図1は、実施例のパチンコ機内に配設される遊技盤の正面図である。この遊技盤10は、その前側盤面に、略円形状に湾曲形成したレール11が配設されて、該レール11の内側に遊技領域12が画成されている。前記遊技領域12内の盤面中央には、枠体状に構成された遊技部品としての大型装飾部材30(「センター役物」と云う)が設置され、この大型装飾部材30の内側に窓部14が開設されている。前記大型装飾部材30の下部には、遊技球の入球を検知するスイッチを装備した始動入賞具15が配設され、この始動入賞具15の直下方には、横長の開閉扉を備えた特別入賞装置16が配設されている。前記始動入賞具15には開閉羽根17,17が配設され、後述する主制御基板(制御基板)70において実行される抽選結果により「開閉動作あり」の条件が成立した際には、両開閉羽根17,17が所定時間だけ左右へ開放制御されるようになっている。また、遊技盤10の後側には、主制御基板70において実行される特別図柄の抽選結果に基づいて図柄の変動や各種演出の表示を行なう演出表示装置(図柄表示装置とも云う(図6参照))18や各種装備品が配設され、この演出表示装置18の表示画面(例えば液晶画面)19が前記窓部14に臨んでいる。なお、演出表示装置18の演出制御は、図6に示すように、主制御基板70により制御されるサブ統括制御基板71のサブ統括制御回路を介して行なわれる。
遊技領域12の下部左側には、発光手段としての第2電飾LED21が設置されたサイドランプ(遊技部品)20が配設されている。各第2電飾LED21は、図6に示すように、サブ統括制御基板71における音・ランプ制御回路を介して点灯制御される。更に、前記遊技盤10の遊技領域12において前記大型装飾部材30の左側および下側には、遊技領域12内を流下する遊技球に変化を与える回転体(風車とも云う)22や、遊技球を前記始動入賞具15や特別入賞装置16へ誘導する多数の釘23が打設されている。また、図1中の符号24は球検出ゲートであり、符号25はアウト口である。このように構成された遊技盤10では、遊技者による発射操作に基づいて打球発射装置が作動すると、該装置から発射された遊技球が、前記レール11に沿って遊技領域12に順次打出される。そして、遊技領域12内へ打出された遊技球は、大型装飾部材30の左側面に沿って遊技領域12を流下し、該遊技球の一部が前記始動入賞具15に入球すると、図6に示すように、この入球に伴う検出信号が主制御基板70に出力される。
前記窓部14を囲繞する前記大型装飾部材30は、図1に示すように、当該パチンコ機のゲーム内容(演出表示装置18による演出内容)に関連した意匠(装飾および色彩等)が施されており、例えば正面右側部分の前面31には多数の花や花びら等が再現されている。また大型装飾部材30は、光の透過を許容する半透明の合成樹脂から形成されており、発光手段としての多数の第1電飾LED32が、該大型装飾部材30の裏側において略全周に亘って点在するように配置されている。これにより、各第1電飾LED32が個別または連動して点灯制御されることで、演出表示装置18における演出効果を高めるようになっている。前記各第1電飾LED32は、図6に示すように、前記サイドランプ20に配置された前記第2電飾LED21と同様に、主制御基板70により制御される前記サブ統括制御基板71の音・ランプ制御回路を介して点灯制御される。
そして、実施例のパチンコ機における遊技盤10では、図1および図2に示すように、遊技領域12内における右下部に、当該パチンコ機の遊技状態を表示する表示部、具体的には特別表示部40、ラウンド回数表示部41、普通表示部42、保留表示部43および状態表示部44等が、相互に隣接するよう纏めて配設されている。これら特別表示部40、ラウンド回数表示部41、普通表示部42、保留表示部43および状態表示部44は、図4に示すように、ハーネス(図示省略)を介して主制御基板70に接続される1枚の機能表示基板(基板)45に纏めて設置されており、単一のユニット化部材として構成されている。そして、各表示部40,41,42,43,44は、夫々が少なくとも1個以上の発光手段としての表示LED50,51(51A,51B,51C),52(52A,52B),53(53A,53B),54(54A,54B)を備えており、該表示LED50,51,52,53,54の点灯制御により所定の状態を表示し得るようになっている。
