JP2007532718A - 蛍光標識ヌクレオチド誘導体 - Google Patents

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Abstract

リンカーを介してヌクレオチド誘導体に連結される修飾シアニン色素を有する蛍光標識レポーター化合物が開示される。前記化合物は核酸配列解析に有用である。前記蛍光標識レポーター化合物は、リンカーを介して、修飾DNA塩基のようなヌクレオチド誘導体に連結される環固定シアニン色素である。これらの蛍光標識レポーター化合物は、3’末端が蛍光標識されたDNA断片を生成するために、DNA合成のDNA鎖ターミネーターとして使用できる。

Description

本発明は、核酸配列決定用ヌクレオチド誘導体に結合可能な蛍光標識に関する。
ヌクレオチド誘導体は核酸鎖のターミネーションを起こさせる基質であって、蛍光標識に結合すると蛍光標識された鎖ターミネーターになる。これらの蛍光標識鎖ターミネーターは、核酸配列を同定するために、核酸断片に、好ましくは、核酸断片の3’末端に取り込まれる場合がある。蛍光利用核酸配列決定法における核酸鎖ターミネーター基質として有用であるために、前記鎖ターミネーター基質は蛍光レポーター及びヌクレオチド誘導体を含まなければならない。該ヌクレオチド誘導体は、核酸配列には付加されるが、複製酵素によって次のヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体を該核酸配列に結合させるために使うことはできない。
生体分子を検出するため、特に核酸鎖ターミネーター基質を標識する蛍光レポーターとして使用されるシアニン色素は既知である。しかし、これらの化合物は、前記ヌクレオチド誘導体の前記複製酵素との結合又は相互作用に干渉する場合があったり、不安定であったり、人工合成による製造が困難であったり、自動化システムには問題のある蛍光検出波長をであったりする。生体分子検出用の蛍光プローブについてのさらなる情報は、非特許文献1−9及び特許文献1−3にある。
Flanagan,J.H.ら,Bioconjugate Chem.8:751−756(1997) Mujumdar,R.B.ら,Bioconjugate Chem.,4:2 105−111(1993) Mujumdar,R.B.ら,Cytometry,10:11−19(1989) Mujumdar,S.R.ら,Bioconjugate Chem.,7:356−362(1996) Ozmen,B.ら,Tetrahedron Letters,41:9185−9188(2000) Shealy,D.B.ら,Anal.Chem.67:247−251(1995) Southwick,P.L.ら,Cytometry,11418−430(1990) Strekowski,L.ら,J.Org.Chem.,57:4578−4580(1992) Williams,R.J.ら,Anal.Chem.,65:601−605(1993) 米国特許第5,453,505号明細書 米国特許第5,571,388号明細書 米国特許第6,002,003号明細書
したがって、ヌクレオチド複製に干渉せず、安定で、自動化システムに適する蛍光検出波長を有する、蛍光標識核酸鎖ターミネーターの必要性がある。
概要
本発明によると、一般式Z−L−Cyで表される蛍光レポーター化合物が提供される。この実施態様によると、Zはヌクレオチドで、Lは、該ヌクレオチドの誘導体の核酸複製酵素による全体的な結合及び認識にシアニン色素が有意な干渉をしないように前記ヌクレオチドの誘導体を前記シアニン色素に連結するのに十分な長さを有する、長さが少なくとも8個の原子の鎖を有するジラジカル原子団のようなリンカーで、Cyは以下の化学式(1)のシアニン色素である。
Figure 2007532718
(1)
化学式(1)において、A及びBは、それぞれ独立に、シアニン核を形成するのに必要な原子であり、R及びRはそれぞれ独立にC−Cアルキル基であり、Rは、水素又はC−Cアルキル基であり、R及びRは、それぞれ独立に、H及びSO からなるグループから選択され、nは2ないし4の整数である。
