JP2009009140A - 基材、光ピックアップ装置、電子ビーム描画装置 - Google Patents

基材、光ピックアップ装置、電子ビーム描画装置 Download PDF

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和三 古田
Yuichi Akanabe
▲祐▼一 茜部
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Osamu Masuda
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Abstract

【課題】 本発明は、光ピックアップ装置の生産性の低下を防止しながらも、部材点数を低減して装置の小型化並びにコストダウンに寄与でき、それらに用いられる光学素子などの基材に対して、サブミクロンオーダーでの3次元的に変化する基材の加工を可能とした基材、光ピックアップ装置、電子ビーム描画装置を提供する。
【解決手段】 少なくとも一方の面に曲面部を有し、他方の面側に入射する入射光を、一方の面側から出射光として出射することの可能な光学素子(対物レンズ2)である。少なくとも前記一方の面側(2a)に、前記入射光を互いに異なる回折次数(1次・0次・―1次)の各方向に分光して前記一方の面(2a)側から各々出射することの可能なホログラム構造(3)を設ける。
【選択図】 図1

Description

本発明は、基材、光ピックアップ装置、電子ビーム描画装置に関し、特に、射出成形で作成される対物レンズにおいてホログラム構造や複屈折位相構造などを備えたものに関する。
従来、情報記録媒体として、例えばCD、DVD等が広く使用されており、これらの記録媒体を読み取る読取装置(光磁気ディスク装置)などの精密機器には、多くの光学素子が利用されている。
このような光学素子例えば光レンズなどを利用した読取装置などの光ピックアップ装置の一例として、例えば図36に示すようなものが挙げられる。
同図に示す光ピックアップ装置900では、不図示の半導体レーザーからのレーザー光は、対物レンズ902よって回折限界まで集光されて光磁気ディスク901(光磁気記録媒体)に照射され、記録信号をピックアップして反射される。光磁気ディスク901からのレーザー反射光は、対物レンズ902に入光して平行光となり、1/4波長板903を透過し偏光方位を変えた後、ホログラム板904に入射し、このホログラム板904にて常光は0次回折光として透過し、入射する入射光の偏光光は1次回折光、―1次回折光として回折して3つの光束に分光され、多分割光検出器905に入射する。
多分割光検出器905の分離受光領域(受光素子)には、各々のスポットが形成され、1次回折光により焦点誤差を検出し、0次光およびー1次回折光によりトラッキング誤差を検出するように構成される。
特開2001−59872号公報
ところで、従来の光ピックアップ装置では、使用される光学素子として、対物レンズ、ホログラム板、1/4波長板などの取り付け部材点数が多く、コストが高くなるという問題があった。
特に、対物レンズなどは、ガラス製の光レンズを用いることが多く、前記コスト高を招く主たる原因となっている。
しかも、ホログラム板や波長板などを製造するためには、基材の表面に対して所定の形状を得るためのプロセスを行う必要があるが、ホログラム板や波長板の1つ1つに対し、当該プロセスを行う必要があり、量産化の観点から好ましくなく、生産性の低下を招いていた。
さらに、前記ホログラム板や波長板、対物レンズが各々別々に構成されているために、アライメントの際にこれら全部を移動させなければならず、これらを移動させるための機構が大型化するとともに、これらの各種光学部材が配置される占有空間が大きくなり、当該光ピックアップ装置などの小型化に寄与できないという問題があった。
加えて、これらの機器に利用される光学素子、例えば光レンズなどは、低コスト化並びに小型化の観点から、ガラス製の光レンズよりも樹脂製の光レンズを用いることが考えられるが、このような樹脂製の光レンズを製造するためには、射出成形用の成形型をも形成しなければならない。この際、従来は、一般的な切削加工や、光露光などの手法を用いた露光装置などによって、光学機能面や成形型に微細構造を形成することを行われるが、現在用いていられるような成形技術や加工技術の切削バイトにて、成形型に微細構造を形成しようとすると、加工精度が劣るとともに、バイトの強度、寿命の点で限界があり、サブミクロンオーダーあるいはそれ以下の精密な加工を行うことができず、また、基材の加工深さは、露光エネルギー量で制御するため、特に、光学素子の精密加工、あるいはフォトニック結晶の作成などでは、非平面上に照射される光の波長より短い構造を正確に形成する必要が生じるため、平坦な材料しか加工することができないという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、光ピックアップ装置、光学素子などの生産性の低下を防止しながらも、部材点数を低減して装置の小型化並びにコストダウンに寄与でき、それらに用いられる光学素子などの基材に対して、サブミクロンオーダーでの3次元的に変化する基材の加工を可能とした光学素子、基材、その金型、光ピックアップ装置、光学素子加工方法、その方法にて加工された基材、及び電子ビーム描画装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明に係る基材は、ビームを走査することにより描画パターンが形成される被描画面を、少なくとも一方の面に有する基材であって、前記被描画面は、該被描画面より出射する光を、互いに異なる0次、1次、―1次の3方向に分光して各々出射するとともに、前記被描画面側から入射する入射光を透過するためのホログラム構造を有することを特徴としている。
また、上記目的を達成するために、請求項2に記載の発明に係る基材は、ビームを走査することにより第1の描画パターンが描画され一方の面に形成される第1の被描画面と、前記第1の被描画面と反対側の他方の面に形成され、前記第1の描画パターンと異なる第2の描画パターンが描画される第2の被描画面と、を備えた基材であって、前記第1の被描画面は、該第1の被描画面より出射する光を、互いに異なる0次、1次、―1次の3方向に分光して各々出射するとともに、前記被描画面側から入射する入射光を透過するためのホログラム構造を有し、前記第2の被描画面は、該光の進行方向と交差する面内で少なくとも互い垂直な方向に振動する各直線偏光のうち、一方の直線偏光と他方の直線偏光とに位相差を生じせしめる複屈折位相構造を有することを特徴としている。
また、上記目的を達成するために、請求項3に記載の発明に係る基材は、電子ビームを走査することにより第1の描画パターンが描画され一方の面に形成された第1の被描画面と、前記第1の被描画面と反対側の他方の面に形成され、前記第1の描画パターンと異なる第2の描画パターンが描画される第2の被描画面と、を備えた基材であって、前記第1の被描画面は、該第1の被描画面より出射する光を、互いに異なる0次、1次、―1次の3方向に分光して各々出射するとともに、前記被描画面側から入射する入射光を透過するためのホログラム構造を有し、前記第2の被描画面は、前記第1の被描画面に入射し前記第2の被描画面より出者する光を回折する回折格子構造を有することを特徴としている。
また、上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明に係る光ピックアップ装置は、光磁気記録媒体と、レーザー供給源からのレーザー光を集光し、集光された前記レーザー光を前記光磁気記録媒体照射するとともに、前記光磁気記録媒体上の反射光を分光する光学素子と、分光された各光に基づいて、トラッキング誤差、焦点誤差の各誤差検出を行うための各検出部を備えた多分割光検出器と、を有し、前記光学素子は、その一方の面側には、前記反射光を互いに異なる0次、1次、―1次の3方向の各回折光に分光して前記一方の面側から各々出射するとともに、前記一方の面側から入射する入射光を透過して他方の面側から出射することの可能なホログラム構造を有し、前記他方の面側には、光の進行方向と交差する面内で少なくとも互い垂直な方向に振動する各直線偏光のうち、一方の直線偏光と他方の直線偏光とに位相差を生じせしめる複屈折位相構造を有することを特徴としている。
また、上記目的を達成するために、請求項5に記載の発明に係る光ピックアップ装置は、光磁気記録媒体と、レーザー供給源からのレーザー光を平行光にする第1の光学素子と、前記平行光を収束させて前記光磁気記録媒体に照射する第2の光学素子と、前記光磁気記録媒体にて反射された前記レーザー光を前記第2の光学素子を介して受光する光検出器と、を含み、前記光検出器の出力に基づいて光磁気記録媒体上の記録情報を読み出し、前記第1の光学素子は、その一方の面側には、前記レーザー光を互いに異なる0次、1次、―1次の3方向の各回折光に分光して前記一方の面側から各々出射することの可能なホログラム構造を有することを特徴としている。
また、上記目的を達成するために、請求項6に記載の発明に係る電子ビーム描画装置は、電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、前記電子ビーム照射手段にて照射された電子ビームの焦点位置を可変とするための電子レンズと、前記電子ビームを照射することで描画される被描画面に曲面部を有する基材を載置する載置台と、前記基材の曲面部上に複屈折位相構造を形成する際に、前記基材上に描画される描画位置を測定するための測定手段と、前記測定手段にて測定された前記描画位置に基づき、前記電子レンズの電流値を調整して前記電子ビームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御して前記基材の曲面部並びに複屈折位相構造部分の描画を行うように制御する制御手段と、を含むことを特徴としている。
また、上記目的を達成するために、請求項7に記載の発明に係る電子ビーム描画装置は、電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、前記電子ビームを照射することで描画される被描画面に曲面部を有する基材を載置する載置台と、前記載置台を駆動する駆動手段と、前記基材の曲面部上に複屈折位相構造を形成する際に、前記基材上に描画される描画位置を測定するための測定手段と、前記測定手段にて測定された前記描画位置に基づき、前記駆動手段により前記載置台を昇降させて、前記電子ビーム照射手段にて照射された電子ビームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御して前記基材の曲面部並びに複屈折位相構造部分の描画を行うように制御する制御手段と、を含むことを特徴としている。
本発明によれば、3次元的な描画で曲面部を描画する際にあわせ、基材にホログラム構造を形成することにより、最終的に、一面にホログラム構造を備えた光レンズなどを形成することも可能となることから、従来のホログラム板に変えて各種機器に適用することもできる。
これにより、基材に基づいて金型を構成することにより、射出成形による最終成形品としてホログラム構造を有した素子を、順次量産できる。従って、従来のように、ホログラム板を一つ一つ形成する際の各プロセスにおける手間、時間を鑑みると、製造コストの大幅な低減並びに生産性の向上を図ることができる。
また、基材に複屈折位相構造を形成することにより、最終的に、一面に複屈折位相構造たる波長板機能を備えた光レンズなどを形成することも可能となることから、従来の波長板に変えて各種機器等に適用することもできる。
これにより、前記基材に基づいて金型を構成することにより、射出成形による最終成形品として波長板機能を有した素子を、順次量産できる。従って、従来のように、波長板を一つ一つ形成する際の各プロセスにおける手間、時間を鑑みると、製造コストの大幅な低減並びに生産性の向上を図ることができる。
また、基材を金型を用いて射出成形により製造できるため、製造にかかるコストダウンを図ることができる。この基材を射出成形する際には、同時にホログラム機能や波長板としての機能の附加を行うことができ、プロセスの追加の必要がない。このため、従来のようにホログラム板や波長板1つ1つを製造する場合に比べると大幅な製造コストの低減並びに、工数の低減を図ることができ、光学部品の低コスト化につながる。
なお、これらに加えて、他方側の面に回折格子構造を形成した基材によれば、DVD、CD互換等での、収差補正を好適に実施できる。
また、光ピックアップ装置において、一面にホログラム構造を備えた(一体形成された)光学素子を用いることにより、従来のような専用のホログラム板を使用する必要がなく部材点数、取付部品数を低減して大幅なコストダウンを図ることができる。
さらに、ホログラム板や波長板などの配設が不要となるために、部材配設の占有空間が低減され、光ピックアップ装置の小型化を図ることができ、さらには、ピックアップ装置の光学系にかかる小型一体化を容易にし、トラッキング機構を単純化できる。
以下、本発明の好適な実施の形態の一例について、図面を参照して具体的に説明する。
[第1の実施の形態]
(光学素子の構成説明)
先ず、本発明の光ピックアップ装置に用いられる光学素子の概略構成について、図1を参照して説明する。図1は、本実施の形態に光学素子の構成を説明するための説明図である。
本実施の形態の光学素子においては、光レンズの一方の面にホログラム構造を形成し、光レンズの他方の面に複屈折位相構造を形成したことに特徴を有するものである。
具体的には、図1に示すように、光学素子の一例である対物レンズ2は、他方の面2d側に入射する入射光S1を、一方の面2a側から出射光S2として出射することの可能な樹脂製の部材であり、前記一方の面2d側には、前記入射光S1を互いに異なる0次、1次、―1次の3方向の各回折光に分光して前記一方の面2a側から各々出射するとともに、前記一方の面2a側から入射する入射光を透過して前記他方の面2d側から出射することの可能なホログラム構造3が形成されている。
また、対物レンズ2の前記他方の面2d側には、光の進行方向と交差する面内で少なくとも互い垂直な方向に振動する各直線偏光TE波、TM波のうち、一方の直線偏光TE波と他方の直線偏光TM波とに位相差を生じせしめる複屈折位相構造の一例である(光の偏光方向を所定の角度回転させる)波長板構造4が形成されている。
ホログラム構造3では、一方の面2a側から入射する入射光のうちTM波(進行方向に垂直な面内において電界成分を有しない磁界成分のみ波)は透過して集光し、他方の面2d側から入射する入射光のうちTE波(進行方向に垂直な面内において磁界成分を有しない電界成分のみの波)は、平行光にされたのち0次、1次、―1次に偏光する。
波長板構造4では、一方の面2a側から入射する入射光のうち例えばTM波は、所定の角度に振動方向が回転するようにして偏光し、特定の箇所で反射した当該偏光光が他方の面2d側より入射すると、前記振動方向が回転するようにして偏光し、TM波として出射する。
なお、波長板構造としては、例えば1/4波長板等の機能を形成することが好ましい。つまり、波長板の前で複屈折し、波長板に入れて1/4回転させて、返ってきてまた1/4回転させる。
このような樹脂製の対物レンズ2によれば、ホログラム構造3および波長板構造4が一体的に形成されているので、例えば光ピックアップ装置などの光学系に用いる際に、一つ部材で対物レンズ、波長板、ホログラム板の3つの機能を有することができ、部材点数を低減して光学部材の占有領域を小さくして装置の小型化に寄与できる。
また、波長板構造およびホログラム構造のいずれも、対物レンズ上に微細構造を造って一括して射出成形により形成することができ、樹脂にて一体的に形成されていることから、コストダウンを図ることができ、成型型などを用いることにより装置の量産化に寄与できる。
さらに、光ピックアップ装置などにおいては、対物レンズ上にトラッキングやフォーカシングの機能を含めることができ、トラッキングをする際に、従来のように対物レンズおよびホログラム板などの全体を動作させる必要がなく、対物レンズのみを動作させるだけでよく、一部材であることから前記光ピックアップ装置などのアライメント動作が行いやすくなる。
なお、具体的には、例えば、検出信号は0次光、フォーカス用の信号と、トラッキング用の信号は+1と−1に割り当てることが好ましい。