機能表示基板45は、前記大型装飾部材30の右下部において該大型装飾部材30の一部を構成する前側装飾板(装飾部材)34の裏側に配置され、この右下部の輪郭形状に合致する複雑な外縁輪郭形状に形成されたプリント基板である。機能表示基板45の表側には、各表示部40,41,42,43,44における各表示LED50,51,52,53,54を設置するための第1〜第5の設置部45A,45B,45C,45D,45Eが形成されていると共に、該基板45の裏側には、主制御基板70と電気的に接続されるハーネス(図示せず)のコネクタ端子が連結されるコネクタ46を備えており、かつ該基板45の裏側には、前記各設置部45A,45B,45C,45D,45Eとコネクタ46の各ピンとを連結する所定の配線パターンが形成されている。このような機能表示基板45には、前記前側装飾板34の裏側において大型装飾部材30に対して複数個のネジ等で固定するためのネジ挿通孔47が所定位置に形成されている。
特別表示部40は、前記始動入賞具15に遊技球が入球することを契機として主制御基板70(図6)において実行される特別図柄の抽選結果を、複数の表示パターンにて表示するためのものである。実施例の特別表示部40は、図3および図4に示すように、7個の特別表示LED(発光手段)50を備えており、各特別表示LED50は、機能表示基板45に設けた前記第1設置部45Aに取付けられている。各特別表示LED50は、図6に示すように、主制御基板70により個別に点灯制御され、点灯した特別表示LED50の組合わせにより複数の表示パターンを発現し得るようになっている。
なお、特別表示部40を構成する特別表示LED50の配設数は7個に限定されるものではなく、少なくとも1個以上あればよい。例えば、1個の特別表示LED50から構成した場合には、点灯色が変更可能なLEDを特別表示LED50として使用すれば、点灯制御および点灯色の変更制御とを組み合わせることで多数の表示パターンを発現可能である。
ラウンド回数表示部41は、前述した主制御基板70における特別図柄の抽選結果により特定遊技状態が成立した場合に、成立した該特定遊技状態に対応する上限ラウンド回数を、遊技者に報知するためのものである。実施例のパチンコ機は、前述したように、上限ラウンド回数を2回に設定した第1特定遊技状態、上限ラウンド回数を15回に設定した第2特定遊技状態、そして上限ラウンド回数を16回に設定した第3特定遊技状態と、合計3種類の特定遊技状態を発現するように設計されている。従ってラウンド回数表示部41は、3種類の各特定遊技状態に夫々対応する3個のラウンド回数表示LED(発光手段)51A,51B,51Cにより構成され、各ラウンド回数表示LED51A,51B,51Cは、機能表示基板45に設けた前記第2設置部45Bに夫々取付けられる。そして、各ラウンド回数表示LED51A,51B,51Cは、図6に示すように、主制御基板70により個別に点灯制御され、主制御基板70における抽選結果として第1特定遊技状態が成立した場合には第1ラウンド回数表示LED51Aが点灯し、第2特定遊技状態が成立した場合には第2ラウンド回数表示LED51Bが点灯し、第3特定遊技状態が成立した場合には第3ラウンド回数表示LED51Cが点灯するよう構成されている。
普通表示部42は、前記球検出ゲート24を遊技球が通過して、その検出信号が主制御基板70に入力された際に、該主制御基板70において実行される前記開閉羽根17の開閉動作有無の抽選結果を表示するものである。この普通表示部42は、図3および図4に示すように、第1および第2からなる2個の普通表示LED52A,52Bから構成され、これら第1普通表示LED52Aおよび第2普通表示LED52Bは、機能表示基板45に設けた前記第3設置部45Cに夫々取付けられている。第1普通表示LED52Aおよび第2普通表示LED52Bは、所要の点滅時間に亘って交互に点滅するよう点灯制御された後、主制御基板70における抽選結果が「開閉動作あり」の場合には、第1普通表示LED52Aが点灯した状態で停止し、前記始動入賞具15に設けた開閉羽根17,17が所定時間および所定回数だけ開放制御される。また、主制御基板70における抽選結果が「開閉動作なし」の場合には、第2普通表示LED52Bが点灯した状態で停止し、該開閉羽根17,17の開放制御は行なわれない。