前記蛍光レポーター化合物では、R及びRは両方ともSO で、R及びRは両方ともC−Cアルキル基であることが好ましいが、必要ではない。R及びRが同一であることがより好ましい。
本発明の蛍光レポーター化合物の実施例は、以下の化学式(2)及び(3)の化合物を含む。
Figure 2007532718
(2)
Figure 2007532718
(3)
本発明の蛍光レポーター化合物の水溶液中で測定される蛍光最大発光波長(fluorescence maxima)が750nmを超えることは好ましいが必要ではない。
以下の化学式(4)のシアニン色素も提供される。
Figure 2007532718
(4)
A及びBは、それぞれ独立に、シアニン核を形成するのに必要な原子であり、XはO、S、NR又はCR10であり、R及びRは、それぞれ独立に、C−Cアルキル基であり、Rは、水素又はC−Cアルキル基であり、R及びRは、R及びRのうち少なくとも1つがSO であることを条件として、それぞれ独立に、水素及びSO からなるグループから選択され、R及びR10は、それぞれ独立に、H又はC−Cアルキル基であり、pは2ないし8の整数であり、nは2ないし4の整数である。
前記シアニン色素では、R及びRは両方ともSO で、R及びRは両方ともC−Cアルキル基であることが好ましいが必要ではない。R及びRは同一であることがより好ましい。好ましいが必要ではないシアニン色素の実施例は、以下の化学式(5)及び(6)の化合物を含む。
Figure 2007532718
(5)
Figure 2007532718
(6)
本発明によると、核酸配列解析方法も提供される。この実施態様では、一般式Z−L−Cyの蛍光レポーター標識化合物は、第1核酸配列と反応して、該蛍光レポーター標識化合物で標識された第2核酸配列を生成する。その後、第2核酸配列のシアニン色素が検出される。
本発明によると、DNAの塩基配列を決定する方法も提供される。本実施態様では、4個のDNA塩基のそれぞれに対応する一般式Z−L−Cyの蛍光レポーター標識化合物の混合物が提供される。DNAテンプレートが、複製酵素、DNAヌクレオチドの混合物及び記蛍光レポーター標識化合物の混合物と反応させられる。その結果、蛍光レポーター標識化合物が各DNA断片の3’末端残基に共有結合で結合したDNA断片が作成される。前記蛍光レポーター標識DNA断片は分離され、分離された蛍光レポーター標識DNA断片のそれぞれについてレポーターが検出される。それから、検出されたレポーター情報が解析され、DNA配列が同定される。
本発明の1つの実施態様によると、リンカーを介してヌクレオチド誘導体に連結される修飾シアニン色素を含む、蛍光標識レポーター化合物が提供される。前記化合物は、核酸配列解析に利用される。より具体的には、DNA塩基の4つのタイプに対応するシアニン色素利用蛍光レポーター化合物の混合物が、3’末端で蛍光標識されたDNA断片を作成するために、DNA合成におけるDNA鎖ターミネーターとして利用される場合がある。前記蛍光標識DNA断片はDNA配列を決定するために解析される場合がある。
本発明の蛍光標識レポーター化合物は、一般式1(化学式(7))に示すとおり、シクロアルケニル環を用いてシアニン色素発色団を環固定(ring−locking)することによって修飾された、修飾シアニン色素を含む。
Figure 2007532718
(7)
一般式1 環固定シアニン色素(Cy)
本発明のシアニン色素は、前記化学式(7)に示すとおり、リンカーを通じて前記シアニン発色団の環固定された部分を介してヌクレオチド誘導体に連結される。前記シアニン色素発色団を環固定すること、及び、前記ヌクレオチド誘導体を前記シアニン色素の環固定された部分を介して結合することは、蛍光標識レポーター化合物に、安定性、可溶性及び量子収率の増強を提供する。これらの化合物は、近赤外領域の吸光および発光周波数と、大きな吸光係数と、水溶液への可溶性という特性を有する。さらに前記蛍光標識レポーター化合物は、高収率で核酸鎖ターミネーション反応に取り込まれる場合がある。
本明細書で用いられるところの以下に列挙する用語は、以下の意味を有する。