ここで、本実施の形態のホログラム構造3においては、3つの各光を出射したり球面波を生成することとなるが、0次光しか出射されない点で通常の偏光板と異なる。
なお、対物レンズの一方の面にホログラム構造があるだけでもよく、波長板はなくてもよい。但し、波長板がある方が効率の観点から好ましい。
さらに、前述の例では、波長板構造として例えば1/4波長板等の機能を形成したが、これに限らず、1/2波長板や他の種々の波長板を必要に応じて形成するようにしてもよい。
(基材について)
本発明の基材では、光レンズの一面にホログラム構造を形成したことに特徴を有する。また、本発明の基材の他の態様では、光レンズの他方の面に波長板の機能(複屈折位相構造)を形成したことに特徴を有する。
(ホログラム構造)
先ず、このような特徴を有する電子ビームにより描画される基材について、図2〜図10を参照しつつ説明する。図2には、基材上に描画される描画パターン並びにその細部の描画形状が開示されている。
同図に示すように、本実施形態の基材の一例である対物レンズ2上に描画される描画パターンの一例として円描画が開示されており、被描画面に曲面部2aを有する基材の一例である対物レンズ2の描画部分の一部であるE部分を拡大してみると、基材の対物レンズ2は、複数の凹凸からなるホログラム構造3が形成されている。なお、基材の対物レンズ2としては、光学素子例えば、ピックアップレンズ等にて構成することが好ましい。
ホログラム構造3は、該曲面部2aに入射する光もしくは出射する光を、該光の進行方向と交差する面内で少なくとも互いに垂直な方向に振動する二つの偏光成分、TE波、TM波に偏光分離し、特にTE波は1次回折光とー1次回折光として偏光され、TM波は0次回折光として直進する機能を有し、凸部3aと凹部3bにより凹凸部(バイナリーパターンの回折格子構造)を形成している。
より詳細には、図1に示すF部を拡大した図に示すように、ホログラム構造3は、第1の幅d1を有する凸部3aと、前記第1の幅d1と異なる第2の幅d2を有する凹部3bが高さd3にて複数形成される。
なお、周期内の構造を非対称にすることにより、垂直に入射する光に対しても偏光分離を行うことができる。
本実施の形態の基材では、曲面部2a上にこのような周期構造を構成することにより、当該構造を透過する光を、TE波(進行方向に垂直な面内において磁界成分を有しない電界成分のみの波)の1次回折光、―1次回折光、TM波(進行方向に垂直な面内において電界成分を有しない磁界成分のみ波)の0次回折光に分離することが可能となる。
ここに、図2におけるd1、d2、d3の具体的な数値としては、例えば、基材(対物レンズ)2の屈折率n=1.475、波長を400nmとすると、d1=200―0.36×200nm、d2=0.36×200nm、d3=2320nmとするのが好ましい。
なお、要は、「進行波を0次回折光、―1次回折光、1次回折光に分離する」というホログラム構造(偏光ビームスプリッター)としての機能を達成できるものであれば、そのホログラム構造における寸法d1〜d3の寸法設定、ないしは、その凹凸構造は、上述した例に限定されるものではないことは言うまでもない。
このように、曲面部2a上において、図2に示すような形状の凹凸によるホログラム構造3を構成することにより、光を0次回折光、1次回折光、―1次回折光に偏光分離することが可能になる。
(複屈折位相構造)
次に、複屈折位相構造を備えた基材について、図3を参照して説明する。図3には、基材上に描画される描画パターン並びにその細部の描画形状が開示されている。
同図に示すように、基材の一例である対物レンズ2上に描画される描画パターンの一例として円描画が開示されており、被描画面に曲面部2dを有する基材の一例である対物レンズ2の描画部分の一部であるE部分を拡大してみると、基材(対物レンズ)2は、複数の凹凸(バイナリーパターンの回折格子構造)からなる複屈折位相構造4が形成されている。なお、基材(対物レンズ)2としては、光学素子例えば、ピックアップレンズ等にて構成することが好ましい。
複屈折位相構造4は、該曲面部2dに入射する光もしくは出射する光である、該光の進行方向と交差する面内で少なくとも互いに垂直な方向に振動する二つの偏光成分TE波、TM波のうち、一方の偏光であるTE波と、他方の偏光であるTM波との間に位相差φを生じせしめる機能を有し、凸部4aと凹部4bとを有する。
より詳細には、図3に示すF部を拡大した図に示すように、複屈折位相構造4は、前記第1の幅d5を有する凸部4aと、前記第1の幅d5より短い第2の幅d6を有する凹部5bとが交互に位置することで形成される周期構造を有する。なお、凸部4aの高さはd7にて形成されているものとする。
本実施の形態の基材(対物レンズ)2では、曲面部2d上にこのような周期構造を構成することにより、当該構造を透過する光のうち、TE波と、TM波との間に位相差φを生じさせることが可能となる。
ここに、図3におけるd5、d6、d7の具体的な数値としては、例えば、基材(対物レンズ)4の屈折率n=2、波長をλとすると、d5:d6=7:3、d7=1λとするのが好ましい。なお、この場合は、例えば1/4波長板と同等の機能を有する場合を想定しているがこれに限定されるものではなく、1/2波長板、1波長板等と同等の機能を有するよう構成しても構わない。
このようにした場合における複屈折位相構造4にて位相差が生じ得るTM波、TE波の波の様子を、入射角を各々変えた場合におけるFDTD法等により解析した結果を図4(A)(B)、図5(A)(B)、図6(A)(B)にそれぞれ示す。図4(A)では、入射角が0度における前記複屈折位相構造4によって生じ得たTM波の様子が開示されており、一方、図4(B)では、入射角が0度における前記複屈折位相構造4によって生じ得たTE波の様子が開示されている。
また、図5(A)では、入射角が24度における前記複屈折位相構造4によって生じ得たTE波の様子が開示されており、一方、図4(B)では、入射角が24度における前記複屈折位相構造4によって生じ得たTM波の様子が開示されている。
さらに、図6(A)では、入射角が46度における前記複屈折位相構造4によって生じ得たTM波の様子が開示されており、一方、図6(B)では、入射角が46度における前記複屈折位相構造4によって生じ得たTE波の様子が開示されている。
但し、これらの図においては、いずれも、図中の下方向から上方向に向けて光が入るものとし(基材を想定した場合は、基材の曲面部から出射する光のTE波、TM波に位相差が生じる場合)、上方側に向かって無限に広がる平面波を想定している。なお、横軸は、複屈折位相構造G1の横方向に沿った位置を示し(単位×20nm)、縦軸は、複屈折位相構造G1に垂直な上方向に沿った位置を示している。また、この図においては、波長λが500nmである場合を想定している。
これらの図に示すように、図3に示すような形状の凹凸による複屈折位相構造4(図4(A)(B)においては複屈折位相構造G1)を形成した場合には、図4(A)(B)に示すように、TM波A1、TE波A2を所定の位相差にて各々良好に生成することが可能となる。従って、上記d5〜d7を、上述にて示した数値に設定することが、TE波、TM波に対する位相差を良好に生成する上で好ましいと言える。
このように、直進する光と斜めの光を入射し、波長板としての効果があるか否かを検討した場合のシミュレーション結果においては、斜めに入れたとしても位相がずれるので、同じ構造で波長板の機能を有する。なお、入射角の限界値は、例えば50度か60度位まで可能である。
しかしながら、要は、「TE波、TM波に位相差を生じさせる」という複屈折位相構造としての機能を達成できるものであれば、その複屈折構造における寸法d5〜d7の寸法設定、ないしは、その凹凸構造は、上述した例に限定されるものではないことは言うまでもない。
また、対物レンズのような曲面上に形成した場合には、入射角も傾斜することとなるが、このような場合にも、例えば、図5に示す入射角24度の場合には、TM波A3、TE波A4を所定の位相差にて各々良好に生成することが可能となり、図6に示す入射角46度の場合であっても、TM波A5、TE波A6を所定の位相差にて各々良好に生成することが可能となる。従って、対物レンズ上に形成するような場合にも前記設定で問題とはならない。
このように、曲面部2d上において、図2に示すような形状の凹凸による複屈折位相構造4を構成することにより、TE波、TM波に位相差を生じさせることが可能になる。
(ホログラム構造の他の形態I)
なお、前記ホログラム構造3の態様としては、図2に示すような凹凸構造のものに限らず、図7に示すような凹凸構造の態様にて形成するようにしてもよい。
具体的には、図7(B)に示すように、ホログラム構造3は、第1の幅p1―qp1を有する凸部と第2の幅qp1を有する凹部とからなる凹凸部と平面部とによる周期構造を形成している。
ここで、1つの凹凸部と1つの平面部からなる1周期を幅p2とし、1つの凸部の高さをt1とし、平面部から凸部頂部までの高さをt2としている。
この際、レンズの屈折率n=1.475、入射光の波長λ=400nmとした場合には、前記図7(B)における構造の具体的な数値としては、例えば、t1=2320nm、t2=1160nm、q=0.36、p1=200nm、p2=2000nmとするのが好ましい。
このように構成される場合であっても、図7(A)に示すように、ホログラム構造においては、光が入射すると、0次透過光(入射光)、+1次回折光(例えばトラッキング用)、―1次回折光(フォーカシング用)に各々偏光することとなる。
このようにした場合におけるホログラム構造3にて生じ得るTM波、TE波の波の様子をFDTD法等により解析した結果を図8、図9にそれぞれ示す。図8では、前記ホログラム構造3によって生じ得たTE波の様子が開示されており、一方、図10では、前記ホログラム構造3によって生じ得たTM波の様子が開示されている。
但し、これらの図においては、いずれも、図中の下方向から上方向に向けて光が入るものとし、上方側に向かって無限に広がる平面波を想定している。なお、横軸は、ホログラム構造G2の横方向に沿った位置を示し(単位×40nm)、縦軸は、複屈折位相構造G1に垂直な上方向に沿った位置(単位×40nm)を示している。また、この図においては、波長λが500nmである場合を想定している。
これらの図に示すように、図7(B)に示すような形状の凹凸によるホログラム構造3(図8、9においてはホログラム構造G2)を形成した場合には、図8、図9に示すように、TM波A1、TE波A2による所定の偏光を良好に生成することが可能となる。従って、上記p1、p2、t1、t2、qを、上述にて示した数値に設定することが、0次透過光、1次回折光、―1次回折光を良好に生成する上で好ましいと言える。
しかしながら、要は、「0次透過光、1次回折光、―1次回折光を生じさせる」というホログラム構造としての機能を達成できるものであれば、その構造における寸法p1、p2、t1、t2、qの寸法設定、ないしは、その凹凸構造は、上述した例に限定されるものではないことは言うまでもない。
このように、図7(B)に示すような形状の凹凸によるホログラム構造3を構成することにより、光を0次回折光、1次回折光、―1次回折光に偏光分離することが可能になる。
(ホログラム構造の他の形態II)
さらに、前記シミュレーションにおいては、平面上にホログラム構造を形成する場合を想定したが、実際には、ホログラム構造としては、図10に示すように、基材80の曲面部80a上にホログラム構造82を形成することとなる。
ホログラム構造82は、第1の凸部82aa、第1の凹部82abよりなる周期構造からなる第1の凹凸部82aと第2の凹部82bとからなる。このように、前記ホログラム構造を曲面部に形成することにより、光を0次、1次、―1次に回折して各部に光を供給することが可能となる。
以上のようにして、一面にホログラム構造3を、他方の面に複屈折位相構造4を形成した基材(対物レンズ2)を構成することにより、例えば、図1のような光学系において、対物レンズ2の一方の面2a側からの平行光のレーザー光S3は、対物レンズ2により集束して光S4となり、特定箇所で反射した他方の面2dからの光S1は、対物レンズ2により平行光に戻る。
この際、ホログラム構造3は、一方の面2a側から入射するレーザー光S3は、透過するが、他方の面2dから入射する光S1は、回折されて一方の面2aから出射する際には0次、―1次、1次の各光に偏光されることとなる。
また、波長板構造4により、一方の面2a側から入射するレーザー光S3の進行方向に垂直な面内において一の特定方向の振動を、他の特定方向の振動に偏光しつつ集束され、特定箇所(光磁気記録媒体等)にて反射した光S1は、前記波長板構造4により、他の特定方向の振動を、前記一の特定方向の振動に再度偏光しつつ平行光とする。
これにより、0次、―1次、1次の各光は、後述する光ピックアップ装置などにおいて各々トラッキングやフォーカシングなどの際に利用することができる。
以上のように、3次元的な描画で曲面部を描画する際にあわせ、サブ波長オーダーの凹凸による周期構造を描画し、前記基材にホログラム構造および複屈折位相構造を形成することにより、最終的に、一面にホログラム構造、他方の面に複屈折位相構造を備えた光レンズなどを形成することも可能となることから、従来の波長板、ホログラム板に変えて各種機器に適用することもできよう。
というのも、前記基材に基づいて金型を構成することにより、射出成形による最終成形品としてホログラム構造を有した素子を、順次量産できるからである。従って、従来のように、ホログラム板や波長板を一つ一つ形成する際の各プロセスにおける手間、時間を鑑みると、製造コストの大幅な低減並びに生産性の向上を図ることができる。
以下、このようなホログラム構造、波長板機能を有する基材を形成するための前提となる電子ビーム描画装置の具体的構成について説明することとする。
(電子ビーム描画装置の全体構成)
次に、電子ビーム描画装置の全体の概略構成について、図11を参照して説明する。図11は、本例の電子ビーム描画装置の全体構成を示す説明図である。
本実施形態例の電子ビーム描画装置1000は、図11に示すように、大電流で高解像度の電子線プローブを形成して高速に電子ビームを描画対象の基材1002上を走査するものであり、高解像度の電子線プローブを形成し、電子ビームを生成してターゲットに対してビーム照射を行う電子ビーム生成手段である電子銃1012と、この電子銃1012からの電子ビームを通過させるスリット1014と、スリット1014を通過する電子ビームの前記基材1002に対する焦点位置を制御するための電子レンズ1016と、電子ビームが出射される経路上に配設された仕切弁1018・ブランキング補正用のコイル1019と、電子ビームを偏向させることでターゲットである基材1002上の走査位置等を制御する偏向器1020と、非点補正を行うための電子レンズ1022と、対物レンズ1023と、を含んで構成されている。なお、これらの各部は、鏡筒1010内に配設されて電子ビーム出射時には真空状態に維持される。
電子レンズ1016は、高さ方向に沿って複数箇所に離間して設置される各コイル1017a、1017b、1017cの各々の電流値によって電子的なレンズが複数生成されることで各々制御され、電子ビームの焦点位置が制御される。
さらに、電子ビーム描画装置1000は、描画対象となる基材1002を載置するための載置台であるXYZステージ1030と、このXYZステージ1030上の載置位置に基材1002を搬送するための搬送手段であるローダ1040と、XYZステージ1030上の基材1002の表面の基準点を測定するための測定手段である測定装置1080と、XYZステージ1030を駆動するための駆動手段であるステージ駆動手段1050と、ローダを駆動するためのローダ駆動装置1060と、鏡筒1010内及びXYZステージ1030を含む筐体1011内を真空となるように排気を行う真空排気装置1070と、基材1002への電子ビームの照射に基づいて発生した例えば2次電子を検出して描画ライン等を観察するための2次電子検出器1091と、XYZステージ1030の微小電流を計測する微小電流計1092と、これらの制御を司る制御手段である電気操作排気制御系1101・描画制御系1120と、各種コンピュータを備えた制御用の情報処理ユニット1180と、不図示の電源等を含んで構成されている。
なお、前記2次電子検出器91に変えて電子顕微鏡等の観察系を備えたり、不図示の他の観察光学系備えたりしてもよく、これらを利用して基材の状態を観察してもよい。
