含有量についても70容量%以上が好ましく、90容量%以上がより好ましく、95容量%以上がさらに好ましく、98容量%以上が特に好ましい。
また、このようなガソリン基材は、通常硫黄分が10質量ppm以下であり、リサーチ法オクタン価が99〜103であり、ジオレフィン分が0.1容量%以下である。
本願発明のガソリン基材の具体的製造方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
(a)水素化によるジオレフィン水素化処理装置、(b)脱水塔及び吸着塔、(c)イソブテン重合反応塔、(d-1)脱ノルマルブテン塔、(d-2)脱ブタン塔、(d-3)ガソリン分留塔を設けた設備を用い、以下の方法で製造する。
流動接触分解装置又はエチレン製造装置から得られる炭素数4の炭化水素留分を原料とし、(A)ブタジエン等のジオレフィンを水素化して除去する工程、(B)該炭素数4の炭化水素留分中のイソブテンを重合し、イソブテンの2量体及び3量体であるオレフィンを主成分とする重合反応生成物を得る工程、及び(C)該重合反応生成物を分留して炭素数8及び炭素数12のオレフィンを主成分とする留分を得る工程からなるガソリン基材の製造方法である。
上記工程においては、通常(B)工程の前に脱水塔で脱水し、吸着塔にて硫黄分や金属分を除去する工程を設けることが好ましく、また、(C)の分留工程は、脱ノルマルブテン塔、脱ブタン塔及びガソリン分留塔を設け、未反応のブテン類及びブタン類を分留除去し、塔底油についてガソリン分留塔で、ガソリン留分(炭素数5〜7の炭化水素留分)、炭素数8及び炭素数12のオレフィンを主成分とする留分に分離する方法が好ましい。
本発明におけるガソリン組成物は、上述した本発明のガソリン基材を含有するガソリン組成物である。
該ガソリン基材の含有割合は、任意であるが組成物全量基準で1〜20容量%が好ましく、2〜20容量%がより好ましく、3〜15容量%が特に好ましい。本発明のガソリン基材の含有割合が1容量%以上であれば、運転性能、特に重質化したガソリンにおける運転性能を高める効果が認められ、しかも安定性を低下させることもない。一方、該ガソリン基材の含有割合が20容量%以下であれば組成物の安定性に悪影響を与える恐れもない。
上記ガソリン組成物の性状については特に制限はないが、好ましい態様として、以下の性状、組成を満たすガソリン組成物が挙げられる。
(1)リサーチ法オクタン価(RON)が89以上であることが好ましい。RONが89以上であれば、ノッキングを生ずるなど運転性能が低下する恐れがない。RONの上限値については特に制限はないが、通常およそ102である。但し、レギュラーガソリンの場合は、RONは89〜96であることが好ましい。
なお、このリサーチ法オクタン価は、JIS K 2280により測定した値である。
(2)硫黄分が、10質量ppm以下であることが好ましく、5質量ppm以下であることがより好ましく、2質量ppm以下であることが特に好ましい。硫黄分が10質量ppm以下であれば、排ガス中のSOxの増加を抑えるとともに、直接噴射式ガソリンエンジンで使用されるNOX触媒のSOX被毒を抑制することができる。
なお、硫黄分の含有量はJIS K 2541の微量電量滴定式酸化法に従って測定した値である。
(3)芳香族分が45容量%以下であることが好ましく、さらには40容量%以下がより好ましく、35容量%以下が特に好ましい。芳香族分が45容量%以下であれば、排気ガス中の炭化水素(THC)や一酸化炭素(CO)が増大する恐れがなく、また点火プラグがくすぶりを生ずる恐れもない。さらに、運転性能を良好に保つことができる。一方、芳香族分の下限については特に制限はないが、燃費が悪化したり、運転性能が低下することを防止する観点から、10容量%以上であることが好ましい。
(4)ベンゼン含有量は1.0容量%以下が好ましく、0.5容量%以下がより好ましい。ベンゼンが1容量%以下の場合、排気ガス中のベンゼン含有量が少なく、環境汚染を抑制できる。また、ガソリン自体が人体に悪影響を及ぼす恐れもない。
(5)オレフィン分が10〜30容量%であることが好ましく、12〜25容量%であることがさらに好ましい。オレフィン分が10容量%以上であれば、希薄燃焼状態で失火を起こす恐れがなく、直接噴射式エンジン車などの運転性能を確保できる。また、オレフィン分が30容量%以下であれば、排気ガス中の窒素酸化物が増加する恐れがなく、オゾンを生成する恐れもない。さらにガソリン自体の酸化安定性も良好である。
上記オレフィン分のうち、炭素数8のオレフィン分が2〜20容量%であることが好ましく、3〜10容量%であることがより好ましい。また同時に、炭素数12のオレフィン分が0.5〜10容量%であることが好ましく、1〜5容量%であることがより好ましい。炭素数8のオレフィン分が2容量%以上、炭素数12のオレフィン分が0.5容量%以上であれば運転性能の向上が図られ、炭素数8のオレフィン分が20容量%以下、炭素数12のオレフィン分が10容量%以下であれば、安定性を良好に保つことができる。
