JP2009008673A - シアニン色素フォスフォアミダイト - Google Patents

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Abstract

【課題】新規色素を提供する。
【解決手段】化学式1で示す一般式を有するフォスフォアミダイト。
Figure 2009008673

この化学式において、各点線は、縮合した置換または非置換芳香族環を形成するために必要な炭素原子を表し、mは1から18までの整数であり、YおよびZは、S、O、N、CHおよびC(CHからなるグループから独立に選択され、Rはアルキル基であり、(PAM)はフォスフォアミダイト基であり、X(−)は陰イオンである。
【選択図】なし

Description

本発明は、一般的には、シアニン色素に関し、具体的には、シアニン色素フォスフォアミダイトと、それらの合成と、オリゴヌクレオチド標識における使用方法とに関する。
生物学医学研究に用いられる手順の多くは、プローブ、プライマー、リンカー、アダプターおよび遺伝子断片としてのオリゴヌクレオチドの利用に大きく依存している。これらの利用のいくつかは、「分子クローニング、実験マニュアル(MolecularCloning, A Laboratory Manual)」第2版(J.サンブルック(Sambrook)ら編、Cold Spring Harbor LaboratoryPress、1989年)および「分子生物学の最新プロトコール(Current Protocols In Molecular Biology)」(F.M.アウシュベル(Ausubel)ら編、CurrentPublications、1993年)のような周知の実験マニュアルに説明されている。
望ましい配列のオリゴヌクレオチドは、ヌクレオシドをリンを含む共有結合で結合することにより、合成される。最も慣用されるオリゴヌクレオチドの合成方法は、弱酸の存在下で、保護されたシアノエチルフォスフォアミダイトのモノマーにヌクレオシドを反応させること、このようにして形成されたリン酸結合を酸化させること、シアノエチル基を加水分解することを伴う(フォスフォアミダイト法によるオリゴヌクレオチド合成の進歩、ボーケージ(Beaucage)、S.L.およびアイアー(Iyer)、R.P.、Tetrahedron、1992年、48巻、2223−2311頁)。
自動化DNA配列決定および地図作成、in situでのハイブリダイゼーションの検出、PCR産物の検出および構造研究のような多くの用途では、標識されたオリゴヌクレオチドを必要とする。放射能標識が伝統的にこれらの用途に用いられていたが、近年では、ある種のシアニン色素が非常に強い蛍光を有し、生体分子の標識にとても有用であることが証明されてきた。
シアニン色素は、取り扱いの安全性と、より長波長での吸光性と、高い吸光率と、比較的高い量子効率と、小さい分子サイズと、化学的操作の容易性と、試薬、pHおよび温度に対する程よい安定性とを含む、多くの望ましい特性を有する。生物学的材料の蛍光バックグランドが低いこと、およびスペクトルのより長い方の波長でシアニン色素の吸光度が高いことのため、シアニン色素は優秀なシグナル対雑音比を与える。シアニン色素の発色団の部分の構造修飾を合成することにより、400から約1100nmまでの広い帯域の波長で吸光し発光する、異なる蛍光標識試薬を得ることができる。シアニン色素に取り込むことができる官能基の多目的性が、前記色素および標識生成物の溶解性の制御を可能にし、このような標識材料の検定用混合液の無関係な成分との非特異的な結合を低減するのに役立つ(ワゴナー(Waggoner)、米国特許第5,569,587および5,627,027号明細書)。
米国特許第5,569,587号明細書 米国特許第5,627,027号明細書
現在のところ、オリゴヌクレオチドのシアニン色素による標識は、手作業の2つのステップからなる手順によって実行されている。まず、オリゴヌクレオチドが合成され、それから、活性化シアニン色素が前記合成されたオリゴヌクレオチドの5’末端に結合される。通常、シアニン色素は、オリゴヌクレオチドとの共有結合による結合を補助する反応基の導入により活性化される(例えば、米国特許第5,569,587および5,627,027号明細書を参照せよ)。この2つのステップからなる方法は、遅く(4〜5日間)、退屈で、高価で、しばしば望ましくない有機副生成物を製造する。
代替策となる、より便利な1つのステップからなるアプローチでは、蛍光色素はフォスフォアミダイトに転換されて、オリゴヌクレオチドの合成の間に直接標識するのに用いられる。しかし、シアニン色素の今日入手可能なフォスフォアミダイトは、これらの標準的な、未修飾の対応物に比べて、より高価で、しかもより不安定である。
米国特許第5,556,959号明細書(以下「959明細書」という。)は、合成オリゴヌクレオチドを標識するために、カルボシアニンフォスフォアミダイトを利用することを説明する。しかし、前記959明細書のシアニンフォスフォアミダイトは、トリチル基、4−O−モノメトキシトリチル基、4,4’−O−ジメトキシトリチル基またはアシル基のような保護基を含む。保護基は、保存および取り扱い中の不安定さと関連することが常であり、これらのフォスフォアミダイトの商業的な価値を下げている。
米国特許第5,556,959号明細書
発明の概要
上記の関連技術の欠点に照らし、DNA合成機での自動合成の際にオリゴヌクレオチドを直接標識するための安定なシアニン色素フォスフォアミダイトを提供することが、本発明の目的である。保護基の導入および脱離のステップを含まない、フォスフォアミダイトを合成する便利な方法を提供することも本発明の目的である。オリゴヌクレオチドの合成の間に該オリゴヌクレオチドを標識する方法を提供することも本発明の目的である。
これらおよびその他の目的は、以下の(I)の一般式を有する本発明の色素において達成される。
Figure 2009008673

この化学式において、各点線は、縮合した置換または非置換芳香族環を形成するために必要な炭素原子を表す。mは1から18までの整数である。YおよびZは、S、O、N、CHおよびC(CHからなるグループから独立に選択される。Rはアルキル基である。(PAM)はフォスフォアミダイト基である。X(−)は陰イオンである。Qは、以下の化学式(Q−1)または(Q−2)であって、nは1、2または3である。
Figure 2009008673

Figure 2009008673

本発明の1の実施態様によると、前記色素は、Cy5、ベンゾCy5、ジベンゾCy5、Cy7、ベンゾCy7、ジベンゾCy7、環状Cy7、環状ベンゾCy7および環状ジベンゾCy7からなるグループから選択されるシアニン色素である。前記フォスフォアミダイト基は、N,N−ジイソプロピル−O−β−シアノエチルフォスフォアミダイト基の場合がある。
本発明の別の面は、色素フォスフォアミダイトの合成方法を提供する。前記方法は、(a)以下の化学式(II)を有する色素の水酸化誘導体を形成するステップと、(b)前記水酸基の水素をフォスフォアミダイト基で置換するステップとを含む。
Figure 2009008673

