JP3786177B2 - 光装置、光モジュール、およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は光装置、前記光装置を含む光モジュール、およびこれらの製造方法に関する。
【0002】
【背景技術】
半導体レーザやレーザダイオード等の発光素子から出射される光を光ファイバに結合するため、あるいは光ファイバによって伝送された光をフォトダイオード等の受光素子へと入射させるために、光素子と光ファイバとを結合するための光モジュールが用いられている。この光モジュールは、光通信システムを構成する上で重要なデバイスの一つであり、たとえば特開平6−194544号公報に開示された光モジュールがある。この光モジュールは、半導体レーザと、半導体レーザに面する側の端面のコアが半球状に形成された光ファイバからなる。また、この光モジュールでは、半導体レーザと光ファイバとの間に屈折率調整材が充填されている。
【0003】
この光モジュールの場合、結合効率を高めることを目的として、光ファイバの端面のコアが半球状に形成されている。この構造によれば、結合効率を高めることができるが、レーザ素子と光ファイバとの位置ずれに対する結合効率の変化が大きく、結合効率を挙げるためには厳密な位置合わせ精度が要求されると考えられる。しかしながら、前述したように、この光モジュールでは、半導体レーザと光ファイバとの間に屈折率調整材を充填して形成しているため、半導体レーザと光ファイバとの間の距離を厳密に設定することができず、十分な位置合わせ精度が得られない場合が生じていた。その結果、レーザ素子と光ファイバとの間に位置ずれが生じ、結合効率が低下する場合があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、発光素子や受光素子等の光素子と光ファイバとの位置合わせが容易であり、位置ずれが少なく、かつ結合効率に優れた光装置、光モジュール、およびこれらの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
(光装置)
本発明の光装置は、
基体上に形成され、発光および受光の少なくとも一方の機能を有し、かつ前記基体の表面に対して所定の角度をなす方向に光を入射および/または出射する光素子を含み、
前記基体において前記光素子が設置されている側の面上に、所定の膜厚を有する融着層が形成されている。
【0006】
ここで、所定の膜厚とは、前記光素子が発光機能を有する素子(発光素子)の場合、前記光素子と光ファイバとを結合する際に、前記光素子から所定の角度をもって出射した光が光ファイバのコアに効率良く入射するために必要な前記融着層の膜厚をいう。また、前記光素子が受光機能を有する素子(受光素子)の場合、所定の膜厚とは、光ファイバのコアから出射する光を前記光素子へと所定の角度をもって効率良く入射させるために必要な前記融着層の膜厚をいう。
【0007】
本発明の光装置によれば、前記光素子が発光素子の場合、前記光素子と光ファイバとを結合する際に、前記融着層を所定の膜厚にすることにより、前記光素子と光ファイバとの位置合わせを行なうことなく、前記光素子から所定の角度をもって出射した光を光ファイバのコアに効率良く入射させることができる。また、前記光素子が受光素子の場合、前記光素子と光ファイバとを結合する際に、前記融着層を所定の膜厚にすることにより、前記光素子と光ファイバとの位置合わせを行なうことなく、光ファイバのコアから出射した光を前記光素子に所定の角度をもって効率良く入射させることができる。これにより、前記光素子と光ファイバとを結合する際に、結合効率を高めることができる。
【0008】
本発明の光装置の好ましい態様としては、(1)〜(3)を例示できる。
【0009】
(1)前記光素子は、光を入射および/または出射するための入射口および/または出射口を含むことができる。
【0010】
(2)前記融着層は、光ファイバの端面と接合させるための表面を含むことができる。
【0011】
この場合、前記光ファイバの端面と接合させるための表面に、凸部および/または凹部が形成されていることが望ましい。この構成によれば、この光装置を光ファイバに融着して光モジュールを形成する場合、この光装置に形成された前記凸部および/または凹部と嵌合する嵌合部を光ファイバに設け、前記凸部および/または凹部と前記嵌合部とを嵌め込むことで、前記光素子と前記光ファイバとの位置合わせを容易にすることができ、かつ位置合わせ精度を向上させることができ、その結果、結合効率を高めることができる。
【0012】
