JP2009009990A - 光源装置、プロジェクタ、モニタ装置 - Google Patents

光源装置、プロジェクタ、モニタ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】放熱性を向上させた光源装置、プロジェクタ、及びモニタ装置を提供すること。
【解決手段】支持体11と、支持体11に載置された発光素子12と、発光素子12と電気的に接続された配線基板20とを備えた光源装置1であって、発光素子12は、光を射出する発光部12aと、支持体11と反対側の面に形成された第1の電極13と、支持体11に対向する面に形成された第2の電極14とを有し、配線基板20は、第1の配線層22と第2の配線層24とを有し、第1の配線層22から延在する第1の端子22aは第1の電極13と接続され、第2の配線層24から延在する第2の端子24aは、発光素子12と支持体11との間で、第2の電極14と接続されていることを特徴とする光源装置1とした。
【選択図】図2

Description

本発明は、光源装置、プロジェクタ、モニタ装置に関する。
半導体レーザー装置の半導体レーザーチップへの給電は、回路基板の配線層と半導体レーザーチップの電極とをボンディングワイヤで結線することで行われていた。(例えば特許文献1を参照)
特開2004−6592号公報
ところが、ボンディングワイヤによる結線では、ボンディングワイヤと半導体レーザーチップの電極との接触面積が小さく、半導体レーザーチップからの放熱を十分に行うことができない。その結果、半導体レーザーチップの温度が上昇し、レーザ特性に影響を与えている。
本発明は、放熱性を向上させた光源装置、プロジェクタ、及びモニタ装置を提供することを目的とするものである。
本発明は、以下の構成を特徴とする光源装置、プロジェクタ、及びモニタ装置である。
支持体と、前記支持体に載置された発光素子と、前記発光素子と電気的に接続された配線基板とを備えた光源装置であって、前記発光素子は、光を射出する発光部と、前記支持体と反対側の面に形成された第1の電極と、前記支持体に対向する面に形成された第2の電極とを有し、前記配線基板は、第1の配線層と第2の配線層とを有し、前記第1の配線層から延在する第1の端子は前記第1の電極と接続され、前記第2の配線層から延在する第2の端子は、前記発光素子と前記支持体との間で、前記第2の電極と接続されていることを特徴とする光源装置とした。
このような構造を備えることで、前記第2の配線層から延在する前記第2の端子は、前記発光素子と前記支持体との間で、前記第2の電極と接続されるので、前記発光素子で発生した熱が、前記第2の端子から前記支持体へ、また、前記第2の端子から前記第2の配線層へと放熱されるので放熱性が向上する。
前記第1の端子が前記第1の電極の上に平面視で重なって接続されていることが好ましい。
このような構造を備えることで、前記第1の端子が前記第1の電極の上に重なって接続されるので、前記第1の端子と前記第1の電極との接触面積を大きくすることができ、発光素子で発生した熱が、前記第1の端子から前記第1の配線層へと放熱されるので放熱性が向上する。
前記第1の端子に端子開口部が形成され、前記第1の電極には電極開口部が形成されており、前記端子開口部内に前記電極開口部が配置されるとともに、前記電極開口部によって前記発光部が設けられており、前記第1の端子は平面視で前記第1の電極の全面で接続されていることを特徴とする光源装置。
このような構造を備えることで、前記第1の電極の全領域に前記第1の端子が重なって接続されているので、前記第1の端子と前記第1の電極との接触面積を大きくすることができ、前記発光素子で発生した熱が、前記第1の端子から前記第1の配線層へと放熱されるので放熱性が向上する。
前記第1の端子の厚さと前記第1の配線層の厚さ、及び/または、前記第2の端子の厚さと前記第2の配線層の厚さとが異なることが好ましい。
このような構造を備えることで、前記第1の端子の厚さと前記第1の配線層の厚さ、及び/又は、前記第2の端子の厚さと前記第2の配線層の厚さとが異なっており、前記配線層より端子を厚くすることにより、前記発光素子で発生した熱を前記第1の端子及び前記第2の端子を介して放熱する際、前記第1の端子及び前記第2の端子の熱容量を増大できるので放熱性が向上する。
前記発光素子は複数の前記発光部を有し、前記第1の端子と前記第2の端子の少なくとも一方が前記複数の発光部に対応して分割されていることが好ましい。
このような構造を備えることで、前記発光素子は前記複数の発光部を有し、前記第1の端子と前記第2の端子のうちの少なくとも一方が前記複数の発光部に対応して分割されているので、前記端子の断面からの放熱経路を形成することができるとともに、それぞれの前記発光部に発生した熱を、前記発光部に対応した端子、前記配線層へと効率良く放熱することができる。そのため、前記発光部間の熱干渉を防止でき、前記発光部の配列方向に沿って、前記発光素子の中央部が高く端部が低くなる温度分布を緩和することができる。その結果、温度分布により前記複数の発光部から射出される光の特性がばらつくことを抑えることができる。