この化学式において、各点線は、縮合した置換または非置換芳香族環を形成するために必要な炭素原子を表す。mは1から18までの整数である。YおよびZは、S、O、N、CHおよびC(CHからなるグループから独立に選択される。Rはアルキル基である。X(−)は陰イオンである。Qは、以下の化学式(Q−1)または(Q−2)であって、nは1、2または3である。
Figure 2009008673

Figure 2009008673

本発明の実施態様によると、前記色素は、シアニン色素、特に、Cy5、ベンゾCy5、ジベンゾCy5、Cy7、ベンゾCy7、ジベンゾCy7、環状Cy7、環状ベンゾCy7または環状ジベンゾCy7であってもよい。前記フォスフォアミダイト基はN,N−ジイソプロピル−O−β−シアノエチルフォスフォアミダイト基の場合がある。
本発明の1の実施態様では、前記色素(II)の水酸基誘導体を形成するステップは、前記シアニン色素の水酸基誘導体の形成を可能にする条件下で、化合物(XI)、(XII)および(XIII)を反応させることを含む。
化合物(XI)は、以下の一般式を有するいかなる化合物であってもよい。
Figure 2009008673

化合物(XII)は、一般式Ph−R−Phを有するいかなる化合物であってもよい。ここでPhはフェニル基で、R3は以下のいずれかである。
Figure 2009008673

化合物(XIII)は以下の一般式を有するいかなる化合物であってもよい。
Figure 2009008673

この化学式において、各点線は、縮合した置換または非置換芳香族環を形成するために必要な炭素原子を表す。mは1から18までの整数である。YおよびZは、S、O、N、CHおよびC(CHからなるグループから独立に選択される。Rはアルキル基である。X(−)は陰イオンである。
代替策として、前記色素の水酸基誘導体を形成するステップは、(a1)以下の化学式(XX)を有する色素のアセトキシル基誘導体を形成すること、および(a2)前記色素のAcO基をOH基に変換することを含む。
Figure 2009008673

この化学式において、各点線は、縮合した置換または非置換芳香族環を形成するために必要な炭素原子を表す。mは1から18までの整数である。YおよびZは、S、O、N、CHおよびC(CHからなるグループから独立に選択される。Rはアルキル基である。X(−)は陰イオンである。Qは、以下の化学式(Q−3)または(Q−4)であって、nは、1または2であり、R2は、ハロゲンまたは水素である。
Figure 2009008673

Figure 2009008673

本発明の別の面は、発光色素フォスフォアミダイトをオリゴヌクレオチドを直接標識するのに用いる方法を提供する。
本発明は、生体高分子、特に、オリゴヌクレオチドの標識において他の色素を使用する場合より優れた、経済的利点および技術的な利点の両方を提供する。以下に詳しく説明されるとおり、本発明の色素フォスフォアミダイトは、合成の過程で、オリゴヌクレオチドに該色素を自動的に付加するために、例えば、オリゴ1000M(ベックマン・コールター、カリフォルニア州)のような、いかなるDNA合成機ででも使用可能である。保護基なしの色素フォスフォアミダイトを使用することにより、保護基を除去するステップが削除されるため、標識オリゴヌクレオチドを調製するのに要する全時間が非常に短縮される。Cy7およびDBCy7フォスフォアミダイトの共役二重結合鎖に環状の部分を取り入れることにより、Cy5様の分子種への部分的変換が効果的に防止され、安定な色素が形成される。オリゴヌクレオチド標識に本発明の色素フォスフォアミダイトを使用することにより提供されるコストおよび時間の節約に加え、従来の2つのステップからなる方法と比較して、より高い標識生成物の総合収率が達成される。
したがって、本発明は、以下をも提供する。
(1)以下の化学式1を有する色素フォスフォアミダイトであって、
Figure 2009008673



この化学式において、各点線は、縮合した置換または非置換芳香族環を形成するために必要な炭素原子を表し、mは1から18までの整数であり、YおよびZは、S、O、N、CH およびC(CH からなるグループから独立に選択され、R はアルキル基であり、(PAM)はフォスフォアミダイト基であり、X (−) は陰イオンであり、Qは、以下の化学式(Q−1)または(Q−2)であり、
Figure 2009008673



Figure 2009008673



nは1、2または3である、色素フォスフォアミダイト。
(2)前記芳香族環は、フェニル基、ナフチル基または複素環である、項目1に記載の色素フォスフォアミダイト。
(3)前記アルキル基は、1〜18個の炭素原子を有する、項目1に記載の色素フォスフォアミダイト。
(4)前記アルキル基はエチル基である、項目3に記載の色素フォスフォアミダイト。
(5)前記色素はシアニン色素である。項目1に記載の色素フォスフォアミダイト。
(6)前記シアニン色素は、Cy5、ベンゾCy5、ジベンゾCy5、Cy7、ベンゾCy7、ジベンゾCy7、環状Cy7、環状ベンゾCy7および環状ジベンゾCy7からなるグループから選択される、項目5に記載の色素フォスフォアミダイト。
(7)前記陰イオンは、I (−) またはBr (−) である、項目1に記載の色素フォスフォアミダイト。
(8)前記フォスフォアミダイト基は、N,N−ジイソプロピル−O−β−シアノエチル フォスフォアミダイト基である、項目1に記載の色素フォスフォアミダイト。
(9)nは2であり、前記色素は、Cy5、BCy5またはDBCy5であり、Qは以下の化学式(Q−3)である、項目1に記載の色素フォスフォアミダイト。
Figure 2009008673



(10)nは3であり、前記色素は、Cy7、BCy7またはDBCy7で、Qは以下の化学式(Q−4)である、項目1に記載の色素フォスフォアミダイト。
Figure 2009008673



(11)前記色素は、環状Cy7、環状BCy7または環状DBCy7であり、Qは以下の化学式(Q−5)である、項目1に記載の色素フォスフォアミダイト。
Figure 2009008673



(12)(a)以下の化学式2を有する色素の水酸基誘導体であって、
Figure 2009008673

この化学式において、各点線は、縮合した置換または非置換芳香族環を形成するために必要な炭素原子を表し、mは1から18までの整数であり、YおよびZは、S、O、N、CH およびC(CH からなるグループから独立に選択され、R はアルキル基であり、X (−) は陰イオンであり、Qは、以下の化学式(Q−6)または(Q−7)であり、
Figure 2009008673



Figure 2009008673

nは1、2または3である、色素の水酸基誘導体を形成するステップと、(b)前記OH基の水素はフォスフォアミダイトで置換するステップとを含む、色素フォスフォアミダイトの合成方法。
(13)前記芳香族環は、フェニル基、ナフチル基または複素環である、項目12に記載の方法。
(14)前記アルキル基は、1から12個までの炭素原子を有する、項目12に記載の方法。
(15)前記アルキル基はエチル基である、項目14に記載の方法。
(16)前記陰イオンは、I (−) またはBr (−) である、項目12に記載の方法。
(17)前記フォスフォアミダイト基は、N,N−ジイソプロピル−O−β−シアノエチル フォスフォアミダイト基である、項目12に記載の方法。
(18)前記色素はシアニン色素である、項目12に記載の方法。
(19)前記シアニン色素は、Cy5、ベンゾCy5、ジベンゾCy5、Cy7、ベンゾCy7、ジベンゾCy7、環状Cy7、環状ベンゾCy7および環状ジベンゾCy7からなるグループから選択される、項目12に記載の色素フォスフォアミダイト。
(20)前記色素の水酸基誘導体を形成するステップは、前記色素の水酸基誘導体の形成を可能にする条件下で、以下の化学式を有する化合物(XI)と、
Figure 2009008673