保留表示部43は、始動入賞具15に入球した遊技球(入賞球)の保留個数を表示する第1保留表示部43Aと、球検出ゲート24を通過した遊技球(通過球)の保留個数を表示する第2保留表示部43Bとを備えている。第1保留表示部43Aは、2個の第1保留表示LED53A,53Aから構成され、各々が個別に点灯または点滅制御されることで4個の保留個数まで表示可能となっている。また第2保留表示部43Bは、2個の第2保留表示LED53B,53Bから構成され、各々が個別に点灯または点滅制御されることで4個の保留個数まで表示可能となっている。前記各第1保留表示LED53Aおよび各第2保留表示LED53Bは、機能表示基板45に設けた前記第4設置部45Dに夫々取付けられている。
状態表示部44は、現在のパチンコ機の状態を表示するもので、該パチンコ機が変動時間短縮機能の作動中(時短状態中)であるか否か、または復電時(電源投入時)に確率変動機能の作動中であるか否かを表示するものである。この状態表示部44は、図4に示すように、2個の状態表示LED54A,54Bから構成され、各状態表示LED54A,54Bは、機能表示基板45に設けた前記第5設置部45Eに夫々取付けられている。そして、パチンコ機が変動時間短縮状態となっている場合には、第1状態表示LED54Aが点灯するよう制御され、復電時に確率変動状態となっている場合には、第2状態表示LED54Bが点灯するよう制御される。
なお、前記「変動時間短縮機能」とは、特定遊技状態の終了後に、(1)主制御基板70により実行される前記開閉羽根17,17の開閉動作有無の抽選において「開閉動作あり」の条件が成立する抽選確率の変化、(2)開閉羽根17,17の開閉動作パターンの変化、(3)普通表示部42における第1普通表示LED52Aおよび第2普通表示LED52Bの点滅時間の変化、の何れかを付与する機能である。また、前記「確率変動機能」とは、特定遊技状態が終了した後に、前記主制御基板70における抽選の確率(特別表示部40における大当たりの当選確率)を、低確率(通常状態)から高確率(確率変動状態)に変動させる機能である。
大型装飾部材30に取付けた前記機能表示基板45の前側に位置する前記前側装飾板34は、図2〜図4に示すように、該前側装飾板34の前面35に施された意匠が、前記大型装飾部材30の前面31に施された意匠と関連している。すなわち、大型装飾部材30における正面右側部分の前面31には、前述すると共に図1および図2に示すように、花および花びら等からなる意匠が施されており、前側装飾板34の前面には、これら花や花びらと類似した形状の花や花びら等からなる意匠が施されている。また、前側装飾板34の前面35の色彩・色調は、大型装飾部材30の前面31と類似した色彩・色調に構成されている。更に前側装飾板34は、光の透過が可能な透明または半透明の素材から構成されている。
前記特別表示部40、ラウンド回数表示部41、普通表示部42、保留表示部43および状態表示部44を備えた機能表示基板45は、図2および図3に示すように、前記大型装飾部材30における右下部に配設された前記前側装飾板34の裏側に、これら各表示部40,41,42,43,44を前側から視認可能な状態で配置され、適宜のネジを利用して該大型装飾部材30に固定される。そして、機能表示基板45が大型装飾部材30の所定位置に取付けられた際には、各表示部40,41,42,43,44を構成する各表示LED50,51(51A,51B,51C),52(52A,52B),53(53A,53B),54(54A,54B)の先端が、前側装飾板34の前面35に施された花や花びらの部分に夫々整合するようになっている。従って、各表示LED50,51,52,53,54が点灯した際には、その光が前側装飾板34を透過して前側から認識され、遊技盤10の前側からは花や花びらが発光するような効果が発揮されるよう構成されている。
