JP4967911B2 - 光源装置およびその製造方法、プロジェクタ、モニター装置 - Google Patents
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Description
光素子を、例えば、光ファイバ等の他のデバイスと光結合させる際に、高い結合効率を得るためには、光素子と光素子の光軸方向に配置するプリズム等の光学部品との相対位置関係を精密に調整し、位置合わせしなければならない。しかし、上記従来の光源装置では、光素子を収容するパッケージ自体の構造が精密に形成されていないため、光素子と光学部品との相対位置関係を精密に調整することが困難であった。
また、光源装置の半導体レーザチップは、上述のように複数のエミッタがアレイ状に配列されるため、レーザチップと光学部品との相対位置関係が精密に位置合わせされていないと、光源装置から射出されるレーザ光の出力が十分に得られないという問題がある。
このように構成することで、レーザチップを封止する際に、光学部品をレーザチップが固定された支持部材に固定することで、光学部品とレーザチップとの位置合わせを行うことができる。これにより、レーザチップから射出される光の光路上に配置する光学部品との位置合わせを容易にし、レーザチップと光学部品との相対位置関係を精密に位置合わせすることができる。
また、レーザチップは光学部品と支持部材とによって外部の環境から隔離される。これにより、レーザチップが埃や空気中の水分等の影響により劣化することを防止できる。さらに、光学部品を、レーザチップを封止するための封止部材として利用することで、光源装置の部品点数を削減し、構造を簡略化することができる。
したがって、本発明の光源装置によれば、レーザチップの性能の劣化を防止しつつ、レーザチップと光学部品との相対位置関係を精密に位置合わせして、光源装置のレーザ出力を向上させることができる。
このように構成することで、レーザチップの発光面と光学部品のレーザチップに対向する面との間隔がスペーサによって一定になる。これにより、レーザチップの発光面と光学部品のレーザチップに対向する面とが平行になり、発光面の複数のエミッタから射出されたレーザ光を互いに平行な状態で光学部品のレーザチップに対向する面に入射させることができる。
このように構成することで、嵌合部にスペーサを嵌合させて、光学部品をレーザチップに対して位置決めすることができる。また、嵌合部に嵌合したスペーサによって、光学部品とレーザチップとの相対的な位置のずれが防止される。したがって、光学部品をレーザチップに対して精密に位置合わせした状態で固定することができる。
このように構成することで、発光面支持部材のレーザチップとの接合面に配置した接合材が、接合面以外の領域に流出することを防止できる。
このように構成することで、レーザチップの端子を発光面支持部材の配線層を介して外部に電気的に接続することができる。そのため、レーザチップの発光面の端子の形成領域を含む領域を発光面支持部材によって覆うことができる。
このように構成することで、嵌合部にレーザチップを嵌合させて、光学部品をレーザチップに対して位置決めすることができる。また、嵌合部にレーザチップが嵌合することによって、光学部品とレーザチップとの相対的な位置のずれが防止される。したがって、光学部品をレーザチップに対して精密に位置合わせした状態で固定することができる。
このように構成することで、レーザチップに形成された端子を支持部材の配線層を介して外部に電気的に接続することができる。そのため、レーザチップの支持部材に対応する面の端子の形成部を含む領域を支持部材によって覆うことができる。
このように構成することで、光学部品をシール材によって支持部材に接合する際に、光学部品のレーザチップに対向する面が支持部材に直接接することなく、スペーサの光学部品に対向する面に当接した状態で、シール材を介して支持部材に固定される。したがって、レーザチップと光学部品との間隔を、スペーサの高さによって精密に規定することができる。
このように構成することで、スペーサがレーザチップから射出される光の光路上に配置された場合であっても、エミッタから射出された光をスペーサに透過させて光学部品に入射させることができる。したがって、スペーサをエミッタの形成領域上に配置することが可能となる。
このように構成することで、分割された各スペーサ間に空間が形成され、スペーサを一体的に形成した場合と比較して、スペーサの体積を減少させることができる。したがって、スペーサを軽量化するとともに、材料コストを低減することができる。
このように構成することで、光学部品としてプリズム等を用いる場合と比較して、光学部品を軽量化することができる。
このように製造することで、光学部品をレーザチップから射出される光の光路上に位置決めして固定する工程と、レーザチップを封止する工程とを同時に行うことができる。これにより、光源装置の製造における工程数を削減し、生産性を向上させることができる。