化学式Ph−R −Phを有し、Phはフェニル基で、R3は以下のいずれかである、化合物(XII)と、
Figure 2009008673



以下の化学式を有する化合物(XIII)とであって、
Figure 2009008673



これらの化学式において、各点線は、縮合した置換または非置換芳香族環を形成するために必要な炭素原子を表し、mは1から18までの整数であり、YおよびZは、S、O、N、CH およびC(CH からなるグループから独立に選択され、R はアルキル基であり、X (−) は陰イオンである、化合物(XI)と化合物(XII)と化合物(XIII)とを反応させることを含む、項目12に記載の方法。
(21)前記芳香族環は、フェニル基、ナフチル基または複素環である、項目20に記載の方法。
(22)前記陰イオンはBr (−) である、項目20に記載の方法。
(23)前記アルキル基は、1から18個までの炭素原子を有する、項目20に記載の方法。
(24)前記アルキル基はエチル基である、項目23に記載の方法。
(25)化合物(XIII)は、化合物(XIII)の形成を可能にする条件下で、以下の化学式を有する化合物(XIV)であって、
Figure 2009008673



上記の化学式において、各点線は、縮合した置換または非置換芳香族環を形成するために必要な炭素原子を表し、Yは、S、O、N、CH およびC(CH からなるグループから選択され、mは1から18までの整数である、化合物(XIV)を、Br(CH −OHに反応させることにより形成される、項目20に記載の方法。
(26)前記色素は、Cy5、Cy7または環状Cy7であり、化合物(I)はヨウ化1−エチル−2,3,3−トリメチル−(3H)−インドールニウムで、化合物(XIII)は臭化1−(6−ヒドロキシルヘキシル)−1,1,2−トリメチル−(3H)−インドールニウムである、項目20に記載の方法。
(27)前記色素は、DBCy5、DBCy7または環状DBCy7であり、化合物(I)はヨウ化1−エチル−1,1,2−トリメチル−H−ベンゾインドールニウムで、化合物(XIII)は臭化1−(6−ヒドロキシヘキシル)−1,1,2−トリメチル−H−ベンゾインドールニウムである、項目20に記載の方法。
(28)前記色素の水酸基誘導体を形成するステップは、(a1)以下の化学式3を有する水酸基誘導体であって、
Figure 2009008673



上記の化学式において、各点線は、縮合した置換または非置換芳香族環を形成するために必要な炭素原子を表し、mは1から18までの整数であり、YおよびZは、S、O、N、CH およびC(CH からなるグループから独立に選択され、R はアルキル基であり、X (−) は陰イオンであり、Qは、以下の化学式(Q−8)または(Q−9)であって、
Figure 2009008673



Figure 2009008673



上記の式において、nは、1または2であり、R は、ハロゲンまたは水素である、水酸基誘導体を形成するステップと、(a2)前記色素のAcO基をOH基に転換するステップとを含む、項目12に記載の方法。
(29)前記芳香族環は、フェニル基、ナフチル基または複素環である、項目28に記載の方法。
(30)前記アルキル基は、1から12個までの炭素原子を有する項目28に記載の方法。
(31)前記アルキル基はエチル基である、項目30に記載の方法。
(32)前記色素はシアニン色素である、項目28に記載の方法。
(33)前記シアニン色素は、Cy5、ベンゾCy5、ジベンゾCy5、環状Cy7、環状ベンゾCy7および環状ジベンゾCy7からなるグループから選択される、項目33に記載の色素フォスフォアミダイト。
(34)前記陰イオンはI (−) である、項目28に記載の方法。
(35)前記ハロゲンは塩素である、項目28に記載の方法。
(36)前記シアニン色素のアセトキシル基誘導体を形成するステップは、前記色素のアセトキシル誘導体を形成することを可能にする条件下で、以下の化学式を有する化合物(XI)と、
Figure 2009008673



Phがフェニル基である、以下の化学式を有する(XXII)と、
Figure 2009008673



以下の化学式を有する(XXIII)とであって、
Figure 2009008673



上記の化学式において、各点線は、縮合した置換または非置換芳香族環を形成するために必要な炭素原子を表し、mは1から18までの整数であり、YおよびZは、S、O、N、CH およびC(CH からなるグループから独立に選択され、R はアルキル基であり、X (−) は陰イオンである、化合物(XI)と化合物(XXII)と化合物(XXIII)とを反応させることを含む、項目28に記載の方法。
(37)前記芳香族環は、フェニル基、ナフチル基または複素環である、項目36に記載の方法。
(38)前記陰イオンはI (−) である、項目36に記載の方法。
(39)前記アルキル基は、1から12個までの炭素原子を有する、項目36に記載の方法。
(40)前記アルキル基はエチル基である、項目39に記載の方法。
(41)前記シアニン色素はCy5または環状Cy7であり、化合物(XI)はヨウ化1−エチル−2,3,3−トリメチル−(3H)−インドールニウムであり、化合物(XXIII)はヨウ化1−(1’−アセトキシプロピル)−2,3,3’−トリメチル−(3H)−インドールニウムである、項目36に記載の方法。
(42)前記シアニン色素は、DBCy5または環状DBCy7 ヨウ化1−エチル−1,1,2−トリメチル−H−ベンゾインドールニウムであり、化合物(XXIII)はヨウ化1−(1’−アセトキシプロピル)−2,3,3’−トリメチル−H−ベンゾインドールニウムである、項目36に記載の方法。
(43)項目1に記載の色素フォスフォアミダイトとオリゴヌクレオチドとの結合を可能にする条件下で、前記色素フォスフォアミダイトを前記オリゴヌクレオチドに反応させることを含む、オリゴヌクレオチドの標識方法。
本発明は、添付する特許請求の範囲においてその完全な範囲が定義され、以下の好ましい実施態様において説明される。
発明の詳細な説明
オリゴヌクレオチドの合成過程で、該オリゴヌクレオチドに色素標識を直接導入することを促進するために、本発明は、以下の化学式(I)を有する色素フォスフォアミダイトを提供する。
Figure 2009008673

この化学式において、各点線は、縮合した置換または非置換芳香族環を形成するために必要な炭素原子を表す。mは1から18までの整数である。YおよびZは、S、O、N、CHおよびC(CHからなるグループから独立に選択される。Rはアルキル基である。(PAM)はフォスフォアミダイト基である。X(−)は陰イオンである。Qは、以下の化学式(Q−5)または(Q−6)であって、nは1、2または3である。
Figure 2009008673

