JP2009010267A - 受光素子の製造方法及び受光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】受光部の内部抵抗を増加させることなく、特に、短波長である405nm帯の青色波長における受光感度が向上可能な受光素子の製造方法及び受光素子を提供する。
【解決手段】第1導電型の半導体基板1上に設けられた第1導電型のエピタキシャル層2の表面に絶縁層3を形成し、この絶縁層にエピタキシャル層を露出させる開口部4を形成し、この開口部を覆ってエピタキシャル層と接触すると共に第2導電型のドーパントを含む導電性のポリシリコン層6を形成し、上記半導体基板を加熱することにより、上記ドーパントを開口部に対応する範囲におけるエピタキシャル層の表面を含む表面近傍部に拡散させて、第2導電型の受光領域8を形成する。
【選択図】図5

Description

本発明は、受光素子の製造方法及び受光素子に係り、特に、短波長例えば405nm帯の青色波長の光に対しても高感度を有する受光素子の製造方法及び受光素子に関する。
現在、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disc)等の光ディスクにレーザ光を照射し、その反射光を受光して光電変換することによって、光ディスクに記録されている情報を電気信号として再生する光ディスク再生装置が普及している。
光ディスクに照射されるレーザ光の発光波長は再生する光ディスクによって異なり、例えば、CDに用いられるレーザ光の発振波長は780nm帯の近赤外波長であり、DVDに用いられるレーザ光の発振波長は635nm帯または650nm帯の赤色波長である。
通常、光ディスク再生装置は、これら各種光ディスクに対応できるように、上記各発振波長のレーザ光をそれぞれ照射する複数の半導体レーザ素子と、上記各発振波長に対して高感度を有する受光素子とを備えている。
このような受光素子の一例が特許文献1に記載されている。
特開平9−237912号公報
ところで、近年、CDやDVDよりもさらに情報記録容量の大きい次世代光ディスクとしてBlu-ray Disc(以下、BDと称す)が着目されている。
BDに用いられるレーザ光の発振波長は、CDやDVDに用いられるレーザ光の発振波長よりもさらに短い405nm帯の青色波長である。
しかしながら、発明者が鋭意実験した結果、特許文献1に記載されているような受光素子では、405nm帯の青色波長における受光感度が、上述の780nm帯の近赤外波長や635nm帯または650nm帯の赤色波長における受光感度と比較して低いことが確認されており、この405nm帯の青色波長における受光感度の向上が望まれている。
上記受光素子において、405nm帯の青色波長における受光感度が低い原因について説明する。
受光素子に照射されるレーザ光の発振波長が短いほど、その受光領域は受光素子の表面を含むより浅い領域となる。この表面を含むより浅い領域に高ドーパント濃度の拡散層が存在すると、この拡散層中での少数キャリアの再結合が発生する。この少数キャリアの再結合によって光電変換効率が悪化するため、受光感度が低くなる。
また、高ドーパント濃度の拡散層の領域を削減して受光感度の低下を防止しようとすると、受光部の内部抵抗が増加するため、応答速度が悪化する場合がある。
そこで、本発明が解決しようとする課題は、受光部の内部抵抗を増加させることなく、特に、短波長である405nm帯の青色波長における受光感度が向上可能な受光素子の製造方法及び受光素子を提供することにある。
上記の課題を解決するために、本願各発明は次の手段を有する。
1)第1導電型の半導体基板(1)上に設けられた第1導電型のエピタキシャル層(2)の表面に絶縁層(3)を形成する絶縁層形成工程と、前記絶縁層形成工程後に、前記絶縁層に、前記エピタキシャル層を露出させる開口部(4)を形成する開口部形成工程と、前記開口部形成工程後に、前記開口部を覆って前記エピタキシャル層と接触すると共に第2導電型のドーパントを含む導電性のポリシリコン層(6)を形成するポリシリコン層形成工程と、前記ポリシリコン層形成工程後に、前記半導体基板を加熱することにより、前記ドーパントを、前記開口部に対応する範囲における前記エピタキシャル層の表面を含む表面近傍部に拡散させて、第2導電型の受光領域(8)を形成する受光領域形成工程と、を有する受光素子(20)の製造方法である。
2)前記受光領域形成工程後に、前記ポリシリコン層上に、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層構造の反射防止膜(11)を形成することを特徴とする1)項記載の受光素子の製造方法である。