測定装置1080は、基材1002の高さ位置を検出するためのものであり、基材1002に対してレーザーを照射することで基材2を測定する第1のレーザー測長器1082と、第1のレーザー測長器1082にて発光されたレーザー光(第1の照射光)が基材1002を反射し当該反射光を受光する第1の受光部1084と、前記第1のレーザー測長器1082とは異なる照射角度から照射を行う第2のレーザー測長器1086と、前記第2のレーザー測長器1086にて発光されたレーザー光(第2の照射光)が基材1002を反射し当該反射光を受光する第2の受光部1088と、を含んで構成されている。
ステージ駆動手段1050は、XYZステージ1030をX方向に駆動するX方向駆動機構1051と、XYZステージ1030をY方向に駆動するY方向駆動機構1052と、XYZステージ1030をZ方向に駆動するZ方向駆動機構1053と、XYZステージ1030をθ方向に駆動するθ方向駆動機構1054と、を含んで構成されている。なお、この他、Y軸を中心とするα方向に回転駆動可能なα方向駆動機構1055、X軸を中心とするψ方向に回転駆動可能なψ方向駆動機構1056を設けて、ステージをピッチング、ヨーイング、ローリング可能に構成してもよい。これによって、XYZステージ1030を3次元的に動作させたり、アライメントを行うことができる。
電気操作排気制御系1101は、電子銃1012に電源を供給する電子銃電源部での電流、電圧などを調整制御するTFE電子銃制御部1102と、電子レンズ1016(複数の各電子的なレンズを各々)を動作させるためのレンズ電源部での各電子レンズに対応する各電流を調整制御して電子銃の軸合わせを制御する電子銃軸合わせ制御部1103と、電子レンズ1016(複数の各電子的なレンズを各々)の各レンズに対応する各電流を調整制御する集束レンズ制御部1104と、非点補正用のコイル1022を制御するための非点補正制御部1105と、対物レンズ1023を制御するための対物レンズ制御部1106と、偏向器1020に対して基材1002上の走査を行う際のスキャン信号を発生せしめるスキャン信号発生部1108と、2次電子検出器1091からの検出信号を制御する2次電子検出制御部1111と、2次電子検出制御部1111からの検出信号に基づいてイメージ信号を表示するための制御を行うイメージ信号表示制御部1112と、真空排気装置1070の真空排気を制御する真空排気制御回路1113と、これら各部の制御並びに微小電流計1092の制御を司る制御部1114と、を含んで構成される。
描画制御系1120は、偏向器1020にて成形方向の偏向を行う成形偏向部1122aと、偏向器1020にて副走査方向の偏向を行うための副偏向部1122bと、偏向器1020にて(主)走査方向の偏向を行うための主偏向部1122cと、成形偏向部1122aを制御するためにデジタル信号をアナログ信号に変換制御する高速D/A変換器1124aと、副偏向部1122bを制御するためにデジタル信号をアナログ信号に変換制御する高速D/A変換器1124bと、主偏向部1122cを制御するためにデジタル信号をアナログ信号に変換制御する高精度D/A変換器1124cと、を含んで構成される。
また、描画制御系1120は、第1のレーザー測長器182のレーザー照射位置の移動及びレーザー照射角の角度等の制御を行う第1のレ−ザー測定制御回路1131と、第2のレーザー測長器1086のレーザー照射位置の移動及びレーザー照射角の角度等の制御を行う第2のレ−ザー測定制御回路132と、第1のレーザー測長器82でのレーザー照射光の出力(レーザーの光強度)を調整制御するための第1のレーザー出力制御回路1134と、第2のレーザー測長器186でのレーザー照射光の出力を調整制御するための第2のレーザー出力制御回路1136と、第1の受光部1084での受光結果に基づき、測定結果を算出するための第1の測定算出部1140と、第2の受光部1088での受光結果に基づき、測定結果を算出するための第2の測定算出部1142と、ステージ駆動手段1050を制御するためのステージ制御回路1150と、ローダ駆動装置1060を制御するローダ制御回路1152と、上述の第1、第2のレーザー測定制御回路1131、1132・第1、第2のレーザー出力制御回路1134、1136・第1、第2の測定算出部1140、1142・ステージ制御回路1150・ローダ制御回路1152を制御する機構制御回路1154と、を含んで構成される。
さらに、描画制御系1120は、コイル1019での電流値を制御することで一の描画ラインから次の描画ラインまでのブランキング区間であるビームブランキングを制御するビームブランキング制御部1161と、描画フィールドを制御するためのフィールド回転制御部1162と、描画パターンに応じた各種描画モード(円+ラスタ等)を組み合わせて利用する等を制御するマルチモード制御部1163と、基材2上に電子ビームをラスタスキャン(走査)するように制御するためのラスタスキャン制御部1164と、円パターンを描画するように制御する円パターン制御部1165と、オングストロームパターンを描画するように制御するオングストロームパターン制御部1166と、各種偏向を制御するEB偏向制御部1167と、2次電子検出器1091に関連するビデオアンプ1168と、基準クロックに基づいて各種制御信号(パルス信号)を生成制御するためのマスタークロックカウント部1171と、情報処理ユニット1180からの情報を各部に適合する形の制御信号とするための制御を行う制御系1300と、これら各部への制御信号の入出力を制御するCPGインターフェース1169と、を含んで構成される。
情報処理ユニット1180は、各種情報を操作入力するためのキーボード・マウス・トラックボール等からなる操作入力部1158と、後述する校正用描画や通常描画などのモード切換ないしはモード設定等の各種設定・基材2の表面状態や断層像(基材の特定箇所の各断面)、走査像などのモニタや3次元グラフィック画像等の表示・各種描画のシミュレーション等の各種ソフトウエアの表示等各種表示が可能なディスプレイ等の表示部1182と、入力された情報や各種制御を行うための制御プログラムなどの各種プログラム・測定結果・補正テーブル・各種ソフトウエア等や他の複数の情報を記憶するための記憶手段であるハードディスク1183と、外部記録媒体であるMO1184などに記録された情報をリードライト可能な装置(符号なし)と、各種情報を印字出力可能な印刷手段ないしは画像形成可能な画像形成装置であるプリンタ1185と、これらの制御を司るホストコンピュータである制御部1186と、を含んで構成されている。
また、本実施形態の電子ビーム描画装置1000では、操作入力部1181などを含むいわゆる「操作系」ないしは「操作手段」においては、アナログスキャン方式、デジタルスキャン方式の選択、基本的な形状の複数の各描画パターンの選択等の各種コマンドの選択等の基本的な操作が可能となっていることは言うまでもない。
ハードディスク1183(ディスク装置)には、例えば、描画パターンに関する情報や、描画ソフトウエア(専用CAD)1191、描画パターンや基材1002の3次元形状を設計するための一般的な3次元CAD機能を有するソフトウエアであるCAD1192や、このCAD1192にて作成された例えばファイル形式を前記専用の描画ソフトウエア1191にて読み込めるファイル形式にフォーマット変換(コンバート)するためのフォーマット変換ソフトウエア1193などを記憶させておくことが好ましい。なお、記憶手段としては、例えば、半導体メモリなどの記憶装置の一領域として形成してもよい。
制御部1186は、基材1002やその走査像等を観察認識するための各種画像処理を行う画像処理部1186bを含んで構成される。
画像処理部1186bは、例えば2次電子検出器1091からの検出信号を受け取って2次電子検出制御部1111およびイメージ信号表示制御部1112を介して画像データを形成する。さらに、特定箇所を表示するために、各画像データおよび位置データに基づいて、例えば画像等を表示部1182に表示するよう処理する。この際、画像処理部1186bは、前記画像データから、任意のX、Y、Z座標のデータを読み出し、所望の視点から見た立体的な画像を表示部1182に表示可能としてもよい。また、該画像データに対して、輝度の変化による輪郭抽出などの画像処理を行い、電子ビームによって形成された孔、線など、基材の表面の特徴的な部分の大きさや位置を認識し、XYZステージ1030が基材1002を所望の位置に配されているか否かや、電子ビームによって、所望の大きさの孔、線が基材2に形成されたか否かを判定できようにしてよい。
制御部1186は、操作入力部1181の指示、あるいは、画像データなどに基づいて、各部へ各種条件を設定する。さらに、操作入力部1181などから入力される使用者の指示などに応じて、XYZステージ1030および電子ビーム照射のための各部を制御できる。
また、上記制御部1186は、2次電子検出器制御部1111によってデジタル値に変換された2次電子検出器1091からの全ての検出信号を受け取る。該検出信号は、電子ビームが走査している位置、すなわち、電子ビームの偏向方向に応じて変化する。したがって、偏向方向と該検出信号とを同期させることにより、電子ビームの各走査位置における基材の表面形状を検出できる。制御部1186は、これらを走査位置に対応して再構成して、基材の表面の画像データを表示部1182上に表示できる。
上述のような構成を有する電子ビーム描画装置1000において、ローダ1040によって搬送された基材1002がXYZステージ1030上に載置されると、真空排気装置1070によって鏡筒1010及び筐体1011内の空気やダストなどを排気したした後、電子銃1012から電子ビームが照射される。
使用者は、例えば、操作入力部1181などを用いて、例えば描画領域、描画時間、電圧値等の描画の条件設定を指定することが好ましい。
描画が開始されると、電子銃1012から照射された電子ビームは、電子レンズ1016を介して偏向器1020により偏向され、偏向された電子ビームB(以下、この電子レンズ1016を通過後の偏向制御された電子ビームに関してのみ「電子ビームB」と符号を付与することがある)は、XYZステージ1030上の基材1002の表面、例えば曲面部(曲面)1002a上の描画位置に対して照射されることで描画が行われる。
この際に、測定装置1080によって、基材1002上の描画位置(描画位置のうち少なくとも高さ位置)、もしくは後述するような基準点の位置が測定され、電気操作制御系1101・描画制御系1120は、当該測定結果に基づき、電子レンズ1016のコイル1017a、1017b、1017cなどに流れる各電流値などを調整制御して、電子ビームBの焦点深度の位置、すなわち焦点位置を制御し、当該焦点位置が前記描画位置となるように移動制御される。
あるいは、測定結果に基づき、電気操作制御系1101・描画制御系1120は、ステージ駆動手段1050を制御することにより、前記電子ビームBの焦点位置が前記描画位置となるようにXYZステージ1030を移動させる。
また、本例においては、電子ビームの制御、XYZステージ1030の制御のいずれか一方の制御によって行っても、双方を利用して行ってもよい。
そして、走査により、基材2の表面より放出される2次電子を検出し、検出結果に基づいて、画像処理部1186bにより画像処理を施し、該領域の表面形状を示す像を表示部1182に表示する。
なお、装置としては、このような例に限らず、電子ビームによる描画と表面観測とを同時に行い、基材の表面に平行な平面の画像を順次取得し、3次元画像データとして蓄積すると共に、画像変換により任意の断面を得る構成を有してもよい。
次に、測定装置1080では、図13に示すように、第1のレーザー測長器1082により電子ビームと交差する方向から基材1002に対して第1の光ビームS1を照射し、基材1002を透過する第1の光ビームS1の受光によって、第1の光強度分布が検出される。
この際に、第1の光ビームS1は、基材1002の底部にて反射されるため、第1の強度分布に基づき、基材1002の平坦部1002b上の(高さ)位置が測定算出されることになる。しかし、この場合には、基材1002の曲面部1002a上の(高さ)位置を測定することができない。
そこで、本例においては、さらに第2のレーザー測長器1086を設けている。すなわち、第2のレーザー測長器1086によって、第1の光ビームS1と異なる電子ビームとほぼ直交する方向から基材1002に対して第2の光ビームS2を照射し、基材1002を透過する第2の光ビームS2が第2の受光部1088を介して受光されることによって、第2の光強度分布が検出される。
この場合、図14(A)〜(C)に示すように、第2の光ビームS2が曲面部1002a上を透過することとなるので、前記第2の強度分布に基づき、基材1002の平坦部より突出する曲面部1002a上の(高さ)位置を測定算出することができる。
具体的には、第2の光ビームS2がXY基準座標系における曲面部1002a上のある位置(x、y)の特定の高さを透過すると、この位置(x、y)において、図14(A)〜(C)に示すように、第2の光ビームS2が曲面部1002aの曲面にて当たることにより散乱光が生じ、この散乱光分の光強度が弱まることとなる。このようにして、第2の受光部1088にて検出された第2の光強度分布に基づき、位置が測定算出される。
そして、この基材の高さ位置を、例えば描画位置として、前記電子ビームの焦点位置の調整が行われ描画が行われることとなる。
(描画位置算出の原理の概要)
次に、電子ビーム描画装置1000における、描画を行う場合の原理の概要について、説明する。
先ず、基材1002は、図12(A)(B)に示すように、例えば樹脂等による光学素子例えば光レンズ等にて形成されることが好ましく、断面略平板状の平坦部1002bと、この平坦部1002bより突出形成された曲面をなす曲面部1002aと、を含んで構成されている。この曲面部1002aの曲面は、球面に限らず、非球面などの他のあらゆる高さ方向に変化を有する自由曲面であってよい。
このような基材1002において、予め基材1002をXYZステージ1030上に載置する前に、基材1002上の複数例えば3個の基準点P00、P01、P02を決定してこの位置を測定しておく(測定A)。これによって、例えば、基準点P00とP01によりX軸、基準点P00とP02によりY軸が定義され、3次元座標系における第1の基準座標系が算出される。ここで、第1の基準座標系における高さ位置をHo(x、y)(第1の高さ位置)とする。これによって、基材2の厚み分布の算出を行うことができる。
一方、基材1002をXYZステージ1030上に載置した後も、同様の処理を行う。すなわち、図12(A)に示すように、基材1002上の複数例えば3個の基準点P10、P11、P12を決定してこの位置を測定しておく(測定B)。これによって、例えば、基準点P10とP11によりX軸、基準点P10とP12によりY軸が定義され、3次元座標系における第2の基準座標系が算出される。
さらに、これらの基準点P00、P01、P02、P10、P11、P12により第1の基準座標系を第2の基準座標系に変換するための座標変換行列などを算出して、この座標変換行列を利用して、第2の基準座標系における前記Ho(x、y)に対応する高さ位置Hp(x、y)(第2の高さ位置)を算出して、この位置を最適フォーカス位置、すなわち描画位置として電子ビームの焦点位置が合わされるべき位置とすることとなる。これにより、上述の基材1002の厚み分布の補正を行うことができる。
なお、上述の測定Bは、電子ビーム描画装置1000の測定手段である測定装置1080を用いて測定することができる。
そして、測定Aは、予め別の場所において他の測定装置を用いて測定しおく必要がある。このような、基材1002をXYZステージ1030上に載置する前に予め基準点を測定するための測定装置としては、上述の測定装置1080と全く同様の構成の測定装置を採用することができる。
この場合、測定結果は、不図示のネットワークを介してデータ転送されて、メモリハードディスク1183などに格納されることとなる。もちろん、この測定装置が不要となる場合も考えられる。
上記のようにして、描画位置が算出されて、電子ビームの焦点位置が制御されて描画が行われることとなる。