Figure 2009008673

活性化された色素は、複素環か、フェニル基のような単一の環状芳香族構造か、ナフチル基のような縮合した環状構造かを含む場合がある。アルキル基は1から18個までの炭素原子を有することが一般的であり、2個の炭素原子を有することが好ましい。フォスフォアミダイト基は、通常、アルキル鎖で前記色素に結合している。前記アルキル鎖の長さは、炭素原子約1から12個分であることが好ましい。最も実用的なアルキル鎖の長さは、炭素原子約6個分である。本発明の化合物(I)は、陰イオンX(−)を含む。このイオンがハロゲン化物であることが好ましいが、他の陰イオンを使ってもよい。例えば、前記陰イオンは、合成戦略に応じて、I(−)またはBr(−)であってもよい。前記フォスフォアミダイト基は、N,N−ジイソプロピル−O−β−シアノエチルフォスフォアミダイト基の場合があるが、当業者に知られた他のフォスフォアミダイトを用いてもよい。
一般的にみて、本発明の色素は、フォスフォアミダイト基およびアルキル基を取り込んでいる限り、標識の目的に慣用される蛍光色素のどれでもよい。前記フォスフォアミダイト基およびアルキル基は前記色素のインドールまたはベンゾインドールの部分の窒素に結合していることが要求される。前記色素の吸光および発光波長は、スペクトルの特定の領域に制限されず、近紫外から近赤外、あるいはこれらの両端を超える、いかなる波長であってもよい。本発明の実施態様によると、前記色素は、シアニンおよび関連する色素の場合がある。
シアニン色素は、(安価な検出システムを使用すること、およびこれらの波長での生物学的材料からのバックグランドが低いことを意味する)より長い波長での吸収と、高い吸光率と、比較的高い量子収率と、小さい分子サイズと、蛍光特性を損なわずに化学的操作が容易に行えること、および試薬、pHおよび温度に対する安定性が比較的あることを含めて、敏感な検出用標識として役立つ望ましい特性が複数ある。
シアニン色素は、発色団が、末端に2個の四級窒素原子を有する一連の共役二重結合を含み、該窒素原子は1個の陽電荷を共有する、一般的な構造を有する。中心部の二重結合の数によって、前記シアニン色素は、モノカルボシアニン(n=1、別名、トリメチンカルボシアニンまたはCy3)、ジカルボシアニン(n=2、別名、ペンタメチンカルボシアニンまたはCy5)およびトリカルボシアニン(n=3、別名、ヘプタメチンカルボシアニンまたはCy7)として分類することができる。中心部の二重結合の数は励起光を部分的に決定する。nの値が大きいことは、蛍光および吸光度の増大の原因となることがしばしばある。そのうえ、環状構造の修飾によって、さらなる蛍光を得ることができる。n=2のとき、励起波長は約650nmで、化合物は非常に蛍光性が高い。
本発明の1の実施態様では、ジカルボシアニン色素(Cy5、ベンゾCy5(BCy5)およびジベンゾCy5(DBCy5))と、トリカルボシアニン色素(Cy7、ベンゾCy7(BCy7)およびジベンゾCy7(DBCy7))とのフォスフォアミダイトは、直接標識に用いられる。これら2つのグループの色素の間の相違点は、Cy5、BCy5およびDBCy5のそれぞれに対して、Cy7、BCy7およびDBCy7には追加の二重結合が存在することである。そのために、前記ジカルボシアニン色素は、トリカルボシアニン色素の対応する化合物に比べて最大吸光波長も最大発光波長も約100nm短い。インドールシアニンの対応する化合物に比べて、ベンゾインドールシアニンである、BCy5およびBCy7は、1個のベンゼン基の置換があり、DBCy5およびDBCy7は、2個のベンゼン基の置換がある。そこで、ベンゾインドールシアニンは、インドールの対応する化合物よりも最大吸光波長も最大発光波長も長い。
本発明の別の実施態様では、環状Cy7およびDBCy7色素のフォスフォアミダイトが用いられている。シアニン色素分子の共有二重結合際に環状の部分を取り込むことがCy7分子種の余剰の安定性を提供していることが本発明の発見である。1の実施態様では、以下の構造をした環状部分を使用する場合がある。1の実施態様では、以下の化学式(P)を有する環状の部分が用いられる。
Figure 2009008673

本発明の色素フォスフォアミダイトは、前記オリゴヌクレオチドに自動的に添加するために直接いずれかのDNA合成機に使用することができる。本発明の色素フォスフォアミダイトは、いかなる保護基も含まないが、これによりより安定になる。保護基なしの色素フォスフォアミダイトを使用することにより、保護基を除去するステップが削除されるため、標識オリゴヌクレオチド調製に要する全時間は非常に短縮される。本発明の色素フォスフォアミダイトをオリゴヌクレオチド標識に用いることにより提供されるコストおよび時間の節約に加え、標識生成物のより高い総合収率は、従来の2つのステップと比べて、より高い標識生成物の総合収率が達成される。
本発明の別の面は、色素フォスフォアミダイトの合成方法を提供する。本発明の色素フォスフォアミダイトの調製のための一般的な合成計画は図1A〜1Cに示されている。この方法は、(a)以下の化学式(II−OH)を有する色素(II)の水酸基誘導体を形成するステップと、(b)前記OH基の水素をフォスフォアミダイト基に置換するステップとを含む。
Figure 2009008673

この化学式において、各点線は、縮合した置換または非置換芳香族環を形成するために必要な炭素原子を表す。mは1から18までの整数である。YおよびZは、S、O、N、CHおよびC(CHからなるグループから独立に選択される。Rはアルキル基である。X(−)は陰イオンである。Qは、以下の化学式(Q−7)または(Q−8)であって、nは1、2または3である。
Figure 2009008673

Figure 2009008673

色素は、複素環か、フェニル基のような単一の環状芳香族構造か、ナフチル基のような縮合した環状構造かを含む場合がある。特に関心があるのは、Cy5、Bcy5、DBCy5、Cy7、Bcy7、DBCy7、環状Cy7、環状BCy7および環状DBCy7を含む、上記のシアニンである。
本発明の目的のためには、色素(II)の水酸基誘導体は、色素フォスフォアミダイト(I)を形成するのに十分な条件下で、適当な試薬と反応させられる。本発明にしたがい、かつ、図1Aに示すとおり、水素をフォスフォアミダイト基に置換するための適当な試薬は、テトラゾールと(iPr)PO−CH−CH−CNとの混合物を含むが、これに限られない。iPr−P(Cl)OCHCHCNのような他の試薬を用いてもよい。1の実施態様によると、この反応は、−20°C不活性雰囲気で実行されるのが好ましい。
本発明の実施態様によると、シアニン色素の水酸基誘導体を形成するステップ(a)は、図1Bおよび1Cに示すとおり、2つの代替的な方法で実行される場合がある。
図1Bに示す第1の方法では、シアニン色素の水酸基誘導体を形成するステップは、該シアニン色素の水酸基誘導体の形成を可能にする条件下で、化合物(XI)、(XII)および(XIII)を反応させることを伴う。
化合物(XI)は、以下の一般式を有するいかなる化合物でもよい。
Figure 2009008673