(6)本発明においては、ジオレフィン分が0.5容量%以下であることが好ましく、0.1容量%以下であることがより好ましい。ジオレフィン分が0.5容量%を超えると酸化安定性が悪化する恐れがある。
なお、上記芳香族分、ベンゼン含有量、オレフィン分、炭素数8及び12のオレフィン分、及びジオレフィン分は、JIS K 2536‐2「石油製品−成分試験方法」のガスクロマトグラフによる全成分分析法よって測定した値である。
本発明のガソリン組成物はさらに、以下の蒸留性状を有することが好ましい。なお、( )内はより好ましい範囲を示す。
70容量%留出温度(T70):135℃以下(115〜130℃)
90容量%留出温度(T90):175℃以下(145〜168℃)
T70及びT90が上記の範囲にあれば、加速性など運転性能を良好に保ち、また燃費を悪化させることもない。
なお、上記T70及びT90は、JIS K 2254「石油製品−蒸留試験方法」の常圧法蒸留試験方法に基づいて測定した蒸留性状から求めた値である。
本発明のガソリン組成物は、任意の方法で製造することができる。例えば、炭素数8及び炭素数12のオレフィンを主成分とする本発明のガソリン基材とともに、次に示すガソリン基材を用いて調製することができる。そのガソリン基材としては、例えば、原油を常圧蒸留し、さらに脱硫処理をして得られる脱硫軽質ナフサ、接触分解法や水素化分解法で得られる分解ガソリン、分解ガソリン中の軽質留分を分留して得られる軽質分解ガソリン、接触改質法で得られる改質ガソリン、特に改質ガソリン中のベンゼンを取り除いた留分(脱ベンゼン改質ガソリン)、オレフィンの重合により得られる重合ガソリン、イソブタンなどの炭化水素に低級オレフィンを付加して得られるアルキレート、直鎖の低級パラフィン系炭化水素の異性化によって得られる異性化ガソリン(アイソメレート)、脱n―パラフィン油、及びこれらの特定範囲の留分や芳香族炭化水素、さらにアルコール類、エーテル類などの含酸素化合物などが挙げられる。
該アルコー類、エーテル類などの含酸素化合物としては、炭素数2〜4のアルコール類、炭素数4〜8のエ−テル類等が好ましく、具体的には、エタノール(EtOH)、エチルターシャリーブチルエーテル(ETBE)、エチルーターシャリーアミルエーテルなどが挙げられる。
上記改質ガソリン中のベンゼン低減方法としては、通常改質ガソリンからベンゼン留分を蒸留によって取り除く方法が用いられるが、その他の方法、例えばベンゼン留分を溶剤で抽出して取り除く方法、ベンゼンと低級オレフィンや低級アルコールを用いてアルキル化する方法などによっても得ることができる。
本発明のガソリン組成物の好ましい配合例としては、下記のものが挙げられる。
(1)炭素数8及び12のオレフィンを主成分とする留分
1〜20容量%(2〜15容量%)
(2)脱ベンゼン改質ガソリン 0〜60容量%(10〜60容量%)
(3)分解ガソリン 0〜60容量%(10〜60容量%)
(4)軽質分解ガソリン 0〜55容量%(0〜40容量%)
(5)アルキレート 0〜60容量%(0〜30容量%)
(6)脱硫軽質ナフサ 0〜30容量%(0〜20容量%)
(7)ブタン、LPG 0〜15容量%(0〜10容量%)
(8)EtOH又はETBE 0〜15容量%(3〜10容量%)
本発明のガソリン組成物には、更に必要に応じて各種の添加剤を適宜配合することができる。このような添加剤としては、フェノール系やアミン系などの酸化防止剤、シッフ型化合物やチオアミド型化合物などの金属不活性剤、有機リン化合物などの表面着火防止剤、多価アルコール及びエーテルなどの氷結防止剤、有機酸のアルカリ金属やアルカリ土類金属塩、高級アルコールの硫酸エステルなどの助燃剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両面界面活性剤などの帯電防止剤、アルケニルコハク酸のエステルなどのさび止め剤、キリザニン、クマリンなどの識別剤、天然精油、合成香料などの着臭剤、アゾ染料などの着色剤など、公知のガソリン添加剤が挙げられ、これらの添加剤を1種又は2種以上添加することができる。また、これら添加剤の添加量は状況に応じて適宜選定すればよいが、通常は添加剤の合計量としてガソリン組成物に対して0.1質量%以下とすることが好ましい。
さらに本発明のガソリン組成物は未洗実在ガム量が20mg/100ml以下であって、洗浄実在ガム量が5mg/100ml以下であるものが好ましい。未洗実在ガム量及び洗浄実在ガム量がこの範囲であれば燃料導入系統における析出物の生成、あるいは吸入バルブへの膠着のおそれがない。ここでいう未洗実在ガム量及び洗浄実在ガム量とは、JIS K 2261「石油製品−自動車ガソリン及び航空燃料油−実在ガム試験方法−噴射蒸発法」により測定した値を意味する。
また、酸化安定性については、誘導期間で表した場合、400分以上であるものが好ましい。なお、ここでいう誘導期間とは、JIS K 2287「ガソリン−酸化安定度試験方法−誘導期間法」によって測定した値である。
本発明のガソリン組成物は、上記の性状を有するものであり、運転性能が高い上、安定性が良好である。