そして、実施例のパチンコ機では、図1〜図3に示すように、3種類の上限ラウンド回数を表記した上限ラウンド回数表示部材60を、前記前側装飾板34の前側に着脱可能に配置するように構成されている。この上限ラウンド回数表示部材60は、図3〜図5に示すように、前記ラウンド回数表示部41、普通表示部42および保留表示部43が配設された部位を略覆蓋する平板状部材として構成されている。但し、上限ラウンド回数表示部材60は透明な合成樹脂から成形されており、前側装飾板34の前側に該上限ラウンド回数表示部材60を配置した状態でも、前側装飾板34の前面35に施された意匠が視認されると共に、ラウンド回数表示部41、普通表示部42および保留表示部43の各表示LED51A,51B,51C,52A,52B,53A,53Bの点灯状態が適切に視認されるようになっている。
そして前記上限ラウンド回数表示部材60には、前記ラウンド回数表示部41の各ラウンド回数表示LED51A〜51Cに対応するように位置するラウンド回数表記部61が設けられている。すなわちラウンド回数表記部61は、第1特定遊技状態の成立時に点灯する第1ラウンド回数表示LED51Aに対応した第1数字62(数字「2」)と、第2特定遊技状態の成立時に点灯する第2ラウンド回数表示LED51Bに対応した第2数字63(数字「15」)と、第3特定遊技状態の成立時に点灯する第3ラウンド回数表示LED51Cに対応した第3数字64(数字「16」)とから構成され、夫々が対応する表示LEDのちょうど前側に位置している。従って、遊技中に上限ラウンド回数が2回の第1特定遊技状態が成立した際には、第1数字62の後方に位置する第1ラウンド回数表示LED51Aが点灯することが視認され、第1特定遊技状態が成立したことが容易かつ明確に認識される。また、遊技中に上限ラウンド回数が15回の第2特定遊技状態が成立した際には、第2数字63の後方に位置する第2ラウンド回数表示LED51Bが点灯することが視認され、第2特定遊技状態が成立したことが容易かつ明確に認識される。更に、遊技中に上限ラウンド回数が16回の第3特定遊技状態が成立した際には、第3数字64の後方に位置する第3ラウンド回数表示LED51Cが点灯することが視認され、第3特定遊技状態が成立したことが容易かつ明確に認識される。
なお前記ラウンド回数表記部61は、前記上限ラウンド回数表示部材60の表面に対して印刷により表記されている。但し前記ラウンド回数表記部61は、透明シール材の表面に印刷したもとで、該透明シール材を前記上限ラウンド回数表示部材60に貼付けることにより、該上限ラウンド回数表示部材60に表記することも可能である。このような印刷による表記方法およびシール材による表記方法では、前側装飾板34に取付ける前の上限ラウンド回数表示部材60に対してラウンド回数表記部61を設けることが可能であると共に、該上限ラウンド回数表示部材60が平板状部材であるから作業を簡易に行なうことが可能である。
また前記上限ラウンド回数表示部材60には、普通表示部42の各普通表示LED52A,52Bに対応するように位置する普通図柄表記部65も設けられている。すなわち普通図柄表記部65は、第1普通表示LED52Aに対応した第1記号66(記号「○」)と、第2普通表示LED52Bに対応した第2記号67(記号「×」)とから構成され、夫々が対応の普通表示LED52A,52Bの前方に位置している。従って、遊技中に第1記号66の後方に位置する第1普通表示LED52Aが発光した際には、前記始動入賞具15の開閉羽根17,17の「開閉動作あり」が成立したことが容易かつ明確に認識され、第2記号67の後方に位置する第2普通表示LED52Bが発光した際には、前記開閉羽根17,17の「開閉動作あり」が成立しなかったことが容易かつ明確に認識される。なお前記普通図柄表記部65も、前記ラウンド回数表記部61と同様に、上限ラウンド回数表示部材60に直接印刷したり、該普通図柄表記部65を印刷したシール材を貼着することにより、該上限ラウンド回数表示部材60に設けられる。
