JP2002118280A - 半導体受光装置 - Google Patents

半導体受光装置

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JP2002118280A
JP2002118280A JP2000305768A JP2000305768A JP2002118280A JP 2002118280 A JP2002118280 A JP 2002118280A JP 2000305768 A JP2000305768 A JP 2000305768A JP 2000305768 A JP2000305768 A JP 2000305768A JP 2002118280 A JP2002118280 A JP 2002118280A
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sige
semiconductor light
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JP2000305768A
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Kazuhiro Kashu
和弘 夏秋
Masaru Kubo
勝 久保
Toshihiko Fukushima
稔彦 福島
Naoki Fukunaga
直樹 福永
Yoshihei Tani
善平 谷
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短波長の信号光に対して高感度で高速応答性
を有する半導体受光装置を提供する。 【解決手段】 半導体受光装置は、第1導電型層2,4
上に第2導電型層5が積層された受光領域7,8を含
み、その第2導電型層5の表面から所定深さまではSi
Ge混晶層5,4で構成されており、このSiGe層
4,5は、(SiGe層の底面における光の強度)/
(SiGe層の表面における光の強度)=0.1となる
厚さより小さな厚さを有し、かつ受光装置の動作時に受
光領域に印加される逆バイアス電圧の存在下における空
乏層の上面がSiGe層の底面以上に至るがその表面ま
では至ることのない厚さより大きな厚さを有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は半導体受光装置に関
し、特に、短波長の光に対して高感度と高速応答性を有
する半導体受光装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】受光素子の一種であるフォトダイオード
は、光信号を電気信号に変換する機能を有し、光ピック
アップや光空間伝送などに幅広く利用されている。近年
では、CDやDVDなどの光記録媒体の利用が進むにつ
れて、光ピックアップに用いられるフォトダイオードの
研究が積極的に進められている。光記録媒体の記録密度
は、光信号の光源として用いられる半導体レーザ素子の
発振波長を短くするほど高めることができる。したがっ
て、光ピックアップに用いられるレーザの発振波長もC
D用で780nm、DVD用で650nmのように短く
なり、将来的には410nm前後の波長を有するレーザ
光が使用されると考えられている。
【0003】ところで、光信号用の光源となるレーザの
波長を短くすれば、シリコン中における光吸収係数が大
きくなる。たとえば、シリコン中では650nmの波長
の光についての吸収係数は2500cm-1であるのに対
して、410nmの波長の光についての吸収係数は30
000cm-1であって、実に10倍以上になる。その結
果、シリコン表面からその内部に侵入した光の強度がそ
の表面における光の強度の10%になる深さは、波長6
50nmの光について9.2μmであるのに対して、波
長410nmの光については0.76μmになって1/
10以下の深さになる。したがって、信号光の波長が短
くなるほど半導体表面近くで発生する電子・正孔対が増
加し、半導体表面近傍におけるキャリアの振舞いが受光
素子の感度に大きな影響を与えると考えられる。
【0004】図12は、特開平9−298308に開示
された受光素子を模式的な断面図で示している。この受
光素子において、n型基板201上に、n型エピタキシ
ャル層202が形成されている。n型エピタキシャル層
202の表面の所定領域に、熱酸化膜203で分離され
た複数のp型拡散領域204が形成されている。これら
のp型拡散領域204は、たとえばボロンなどの不純物
を含んでいる。
【0005】このような受光素子においてその高速動作
に有効な光電流出力となり得るのは、主として空乏層2