したがって、本発明の光源装置の製造方法によれば、レーザチップが封止され、レーザチップと光学部品との相対位置関係が精密に位置合わされた光源装置を、容易かつ低コストに製造することができる。
このように製造することで、レーザチップは支持部材の収容部に収容され、支持部材と光学部品とによって外部環境から隔離される。また、レーザチップのエミッタが形成された面と、光学部品との間隔がスペーサによって精密に規定される。また、嵌合部に前記スペーサまたは前記レーザチップを嵌合させることで、光学部品とレーザチップとの相対位置関係が精密に位置合わせされる。
このように製造することで、支持部材に光学部品を接合する際に、スペーサの高さによってレーザチップと光学部品との間隔が規定され、レーザチップの発光面と光学部品のレーザチップに対向する面との間隔を一定にすることができる。また、スペーサの高さを精密に規定しておくことで、支持部材に光学部品を接合する際に、レーザチップの発光面と光学部品のレーザチップに対向する面との間隔を精密に規定することができる。
このように製造することで、発光面支持部材と支持部材のレーザチップへの接合時の温度等の条件を同等にして、レーザチップの反りを防止することができる。また、発光面支持部材と支持部材をそれぞれ個別に半導体レーザチップに接合する場合と比較して、工程数を減少させ、生産性を向上させることができる。
また、本発明のモニター装置は、上述の光源装置と、前記光源装置により照射された被写体を撮像する撮像手段と、を備える。
このようなプロジェクタおよびモニター装置は、上述の光源装置を備えているので、プロジェクタおよびモニター装置のレーザ出力を向上させることができる。
以下、本発明の第一実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の各図面では、各層や各部材を図面上で認識可能な程度の大きさとするため、各層や各部材ごとに縮尺を適宜変更している。
(光源装置)
図1に示すように、本実施形態の光源装置100は、光源として半導体レーザチップ1を備えている。半導体レーザチップ1は、レーザ光L1を射出する複数のエミッタ2を備えている。半導体レーザチップ1は、図2に示すように、平面視矩形状に形成されている。エミッタ2は半導体レーザチップ1の発光面3の長手方向にアレイ状に配列されている。半導体レーザチップ1は、例えば、GaAs等の材料を用いて形成されている。
ここで、支持部材10は、例えば、AlN、SiC、AlSiC等のセラミック材料、Cu−W、Cu−Mo、BeO等のコンポジット材料、または、カーボン(C)、グラファイト、ダイヤモンド等の炭素系材料等の熱伝導率が大きな材料により形成されている。
また、接合材5としては、例えば、In、Pb,Sn等の低融点材料を単独で用いることができる。また、例えば、AuSn、AgSn、InAg、InSn、PbSn、SnBi、AnAgCu等の合金状の低融点材料を用いてもよい。
枠部12は、図3(a)および図3(b)に示すように、半導体レーザチップ1を囲繞するように形成され、この枠部12とベース部11とによって、半導体レーザチップ1を収容する収容部13が形成されている。
ベース部11内部に形成された配線層18の一部は、ベース部11の表面11aから段差状に一段低く形成された部分に露出され、配線接続部18aが形成されている。配線層18は、配線接続部18aにおいて半導体レーザチップ1を駆動する駆動回路や、半導体レーザチップ1に電力を供給する電源供給回路等を備えた回路基板(図示省略)に接続されている。
プリズム50は、半導体レーザチップ1の発光面3に対向する底面52が枠部12の接合面12aにシール材60を介して固定され、半導体レーザチップ1が収容された収容部13を封止している。
プリズム50の底面52における嵌合部53の形成位置は、半導体レーザチップ1とプリズム50との光学的設計位置の関係から決定される。
嵌合部53は、プリズム50の底面52に線状に連続して形成された凸部54によって形成されている。凸部54は底面視で枠状に連結され、発光面支持部材40の外縁42の形状に対応した矩形状に形成されている。嵌合部53の各辺は、嵌合部53に発光面支持部材40が嵌合した際に、図2に示す発光面支持部材40の各辺42a〜42dと、図4(a)に示すプリズム50の底面52の各辺52a〜52dがそれぞれ平行になるように精密に形成されている。
ここで、発光面支持部材40および枠部12は、図3(b)に示すように、ベース部11の表面11aから枠部12のプリズム50との接合面12aまでの高さH1が、ベース部11の表面11aから発光面支持部材40のプリズム50に対向する上面43までの高さH2よりも小さくなるように形成されている。
