JP2009012088A - 衝突トルク緩衝機構を備えた基板搬送ロボット - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ハンド28とアーム27の先端との間にあって、ハンド28に固定されるハンド側フランジ部52と、アーム27の先端に固定されるとともに、一定の摩擦力によってハンド側フランジ部52と相対的に回転しないよう前記ハンド側フランジ部52を保持するアーム側フランジ51と、を備え、ハンド28の衝突時の衝突回転トルクが前記摩擦力を超えたとき、ハンド側フランジ部51とアーム側フランジ部52とが滑り出すようにした。
【選択図】図3
Description
そして、サーボモータの出力軸に減速機が取り付けられ、モータから高いトルクを得ながら各部の動作を実現している。基板搬送ロボットは、ロボットコントローラに接続される教示装置を介して基板の搬送位置が教示され、以後、その教示された搬送位置間を繰り返し動作して基板を搬送する。例えば、基板が挿入されているカセットから基板を取り出して、再び別のカセットに移載したり、或いは基板を製造装置側や目的の場所へと搬送する。
一方、半導体製造や液晶パネル製造の製造装置においては、スループット向上、装置の省フットプリント化が要求されているため、基板搬送ロボットは必要最小限の動作範囲において、基板の高速搬送を行うことが求められている。
このような状況におかれた基板搬送ロボットは、作業者が教示する際に、教示する搬送位置を間違ったり、操作ミスなどすることがあり、特にロボットのハンドが周囲の機器(カセットなど)に衝突してしまうことが多くあった。
また、教示する時以外の、いわゆる通常動作時でも、周囲の機器の動作とタイミングが合わずに衝突が発生したり、ロボット自体の誤動作で同様な衝突が発生することがあった。衝突が発生すると、その衝突力がハンドを介してロボットのアームに直接伝わってしまい、モータの減速機を破損させてしまうので、その交換の場合モータや減速機はアームのカバーに覆われているため交換するのに煩雑な作業が行われることとなった。
このように、ハンドとハンドを回転可能に支持するアームのフランジとが直接接続されていて、これらの間で相対回転が出来なかったために、ハンドの衝突時に発生したトルクを緩衝できなかった。
そこで、障害物との衝突に際しての衝撃を十分に緩和でき、ロボットアームと障害物の双方の機械的損傷を最小限に抑制し得る衝突防止機能を備えたロボットがこれまで開発されてきた(例えば、特許文献1参照)。
そこで本発明は、ロボットアームの周りが何ら嵩張らないでしかもハンドが衝突した際に発生する衝撃力を逃がす機構(衝突トルク緩衝機構)を有し、かつ衝突があったことを検知することのできる衝突防止装置を提供することで、アーム側への力の伝達を緩衝させ、ロボットの減速機を保護し、周辺装置やハンドの損傷を軽減させることを目的とする。
請求項1に記載の基板搬送ロボットの発明は、基板を搭載するハンドと、前記ハンドを先端で回転可能に支持する水平多関節アームと、を備える基板搬送ロボットにおいて、前記ハンドと前記アームの先端との間にあって、前記ハンドに固定されるハンド側フランジ部と、前記アームの先端に固定されるとともに、正常動作時は一定の摩擦力によって前記ハンド側フランジ部と相対的に回転しないよう前記ハンド側フランジ部を保持するアーム側フランジとから成り、前記ハンドの衝突時の衝突回転トルクが前記摩擦力を超えたとき、前記ハンド側フランジ部と前記アーム側フランジ部とが滑り出す衝突トルク緩衝機構を備えたことを特徴としている。
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の基板搬送ロボットにおいて、前記衝突トルク緩衝機構が前記ハンド側フランジ部と前記アーム側フランジ部との接触面に潤滑剤が充填されているものであることを特徴としている。
また、請求項3記載の発明は、請求項1記載の基板搬送ロボットにおいて、前記衝突トルク緩衝機構が前記ハンド側フランジ部と前記アーム側フランジ部との材質が異なるもので形成されたことを特徴としている。
また、請求項4記載の発明は、請求項1記載の基板搬送ロボットにおいて、前記ハンド側フランジ部の外周に設けられたセンサと、前記アーム側フランジ部の外周に設けられ、前記センサに対向するよう設けられた検知板と、を備え、前記第ハンド側フランジ部と前記アーム側フランジ部とが滑り出したとき、前記センサが前記検知板を検知して、前記ハンド側フランジ部と前記アーム側フランジ部との相対的な回転の発生を検知し、その検知信号をロボットコントローラへ送出することを特徴としている。