前記第1の配線層と前記第2の配線層とが絶縁層を介して重なって積層されていることが好ましい。
このような構造を備えることで、前記第1の配線層と前記第2の配線層とが前記絶縁層を介して重なって積層されているので、前記第1の配線層と前記第2の配線層との間隔を狭くすることができ、インダクタンスが低減する。その結果、前記発光素子の駆動パルスの立ち上がりを急峻にすることが可能となり、駆動効率が向上する。
前記第1の端子の材料の熱膨張係数と、前記第2の端子の材料の熱膨張係数とが等しいことが好ましい。
このような構造を備えることで、温度変化がある際に、前記発光素子の片側に前記発光素子材料と熱膨張係数が異なる前記端子材料を接続した場合には、熱膨張係数の差により前記発光素子にそりが発生する。これに対して、熱膨張係数が等しく、ほぼ面積も等しい前記第1の端子と前記第2の端子によって前記発光素子を挟み込むことにより、前記発光素子の両面の歪バランスがとれ、前記発光素子のそりの発生を防止することができる。その結果、前記複数の発光部から射出されるレーザ光を互いに平行にすることができ、光源の出力を安定化できる。
本発明の光源装置を備えたプロジェクタである。
このような構造を備えることで、光源装置の放熱性を向上させることができるので、自己発熱によるレーザ特性の変化、レーザの劣化を抑えることができるプロジェクタとすることができる。
本発明の光源装置を備えたモニタ装置である。
このような構造を備えることで、光源装置の放熱性を向上させることができるので、自己発熱によるレーザ特性の変化、レーザの劣化を抑えることができるモニタ装置とすることができる。
以下、図面を参照して、本発明に係る光源装置、プロジェクタ及びモニタ装置の実施形態について説明する。なお、以下の図面においては、各部材を認識可能な大きさとするために、各部材の縮尺を適宜変更している。
[第1の実施形態]
図1は、本実施形態の光源装置1の概略斜視図である。光源装置1において、半導体レーザチップ(発光素子)12を載置した支持体11が、保持部材10上に配置されている。半導体レーザチップ12の上方(+Z方向)には、半導体レーザチップ12と対向して波長変換素子30が配置されている。波長変換素子30は、保持部材10上に配置された固定部材40により固定されている。また、半導体レーザチップ12には、電流供給基板(配線基板)20が接続されている。
図2(a)は、光源装置1の半導体レーザチップ12及び周辺の構成を示す平面図、図2(b)は、図2(a)のA−A’線における断面図である。
電流供給基板20は、保護層21及び保護層26で挟持されたカソード配線層(第1の配線層)22の保護層26と、保護層25及び保護層27で挟持されたアノード配線層(第2の配線層)24の保護層27とが、接着剤層(絶縁層)23を介して接着された構成を備えている。
また、電流供給基板20の支持体11上に位置する部分には、保護層21、25、26、27及び接着剤層23は形成されておらず、カソード配線層22の端子部22a(第1の端子)、及びアノード配線層24の端子部24a(第2の端子)が保護層から引き出され、これらの端子部22a、24aが半導体レーザチップ12と接続されている。
保護層21、25、26、27及び接着剤層23の材質としては、ポリイミド、アクリル、エポキシなどの絶縁性を有する樹脂材料が用いられる。
カソード配線層22、及びアノード配線層24の材質としてはCu(銅)などが用いられる。カソード配線層22、及びアノード配線層24の膜厚は30μm以上500μm以下であることが好ましい。膜厚が30μm未満では、配線層22、24の強度が不足し、500μmを超える範囲では、電流供給基板20の厚さが大きくなるので、電流供給基板20の製造コストが増大する。アノード配線層24の厚みを極力薄くするために、アノード配線層24の端子部24aのみを厚くすることができる。端子部24aを厚くすることにより、端子部24aの熱容量が増大し放熱性が向上する。更に、端子部24aの断面積が増大して放熱性が格段に向上する。本図では、端子部24aのみが厚く形成されているが、端子部22aが厚く形成されたものを採用することもできる。これにより、端子部22aからの放熱性も向上させることができる。
電流供給基板20から支持体11上に引き出されたカソード配線層22の端子部22a、及びアノード配線層24の端子部24aは、前述した銅の薄膜をそのまま用いてもよいが、CuW(銅タングステン合金)、BeO(酸化ベリリウム)などの熱伝導率が大きい材料を用いてもよい。また、銅の薄膜に金メッキを施したものを端子部22a、24aとして用いることもできる。これにより、端子部22a、24aの電気伝導度を向上させるとともに、熱伝導性を向上させることができ、放熱性が向上する。