05(図11中で破線で囲まれた領域)内で吸収される
光によって生じる電子・正孔対である。この空乏層20
5の上下両側界面から拡散長程度以内の領域で発生した
キャリアも拡散によって空乏層205内に到達して光電
流になり得るが、それらのキャリアが表面再結合して消
滅すれば受光素子の感度低下を招くことになる。
【0006】図13中の曲線(a)は、受光素子のp型
拡散領域内の不純物分布プロファイルの一例を示してい
る。このp型不純物分布においては、半導体層表面から
熱酸化膜中に不純物が取込まれたことなどによって、あ
る深さの領域よりも表面において不純物濃度が低下して
いる。このような不純物濃度プロファイルの下では、表
面近傍において表面側に向かう内部電界の傾斜によって
表面再結合が増加し、受光素子の感度が低下するおそれ
がある。したがって、特開平9−298308において
は、図12中の実線(b)で示されているように表面か
ら基板側へ向けて低下する不純物濃度勾配を持たせるこ
とによって、基板側へ向かう内部電界の傾斜を生じさ
せ、すなわち表面再結合中心へキャリアが拡散しないよ
うな不純物濃度プロファイルを採用している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】特開平9−29830
8に開示されているような受光素子においても、以下の
ような問題が存在している。第1に、信号光が短波長化
した場合に、p型拡散層204の表面近傍で発生するキ
ャリアの増加に伴って、空乏層内205へ遅れて移動し
てくるそれらのキャリアの存在が受光素子の高速動作の
妨げになるという問題がある。第2に、信号光が短波長
化した場合に、受光素子の表面近傍で吸収される光が増
大し、Si表面再結合で消滅するキャリアが増大するこ
とによる受光素子の感度低下を生じるという問題があ
る。第3に、図12(b)に示されているような不純物
濃度プロファイルを受光素子中に形成しようとすれば受
光表面に高濃度の不純物拡散を行なわなければならず、
これが受光素子の感度低下を招くという問題がある。逆
にこの問題を避けるために低不純物濃度で図12(b)
に示されているような濃度勾配を生じさせようとすれ
ば、p型不純物拡散プロファイルが大きくばらついて受
光素子の感度や周波数特性に大きく影響することがあり
得る。第4に、受光素子表面の反射率が大きければ、受
光素子の感度低下を生じさせやすい短波長の信号光に関
してさらに感度が低下するという問題がある。
【0008】以上のような先行技術における課題に鑑
み、本発明は、短波長の信号光に対しても高い感度と高
速応答性を有する半導体受光装置を提供することを目的
としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、半導体
受光装置は、第1導電型層上に第2導電型層が積層され
た受光領域を含み、第2導電型層の表面から所定深さま
ではSiGe混晶層で構成されており、このSiGe層
は、(SiGe層の底面における光の強度)/(SiG
e層の表面における光の強度)=0.1となる厚さより
小さな厚さを有し、かつ受光装置の動作時に受光領域に
印加される逆バイアス電圧の存在下における空乏層の上
面がSiGe層の底面以上に至るがその表面までは至る
ことのない厚さより大きな厚さを有していることを特徴
としている。
【0010】受光領域のSiGe層において、その底面
から表面に向かってGe濃度が減少させられていること
が好ましい。また、受光領域のSiGe層の深さは第1
導電型層内に至っていることが好ましい。さらに、受光
領域のSiGe層は0.76μm以下の厚さを有するこ
とが好ましい。
【0011】受光領域の第1導電型層としては、第1導
電型Si基板上に形成された高比抵抗の第1導電型Si
層が好ましく用いられ得る。その第1導電型Si基板と
高比抵抗の第1導電型Si層との間に高不純物濃度の第
1導電型埋込層が形成されていてもよい。また、第1導
電型Si基板と高比抵抗の第1導電型Si層との間に第
1導電型SiGe混晶層が形成されていてもよい。
【0012】受光領域は、信号処理回路が形成された半
導体基板と同一の基板上に形成され得る。信号処理回路
に含まれる高速トランジスタのベース層としてSiGe
混晶層が用いられ得る。ベース層としてのSiGe層
は、受光領域のSiGe層と同時に形成され得る。
【0013】受光領域のSiGe層の表面に熱酸化膜が
形成されていることが好ましい。その熱酸化膜上には、
シリコン窒化膜がさらに形成されていることが好まし
い。他方、受光領域のSiGe層の表面にアモルファス
カーボン膜が形成されていてもよい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の実施形態