また、請求項2記載の発明によると、ハンド側とアーム側のフランジが滑り出す一定のトルクを安定したものにすることができる。
また、請求項3記載の発明によると、ハンドがアームに対して滑っても、ハンド側フランジ部とアーム側フランジ部との材質が異なるので、いわゆるかじりつき(焼きつき)が防止できる。
また、請求項4記載の発明によると、ハンドがアームに対して滑り出したことをコントローラで検知できるので、ロボットをコントローラ側で停止させることができ、それ以上のハンドの損傷を回避できる。
一方、第2垂直アーム23と第1垂直アーム22とに沿うようにリンクバーが備えられ、リンク機構24が構成されている。リンク機構24の先端は旋回胴基台34に接続されている。これにより、第1垂直アーム22と第2垂直アーム23の姿勢に関わらず、旋回胴25は常に一定の姿勢を保つことができ、第1垂直アーム22と第2垂直アーム23の回転動作によって旋回胴25はZ方向に昇降(上下)動作が可能である。
図2において、L側とR側、すなわち図で左右に計2組の水平多関節アームが旋回胴25の上面に備えられている。代表してL側(左側)の水平多関節アームの構成を説明するが、基本構成はR側も同等なので、R側の構成説明は省略する。
なお、図中番号のL、Rの添え字がそれぞれ左側、右側を表しているので、以後、特に添え字を付さずに記載する場合は、左右を区別していないものとする。
旋回胴25には、31L軸を中心として第1水平アーム26Lの一端が水平方向において回転可能に支持されている。また、図1のように、第1水平アーム26Lの他端には、33L軸を中心として第2水平アーム27Lの一端が水平方向において回転可能に支持されている。第1水平アーム26L及び第2水平アーム27Lの内部には、図示しないベルトが張架されていて、図示しないサーボモータ及び減速機の回転により、31L軸及び33L軸を中心としてそれぞれのアームが同時に回転する。第2水平アーム27Lの他端には、アーム先端フランジ11が32L軸を中心として回転可能に支持されている。
さらに、アーム先端フランジ11には、本発明の衝突トルク緩衝機構10の一端が固定されていて、その他端にハンド28Lが固定されている。ハンド28Lには基板61aが搭載される。第1水平アーム26及び第2水平アーム27が回転したとき、アーム先端フランジ11は各アームに対して相対的に回転し、その回転角度を維持するよう構成されているので、衝突トルク緩衝機構10及びハンド28は、その姿勢を維持したまま、図1においてX方向(左右方向)に伸縮動作する。
しかしながら、上述したように、基板搬送ロボット20に対して教示作業を行う際など、ハンド28を周囲の機器と衝突させてしまうと、第1水平アーム26及び第2水平アーム27を駆動するサーボモータの減速機、或いは旋回胴25を駆動するサーボモータの減速機にとって、出力側から無理に回転させられてしまうため、このとき減速機が破損してしまう。
そこで、本発明では、アーム先端フランジ11とハンド28との間に、衝突トルク緩衝機構10を設けている。以下、この衝突トルク緩衝機構10について詳細に説明する。
図において、10は本発明に係る衝突トルク緩衝機構で、この衝突トルク緩衝機構10は、概ね、アーム側フランジ部51とハンド側フランジ部52と滑り検知機構40とから構成される。
ハンド側フランジ部52は、ハンド28に対してネジ19によって一端が固定されるハンド側Bフランジ16と、そのハンド側Bフランジ16の他端に対してネジ18で固定されるハンド側Aフランジ15と、から構成されている。いずれのフランジもリング状のフランジである。
アーム側Aフランジ12は、アーム側Bフランジ13との間にハンド側Aフランジ15の鍔部を狭持している。具体的には、アーム側Aフランジ12の内周側に突出した鍔の上面と、アーム側Bフランジ13の内周側の下面とで、ハンド側Aフランジ15の外周側に突出した鍔部を狭持している。
また、アーム側Aフランジ12とアーム側Bフランジ13との接触面であって、ネジ14の内側にあたる部分にOリング17aが狭持されている。また、アーム側Bフランジ13の内周面と、ハンド側Aフランジ15の鍔部上側の外周面との間にも同様にOリングが狭持されている。また、アーム側Aフランジ12の内周側に突出した鍔の上面と、ハンド側Aフランジ15の下面との間にも同様にOリングが狭持されている。そして、これらOリング17a〜17cで囲まれた微小な隙間の空間に、潤滑剤(グリース)が充填されている。