図1に示すように、配線接続部18aから配線層18,14、電極部15、ワイヤ7等を介して半導体レーザチップ1の端子1aに電流を供給すると、半導体レーザチップ1の複数のエミッタ2からレーザ光L1が射出される。エミッタ2から射出されたレーザ光L1は、プリズム50の底面52からプリズム50に入射する。
プリズム50の反射面55に均一に入射したレーザ光L1は、光源装置100のレーザ光LZの射出方向に均一に反射される。プリズム50の反射面55によって反射されたレーザ光L1は、選択反射膜51を透過して波長変換素子20に入射する。
波長変換素子20を透過する際に所定の波長に変換されなかったレーザ光L1は、外部共振器30によって反射され、再び波長変換素子20に入射する。再び波長変換素子20に入射したレーザ光L1の一部は、波長変換素子20を透過する際に所定の波長のレーザ光L2に変換され、選択反射膜51によって反射される。選択反射膜51によって反射された所定の波長のレーザ光L2は、プリズム50の反射面55によって反射され、波長変換素子20を透過することなく、光源装置100のレーザ光LZとして外部に射出される。
これを繰り返すことにより、レーザ光L1は外部共振器30とエミッタ2の間で共振して増強され、最終的に所定の波長のレーザ光L2に変換されて光源装置100のレーザ光LZとして外部に射出される。
また、半導体レーザチップ1を支持部材10とプリズム50とによって封止する為、半導体レーザチップ1を封止するための封止部材等を用いる必要がない。したがって、従来の光源装置と比較して部品点数を削減し、光源装置100の構造を簡略化することができる。
以上説明したように、本発明の光源装置100によれば、半導体レーザチップ1の性能の劣化を防止しつつ、半導体レーザチップ1とプリズム50との相対位置関係を精密に位置合わせして、光源装置100のレーザ光LZの出力を向上させることができる。
次に、本実施形態の光源装置100の製造方法について説明する。
図1に示すように、まず、配線層14,18、電極部15および収容部13を備えた支持部材10を形成する。支持部材10は、例えば、未焼成セラミックのグリーンシートを複数用いて形成する。
ベース部11は、例えば、表面に配線層18を形成した第一のグリーンシートと、表面に配線層14および電極部15を形成し、グリーンシートを貫通するコンタクトホール16,17に導電性材料を充填させた第二のグリーンシートとを積層させ、これらを焼成することにより一体化して形成する。
具体的には、ベース部11の表面11aから枠部12のプリズム50との接合面12aまでの高さH1が、ベース部11の表面11aから発光面支持部材40の上面43までの高さH2よりも小さくなるように形成する。
これにより、発光面支持部材40と支持部材10の半導体レーザチップ1への接合時の温度等の条件を同等にして、半導体レーザチップ1の反りを防止することができる。また、発光面支持部材40と支持部材10をそれぞれ個別に半導体レーザチップ1に接合する場合と比較して、工程数を減少させ、生産性を向上させることができる。
これにより、発光面支持部材40をプリズム50の嵌合部53に嵌合させて位置決めする工程と同時に、プリズム50をシール材60によって枠部12に接合し、収容部13内の半導体レーザチップ1を封止することができる。
また、半導体レーザチップ1の発光面3と、プリズム50の底面52との間隔Sが発光面支持部材40の高さHによって精密に規定される。また、嵌合部53に発光面支持部材40を嵌合させることで、プリズム50と半導体レーザチップ1との相対位置関係が精密に位置合わせされる。
これにより、シール材60の高さH3が、発光面支持部材40の高さH2と等しい高さまで圧縮され、シール材60がプリズム50と枠部12との間に隙間なく充填された状態で、プリズム50と枠部12とを接合することができる。また、枠部12の高さH1およびシール材60の高さH3に関係なく、プリズム50と半導体レーザチップ1との間隔Sを発光面支持部材40の高さHによって規定することができる。
まず、光学部品保持部材21上に波長変換素子20を精密に位置決めした状態で、接着剤等により固定する。次いで、ベース部材11上に光学部品保持部材21と一体に形成した波長変換素子20を、プリズム50に対して精密に位置合わせし、接着剤等により固定する。次いで、光源装置100のレーザ光LZの射出方向に、外部共振器30をプリズム50および波長変換素子20に対して精密に位置合わせし、ベース部材11上に接着剤等により固定する。
以上により、図1に示すような光源装置100を製造することができる。
また、発光面支持部材40の高さHを精密に規定しておくことで、支持部材10の枠部12にプリズム50を接合する際に、半導体レーザチップ1の発光面3とプリズム50の底面52との間隔Sを精密に規定することができる。