について図面を参照しつつ説明する。図1〜図4は第1
の実施形態による半導体受光装置の製造工程を模式的な
断面図で図解しており、図6〜図10は第2の実施形態
による半導体受光装置の製造工程を模式的な断面図で図
解している。
【0015】図1に示されているように、第1の実施形
態においては、まずn型基板1上にn型エピタキシャル
層2が形成され、LOCOS酸化膜3を利用した分離部
9によってフォトダイオード領域が複数のフォトダイオ
ード部7,8に分離される。
【0016】図2では、フォトダイオード部7,8上に
n型SiGe層4とp型SiGe層5が順次積層され、
これらのSiGe層4,5においてGe濃度はエピタキ
シャル層2側から上表面側に向かうに従って減少させら
れていることが好ましい。p型SiGe層5の厚さが大
きくなりすぎれば、光の入射によって発生した表面近傍
のキャリアの位置からpn接合までの距離が大きくな
り、pn接合近傍の空乏層までのキャリアの拡散におけ
る遅延によって、そのようなp型SiGe層5を含む受
光素子の応答速度が低下すると考えられる。したがっ
て、p型SiGe層5の厚さはその内部に侵入した光の
強度がその表面における光の強度の10%になる厚さ以
下にされ、これによって受光素子の高速動作が可能にな
る。
【0017】なお、半導体層内に入射した光の強度がそ
の入射表面における強度の10%になる入射深さXは、
式X=−(1/k)In(E1/E0)から求めることが
でき、ここで、kは吸収係数であり、E0は半導体表面
における入射光の強度で、E1は深さXにおける入射光
の強度を表わしている。
【0018】他方、SiGe層の厚さの最小値について
は、受光素子の動作時のアノードの低抵抗性とその機能
を確保するために、逆バイアス電圧状態で空乏層の上面
がSiGe層の受光表面に到ってはならず、また、Si
Ge層の底面が空乏層の上面より深い位置にあることが
好ましい。
【0019】他方、導電型不純物とGeとの濃度分布プ
ロファイルは、図5に示されている状態になることが好
ましい。すなわち、p型SiGe層5の表面では、Ge
濃度がほとんど0になっていることが好ましい。なぜな
らば、Ge濃度勾配が大きいほどp型表面からn型層に
向かう内部電界の傾斜が大きくなり、表面近傍で発生し
たキャリアがより迅速に空乏層内へ移動できるからであ
る。このことによって、得られる受光素子の高速動作が
促進される。
【0020】また、フォトダイオードのカソード電流と
アノード電流を取出すために受光面領域外までSiGe
層4,5を引出し、その上にはTiSiなどの低抵抗層
を積層することが好ましい。これによって、カソードと
アノードの抵抗を下げることができ、高速応答可能なフ
ォトダイオードを得ることができる。さらに、この低抵
抗層として光を遮蔽する材質のものを用いることによっ
て、遮光膜としても利用することができる。
【0021】p型SiGe層5の表面近傍におけるGe
濃度が低いことは、その表面上に熱酸化膜を形成するた
めにも好ましい。なぜならばその表面に反射防止膜を付
与するために酸化膜を形成する場合、Ge濃度が低い方
が界面準位の少ない熱酸化膜を形成しやすく、Geの偏
析も起こりにくくなるからである。
【0022】図3においては、半導体ウェハの上面を覆
うように層間絶縁膜10がCVDなどによって堆積さ
れ、フォトダイオード部7,8内の所定の領域のみにお
いてこの層間絶縁膜10が除去される。その後、層間絶
縁膜10が除去された領域においてp型SiGe層5の
表面に熱酸化膜10aが形成される。
【0023】最後に、図4に示されているように、熱酸
化膜10aを覆うように反射防止膜としてのシリコン窒
化膜6が形成され、これによって第1実施形態による半
導体受光装置が完成する。図4の受光装置においては、
p型SiGe層5の厚さが入射光によって生じるキャリ
アの拡散長以下にされているので、発生したキャリアが
pn接合近傍の空乏層に到達する時間が短縮され、高速
動作が可能になる。
【0024】図6において、第1実施形態の受光素子に
動作用逆バイアス電圧を印加したときのエネルギバンド
図が示されている。このバンド構造では、SiGe層
4,5中のGe濃度勾配によって、受光表面からpn接
合近傍の空乏層に向けて伝導帯のエネルギ準位が下が
り、空乏層より表面側のp型SiGe層5中で発生した
キャリアもGeの濃度勾配による内部電界が存在してい
るので表面側に移動して表面再結合することがなく、よ
り高感度の受光素子が得られる。また、SiGe層中の
少数キャリアの移動度がSi層中に比べて大きいこと
と、Geの濃度勾配による内部電界の存在下でキャリア