保持部材10は、支持体11及び固定部材40両者を位置決めした状態で支持する部材である。保持部材10の材質は任意のものを用いることができるが、高熱伝導性を有することが好ましい。保持部材10の材質としては、例えば、セラミックスやCu(銅)を挙げることができる。セラミックスや、Cu(銅)は、高熱伝導性を有するので、半導体レーザチップ12で発生した熱を支持体11を介して効率的に放熱する。
支持体11は、保持部材10上に載置されて半導体レーザチップ12を支持している。支持体11の材質は、高熱伝導性を有するものが好ましい。支持体11の材質としては、例えば、セラミックスを挙げることができる。セラミックスは、高熱伝導性を有するとともに、低熱膨張性を有する材質である。
半導体レーザチップ12は平面視略矩形状で、レーザ光を射出する複数のエミッタ(発光部)12aが半導体レーザチップ12の長手方向(Y軸方向)に沿って直線状に配列されている(図2(a))。
半導体レーザチップ12は、エミッタ基板15を基材として備える。略矩形状のエミッタ基板15上面には、カソード電極(第1の電極)13がエミッタ12aのための電極開口部13bを有して配置されている。エミッタ基板15の下面には、第1の反射層16、活性層17、第2の反射層18、アノード電極(第2の電極)14が順次積層されている。第1の反射層16、活性層17、第2の反射層18は各エミッタ12aに対して共通であるが、アノード電極14はそれぞれのエミッタ12aに対応して配置されている。活性層17において、アノード電極14上に平面視で重なる領域には、電流狭窄された活性領域17aが形成され、この部分から光が生成される。
電流供給基板20のカソード配線層22の端子部22aは、エミッタ12aにおける図2(a)中右側の領域13aでカソード電極13と接続されている。カソード電極13の端子部22aとカソード配線層22の端子部22aとは、接合材19aを介して電気的に接続されている。
電流供給基板20のアノード配線層24の端子部24aは、半導体レーザチップ12の下面(支持体11側の面)と対向する位置まで延出されて、半導体レーザチップ12と支持体11とで挟持されている。支持体上11上において、アノード配線層24の端子部24aと半導体レーザチップ12のアノード電極14とが接合材19bを介して電気的に接続されている。また、アノード配線層24の端子部24aは接合材19cを介して支持体11に固着されている。
接合材19a、19b、19cとしては、In(インジウム)、Sn(スズ)、Au−Su(金とスズの合金)などの熱伝導性の高い材質を用いることが好ましい。
支持体11と半導体レーザチップ12とをアノード配線層24を介して接続する方法は、支持体11の上にアノード配線層24と半導体レーザチップ12とを接合剤19bを介在させて積層し、図示は省略の治具により上方から加熱しながら加圧して接続する。その後、同様に半導体レーザチップ12の上にカソード配線層22の端子部22aを接着剤19aを介在させて積層し、図示は省略の治具により上方から加熱しながら加圧して接続する。その後、カソード配線層22を覆う保護層26と、アノード配線層24を覆う保護層27とを接着剤層23により接着し電流供給基板20を形成する。
図1に戻り、波長変換素子30は、図示Z軸方向に延在する略直方体状の部材であり、半導体レーザチップ12から射出される赤外光を可視光に波長変換するものである。波長変換素子30は、その入射端面30aが半導体レーザチップ12のエミッタ12aに対向するように配置されている。
固定部材40は、端面40a,40b側に2つの直方体状の脚部40c,40dが設けられている。そして、この2つの脚部40c,40d上に、波長変換素子30が載置されている。このようにして、半導体レーザチップ12と波長変換素子30との位置関係は一定に保たれている。
(作用、効果)
以上の構成を備えた光源装置1の作用、効果を説明する。
光源装置1では、アノード電極14と支持体11との間にアノード配線層24が設けられている。これにより、半導体レーザチップ12で発生した熱が、アノード配線層24から支持体11へ、また、アノード配線層の平面方向へと2系列の放熱経路から放熱されるので放熱性を向上させることができる。
アノード配線層24を半導体レーザチップ12の複数のエミッタ12aが配列された長手方向に幅広の帯状にしたことで、アノード電極14とアノード配線層24との接触面積が増大するので、アノード電極14からの放熱性を向上させることができる。
カソード電極13上にカソード配線層22を重ねて設けることで、カソード配線層22がカソード電極13に直接接触するので、半導体レーザチップ12で発生した熱を、直接カソード配線層22へ直接伝導させることができる。これにより、カソード電極13からの放熱性を向上させることができる。
カソード配線層22を半導体レーザチップ12の複数のエミッタ12aが配列された長手方向に幅広の帯状にしたことで、カソード電極13とカソード配線層22との接触面積が増大するので、カソード電極14からの放熱性を向上させることができる。