(3)前記融着層は、前記光ファイバと屈折率がほぼ等しい材料から形成されていることが望ましい。前記融着層および前記光ファイバが、屈折率がほぼ等しい材料から形成されていることにより、前記光装置を光ファイバに融着して光モジュールを形成し、前記光素子を駆動させて光を伝播させたとき、光ファイバと融着層との間の屈折率の差に起因して光ファイバの端面で反射する光が発生するのを防止することができ、ノイズの発生を抑えることができる。
【0013】
(光装置の製造方法)
本発明の光装置の製造方法は、以下の工程(a)および(b)を含む。
【0014】
(a)発光および受光の少なくとも一方の機能を有し、かつ基体の表面に対し所定の角度をなす方向に光を入射および/または出射する光素子を前記基体上に形成する工程、および
(b)前記基体において前記光素子が設置されている側の面上に、所定の膜厚を有する融着層を形成する工程。
【0015】
この工程によれば、前記光素子が発光素子であって、前記光素子を光ファイバに結合した場合、前記融着層を所定の膜厚にすることにより、前記光素子と光ファイバとの位置合わせを行なうことなく、前記光素子から所定の角度をもって出射した光を光ファイバのコアに効率良く入射させることができる。また、前記光素子が受光素子であって、前記光素子を光ファイバに結合した場合、前記融着層を所定の膜厚にすることにより、前記光素子と光ファイバとの位置合わせを行なうことなく、光ファイバのコアから出射した光を前記光素子に所定の角度をもって効率良く入射させることができ、結合効率を高めることができる。
【0016】
前述した製造方法においては、さらに工程(c)を含むことができる。
【0017】
(c)前記融着層の表面に、フォトリソグラフィ法により凸部および/または凹部を形成する工程。
【0018】
(光モジュール)
本発明の光モジュールは、基体上に形成された光素子を含む光装置と、前記光装置と端面で接合する光ファイバと、を含み、
前記光素子は、発光および受光の少なくとも一方の機能を有し、かつ前記基体の表面と所定の角度をなす方向に光を入射および/または出射し、
前記光装置は、前記基体において前記光素子が設置されている側の面上に、所定の膜厚を有する融着層が形成され、かつ、前記光ファイバの端面と前記融着層を介して接合されている。
【0019】
本発明の光モジュールによれば、前記光素子が発光素子の場合、前記融着層を所定の膜厚にすることにより、前記光素子と前記光ファイバとの位置合わせを行なうことなく、前記光素子から所定の角度をもって出射した光を前記光ファイバのコアに効率良く入射させることができる。また、前記光素子が受光素子の場合、前記融着層を所定の膜厚にすることにより、前記光素子と前記光ファイバとの位置合わせを行なうことなく、前記光ファイバのコアから出射した光を前記光素子に所定の角度をもって効率良く入射させることができる。これにより、前記光素子と前記光ファイバとの結合効率を高めることができる。
【0020】
さらに、前記融着層を介して前記光ファイバと前記光素子とが結合されているため、前記光素子と前記光ファイバとの距離を小さくすることができる。このため、前記光素子へと入射する光または前記光素子から出射した光をレンズ等の光学系を用いて集光させる必要がない。よって、前記光素子と前記光ファイバとの位置合わせが容易であるうえ、部品数を削減することができ、製造コストの削減を図ることができる。
【0021】
本発明の光モジュールの好ましい態様としては、(1)〜(4)を例示できる。
【0022】
(1)前記光素子は、光を入射および/または出射するための入射口および/または出射口を含み、
前記入射口および/または出射口が、前記光ファイバの端面のコア部分と対向することが望ましい。
【0023】
この構成によれば、前記光素子から所定の角度をもって出射する光を前記光ファイバの端面のコア部分に効率良く入射させることができる。また、前記光ファイバの端面のコア部分から出射する光を前記光素子に所定の角度をもって効率良く入射させることができる。
【0024】
(2)前記融着層の表面に、凸部および/または凹部が形成され、
前記光ファイバの端面に、前記凸部および/または凹部と嵌合する嵌合部が形成されていることが望ましい。この構成によれば、前記光素子と前記光ファイバとの位置合わせが容易であり、かつ位置合わせ精度を向上させることができ、その結果、結合効率を高めることができる。
【0025】
(3)前記光装置を構成する前記基体上に、前記光素子を複数個設置させることができる。この構成によれば、複数の光素子から出射した光を同一の光ファイバのコアに導入する光モジュールを得ることができる。
【0026】
(4)前記融着層が、前記光ファイバと屈折率がほぼ等しい材料から形成されていることが望ましい。この構成によれば、前述した光装置の場合と同様の効果を有する。