次に、本実施形態の光源装置100の変形例について、図5を用いて説明する。本変形例の光源装置101では、上述の光源装置100と、光学部品50Aの構成、半導体レーザチップ1と波長変換素子20および外部共振器30との相対位置関係等が異なっている。その他の点は上述の光源装置100と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明は省略する。
支持部材10Aは、断面形状が略L字形状に形成されたベース部11Aと、ベース部11Aの表面11aに枠状に形成された枠部12によって形成されている。枠部12上には上述のプリズム50と同様の選択反射膜51を備えた光学部品50Aが固定されている。
選択反射膜51は、断面V字形状に構成されたフレーム57に固定された透明板58の表面に形成されている。選択反射膜51はレーザ光L1の光路に対して精密に位置決めされ、レーザ光L1の射出方向に対して所定の角度を有して固定されている。また、選択反射膜51に所定の角度を有して対向する透明板58の表面には、反射膜59が形成されている。
上述の光源装置100と同様に、半導体レーザチップ1のエミッタ2から射出されたレーザ光L1は光学部品50Aの透明基板56の底面56aから光学部品50Aに入射する。
このとき、光学部品50Aは、上述のプリズム50と同様に、嵌合部53に発光面支持部材40が嵌合した状態で、枠部12に固定されている。
次に、本実施形態の光源装置100の別の変形例について、図1および図5を援用して説明する。本変形例の光源装置は、上述の光源装置100,101と、発光面支持部材40が透明材料によって形成され、発光面支持部材40に開口部41が形成されていない点で異なっている。その他の点は上述の光源装置100,101と同様であるので、説明は省略する。
また、発光面支持部材40に開口部41を形成する必要が無いので、発光面支持部材40の製造工程を簡略化し、光源装置100,101の生産性を向上させることができる。
また、半導体レーザチップ1と発光面支持部材40の接合材45として、半導体レーザチップ1の発光面3に、接着剤をスクリーン印刷法やディスペンス法により塗布してもよい。これにより、接合材の塗布領域を精密に管理することができる。
次に、本発明の第二実施形態について、図1、図2および図4を援用し、図6(a)、図6(b)、図7(a)〜図7(c)を用いて説明する。本実施形態では、上述の第一実施形態で説明した光源装置100と、発光面支持部材40Aに、第一隔壁46a、第二隔壁46b、配線層47およびスペーサ70等が形成されている点で異なっている。その他の点は第一実施形態と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明は省略する。
発光面支持部材40Aのプリズムに対向する上面43には、スペーサ70が固定されている。スペーサ70は、図7(a)および図7(b)に示すように、断面が矩形の柱状に分割され、上面43上に複数設けられている。スペーサ70は、開口部41側の側面71を内側としたときに、外側の側面72がプリズム50の嵌合部53の内縁に沿うように形成され、嵌合部53の形状に対応して配置されている。
図7(b)に示すように、各スペーサ70の高さH4は、プリズム50と半導体レーザチップ1との間隔S(図1参照)を精密に規定するように、精密に規定されている。
プリズム50は、これらのスペーサ70が嵌合部53に嵌合した状態で、図1に示すように、枠部12にシール材60を介して固定されている。
図1に示すように、配線接続部18aから配線層14,18を介して半導体レーザチップ1の端子1aに電流を供給すると、半導体レーザチップ1の複数のエミッタ2からレーザ光L1が射出される。エミッタ2から射出されたレーザ光L1は、プリズム50の底面52からプリズム50に入射する。
また、嵌合部53に嵌合したスペーサ70によって、プリズム50と半導体レーザチップ1との相対的な位置のずれが防止される。
加えて、発光面支持部材40Aの底面44に、上述のように第一隔壁46aおよび第二隔壁46bが形成されているので、接合材45を溶融させて発光面支持部材40Aを半導体レーザチップ1に接合する際に、接合材45がエミッタ2の形成領域に流出することを防止することができる。したがって、エミッタ2から射出されるレーザ光L1の出力が低下することを防止することができる。
次に、本発明の第三実施形態について、図1および図2を援用し、図8および図9を用いて説明する。本実施形態では上述の第一実施形態で説明した光源装置100と、発光面支持部材40を用いず、プリズム50Bにスペーサ70Aが固定されている点で異なっている。その他の点は第一実施形態と同様であるので、同一の部分には同一の符号を付して説明は省略する。
本実施形態の光源装置300は、図1に示す第一実施形態の光源装置100と同様に、半導体レーザチップ1と、支持部材10と、波長変換素子20と、外部共振器30と、プリズム50Bとを備えている。半導体レーザチップ1は、図2に示すように、第一実施形態と同様に形成されている。