接合材19a、19b、19cに熱伝導性の高い材質を用いており、カソード配線層22、及びアノード配線層24への熱伝導性を向上できるので、放熱性をより向上させることができる。
カソード配線層22及びアノード配線層24自体に熱伝導性の高い材質を用いているので、放熱性を向上させることができる。また、カソード配線層22の端子部22a、及びアノード配線層24の端子部24aにはさらに熱伝導性の高い材質を用いているので、放熱性をさらに向上させることができる。
支持体11に高熱伝導性を有する材質を用いることで、アノード配線層24だけでなく、支持体11にも熱を伝導させることができるので、放熱性をより向上させることができる。
本実施形態では、アノード配線層24とカソード配線層22とが接着剤層23を介して重なって積層されているので、両配線層22、24の間隔を狭くすることができ、インダクタンスが低減する。その結果、半導体レーザチップ12の駆動パルスの立ち上がりを急峻にすることが可能となり、駆動効率が向上する。
また、アノード配線層24、及び、カソード配線層22を半導体レーザチップ12の一辺側、即ち、電流供給基板20側に配置したので、小型の光源装置1とすることができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明に係る第2の実施形態について図面を用いて説明する。なお、以下に説明する各実施形態において、上述した第1実施形態に係る光源装置1と構成を共通とする箇所には同一符号を付けて、説明を省略することにする。
図3(a)は、第2の実施形態に係る光源装置100の半導体レーザチップ12及び周辺の構成を示す平面図、図3(b)は、図3(a)のB−B’における断面図である。
本実施形態の光源装置100は、保持部材10と、支持体11と、半導体レーザチップ12と、電流供給基板120とを備えており、電流供給基板の構成と、電流供給基板と半導体レーザチップ12との接続構造とにおいて先の実施形態の光源装置1とは異なる構成を備えている。
本実施形態に係る光源装置100の電流供給基板120では、保護層21,26から引き出されたカソード配線層(第1の配線層)122の端子部(第1の端子)122aが半導体レーザチップ12を覆う位置まで延出されている。端子部122aには、カソード電極13の電極開口部13bと対応する位置に端子開口部122bが形成されており、その他のカソード電極13と重なる部分で接合材19aを介してカソード電極13と電気的に接続されている。
このような構成を有する光源装置100において、カソード配線層122の端子部122aは、電極開口部13b以外のカソード電極13全面と接合材19を介して接続されているので、カソード電極13からカソード配線層122へ至る熱伝導性が向上する。これにより、半導体レーザチップ12で発生した熱のカソード電極13からの放熱量をより増大させることができる。
また、半導体レーザチップ12とアノード配線層24を構成する材料の熱膨張係数は互いに異なっている。このような組み合わせで温度変化があると、熱膨張係数の差により半導体レーザチップ12にそりが発生する。
これに対して、本実施形態では、熱膨張係数が等しい材料で構成され、面積もほぼ等しいアノード配線層24とカソード配線層122によって半導体レーザチップ12を挟み込んでいる。これにより、温度変化によって発生する半導体レーザチップ12の両面に発生する歪のバランスがとれ、半導体レーザチップ12のそりの発生を防止することができる。その結果、複数のエミッタ12aから射出されるレーザ光を互いに平行にすることができ、光源の出力を安定化できる。
また、アノード配線層24を半導体レーザチップ12と支持体11とで挟持することで、カソード配線層22、及びアノード配線層24を同時にカソード電極13、及びアノード電極14に圧着できるので、製造工程を短縮することができる。また、これによりスループットを向上させることができる。 また、カソード配線層122が電極開口部13b以外のカソード電極13の略全面を覆うことで、カソード電極13上のカソード配線層122を略平坦化できるので、カソード配線層122及びアノード配線層24を圧着させるための圧着用治具を簡略化することができる。
[第3の実施形態]
図4(a)は、第3の実施形態に係る光源装置200の半導体レーザチップ12及び周辺の構成を示す平面図、図4(b)は、図4(a)のC−C’における断面図である。
本実施形態の光源装置200は、保持部材10と、支持体11と、半導体レーザチップ12と、電流供給基板220とを備えており、電流供給基板の構成と、電流供給基板と半導体レーザチップ12との接続構造とにおいて先の実施形態の光源装置1とは異なる構成を採用している。
本実施形態に係る電流供給基板220は、カソード配線層(第1の配線層)222の端子部(第1の端子)222aが、支持体11上及びカソード電極13上で櫛歯状に形成された構造を有している。
櫛歯状のカソード配線層222の端子部222aは、各エミッタ12aに1対1に対応して配置されており、各エミッタ12aの近傍で接合材19aを介してカソード電極13と電気的に接続されている。