【0027】
(光モジュールの製造方法)
本発明の光モジュールの製造方法は、以下の工程(a)〜(c)を含む。
【0028】
(a)発光および受光の少なくとも一方の機能を有し、かつ前記基体の表面に対し所定の角度をなす方向に光を入射および/または出射する光素子を前記基体上に形成する工程、
(b)前記基体において前記光素子が設置されている側の面上に、所定の膜厚を有する融着層を形成する工程、および
(c)前記融着層の表面と光ファイバの端面とを接合し、該接合部分を融着させる工程。
【0029】
本発明の光モジュールの製造方法によれば、前記光装置の前記融着層を所定の膜厚にすることにより、前記光ファイバと前記光装置との間の距離を所定の値に設定することができるため、前記光素子と前記光ファイバとの間の位置合わせが容易であり、かつ位置合わせの精度が高いものとなり、結合効率を高めることができる。
【0030】
(1)この場合、工程(c)において、
前記光素子に含まれる、光を入射および/または出射するための入射口および/または出射口と、前記光ファイバの端面のコア部分とを対向させた状態で、前記融着層の表面と光ファイバの端面とを接合し、該接合部分を融着させることができる。
【0031】
(2)また、この場合、さらに工程(d)および(e)を含むことができる。
【0032】
(d)前記工程(b)の後、前記融着層の表面に、凸部および/または凹部を形成する工程、
(e)前記工程(c)において、前記光ファイバの端面に、前記凸部および/または凹部と嵌合する嵌合部を形成した後、前記光ファイバの前記嵌合部と、前記光素子の前記凸部および/または凹部とを嵌合して、前記融着層の表面と光ファイバの端面との接合部分を融着させる工程。
【0033】
この工程によれば、前記融着層の表面の凸部および/または凹部と、前記光ファイバの端面の嵌合部とを嵌合させた状態で、前記光装置と前記光ファイバとを融着させるため、前記光素子と前記光ファイバとの位置合わせが容易である。さらに、前記光素子と前記光ファイバとを精度良く位置合わせすることができるため、結合効率を高めることができる。
【0034】
(3)さらに、この場合、前記工程(a)において、前記基体上に前記光素子を複数個設置することができる。この工程によれば、複数の光素子から出射される光を同一の光ファイバのコアに導入する光モジュールを、簡便な方法で形成することができ、光モジュールの製造コストを下げることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0036】
[第1の実施の形態]
(デバイスの構造)
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる光装置100を含む光モジュール1000を模式的に示す断面図である。
【0037】
本実施の形態にかかる光モジュール1000は、光装置100と光ファイバ200とを含む。光ファイバ200は、光装置100上に形成された融着層300(後述する)によって光装置100と融着されている。
【0038】
光装置100は、面発光レーザ(面発光型半導体レーザ)102と融着層300とを含み、光ファイバ200と接合させることにより、光モジュール1000の一部を構成する。面発光レーザ102は、基体(半導体基板104)上に形成されている。また、面発光レーザ102は出射口101を有し、出射口101から基板104の面方向(図1のY方向)とほぼ垂直な方向(図1のX方向)へと光を出射する機能を有する。出射口101の径は、光ファイバ200と面発光レーザ102とを結合した場合、出射口101から出射される光が光ファイバ200のコア201に入射できるような大きさに規定される。なお、図1においては、面発光レーザ102が錐台状の形状を有する場合を示したが、面発光レーザ102の形状はこれに限定されるわけではない。
【0039】
融着層300は、基板104において面発光レーザ102が設置されている側の面上に形成されている。融着層300は所定の膜厚を有し、かつ光ファイバ200と接合するための表面300aを有する。光装置100と光ファイバ200とを接合させる際には、この表面300aと光ファイバ200の端面200aとを接合させる。融着層300の膜厚は、面発光レーザ102と光ファイバ200のコア201との間の結合効率を考慮して規定される。
【0040】