前記上限ラウンド回数表示部材60は、図5(a)および図5(b)に示すように、裏側の端縁部近傍に突設した位置決めボス68,68と、先端にネジ孔を形成して突設した取付けボス69とを備えている。前記各位置決めボス68,68は、図4に示すように、前記前側装飾板34に形成された位置決め孔36,36に突入嵌合し得るようになっており、各位置決めボス68を対応の各位置決め孔36に嵌合させることで、該前側装飾板34に対する上限ラウンド回数表示部材60の位置決めが図られるよう構成されている。また取付けボス69は、図4に示すように、前記前側装飾板34に対して上限ラウンド回数表示部材60を位置決めした際に、該前側装飾板34に形成されたネジ通孔37に整合し得るようになっており、前側装飾板34の裏側から前記ネジ通孔37を介して取付けボス69のネジ孔にネジを締め込むことにより、前側装飾板34に対する当該上限ラウンド回数表示部材60の固定が図られるよう構成されている。
(実施例の作用)
次に、前述のように構成された実施例のパチンコ機の作用について説明する。実施例のパチンコ機は、主電源を投入すると、主制御基板70において所定の初期設定が実行され、その際に前回の電源遮断時点での当該パチンコ機の遊技状態を確認する。そして、前回の電源遮断時点での遊技状態が確変中であったか否かを確認し、確変中であった場合には、引き続き確変状態を維持すると共に前記状態表示部44における第2状態表示LED54Bを点灯させ、確変中でなかった場合には該第2状態表示LED54Bを点灯させない。また、前記大型装飾部材30に配置された各第1電飾LED32と、前記サイドランプ20に配置された各第2電飾LED21とが、サブ統括制御基板71の音・ランプ制御基板による所要の点灯制御に基づき、点灯または点滅するようになる。一方、演出表示装置18は、サブ統括制御基板71のサブ統括制御回路による所要の演出表示制御に基づき、遊技前の遊技待機画像を表示する。
遊技者によるパチンコ遊技が開始され、打球発射装置の作動に基づいて遊技盤10の遊技領域12内へ打出された遊技球は、大型装飾部材30の左側面に沿って遊技領域12を流下する。そして、遊技領域12内を流下する遊技球は、釘23および各回転体22に適宜接触しながら流下方向が変更され、該遊技球の一部が前記始動入賞具15に入球するようになると共に、残りの遊技球は遊技領域12の最下部に位置する前記アウト口25を介して盤後側へ回収される。
前記始動入賞具15に遊技球が入球して、該始動入賞具15に配設したスイッチが遊技球の入球を検出すると、図6に示すように、その検出信号が前記主制御基板70に入力され、これを契機として該主制御基板70においては所定の演算プログラムが実行され、特別図柄の抽選が実行される。そして、主制御基板70における特別図柄の抽選が完了すると、前記特別表示部40における演出態様(各特別表示LED50の点灯および点滅等)が決定される。この抽選結果に基づき、サブ統括制御基板71では、サブ統括制御回路により演出表示装置18における3列の図柄変動制御を行なうと共に、音・ランプ制御回路により大型装飾部材30の各第1電飾LED32およびサイドランプ20の各第2電飾LED21の点灯制御を行なう。
また特別表示部40では、前記主制御基板70により各特別表示LED50の点灯制御が行なわれ、決定された所定の演出態様を実行した後に、抽選結果により決定された図柄に対応した所定の表示パターンを表示する。但し、各特別表示LED50により特別表示部40に所定の表示パターンが表示されても、遊技盤10の前面側からは前側装飾板34の前面35に施された花や花びらが点灯または点滅しているように視認され、遊技者にとっては特別表示部40の特別表示LED50と大型装飾部材30の第1電飾LED32とが連動しているように見えるので、特別表示部40の存在が容易に認識されない。しかも、図2に示すように、前側装飾板34が大型装飾部材30の一部を構成していて、これら前側装飾板34の前面35および大型装飾部材30の前面31には互いに関連のある意匠(花や花びら等)が施されているので、該前側装飾板34の裏側に配置された特別表示部40の存在がより一層認識し難い。
なお、主制御基板70における特別図柄の抽選結果により前記3種類の特定遊技状態が成立しなかった場合には、前記ラウンド回数表示部41では、前記主制御基板70による制御に基づき、各ラウンド回数表示LED51A,51B,51Cは何れも点灯しない。従って遊技者は、上限ラウンド回数表示部材60に表記されたラウンド回数表記部61の第1〜第3の各数字62,63,64に対応した部分が点灯表示されないため、特定遊技状態が成立しなかったことを容易に認識できる。