化合物(XII)は、Ph−R−Phという一般式のいずれの化合物でもよい。ここで、Phはフェニル基で、Rは以下の(XIIa)、(XIIb)または(XIIc)のいずれかである。
Figure 2009008673

化合物(XIII)は、以下の一般式のいずれの化合物であってもよい。
Figure 2009008673

上記の化学式において、各点線は、縮合した置換または非置換芳香族環を形成するために必要な炭素原子を表す。上記の化学式において、mは1から18までの整数である。YおよびZは、S、O、N、CHおよびC(CHからなるグループから独立に選択される。Rはアルキル基である。X(−)は陰イオンである。1の実施態様では、前記陰イオンは臭素である。
特定の化合物(XI)、(XII)および(XIII)の選択は、合成される色素フォスフォアミダイトのタイプに依存する。例えば、Cy5フォスフォアミダイトを合成するためには、化合物(XIIa)と、置換されない化合物(XI)および(XIII)とを使用する(図2)。環状Cy7フォスフォアミダイトの合成には、化合物(XIIc)と、置換されない化合物(XI)および(XIII)とを使用する(図7)。DBCy7フォスフォアミダイトを合成するためには、化合物(XIIa)と、ベンゾ置換された化合物(XI)および(XIII)とが用いられる(図3)。最後に、環状DBCy7フォスフォアミダイトは、ベンゾ置換された化合物(XI)および(XIII)と、化合物(XIIc)とを用いて合成される(図8)。当業者は、適当な化合物(XI)、(XII)および(XIII)を選択することにより、他のフォスフォアミダイトを合成することができることを理解する。
図1Bに示す方法によると、一般式(XI)および(XII)のいずれの化合物でも使用できるが、1の実施態様では、化合物(XI)は、ヨウ化1−エチル2,3,3−トリメチル−(3H)−インドールニウムであり、化合物(XIII)は、臭化1−(6−ヒドロキシヘキシル)−1,1,2−トリメチル−(3H)−インドールニウムである。この実施態様では、用いる化合物(XII)のタイプに応じて、Cy5(図2)、Cy7または環状Cy7(図7)のような、置換されないシアニン色素のフォスフォアミダイトが得られる。化合物(XIIa)を用いるとき、Cy5のフォスフォアミダイトが得られる。同様に、化合物(XIIb)では、Cy7のフォスフォアミダイトが生成され、化合物(XIIc)では、環状Cy7のフォスフォアミダイトが形成される。
別の実施態様では、化合物(XI)は、ヨウ化1−エチル1,1,2−トリメチル−H−ベンゾインドールニウムで、化合物(XIII)は、臭化1-(6−ヒドロキシヘキシル)−1,1,2−トリメチル−H−ベンゾインドールニウムである。この実施態様では、用いる化合物(XII)のタイプに応じて、DBCy5(図3)、DBCy7または環状DBCy7(図8)のようなベンゼン置換シアニン色素のフォスフォアミダイトが合成される。化合物(XIIa)が用いられるとき、DBCy5が得られる。同様に、化合物(XIIb)では、DEBCy7のフォスフォアミダイトが生成され、化合物(XIIc)では、環状DBCy7が形成される。
さまざまな試薬が化合物(XIII)を形成するために使えるが、1の実施態様では、化合物(XIII)は、化合物(XIII)の形成を可能にする条件下で、化合物(XIV)をBr(CH−OHと反応させることにより形成される。化合物(XIV)は、以下の一般式を有するいかなる化合物でもよい。
Figure 2009008673

上記の化学式において、各点線は、縮合した置換または非置換芳香族環を形成するために必要な炭素原子を表す。Yは、S、O、N、CH2およびC(CH3)2からなるグループから選択される。mは1から18までの整数である。例えば、図2および3に示すとおり、化合物(XIV)は、それぞれ、1,1,2−トリメチル−(3H)−インドールまたは1,1,2−トリメチル−H−ベンゾインドールである。前記化合物(XIV)の形成を可能にする限り、異なる反応条件を用いてもよい。例えば、図2および3に示す反応は125°Cで実行された。
図1Bに示す方法による色素の水酸基誘導体の合成の成否は、反応条件に依存する。1の実施態様では、化合物XIと化合物XIIとが無水酢酸および酢酸の中で30分間125°Cで加熱される。得られた中間体は、蒸発乾燥され、50mlのジエチルエーテルで3回洗浄され、それから、化合物XIIIとピリジン中で125°C30分間反応させられる。実施例1および2は、適当な反応条件の詳細を提供する。他の反応条件は、前記水酸基誘導体の形成を支持する限り、用いてもよい。
代替的な方法では、図1Cに示す方法によって色素(II)の水酸基誘導体を合成してもよい。前記方法は、(a1)以下の化学式を有する色素(XX)のアセトキシル基誘導体を形成すること、および(a2)前記シアニン色素のAcO基をOH基に転換することを含む。
Figure 2009008673

化学式(XX)において、各点線は、縮合した置換または非置換芳香族環を形成するために必要な炭素原子を表す。mは1から18までの整数である。YおよびZは、S、O、N、CHおよびC(CHからなるグループから独立に選択される。Rはアルキル基である。X(−)は陰イオンである。Qは、以下の化学式(Q−9)または(Q−10)であって、nは1または2である。Rはハロゲンまたは水素である。1の実施態様では、前記陰イオンはI(−)である。前記色素は、複素環か、フェニル環のような単一の環状芳香族構造か、ナフチル環のような縮合した環状構造かを含む場合がある。特に関心があるのは、Cy5、BCy5およびDBCy5と、環状Cy7、環状BCy7および環状DBCy7とを含む上記のシアニンである。
Figure 2009008673

Figure 2009008673

フォスフォアミダイトの大半は、前記方法を用いて得ることができるが、Cy7色素は、安定でなく、かつ、保存または操作の間にしばしば分解してCy5タイプの分子種になってしまうために、上記の戦略を用いてCy7タイプのシアニン色素を合成するうえである種の困難が存在する。以下の化学式の構造を有する環状原子団のような安定化原子団がシアニン色素分子の共役二重結合鎖に取り込まれているとき、前記Cy7分子種はより安定となり、それらのフォスフォアミダイトは図1Cに開示された方法によって合成できる、ということが本発明の発見である。代替的には、置換されないCy7タイプのフォスフォアミダイトは、上記のとおり、図1Bに示す方法によって得ることができる。
Figure 2009008673