したがって、本発明の光装置100によれば、融着層300を、面発光レーザ102から出射した光が光ファイバ200のコア201に効率良く入射するために必要な膜厚にすることにより、面発光レーザ102と光ファイバ200とを結合させて光モジュールを形成する際、面発光レーザ102と光ファイバ200との位置合わせを行なうことなく、面発光レーザ102から出射した光を光ファイバ200のコア201に効率良く入射させることができる。
【0041】
また、融着層300は、戻り光によるノイズの発生を防ぐために、接合させる光ファイバ200のコア201の屈折率とほぼ同じ屈折率を有する材料から形成されるのが好ましい。出射口101から出射した光が融着層300中を伝播した後光ファイバ200のコア201に入射する場合、融着層300が接合させる光ファイバ200のコア201の屈折率と異なる屈折率を有する材料から形成されていると、両者の屈折率の差が原因でコア201と融着層300との接合面で光の反射が起こる。この反射光(戻り光)が面発光レーザ102の出射口101に入射すると、面発光レーザ102の動作に影響を与え、ノイズが生じることがある。これに対し、融着層300が光ファイバ200のコア201の屈折率とほぼ屈折率を有する材料から形成されていることにより、戻り光の発生を防ぐことができ、ノイズの発生を抑えることができるうえ、結合効率の向上を図ることができる。
【0042】
融着層300は、たとえば、結合させる光ファイバが石英ファイバである場合、石英ファイバのコアと同じ材料(SiO2)から形成することができる。あるいは、結合させる光ファイバがプラスチックファイバからなる場合、このファイバのコアとほぼ同じ屈折率を有する樹脂から融着層300を形成することができる。
【0043】
光ファイバ200は、コア201と、コア201の周囲を覆うクラッド202から構成される。光ファイバ200は、その端面200aで光装置100と接合する。この場合、面発光レーザ102の出射口101と光ファイバ200のコア部分とを対向させた状態で、光ファイバ200と光装置100とを接合させる。
【0044】
本実施の形態においては、光ファイバ200がマルチモードファイバであり、コア201がSiO2からなる場合を示すが、光ファイバ200の種類は特に限定されるわけではなく、シングルモードファイバ、マルチモードファイバ、プラスチックファイバのいずれであってもよい。また、光ファイバ200の材質も特に限定されるわけではなく、たとえばSiO2、樹脂等、光ファイバのコアと同じ材料から形成することができる。
【0045】
本発明において、光モジュール1000内では、次のように光が伝播する。まず、面発光レーザ102を駆動させると、駆動信号に基づく光が出射口101から基板104と垂直な方向(図1のX方向)に出射する。この光は所定の放射角で広がって融着層300内を伝播し、光ファイバ200の端面200aのコア201部分へ入射する。コア201へと入射した光は、光ファイバ200のコア201内を伝播する。
【0046】
(デバイスの製造方法)
次に、図1に示す光装置100および光モジュール1000の製造方法の一例を、図2〜図4を参照して説明する。
【0047】
(1)まず、基板104上に面発光レーザ102を形成する。つづいて、基板104において面発光レーザ102が設置されている側の面上に、所定の膜厚を有し、かつSiO2からなる融着層300を形成する。融着層300の膜厚は、前述したように、面発光レーザ102と光ファイバ200のコア201との間の結合効率を考慮して規定される。以上の工程により、図2に示すように、面発光レーザ102および融着層300を含む光装置100が得られる。
【0048】
つぎに、図3に示すように、光装置100と光ファイバ200とを接合する。ここで、面発光レーザ102の出射口101と、光ファイバ200の端面200aのコア201の部分とを対向させて、融着層300の表面300aと光ファイバ200の端面200aとを接合する。つづいて、図4に示すように、当該接合部分を加熱することにより、融着層300の表面300aと光ファイバ200の端面200aとを融着させる。
【0049】
光ファイバ200のコア201が、融着層300と同じSiO2からなる場合、たとえば1600〜2000℃にて、図4に示す矢印方向にレーザ照射するか、あるいはアーク放電を行ない、融着層300と光ファイバ200とを融着する。また、光ファイバ200にプラスチックファイバを、融着層300に樹脂をそれぞれ用いる場合、上述した方法のほかに、ヒータによりたとえば200℃〜300℃に加熱して融着層300と光ファイバ200とを融着することもできる。以上の工程により、図1に示す光モジュール1000が得られる。
【0050】
本実施の形態によれば、光装置100の融着層300を所定の膜厚にすることにより、光ファイバ200と光装置100との間の距離を所定の値に設定することができるため、面発光レーザ102と光ファイバ200との間の位置合わせが容易であり、かつ位置ずれが少なく結合でき、結合効率を高めることができる。