プリズム50Bの底面52には、図8および図9に示すように、円柱状のスペーサ70Aが複数固定されている。スペーサ70Aは、プリズム50Bの底面52に接着剤78を介して固定された枠状の基部74に固定されている。基部74の開口部75は、半導体レーザチップ1のエミッタ2の形成領域に対応して開口されている。
基部74には、スペーサ70Aと同じく円柱状に形成された複数の凸部80が固定されている。基部74における複数の凸部80の形成位置は、半導体レーザチップ1とプリズム50Bとの光学的設計位置の関係から決定される。
凸部80は、図9に示すように、半導体レーザチップ1の外形に対応して配置され、図2に示すように、半導体レーザチップ1の各辺8a〜8dに沿って配置されている。この複数の凸部80によって囲まれた領域が嵌合部81となっている。嵌合部81には、図8に示すように、半導体レーザチップ1の一部が嵌合している。
嵌合部81は、半導体レーザチップ1が嵌合したときに、半導体レーザチップ1の各辺8a〜8dと、プリズム50Bの底面52の各辺52a〜52dがそれぞれ平行になるように精密に形成されている。
図1に示すように、配線接続部18aから配線層14,18を介して半導体レーザチップ1の端子1aに電流を供給すると、半導体レーザチップ1の複数のエミッタ2からレーザ光L1が射出される。エミッタ2から射出されたレーザ光L1は、プリズム50Bの底面52からプリズム50Bに入射する。
また、嵌合部81に嵌合した半導体レーザチップ1によって、プリズム50Bと半導体レーザチップ1との相対的な位置のずれが防止される。
加えて、発光面支持部材40を半導体レーザチップ1の発光面3に固定することなく、プリズム50Bの嵌合部81に半導体レーザチップ1を直接嵌合させて、半導体レーザチップ1をプリズム50Bに対して位置決めすることができる。また、嵌合部81に半導体レーザチップ1が嵌合することによって、プリズム50Bと半導体レーザチップ1との相対的な位置のずれが防止される。したがって、半導体レーザチップ1をプリズム50Bに対して精密に位置合わせした状態で固定することができる。
また、光源装置300の製造時に、発光面支持部材40を半導体レーザチップ1に固定する工程を省略することができる。
次に、本実施形態の光源装置300の製造方法について説明する。本実施形態では上述の第一実施形態で説明した光源装置100の製造方法と、発光面支持部材40等を用いず、嵌合部81に半導体レーザチップ1を直接嵌合させる点で異なっている。その他の工程は第一実施形態と同様であるので、説明は省略する。
これにより、半導体レーザチップ1をプリズム50Bの嵌合部81に嵌合させて位置決めする工程と同時に、プリズム50Bをシール材60によって枠部12に接合し、収容部13内の半導体レーザチップ1を封止することができる。
したがって、本実施形態の製造方法によれば、第一実施形態の製造方法と同様の効果が得られるだけでなく、発光面支持部材40を用いる必要が無いので、部品点数を削減し、製造工程を容易にし、生産性を向上させることができる。
以上に述べたような光源装置100,101,200,300を画像表示装置やモニター装置に応用することにより、これらの装置におけるレーザの出力を向上させることが可能である。以下、画像表示装置とモニター装置への応用例について説明する。
次に、第一実施形態に係る光源装置100を応用した画像表示装置の一例として、プロジェクタ3000の構成について説明する。図10は、プロジェクタ3000の光学系の概略を示す模式図である。
図10において、プロジェクタ3000は、レーザ光源装置100、光変調装置としての液晶パネル320、偏光板331及び332、クロスダイクロイックプリズム340、投射レンズ350などを備えている。なお、液晶パネル320と、その光入射側に設けられた偏光板331及び光射出側に設けられた偏光板332によって液晶ライトバルブ330が構成される。
投射レンズ350は、複数のレンズが組み合わされた組レンズとして構成される。この投射レンズ350は、カラー画像CIを拡大投射する。
なお、この応用例では、第一実施形態に係る光源装置100(100R,G,B)を用いているが、これらのうち一部もしくは全部を、第一実施形態の変形例に係る光源装置101、第二実施形態に係る光源装置200、あるいは第三実施形態に係る光源装置300に置き換えても良い。
次に、第一実施形態に係る光源装置100を応用したモニター装置4000の構成例について説明する。図11は、モニター装置の概略を示す模式図である。モニター装置4000は、装置本体410と、光伝送部420とを備える。装置本体410は、前述した第一実施形態の光源装置100を備える。