「シアニン核」という用語は、蛍光シアニン発色団を構成するコンジュゲーションされた系を完成するのに必要な炭素、水素及びヘテロ原子を意味する。本発明の蛍光標識に用いられる場合があるシアニン核は当業者に知られている。シアニン核の例は、置換あるいは置換のチアゾール、ベンゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンゾキサゾール、ナフトキサゾール、ベンゾールセラナゾール、ナフトセレナゾール、インドール及びベンゾインドール環を含む。
「ヘテロ環−塩基」という用語は、核酸合成に用いられる複製酵素によって認識エレメントとして作用することができるプリン又はピリミジン塩基を意味する。
「ヌクレオチド誘導体」という用語は、ヘテロ環−塩基、糖及びリン酸官能基(phosphate functionality)を有し、核酸配列に付加することはできるが、該核酸配列に次のヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体を結合するために複製酵素によって利用することはできない化合物を意味する。
「ヌクレオシド誘導体」という用語は、前記リン酸官能基を除いたヌクレオチド誘導体を意味する。
本明細書で用いられるところの用語「リン酸官能基」は、ヌクレオシド誘導体に連結されるとき、前記ヌクレオチド誘導体を核酸配列に結合するために複製酵素によって利用できるヌクレオチド誘導体を形成する、一、二又は三リン酸か、アルファチオ三リン酸のようなリン酸類似体を意味する。
本明細書に用いられるところの用語「糖」は、核酸配列に取り込まれるとき、該核酸配列に次のヌクレオシド又はヌクレオシド誘導体を結合させるために複製酵素によって利用することができない、5又は6員ヘテロ環を意味する。
本明細書に用いられるところの用語「含む(comprise)」と、該用語の変形(comprising、comprises等)とは、他の添加物、コンポーネント、整数又はステップを排除することを意図しない。
1つの実施態様では、本発明は、ヌクレオチド誘導体に結合した修飾シアニン色素を有する蛍光標識レポーター化合物である。好ましいが必要ではない本発明の環固定されたシアニン蛍光標識レポーター化合物は以下の一般式2(化学式(8))に示される。
Figure 2007532718
(8)
一般式2
一般式2(化学式(8))において、「Z」はヘテロ環−塩基、糖及びリン酸官能基を有するヌクレオチド誘導体を表す。
また一般式2(化学式(8))の「L」は、前記シアニン色素とリンカーとが核酸複製酵素による前記ヌクレオチド誘導体の全体的な結合又は認識に有意な干渉をしないように前記ヌクレオチド誘導体を前記シアニン色素に連結するのに十分な長さのリンカーを表す。かかるリンカー基は、当業者に知られており、本明細書を参照する当業者によって理解されるとおり本発明の化合物に使用するために選択することができる。好ましいが必要ではない実施態様では、リンカー(L)は長さが少なくとも8個の原子の鎖を有するジラジカル原子団である。
また化学式(8)のCyは、以下の化学式(9)のシアニン色素を表す。
Figure 2007532718
(9)
化学式(9)において、A及びBは、それぞれ独立に、シアニン核を形成するために必要な原子であり、R及びRは、それぞれ独立に、C−Cアルキル基であり、Rは、水素又はC−Cアルキル基であり、R及びRは、それぞれ独立に、H及びSO からなるグループから選択され、nは2ないし4の整数である。
より好ましいが必要ではない本発明の環固定されたシアニン蛍光レポーター化合物が一般式3(化学式(10))に示される。
Figure 2007532718
(10)
一般式3
一般式3(化学式(10))において、Xは、O、S、NR又はCR10であり、R及びR10は、それぞれ独立に、H又はC−Cアルキル基であり、Yは、3ないし20個の原子を有するジラジカル原子団であって、前記原子のうち少なくとも3個は、アルキニル基と、1個または2個以上のヘテロ原子とを含み、A、B、Z、R−R及びnは前記一般式2(化学式(8))について説明したとおりのものを表す。