一方、主制御基板70における特別図柄の抽選結果により前記3種類の何れかの特定遊技状態が成立した場合には、前記ラウンド回数表示部41では、前記主制御基板70による制御に基づき、各ラウンド回数表示LED51A,51B,51Cの何れかが点灯する。すなわち、抽選結果により第1特定遊技状態が成立した場合には、上限ラウンド回数表示部材60に表記された第1数字62の後方に位置する第1ラウンド回数表示LED51Aが点灯するので、第1特定遊技状態が成立したことを遊技者に認識させることができる。また、第2特定遊技状態が成立した場合には、上限ラウンド回数表示部材60に表記された第2数字63の後方に位置する第2ラウンド回数表示LED51Bが点灯するので、第2特定遊技状態が成立したことを遊技者に認識させることができる。更に、第3特定遊技状態が成立した場合には、上限ラウンド回数表示部材60に表記された第3数字64の後方に位置する第3ラウンド回数表示LED51Cが点灯するので、第3特定遊技状態が成立したことを遊技者に認識させることができる。
前述した3種類の何れかの特定遊技状態となった場合には、主制御基板70の制御により、特別入賞装置16の開閉扉が特定遊技状態に対応した上限ラウンド回数に亘って開閉される。そして特別入賞装置16では、予め設定された開放時間の経過または所要個数(例えば10個)の入球完了の何れかが成立した時点で1ラウンドが終了し、成立した特定遊技状態の上限ラウンド回数に亘って各ラウンドを実行する。なお、特定遊技状態が発現したことに伴う変動短縮状態中は、前記状態表示部44における第1状態表示LED54Aが点灯し、変動短縮状態が終了すると該第1状態表示LED54は消灯する。
そして、前記主制御基板70により特別表示部40が表示パターンの表示前の演出を行なっている際に前記始動入賞具15に遊技球が入球して、該始動入賞具15に配設したスイッチが遊技球の入球を検出した場合には、前記主制御基板70による制御に基づき、保留表示部43における第1保留表示部43Aを構成する2個の第1保留表示LED53A,53Aが点灯または点滅制御され、最大4個の入賞球の保留球数を表示する。例えば、入賞球の保留球数が1個の場合は、図4における上方の第1保留表示LED53Aだけが点灯し、入賞球の保留球数が2個になった場合は、上方の第1保留表示LED53Aおよび下方の第1保留表示LED53Aの両方が点灯する。更に、入賞球の保留球数が3個になった場合は、図4における上方の第1保留表示LED53Aだけが点滅し、入賞球の保留球数が4個の場合は、上方の第1保留表示LED53Aおよび下方の第1保留表示LED53Aの両方が点滅する。但し、保留表示部43において各第1保留表示LED53Aが点灯または点滅すると、遊技盤10の前面側からは前側装飾板34の前面35に施された花びらが点灯または点滅しているように視認され、該第1保留表示LED53Aと大型装飾部材30の第1電飾LED32とが連動しているように見える。
一方、遊技盤10の遊技領域12内に打出された遊技球が、遊技領域12内を流下する際に球検出ゲート24を通過して、該球検出ゲート24に配設したスイッチが遊技球の通過を検出すると、図6に示すように、その検出信号が前記主制御基板70に入力され、これを契機として該主制御基板70においては所定の演算プログラムが実行され、前記始動入賞具15における前記開閉羽根17の開閉動作有無の抽選が実行される。そして、抽選結果が「開閉動作あり」の場合には、主制御基板70の制御により前記普通表示部42の各普通表示LED52A,52Bを所定時間に亘って交互に点灯するよう点滅させた後に、上限ラウンド回数表示部材60に表記された第1記号66の後方に位置する第1普通表示LED52Aを点灯させ、開閉羽根17,17が開閉動作することを遊技者に認識させる。また、抽選結果が「開閉動作なし」の場合には、主制御基板70の制御により前記普通表示部42の各普通表示LED52A,52Bを所定時間に亘って交互に点灯するよう点滅させた後に、上限ラウンド回数表示部材60に表記された第2記号67の後方に位置する第2普通表示LED52Bを点灯させ、開閉羽根17,17が開閉動作しないことを遊技者に認識させる。なお、抽選結果が「開閉動作あり」の場合には、始動入賞具15に設けた開閉羽根17,17が所要時間だけ開放制御される。
