JP2009013030A - ウィスカー形成体及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】多孔質基材の全面をほぼ均一に被覆し、多孔質基材と異種材料で構成されたウィスカーで形成されたウィスカー形成層を有するウィスカー形成体及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】ウィスカー形成体は、多孔質基材と、多孔質基材の外部及び内部表面をほぼ被覆し、金属成分を含有するウィスカー母材層と、ウィスカー母材層の表面をほぼ均一に被覆し、金属成分を含有する酸化物を主成分とするウィスカーで形成されたウィスカー形成層とを有するウィスカー形成体であって、多孔質基材とウィスカー母材層及びウィスカー形成層とが、異種材料で構成されており、金属成分の融点が、多孔質基材を構成する多孔質基材構成材料の融点よりも低い。
【選択図】なし
【解決手段】ウィスカー形成体は、多孔質基材と、多孔質基材の外部及び内部表面をほぼ被覆し、金属成分を含有するウィスカー母材層と、ウィスカー母材層の表面をほぼ均一に被覆し、金属成分を含有する酸化物を主成分とするウィスカーで形成されたウィスカー形成層とを有するウィスカー形成体であって、多孔質基材とウィスカー母材層及びウィスカー形成層とが、異種材料で構成されており、金属成分の融点が、多孔質基材を構成する多孔質基材構成材料の融点よりも低い。
【選択図】なし
Description
本発明は、ウィスカー形成体及びその製造方法に係り、更に詳細には、多孔質基材の全面をほぼ均一に被覆し、多孔質基材と異種材料で構成されたウィスカーで形成されたウィスカー形成層を有するウィスカー形成体及びその製造方法に関する。
従来、高純度で大型、かつ形状が均一な二酸化錫ウィスカーを高能率で製造する方法として、酸素を含むガスが強制送給等によって系外から供給される反応炉において、反応炉内に金属錫等の原料を蒸発させるためのるつぼを配設し、そのるつぼに原料を供給しておいて反応炉内を錫蒸気が発生する1000℃〜1350℃の温度範囲に保ちながら、錫蒸気が存在する雰囲気中に不活性ガスを断続的に送入する二酸化錫ウィスカーの製造方法が提案されている(特許文献1参照。)。
特開平5−17145号公報
また、比較的短時間で収率よく高導電性の繊維状導電性酸化錫(IV)を製造する方法として、錫化合物、アンチモン化合物、および還元剤の混合物を坩堝の中で所定の温度で加熱することによりSnOガスを発生させ、飽和させ、酸化させて繊維状導電性SnO2を析出成長させる繊維状導電性酸化錫(IV)の製造方法において、坩堝内に導入される前記混合物から理論的に生成できるSnOの最大モル数をAモル、坩堝の容積をBcc、坩堝の開口部面積をC平方cm、坩堝の加熱温度をD℃としたとき、X=C×1010/{AB(D−1000)3}で定義される開口率Xが300以下に保たれるように坩堝を加熱する繊維状導電性酸化錫(IV)の製造方法が提案されている(特許文献2参照。)。
特開平6−172099号公報
一方で、特許文献3において、原料基体の表面上にウィスカーを形成させたウィスカー形成体であって、該原料基体は、金属、合金及びセラミックスから成る群より選ばれた少なくとも1種のものを含んで成り、該ウィスカーは、その原料基体に含まれる少なくとも1種の元素の酸化物を含んで成るウィスカー形成体を提案しており、その際に、金属、合金及びセラミックスから成る群より選ばれた少なくとも1種のもの含む原料基体を、不活性ガス雰囲気中且つ微量酸素の存在下で加熱処理し、該原料基体に含まれる少なくとも1種の元素の酸化物から成るウィスカーを原料基材の表面に形成させるウィスカー形成体の製造方法を提案している。
特開2006−1826号公報
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2に記載の二酸化錫ウィスカー製造方法や繊維状導電性酸化錫(IV)の製造方法は、多孔質基材の全面にウィスカーを密生させる方法としては適切でない。また、錫以外の基材表面にウィスカーを形成することが難しいという問題点もある。
更に、上記特許文献3に記載のウィスカー形成体の製造方法においては、錫表面又は錫を含有する合金の表面には均一に密生したウィスカーを形成することができるが、錫以外の基材に均一に密生したウィスカーを形成するためには、基材を合金化しなければならず、基材の形態などに制約が生じるという問題点がある。
例えば、多孔質基材の表面にスパッタリングやめっきなどで成膜する方法も考えられるが、前者の場合には基材表面に成膜される膜の均一性が十分でないこと、後者の場合には基材表面に成膜される膜が熱処理する際に亀裂や剥離などを生じ、膜の密着性が十分でないといった問題点がある。
更に、上記特許文献3に記載のウィスカー形成体の製造方法においては、錫表面又は錫を含有する合金の表面には均一に密生したウィスカーを形成することができるが、錫以外の基材に均一に密生したウィスカーを形成するためには、基材を合金化しなければならず、基材の形態などに制約が生じるという問題点がある。