【0051】
また、融着層300を介して光ファイバ200の端面200aと面発光レーザ102の出射面101とを結合するので、面発光レーザ102の出射面101と光ファイバ200の端面200aとの距離が小さく、面発光レーザ102から出射した光をレンズ等の光学系を用いて集光させる必要がない。よって、面発光レーザ102と光ファイバ200との位置合わせが容易であるうえ、部品数を削減することができ、製造コストの削減を図ることができる。
【0052】
[第2の実施の形態]
(デバイスの構造)
図5は、本発明の第2の実施の形態にかかる光装置110を含む光モジュール2000を模式的に示す断面図である。
【0053】
本実施の形態にかかる光モジュール2000は、光装置110と光ファイバ210とを含み、光ファイバ210が、光装置110上に形成された融着層310を介して面発光レーザ102と結合されている点で、第1の実施の形態にかかる光モジュール1000と同様である。しかしながら、光モジュール2000では、融着層310の表面310aおよび光ファイバ210の端面210aの形状が、第1の実施の形態にかかる光モジュール1000のものと異なる。以下、第1の実施の形態の光モジュール1000と同様の符号を有する部分は、同様の構成、作用、および効果を有する部分であるため、説明を省略する。また、光モジュール2000内の光の伝播は、光モジュール1000とほぼ同様であるため、説明を省略する。
【0054】
光装置110は、面発光レーザ102と融着層310とを含む。融着層310は、基板104において面発光レーザ102が設置されている側の面上に形成されている。また、融着層310は、光ファイバ210と接合するための表面310aを有し、光ファイバ210と融着させる際、表面310aと光ファイバ210の端面210aとを接合させた状態でこれらを融着する。さらに、融着層310の表面310aには凸部311が形成されている。この凸部311は、光ファイバ210の端面210aに形成された嵌合部213(後述する)と嵌合する形状を有する。なお、融着層310の表面310aには、凸部311のかわりに凹部(図示せず)、あるいはこれらの両方を設けることもできる。
【0055】
融着層310の膜厚は、第1の実施の形態にかかる光装置100に含まれる融着層300と同様に、面発光レーザ102と光ファイバ210のコア211との間の結合効率を考慮して規定される。また、融着層310は、融着層300と同様の材料で形成され、融着層300と同様の作用および効果を有する。
【0056】
本発明の光装置110によれば、第1の実施の形態の光装置100と同様の作用および効果を有するのに加えて、融着層310の表面310aに、光ファイバ210の端面210aの嵌合部213と嵌合する凸部311が形成されているため、光装置110と光ファイバとを融着して光モジュールを形成する際、面発光レーザ102と光ファイバとの位置合わせが容易であり、かつ位置合わせ精度を向上させることができ、その結果、結合効率を高めることができる。
【0057】
光ファイバ210は、コア211と、コア211の周囲を覆うクラッド202とから構成される。光ファイバ210は、その端面210aで光装置110と接合する。光ファイバ210の端面210aには嵌合部213が形成されている。嵌合部213は、光装置110に形成された融着層310の表面310aに形成された凸部311と嵌合する形状を有する。したがって、融着層310の表面310aに、凸部311のかわりに凹部が形成されている場合、あるいはこれらの両方が形成されている場合、嵌合部はこれらの形状に嵌合する形状を有する。すなわち、光ファイバ210の端面210aは、融着層310の表面310aに嵌合する形状を有する。また、光ファイバ210は、第1の実施の形態にかかる光ファイバ200と同様の材料で形成される。
【0058】
(デバイスの製造方法)
次に、図5に示す光装置110、および光装置110を含む光モジュール2000の製造方法の一例を、図6〜図8を参照して説明する。
【0059】
まず、第1の実施の形態と同様に、基板104上に面発光レーザ102を形成し、つづいて、基板104において面発光レーザ102が設置されている側の面上に、所定の膜厚を有し、かつSiO2からなる融着層(図示せず)を形成する。さらに、この融着層の表面にフォトリソグラフィ法により凸部311を形成する。すなわち、この融着層上に、所定のパターンのレジスト(図示せず)を形成した後、レジスト層をマスクとして、前記融着層を選択的にエッチングする。これにより、図6に示すように、表面310aに凸部311を含む融着層310が得られる。