そして、前記主制御基板70により普通表示部42が点滅している際に前記球検出ゲート24を遊技球が通過して、該球検出ゲート24に配設したスイッチが遊技球の通過を検出した場合には、前記主制御基板70による制御に基づき、保留表示部43における第2保留表示部43Bを構成する2個の第2保留表示LED53Bが点灯または点滅制御され、最大4個の通過球の保留球数を表示する。例えば、通過球の保留球数が1個の場合は、図4における上方の第2保留表示LED53Bだけが点灯し、通過球の保留球数が2個になった場合は、上方の第2保留表示LED53Bおよび下方の第2保留表示LED53Bの両方が点灯する。更に、通過球の保留球数が3個になった場合は、図4における上方の第2保留表示LED53Bだけが点滅し、通過球の保留球数が4個の場合は、上方の第2保留表示LED53Bおよび下方の第2保留表示LED53Bの両方が点滅する。但し、保留表示部43において各第2保留表示LED53Bが点灯または点滅すると、遊技盤10の前面側からは前側装飾板34の前面35に施された花びらが点灯または点滅しているように視認され、該第2保留表示LED53Bと大型装飾部材30の第1電飾LED32とが連動しているように見える。
以上のように構成された実施例のパチンコ機では、次のような作用効果を奏する。先ず、特別表示部40、ラウンド回数表示部41、普通表示部42、保留表示部43および状態表示部44を1枚の機能表示基板45に設置して単一に構成し、大型装飾部材30の一部を構成して前面35に意匠を施した前側装飾板34の裏側に一体的に配置するようにしたので、基板点数が少なくなって製造コストの低減化が図られると共に、大型装飾部材30に対する組付工数も減って組付作業の効率化を図り得る。また、前側装飾板34の前面35には、大型装飾部材30の前面31に施した意匠と関連のある意匠が施されているので、該前側装飾板34の裏側に、特別表示部40、ラウンド回数表示部41、普通表示部42、保留表示部43および状態表示部44を設置しても、大型装飾部材30の意匠性が何等損なわれることはない。
そして、特別表示部40、保留表示部43および状態表示部44においては、特別表示LED50、保留表示LED53(53A,53B)、状態表示LED54(54A,54B)が点灯しても、前側装飾板34の前面35に施された意匠が点灯しているように視認されて、これら表示LEDと大型装飾部材30に設置した第1電飾LED32とが連動して点灯しているように見えるので、遊技者から容易に認識され難くなっている。一方、ラウンド回数表示部41および普通表示部42は、ラウンド回数表記部61および普通表記部65を表記した上限ラウンド回数表示部材60を前側装飾板34に前側から着脱可能に装着したので、ラウンド回数表示LED51および普通表示LED52が大型装飾部材30に設置した第1電飾LED32と連動するように点灯しても、ラウンド回数表示部41および普通表示部42の視認性を高めることができる。すなわち実施例では、上限ラウンド回数表示部材60を装着することにより、特別表示部40、保留表示部43および状態表示部44の存在を容易に認識させることなく、ラウンド回数表示部41および普通表示部42の視認性を高めることができる。しかも、ラウンド回数表示部41では、3種類の各特定遊技状態に対応した各上限ラウンド回数毎に個別にラウンド回数表示LED51A,51B,51Cが点灯制御されるため、遊技者に対して成立した特定遊技状態の上限ラウンド回数を明確に明示し得る。
そして、ラウンド回数表記部61および普通表記部65を前記上限ラウンド回数表示部材60に設けたので、ラウンド回数表記部61および普通表記部65を表示するに際して前側装飾板34の前面35に施される意匠形状が制約されることがなく、実施例に示した花や花びら等、様々な意匠を施すことが許容される。また、上限ラウンド回数表示部材60が平板状部材であるから、ラウンド回数表記部61および普通表記部65を、印刷またはシール材貼着等の方法により簡易に表記することが可能である。更に、上限ラウンド回数表示部材60を透明な合成樹脂製の成形部材としたので、前面35を被覆するように前側装飾板34の前側に該上限ラウンド回数表示部材60を装着したとしても、該前側装飾板34の前面35に施した意匠が視認できると共に、ラウンド回数表示部41、普通表示部42および保留表示部43のLEDによる点灯状態を適切に透過表示させ得る。更にまた、上限ラウンド回数表示部材60が前側装飾板34に対して着脱可能となっているので、例えば設計変更による遊技内容の変更に伴い、特定遊技状態における各上限ラウンド回数を変更した場合は、該上限ラウンド回数表示部材60だけを交換すればよく、設計変更等に対して容易に対応し得る。