例えば、多孔質基材の表面にスパッタリングやめっきなどで成膜する方法も考えられるが、前者の場合には基材表面に成膜される膜の均一性が十分でないこと、後者の場合には基材表面に成膜される膜が熱処理する際に亀裂や剥離などを生じ、膜の密着性が十分でないといった問題点がある。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、多孔質基材の全面をほぼ均一に被覆し、多孔質基材と異種材料で構成されたウィスカーで形成されたウィスカー形成層を有するウィスカー形成体及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を重ねた結果、多孔質基材の表面に、多孔質基材と異種材料で構成され、且つ多孔質基材を構成する多孔質基材構成材料の融点よりも低い融点を有し、ウィスカー母材層及びウィスカー形成層の原料となる金属成分を配置し、不活性ガス雰囲気中、金属成分の融点以上の温度で加熱し、更に、微量酸素を含む不活性ガス雰囲気中、金属成分の融点以上の温度で加熱することなどにより、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のウィスカー形成体は、多孔質基材と、該多孔質基材の外部及び内部表面をほぼ被覆し、金属成分を含有するウィスカー母材層と、該ウィスカー母材層の表面をほぼ均一に被覆し、該金属成分を含有する酸化物を主成分とするウィスカーで形成されたウィスカー形成層と、を有するウィスカー形成体であって、該多孔質基材と該ウィスカー母材層及び該ウィスカー形成層とが、異種材料で構成されており、該金属成分の融点が、該多孔質基材を構成する多孔質基材構成材料の融点よりも低い、ことを特徴とする。
また、本発明のウィスカー形成体の製造方法は、上記本発明のウィスカー形成体の製造方法の一例であって、下記の工程(1)及び(2)を含むことを特徴とする。
(1)多孔質基材の表面に、該多孔質基材と異種材料で構成され、且つ該多孔質基材を構成する多孔質基材構成材料の融点よりも低い融点を有し、ウィスカー母材層及びウィスカー形成層の原料となる金属成分を配置し、不活性ガス雰囲気中、該金属成分の融点以上の温度で加熱する工程
(2)(1)工程より後に実施され、微量酸素を含む不活性ガス雰囲気中、該金属成分の融点以上の温度で更に加熱する工程
(1)多孔質基材の表面に、該多孔質基材と異種材料で構成され、且つ該多孔質基材を構成する多孔質基材構成材料の融点よりも低い融点を有し、ウィスカー母材層及びウィスカー形成層の原料となる金属成分を配置し、不活性ガス雰囲気中、該金属成分の融点以上の温度で加熱する工程
(2)(1)工程より後に実施され、微量酸素を含む不活性ガス雰囲気中、該金属成分の融点以上の温度で更に加熱する工程
本発明によれば、多孔質基材の表面に、多孔質基材と異種材料で構成され、且つ多孔質基材を構成する多孔質基材構成材料の融点よりも低い融点を有し、ウィスカー母材層及びウィスカー形成層の原料となる金属成分を配置し、不活性ガス雰囲気中、金属成分の融点以上の温度で加熱し、更に、微量酸素を含む不活性ガス雰囲気中、金属成分の融点以上の温度で加熱することなどとしたため、多孔質基材の全面をほぼ均一に被覆し、多孔質基材と異種材料で構成されたウィスカーで形成されたウィスカー形成層を有するウィスカー形成体及びその製造方法を提供することができる。
以下、本発明のウィスカー形成体について説明する。
上述の如く、本発明のウィスカー形成体は、多孔質基材と、該多孔質基材の外部及び内部表面をほぼ被覆し、金属成分を含有するウィスカー母材層と、該ウィスカー母材層の表面をほぼ均一に被覆し、該金属成分を含有する酸化物を主成分とするウィスカーで形成されたウィスカー形成層とを有するウィスカー形成体であって、該多孔質基材と該ウィスカー母材層及び該ウィスカー形成層とが、異種材料で構成されており、該金属成分の融点が、該多孔質基材を構成する多孔質基材構成材料の融点よりも低いものである。
このような構成とすることにより、多孔質基材の全面をほぼ均一に被覆し、多孔質基材と異種材料で構成された密生したウィスカーで形成されたウィスカー形成層を有するウィスカー形成体が得られる。また、このようなウィスカー形成体は、多孔質基材とウィスカー母材層との密着性に優れ、ウィスカー母材層とウィスカー形成層との密着性にも優れる。従って、ウィスカー形成層は多孔質基材に強く固定されることとなる。
ここで、「多孔質基材の外部及び内部表面をほぼ被覆する」とは、多孔質基材の外部及び内部表面において、全体面積を基準として、90%以上が被覆されていることをいう。なお、外部表面は、外側から観察可能な表面をいい、内部表面は外側からは観察不可能な表面をいうが、この場合、閉気孔の内部表面は含まれない。
また、「ウィスカー母材層の表面をほぼ均一に被覆する」とは、上記ウィスカー母材層の表面に微細なウィスカーが密生して形成されていることをいう。
更に、「多孔質基材とウィスカー母材層及びウィスカー形成層とが、異種材料で構成されている」とは、ウィスカー母材層及びウィスカー形成層に含まれる金属成分が多孔質基材に含まれていないことをいう。
上述の如く、本発明のウィスカー形成体は、多孔質基材と、該多孔質基材の外部及び内部表面をほぼ被覆し、金属成分を含有するウィスカー母材層と、該ウィスカー母材層の表面をほぼ均一に被覆し、該金属成分を含有する酸化物を主成分とするウィスカーで形成されたウィスカー形成層とを有するウィスカー形成体であって、該多孔質基材と該ウィスカー母材層及び該ウィスカー形成層とが、異種材料で構成されており、該金属成分の融点が、該多孔質基材を構成する多孔質基材構成材料の融点よりも低いものである。
このような構成とすることにより、多孔質基材の全面をほぼ均一に被覆し、多孔質基材と異種材料で構成された密生したウィスカーで形成されたウィスカー形成層を有するウィスカー形成体が得られる。また、このようなウィスカー形成体は、多孔質基材とウィスカー母材層との密着性に優れ、ウィスカー母材層とウィスカー形成層との密着性にも優れる。従って、ウィスカー形成層は多孔質基材に強く固定されることとなる。
ここで、「多孔質基材の外部及び内部表面をほぼ被覆する」とは、多孔質基材の外部及び内部表面において、全体面積を基準として、90%以上が被覆されていることをいう。なお、外部表面は、外側から観察可能な表面をいい、内部表面は外側からは観察不可能な表面をいうが、この場合、閉気孔の内部表面は含まれない。
また、「ウィスカー母材層の表面をほぼ均一に被覆する」とは、上記ウィスカー母材層の表面に微細なウィスカーが密生して形成されていることをいう。