【0060】
融着層310の膜厚は、融着層300の膜厚と同様に、面発光レーザ102と光ファイバ210のコア211との間の結合効率を考慮して規定される。以上の工程により、図6に示すように、面発光レーザ102および融着層310を含む光装置110が得られる。
【0061】
つぎに、図7に示すように、光装置110と光ファイバ210とを接合する。ここで、面発光レーザ102の出射口101と、光ファイバ210の端面210aのコア211の部分とを対向させ、融着層310の表面310aの凸部311と、光ファイバ210の端面210aの嵌合部213とを嵌合させた状態で、図8に示すように、表面310aと端面210aとの接合部分を融着する。融着は、第1の実施の形態に示したものと同様の方法および条件で行なう。以上の工程により、図5に示す光モジュール2000が得られる。
【0062】
本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用および効果を有するうえ、融着層310の表面310aの凸部311と、光ファイバ210の端面210aの嵌合部213とを嵌合させた状態で、融着層310と光ファイバ210とを融着させるため、面発光レーザ102と光ファイバ210との位置合わせが容易であり、かつ精度良く位置合わせを行うことができるため、結合効率を高めることができる。
【0063】
[第3の実施の形態]
(デバイスの構造)
図9は、本発明の第3の実施の形態にかかる光装置120を含む光モジュール3000を模式的に示す断面図である。図10は、図9に示す光モジュール3000を矢印A方向からみた平面図である。図11は、図9に示す光モジュール3000の一変形例を示す平面図である。なお、図10は、光モジュール3000において、光ファイバ200のコア201部分のみを抜き出して示している。
【0064】
図9および図10に示すように、光モジュール3000は、光装置120と光ファイバ200を含む。光モジュール3000においては、光装置120が複数の面発光レーザ102を含む点で、第1および第2の実施の形態にかかる光モジュールと異なる。その他の構成は、第1の実施の形態と同様であるため、説明は省略する。
【0065】
図10に示すように、光装置120には複数の面発光レーザ102がアレイ状に形成されている。複数の面発光レーザ102は、それぞれの出射口101から出射される光が光ファイバ200のコア201に入射するように配置されている。なお、図10において、面発光レーザ102の配置方法および配置数はこれに限定されない。
【0066】
光装置120および光モジュール3000は、第1の実施の形態と同様の方法にて形成することができる。すなわち、基板104上に複数の面発光レーザ102をアレイ状に形成した後、第1の実施の形態と同様の方法にて融着層300を形成して、光装置120を形成する。さらに、第1の実施の形態と同様の方法にて融着層300と光ファイバ200を融着して、光モジュール3000を形成する。
【0067】
光モジュール3000によれば、複数の面発光レーザから出射される光を同一の光ファイバのコアに導入する光モジュールを、簡便な方法で形成することができ、光モジュールの製造コストを下げることができる。
【0068】
(光モジュールの一変形例)
図9および図10は、光ファイバ200がマルチモードファイバである場合を示したが、光モジュール3000に光ファイバはこれに限定されるわけではなく、たとえば図11に示すように、光ファイバ220がプラスチックファイバであっても、図9および図10に示す光モジュール3000と同様の作用および効果を奏する。
【0069】
図11は、図10と同様の方向からみた平面図である。図11に示す光ファイバ220は、図10に示す光ファイバ200と同様に、複数の面発光レーザ102のそれぞれの出射口101から出射される光が光ファイバ220のコア221に入射するように配置されている。なお、図11において、面発光レーザ102の配置方法および配置数はこれに限定されるわけではなく、種々の態様をとることができる。
【0070】
なお、第1〜第3の実施の形態では、光素子として、発光素子である面発光レーザを用いた。しかしながら、本発明においては、光素子は面発光レーザに限定されるわけではなく、基体上に形成され、かつ前記基体の表面に対して所定の角度をなす方向に光を出射する発光素子であればよい。たとえば、端面発光レーザ、LED、有機または無機のEL素子(electroluminescent device)等の発光素子を光素子として適用することができる。