端子部222aはカソード電極13上で互いに間を空けて配置されているので、端子部222aをカソード電極13に圧着するときに余剰となった接合材19aの一部が端子部222aから櫛歯状に切り欠かれた部分に流れ出る。このように接着面積を拡大することにより、端子部222aとカソード電極13との接着性をより向上させることができる。
また、端子部222aが各エミッタ12aに対応して配置されているので、エミッタ12a毎に発生した熱を端子部222aを介してカソード配線層222に放散させることができるので、エミッタ12a間の熱干渉を防止でき、カソード電極13の長手方向に沿って各位置からの放熱量を略均一にすることができる。これにより、半導体レーザチップ12の長手方向に沿った中央部が高く、端部が低くなる温度分布を緩和させることができる。その結果、温度分布により複数のエミッタ12aから射出される光の特性がばらつくことを抑えることができる。
[第4の実施形態]
図5(a)は、第4の実施形態に係る光源装置300の半導体レーザチップ12及び周辺の構成を示す平面図、図5(b)は、図5(a)のD−D’における断面図である。
本実施形態の光源装置300は、保持部材10と、支持体11と、半導体レーザチップ12と、電流供給基板320とを備えており、電流供給基板の構成と、電流供給基板と半導体レーザチップ12との接続構造とにおいて先の実施形態の光源装置1とは異なる構成を採用している。
本実施形態の電流供給基板320は、帯状のアノード配線層(第2の配線層)24と、アノード配線層24の幅方向の両側に配置されたカソード配線層(第1の配線層)322とを備えており、配線層322、24は、部分的に保護層21、25で覆われている。また、カソード配線層322の保護層21、25から引き出された位置に形成されている端子部322aは、半導体レーザチップ12のうち、長手方向の一方の端部12b、及び他方の端部12cにおいて、接合材19aを介してカソード電極13と電気的に接続されている。
一方、保護層21、25から引き出されたアノード配線層24の端子部24aは、カソード配線層322の2本の端子部322aと平面視で重ならないように配置されている。そして、半導体レーザチップ12と支持体11とに挟持された端子部24は、半導体レーザチップ12のカソード電極14と接合材19bを介して電気的に接続されるとともに、接合材19cを介して支持体11と固着されている。
このような構成を備えた本実施形態の光源装置300では、保護層21、25から引き出された部分でアノード配線層24とカソード配線層322とが平面視で重ならないように配置されているため、アノード配線層24とカソード配線層322とが相互に熱的に干渉しない。これにより、アノード配線層24からの放熱量が増大するので、放熱量を向上させることができる。また、同様にカソード配線層322からの放熱も行われるので、カソード電極13からの放熱量も確保することができる。さらに、カソード配線層322について、第2実施形態と同様の構成を採用してカソード配線層322とカソード電極13との接触面積を増大させれば、カソード電極13からの放熱量を増やすことができる。
また本実施形態では、カソード配線層322の端子部322aとアノード配線層24の端子部24aとは平面視で重ならないように配置されているので、端子部322a、24aを、それぞれ電極13、14に対して同時に熱圧着できる。
[第5の実施形態]
図6(a)は、本発明の第5の実施形態である光源装置400の平面図、図6(b)は、図6(a)のE−E’における断面図である。
光源装置400は、支持体11と、半導体レーザチップ12と、電流供給基板20と、第1のプリズム473と、第2のプリズム474と、波長変換素子471と、波長選択素子472と、保持部材410とを備えている。本実施形態に係る光源装置400は、図6に示すように、波長変換素子471及び波長選択素子472を保持部材410上で横置きに配置しており、半導体レーザチップ12から射出された光を保持部材410の面方向に導光するようになっている。
保持部材410上に載置された支持体11上に、半導体レーザチップ12が載置されている。電流供給基板20は、半導体レーザチップ12の側面12f側に配置されており、半導体レーザチップ12と電気的に接続されている。半導体レーザチップ12の上方には、第1のプリズム473と、第2のプリズム474と、プリズム473、474に挟持されたダイクロイック層475とを備えたプリズム素子480が配置されている。
プリズム素子480はその長手方向の両端部を、保持部材410上に設けられた2個のスペーサ477により支持されている。プリズム素子480は半導体レーザチップ12との間に隙間を有して半導体レーザチップ12の上空に固定されている。
プリズム素子480は、エミッタ12aから射出された光を内面で反射させて波長変換素子471に導光するとともに、波長変換素子471側から入射する光のうち特定波長域の成分をダイクロイック層475により反射させて波長変換素子471の外側に導く機能を奏する。