更に、「多孔質基材とウィスカー母材層及びウィスカー形成層とが、異種材料で構成されている」とは、ウィスカー母材層及びウィスカー形成層に含まれる金属成分が多孔質基材に含まれていないことをいう。
また、本発明のウィスカー形成体においては、第1の実施形態として、上記ウィスカー母材層が、上記金属成分から成る金属で構成されているもの、第2の実施形態として、上記金属成分の酸化物から成る金属酸化物で構成されているもの、第3の実施形態として、その全面又は一部において2以上の層構造を有し、上記ウィスカー母材層のうち上記多孔質基材側層が、上記金属成分から成る金属で構成されており、上記ウィスカー母材層のうち上記ウィスカー形成層側層が、上記金属成分の酸化物から成る金属酸化物で構成されているものなどを挙げることができる。
このように、ウィスカー母材層の全体が金属又は金属酸化物から構成されることにより、ウィスカー形成層の強度を向上させることができる一方、ウィスカー母材層の全体又は一部を2以上の層構造によって構成し、ウィスカー母材層のうち多孔質基材側層を金属で構成し、ウィスカー母材層のうちウィスカー形成層側層を金属酸化物で構成することによってもウィスカー形成層の強度を向上させることができる。
なお、2以上の層構造によって構成されている場合には、ウィスカー形成層自体の厚みに対して非常に多い数の層により構成された結果、金属酸化物と金属との割合において金属酸化物の割合が傾斜的に増えているように観察される傾斜構造のものも含む。
このように、ウィスカー母材層の全体が金属又は金属酸化物から構成されることにより、ウィスカー形成層の強度を向上させることができる一方、ウィスカー母材層の全体又は一部を2以上の層構造によって構成し、ウィスカー母材層のうち多孔質基材側層を金属で構成し、ウィスカー母材層のうちウィスカー形成層側層を金属酸化物で構成することによってもウィスカー形成層の強度を向上させることができる。
なお、2以上の層構造によって構成されている場合には、ウィスカー形成層自体の厚みに対して非常に多い数の層により構成された結果、金属酸化物と金属との割合において金属酸化物の割合が傾斜的に増えているように観察される傾斜構造のものも含む。
ここで、ウィスカー形成体を構成する多孔質基材、ウィスカー母材層及びウィスカー形成層について詳細に説明する。
まず、多孔質基材について説明する。
多孔質基材としては、上述の如く、後述するウィスカー母材層及びウィスカー形成層と異種材料で構成されており、ウィスカー母材層及びウィスカー形成層に含まれる金属成分の融点よりも、高い融点を示す材料で構成されているものであれば、特に限定されるものではない。
例えば、金属材料、非金属材料、高分子材料などで構成されたものを挙げることができる。
これらの材料は単独で用いることができ、また、金属材料同士、非金属材料同士、高分子材料同士を組み合わせて用いることもでき、金属材料と非金属材料、金属材料と高分子材料、非金属材料と高分子材料、金属材料と非金属材料と高分子材料を組み合わせて用いることもできる。
まず、多孔質基材について説明する。
多孔質基材としては、上述の如く、後述するウィスカー母材層及びウィスカー形成層と異種材料で構成されており、ウィスカー母材層及びウィスカー形成層に含まれる金属成分の融点よりも、高い融点を示す材料で構成されているものであれば、特に限定されるものではない。
例えば、金属材料、非金属材料、高分子材料などで構成されたものを挙げることができる。
これらの材料は単独で用いることができ、また、金属材料同士、非金属材料同士、高分子材料同士を組み合わせて用いることもでき、金属材料と非金属材料、金属材料と高分子材料、非金属材料と高分子材料、金属材料と非金属材料と高分子材料を組み合わせて用いることもできる。
上記金属材料としては、例えばニッケル(Ni)、クロム(Cr)、鉄(Fe)、マンガン(Mn)、コバルト(Co)、チタン(Ti)、銅(Cu)、銀(Ag)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、バナジウム(V)、クロム(Cr)、アルミニウム(Al)、錫(Sn)、亜鉛(Zn)、インジウム(In)、ネオジム(Nd)、スカンジウム(Sc)、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、ガリウム(Ga)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)、金(Au)、ジルコニウム(Zr)、レニウム(Re)、ルテニウム(Ru)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)などの金属単体や、これらの金属元素を2種以上含む合金、これらの金属元素のうち少なくとも1種に対して、非金属元素であるケイ素(Si)、リン(P)、ホウ素(B)などの合金元素を添加した合金などを挙げることができる。代表的には、インコネル、ハステロイ、ステンレスなどを挙げることができる。
また、上記非金属材料としては、例えば酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化カルシウムなどの酸化物や、窒化アルミニウム、窒化ケイ素、窒化チタンなどの窒化物、炭化アルミニウム、炭化クロム、炭化ケイ素、炭化チタンなどの炭化物、硼化アルミニウム、硼化クロムなどの硼化物等を挙げることができる。また、これらの複合化物であるムライト(アルミナとシリカの複合酸化物)、コーディエライト(アルミナ、マグネシア、シリカの複合酸化物)、チタン酸アルミニウム、ジルコン酸アルミニウムなどを挙げることもできる。更に、結晶構造を持たない例えばガラス相のセラミックスでも構わない。
更に、上記高分子材料としては、例えば芳香族ポリアミド、ポリイミド、ポリベンズイミダゾールなどを挙げることができる。
また、金属材料と非金属材料とを組み合わせた複合材料(サーメット材料)や、金属材料や非金属材料と高分子材料とを組み合わせた複合材料などを挙げることができる。