具体的には、図12(C)に示すように、電子ビームの焦点深度FZ(ビームウエストBW)の焦点位置を、3次元基準座標系における単位空間の1フィールド(m=1)内の描画位置に調整制御する。(この制御は、上述したように、電子レンズ1016による電流値の調整もしくはXYZステージ1030の駆動制御のいずれか一方又は双方によって行われる。)なお、本例においては、1フィールドの高さ分を焦点深度FZより長くなるように、フィールドを設定してあるがこれに限定されるものではない。ここで、焦点深度FZとは、電子レンズを介して照射される電子ビームBにおいて、ビームウエストBWが有効な範囲の高さを示す。
なお、電子ビームBの場合、電子レンズの幅D、電子レンズよりビームウエスト(ビーム径の最も細い所)BWまでの深さfとすると、D/fは、0.01程度であり、例えば50nm程度の解像度を有し、焦点深度は例えば数十μ程度ある。
そして、図12(C)に示すように、例えば1フィールド内をY方向にシフトしつつ順次X方向に走査することにより、1フィールド内の描画が行われることとなる。さらに、1フィールド内において、描画されていない領域があれば、当該領域についても、上述の焦点位置の制御を行いつつZ方向に移動し、同様の走査による描画処理を行うこととなる。
次に、1フィールド内の描画が行われた後、他のフィールド、例えばm=2のフィールド、m=3のフィールドにおいても、上述同様に、測定や描画位置の算出を行いつつ描画処理がリアルタイムで行われることとなる。このようにして、描画されるべき描画領域について全ての描画が終了すると、基材1002の表面における描画処理が終了することとなる。なお、本例では、この描画領域における曲面部の表面の曲面に該当する部分を被描画面としている。
さらに、上述のような各種演算処理、測定処理、制御処理などの処理を行う処理プログラムは、ハードディスク1183に予め制御プログラムとして格納されることとなる。
また、電子ビーム描画装置1100のハードディスク1183には、形状記憶テーブルを有し、この形状記憶テーブルには、例えば基材1002の曲面部1002aに回折格子を傾けて各ピッチ毎に形成する際の走査位置に対するドーズ量の分布情報等を予め定義したドーズ分布の特性などに関するドーズ分布情報、各ピッチ毎に表面反射防止用の凹凸を形成する際に、当該凹凸部分のドーズ量に関するドーズ分布情報、ドーズ分布を補正演算したドーズ分布補正演算情報、その他の情報、これらの処理を行う処理プログラム(より詳細には、例えば後述する図16〜図18のS101〜S118までの一連の処理など)、前記ドーズ分布情報やドーズ分布補正演算情報などの情報をもとに、曲面部上の所定の傾斜角度におけるドーズ分布特性など演算により算出するためのドーズ分布演算プログラム、その他の処理プログラムなどを有している。
このような構成を有する制御系において、ドーズ分布情報は予めハードディスク1183の形状記憶テーブルなどに格納され、処理プログラムに基づいて、描画時に当該ドーズ分布情報を抽出し、そのドーズ分布情報によって種々の描画が行われることとなる。
なお、前記実施の形態のハードディスクによる本発明にいう格納手段を構成でき、制御部、描画制御系、電気操作・排気制御系により本発明にいう「制御手段」を構成できる。
この制御手段は、前記測定手段にて測定された前記描画位置に基づき、前記電子レンズの電流値を調整して前記電子ビームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御して前記基材の曲面部並びにホログラム構造部分の描画を行うように制御する。
また、制御手段は、前記測定手段にて測定された前記描画位置に基づき、前記電子レンズの電流値を調整して前記電子ビームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御して前記基材の曲面部並びに複屈折位相構造部分の描画を行うように制御する。
さらに、前記測定手段にて測定された前記描画位置に基づき、前記駆動手段により前記載置台を昇降させて、前記電子ビーム照射手段にて照射された電子ビームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御して前記基材の曲面部並びに複屈折位相構造部分の描画を行うように制御する。
くわえて、測定手段が、前記第1の基材上にホログラム構造を形成する際には、前記第1の基材上に描画される描画位置を測定し、前記第2の基材上に複屈折位相構造を形成する際には、前記第2の基材上に描画される描画位置を測定する場合に、前記格納手段は、前記第2の基材の曲面部上に複屈折位相構造を形成する際に、曲面部上の傾斜位置に応じて傾斜する回折格子の各ピッチ部分のドーズ量を加味した走査位置に対するドーズ量分布を予め定義したドーズ分布の特性を格納する。
この際、制御手段は、前記第1の基材に曲面部並びにホログラム構造を描画する場合には、前記測定手段にて測定された前記描画位置に基づき、前記電子レンズの電流値を調整して前記電子ビームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御し、前記第2の基材に曲面部並びに複屈折位相構造を描画する場合には、前記測定手段にて測定された前記描画位置に基づき、前記電子レンズの電流値を調整して前記電子ビームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御するとともに、前記焦点位置における焦点深度内について、前記格納手段の前記ドーズ分布の特性に基づいて、当該ドーズ量を算出しつつ前記基材の曲面部上並びに複屈折位相構造部分の描画を行うように制御する。これにより、前記第1、第2の基材を各々独立して描画し、描画後の工程にて前記第1、第2の基材を1つの基材として生成する。
さらに、測定手段が前記第1の基材上にホログラム構造を形成する際には、前記第1の基材上に描画される描画位置を測定し、前記第2の基材上に回折格子構造を形成する際には、前記第2の基材上に描画される描画位置を測定する場合には、前記格納手段は、前記第2の基材の曲面部上に回折格子構造を形成する際に、曲面部上の傾斜位置に応じて傾斜する回折格子の各ピッチ部分のドーズ量を加味した走査位置に対するドーズ量分布を予め定義したドーズ分布の特性を格納する。
この際、制御手段は、前記第1の基材に曲面部並びにホログラム構造を描画する場合には、前記測定手段にて測定された前記描画位置に基づき、前記電子レンズの電流値を調整して前記電子ビームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御し、前記第2の基材に曲面部並びに回折格子構造を描画する場合には、前記測定手段にて測定された前記描画位置に基づき、前記電子レンズの電流値を調整して前記電子ビームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御するとともに、前記焦点位置における焦点深度内について、前記格納手段の前記ドーズ分布の特性に基づいて、当該ドーズ量を算出しつつ前記基材の曲面部上並びに回折格子構造部分の描画を行うように制御する。これにより、前記第1、第2の基材を各々独立して描画し、描画後の工程にて前記第1、第2の基材を1つの基材として生成する。
(他の制御系の構成)
次に、描画ラインを描画する際に、例えば、前記円描画を正多角形で近似して直線的に走査する場合の各種処理を行なうための制御系の具体的構成について、図15を参照しつつ説明する。図15には、本実施の形態の電子ビーム描画装置の制御系の詳細な構成が開示されている。
電子ビーム描画装置においては、図15に示すように、例えば円描画時に正多角形(不定多角形を含む)に近似するのに必要な(円の半径に応じた)種々のデータ(例えば、ある一つの半径kmmの円について、その多角形による分割数n、各辺の位置各点位置の座標情報並びにクロック数の倍数値、さらにはZ方向の位置などの各円に応じた情報等)、さらには円描画に限らず種々の曲線を描画する際に直線近似するのに必要な種々のデータ、各種描画パターン(矩形、三角形、多角形、縦線、横線、斜線、円板、円周、三角周、円弧、扇形、楕円等)に関するデータを記憶する描画パターン記憶手段である描画パターンデータ1183aと、前記描画パターンデータ1183aの描画パターンデータに基づいて、描画条件の演算を行う描画条件演算手段1186cと、前記描画条件演算手段1186cから(2n+1)ライン((n=0、1、2・・)である場合は(2n+1)であるが、(n=1、2、・・)である場合は(2n−1)としてもよい)乃ち奇数ラインの描画条件を演算する(2n+1)ライン描画条件演算手段1186dと、前記描画条件演算手段1186cから(2n)ライン乃ち偶数ラインの描画条件を演算する(2n)ライン描画条件演算手段1186eと、を有する。
なお、描画パターンデータ1183aはハードディスク1183に、描画条件演算手段1186c・(2n+1)ライン描画条件演算手段1186d・(2n)ライン描画条件演算手段1186e等は制御部1186に構成することが好ましい。
電子ビーム描画装置の制御系1300は、図15に示すように、(2n+1)ライン描画条件演算手段1186dに基づいて1ラインの時定数を設定する時定数設定回路1312と、(2n+1)ライン描画条件演算手段1186dに基づいて1ラインの始点並びに終点の電圧を設定する始点/終点電圧設定回路1313と、(2n+1)ライン描画条件演算手段1186dに基づいてカウンタ数を設定するカウンタ数設定回路1314と、(2n+1)ライン描画条件演算手段1186dに基づいてイネーブル信号を生成するイネーブル信号生成回路1315と、奇数ラインの偏向信号を出力するための偏向信号出力回路1320と、を含んで構成されている。
さらに、制御系1300は、(2n)ライン描画条件演算手段1186eに基づいて1ラインの時定数を設定する時定数設定回路1332と、(2n)ライン描画条件演算手段1186eに基づいて1ラインの始点並びに終点の電圧を設定する始点/終点電圧設定回路1333と、(2n)ライン描画条件演算手段1186eに基づいてカウンタ数を設定するカウンタ数設定回路1334と、(2n)ライン描画条件演算手段1186eに基づいてイネーブル信号を生成するイネーブル信号生成回路1335と、偶数ラインの偏向信号を出力するための偏向信号出力回路1340と、描画条件演算手段1186aでの描画条件と、奇数ラインの偏向信号出力回路1320並びに偶数ラインの偏向信号出力回路1340からの情報とに基づいて、奇数ラインの処理と偶数ラインの処理とを切り換える切換回路1360と、を含んで構成されている。
奇数ラインの偏向信号出力回路1320は、走査クロックと、カウンタ数設定回路314からの奇数ラインカウント信号と、イネーブル信号発生回路1315のイネーブル信号とに基づいてカウント処理を行う計数手段であるカウンタ回路1321と、カウンタ回路1321からのカウントタイミングと、始点/終点電圧設定回路1313での奇数ライン描画条件信号とに基づいて、DA変換を行うDA変換回路1322と、このDA変換回路1322にて変換されたアナログ信号を平滑化する処理(偏向信号の高周波成分を除去する等の処理)を行う平滑化回路1323と、を含んで構成される。
偶数ラインの偏向信号出力回路1340は、走査クロックと、カウンタ数設定回路1334からの偶数ラインカウント信号と、イネーブル信号発生回路1335のイネーブル信号とに基づいてカウント処理を行う計数手段であるカウンタ回路1341と、カウンタ回路1341からのカウントタイミングと、始点/終点電圧設定回路1333での偶数ライン描画条件信号とに基づいて、DA変換を行うDA変換回路1342と、このDA変換回路1342にて変換されたアナログ信号を平滑化する処理を行う平滑化回路1343と、を含んで構成される。
また、これら制御系1300は、X偏向用の制御系とY偏向用の制御系を各々形成する構成としてもよい。
上記のような構成を有する制御系1300は、概略次のように作用する。すなわち、描画条件演算手段1186cが描画パターンデータ1183aから直線近似による走査(描画)に必要な情報を取得すると、所定の描画条件の演算処理を行ない、例えば一つの円に対して正多角形の各辺に近似された場合の各辺のうち最初の辺、奇数番目のラインに関する情報は、(2n+1)ライン描画条件演算手段186dへ、次の辺、偶数番目のラインに関する情報は、(2n)ライン描画条件演算手段186eへ各々伝達される。
これにより、例えば、(2n+1)ライン描画条件演算手段1186dは、奇数ラインに関する描画条件を生成し、走査クロックと生成された奇数ライン描画条件生成信号とに基づいて、偏向信号出力回路1320から奇数ライン偏向信号を出力する。
一方、例えば、(2n)ライン描画条件演算手段1186eは、偶数ラインに関する描画条件を生成し、走査クロックと生成された偶数ライン描画条件生成信号とに基づいて、偏向信号出力回路1340から偶数ライン偏向信号を出力する。
これら奇数ライン偏向信号と偶数ライン偏向信号は、描画条件演算手段1186cのもとに切換回路1360によって、その出力が交互に切り換わる。したがって、ある一の円について、正多角形に近似され、各辺が算出されると、ある一つの辺、奇数番目の辺が描画されると、次の辺、偶数番目の辺が描画され、さらに次ぎの辺、奇数番目の辺が描画される、という具合に交互に各辺が直線的に描画(走査)されることとなる。
そして、ある一の円について描画が終了すると、描画条件演算手段1186cは、その旨をブランキング制御部1161に伝達し、他の次の円を描画するように促す処理を行なう。このようにして、各円について多角形で近似した描画を行うこととなる。
このようにして、電子ビームにて描画される第1の基材に対して、前記電子ビームを走査することにより前記第1の基材の描画を行い、前記第1の基材の一面に曲面部を形成し、かつ、当該曲面部に対してホログラム構造となる断面略凹凸形状の平面略円状の描画ラインを、前記第1の基材に対する前記電子ビームの焦点位置の相対移動による高さ方向の位置調整を行いつつ、面方向の位置調整を行いながら描画を行う。
さらには、電子ビームにて描画される第2の基材に対して、前記電子ビームを走査することにより前記第2の基材の描画を行い、前記第2の基材の一面に曲面部を形成し、かつ、当該曲面部に対して波長板構造(複屈折位相構造)となる回折格子構造たる断面略凹凸形状の平面略円状の描画ラインを、前記第1の基材に対する前記電子ビームの焦点位置の相対移動による高さ方向の位置調整を行いつつ、面方向の位置調整を行いながら描画を行う。
これにより、第1、第2の基材を各々独立して描画し、描画後の工程にて前記第1、第2の基材を1つの基材として生成することができる。なお、第1の基材上にホログラム構造を形成し、第2の基材上に回折格子構造を形成する場合も同様である。
(処理手順について)
次に、上述のような構成を有する基材を、3次元的に描画可能な電子ビーム描画装置を用いて作成する際の処理手順について、図16〜図18を参照しつつ説明する。
先ず、母型材(基材)をSPDT(Single Point Diamond Turning:超精密加工機によるダイアモンド切削)により非球面の加工を行う際に、同心円マークの同時加工を実施する(ステップ、以下「S」101)。この際、光学顕微鏡で、例えば±1μ以内の検出精度の形状が形成されることが好ましい。
次に、FIBにて例えば3箇所にアライメントマークを付ける(S102)。ここに、十字形状のアライメントマークは、電子ビーム描画装置内で±20nm以内の検出精度を有することが好ましい。
さらに、前記アライメントマークの、同心円マークとの相対位置を光学顕微鏡にて観察し、非球面構造の中心に対する位置を測定し、データベース(DB)(ないしはメモリ(以下、同))へ記録しておく(S103)。なお、この測定精度は、±1μ以内であることが好ましく、中心基準とした3つのアライメントマークの位置、x1y1、x2y2、x3y3をデータベース(DB)へ登録する。
また、レジスト塗布/ベーキング後の母型(基材)の各部の高さとアライメントマークの位置(Xn、Yn、Zn)を測定しておく(S104)。ここで、中心基準で補正した母型(基材):位置テーブルTbl1(OX、OY、OZ)、アライメントマーク:OA(Xn、Yn、Zn)(いずれも3*3行列)を、データベース(DB)へ登録する。
次に、斜面測定用の測定装置(高さ検出器)の測定ビームの位置に電子線のビームをフォーカスしておく等その他各種準備処理を行う(S105)。
この際、ステージ上に取り付けたEB(電子ビーム)フォーカス用針状の較正器に高さ検出用の測定ビームを投射すると共に、SEMモードにて電子ビーム描画装置で観察し、フォーカスを合わせる。