半導体レーザチップ12に隣接して、電流供給基板20と反対側には、保持部材410上の支持台471aに載置された波長変換素子471が配置されている。波長変換素子471から見て半導体レーザチップ12と反対側には、保持部材410上の支持台472aに載置された波長選択素子472が配置されている。図6(b)に示すように、波長変換素子471の支持台471a、波長選択素子472の支持台472a及びスペーサ477は、複数の固定ピン478により保持部材410上に位置決めされて固定されている。
波長変換素子(第2高調波発生素子、SHG:Second Harmonic Generation)471は、入射光のうち所定の波長を有する成分を変換せずにそのまま透過する一方、それ以外の波長を有する成分をほぼ半分の波長の光に変換する非線形光学素子である。すなわち、半導体レーザチップ12から射出された第1の波長の光を、それよりも短い第2の波長の光に変換して射出する。
波長選択素子472は、特定波長の光(波長変換素子471で波長変換された第2の波長の光)を透過させる一方、波長変換素子471で波長が変換されなかった第1の波長の光を含むほとんどの光を側壁472bで反射させる。そのため、波長選択素子472は、半導体レーザチップ12の外部共振器ミラーとして機能する。波長選択素子472としては、例えば、周期格子を有するホログラムのような光学素子を用いることができる。
上記の構成において、エミッタ12aから射出された第1の波長の光は、プリズム素子480の第1のプリズム473の斜面部(鉛直方向に対して略45°の角度を成して配置された面)で反射されてダイクロイック層475に入射し、これを透過して第2のプリズム474から射出されて波長変換素子471に入射する。
ここで、図6(b)に実線で示す光W1は、エミッタ12aから射出されて波長選択素子472側へ進行する光を示しており、破線で示す光W2は、光W1のうち、波長選択素子472で反射された成分を示している。また波長選択素子472から延びる鎖線で示す光W3は、光W1のうち波長選択素子472を透過した成分を示す。さらに光W4は、光W2のうち、ダイクロイック層475により反射された成分を示している。
なお、図6(b)では、説明の都合上、光W1,W2を異なる位置に示しているが、実際には両者は同一の経路を辿る光である。
まず、エミッタ12aから射出されて波長変換素子471に入射した光W1は、波長変換素子471を透過する間にその一部がほぼ半分の波長の光(第2の波長の光)に変換されて、波長選択素子472に入射する。波長選択素子472に入射した光W1のうち、波長選択素子472を透過する特定波長(第2の波長)の成分は、光源光である光W3として波長選択素子472から外部に射出される。
一方、波長選択素子472で反射された成分(第1の波長の光)は、逆向きの光W2となって半導体レーザチップ12側へ戻される。
波長変換素子471からプリズム素子480に入射した光W2は、ダイクロイック層475に入射する。ダイクロイック層475は、本実施形態では、波長変換素子471により変換された光(第2の波長の光)を選択的に反射し、その他の光を透過するようになっているので、光W2のうち第1の波長の成分は、ダイクロイック層475を透過して半導体レーザチップ12に入射する。そして、半導体レーザチップ12のミラーで反射され、光W1として再度射出される。このように、波長選択素子472で反射される第1の波長の光は、波長選択素子472と半導体レーザチップ12との間で反射を繰り返して増幅される。
ところで、光W2の一部は、波長変換素子471内を進行する間に第2の波長の光に変換される。この第2の波長の光は、ダイクロイック層475により反射されて第2のプリズム474の斜面部(鉛直方向に対して略45°の角度を成して配置された斜面部)に入射し、そこで反射された光W4としてプリズム素子480の外側に取り出される。すなわち本実施形態では、波長選択素子472を透過して射出された光W3と、ダイクロイック層475で反射されてプリズム素子480から射出された光W4とが、光源光として外部に射出されるようになっている。
以上の構成を備えた本実施形態の光源装置400では、半導体レーザチップ12と電流供給基板20との接続構造として、第1の実施形態の光源装置1と共通の接続構造が採用されている。したがって、半導体レーザチップ12と支持体11との間に配置されたカソード配線層24を介して半導体レーザチップ12の熱を放散することができ、放熱性を向上させた光源装置400とすることができる。
なお、本実施形態の光源装置400では、第1実施形態と同様の接続構造を有する半導体レーザチップ12、及び電流供給基板20を用いたが、これに代えて、第2から第4の実施形態の構成を採用してもよい。これらの光源装置と同様の構成を採用した場合にも、放熱性を向上させた光源装置400とすることができる。
[プロジェクタ]