ウィスカー母材層やウィスカー形成層における材料選択の自由度を向上させる観点からは、融点が高いものが好ましく、典型例としては、チタンやバナジウム、クロム、鉄、ニッケル、コバルトなどを挙げることができる。
また、磁性材料とする観点からは、例えば鉄、コバルト、ニッケルなどを用いることが好ましく、これらが含まれる酸化物系永久磁石(酸化鉄、酸化クロム、スピネル系フェライト、マグネトブランバイト型フェライトなど。)や、希土類磁石(希土類・ニッケル系合金、ミッシュメタルなど。)を使用できる。
更に、改質触媒とする観点からは、例えばアルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、ゼオライトなどを用いることが好ましく、排ガス浄化用触媒とする観点からは、アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア、ジルコニアなどを用いることが好ましく、蓄光型光触媒とする観点からは、例えば酸化タングステン、酸化チタン、酸化亜鉛などを用いることが好ましい。
また、燃料電池やリチウムイオン電池などの電池における集電体とする観点からは、例えばアルミニウム、銅、銀、鉄、ニッケル、金などを用いることが好ましく、電極材料とする観点からは、例えば銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、銀、金などを用いることが好ましい。
更に、キャパシタ用電極材料とする観点からは、アルミニウム、銅、鉄、銀、ニッケル、金などを用いることが好ましい。
更にまた、ヒートシンク材料とする観点からは、アルミニウム、銅などを用いることが好ましい。
また、磁性材料とする観点からは、例えば鉄、コバルト、ニッケルなどを用いることが好ましく、これらが含まれる酸化物系永久磁石(酸化鉄、酸化クロム、スピネル系フェライト、マグネトブランバイト型フェライトなど。)や、希土類磁石(希土類・ニッケル系合金、ミッシュメタルなど。)を使用できる。
更に、改質触媒とする観点からは、例えばアルミナ、シリカ、チタニア、ジルコニア、ゼオライトなどを用いることが好ましく、排ガス浄化用触媒とする観点からは、アルミナ、シリカ、チタニア、マグネシア、ジルコニアなどを用いることが好ましく、蓄光型光触媒とする観点からは、例えば酸化タングステン、酸化チタン、酸化亜鉛などを用いることが好ましい。
また、燃料電池やリチウムイオン電池などの電池における集電体とする観点からは、例えばアルミニウム、銅、銀、鉄、ニッケル、金などを用いることが好ましく、電極材料とする観点からは、例えば銅、アルミニウム、鉄、ニッケル、銀、金などを用いることが好ましい。
更に、キャパシタ用電極材料とする観点からは、アルミニウム、銅、鉄、銀、ニッケル、金などを用いることが好ましい。
更にまた、ヒートシンク材料とする観点からは、アルミニウム、銅などを用いることが好ましい。
一方、多孔質基材の形態としては、例えば粉末成形体、発泡体、メッシュ体(織布や不織布など。)、ハニカム構造体に代表される種々の一体型構造体などを挙げることができる。
多孔質基材の細孔径は、特に限定されるものではないが、例えば1〜1000μmであるものを用いることが望ましい。また、詳しくは後述するウィスカー形成層を形成するウィスカーが、多孔質基材の開気孔に形成される場合には、ウィスカーによって開気孔が閉塞しないようにすることが望ましい。これにより、表面積を格段に大きくすることができる。
多孔質基材の細孔径は、特に限定されるものではないが、例えば1〜1000μmであるものを用いることが望ましい。また、詳しくは後述するウィスカー形成層を形成するウィスカーが、多孔質基材の開気孔に形成される場合には、ウィスカーによって開気孔が閉塞しないようにすることが望ましい。これにより、表面積を格段に大きくすることができる。
次に、ウィスカー母材層について説明する。
ウィスカー母材層としては、上述した多孔質基材の外部表面及び内部表面をほぼ被覆し、金属成分を含有すると共に、上述した多孔質基材と異種材料で構成されており、含有する金属成分の融点が、上述した多孔質基材を構成する多孔質基材構成材料の融点よりも低いものであれば、特に限定されるものではない。
多孔質基材における材料選択の自由度を向上させる観点からは、融点が低いものが好ましく、典型例としては、錫やアルミニウム、亜鉛、マグネシウム、鉛、セレン、インジウム、ニオブなどを挙げることができる。
また、ウィスカー形成がVLS成長によるものであると考えると、ウィスカー母材層には、例えばリン(P)などの低融点成分を含んでいてもよい。当該低融点成分は、原料の表面に局所的に融解し易く、これがウィスカーの幹部形成のきっかけとなるからである。但し、当該低融点成分は、必ずしもウィスカー母材層に含まれている必要はなく、かかる成分を含まない場合にもウィスカーの形成は可能である。
また、磁性材料とする観点からは、例えば鉄、コバルト、ニッケルなどを用いることが好ましく、これらが含まれる酸化物系永久磁石(酸化鉄、酸化クロム、スピネル系フェライト、マグネトブランバイト型フェライトなど。)や、希土類磁石(希土類・ニッケル系合金、ミッシュメタルなど。)を使用できる。
更に、改質触媒とする観点からは、例えば白金、ニッケル、コバルト、バナジウム、モリブデン、パラジウムなどを用いることが好ましく、排ガス浄化用触媒とする観点からは、白金、パラジウム、レニウム、ロジウム、チタン、アルミニウム、ケイ素、マグネシウム、ジルコニウムなどを用いることが好ましく、蓄光型光触媒とする観点からは、例えば亜鉛、チタン、タングステンなどを用いることが好ましい。
また、燃料電池やリチウムイオン電池などの電池における集電体とする観点からは、例えばインジウム、錫、チタン、レニウム、マンガン、バナジウム、タングステンなどを用いることが好ましく、電極材料とする観点からは、例えばマンガン、ニッケル、鉄、ケイ素、錫、タングステンなどを用いることが好ましい。