次いで、母型(基材)を電子ビーム描画装置内へセットし、アライメントマークを読み取る(XXn、YYn、ZZn)(S106)。この際に、電子ビーム描画装置内においては、S106に示されるような各値をデータベース(DB)に登録することとなる。
さらに、母型(基材)の形状から、最適なフィールド位置を決定する(S107)。ここで、フィールドは同心円の扇型に配分するフィールド同士は、若干重なりを持たせる。そして、中央で第一輪帯内はフィールド配分しない。
そして、各フィールドについて、隣のフィールドのつなぎアドレスの計算を行う(S108)。この計算は平面として計算を行う。なお、多角形の1つの線分は、同一フィールド内に納める。ここに、「多角形」とは、上述の制御系の項目で説明したように、円描画を所定のn角形で近似した場合の少なくとも1本の描画ラインをいう。
次に、対象とするフィールドについて、焦点深度領域の区分として、同一ラインは、同じ区分に入るようにする。また、フィールドの中央は、焦点深度区分の高さ中心となる(S109)。ここに、高さ50μ以内は、同一焦点深度範囲とする。
次いで、対象とするフィールドについて、同一焦点深度領域内での(x、y)アドレスの変換マトリクス(Xc、Yc)を算出する(S110)。このXc、Ycは各々図示の式(16)の通りとなる。
さらに、対象とするフィールドについて、となりとのつなぎアドレスを換算する(S111)。ここで、S108にて算出したつなぎ位置をS110の式(16)を用いて換算する。
そして、対象とするフィールドについて、中心にXYZステージを移動し、高さをEB(電子ビーム)のフォーカス位置に設定する(S112)。つまり、XYZステージにてフィールド中心にセットする。また、測定装置(高さ検出器)の信号を検出しながら、XYZステージを移動し、高さ位置を読み取る。
また、対象とするフィールドについて、一番外側(m番目)の同一焦点深度内領域の高さ中心に電子ビーム(EB)のフォーカス位置に合わせる(S113)。具体的には、テーブルBを参照し、XYZステージを所定量フィールド中心の高さ位置との差分を移動する。
次に、対象とする同一焦点深度内について、一番外側(n番目)のラインのドーズ量及び多角形の始点、終点の計算をする(S114)。そして、一定のドーズにて線描画することとなる(S115)。そして、上記S113からS115を規定回数実施する(S116)。
次に、XYZステージの移動、次のフィールドの描画を行う準備を行う(S117)。この際、フィールド番号、時間、温度などデータベース(DB)への登録を行う。
このようにして、前記S109からS117を規定回数実施する(S118)ことで、電子ビームにより曲面部に偏光分離構造を有する基材、ないしは、複屈折位相構造を有する基材の形成を行うことができる
以上のように本実施の形態によれば、3次元的な描画で曲面部を描画する際にあわせ、サブ波長オーダーの凹凸による周期構造を描画し、前記基材にホログラム構造を形成することにより、最終的に、一面にホログラム構造を備えた光レンズなどを形成することも可能となることから、従来のホログラム板に変えて各種機器に適用することもできよう。
前記基材に基づいて金型を構成することにより、射出成形による最終成形品としてホログラム構造を有した素子を、順次量産できるからである。従って、従来のように、ホログラム板を一つ一つ形成する際の各プロセスにおける手間、時間を鑑みると、製造コストの大幅な低減並びに生産性の向上を図ることができる。
また、前記基材に複屈折位相構造を形成することにより、最終的に、一面に複屈折位相構造たる波長板機能を備えた光レンズなどを形成することも可能となることから、従来の波長板に変えて各種機器に適用することもできよう。
前記基材に基づいて金型を構成することにより、射出成形による最終成形品として波長板機能を有した素子を、順次量産できるからである。従って、従来のように、波長板を一つ一つ形成する際の各プロセスにおける手間、時間を鑑みると、製造コストの大幅な低減並びに生産性の向上を図ることができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明にかかる第2の実施の形態について、図19〜図21に基づいて説明する。なお、以下には、前記第1の実施の形態の実質的に同様の構成に関しては説明を省略し、異なる部分についてのみ述べる。
上述の第1の実施の形態では、電子ビームにより基材上にホログラム構造などの精密加工を施す工程を開示したが、本実施の形態では、上記工程を含むプロセス全体の工程、特に、光学素子等の光レンズを射出成形によって製造するための金型等を製造する工程を説明する。
(ホログラム構造を有する金型の作成工程)
先ず、機械加工により金型(無電解ニッケル等)の非球面加工を行う(加工工程)。次に、図19(A)に示すように、金型により前記半球面を有する基材200の樹脂成形を行う(樹脂成形工程)。さらに、基材200を洗浄した後に乾燥を行う。
次いで、樹脂の基材200の表面上の処理を行う(樹脂表面処理工程)。具体的には、図19(B)に示すように、基材200の位置決めを行い、塗布材であるレジストLを滴下しつつスピナーを回転させて、スピンコートを行う。また、プリペークなども行う。
スピンコーティングの後には、当該レジスト膜の膜厚測定を行い、レジスト膜の評価を行う(レジスト膜評価工程)。そして、図19(C)に示すように、基材200の位置決めを行い、当該基材200をX、Y、Z軸にて各々制御しつつ前記第1の実施の形態のように3次元の電子ビームによりホログラム構造202を有する曲面部の描画を行う(描画工程)。
次に、基材200上のレジスト膜Lの表面平滑化処理を行う(表面平滑化工程)。さらに、図19(D)に示すように、基材200の位置決めなどを行いつつ、現像処理を行う(現像工程)。さらにまた、表面硬化処理を行う。
次いで、SEM観察や膜厚測定器などにより、レジスト形状を評価する工程を行う(レジスト形状評価工程)。さらに、その後、ドライエッチングなどによりエッチング処理を行う。
この際、ホログラム構造202のJ部を拡大すると、凸部202aと凹部202bとを有し、さらにF部を拡大した図においては、ホログラム構造202は、第1の幅d1を有する凸部202aと、前記第1の幅d1と異なる第2の幅d2を有する凹部202bを有し間隔をおいて複数形成される。
次に、表面処理がなされた基材200に対する金型204を作成するために、図20(A)に示すように、金型電鋳前処理を行った後、電鋳処理などを行い、図20(B)に示すように、基材200と金型204とを剥離する処理を行う。
表面処理がなされた基材と剥離した金型204に対して、表面処理を行う(金型表面処理工程)。そして、金型204の評価を行う。
この際、金型204には、K部を拡大して示すと、前記基材200の凸部、凹部に対応するように、凹部205a、凸部205bからなる構造205が形成されることとなる。
(複屈折位相差構造の金型の作成工程)
次に、ホログラム構造を形成する場合と同様にして、複屈折位相構造たる波長板の機能を有する基材を構成するための金型を作成する。
そして、図21に示すように、曲面部上にホログラム構造を形成可能な金型204と、曲面部上に複屈折位相構造を形成可能な金型224とを互いに対向配設した上で、射出成形を行う。
この際、一方の金型204には、K部を拡大して示すと、ホログラム構造として機能するように寸法設定された基材上の凸部、凹部に対応するように、凹部205a、凸部205bからなる構造205が形成されることとなる。
他方の金型224も同様にして、複屈折位相構造として機能するように寸法設定された基材上の凸部、凹部に対応するように、凹部凸部からなる構成が形成される。
このようにして、評価後、当該金型224、204を用いて、図21に示すように、射出成形により成形品を作成する。その後、当該成形品の評価を行う。
この際、図21に示すように、射出成形品250には、前記第1の実施の形態の基材同様の構成が完成され、一方の曲面部上に複数の非対称の凹凸からなるホログラム構造252が形成される。そして、J部を拡大して示すと、凸部252aと凹部252bとを有し、さらにF部を拡大した図においては、ホログラム構造252は、第1の幅d1を有する凸部252aと、前記第1の幅d1と異なる第2の幅d2を有する凹部252bを有して間隔をおいて複数形成される。
加えて、射出成形品250には、他方の曲面部上に複数の凹凸からなる複屈折位相構造256が形成される。そして、U部を拡大して示すと、第1の幅d5を有する凸部256aと、前記第1の幅d5より短い第2の幅d6を有する凹部256bとが交互に位置することで形成される周期構造を有する。なお、凸部256aの高さはd7にて形成されているものとする。
以上のように、本実施の形態によれば、前記第1の実施の形態の基材として光学素子(例えばレンズ)を形成する場合に、3次元描画装置を用いて曲面部を描画する際にあわせ、サブ波長オーダーの凹凸からなるホログラム構造を描画し、金型形状としてホログラム構造を成形させる様にし、当該光学素子を金型を用いて射出成形により製造できるため、製造にかかるコストダウンを図ることができる。
また、金型としてホログラム機能を持った構造を附加することにより、レンズを射出成形する際に、同時に機能附加でき、プロセスの追加の必要がない。このため、金型自体のコストアップ、ショット可能数(100万回程度)が増大するものの、従来のようにホログラム板たる偏光ビームスプリッタ等の基材1つ1つにプロセスを実施する場合に比べると大幅なコストダウン、工数の低減を図ることができる。
さらに、プラスチックレンズの射出成型の過程で、ホログラム構造を同時に作り込むことができるので、偏光分離素子の作成工程が不要になり、光学部品の低コスト化につながる。
特に、曲面部構造を持たない、射出成形で作成されるレンズにも適用でき、各種のステップを除くことにより、大幅なコスト低減を行うことが可能である。
加えて、前記第1の実施の形態の基材として光学素子(例えばレンズ)を形成する場合に、3次元描画装置を用いて曲面部を描画する際にあわせ、サブ波長オーダーの凹凸からなる複屈折位相構造を描画し、金型形状として複屈折位相離構造を成形させる様にし、当該光学素子を金型を用いて射出成形により製造できるため、製造にかかるコストダウンを図ることができる。
また、金型として波長板機能を持った構造を附加することにより、レンズを射出成形する際に、同時に機能附加でき、プロセスの追加の必要がない。このため、金型自体のコストアップ、ショット可能数(100万回程度)が増大するものの、従来のように波長板等の基材1つ1つにプロセスを実施する場合に比べると大幅なコストダウン、工数の低減を図ることができる。
さらに、プラスチックレンズの射出成型の過程で、波長板機能を同時に作り込むことができるので、波長板の作成工程が不要になり、光学部品の低コスト化につながる。
特に、曲面部構造を持たない、射出成形で作成されるレンズにも適用でき、各種のステップを除くことにより、大幅なコスト低減を行うことが可能である。
[第3の実施の形態]
次に、本発明にかかる第3の実施の形態について、図22に基づいて説明する。
上述の実施の形態では、一方の曲面部にバイナリーパターンの凹凸部からなる回折格子構造たるホログラム構造を形成し、他方の曲面部にバイナリーパターンの凹凸部からなる回折格子構造たる複屈折位相構造を有する光学素子について説明したが、本実施の形態においては、一方の曲面部にバイナリーパターンの凹凸部からなる回折格子構造たるホログラム構造を形成、他方の曲面部にブレーズ状の回折格子構造を有する光学素子を形成する場合の例について開示している。
具体的には、基材420の一方側の曲面部420a上においては、図22に示すように、描画される描画パターンの一例として円描画が開示されており、被描画面に描画部分の一部であるE部分を拡大してみると、基材420は、複数の凹凸からなるホログラム構造422が形成されている。なお、基材420としては、光学素子例えば、ピックアップレンズ等にて構成することが好ましい。
ホログラム構造422は、該曲面部420aに入射する光は透過し、出射する光を、0次、1次、―1次の各光に回折偏光分離する機能を有し、凸部422aと凹部422bとを有する。
より詳細には、図22に示すF部を拡大した図に示すように、ホログラム構造422は、第1の幅d1を有する凸部422aと、前記第1の幅d1と異なる第2の幅d2を有する凹部422bを有し、間隔をおいて複数形成される。なお、周期内の構造を非対称にすることにより、垂直に出射する光に対して偏光分離を行うことができる。
本実施の形態の基材420では、曲面部420a上にこのような周期構造を構成することにより、当該構造を透過する光を、0次透過光、1次回折光、―1次回折光に分離することが可能となる。
ここに、図22におけるd1、d2、d3の具体的な数値としては、例えば、基材2の屈折率n=1.475、波長を400nmとすると、d1=200―0.36×200nm、d2=0.36×200nm、d3=2320nmとするのが好ましい。
ここまでは、第1の実施の形態同様である。本実施の形態においては、さらに、基材420の他方の面側の曲面部420bに回折格子構造であるブレーズ426を構成している。
具体的には、基材420の他方の曲面部420b側の一部を拡大してみると、基材420は、複数のブレーズ426からなる回折格子構造が形成されている。
ブレーズ426は、傾斜部426b及び側壁部426aを形成し、当該側壁部426bは、周方向に沿って平面状に複数形成されている。
より詳細には、基材420の他方の面側(裏面)は、少なくとも一面に形成された曲面部420bを有し、回折格子を傾けて各ピッチL1毎に形成し、この回折格子の少なくとも1ピッチL1に、当該ピッチの区切り目位置にて前記曲面部420aより立ち上がる側壁部426aと、隣接する各側壁部426a、426a間に形成された傾斜部426bと、側壁部426aと傾斜部426bとの境界領域に形成された溝部426cとが形成されている。そして、ブレーズ形状は、曲面部420bの周囲に向かうに従い傾斜する構成となることが好ましい。なお、この回折格子構造は、後述するように、曲面部420b上に塗布された塗布剤(レジスト)を描画することにより形成されることが好ましい。なお、傾斜部426bには、該傾斜部426bより入射する光の反射を防止する反射防止構造を形成してもよい。
以上のように本実施の形態においては、基材の一方の面にホログラム構造を形成し、他方の面に回折格子構造たる複数のブレーズを形成することにより、CD、DVD互換で光ピックアップ装置を適用できる。また、ブレーズが曲面部の周囲に向かうに従い、急となる構成とすることにより、格子密度による入射角度の増大に起因するピックアップ機能の低下を取り除くことができる。
[第4の実施の形態]
次に、本発明にかかる第4の実施の形態について、図23〜図25に基づいて説明する。
上述の第3の実施の形態では、基材の一方の曲面部上にホログラム構造を、他方の面にブレーズ状の回折格子構造を構成した例について開示したが、本実施の形態では、上記構造を製造するためのプロセス全体の工程、特に、光学素子等の光レンズを射出成形によって製造するための金型等を製造する工程を説明する。
なお、基材の一方の曲面部上に、ホログラム構造を構成する場合のプロセスについては、上記第2の実施の形態と同様であるので省略し、基材の他方の曲面部に回折格子構造を形成するための製造プロセスを中心に説明することとする。
先ず、機械加工により金型(無電解ニッケル等)の非球面加工を行う(加工工程)。次に、図23(A)に示すように、金型により前記半球面を有する基材430の樹脂成形を行う(樹脂成形工程)。さらに、基材430を洗浄した後に乾燥を行う。
次いで、樹脂の基材430の表面上の処理を行う(樹脂表面処理工程)。具体的には、図23(B)に示すように、基材430の位置決めを行い、塗布材たるレジストLを滴下しつつスピナーを回転させて、スピンコートを行う。また、プリペークなども行う。
スピンコーティングの後には、当該レジスト膜の膜厚測定を行い、レジスト膜の評価を行う(レジスト膜評価工程)。そして、図23(C)に示すように、基材430の位置決めを行い、当該基材430をX、Y、Z軸にて各々制御しつつ前記第1の実施の形態のように3次元の電子ビームにより回折格子構造を有する曲面部の描画を行う(描画工程)。
この際、回折格子構造たるブレーズを形成する際には、第1の実施の形態に示した図18のS114、S115を以下のように行うことが好ましい。