図7は、本発明に係る光源装置を備えたプロジェクタ500の概略模式図である。本図を用いて、プロジェクタ500について説明する。なお、本図においては、簡略化のためプロジェクタ500を構成する筐体は省略している。
プロジェクタ500において、赤色光、緑色光、青色光を射出する赤色レーザ光源(光源装置)400R,緑色レーザ光源(光源装置)400G、青色レーザ光源(光源装置)400Bとしては、上記第5実施形態の光源装置400を用いる。
また、プロジェクタ500は、レーザ光源400R,400G,400Bから射出されたレーザ光をそれぞれ変調する液晶ライトバルブ(光変調装置)584R,584G,584Bと、液晶ライトバルブ584R,584G,584Bから射出された光を合成して投写レンズ587に導くクロスダイクロイックプリズム(色光合成手段)586と、液晶ライトバルブ584R,584G,584Bによって形成された像を拡大してスクリーン590に投射する投射レンズ(投射装置)587とを備えている。
さらに、プロジェクタ500は、レーザ光源400R,400G,400Bから射出されたレーザ光の照度分布を均一化させるため、各レーザ光源400R,400G,400Bよりも光路下流側に、均一化光学系582R,582G,582Bを設けており、これらによって照度分布が均一化された光によって、液晶ライトバルブ584R,584G,584Bを照明している。例えば、均一化光学系582R,582G、582Bは、例えば、ホログラム582a及びフィールドレンズ582bによって構成される。
各液晶ライトバルブ584R,584G,584Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム586に入射する。このプリズムは4つの直角プリズムを貼り合わせて形成され、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に配置されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成され、カラー画像を表す光が形成される。そして、合成された光は投写光学系である投射レンズ587によりスクリーン590上に投写され、拡大された画像が表示される。
本実施形態のプロジェクタの光源の部材として、本発明の光源装置の支持体11、半導体レーザチップ12、及び電流供給基板20を用いることにより、放熱性を向上させることができるので、発熱によるレーザ特性の変化を抑えることができる。
なお、本実施形態のプロジェクタにおいて、赤色,緑色及び青色のレーザ光源400R,400G、400Bについては、第5実施形態の光源装置400を用いたものを説明したが、第1から第4の実施形態の光源装置を用いることも可能である。このとき、各光源装置400R,400G,400Bのそれぞれに異なる実施形態の光源装置を採用することも可能であるし、同じ実施形態の光源装置を採用することも可能である。
また、光変調装置として透過型の液晶ライトバルブを用いたが、液晶以外のライトバルブを用いても良いし、反射型のライトバルブを用いても良い。このようなライトバルブとしては、例えば、反射型の液晶ライトバルブや、デジタルマイクロミラーデバイス(Digital Micromirror Device)が挙げられる。投射光学系の構成は、使用されるライトバルブの種類によって適宜変更される。
図8は、プロジェクタの変形例である、画像表示装置600の概略模式図である。第1から第5の実施形態の光源装置は、走査型の画像表示装置にも適用される。図8に示した画像表示装置600は、第5実施形態の光源装置400と、光源装置400から射出された光をスクリーン610に向かって走査するMEMSミラー(走査手段)602と、光源装置400から射出された光をMEMSミラー602に集光させる集光レンズ603とを備えている。光源装置400から射出された光は、MEMSミラー602を動かすことによって、スクリーン610上を横方向、縦方向に走査するように導かれる。カラーの画像を表示する場合は、半導体レーザチップ12を構成する複数のエミッタ(図示は省略)を、赤、緑、青のピーク波長を持つエミッタの組み合わせによって構成すれば良い。
[モニタ装置]
図9は、モニタ装置700の概略模式図である。本図を用いて、第5の実施形態に係る光源装置400を応用したモニタ装置700の構成例について説明する。図9は、モニタ装置の概略を示す模式図である。モニタ装置700は、装置本体710と、光伝送部720とを備える。装置本体710は、前述した第5実施形態の光源装置400を備える。
光伝送部720は、光を送る側と受ける側の2本のライトガイド721,722を備える。各ライトガイド721,722は、多数本の光ファイバを束ねたもので、レーザ光を遠方に送ることができる。光を送る側のライトガイド721の入射側には光源装置400が配設され、その出射側には拡散板723が配設されている。光源装置400から出射したレーザ光は、ライトガイド721を伝って光伝送部720の先端に設けられた拡散板723に送られ、拡散板723により拡散されて被写体を照射する。