以上の構成によって、アーム側フランジ部51とハンド側フランジ部52は、アーム側Aフランジ12とアーム側Bフランジ13とがハンド側Aフランジ15の鍔部を狭持しているので、この狭持部分の摩擦力によって相対的に回転しない状態を保持している。しかし、アーム側フランジ部51とハンド側フランジ部52とが一定のトルク以上で相対的に回転する力を受けたとき、潤滑剤の作用によって回転する(滑る)ようになっている。
この滑り出すトルクは、水平アームを駆動するサーボモータの減速機が耐えうるトルク未満であり、かつ水平アームが動作したり、旋回胴が動作する際に、慣性力によって受ける回転トルクですべらないよう、それ以上に予め調節する。
この一定のトルクの再現性を保つためには、摩擦力を保持する各フランジ面の面精度を一定値まで向上させ、潤滑剤の量を調整する。また、滑ったときの、いわゆるかじりを防止するため、アーム側Aフランジ12とアーム側Bフランジ13のフランジの材質と、ハンド側Aフランジ15のフランジの材質を異なるもので構成する。ここでは、アーム側Aフランジ12とアーム側Bフランジ13のフランジの材質をステンレス系のもので、ハンド側Aフランジ15を真鍮で、それぞれ製作している。
センサ42は反射式光ファイバーセンサである。このセンサ42の光軸が検知板43にあたるよう、センサ42の出力側先端と検知版43とが対向している。検知版43をセンサ42側から見た図が図3(c)である。検知板43には、長穴形状の貫通穴43bが形成されているが、その中央に微小な幅のブリッジ43aが残されるよう形成されている。そして、センサ42の光線が、このブリッジ43aにあたって反射し、センサ42が常時ONの状態になるように調整されている。一方センサ42の光線がこのブリッジ43aを外れると、貫通穴43bによって反射光がセンサ側に戻らず、センサはOFFとなる。センサ42のケーブルは図示しないアンプへと接続され、その信号はロボットコントローラ29へと入力される。センサ42がOFFとなったとき、基板搬送ロボット20は減速停止を行うように設定されている。
なお、滑り検知機構40は、図3(b)のようにセンサ42の光軸が水平方向を向くように構成することで、ハンド28とアーム先端フランジ11との間に設けられても、衝突トルク緩衝機構10が薄く構成できるようになっている。
11 アーム先端フランジ
12 アーム側Aフランジ
13 アーム側Bフランジ
14 ネジ
15 ハンド側Aフランジ
16 ハンド側Bフランジ
17 Oリング
18 ネジ
19 ネジ
20 基板搬送ロボット
21 基台
22 第1垂直アーム
23 第2垂直アーム
24 リンク機構
25 旋回胴
26 第1水平アーム
27 第2水平アーム
28 ハンド
29 ロボットコントローラ
31 第1水平アーム回転軸
32 ハンド回転軸
33 第2水平アーム回転軸
34 旋回胴基台
40 滑り検知機構
41 センサ支持部材
42 センサ
43 検知板
43a 貫通穴の間のブリッジ
43b 長穴形状貫通穴(2個)
44 検知板支持部材
51 アーム側フランジ部
52 ハンド側フランジ部
61 基板
Claims (4)
- 基板を搭載するハンドと、前記ハンドを先端で回転可能に支持する水平多関節アームと、を備える基板搬送ロボットにおいて、
前記ハンドと前記アームの先端との間にあって、前記ハンドに固定されるハンド側フランジ部と、前記アームの先端に固定されるとともに、正常動作時は一定の摩擦力によって前記ハンド側フランジ部と相対的に回転しないよう前記ハンド側フランジ部を保持するアーム側フランジとから成り、前記ハンドの衝突時の衝突回転トルクが前記摩擦力を超えたとき、前記ハンド側フランジ部と前記アーム側フランジ部とが滑り出す衝突トルク緩衝機構を備えたことを特徴とする基板搬送ロボット。 - 前記衝突トルク緩衝機構が前記ハンド側フランジ部と前記アーム側フランジ部との接触面に潤滑剤が充填されているものであることを特徴とする請求項1記載の基板搬送ロボット。
- 前記衝突トルク緩衝機構が前記ハンド側フランジ部と前記アーム側フランジ部との材質が異なるもので形成されたことを特徴とする請求項1記載の基板搬送ロボット。
- 前記ハンド側フランジ部の外周に設けられたセンサと、前記アーム側フランジ部の外周に設けられ、前記センサに対向するよう設けられた検知板と、を備え、前記第ハンド側フランジ部と前記アーム側フランジ部とが滑り出したとき、前記センサが前記検知板を検知して、前記ハンド側フランジ部と前記アーム側フランジ部との相対的な回転の発生を検知し、その検知信号をロボットコントローラへ送出することを特徴とする請求項1記載の基板搬送ロボット。
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