前記色素(XX)のアセトキシル基誘導体を形成するステップ(a1)を実行するために異なる戦略を用いることができるが、1の実施態様では、このステップは、前記シアニン色素のアセトキシル基誘導体の形成を可能にする条件下で、化合物(XI)、(XXII)および(XXIII)を反応させることを含む。この実施態様では、化合物(XI)は、以下のの一般式を有するいかなる化合物であってもよい。
Figure 2009008673

化合物(XII)は、以下の(XXIIa)または(XXIIb)の一般式を有するいかなる化合物であってもよい。ここでPhはフェニル基である。
Figure 2009008673

化合物(XXIII)は、以下の一般式を有するいずれの化合物でもよい。
Figure 2009008673

各点線は、縮合した置換または非置換芳香族環を形成するために必要な炭素原子を表す。mは1から18までの整数である。YおよびZは、S、O、N、CHおよびC(CHからなるグループから独立に選択される。Rはアルキル基である。X(−)は陰イオンである。1の実施態様では、前記陰イオンはI(−)である。
図1Bに示す方法と同様に、特定の化合物(XI)、(XXII)および(XXIII)の選択は、合成される色素フォスフォアミダイトのタイプに依存する。例えば、Cy5フォスフォアミダイトを合成するためには、化合物(XXIIa)と、置換されていない化合物(XI)および(XXIII)とを用いる(図9)。環状Cy7フォスフォアミダイトの合成には、化合物(XXIIb)と、置換されていない化合物(XI)および(XXIII)とを用いる(図13)。DBCy5フォスフォアミダイトを合成するためには、化合物(XXIIa)と、ベンゾ置換された化合物(XI)および(XXIII)とを用いる(図11)。当業者は、適当な化合物(XI)、(XXII)および(XXIII)を選択することにより、他のフォスフォアミダイトを合成することができることを理解する。
図1Cに示す方法によって一般式(XI)および(XXIII)を有するいずれの化合物を用いてもよいが、1の実施態様では、化合物(XI)は、ヨウ化1−エチル2,3,3−トリメチル−(3H)−インドールニウムであり、化合物(XXIII)は、ヨウ化1−(l’−アセトキシプロピル)−2,3,3’−トリメチル−(3H)−インドールニウムである。この実施態様では、化合物(XXII)のタイプに応じて、Cy5(図9)または環状Cy7(図13)のような置換されていないシアニン色素のフォスフォアミダイトが得られる。化合物(XXIIa)を用いるとき、Cy5のフォスフォアミダイトが得られる。同様に、化合物(XXIIb)では、環状Cy7のフォスフォアミダイトが生成される。
他の実施態様では、化合物(XI)はヨウ化1−エチル1,1,2−トリメチル−H−ベンゾインドールニウムで、化合物(XXIII)はヨウ化1−(1’−アセトキシプロピル)−2,3,3’−トリメチル−H−ベンゾインドールニウムである。この実施態様では、化合物(XXII)のタイプに応じて、DBCy5(図11)または環状DBCy7(図示されず)のようなベンゼン置換シアニン色素のフォスフォアミダイトが合成される。化合物(XXIIa)を用いるとき、DBCy5のフォスフォアミダイトが得られる。同様に、化合物(XXIIb)では、環状DBCy7のフォスフォアミダイトが形成される。
図1Cに記載の方法によって、前記色素のアセトキシル基誘導体の合成に成功するかどうかは、反応条件に依存する。1の実施態様では、化合物XIおよびXXIIは、オイルバスに入れた酢酸(20ml)および無水酢酸(20ml)の混合液中で120°C2時間インキュベーションされる。溶媒はロータリーエバポレータで除去され、生成物は30mlのジエチルエーテルで2回(全量60mlのジエチルエーテル)洗浄される。得られた生成物は無水酢酸とピリジンとの混合液(20ml/20ml)に溶解され、それから、化合物XXIIIが反応混合液に添加され、前記混合液は110°C30分間インキュベーションされる。前記混合液は冷却され、ロータリーエバポレータ処理して溶媒が除去される。実施例3および4は、適当な反応条件についての詳細を提供する。他の反応条件は、水酸基誘導体(XX)の形成を支持する限り、用いてもよい。
本発明の別の面は、オリゴヌクレオチドの標識方法を提供する。前記方法は、上記の本発明の色素フォスフォアミダイトを前記オリゴヌクレオチドに結合することを可能にする条件下で、前記色素フォスフォアミダイトを前記オリゴヌクレオチドに反応させるステップを含む。当業者は、本発明の開示に照らして、過度の実験を要することなく標識条件を見つけることができる。
当業者は、本発明の色素のフォスフォアミダイトが配列のどこにでも導入されうることを理解する。しかし、好ましい付加部位は、前記色素標識によるハイブリダイゼーションに対する干渉が最小となる、オリゴヌクレオチドの5’末端である。商業的に入手可能なリンカーを用いることにより第2の色素を追加することは可能なので、多色標識されたオリゴヌクレオチドを提供する。
したがって、本発明は、生体分子の蛍光検出用の安定かつ便利な標識を提供する。前記標識は、いずれのDNA合成機ででも単一の自動ステップでオリゴヌクレオチドに付加することができ、従来用いられていた保護−脱保護のステップを必要としない。
本発明の色素のフォスフォアミダイトで標識されたオリゴヌクレオチドは、DNAまたはRNAを含むサンプル中の特異的な相補ヌクレオチド配列の存在および量を同定するための蛍光ハイブリダイゼーションプローブとして使用される場合がある。これらおよびその他のシアニン色素標識の多くの可能な用途の詳細な説明は、「効率的な活性化シアニン色素」という名称の係属中の米国特許出願第09/100,150号明細書と、「発光法による生物学的材料その他の材料の検出用標識試薬としてのシアニン色素」という名称の米国特許第5,627,027号明細書と、「発光性のアリールスルホナートシアニン色素を用いる材料の標識および検出の方法」という名称の米国特許第5,569,587号明細書とに提供されており、これらの関連する内容は、引用によりここに取り込まれている。
以下の実施例は、本発明に係る特許請求の範囲を例示することを意図するものであって、限定することは意図しない。かかる実施例は、使用されるものの典型的なものであるが、当業者に知られた他の手順が代替的に使われる場合がある。実際、当業者は、過度の実験を要せずに、ここに示す内容に基づいて、さらなる実施態様を予見し、作成することが容易にできる。
これらの実施例で用いられる一般的な分析方法および特徴付け技術は以下に同定される。300MHzでの1HNMRスペクトルは、(Bruker製)核磁気共鳴分光計で記録された。化学シフトは、TMSとの相対値で100万分の1部(δ)単位で記録された。300MHzの31PNMRスペクトルは、(Bruker製)核磁気共鳴分光計で記録された。化学シフトは、リン酸との相対値で100万分の1部(δ)単位で記録された。分析用逆相HPLC法による分析は、46mmx 25cmのC18ウルトラスフェア(ultrasphere)カラム(粒径5μ)を取り付けたベックマン製の高圧液体クロマトグラフィー装置(ベックマン カタログ番号#235329)で行った。