更に、キャパシタ用電極材料とする観点からは、ルテニウム、マンガン、チタン、バナジウム、タングステンなどを用いることが好ましい。
更にまた、ヒートシンク材料とする観点からは、マグネシウム、亜鉛、ルテニウム、アルミニウムなどを用いることが好ましい。
ウィスカー母材層としては、上述した多孔質基材の外部表面及び内部表面をほぼ被覆し、金属成分を含有すると共に、上述した多孔質基材と異種材料で構成されており、含有する金属成分の融点が、上述した多孔質基材を構成する多孔質基材構成材料の融点よりも低いものであれば、特に限定されるものではない。
多孔質基材における材料選択の自由度を向上させる観点からは、融点が低いものが好ましく、典型例としては、錫やアルミニウム、亜鉛、マグネシウム、鉛、セレン、インジウム、ニオブなどを挙げることができる。
また、ウィスカー形成がVLS成長によるものであると考えると、ウィスカー母材層には、例えばリン(P)などの低融点成分を含んでいてもよい。当該低融点成分は、原料の表面に局所的に融解し易く、これがウィスカーの幹部形成のきっかけとなるからである。但し、当該低融点成分は、必ずしもウィスカー母材層に含まれている必要はなく、かかる成分を含まない場合にもウィスカーの形成は可能である。
また、磁性材料とする観点からは、例えば鉄、コバルト、ニッケルなどを用いることが好ましく、これらが含まれる酸化物系永久磁石(酸化鉄、酸化クロム、スピネル系フェライト、マグネトブランバイト型フェライトなど。)や、希土類磁石(希土類・ニッケル系合金、ミッシュメタルなど。)を使用できる。
更に、改質触媒とする観点からは、例えば白金、ニッケル、コバルト、バナジウム、モリブデン、パラジウムなどを用いることが好ましく、排ガス浄化用触媒とする観点からは、白金、パラジウム、レニウム、ロジウム、チタン、アルミニウム、ケイ素、マグネシウム、ジルコニウムなどを用いることが好ましく、蓄光型光触媒とする観点からは、例えば亜鉛、チタン、タングステンなどを用いることが好ましい。
また、燃料電池やリチウムイオン電池などの電池における集電体とする観点からは、例えばインジウム、錫、チタン、レニウム、マンガン、バナジウム、タングステンなどを用いることが好ましく、電極材料とする観点からは、例えばマンガン、ニッケル、鉄、ケイ素、錫、タングステンなどを用いることが好ましい。
更に、キャパシタ用電極材料とする観点からは、ルテニウム、マンガン、チタン、バナジウム、タングステンなどを用いることが好ましい。
更にまた、ヒートシンク材料とする観点からは、マグネシウム、亜鉛、ルテニウム、アルミニウムなどを用いることが好ましい。
次に、ウィスカー形成層について説明する。
ウィスカー形成層としては、上述したウィスカー母材層の表面をほぼ均一に被覆し、上述の金属成分を含有する酸化物を主成分とするウィスカーで形成されると共に、上述した多孔質基材と異種材料で構成されており、含有する金属成分の融点が、上述した多孔質基材を構成する多孔質基材構成材料よりも低いものであれば、特に限定されるものではない。
ここで、形成されるウィスカーは酸化物を主成分とするものである。即ち、主として酸化物から構成される幹部から成るが、幹部の先端に球状の金属質の頭部を有することがある。なお、ウィスカーの先端に球状の金属質の頭部を有する場合には、その内部にニッケルや鉄、コバルトなどの金属成分を含有することが望ましい。これらの金属は、触媒的に働く機能、つまり、ウィスカー形成を促進させる機能を有し、特により細かく密生したウィスカーを得ることが可能となる。これにより、例えば表面積をより増加させることができる。
また、ウィスカーは、微小なもの(代表的には、太さ10〜10000nm、好ましくは10〜1000nm、長さ0.1〜1000μm、好ましくは1〜100μmのものを密生させて形成することができる。)でありながら、高強度である。また、耐衝撃性や耐熱性にも優れ、その他の様々な耐久性についても優れる傾向を示す。
更に、ウィスカー形成層において、絶縁性が要求される場合には、例えば酸化アルミニウムや酸化ケイ素などのウィスカーを形成することが好ましい。
ウィスカー形成層としては、上述したウィスカー母材層の表面をほぼ均一に被覆し、上述の金属成分を含有する酸化物を主成分とするウィスカーで形成されると共に、上述した多孔質基材と異種材料で構成されており、含有する金属成分の融点が、上述した多孔質基材を構成する多孔質基材構成材料よりも低いものであれば、特に限定されるものではない。
ここで、形成されるウィスカーは酸化物を主成分とするものである。即ち、主として酸化物から構成される幹部から成るが、幹部の先端に球状の金属質の頭部を有することがある。なお、ウィスカーの先端に球状の金属質の頭部を有する場合には、その内部にニッケルや鉄、コバルトなどの金属成分を含有することが望ましい。これらの金属は、触媒的に働く機能、つまり、ウィスカー形成を促進させる機能を有し、特により細かく密生したウィスカーを得ることが可能となる。これにより、例えば表面積をより増加させることができる。
また、ウィスカーは、微小なもの(代表的には、太さ10〜10000nm、好ましくは10〜1000nm、長さ0.1〜1000μm、好ましくは1〜100μmのものを密生させて形成することができる。)でありながら、高強度である。また、耐衝撃性や耐熱性にも優れ、その他の様々な耐久性についても優れる傾向を示す。
更に、ウィスカー形成層において、絶縁性が要求される場合には、例えば酸化アルミニウムや酸化ケイ素などのウィスカーを形成することが好ましい。
次に、本発明のウィスカー形成体の製造方法について説明する。