【0071】
また、第1〜第3の実施の形態において、光素子として用いた面発光レーザは発光素子である。しかしながら、本発明においては、光素子は発光素子に限定されるわけではなく、基体上に形成され、かつ前記基体の表面に対して所定の角度をなす方向に光が入射する受光素子を用いることができる。受光素子としては、たとえばPDを用いることができる。本発明の光モジュールに受光素子を用いる場合、発光素子を用いる場合と同じように、受光素子を含む光装置と光ファイバとを接合する際に、受光素子の光の入射口が光ファイバの端面のコア部分と対向するように設置する。
【0072】
あるいは、光素子として受発光素子を用いてもよいし、または発光素子と受光素子とを組み合わせたものを光素子として用いることができる。組み合わせの一態様として、光ファイバの一方の端部と発光素子とを融着層を介して接続し、光ファイバの他方の端部と受光素子とを融着層を介して接続する場合等が例示できる。この場合、光信号は一方向に伝送される。組み合わせの他の態様として、光ファイバの一方の端部に発光素子および受光素子を、融着層を介して接続し、光ファイバの他方の端部に発光素子および受光素子を、融着層を介して接続する場合等が例示できる。この場合、光信号は双方向に伝送される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる光装置を含む光モジュールを模式的に示す断面図である。
【図2】図1に示す光装置、ならびに前記光装置を含む光モジュールの一製造工程を模式的に示す断面図である。
【図3】図1に示す光モジュールの一製造工程を模式的に示す断面図である。
【図4】図1に示す光モジュールの一製造工程を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態にかかる光装置を含む光モジュールを模式的に示す断面図である。
【図6】図5に示す光装置、ならびに前記光装置を含む光モジュールの一製造工程を模式的に示す断面図である。
【図7】図5に示す光モジュールの一製造工程を模式的に示す断面図である。
【図8】図5に示す光モジュールの一製造工程を模式的に示す断面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態にかかる光装置を含む光モジュールを模式的に示す断面図である。
【図10】図9の矢印A方向からみた光素子部分を示す平面図である。
【図11】図9に示す光モジュールの一変形例を示す平面図である。
【符号の説明】
100,110,120 光装置
101 出射口
102 面発光レーザ(面発光型半導体レーザ)
104 基板
200,210,220 光ファイバ
200a,210a 端面
201,211,221 コア
202,222 クラッド
213 嵌合部
300,310 ファイバ融着層
300a,310a 表面
311 凸部
1000,2000,3000 光モジュール
Claims (4)
- (a)発光および受光の少なくとも一方の機能を有し、かつ前記基体の表面に対し所定の角度をなす方向に光を入射および/または出射する光素子を前記基体上に形成する工程、
(b)前記基体において前記光素子が設置されている側の面上に、所定の膜厚を有し、かつ凸部および/または凹部を有する融着層を形成する工程、および
(c)前記融着層の表面と光ファイバの端面とを接合し、該接合部分を融着させる工程を含み、
前記工程(c)において、前記光ファイバの端面には、前記融着層の前記凸部および/または凹部と嵌合するための嵌合部が設けられており、
前記融着層の前記凸部および/または凹部と、前記光ファイバの前記嵌合部とを嵌合させた状態で、前記光ファイバおよび前記融着層をともに加熱することにより、前記融着層および前記光ファイバを融着させる、光モジュールの製造方法。 - 請求項1において、
前記工程(c)において、
前記光素子に含まれる、光を入射および/または出射するための入射口および/または出射口と、前記光ファイバの端面のコア部分とを対向させた状態で、前記融着層の表面と光ファイバの端面とを接合し、該接合部分を融着させる、光モジュールの製造方法。 - 請求項1または2において、
前記工程(a)において、前記基体上に前記光素子を複数個設置する、光モジュールの製造方法。 - 請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記工程(b)において、前記凸部および/または凹部をフォトリソグラフィ法により形成する、光モジュールの製造方法。
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