が迅速に空乏層内に拡散するので、p型SiGe層5中
で発生したキャリアが受光素子の高速動作を妨げること
がない。さらに、p型SiGe層5とn型Si層2との
間にn型SiGe層4が存在しているので、エネルギバ
ンド図においてSiGeとSiとの界面に生じるスパイ
クの影響を受けることなくキャリアが迅速に空乏層内に
拡散することが可能になる。
【0025】次に反射防止膜について述べれば、SiG
e層5の表面におけるGeの濃度を下げることによって
その表面の良好な熱酸化が可能になり、反射防止膜をこ
のような熱酸化膜10aで形成することによって、その
酸化膜下面における界面準位を低減することができる。
また、熱酸化膜10aとSi34膜の積層構造を形成す
ることによって、入射光の波長に合わせて反射率が最小
になるように熱酸化膜10aとSi34膜の厚さを調整
することができ、これによって受光素子に入射する光が
増大してその感度がさらに増大する。なお、このような
熱酸化膜10aとSi34膜6との積層を形成する代わ
りに、アモルファスカーボン膜を反射防止膜として形成
してもよい。アモルファスカーボン膜は100℃程度の
比較的低温で形成することができるので、SiGe層
4,5の組成に悪影響を及ぼすことなく反射防止膜を形
成することができる。
【0026】n型エピタキシャル層2は比較的高不純物
濃度で高比抵抗であることが好ましい。なぜならなら
ば、そうすることによって空乏層が基板1側へ大きく広
がって受光素子の感度をさらに良好にすることができる
からである。ただし、この高比抵抗エピタキシャル層2
の厚さは基板1側に広がる空乏層厚さ程度にすること
が、フォトダイオードのカソード抵抗を下げる観点から
好ましい。また、n型Si基板1上に高濃度のn型埋込
層を形成し、その上で、基板側に広がる空乏層厚さ程度
の厚さを有する高比抵抗Siエピタキシャル層を形成す
ることによって、フォトダイオードのカソード抵抗を下
げることができて高速応答性を向上させることができ
る。
【0027】さらに、たとえばSi基板上にSiGe混
晶層とSi層をエピタキシャル成長させ、その上に表面
層としてのSiGe層が形成されてもよい。この場合に
は、誘電率の異なるSiGeとSiとの間で光が反射す
ることを利用して、表面層としてのSiGe層と埋込ま
れたSiGe層との間で光を閉じ込めることができ、こ
のことによって良好な感度を有する短波長信号光適応の
フォトダイオードが得られる。
【0028】第2実施形態においては、まず図7に示さ
れているように、p型Si半導体基板101上にn型エ
ピタキシャル層を積層するかまたはリンイオンなどのn
型不純物の注入拡散によってn型層102を形成する。
このとき、信号処理回路領域117下の適当な深さの位
置にn+型埋込拡散層103が形成される。さらに、信
号処理回路領域117とフォトダイオード領域118の
それぞれを分離するために、トレンチ104が形成され
る。
【0029】図8では、信号処理回路領域117をコレ
クタ部113とベース部114に分離し、さらにフォト
ダイオード領域118を複数のフォトダイオード部11
5と116に分離するために、LOCOS酸化膜112
が形成される。そして、コレクタ抵抗を下げるために、
コレクタ電流取出用のn+型拡散層105が形成され
る。
【0030】図9においては、フォトダイオード部11
5と116上に、n型SiGe混晶層106が、その基
板側に比べて表面側においてGe濃度が連続的に小さく
なるように形成される。また、信号処理回路領域117
のベース領域114およびフォトダイオード部115と
116上に、p型SiGe混晶層107が、基板側に比
べて表面側においてGe濃度が連続的に小さくなるよう
に形成される。すなわち、フォトダイオード部115と
116上のn型SiGe混晶層106とp型SiGe混
晶層107においても、第1実施形態の場合と同様に図
5に示されているように、基板側から表面側に向かうに
従ってGe濃度が連続的に減少させられていることが好
ましい。そして、p型SiGe混晶層107の表面にお
いては、Ge濃度が極めて低濃度にされていることが好
ましい。その後、信号処理回路領域117とフォトダイ
オード領域118の全表面を覆うように層間絶縁膜10
8が形成される。
【0031】図10においては、ベース部114上にエ
ミッタとなるn型のポリシリコン109aを形成すると
同時に、コレクタ領域113上にコレクタ電流取出用の
n型ポリシリコン層109bも形成される。このとき、
ポリシリコンの抵抗を下げるために、n型ポリシリコン
層109a,109b上にWSiやTiSiの膜を形成
してもよい。その後、フォトダイオード部115と11