上述の如く、本発明のウィスカー形成体の製造方法は、上記本発明のウィスカー形成体の製造方法の一実施形態であって、多孔質基材の表面に、該多孔質基材と異種材料で構成され、且つ該多孔質基材を構成する多孔質基材構成材料の融点よりも低い融点を有し、ウィスカー母材層及びウィスカー形成層の原料となる金属成分を配置し、不活性ガス雰囲気中、該金属成分の融点以上の温度で加熱する(1)工程と、その(1)工程より後に実施され、微量酸素を含む不活性ガス雰囲気中、該金属成分の融点以上の温度で更に加熱する(2)工程を含み、所望のウィスカー形成体を得る方法である。
このような手法とすることにより、加熱といった単一の処理手段により、上述した所望のウィスカー形成体を得ることができるため、低コストで信頼性が高く、簡便で高いスループットを実現でき、工業生産に適している。
上述の如く、本発明のウィスカー形成体の製造方法は、上記本発明のウィスカー形成体の製造方法の一実施形態であって、多孔質基材の表面に、該多孔質基材と異種材料で構成され、且つ該多孔質基材を構成する多孔質基材構成材料の融点よりも低い融点を有し、ウィスカー母材層及びウィスカー形成層の原料となる金属成分を配置し、不活性ガス雰囲気中、該金属成分の融点以上の温度で加熱する(1)工程と、その(1)工程より後に実施され、微量酸素を含む不活性ガス雰囲気中、該金属成分の融点以上の温度で更に加熱する(2)工程を含み、所望のウィスカー形成体を得る方法である。
このような手法とすることにより、加熱といった単一の処理手段により、上述した所望のウィスカー形成体を得ることができるため、低コストで信頼性が高く、簡便で高いスループットを実現でき、工業生産に適している。
ここで、各工程について詳細に説明する。
まず、(1)工程について説明する。
(1)工程においては、多孔質基材の好ましくは外部表面に配置した金属成分を不活性ガス雰囲気中、金属成分の融点以上の温度で加熱して、多孔質基材の外部及び内部表面を融解した金属成分で被覆することができれば、特に限定されるものではない。
例えば、不活性ガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン又はラドン、及びこれらの任意の組合せに係る混合ガスを用いることができる。
また、加熱温度としては、多孔質基材の融点未満であればよく、多孔質基材の種類によりことなるが、例えば、多孔質基材が金属材料である場合には200〜2000℃程度、非金属材料である場合には200〜1800℃程度、高分子材料である場合には、200〜500℃程度で加熱すればよい。
まず、(1)工程について説明する。
(1)工程においては、多孔質基材の好ましくは外部表面に配置した金属成分を不活性ガス雰囲気中、金属成分の融点以上の温度で加熱して、多孔質基材の外部及び内部表面を融解した金属成分で被覆することができれば、特に限定されるものではない。
例えば、不活性ガスとしては、アルゴン、窒素、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノン又はラドン、及びこれらの任意の組合せに係る混合ガスを用いることができる。
また、加熱温度としては、多孔質基材の融点未満であればよく、多孔質基材の種類によりことなるが、例えば、多孔質基材が金属材料である場合には200〜2000℃程度、非金属材料である場合には200〜1800℃程度、高分子材料である場合には、200〜500℃程度で加熱すればよい。
次に、(2)工程について説明する。
(2)工程においては、多孔質基材の外部及び内部表面を融解した金属成分で被覆することができれば、特に限定されるものではない。
なお、「微量酸素」とは、形成されるウィスカーの原料とも成り得るもので、所望のウィスカー形成層が得られれば、特に限定されるものではないが、例えば1〜10000ppmが好ましい。
また、形成されるウィスカーの径や長さは、金属成分の量や材質、加熱処理温度、不活性ガス流量などの調整によって制御することができる。
不活性ガス流量は、特に限定されるものではないが、例えば10〜1000cm3/分(1atm、25℃)が好ましい。このような範囲の不活性ガス流量とすると、上述したような微細なウィスカーを形成することができる。
(2)工程においては、多孔質基材の外部及び内部表面を融解した金属成分で被覆することができれば、特に限定されるものではない。
なお、「微量酸素」とは、形成されるウィスカーの原料とも成り得るもので、所望のウィスカー形成層が得られれば、特に限定されるものではないが、例えば1〜10000ppmが好ましい。
また、形成されるウィスカーの径や長さは、金属成分の量や材質、加熱処理温度、不活性ガス流量などの調整によって制御することができる。
不活性ガス流量は、特に限定されるものではないが、例えば10〜1000cm3/分(1atm、25℃)が好ましい。このような範囲の不活性ガス流量とすると、上述したような微細なウィスカーを形成することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例により更に詳細に説明する。
(実施例1)
多孔質基材構成材料としての発泡ニッケル(平均孔径:50μm)の上面に、ウィスカー母材層及びウィスカー形成層の原料となる金属成分としてのスズ(小片:2〜3mm)を1cm間隔で配置した。
次いで、密閉可能な電気炉内に、このスズ小片を配置した発泡ニッケルを配置し、不活性ガスであるアルゴンを電気炉内に導入し、アルゴンの流量が125cm3/分(1atm、25℃)の条件下、15℃/分の昇温速度で400℃まで昇温した。
更に、引き続き1200ppmの酸素を含むアルゴンを電気炉内に導入し、酸素含有アルゴンの流量が140cm3/分(1atm、25℃)の条件下、15℃/分の昇温速度で800℃まで昇温した。
しかる後、800℃で2時間保持し、1時間で室温まで温度を降下させて、本例のウィスカー形成体を得た。