3)第1導電型の半導体基板(1)と、前記半導体基板上に設けられた第1導電型のエピタキシャル層(2)と、前記エピタキシャル層上に形成されて、当該エピタキシャル層を露出させる開口部(4)を有する絶縁層(3)と、前記開口部を覆うと共に前記エピタキシャル層と接触して、第2導電型のドーパントを含む導電性のポリシリコン層(6)と、前記開口部に対応する範囲における前記エピタキシャル層の表面を含む表面近傍部に形成されて、前記ドーパントを含む受光領域(8)と、を有する受光素子(20)である。
4)前記ポリシリコン層上に形成されて酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層構造の反射防止膜(8)を有する3)項記載の受光素子である。
本発明によれば、受光部の内部抵抗を増加させることなく、特に、405nm帯の青色波長における受光感度が向上するという効果を奏する。
本発明の実施の形態を、好ましい実施例により図1〜図5を用いて説明する。
図1〜図5は本発明の受光素子の製造方法及び受光素子の実施例を説明するための模式的断面図である。
<実施例>
実施例の受光素子の製造方法及び受光素子を、製造過程毎に第1工程〜第5工程として、図1〜図5を用いて順次説明する。
[第1工程](図1参照)
高いドーパント濃度を有するp型半導体基板であるp型シリコン(Si)基板1上に形成されてp型シリコン基板1よりも低いドーパント濃度を有するp型エピタキシャル層2に、熱酸化処理を行って、p型エピタキシャル層2の表面を含む表面近傍部を酸化させて酸化絶縁層3を形成する。
実施例では、p型エピタキシャル層2の比抵抗が40Ω・cmとなるようにp型エピタキシャル層2のドーパント濃度を1E14/cmとし、その厚さを10μmとした。また、酸化絶縁層3の厚さを12nmとした。
[第2工程](図2参照)
酸化絶縁層3を、フォトリソグラフィ法を用いて部分的にエッチングすることによって、p型エピタキシャル層2が露出してなる開口部4を形成する。
[第3工程](図3参照)
まず、p型エピタキシャル層2及び酸化絶縁層3上に、開口部4を覆うように、光透過性及び電気導電性を有するリン(P)ドープされたポリシリコン膜5を成膜する。
次に、このポリシリコン膜5を、フォトリソグラフィ法を用いて部分的にエッチングすることにより、光透過性を有する導電部6を形成する。
リンドープされたポリシリコン膜5は、例えば、LPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法を用いて形成することができる。
実施例では、導電部6(ポリシリコン膜5)のリンドープ濃度を1E20cm−3とし、その厚さを50nmとした。
ところで、ポリシリコンは、半導体プロセスにおいて一般的に用いられる材料であり、例えば薄膜トランジスタのゲート電極材料として用いられている。
従って、後述する受光部Aで光電変換された信号電荷を増幅するための薄膜トランジスタを形成する場合、この薄膜トランジスタのゲート電極と上述の導電部6とを同じ工程で一括して形成することができる。
[第4工程](図4参照)
第3工程を経たp型シリコン基板1に、例えば850℃で30分の熱処理を施して、導電部6中のリン原子を、開口部4が形成されている範囲に対応する範囲におけるp型エピタキシャル層2の表面を含む表面近傍部に拡散させることにより、n型領域8を形成する。
このn型領域8は、後述する受光素子20における受光領域8となる。
実施例では、n型領域8のリンドープ濃度を5E18cm−3とし、その深さ方向の厚さを50nmとした。また、熱処理後の導電部6の比抵抗は約10mΩ・cmである。
[第5工程](図5参照)
酸化絶縁層3及び導電部6上に、少なくとも、SiOやSiO等からなる酸化シリコン膜と、SiNやSi等からなる窒化シリコン膜と、が積層された積層膜10を、例えばCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いて成膜する。
次に、この積層膜10を、フォトリソグラフィ法を用いて部分的にエッチングすることにより、反射防止膜11を形成する。
反射防止膜11は、上述した受光領域8に外部から光が入射される際に、この光の反射を低減して受光領域8に効率的に入射させるための膜である。
この反射防止膜11により、後述する受光素子20の受光感度を向上させることができる。
その後、所定の工程を行って、受光素子20を得る。