DBCy5(図3)およびDBCy7(図5)の水酸基誘導体の合成
ヨウ化1−(1’−エチル)−1,1,2−トリメチル−H−ベンゾインドールニウムおよびマロンアルデヒドビス(フェニルイミン)一塩酸塩(DBCy5)、またはグルタコンアルデヒドジアニル塩酸塩(glutaconaidehydedianil hydrochloride)(DBCy7)が無水酢酸中で30分間125°C加熱された。得られた中間体は蒸発乾固され、50mlのジエチルエーテルで3回洗浄され、それから、ピリジン中で臭化1−(6−ヒドロキシヘキシル)−1,1,2−トリメチル−H−ベンゾインドールニウムとともに125°C30分間反応させた。前記ピリジンを蒸発乾固させた後、残渣はジエチルエーテルで洗浄され、CH2Cl2を含むシリカゲルのカラムで精製された。CH2Cl2/EtOAc/アセトン/MeOH(85/5/5/5)による溶出により、80%の収率でDBCy5−OHが(図4)、あるいは60%の収率でDBCy7−OHが(図6)、それぞれ得られた。フォスフォアミダイトはプロトンNMR(示されず)および31PNMR(図4および6)によって特徴付けられた。
環状Cy7の水酸基誘導体(図7)または環状DBCy7の水酸基誘導体(図8)の合成
a 1−ホルミル−1−シクロヘキセン ジエチル アセタールの合成
1−シクロヘキセン−1−カルボキシアルデヒド(5.0g、45.4ミリモル)の溶液中に、無水エタノール(60mL)およびTsOH(0.0085g、2.27ミリモル)に溶かしたオルトギ酸トリエチル(13.5g、90.8ミリモル)が3°A型のモレキュラーシーブ(1g)を通して添加された。上記の反応物は加熱されアルゴン存在下で6時間還流され、それから、室温に冷却された。固体のNaHCO3で急冷した後、反応混合液は濾過されて、油状に濃縮され(5.0g、収率60%)、それから、これ以上精製されることなく以下のステップに用いられた。
b 5−フェニルアミノ−2,4−トリメチレン−2,4−ペンタジエン)塩化フェニルアンモニウムの合成
ジメチルホルムアミド(DMF)(3.27g、44.7ミリモル)を乾燥するために、アルゴン存在下0°Cで激しく撹拌しながらPOCl3が、1滴ずつ添加された。30分後に、DMF(6mL)中に入れた1−ホルミル−1−シクロヘキセンジエチル アセタール(2.74g、14.9ミリモル)がカニューラを通して添加された。得られた反応混合液は0°Cで1時間撹拌され、それから、室温で2時間撹拌された。反応は0°Cまで冷却され、アニリン(4.16g、44.7ミリモル)が1滴ずつ添加された。アニリンの添加後、反応は30分間室温まで加温され、それから、氷水(100mL)で急冷された。反応混合液は、濃いNaOH溶液でpH10〜12に調整され、ジエチルエーテルで3回抽出された。エーテル相を一緒に混ぜ合わせて濃いHClでpH1〜2まで酸性にした。エタノール(10ml)が前記混合液に添加され、該混合液は−20°Cで3時間保持された。沈殿は回収され、エタノールから再結晶化され、中間体の紫色の薄片が生成された(3.01g、収率62%)。
c 環状Cy7または環状DBCy7の水酸基誘導体の合成
ヨウ化1−エチル−2,3,3−トリメチル−インドールニウムまたはヨウ化1−エチル1,1,2−トリメチル−H−ベンゾインドールニウム(3.00ミリモル)および(5−フェニルアミノ−2,4−トリメチレン−2,4−ペンタジエン)塩化フェニルアンモニウム(0.975g、3.00ミリモル)が、AC2O(50mL)中で1時間125°Cで撹拌された。反応は、室温まで冷却され、濃縮された。残渣は、ジエチルエーテルで3回洗浄されて、真空乾燥された。得られた中間体は、臭化1−(1’−ヒドロキシルヘキシル)−2,3,3−トリメチル−インドールニウムまたは臭化1−(1’−ヒドロキシルヘキシル)−1,1,2−トリメチル−ベンゾインドールニウム(3.00ミリモル)と、ピリジン(50mL)と混合され、125°C1時間撹拌された。反応は、室温まで冷却され、濃縮された。粗生成物は、ジエチルエーテルで3回洗浄され、フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc、アセトン、MeOH、CH2Cl2、体積比5:5:5:85)により精製され、モノ−ヒドロキシルヘキシル環状Cy7については収率46.4%、モノ−ヒドロキシヘキシル環状DBCy7については収率46.7%であった。
水酸化Cy5(図9)または水酸化DBCy5(図11)の合成
酢酸(20ml)と無水酢酸(20ml)との混合液に溶かしたヨウ化1−エチル2,3,3−トリメチル−(3H)−インドールニウム(Cy5)またはヨウ化1−エチル1,1,2−トリメチル−H−ベンゾインドールニウム(DBCy5)(4.47ミリモル)およびマロンアルデヒドビス (フェニルアミン)一塩酸塩(8.50ミリモル)の溶液が、120°Cに予熱されたオイルバス中で2時間加熱された。溶媒はロータリーエバポレータで除去され、生成物は30mlのジエチルエーテルで2回(全量60mlのジエチルエーテル)洗浄され、余剰のマロンアルデヒド塩酸ジアニルを除去した。このようにして得られた粗生成物は、無水酢酸およびピリジンの混合液(20ml/20ml)に溶解され、ヨウ化1−(1’−アセトキシプロピル)−2,3,3’トリメチル−(3H)−インドールニウム(Cy5)またはヨウ化1−(1’−アセトキシプロピル)−1,1,2−トリメチル−Hベンゾインドールニウム(DBCy5)(4.47ミリモル)が添加され、反応混合液は110°C30分間加熱された。この混合液は冷却され、ロータリーエバポレータ処理で溶媒を除去した。残渣はジエチルエーテルで洗浄され、乾燥された。前記残渣は水/メタノールが50:50の液200ml中に2MHClが溶けた溶液に溶解され、終夜室温で撹拌された。溶媒は蒸発され、残渣はCH2Cl2と水との間で分配された。有機層は硫酸ナトリウムで乾燥され、溶媒を蒸発させた。粗生成物は、メタノール:アセトン:エチル酢酸:ジクロロメタンが5/5/5/85の割合で混合した液と、これに続いて、同じ成分を8/8/8/76の割合で混合した液とを用いるシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製された。適当な分画がプールされ、蒸発されて、1gの水酸化Cy5(47%)および1.2gの水酸化DBCy5(56%)を得た。