得られたウィスカー形成体の上面及び側面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。図1(a)及び(b)は、得られたウィスカー形成体の上面及び側面の状態を示すSEM写真である。これらから、発泡ニッケルの外部及び内部表面をほぼ均一に被覆する酸化スズウィスカーで形成されたウィスカー形成層を有することが分かった。
また、得られたウィスカー形成体をエネルギー分散型蛍光X線分析(EDX)で評価したところ、SnとOとNiが検出された。
多孔質基材構成材料としての発泡ニッケル(平均孔径:50μm)の上面に、ウィスカー母材層及びウィスカー形成層の原料となる金属成分としてのスズ(小片:2〜3mm)を1cm間隔で配置した。
次いで、密閉可能な電気炉内に、このスズ小片を配置した発泡ニッケルを配置し、不活性ガスであるアルゴンを電気炉内に導入し、アルゴンの流量が125cm3/分(1atm、25℃)の条件下、15℃/分の昇温速度で400℃まで昇温した。
更に、引き続き1200ppmの酸素を含むアルゴンを電気炉内に導入し、酸素含有アルゴンの流量が140cm3/分(1atm、25℃)の条件下、15℃/分の昇温速度で800℃まで昇温した。
しかる後、800℃で2時間保持し、1時間で室温まで温度を降下させて、本例のウィスカー形成体を得た。
得られたウィスカー形成体の上面及び側面を走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。図1(a)及び(b)は、得られたウィスカー形成体の上面及び側面の状態を示すSEM写真である。これらから、発泡ニッケルの外部及び内部表面をほぼ均一に被覆する酸化スズウィスカーで形成されたウィスカー形成層を有することが分かった。
また、得られたウィスカー形成体をエネルギー分散型蛍光X線分析(EDX)で評価したところ、SnとOとNiが検出された。
(実施例2)
多孔質基材構成材料としての発泡ニッケル(平均孔径:50μm)の上面に、ウィスカー母材層及びウィスカー形成層の原料となる金属成分としての亜鉛(小片:2〜3mm)を1cm間隔で配置した。
次いで、密閉可能な電気炉内に、この亜鉛小片を配置した発泡ニッケルを配置し、不活性ガスであるアルゴンを電気炉内に導入し、アルゴンの流量が125cm3/分(1atm、25℃)の条件下、10℃/分の昇温速度で400℃まで昇温した。
更に、引き続き1200ppmの酸素を含むアルゴンを電気炉内に導入し、酸素含有アルゴンの流量が140cm3/分(1atm、25℃)の条件下、10℃/分の昇温速度で800℃まで昇温した。
しかる後、800℃で1時間保持し、1時間で室温まで温度を降下させて、本例のウィスカー形成体を得た。
得られたウィスカー形成体の上面及び側面をSEMにより観察した。図1(a)及び(b)は、得られたウィスカー形成体の上面及び側面の状態を示すSEM写真である。これらから、発泡ニッケルの外部及び内部表面をほぼ均一に被覆する酸化亜鉛ウィスカーで形成されたウィスカー形成層を有することが分かった。
また、得られたウィスカー形成体をエネルギー分散型蛍光X線分析(EDX)で評価したところ、ZnとOとNiが検出された。
多孔質基材構成材料としての発泡ニッケル(平均孔径:50μm)の上面に、ウィスカー母材層及びウィスカー形成層の原料となる金属成分としての亜鉛(小片:2〜3mm)を1cm間隔で配置した。
次いで、密閉可能な電気炉内に、この亜鉛小片を配置した発泡ニッケルを配置し、不活性ガスであるアルゴンを電気炉内に導入し、アルゴンの流量が125cm3/分(1atm、25℃)の条件下、10℃/分の昇温速度で400℃まで昇温した。
更に、引き続き1200ppmの酸素を含むアルゴンを電気炉内に導入し、酸素含有アルゴンの流量が140cm3/分(1atm、25℃)の条件下、10℃/分の昇温速度で800℃まで昇温した。
しかる後、800℃で1時間保持し、1時間で室温まで温度を降下させて、本例のウィスカー形成体を得た。
得られたウィスカー形成体の上面及び側面をSEMにより観察した。図1(a)及び(b)は、得られたウィスカー形成体の上面及び側面の状態を示すSEM写真である。これらから、発泡ニッケルの外部及び内部表面をほぼ均一に被覆する酸化亜鉛ウィスカーで形成されたウィスカー形成層を有することが分かった。
また、得られたウィスカー形成体をエネルギー分散型蛍光X線分析(EDX)で評価したところ、ZnとOとNiが検出された。
(比較例1)
多孔質基材構成材料としての発泡ニッケル(平均孔径:50μm)の上面に、ウィスカー母材層及びウィスカー形成層の原料となる金属成分としてのスズ(小片:2〜3mm)を1cm間隔で配置した。
次いで、密閉可能な電気炉内に、このスズ小片を配置した発泡ニッケルを配置し、1200ppmの酸素を含むアルゴンを電気炉内に導入し、酸素含有アルゴンの流量が140cm3/分(1atm、25℃)の条件下、900℃/時の昇温速度で900℃まで昇温した。
しかる後、900℃で1時間保持し、1時間で室温まで温度を降下させて、本例のウィスカー形成体を得た。
得られたウィスカー形成体の上面及び側面をSEMにより観察した。図1(a)及び(b)は、得られたウィスカー形成体の上面及び側面の状態を示すSEM写真である。これらから、発泡ニッケルの外部表面のうち、上面に酸化スズウィスカーで形成されたウィスカー形成層を有し、側面にウィスカー形成層を有さず、下地がそのまま露出していることが分かった。また、発泡ニッケルの内部表面にもウィスカー形成層を有さないことが分かった。
また、得られたウィスカー形成体をエネルギー分散型蛍光X線分析(EDX)で評価したところ、上面においては、SnとOとNiが検出されたが、側面においては、Niと微量のOが検出された。
多孔質基材構成材料としての発泡ニッケル(平均孔径:50μm)の上面に、ウィスカー母材層及びウィスカー形成層の原料となる金属成分としてのスズ(小片:2〜3mm)を1cm間隔で配置した。