上述した受光素子20によれば、受光領域8に高いドーパント濃度の拡散層が存在しないため、例えば405nm帯の青色波長における受光感度を従来よりも向上させることができる。
本発明の実施例は、上述した構成及び手順に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において変形例としてもよいのは言うまでもない。
例えば、実施例では、受光領域8のリンドープ濃度を5E18cm−3とし、その深さ方向の厚さを50nmとしたが、これに限定されるものではない。
発明者が鋭意実験した結果、受光領域8のリンドープ濃度を1E18cm−3〜1E19cm−3の範囲内とし、その深さ方向の厚さと導電部6の厚さとの合計の厚さを100nm以下とすることにより、実施例と同様の効果が得られることを見出した。
また、実施例では、シリコン基板1及びエピタキシャル層2をp(p)型とし、受光領域8をn(n)型としたが、シリコン基板1及びエピタキシャル層2をn(n)型とし、受光領域8をp(p)型としてもよい。
この場合、受光領域8におけるドーパントをリンに替えてボロン(B)とし、受光領域8のボロンドープ濃度を1E18cm−3〜1E19cm−3の範囲内とし、その深さ方向の厚さと導電部6の厚さとの合計の厚さを100nm以下とすることにより、実施例と同様の効果を得ることができる。
熱処理後の導電部6の比抵抗を約10mΩ・cmとしたが、これに限定されるものではなく、発明者が鋭意実験した結果、上記比抵抗を20mΩ・cm以下とすることにより、導電部6の導通抵抗を低減して受光領域8で光電変換された電気信号を所定の回路部に伝送するための引き出し電極として用いることができる。
本発明の受光素子の製造方法及び受光素子の実施例における第1工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の受光素子の製造方法及び受光素子の実施例における第2工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の受光素子の製造方法及び受光素子の実施例における第3工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の受光素子の製造方法及び受光素子の実施例における第4工程を説明するための模式的断面図である。 本発明の受光素子の製造方法及び受光素子の実施例における第5工程を説明するための模式的断面図である。
符号の説明
1 p型シリコン基板、 2 p型エピタキシャル層、 3 酸化絶縁層、 4 開口部、 5 ポリシリコン膜、 6 導電部、 8 受光領域(n型領域)、 10 積層膜、 11 反射防止膜、 20 受光素子

Claims (4)

  1. 第1導電型の半導体基板上に設けられた第1導電型のエピタキシャル層の表面に絶縁層を形成する絶縁層形成工程と、
    前記絶縁層形成工程後に、前記絶縁層に、前記エピタキシャル層を露出させる開口部を形成する開口部形成工程と、
    前記開口部形成工程後に、前記開口部を覆って前記エピタキシャル層と接触すると共に第2導電型のドーパントを含む導電性のポリシリコン層を形成するポリシリコン層形成工程と、
    前記ポリシリコン層形成工程後に、前記半導体基板を加熱することにより、前記ドーパントを、前記開口部に対応する範囲における前記エピタキシャル層の表面を含む表面近傍部に拡散させて、第2導電型の受光領域を形成する受光領域形成工程と、
    を有する受光素子の製造方法。
  2. 前記受光領域形成工程後に、前記ポリシリコン層上に、酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層構造の反射防止膜を形成することを特徴とする請求項1記載の受光素子の製造方法。
  3. 第1導電型の半導体基板と、
    前記半導体基板上に設けられた第1導電型のエピタキシャル層と、
    前記エピタキシャル層上に形成されて、当該エピタキシャル層を露出させる開口部を有する絶縁層と、
    前記開口部を覆うと共に前記エピタキシャル層と接触して、第2導電型のドーパントを含む導電性のポリシリコン層と、
    前記開口部に対応する範囲における前記エピタキシャル層の表面を含む表面近傍部に形成されて、前記ドーパントを含む受光領域と、
    を有する受光素子。
  4. 前記ポリシリコン層上に形成されて酸化シリコン膜と窒化シリコン膜との積層構造の反射防止膜を有する請求項3記載の受光素子。
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