6のSiGe混晶層107上の所定領域内で層間絶縁膜
108を除去し、SiGe混晶層107の表面に熱酸化
膜110が形成される。
【0032】図11において、熱酸化膜101上に反射
防止膜としてSi34膜111を積層し、これによって
第2実施形態による回路内蔵型半導体受光装置が完成す
る。
【0033】このような第2実施形態による回路内蔵型
半導体受光装置においては、受光素子と信号処理回路が
同一半導体基板上に形成されるので、装置の小型化を図
ることができる。また、受光素子と信号処理回路とにお
いて共通する複数の層が同一の工程によって形成され得
るので、装置の製造コストが低減され得る。さらに、受
光素子と信号処理回路との間でワイヤ結線を用いること
なくIC内部の配線で置き換えることができるので、外
来ノイズに対する受光装置の耐性が向上する。さらにま
た、信号処理回路に含まれるトランジスタのベース部1
14にSiGe層を用いることによって、高速受光素子
に適応し得るようにそのトランジスタを高速化すること
ができる。
【0034】本発明による半導体受光装置においては、
上述のような効果の他に、SiGe層をエピタキシャル
成長させた場合には、注入拡散によって形成される拡散
層に比べて、濃度プロファイルがばらつきにくいという
効果も得られる。なぜならば、注入拡散では注入ばらつ
きと拡散ばらつきの二重のばらつきを考慮する必要があ
るが、エピタキシャル層においては、エピタキシャル成
長による膜厚に関連するばらつきのみを考慮すればよい
からである。
【0035】また、半導体表面から内部に侵入した光の
強度がその表面における光の強度の10%になる深さ
は、波長410nmの光に対してSiでは0.76μm
であるのに対して、GeではSiに比べて(同一波長4
10nmの光に対し)20倍以上の吸収係数を有するの
で、Ge層では0.038μm以下になる。すなわち、
SiGe層では、SiとGeの混成比に依存して0.7
6μmと0.038μmとの中間の値になる。したがっ
て、本発明による半導体受光装置における受光領域のS
iGe表面層の厚さは少なくとも0.76μm以下に薄
くされ得る。
【0036】さらに、本発明による回路内蔵型半導体受
光装置においては、一般に知られているようにトランジ
スタのベースにSiGe層を用いることによってエミッ
タからの電子の注入効率が向上するだけでなく、SiG
e層中のキャリア移動度が大きいことからベース内の電
子の走行時間τbが短くなってトランジスタが高速化さ
れ得る。そして、高速の受光素子とトランジスタによっ
て、高周波の信号に対応し得る回路内蔵型半導体受光装
置の設計が可能になる。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、短波長
の信号光に対して高い感度と高速応答性を有する半導体
受光装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態による半導体受光装置
の製造工程を図解する模式的な断面図である。
【図2】 本発明の第1実施形態による半導体受光装置
の製造工程を図解する模式的な断面図である。
【図3】 本発明の第1実施形態による半導体受光装置
の製造工程を図解する模式的な断面図である。
【図4】 本発明の第1実施形態による半導体受光装置
の製造工程を図解する模式的な断面図である。
【図5】 図1の半導体受光装置の受光領域の断面にお
ける導電型不純物とGeの濃度分布を示すグラフであ
る。
【図6】 図1の半導体受光装置の受光部分の断面にお
けるエネルギバンド構造を示すグラフである。
【図7】 本発明の第2実施形態による回路内蔵型半導
体受光装置の製造工程を図解する模式的な断面図であ
る。
【図8】 本発明の第2実施形態による回路内蔵型半導
体受光装置の製造工程を図解する模式的な断面図であ
る。
【図9】 本発明の第2実施形態による回路内蔵型半導
体受光装置の製造工程を図解する模式的な断面図であ
る。
【図10】 本発明の第2実施形態による回路内蔵型半
導体受光装置の製造工程を図解する模式的な断面図であ
る。
【図11】 本発明の第2実施形態による回路内蔵型半
導体受光装置の製造工程を図解する模式的な断面図であ
る。
【図12】 先行技術による半導体受光装置を示す模式
的な断面図である。
【図13】 先行技術による半導体受光装置の受光領域
の断面における不純物濃度プロファイルを示すグラフで
ある。
【符号の説明】
1 n型基板、2 n型エピタキシャル層、3 LOC
OS酸化膜、4 n型SiGe層、5 p型SiGe
層、6 シリコン窒化物層、7,8 フォトダイオード