なお、この応用例では、第一実施形態に係る光源装置100を用いているが、これらのうち一部もしくは全部を、第一実施形態の変形例に係る光源装置101、第二実施形態に係る光源装置200、あるいは第三実施形態に係る光源装置300に置き換えても良い。
例えば上述の応用例では、光変調素子を3つ用いたプロジェクタの例について説明したが、第一および第二実施形態の光源装置は、光変調装置を1つ、2つ、あるいは4つ以上用いたプロジェクタにも適用することができる。また、上述の応用例では、透過型のプロジェクタについて説明したが、第一および第二実施形態の光源装置は、反射型プロジェクタにも適用することが可能である。ここで、「透過型」とは、光変調素子が光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、光変調素子が光を反射するタイプであることを意味している。
また、光源装置から射出されたレーザ光をスクリーンに向かってMEMSミラー等により走査する走査型のプロジェクタにも、この発明の光源装置を適用することができる。
40,40A 発光面支持部材(スペーサ)、43 上面(対向する面)、44 底面(対向する面)、46a 第一隔壁(隔壁)、46b 第二隔壁(隔壁)、50,50B プリズム(光学部品)、50A 光学部品、51 選択反射膜、53,81 嵌合部、56 透明基板、57 フレーム、60 シール材、70,70A スペーサ、73 上面(対向する面)、100,101,200,300 光源装置、330 液晶ライトバルブ(光変調素子)、350 投射レンズ(投射装置)、3000 プロジェクタ、4000 モニター装置、411 カメラ(撮像手段)、H1,H2 高さ、L1,LZ レーザ光(光)、S 間隔
Claims (10)
- 複数のエミッタがアレイ状に配列されたレーザチップと、前記エミッタから射出される光の光路に配置された光学部品と、を有する光源装置であって、
前記レーザチップを収容する支持部材と、
前記レーザチップと前記光学部品との間隔を規定するスペーサと、
を含み、
前記支持部材は前記レーザチップの前記エミッタを有しない面と固定され、
前記レーザチップは前記支持部材と前記光学部品とを接合することにより封止され、
前記光学部品の前記レーザチップに対向する面に嵌合部が形成され、
前記嵌合部は、前記スペーサの外形に対応した形状に形成され、
前記スペーサは、前記レーザチップの前記発光面に接合材を介して固定された発光面支持部材の少なくとも一部として形成され、
前記スペーサが前記嵌合部に嵌合していることを特徴とする光源装置。 - 前記発光面支持部材の前記レーザチップに対向する面に、前記接合材の流動を規制する隔壁が形成されていることを特徴とする請求項1記載の光源装置。
- 前記発光面支持部材に前記レーザチップの端子を引き出す配線層が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の光源装置。
- 前記支持部材に前記レーザチップの端子を引き出す配線層が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の光源装置。
- 前記光学部品はシール材を介して前記支持部材に接合され、
前記支持部材の前記レーザチップとの接合面から前記光学部品との接合面までの高さが、前記支持部材の前記レーザチップとの接合面から前記スペーサの前記光学部品に対向する面までの高さよりも小さいことを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の光源装置。 - 前記スペーサが、前記光を透過する材料によって形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載の光源装置。
- 前記スペーサが、複数に分割された柱状に形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか一項に記載の光源装置。
- 前記光学部品は、透明基板と、前記透明基板に固定されたフレームと、前記フレームに固定された選択反射膜と、によって構成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれか一項に記載の光源装置。
- 請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の光源装置と、
前記光源装置から射出されたレーザ光を画像情報に応じて変調する光変調素子と、
前記光変調素子によって形成された画像を投射する投射装置と、を備えるプロジェクタ。 - 請求項1ないし請求項8のいずれか一項に記載の光源装置と、
前記光源装置により照射された被写体を撮像する撮像手段と、を備えるモニター装置。
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