次いで、密閉可能な電気炉内に、このスズ小片を配置した発泡ニッケルを配置し、1200ppmの酸素を含むアルゴンを電気炉内に導入し、酸素含有アルゴンの流量が140cm3/分(1atm、25℃)の条件下、900℃/時の昇温速度で900℃まで昇温した。
しかる後、900℃で1時間保持し、1時間で室温まで温度を降下させて、本例のウィスカー形成体を得た。
得られたウィスカー形成体の上面及び側面をSEMにより観察した。図1(a)及び(b)は、得られたウィスカー形成体の上面及び側面の状態を示すSEM写真である。これらから、発泡ニッケルの外部表面のうち、上面に酸化スズウィスカーで形成されたウィスカー形成層を有し、側面にウィスカー形成層を有さず、下地がそのまま露出していることが分かった。また、発泡ニッケルの内部表面にもウィスカー形成層を有さないことが分かった。
また、得られたウィスカー形成体をエネルギー分散型蛍光X線分析(EDX)で評価したところ、上面においては、SnとOとNiが検出されたが、側面においては、Niと微量のOが検出された。
以上、本発明を若干の実施形態及び実施例により説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
本発明のウィスカー形成体は、多孔質基材とウィスカー形成層との密着強度が高く、表面積が大きいため、例えば触媒などの機能性材料を担持する機能性材料担持基材として利用することができる。
また、ウィスカーの形成密度が格段に高く、見かけ上の体積に対する表面積が非常に大きくなるため、微細な構造と相俟って、例えばフィルター(織布や不織布など)材料や衝撃吸収材、防振材などに利用することができる。
更に、ウィスカーに担持などの湿式の表面装飾処理を施し易く、例えば触媒用の担持基材としてだけでなく、電流密度に偏りが生じにくく、電気化学的表面積を十分確保し得る電極材料として利用することができる。
燃料電池やリチウムイオン電池、キャパシタにおける集電体として用いれば、その防振効果やクッション性から電極を破損から保護するのに極めて有用である。
また、ウィスカーの形成密度が格段に高く、見かけ上の体積に対する表面積が非常に大きくなるため、微細な構造と相俟って、例えばフィルター(織布や不織布など)材料や衝撃吸収材、防振材などに利用することができる。
更に、ウィスカーに担持などの湿式の表面装飾処理を施し易く、例えば触媒用の担持基材としてだけでなく、電流密度に偏りが生じにくく、電気化学的表面積を十分確保し得る電極材料として利用することができる。
燃料電池やリチウムイオン電池、キャパシタにおける集電体として用いれば、その防振効果やクッション性から電極を破損から保護するのに極めて有用である。
Claims (3)
- 多孔質基材と、
上記多孔質基材の外部及び内部表面をほぼ被覆し、金属成分を含有するウィスカー母材層と、
上記ウィスカー母材層の表面をほぼ均一に被覆し、上記金属成分を含有する酸化物を主成分とするウィスカーで形成されたウィスカー形成層と、
を有するウィスカー形成体であって、
上記多孔質基材と上記ウィスカー母材層及び上記ウィスカー形成層とが、異種材料で構成されており、
上記金属成分の融点が、上記多孔質基材を構成する多孔質基材構成材料の融点よりも低い、ことを特徴とするウィスカー形成体。 - 上記ウィスカー母材層が、上記金属成分から成る金属で構成されている、若しくは上記金属成分の酸化物から成る金属酸化物で構成されている、又はその全面又は一部において2以上の層構造を有し、上記ウィスカー母材層のうち上記多孔質基材側層が、上記金属成分から成る金属で構成されており、上記ウィスカー母材層のうち上記ウィスカー形成層側層が、上記金属成分の酸化物から成る金属酸化物で構成されている、ことを特徴とする請求項1に記載のウィスカー形成体。
- 請求項1又は2に記載のウィスカー形成体の製造方法であって、下記の工程(1)及び(2)
(1)多孔質基材の表面に、該多孔質基材と異種材料で構成され、且つ該多孔質基材を構成する多孔質基材構成材料の融点よりも低い融点を有し、ウィスカー母材層及びウィスカー形成層の原料となる金属成分を配置し、不活性ガス雰囲気中、該金属成分の融点以上の温度で加熱する工程、
(2)(1)工程より後に実施され、微量酸素を含む不活性ガス雰囲気中、該金属成分の融点以上の温度で更に加熱する工程、
を含むことを特徴とするウィスカー形成体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007178733A JP2009013030A (ja) | 2007-07-06 | 2007-07-06 | ウィスカー形成体及びその製造方法 |
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ID=40354386
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JP (1) | JP2009013030A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009256756A (ja) * | 2008-04-21 | 2009-11-05 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 多孔体及び該多孔体の製造方法 |
JP2018110689A (ja) * | 2017-01-11 | 2018-07-19 | 鍬田 優雅 | 互換性を有する通気継手で連結した清浄・浄化システム |
CN112575367A (zh) * | 2020-11-05 | 2021-03-30 | 南京工程学院 | 一种制备直径可控的锡晶须的方法 |
-
2007
- 2007-07-06 JP JP2007178733A patent/JP2009013030A/ja active Pending
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