光伝送部720の先端には、結像レンズ724も設けられており、被写体からの反射光を結像レンズ724で受けることができる。その受けた反射光は、受け側のライトガイド722を伝って、装置本体710内に設けられた撮像手段としてのカメラ711に送られる。この結果、光源装置400により出射したレーザ光により被写体を照射したことで得られる反射光に基づく画像をカメラ711で撮像することができる。
第5の実施形態に係る光源装置400を備えたことで、放熱性を向上させたモニタ装置700とすることができるので、発熱によるレーザ特性の変化を抑えて使用することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
本図では、第5の実施形態と同様の構造の光源装置400を用いたが、これに代えて、第1から第4実施形態の光源装置を備えていてもよい。
第1の実施形態に係る光源装置1の概略斜視図である。 第1の実施形態に係る光源装置1を示す上面図及び要部断面図である。 第2の実施形態に係る光源装置100を示す上面図及び要部断面図である。 第3の実施形態に係る光源装置200を示す上面図及び要部断面図である。 第4の実施形態に係る光源装置300を示す上面図及び要部断面図である。 第5の実施形態に係る光源装置400を示す上面図及び要部断面図である。 プロジェクタ500の概略模式図 画像表示装置600の概略模式図 モニタ装置700の概略模式図
符号の説明
1,100,200,300,400…光源装置、10,410…保持部材、11…支持体、12…半導体レーザチップ(発光素子)、12a…エミッタ(発光部)、13…カソード電極(第1の電極)、13b…電極開口部、14…アノード電極(第2の電極)、15…エミッタ基板、19…接合材、20,120,220,320…電流供給基板(配線基板)、22,122,222,322…カソード配線層(第1の配線層)、23…接着剤層(絶縁層)、24…アノード配線層(第2の配線層)、22a,122a,222a,322a…端子部(第1の端子)、22b…端子開口部、24a 端子部(第2の端子)、30,471…波長変換素子、40…固定部材

Claims (9)

  1. 支持体と、
    前記支持体に載置された発光素子と、
    前記発光素子と電気的に接続された配線基板と、
    を備えた光源装置であって、
    前記発光素子は、光を射出する発光部と、前記支持体と反対側の面に形成された第1の電極と、前記支持体に対向する面に形成された第2の電極とを有し、
    前記配線基板は、第1の配線層と第2の配線層とを有し、
    前記第1の配線層から延在する第1の端子は前記第1の電極と接続され、
    前記第2の配線層から延在する第2の端子は、前記発光素子と前記支持体との間で、前記第2の電極と接続されていることを特徴とする光源装置。
  2. 請求項1に記載の光源装置において、
    前記第1の端子が前記第1の電極の上に平面視で重なって接続されていることを特徴とする光源装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の光源装置において、
    前記第1の端子に端子開口部が形成され、前記第1の電極には電極開口部が形成されており、
    前記端子開口部内に前記電極開口部が配置されるとともに、前記電極開口部によって前記発光部が設けられており、
    前記第1の端子は、平面視で前記第1の電極の全面で接続されていることを特徴とする光源装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れか1項に記載の光源装置において、
    前記第1の端子の厚さと前記第1の配線層の厚さ、及び/または、前記第2の端子の厚さと前記第2の配線層の厚さとが異なることを特徴とする光源装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の光源装置において、
    前記発光素子は複数の前記発光部を有し、前記第1の端子と前記第2の端子の少なくとも一方が前記複数の発光部に対応して分割されていることを特徴とする光源装置。
  6. 請求項1から請求項5の何れか1項に記載の光源装置において、
    前記第1の配線層と前記第2の配線層とが絶縁層を介して重なって積層されていることを特徴とする光源装置。
  7. 請求項1から請求項6の何れか1項に記載の光源装置において、
    前記第1の端子の材料の熱膨張係数と前記第2の端子の材料の熱膨張係数とが等しいことを特徴とする光源装置。
  8. 請求項1から請求項7の何れか1項に記載の光源装置を備えたプロジェクタ。
  9. 請求項1から請求項7の何れか1項に記載の光源装置を備えたモニタ装置。
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