具体的には、対象とする同一焦点深度内について、一番外側(n番目)のラインのドーズ量及び多角形の始点、終点の計算をする。なお、スタート(始点)、エンド(終点)は、隣のフィールドとのつなぎ点とする(S114)。この際、始点、終点は整数にするものとし、ドーズ量は、ラジアル位置(入射角度)で決まった最大ドーズ量と格子の位置で決められた係数に最大ドーズ量を掛け合わせたもので表される。
次いで、S114で与えられたドーズによって決定されるドーズ分布DS(x、y)にて描画を行う(S115)。この際、斜面(傾斜部)のうち浅い部分(頂部)については、ドーズ分布DSは、ブロード、深い部分(溝部)はシャープにすることが好ましい。これにより、当該ドーズ分布を与えることにより、回折格子構造の描画の描画を(1回の走査によって)描画することができる。そして、S113からS115を規定回数実施し(S116)、XYZステージの移動、次のフィールドの描画を行う準備を行い(S117)、前記S109からS117を規定回数実施する(S118)ことで、電子ビームにより曲面部に回折格子構造を有する基材の形成を行うことができる。
図23に説明を戻すと、次に、基材430上のレジスト膜Lの表面平滑化処理を行う(表面平滑化工程)。さらに、図23(D)に示すように、基材430の位置決めなどを行いつつ、現像処理を行う(現像工程)。さらにまた、表面硬化処理を行う。
次いで、SEM観察や膜厚測定器などにより、レジスト形状を評価する工程を行う(レジスト形状評価工程)。さらに、その後、ドライエッチングなどによりエッチング処理を行う。
この際、回折格子構造432のW1部を拡大すると、傾斜部432b及び側壁部432aからなる複数のブレーズにて回折格子構造が形成されている。このブレーズは、周辺部に向かうに従い回折格子面の角度が急となるように形成することが好ましい。
次に、表面処理がなされた基材430に対する金型434を作成するために、図24(A)に示すように、金型電鋳前処理を行った後、電鋳処理などを行い、図24(B)に示すように、基材430と金型434とを剥離する処理を行う。
表面処理がなされた基材と剥離した金型434に対して、表面処理を行う(金型表面処理工程)。そして、金型434の評価を行う。
この際、金型434には、W2部を拡大して示すと、前記基材430のブレーズに対応するように、凹部436が形成され、これら各凹部436には、前記基材430の回折格子構造432のブレーズの孔部形状(傾斜部および側壁部)に対応するように、側壁部436aおよび傾斜部436bが形成されることとなる。
ここで、基材の一方の曲面部にホログラム構造、基材の他方の曲面部にブレーズ状の回折格子構造を有する場合には、前記評価後、当該金型434と前記第2の実施の形態の金型204とを相対向して配置し、図24(C)に示すように、射出成形により成形品を作成する。その後、当該成形品の評価を行う。
この際、図25に示すように、射出成形品450には、前記第3の実施の形態の基材同様の構成が完成される。具体的には、図25に示すように、基材450の一方の曲面部にホログラム452、基材450の他方の曲面部にブレーズ状の回折格子構造456が形成される。そして、J部を拡大して示すと、ホログラム構造452を構成する凹部452b、凸部452aが各々構成されることとなる。
さらに、F部を拡大した図においては、ホログラム構造452の凸部452aは、第1の幅d1を有する凸部452aと、前記第1の幅d1と異なる第2の幅d2を有する凹部452bを有し、間隔をおいて複数形成される。
また、他方の曲面部上においては、回折格子構造たるブレーズ456が形成されており、W3部を拡大して示すと、側壁部456a及び傾斜部456bよりなるブレーズ456が構成されることとなる。
以上のように本実施の形態によれば、3次元描画装置を用いて第1の基材の曲面部に対してホログラム構造を描画し、この第1の基材に基づいて第1の金型を作成する一方、第2の基材の曲面部に対して回折格子構造たるブレーズ形状を描画し、この第2の基材に基づいて第2の金型を作成し、この第1、第2の金型を相対応して配置して射出成形を行うことにより、基材の一方の曲面部上にホログラム構造を形成し、基材の他方の曲面部上に回折格子構造たるブレーズ形状を形成した一つの基材を構成することができる。
なお、上記実施の形態においては、回折格子構造を形成する形成面を曲面部上としてが、平面部上に回折格子構造を構成する場合であってもよい。また、ホログラム構造を平面部上に構成する場合であってもよい。
このようにして、光学素子を金型を用いて射出成形により製造できるため、製造にかかるコストダウンを図ることができる。また、金型としてホログラム構造、回折格子構造を持った構造を附加することにより、レンズを射出成形する際に、同時に機能附加でき、プロセスの追加の必要がない。このため、金型自体のコストアップ、ショット可能数(100万回程度)が増大するものの、従来のようにレンズ1つ1つに蒸着プロセスを実施する場合に比べると大幅なコストダウン、工数の低減を図ることができる。
さらに、プラスチックレンズの射出成型の過程で、ホログラム構造、回折格子構造を同時に作り込むことができるので、光学部品の低コスト化につながる。
[第5の実施の形態]
次に、本発明にかかる第5の実施の形態について、図26〜図27に基づいて説明する。図27は、本発明に係る第5の実施の形態を示す図である。
本実施の形態においては、上述の第1又は第3の実施の形態にて開示された基材(ないしは射出成形により樹脂成形された成形品である光学素子)の一方の面、あるいは他方の面、もしくは一方および他方の面に反射防止構造を形成する場合について開示してある。つまり、一方の曲面部のホログラム構造に反射防止構造を設け、他方の曲面部のブレーズ状の回折格子構造に反射防止構造を設けた場合を例示している。
(構成説明)
具体的には、図26に示すように、基材460の一方側の曲面部上においては、J部分を拡大してみると、基材460は、複数の凹凸からなるホログラム構造462が形成されている。なお、基材460としては、光学素子例えば、ピックアップレンズ等にて構成することが好ましい。
ホログラム構造462は、該曲面部460aに入射する光は透過し、出射する光を、0次、1次、―1次の各光に回折偏光分離する機能を有し、凸部462aと凹部462bとを有する。
より詳細には、図26に示すF部を拡大した図に示すように、ホログラム構造462は、第1の幅d1を有する凸部462aと、前記第1の幅d1と異なる第2の幅d2を有する凹部462bを有し、間隔をおいて複数形成される。なお、周期内の構造を非対称にすることにより、垂直に出射する光に対して偏光分離を行うことができる。
本実施の形態の基材460では、曲面部460a上にこのような周期構造を構成することにより、当該構造を透過する光を、0次透過光、1次回折光、―1次回折光に分離することが可能となる。
ここに、図26におけるd1、d2、d3の具体的な数値としては、例えば、基材2の屈折率n=1.475、波長を400nmとすると、d1=200―0.36×200nm、d2=0.36×200nm、d3=2320nmとするのが好ましい。
さらに加えて、凸部462aの頂部ならびに凹部462bの底壁部には、各々曲面部460aより入射する光の反射を防止する反射防止構造462baが各々形成されている。この反射防止構造462baは、構造性複屈折される複数の凹凸からなる形状とすることが好ましく、本実施の形態においては、例えば、複数の孔部462bbにより形成されている。この孔部462bbは、深さ方向に向かうに従い先細る形状であり、孔部462bbの開口径は、サブミクロン単位に形成され、曲面部460aの面積に対する孔部462bbの面積比は、略30%程度に形成されている。
なお、本実施の形態では、反射防止構造として、複数の孔部を設ける例について説明したが、このような形状に限定されるものではなく、反射防止構造を例えば複数の凸部形状にて形成する場合は、前記孔部と凸部とを組み合わせた例であってもよい。
一方、基材460の他方の曲面部側には、複数のブレーズからなる回折格子構造464が形成されている。
回折格子構造464のブレーズは、傾斜部464b及び側壁部464aを形成し、当該側壁部464bは、周方向に沿って平面状に複数形成されている。
より詳細には、図27に示すように、基材460の他方の曲面部上には、回折格子を傾けて各ピッチL1毎に形成し、この回折格子の少なくとも1ピッチL1に、当該ピッチの区切り目位置にて前記曲面部より立ち上がる側壁部464aと、隣接する各側壁部464a、464a間に形成された傾斜部464bと、側壁部464aと傾斜部464bとの境界領域に形成された溝部464cとが形成されている。なお、この回折格子構造は、曲面部上に塗布された塗布剤(レジスト)を描画することにより形成されることが好ましい。
図26に説明を戻すと、傾斜部464bには、該傾斜部464bより入射する光の反射を防止する反射防止構造464baが形成されている。この反射防止構造464baは、構造性複屈折される複数の凹凸からなる形状とすることが好ましく、本実施の形態においては、例えば、複数の孔部464bbにより形成されている。この孔部464bbは、深さ方向に向かうに従い先細る形状であり、孔部464bbの開口径は、サブミクロン単位に形成され、傾斜部464bの面積に対する孔部464bbの面積比は、略30%程度に形成されている。
なお、本実施の形態では、反射防止構造として、複数の孔部を設ける例について説明するが、このような形状に限定されるものではなく、反射防止構造を例えば複数の凸部形状で形成する場合は、前記孔部と凸部とを組み合わせた例であってもよい。
ここで、サブ波長構造をもつ周期格子は光波の透過、反射特性に強く影響するが、微小凹凸により反射防止効果を引き出すことができる。すなわち、光の反射は、屈折率の急激な変化により生じるが、平均屈折率は、前記テーパにより基材2の厚さ方向に対して徐々に変わっているため、連続的に屈折率は変化し、光が殆ど反射されない構成となる。
これにより、高密度な回折格子構造はそのままでは表面反射が大きくなるが、サブ波長オーダーの光の集団的な作用により、前記反射防止構造464ba、462baとして、連続的な屈折率分布をもたせる事により、反射を防止させることができる。
このように、3次元的な描画で回折格子を描画する際にあわせ、サブ波長オーダーのクラスター構造を描画し、前記基材2に表面反射を防止する構造を形成することにより、金型形状として反射防止構造を成形させる際に、コストを大幅に低減させることを可能にする。
また、高密度化に伴い、曲面部の曲率が大きくなったとしても、周辺部での表面反射を低減し、偏向の向きによる透過率の違いも低減できる。これにより、検出信号の読み取り処理においてピックアップ機能の低下が生じない。
さらに、DVD、CD互換、収差補正のために、回折格子を付与したものに関しても、格子密度による入射角度の増大に起因するピックアップ機能の低下を取り除くことができる。
(処理工程)
次に、前記のような構造を有する基材において、曲面部上のホログラム構造に反射防止構造を電子ビームにより描画する場合の処理手順について、図28ないし図29を用いて説明する。
なお、基材の曲面部上にホログラム構造を形成する場合や、基材の曲面部上に複屈折位相構造を形成する場合の基本的な描画手順に関しては、前記第1の実施の形態と同様なので、ここでは、反射防止構造を形成する点を中心に説明することとする。
つまり、前記第1の実施の形態の図16のS101から図18のS113までは同様であり、前記第1の実施の形態に示したS114、S115を以下のように行うことが好ましい。
すなわち、対象とする同一焦点深度内について、一番外側(n番目)のラインのドーズ量及び多角形の始点、終点の計算をする。なお、スタート(始点)、エンド(終点)は、隣のフィールドとのつなぎ点とする(S214)。この際、始点、終点は整数にするものとし、ドーズ量は、ラジアル位置(入射角度)で決まった最大ドーズ量と格子の位置で決められた係数に最大ドーズ量を掛け合わせたもので表される。
次いで、S214で与えられたドーズによって決定される、ドーズ分布DS(x、y)で、面積比S%の領域にドーズを重ねて与える(S215)。この際、近接効果を含め、この追加ドーズの広がりは、ブレーズの斜面(傾斜部)に収まるようにする。また、斜面(傾斜部)のうち浅い部分(頂部)については、ドーズ分布DSは、ブロード、深い部分(溝部)はシャープにし、例えば、図29(B)に示すようなドーズ分布とするのが好ましい。
これにより、当該ドーズ分布を与えることにより、回折格子構造の描画と反射防止構造の描画とをほぼ同時に(1回の走査によってともに)描画することができる。そして、上記S213からS215を規定回数実施する(S216)。
次に、XYZステージの移動、次のフィールドの描画を行う準備を行う(S217)。この際、フィールド番号、時間、温度などデータベース(DB)への登録を行う。
このようにして、前記S109、S110(図18)、S211からS217を規定回数実施する(S218)ことで、電子ビームにより曲面部に回折格子構造を有する基材への反射防止構造(クラスター)の形成を行うことができる
以上のように本実施の形態によれば、高密度な回折格子構造はそのままでは表面反射が大きくなるが、サブ波長オーダーの光の集団的な作用により、曲面部上にホログラム構造、あういは回折格子構造を有する基材上に前記反射防止構造として、連続的な屈折率分布をもたせる孔部を形成することにより、反射を防止させることができる。
また、高密度化に伴い、曲面部の曲率が大きくなったとしても、周辺部での表面反射を低減し、偏向の向きによる透過率の違いも低減できる。これにより、検出信号の読み取り処理においてピックアップ機能の低下が生じない。
さらに、DVD、CD互換、収差補正のために、回折格子を付与したものに関しても、格子密度による入射角度の増大に起因するピックアップ機能の低下を取り除くことができる。
なお、前記反射防止構造としては、上述したように種々のものが考えられるが、特に深さ方向に向かうに従い先細るテーパを有する孔部を複数形成し、面積比を傾斜部の30%程度とすることが、表面反射率の低減に顕著となる。
[第6の実施の形態]
次に、本発明にかかる第6の実施の形態について、図30〜図31に基づいて説明する。
上述の第5の実施の形態では、電子ビームにより基材上に反射防止構造を含むホログラム構造、回折格子構造などの精密加工を施す工程を開示したが、本実施の形態では、上記工程を含むプロセス全体の工程、特に、光学素子等の光レンズを射出成形によって製造するための金型等を製造する工程を説明する。
先ず、機械加工により金型(無電解ニッケル等)の非球面加工を行う(加工工程)。次に、図30(A)に示すように、金型により前記半球面を有する基材500の樹脂成形を行う(樹脂成形工程)。さらに、基材500を洗浄した後に乾燥を行う。
次いで、樹脂の基材500の表面上の処理を行う(樹脂表面処理工程)。具体的には、図30(B)に示すように、基材500の位置決めを行い、レジストLを滴下しつつスピナーを回転させて、スピンコートを行う。また、プリペークなども行う。
スピンコーティングの後には、当該レジスト膜の膜厚測定を行い、レジスト膜の評価を行う(レジスト膜評価工程)。そして、図30(C)に示すように、基材500の位置決めを行い、当該基材500をX、Y、Z軸にて各々制御しつつ前記第5の実施の形態のように3次元の電子ビームにより反射防止構造含むブレーズ状の回折格子構造502を有する曲面部の描画を行う(描画工程)。
次に、基材500上のレジスト膜Lの表面平滑化処理を行う(表面平滑化工程)。さらに、図30(D)に示すように、基材500の位置決めなどを行いつつ、現像処理を行う(現像工程)。さらにまた、表面硬化処理を行う。
次いで、SEM観察や膜厚測定器などにより、レジスト形状を評価する工程を行う(レジスト形状評価工程)。
さらに、その後、ドライエッチングなどによりエッチング処理を行う。この際、回折格子構造502のD部を拡大すると、傾斜部502b及び側壁部502aからなる複数のブレーズにて回折格子構造が形成されており、さらに傾斜部502bには、深さ方向に向かうに従い先細るテーパを有した複数の孔部502bbからなる反射防止構造が形成される。この複数の孔部502bbは、傾斜部502bの面積の約30%(さらに好ましくは、ほぼ20%〜40%の範囲)を形成している。このブレーズは、周辺部に向かうに従い回折格子面の角度が急となるため、孔部のテーパの角度も回折格子面の角度変化に応じて変化する角度にて形成することが好ましい。