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
なお、各例における性状及び性能は、下記の方法に従って測定した。
(1)RON、硫黄分、芳香族分、ベンゼン含有量、オレフィン分、炭素数8及び炭素数12のオレフィン分、ジオレフィン分、蒸留性状、実在ガム、並びに酸化安定性は、明細書本文に記載した方法に従って実施した。
(2)蒸気圧(リード蒸気圧)
JIS K 2258に準拠して測定した。
(3)酸化安定度試験(誘導期間法)
JIS K 2287に準拠して測定した。
(4)加速応答指数
キャブレター型エンジンの車両を用い、シャシーダイナモメーターで、加速性能を評価した。具体的測定方法は、シャシーダイナモ室内温度を20℃として、下記(a) 及び(b) によりt1及びt2を測定し、その測定値を用いて(c)によって加速性能(加速応答指数)を算出した。
(a) 水温及び油温度が20℃となるように車両を冷却した後、アクセル開度50%においてエンジン回転数が3000rpmになるまでアイドリングを断続的に行い、次に、水温50〜60℃においてアイドリングを行い、エンジン回転数が3000rpmに達するまでの時間(t1)を測定した。
(b) 水温及び油温度が80℃となるように車両を暖めた後、アクセル開度50%による加速を行い、エンジン回転数が3000rpmに達するまでの時間(t2)を測定した。
(c) 下記式により加速応答指数を求めた。
加速応答指数が小さいガソリンほど、加速性能が良好なガソリンである。
加速応答指数(−)=[(t1 −t2 )/(t2)]×100
実施例1〜5及び比較例1〜4
第1表に示したガソリン基材を用いて、第2表に示す割合で混合してガソリン組成物を調製し、その性状・組成及び性能を第2表に示す。
但し、第2表のガソリン組成物には、いずれも酸化防止剤(商品名「スミライザーBPA−M1」,住友化学工業製)が8質量ppm配合されている。
なお、第1表中、PGPZは脱ベンゼン改質ガソリン、DFGは脱硫分解ガソリン、LFGは軽質分解ガソリン、DLNは脱硫軽質ナフサ、EtOHはエタノール、ETBEはエチルターシャリーブチルエーテルを表す。
Figure 2009013349
[注]
1)炭素数8のオレフィンを主成分とする留分
2)炭素数12のオレフィンを主成分とする留分
Figure 2009013349
[注]
1)、2)は第1表と同じ
第2表より、炭素数8及び12のオレフィンを主成分とする留分を含有する実施例1〜5のガソリン組成物は、それらを含有しない比較例1〜4のガソリン組成物より、加速応答性が優れていることが分る。
本発明のガソリン基材は、自動車の運転性能(加速応答性)を高めることができ、該ガソリン基材を含有するガソリンは、運転性能が高められ、しかも安定性が優れるガソリン組成物である。したがって、種々の自動車のガソリンに利用できるガソリン基材及びガソリンとして有効に利用できるものである。

Claims (9)

  1. 炭化水素油の接触分解又はナフサの熱分解によって得られる炭素数4の炭化水素留分を原料として用い、この原料についてジエン類を除去する処理を行い、ついで該炭素数4の炭化水素留分中のイソブテンに重合反応を施し、該重合反応生成物を分留して得られる炭素数8のオレフィン及び炭素数12のオレフィンを主成分とする留分からなるガソリン基材。
  2. 炭素数4の炭化水素留分が、流動接触分解装置又はエチレン製造装置から得られるものである請求項1に記載のガソリン基材。
  3. 炭素数8及び12のオレフィンの含有量の合計が70容量%以上である請求項1又は2に記載のガソリン基材。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のガソリン基材を含有するガソリン組成物。
  5. ガソリン基材の含有量が1〜20容量%である請求項4に記載のガソリン組成物。
  6. 下記の(1)〜(6)の条件を満たす請求項4又は5に記載のガソリン組成物。
    (1)リサーチ法オクタン価が89〜102、(2)硫黄分が10質量ppm以下、(3)芳香族分が10〜45容量%、(4)ベンゼンが1.0容量%以下、(5)オレフィン分が10〜30容量%であって、該オレフィン分のうち、炭素数8のオレフィン分及び炭素数12のオレフィン分が1〜20容量%、(6)ジオレフィン分が0.1容量%以下
  7. オレフィン分のうち、炭素数8のオレフィン分が、ガソリン組成物基準で2.0〜20容量%、及び炭素数12のオレフィン分が、ガソリン組成物基準で0.5〜10容量%である請求項6に記載のガソリン組成物。
  8. 未洗実在ガム量が20mg/100mL以下、洗浄実在ガム量が5mg/100mL以下である請求項4〜7のいずれかに記載のガソリン組成物。
  9. 70容量%留出温度が130℃以下で、90容量%留出温度が175℃以下である請求項4〜8のいずれかに記載のガソリン組成物。
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