水酸化Cy5の1Hスペクトルは、以下のとおりであった。(化学シフトはppm単位である。)8.02(dd、2H、∃−CH=)、7.4−7.0(m、8H、芳香族)、6.9(t、1H、(−CH=)、6.58(d、1H、∀−CH=)、6.21(d、1H、∀−CH=)、4.3(m、2H、N−CH2−CH3)、4.1(m、2H、N−CH2)、3.87(m、CH2)、3.6(s、1H、−OH)、2.1(m、2H、CH2)、1.7(d、12H、(CH3)4)および1.42(t、3H、−CH2−CH3)。水酸化DBCy5の1Hスペクトルは、以下のとおりであった。(化学シフトはppm単位である。)8.24(dd、2H、∃−CH=)、7.4−8.22(m、12H、芳香族)、7.5(t、1H、(−CH=)、6.5(d、1H、∀−CH=)、6.2(d、1H、∀’−CH=)、4.4(m、2H、N−CH2−CH3)、4.1(m、2H、N−CH2)、3.9(m、CH2)、3.7(s、1H、−OH)、2.2(m、2H、CH2)、1.94(d、12H、(CH3)4)および1.4(t、3H、−CH2−CH3)。
環状Cy7の水酸基誘導体の合成(図13)
ヨウ化1−(1’−アセトキシプロピル)−2,3,3−トリメチル−(3H)−インドールニウム(774mg、2ミリモル)と、ビスアルデヒド(345mg、2ミリモル)と、ヨウ化1−(1’−エチル)−2,3,3−トリメチルインドールニウム(630.40mg、2ミリモル)と、酢酸ナトリウム(328.12mg、4ミリモル)とが丸底フラスコで混合された。この混合物に24mlのAcOHと18mlのAC2Oとが添加された。反応混合液は100°C60分間加熱された。反応の進行は778nmのUV−VISで監視された。前記反応混合液は室温まで冷却された。溶媒は脱気により蒸発乾固された。残渣は50mlのジエチルエーテルで3回洗浄され(全量150ml)、生成物1.16g(74%)を得た。得られた化合物1.16gは丸底フラスコに入れられ、60mlの無水DMFと、NaSC2H5(20等量)が添加された。反応混合液は748nmでUV−VISにより監視された。前記反応混合液は冷却され、脱気により蒸発乾固された。得られた残渣はCHCl3で粉砕された。前記残渣は、CH2Cl2の入ったシリカゲルカラムで精製された。CH2Cl2/EtOAc/アセトン/MeOH(85/5/5/5)による溶出で所望の生成物を0.231g(22%)得た。環状Cy7フォスフォアミダイトは、プロトンNMRと、31PNMRとで特徴付けられた。
本発明の色素フォスフォアミダイトのオリゴヌクレオチドへの結合
所望の標識オリゴヌクレオチドは、自動DNA合成機(オリゴ1000MまたはABI392)でApac、Gipr−pac、CacおよびTフォスフォアミダイトを用いて得られる。100mgの前記色素フォスフォアミダイトは1mlのアセトニトリル(0.1M溶液)に溶解され、前記DNA合成機に設置された。前記色素フォスフォアミダイトは10分間結合された。合成後、前記オリゴヌクレオチドは、NH4OHまたは0.05MK2CO3/MeOHを用いて、室温で2時間切断および脱保護を施された。得られた溶液は、スピードバック(speed VAC)で蒸発させられた。標識オリゴヌクレオチドはC18カラムを用いる逆相HPLC(ベックマンHDLLゴールドシステム)によって単離された。バッファーA(0.1MNH4OAc、pH7.0)と、バッファーB(100%アセトニトリル)とが用いられた。A中のBの0〜50%の勾配が用いられた。0〜20分は15%Bまでの勾配、20〜25分は25%Bまでの勾配、25〜32分は50%Bまでの勾配、32〜37分は50%Bのまま、37〜38分は0%Bであった(図15Aおよび15B)。HPLCからの溶出液は完全に蒸発乾固され、それから水に溶解された。この溶液の260nmおよび650nmの吸光度はベックマンSU−70分光光度計で計測され、シアニン色素で標識されたオリゴヌクレオチドと矛盾しないことがわかった(図示せず)。精製された標識オリゴヌクレオチドの存在は、ベックマンのLIF検出器CEQ2000を装備したPACE5000による毛管電気泳動法と、HPLCとによっても確認された。
本発明の色素フォスフォアミダイトの合成方法を示す反応概念図。 本発明の色素フォスフォアミダイトの合成方法を示す反応概念図。 本発明の色素フォスフォアミダイトの合成方法を示す反応概念図。 本発明のCy5フォスフォアミダイトの合成を示す反応概念図。 本発明のDBCy5フォスフォアミダイトの合成を示す反応概念図。 図3の反応概念図によって得られた本発明のDBCy5フォスフォアミダイトの31PNMRスペクトル。 本発明のDBCy7フォスフォアミダイトの合成を示す反応概念図。 図5の反応概念図によって得られた本発明のDBCy7フォスフォアミダイトの31PNMRスペクトル。 本発明の環状Cy7フォスフォアミダイトの合成を示す反応概念図。 本発明の環状DBCy7フォスフォアミダイトの合成を示す反応概念図。 本発明のCy5フォスフォアミダイトの合成を示す反応概念図。 図9の反応概念図によって得られた本発明のCy5フォスフォアミダイトの31PNMRスペクトル。 本発明のDBCy5フォスフォアミダイトの合成を示す反応概念図。 図11の反応概念図によって得られた本発明のDBCy5フォスフォアミダイトの31PNMRスペクトル。 本発明の環状Cy7フォスフォアミダイトの合成を示す反応概念図。 図13の反応概念図によって得られた本発明の環状Cy7フォスフォアミダイトの31PNMRスペクトル。 精製前の本発明の色素フォスフォアミダイトで標識されたオリゴヌクレオチドのHPLCクロマトグラム。 精製後の本発明の色素フォスフォアミダイトで標識されたオリゴヌクレオチドのHPLCクロマトグラム。

Claims (3)

  1. 複数の色素でオリゴヌクレオチドを標識する方法であって、該方法は、以下の工程:
    以下の化学式1を有する複数のフォスフォアミダイト色素と該オリゴヌクレオチドとを、該オリゴヌクレオチドへの該色素の結合を可能にする条件下で反応させる工程;
    Figure 2009008673



    この化学式において、各点線は、縮合した置換または非置換芳香族環を形成するために必要な炭素原子を表し、
    mは1から18までの整数であり、
    YおよびZは、S、O、N、CH およびC(CH からなるグループから独立に選択され、
    はアルキル基であり、
    (PAM)はフォスフォアミダイト基であり、
    (−) は陰イオンであり、
    Qは、以下の化学式(Q−1)または(Q−2)であり、
    Figure 2009008673



    Figure 2009008673



    nは1、2または3である、工程
    を包含する、方法。
  2. 前記複数の色素は、非同一である、請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法によって生産される複数標識オリゴヌクレオチド。
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