次に、表面処理がなされた基材500に対する金型504を作成するために、図31(A)に示すように、金型電鋳前処理を行った後、電鋳処理などを行い、図31(B)に示すように、基材500と金型504とを剥離する処理を行う。
表面処理がなされた基材と剥離した金型504に対して、表面処理を行う(金型表面処理工程)。そして、金型504の評価を行う。
この際、金型504には、W4部を拡大して示すと、前記基材400のブレーズに対応するように、凹部505が形成され、これら各凹部505には、前記基材400の傾斜部502bの孔部形状に対応するように、複数の凸部506が形成されることとなる。
このようにして、評価後、当該金型504を用いて、図31に示すように、射出成形により成形品を作成する。その後、当該成形品の評価を行う。
この際、図31(C)に示すように、射出成形品510には、前記第5の実施の形態の基材同様の構成が完成され、曲面部上に複数のブレーズからなる回折格子構造511が形成される。そして、W5部を拡大して示すと、回折格子の1つのピッチが側壁部512b及び傾斜部512aからなるブレーズを構成し、この傾斜部512aには、サブミクロン単位の径を有する複数の孔部513からなる反射防止構造が構成される。
以上のように本実施の形態によれば、前記第5の実施の形態の基材として光学素子(例えばレンズ)を形成する場合に、3次元描画装置を用い回折格子を描画する際にあわせ、サブ波長オーダーのクラスター構造を描画し、金型形状として反射防止構造を成形させる様にし、当該光学素子を金型を用いて射出成形により製造できるため、製造にかかるコストダウンを図ることができる。
また、金型として反射防止機能を持った構造を附加することにより、レンズを射出成形する際に、同時に機能附加でき、プロセスの追加の必要がない。このため、金型自体のコストアップ、ショット可能数(100万回程度)が増大するものの、従来のようにレンズ1つ1つに蒸着プロセスを実施する場合に比べると大幅なコストダウン、工数の低減を図ることができる。
さらに、プラスチックレンズの射出成型の過程で、反射防止用の微細構造を同時に作り込むことができるので、誘電体の蒸着工程が不要になり、光学部品の低コスト化につながる。
特に、回折格子構造を持たない、射出成形で作成されるレンズにも適用でき、蒸着などのステップを除くことにより、大幅なコスト低減を行うことが可能である。
[第7の実施の形態]
次に、本発明にかかる第7の実施の形態について、図32に基づいて説明する。上述の実施の形態では、一方の曲面部にホログラム構造が形成されることを前提として、他方の平面又は曲面部に凹凸からなる複屈折位相構造たる波長板機能を形成する場合、ブレーズ状の回折格子構造を形成する場合について例示したが、他方の面側に、偏光分離構造を形成する場合であってもよい。
具体的には、図32に示すように、一方の曲面部上にホログラム構造を有する基材602上に描画される描画パターンの一例として円描画が開示されており、被描画面に曲面部602aを有する描画部分の一部であるE部分を拡大してみると、基材602は、複数の凹凸からなる偏光分離構造603が形成されている。
偏光分離構造603は、該曲面部602aに入射する光もしくは出射する光を、該光の進行方向と交差する面内で少なくとも互いに垂直な方向に振動する二つの偏光成分、TE波、TM波に偏光分離する機能を有し、凸部603aと凹部603bとを有する。
より詳細には、図32に示すF部を拡大した図に示すように、偏光分離構造603の凸部603aは、第1の幅d1を有する第1の凸部603aaと、前記第1の幅d1と異なる第2の幅d2を有する第2の凸部603abを有し、第1、第2の凸部603aa、603abとが間隔をおいて複数形成される。そして、第1の凸部603aaと第2の凸部603abの間には、幅狭の第1の凹部603ba、幅広の第2の凹部603bbが形成され、この第1、第2の凹部603ba、603bbとで凹部603bを構成する。なお、これら第1、第2の凸部603aa、603abは、各々高さd4に形成され、第1の凸部603aa、第2の凸部603ab、第1の凹部603ba、第2の凹部603bbを一つの長さd3を単位として、複数の周期構造が構成されることとなる。なお、周期内の構造を非対称にすることにより、垂直に入射する光に対しても偏光分離を行うことができる。
本実施の形態の基材602では、曲面部62a上にこのような周期構造を構成することにより、当該構造を透過する光を、TE波(進行方向に垂直な面内において磁界成分を有しない電界成分のみの波)、TM波(進行方向に垂直な面内において電界成分を有しない磁界成分のみ波)、に分離することが可能となる。
ここに、図32におけるd1、d2、d3、d4の具体的な数値としては、例えば、基材602の屈折率n=1.92、波長をλとすると、d1=0.25λ、d2=0.39λ、d3=2λ、d4=1.22λとするのが好ましい。
このように、曲面部602a上において、図32に示すような形状の凹凸による偏光分離構造603を構成することにより、光をTE波、TM波に偏光分離することが可能になる。なお、厳密には、TE波、TM波の透過率の配分比は、例えば、1次では、TE波が0.575で、TM波が0.036となり、0次では、TE波が0.031で、TM波が0.574となり、―1次では、TE波が0.036で、TM波が0.016となるが、―1次は無視し得るほど小さいので問題とはならない。
以上のように、3次元的な描画で曲面部を描画する際にあわせ、サブ波長オーダーの凹凸による周期構造を描画し、前記基材に偏光分離構造を形成することにより、最終的に、一面に偏光分離構造を備えた光レンズなどを形成することも可能となることから、従来の偏光分離素子に変えて各種機器に適用することもできよう。
というのも、前記基材に基づいて金型を構成することにより、射出成形による最終成形品として偏光分離構造を有した素子を、順次量産できるからである。従って、従来のように、偏光分離素子を一つ一つ形成する際の各プロセスにおける手間、時間を鑑みると、製造コストの大幅な低減並びに生産性の向上を図ることができる。
[第8の実施の形態]
次に、本発明にかかる第8の実施の形態について、図33に基づいて説明する。図33は、本発明に係る第8の実施の形態を示す機能ブロック図である。
本実施の形態においては、上述の電子ビーム描画装置にて描画された被描画基材(基材)(ないしは射出成形により樹脂成形された成形品である光学素子)を用いた電子機器の一例である光ピックアップ装置の一例を開示している。
図33において、光ピックアップ装置700は、不図示の半導体レーザー、DVD、CD等の光磁気ディスク701(光磁気記録媒体)、一方の面にホログラム構造703他方の面に複屈折位相構造たる波長板構造704を備えた樹脂製の前記第1の実施の形態と同様の構成の対物レンズ702、多分割光検出器710を有する。
なお、対物レンズ702の波長板構造704は、例えば1/4波長板と同等の機能を備えている。
上記のような構成を有する光ピックアップ装置700において、不図示の半導体レーザーからのレーザー光は、対物レンズ702よって回折限界まで集光されて光磁気ディスク701(光磁気記録媒体)に照射され、記録信号をピックアップして反射される。光磁気ディスク701からのレーザー反射光は、対物レンズ702に入光して平行光となり、波長板構造704を透過し偏光方位を変えた後、ホログラム構造703に入射し、このホログラム構造703にて常光は0次回折光として透過し、波長板構造704を透過してホログラム構造703に入射する入射光の偏光光は1次回折光、―1次回折光として回折して、0次、1次、―1次の各回折次数の3つの光束に分光され、多分割光検出器710に各々入射する。
多分割光検出器710の分離受光領域(受光素子)には、各々のスポットF、T、Sが形成され、1次回折光がF領域に入力することで焦点誤差(フォーカシング:FE<Focusing Error>)を検出し、0次透過光がT領域に入力することおよびー1次回折光がS領域に入力することによりトラッキング誤差を検出するように構成される。
なお、3つの各検出系は、具体的には、F領域(焦点誤差検出部)において、前記+1次回折光に基づいて、SSD法によりF1とF2の差動信号であるFE=F1―F2なる焦点誤差信号が算出され、これに基づいて焦点誤差が算出される。
さらに、T領域(第1トラッキング誤差検出部)においては、0次透過光に基づいて、FF法によりTE1=T1+T2―(T3+T4)なる第1トラッキング誤差信号が算出される。
一方、S領域(第2トラッキング誤差検出部)においては、―1次回折光に基づいて、CFF法によりTE2=S1―S2なる第2トラッキング誤差信号が算出される。
そして、以上の第1トラッキング誤差信号TE1と、第2トラッキング誤差信号TE2とに基づいて、演算部にてMCFF(Modified Correct FarField Detection)法によりTE=(TE1―TE2)/mなるトラッキング誤差信号が算出され、これに基づいてトラッキング誤差が算出される。
このように、0次、―1次、1次の各回折次数の光が各々焦点誤差、トラッキング誤差それぞれの誤差検出信号に用いられる。
以上のように本実施の形態においては、一面にホログラム構造、他方の面に波長板構造を備えた(一体形成された)光レンズを用いることにより、従来のような専用のホログラム板や波長板を使用する必要がなく部材点数、取付部品数を低減して大幅なコストダウンを図ることができる。
また、ホログラム板や波長板などの配設が不要となるために、部材配設の占有空間が低減され、光ピックアップ装置の小型化を図ることができ、さらには、ピックアップ装置の光学系にかかる調整が不要となる。
さらには、光ピックアップ装置においては、小型一体化を容易にし、トラッキング機構を単純化できる。
なお、上述の実施の形態においては、対物レンズの他方の面側に波長板構造を構成する場合について例示したが、前記波長板構造を設けない構成としてもよい。
また、0次光、―1次光をトラッキング、1次光をフォーカシングに利用する構成としたが、0次、―1次、1次の各光をいずれの機能に割り当てるかは任意である。
さらに、焦点誤差およびトラッキング誤差に限らず、カー信号読み取りと焦点誤差およびトラッキング誤差を検出するような他の種々の手法による光検出器の構成であってもよい。
[第9の実施の形態]
次に、本発明にかかる第9の実施の形態について、図34に基づいて説明する。図34は、本発明に係る第9の実施の形態を示す機能ブロック図である。
本実施の形態においては、上述の各実施の形態ないしはその変形例による基材(ないしは射出成形により樹脂成形された成形品である光学素子)を用いた電子機器の一例である光ピックアップ装置の一例を開示している。
図34において、光ピックアップ装置860は、半導体レーザー861、コリメートレンズ862(第1の光学素子)、分離プリズム863、対物レンズ864(第2の光学素子)、DVD、CD等の光磁気ディスク865(光磁気記録媒体)、集光レンズ866、分割光検出器868を有する。
このうち、本実施の形態においては、前記実施の形態のホログラム構造を含む光学素子を、(曲面部の有無は問わない)例えば、コリメータレンズ862に、上述の実施の形態の一面に複屈折位相構造(波長板の機能)を含む光学素子を、例えば、対物レンズ864に適用している。すなわち、コリメータレンズ862は、ホログラム構造862aを有し、対物レンズ864は、波長板構造864aを有する。
上記のような構成を有する光ピックアップ装置860において、半導体レーザー861からのレーザー光は、コリメータレンズ862で平行光となる。この際、ホログラム構造862aにて、0次、1次、―1次の各回折次数の光に分離される。これら光を含む平行光は、分離プリズム863を透過し、対物レンズ864によって回折限界まで集光されて光磁気ディスク865(光磁気記録媒体)に照射される。
この際、光磁気ディスク865には、図35に示すような、0次、1次、―1次の各光がピット又はランド上に照射される。
光磁気ディスク865からの0次、1次、―1次のレーザー反射光は、対物レンズ864に入光して再び平行光となる。この際、波長板構造864aにより、偏光方位を所定角度にて回転した後、分離プリズム863にて反射され、それぞれ集光レンズ866によって集光されて、0次、1次、―1次の各回折次数の光が分割光検出器868の分離受光領域(受光素子)にそれぞれのスポットを形成する。
このようにフォーカシング、トラッキングの各制御などに利用する各光を生成するための光学系に前記構造を利用することができる。
なお、対物レンズ864に回折格子構造をも構成することにより、互換性のあるCD、DVD互換における収差補正を行うことも可能である。この場合、回折格子構造たるブレーズが曲面部の周囲に向かうに従い、急となる構成とすることにより、格子密度による入射角度の増大に起因するピックアップ機能の低下を取り除くことができる。
以上のように本実施の形態においては、一面にホログラム構造、他方の面に波長板構造を備えた(一体形成された)光レンズを用いることにより、従来のような専用のホログラム板や波長板を使用する必要がなく部材点数、取付部品数を低減して大幅なコストダウンを図ることができる。
また、ホログラム板や波長板などの配設が不要となるために、部材配設の占有空間が低減され、光ピックアップ装置の小型化を図ることができ、さらには、ピックアップ装置の光学系にかかる調整が不要となる。
さらには、光ピックアップ装置においては、小型一体化を容易にし、トラッキング機構を単純化できる。
なお、本発明にかかる装置と方法は、そのいくつかの特定の実施の形態に従って説明してきたが、当業者は本発明の主旨および範囲から逸脱することなく本発明の本文に記述した実施の形態に対して種々の変形が可能である。
例えば、上述の各実施の形態では、一面に曲面部を有する基材の曲面部上にホログラム構造あるいは複屈折位相構造を形成する場合について説明したが、一面が平面の基材上に形成する場合であってももちろんよい。さらに、これに限らず、平面部上に回折格子を形成する場合も含む。
さらに、上述の実施の形態では、光レンズ等の光学素子の基材を、直接描画する場合について説明したが、樹脂等の光レンズを射出成形により形成するための成形型(金型)を加工する場合に、上述の原理や処理手順、処理手法を用いてもよい。
また、基材としては、DVDやCDなどに用いられるピックアップレンズの例を開示したが、一方の一面に回折格子のない対物レンズ、回折格子ピッチ20μのDVD―CD互換レンズ、回折格子ピッチ3μの高密度ブルーレーザー互換対物レンズなどに適用することも可能である。
さらに、基材として光学素子を用いる場合に、当該基材を有する電子機器としては、上述したDVD、CD等の読取装置に限らず、多の種々の光学機器ないしは電子機器であってもよい。つまり、前記のような構成の光ピックアップ装置に限らず、種々の光学機器ないしは電子機器にも応用することが可能であり、対物レンズに限定されるものではなく、他の種々のレンズ、例えば、集光レンズ、シリンドリカルレンズ等に各種のホログラム構造、あるいは、波長板構造、回折格子構造を形成する場合であってももちろんよい。この場合、光ピックアップ装置を含む光磁気ディスク装置に利用される光学系の構成としては、再生専用形、追記形、書換形等のいずれであってもよい。またさらに、フォーカシング誤差信号の検出には、非点収差法、フーコー法(ナイフエッジ法)、ビームサイズ法、臨界角法などにいずれであってもよい。トラッキング誤差信号の検出も3ビーム方式であっても、連続サーボ方式やサンプルサーボ方式のいずれでも構わない。
また、少なくとも曲面部を有する基材に対して、回折格子の少なくとも1ピッチ部分を傾けて形成する場合、基材に少なくとも溝部(あるいは稠密なピッチで溝部が形成される場合)を有する構成であってもよい。さらに、基材としては、曲面部を有しなくとも、少なくとも傾斜面が形成されているものであってもよい。また、基材が平面あるいは傾斜面であって、電子ビームを所定角度で傾斜した状態で照射する場合であってもよい。
また、基材上の複数の基準点を測定し、この測定結果に基づき基準座標系を算出し、この座標系をもとに基材の厚み分布を測定するステップを、電子ビーム照射中に行う構成としてもよい。さらに、厚み分布に基づき、最適焦点位置を算出する算出ステップ並びに描画位置に当該焦点位置を合わせるように調整するステップを、電子ビーム照射中に行う構成としてもよい。この場合、ある一の描画位置にて描画を行っている電子ビーム照射中に、他の描画位置での前記焦点位置の算出等の演算処理を行いつつ、次に電子ビーム照射に備える構成とすることが好ましい。また、電子ビーム照射中に算出ステップにて算出できるものとしては、基材の厚み分布の他、厚み分布の補正等の処理も含まれる。