(変更例)
前記装飾部材としての前側装飾板34は、第1電飾LED32を備えた大型装飾部材30の一部として構成されたものに限定されず、例えば前側装飾板34は、大型装飾部材30と別部材として構成されて、該大型装飾部材30に隣接して配置するようにしてもよい。
また前記前側装飾板34を、第2電飾LED21を備えた前記サイドランプ20の一部として構成すれば、前記特別表示部40、ラウンド回数表示部41、普通表示部42、保留表示部43および状態表示部44等の各表示部を、該サイドランプ20が設置された遊技盤10の下部左側周辺に設けることができる。更に、前記前側装飾板34を、第2電飾LED21を備えた前記サイドランプ20に隣接して装着する部材として構成しても、前記特別表示部40、ラウンド回数表示部41、普通表示部42、保留表示部43および状態表示部44等の各表示部を、該サイドランプ20が設置された遊技盤10の下部左側周辺に設けることができる。
前記実施例では、特別表示部40、ラウンド回数表示部41、普通表示部42、保留表示部43および状態表示部44を、1枚の機能表示基板45に纏めて設置した場合を例示したが、必ずしもこれら全ての表示部40,41,42,43,44を同一の機能表示基板45に纏める必要はない。大型装飾部材30における設置部位の広さ、形状等により、例えば特別表示部40とラウンド回数表示部41だけを1枚の機能表示基板45に設置するようにする等、様々な態様に変更することが可能である。
前記実施例では、上限ラウンド回数表示部材60に、ラウンド回数表記部61の他に普通表記部65を設けた形態を例示したが、上限ラウンド回数表示部材60には少なくともラウンド回数表記部61だけを形成すればよい。また上限ラウンド回数表示部材60は、前側装飾板34のサイズが大きい場合には、ラウンド回数表示部41の側方または近傍に位置するように該前側装飾板34に設置してもよい。そして、上限ラウンド回数表示部材60をラウンド回数表示部41の側方または近傍に設置する場合には、該上限ラウンド回数表示部材60は、透明な素材から形成された成形部材以外に、半透明または不透明な素材から形成するようにしてもよい。
前記上限ラウンド回数表示部材60は、前側装飾板34の前面35を透過視認し得るものであれば、材質は合成樹脂に限定されない。例えば上限ラウンド回数表示部材60は、透明なガラスから形成されたものでもよい。
前記上限ラウンド回数表示部材60は、前記ラウンド回数表示部41の各ラウンド回数表示LED51A,51B,51Cおよび前記普通表示部42の各普通表示LED52A,52Bに対応した部位に、これら表示LEDからの光が通過し得る孔を形成し、該孔に対応して前記ラウンド回数表記部61および普通表記部65を表記するようにしてもよい。このような孔を備えた上限ラウンド回数表示部材60は、不透明な素材から形成することが可能であると共に、表面にメッキや塗装等を施すことが可能である。
前記前側装飾板34は、前記特別表示部40、ラウンド回数表示部41、普通表示部42、保留表示部43の各表示LEDに対応した部位に、これら表示LEDからの光が通過し得る孔を形成するようにしてもよい。このような孔を備えた前側装飾板34は、不透明な素材から形成することが可能であると共に、前面35にメッキや塗装等を施すことも可能である。
前記実施例では、3種類の特定遊技状態を発現し得るパチンコ機を前提として、各特定遊技状態毎に個別に対応した3個のラウンド回数表示LED51A,51B,51Cを備えたラウンド回数表示部41を例示したが、該ラウンド回数表示部41の形態はこれに限定されるものではない。例えば、2種類の特定遊技状態を発現し得るパチンコ機では、1個のラウンド回数表示LEDのみを備えて、点灯および点滅により両特定遊技状態を表示するようにしてもよい。