部、9 フォトダイオード分離部、10 層間絶縁膜、
10a 熱酸化膜、101 p型半導体基板、102
n型半導体層、103 n+型埋込拡散層、104 分
離用トレンチ、105 n+型コレクタ取出拡散層、1
06 n型SiGe混晶層、107 p型SiGe混晶
層、108 層間絶縁膜、109a,109b n型ポ
リシリコン層(その上のシリサイド層を含んでもよ
い)、110 熱酸化膜、111 シリコン窒化膜、1
12 LOCOS酸化膜、113トランジスタのコレク
タ部、114 ベース部、115,116 フォトダイ
オード部、117 信号処理回路領域、118 フォト
ダイオード領域、201高不純物濃度のn型基板、20
2 低不純物濃度のn型エピタキシャル層、203 分
離酸化膜、204 p型拡散層、205 空乏層の下
端。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福島 稔彦 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 福永 直樹 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 谷 善平 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 5F049 MA02 MB03 NA01 NA03 NA10 NA14 NB08 RA04 RA10 SZ03 SZ12 SZ13 WA03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体受光装置であって、 第1導電型層上に第2導電型層が積層された受光領域を
    含み、 前記第2導電型層の表面から所定深さまではSiGe混
    晶層で構成されており、 前記SiGe層は、(SiGe層の底面における光の強
    度)/(SiGe層の表面における光の強度)=0.1
    となる厚さより小さな厚さを有し、かつ前記受光装置の
    動作時に前記受光領域に印加される逆バイアス電圧の存
    在下における空乏層の上面が前記SiGe層の底面以上
    に至るがその表面までは至ることのない厚さより大きな
    厚さを有していることを特徴とする半導体受光装置。
  2. 【請求項2】 前記SiGe層においてその底面から表
    面に向かってGe濃度が減少させられていることを特徴
    とする請求項1に記載の半導体受光装置。
  3. 【請求項3】 前記SiGe層の深さは前記第1導電型
    層内に至っていることを特徴とする請求項1または2に
    記載の半導体受光装置。
  4. 【請求項4】 前記SiGe層は0.76μm以下の厚
    さを有することを特徴とする請求項1から3のいずれか
    の項に記載の半導体受光装置。
  5. 【請求項5】 前記第1導電型層は第1導電型Si基板
    上に形成された高比抵抗の第1導電型Si層を含むこと
    を特徴とする請求項1から4のいずれかの項に記載の半
    導体受光装置。
  6. 【請求項6】 前記第1導電型Si基板と前記高比抵抗
    の第1導電型Si層との間に高不純物濃度の第1導電型
    埋込層または第1導電型SiGe混晶層が形成されてい
    ることを特徴とする請求項5に記載の半導体受光装置。
  7. 【請求項7】 前記受光領域は信号処理回路が形成され
    た半導体基板と同一の基板上に形成されていることを特
    徴とする請求項1から6のいずれかの項に記載の半導体
    受光装置。
  8. 【請求項8】 前記信号処理回路に含まれる高速トラン
    ジスタのベース層としてSiGe混晶層が用いられてい
    ることを特徴とする請求項7に記載の半導体受光装置。
  9. 【請求項9】 前記ベース層としてのSiGe層は前記
    受光領域のSiGe層と同時に形成されたものであるこ
    とを特徴とする請求項8に記載の半導体受光装置。
  10. 【請求項10】 前記受光領域のSiGe層の表面に熱
    酸化膜が形成されていることを特徴とする請求項1から
    9のいずれかの項に記載の半導体受光装置。
  11. 【請求項11】 前記熱酸化膜上にシリコン窒化膜が形
    成されていることを特徴とする請求項10に記載の半導
    体受光装置。
  12. 【請求項12】 前記受光領域のSiGe層の表面にア
    モルファスカーボン膜が形成されていることを特徴とす
    る請求項1から9のいずれかの項に記載の半導体受光装
    置。
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