また、基材の一方の面にホログラム構造、基材の他方の面に複屈折位相構造ないしは回折格子構造を形成する際に、第1、第2の基材、第1、第2の金型を用いる場合について例示したが、一つの厚みのある基材に対して一方の面に描画した後他方の面を描画し、一つに基材に対して金型を作成して製造する場合であってもよい。
また、上述の実施の形態では、一方の曲面部上にホログラム構造を形成し、他方の曲面部上にブレーズ状の回折格子構造を形成した場合において、前記ホログラム構造および前記回折格子構造上に各々反射防止構造を含む構成としたが、これに限らず、一方の曲面部上にホログラム構造を形成し、他方の曲面部上に複屈折位相構造たる波長板機能を形成した場合において、前記ホログラム構造および前記複屈折位相構造のいずれか一方又は双方に前記反射防止構造を含む構成としてもよい。特に、ブレーズにあっては傾斜部に、該傾斜部より入射する光の反射を防止する反射防止構造を形成し、バイナリーにあっては、凸部頂部および凹部底壁部に各々反射防止構造を形成することが好ましい。
なお、前記実施の形態においては、基材の一方の面にホログラム構造、基材の他方の面に回折格子構造を構成する場合について例示したが、当然のことながら、基材の一方の面に複屈折位相構造、基材の他方の面に回折格子構造を構成する場合であっても、もちろんよい。
さらに、一方の面は曲面で他方の面は平面でもよい。また、上述の各実施の形態では、一面に曲面部を有する基材の曲面部上に回折格子構造を形成する場合について説明したが、一面が平面の基材上に回折格子構造を形成する場合であってももちろんよい。
また、凹凸は、両面ともバイナリー構造であることが好ましいが、他方の面は、ブレーズであってもよい。
くわえて、少なくとも一方の面は曲面で、その曲面には何らかの微細構造を有し、表裏いずれかの面にホログラム構造を有すればよい。この際、光学素子としては、一面にホログラム構造を有していればよく、他方の面は、通常の曲面、平面、あるいは、回折格子構造、偏光板機能、波長板機能、等を有する面を備えた光学素子として形成するかは任意である。
当然のことながら、これら基材ないしは光学素子の形状に応じて金型の形状もそれに対応すうよう変更する必要がある。
加えて、上述した電子ビーム描画装置に限らず、複数の各電子ビームにより各々独立して多重描画可能に構成した場合であってもよい。例えば、基材上の一方の描画線を描画しつつ、他方の描画線を描画可能に形成する構成において、上述の描画手法を適用してもよい。
また、本発明において、「ホログラム構造」として、0次、―1次、1次の3つの回折次数に偏光分離するような場合を例に説明したが、任意の回折次数(例えば3以上)に偏光分離するように構成してももちろんよい。その場合、回折次数をm、格子の面内ピッチd、入射光の進行方向が格子面の法線となす角をθi、m次回折光の進行方向が格子面の法線となす角θdである際に、m=d(cosθi+cosθd)/λとすることが好ましい。なお、本発明にいう「ホログラム構造」とは、いわゆるホログラム板(0次、1次、―1次光を偏光分離する)としての機能のみならず、上述したような任意の回折次数の偏光分離を行う機能や球面波などを生成する機能等を含んでよい。
また、ホログラム構造を、バイナリーパターンとブレーズとを組み合わせて構成する(例えば、傾斜部及び側壁部と・凹部底壁・傾斜部及び側壁部が繰り返される構成)ようにしてもよい。
さらに、上記実施形態には種々の段階が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出され得る。つまり、上述の各実施の形態同士、あるいはそれらのいずれかと各変形例のいずれかとの組み合わせによる例をも含むことは言うまでもない。この場合において、本実施形態において特に記載しなくとも、各実施の形態及び変形例に開示した各構成から自明な作用効果については、当然のことながらその例においても当該作用効果を奏することができる。また、実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除された構成であってもよい。
そして、これまでの記述は、本発明の理解を容易にするために、本発明の実施の形態の一例を開示したものであり、前記実施の形態は例証するものであり制限するために記載されたものではなく、所定の範囲内で適宜変形及び/又は変更が可能である。従って、上記の実施の形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物を含む趣旨である。
本発明の実施の形態にかかる基材(光学素子)の概略構成の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる基材(光学素子)のホログラム構造の概略構成の一例を示す説明図である。 本発明の実施の形態にかかる基材(光学素子)の複屈折位相構造(波長板構造)の概略構成の一例を示す説明図である。 同図(A)(B)は、波長板構造によって生成される入射角0度のTM波、TE波の特性を示す説明図である。 同図(A)(B)は、波長板構造によって生成される入射角24度のTM波、TE波の特性を示す説明図である。 同図(A)(B)は、波長板構造によって生成される入射角46度のTM波、TE波の特性を示す説明図である。 同図(A)(B)は、ホログラム構造の他の態様例を説明するための説明図であり、(A)は光学系の回折次数を説明するための原理説明図、(B)は、構造断面図である。 図7のホログラム構造によって生成されるTE波の特性を示すための説明図である。 図7のホログラム構造によって生成されるTM波の特性を示すための説明図である。 ホログラム構造のさらに他の態様例を説明するための説明図である。 本発明の電子ビーム描画装置の全体の概略構成を示す機能ブロック図である。 同図(A)(B)は、図11の電子ビーム描画装置にて描画される基材を示す説明図であり、同図(C)は、描画原理を説明するための説明図である。 測定装置の原理を説明するための説明図である。 同図(A)〜(C)は、基材の面高さを測定する手法を説明するための説明図である。 電子ビーム描画装置のさらに詳細な制御系の構成の一例を示す機能ブロック図である。 本発明の電子ビーム描画装置にて基材を描画する場合の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の電子ビーム描画装置にて基材を描画する場合の処理手順を示すフローチャートである。 本発明の電子ビーム描画装置にて基材を描画する場合の処理手順を示すフローチャートである。 同図(A)〜(D)は、基材を用いて成形用の金型を形成し、基材を製造する場合の全体の処理手順を説明するための説明図である。 同図(A)(B)は、基材を用いて成形用の金型を形成し、基材を製造する場合の全体の処理手順を説明するための説明図である。 同図は、基材を用いて成形用の金型を形成し、基材を製造する場合の全体の処理手順を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態にかかる基材の概略構成の一例を示す説明図である。 同図(A)〜(D)は、基材を用いて成形用の金型を形成し、基材を製造する場合の全体の処理手順を説明するための説明図である。 同図(A)〜(C)は、基材を用いて成形用の金型を形成し、基材を製造する場合の全体の処理手順を説明するための説明図である。 同図は、基材を用いて成形用の金型を形成し、基材を製造する場合の全体の処理手順を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態にかかる基材の概略構成の一例を示す説明図である。 図26の基材の詳細を示す説明図である。 本発明の電子ビーム描画装置にて基材を描画する場合の処理手順を示すフローチャートである。 同図(A)は、描画パターンを示し、同図(B)は、ドーズ分布を示す説明図である。 同図(A)〜(D)は、基材を用いて成形用の金型を形成し、基材を製造する場合の全体の処理手順を説明するための説明図である。 同図(A)〜(C)は、基材を用いて成形用の金型を形成し、基材を製造する場合の全体の処理手順を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態にかかる基材の一面における概略構成の一例を示す説明図である。 本発明の基材(光学素子)を利用した光ピックアップ装置の概略構成の一例を示す説明図である。 本発明の基材(光学素子)を利用した光ピックアップ装置の概略構成の一例を示す説明図である。 図34の光ピックアップ装置内の光磁気ディスクと照射されるレーザー光との位置関係を示す説明図である。 従来の光ピックアップ装置の概略構成を概念的に示した説明図である。
符号の説明
2 対物レンズ(光学素子ないしは基材)
2a 曲面部(一方の面側)
2d 曲面部(他方の面側)
3 ホログラム構造
3a 凸部
3b 凹部
4 波長板構造
4a 凸部
4b 凹部
80 基材
420 基材
460 基材
700 光ピックアップ装置
701 光磁気ディスク
702 対物レンズ(光学素子)
703 ホログラム構造
704 波長板構造
710 多分割光検出器
860 光ピックアップ装置
862 コリメートレンズ(第1の光学素子)
863 分離プリズム
864 対物レンズ(第2の光学素子)
865 光磁気ディスク
855 集光レンズ
868 分割光検出器
1000 電子ビーム描画装置 1002 基材(被描画基材)
1002a 曲面部
1010 鏡筒
1012 電子銃
1014 スリット
1016 電子レンズ
1018 仕切弁
1019 コイル
1020 偏向器 1022 電子レンズ
1023 対物レンズ
1030 XYZステージ(載置台)
1040 ローダ
1050 ステージ駆動手段
1060 ローダ駆動装置
1070 真空排気装置
1080 第2の測定装置
1082 第1のレーザー測長器
1084 第1の受光部
1086 第2のレーザー測長器
1088 第2の受光部
1091 2次電子検出器
1092 微小電流計
1101 電気操作排気制御系
1102 TFE電子銃制御部
1104 集束レンズ制御部
1105 非点補正制御部
1106 対物レンズ制御部
1108 スキャン信号発生部
1111 2次電子検出制御部
1112 イメージ信号表示制御部
1113 真空排気制御回路
1114 制御部
1120 描画制御系
1122a 成形偏向部
1122b 副偏向部
1122c 主偏向部
1131 第1のレーザー測定制御回路
1132 第2のレーザー測定制御回路
1140 第1の測定算出部
1142 第2の測定算出部
1150 ステージ制御回路
1152 ローダ制御回路
1154 機構制御回路
1161 ビームブランキング制御部
1167 EB偏向制御部
1169 CPGインターフェース
1300 制御系
1180 情報処理ユニット
1181 操作入力部
1182 表示部
1183 ハードディスク
1186 制御部

Claims (7)

  1. ビームを走査することにより描画パターンが形成される被描画面を、少なくとも一方の面に有する基材であって、
    前記被描画面は、該被描画面より出射する光を、互いに異なる0次、1次、―1次の3方向に分光して各々出射するとともに、前記被描画面側から入射する入射光を透過するためのホログラム構造を有することを特徴とする基材。
  2. ビームを走査することにより第1の描画パターンが描画され一方の面に形成される第1の被描画面と、
    前記第1の被描画面と反対側の他方の面に形成され、前記第1の描画パターンと異なる第2の描画パターンが描画される第2の被描画面と、
    を備えた基材であって、
    前記第1の被描画面は、該第1の被描画面より出射する光を、互いに異なる0次、1次、―1次の3方向に分光して各々出射するとともに、前記被描画面側から入射する入射光を透過するためのホログラム構造を有し、
    前記第2の被描画面は、該光の進行方向と交差する面内で少なくとも互い垂直な方向に振動する各直線偏光のうち、一方の直線偏光と他方の直線偏光とに位相差を生じせしめる複屈折位相構造を有することを特徴とする基材。
  3. 電子ビームを走査することにより第1の描画パターンが描画され一方の面に形成された第1の被描画面と、
    前記第1の被描画面と反対側の他方の面に形成され、前記第1の描画パターンと異なる第2の描画パターンが描画される第2の被描画面と、
    を備えた基材であって、
    前記第1の被描画面は、該第1の被描画面より出射する光を、互いに異なる0次、1次、―1次の3方向に分光して各々出射するとともに、前記被描画面側から入射する入射光を透過するためのホログラム構造を有し、
    前記第2の被描画面は、前記第1の被描画面に入射し前記第2の被描画面より出者する光を回折する回折格子構造を有することを特徴とする基材。
  4. 光磁気記録媒体と、
    レーザー供給源からのレーザー光を集光し、集光された前記レーザー光を前記光磁気記録媒体照射するとともに、前記光磁気記録媒体上の反射光を分光する光学素子と、
    分光された各光に基づいて、トラッキング誤差、焦点誤差の各誤差検出を行うための各検出部を備えた多分割光検出器と、
    を有し、
    前記光学素子は、
    その一方の面側には、前記反射光を互いに異なる0次、1次、―1次の3方向の各回折光に分光して前記一方の面側から各々出射するとともに、前記一方の面側から入射する入射光を透過して他方の面側から出射することの可能なホログラム構造を有し、
    前記他方の面側には、光の進行方向と交差する面内で少なくとも互い垂直な方向に振動する各直線偏光のうち、一方の直線偏光と他方の直線偏光とに位相差を生じせしめる複屈折位相構造を有する、
    ことを特徴とする光ピックアップ装置。
  5. 光磁気記録媒体と、
    レーザー供給源からのレーザー光を平行光にする第1の光学素子と、
    前記平行光を収束させて前記光磁気記録媒体に照射する第2の光学素子と、
    前記光磁気記録媒体にて反射された前記レーザー光を前記第2の光学素子を介して受光する光検出器と、
    を含み、前記光検出器の出力に基づいて光磁気記録媒体上の記録情報を読み出し、
    前記第1の光学素子は、
    その一方の面側には、前記レーザー光を互いに異なる0次、1次、―1次の3方向の各回折光に分光して前記一方の面側から各々出射することの可能なホログラム構造を有することを特徴とする光ピックアップ装置。
  6. 電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、
    前記電子ビーム照射手段にて照射された電子ビームの焦点位置を可変とするための電子レンズと、
    前記電子ビームを照射することで描画される被描画面に曲面部を有する基材を載置する載置台と、
    前記基材の曲面部上に複屈折位相構造を形成する際に、前記基材上に描画される描画位置を測定するための測定手段と、
    前記測定手段にて測定された前記描画位置に基づき、前記電子レンズの電流値を調整して前記電子ビームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御して前記基材の曲面部並びに複屈折位相構造部分の描画を行うように制御する制御手段と、
    を含むことを特徴とする電子ビーム描画装置。
  7. 電子ビームを照射する電子ビーム照射手段と、
    前記電子ビームを照射することで描画される被描画面に曲面部を有する基材を載置する載置台と、
    前記載置台を駆動する駆動手段と、
    前記基材の曲面部上に複屈折位相構造を形成する際に、前記基材上に描画される描画位置を測定するための測定手段と、
    前記測定手段にて測定された前記描画位置に基づき、前記駆動手段により前記載置台を昇降させて、前記電子ビーム照射手段にて照射された電子ビームの焦点位置を前記描画位置に応じて可変制御して前記基材の曲面部並びに複屈折位相構造部分の描画を行うように制御する制御手段と、
    を含むことを特徴とする電子ビーム描画装置。
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