最も好ましいが必要ではない本発明の環固定されたシアニン蛍光レポーター化合物は以下の一般式4(化学式(11))に示される。
Figure 2007532718
(11)
一般式4
一般式4(化学式(11))において、C及びDは、ベンゼン又はナフタレン環を構成するのに十分な数の炭素原子を有する環構造を表し、mは1ないし6の整数であり、Z、R−R及びnは前記一般式2(化学式(8))について説明したとおりのものを表す。
一般式2−4(化学式(8)、(10)及び(11))において、好ましいが必要ではない実施態様では、R及びRは両方ともSO であり、R及びRは同一の低級アルキル基である。
一般式2及び3(化学式(8)及び(10))において、好ましいが必要ではない実施態様では、A及びBはインドール又はベンゾインドール環を形成するために十分な数の炭素原子を有する環構造である。
好ましいが必要ではない実施態様では、リンカー「L」及びシアニン色素「Cy」は、一体として、以下の一般式5(化学式(12))の化合物である。
Figure 2007532718
(12)
一般式5
一般式5(化学式(12))において、
A、B、X、R−R及びnは一般式2及び3(化学式(8)及び(10))について説明したとおりのものを表し、pは2ないし8の整数である。
一般式2−4(化学式(8)、(10)及び(11))において「Z」として表される、鎖ターミネーターとして利用される核酸誘導体は当業者に知られている。これらの核酸誘導体は、一般的には、ヘテロ環−塩基、糖及びリン酸官能基を含む。
前記ヘテロ環−塩基は、ヌクレオチド合成における認識エレメントとして機能するヌクレオチド誘導体の一部である。一般に、これらは天然核酸塩基に対応するプリン又はピリミジン塩基である。シトシン、デアザアデニン、デアザグアニン、デアザヒポキサンチン及びウラシルを含むヘテロ環−塩基の例は、以下の化学式(13)に示される。
Figure 2007532718
(13)
核酸における認識エレメントとして機能できる、8−アザ−7−デアザプリン及び3,7−ジデアザアデニンのような他のヘテロ環−塩基も利用可能である。
前記ヌクレオチド誘導体の「糖」部分は、天然の酵素基質におけるデオキシリボフラノース構造部分に対応する。前記蛍光標識レポーター化合物において用いられるヌクレオチド誘導体の糖部分は、次のヌクレオチド又はヌクレオチド誘導体を核酸配列に結合するために複製酵素によって利用可能ではないフラノースのような、修飾5又は6員ヘテロ環であることが一般的である。
本発明の蛍光標識レポーター化合物に用いられる核酸誘導体の「リン酸官能基」部分は、一、二又は三リン酸か、アルファ−チオ三リン酸官能基のようなリン酸類似体かであって、ヌクレオシド誘導体に結合されるとき、ヌクレオチド誘導体を核酸配列に結合するために複製酵素によって利用可能なヌクレオチド誘導体を形成する。
好ましいが必要ではない実施態様においては、前記核酸誘導体は以下の化学式(14)のうちの1つである。
Figure 2007532718
(14)
一般式2−4(化学式(8)、(10)及び(11))に示されるとおり、前記核酸誘導体は、リンカーを介して前記修飾シアニン色素に結合できる。好ましいが必要ではない実施態様において、前記リンカーはアルキニルアミノ基であって、前記核酸誘導体が前記アルキン基の一端を介して前記修飾シアニン色素に連結される。
本発明の蛍光レポーター化合物は、以下の合成経路概略図1に示すとおりに合成される場合がある。
合成経路概略図1 蛍光レポーター化合物の合成
Figure 2007532718
A、B、X、Z、R−R及びnは一般式2−4(化学式(8)、(10)及び(11))に説明されるものを表す。
合成経路概略図1に示すとおり、シアニン核を表すイミニウム塩(1A)及び(1B)は、シアニン発色団(3)を形成するためにビスアミノシクロアルケン(2)と反応する。それからシアニン(3)は、シアニン色素(5)を形成するために、シアニン発色団の環固定部分の脱離基(LG)をフェニルエチルイソチオシアナート化合物(4)で置換することにより誘導体化される。次にヌクレオチド誘導体「Z」が、ヌクレオチド誘導体(6)上のペンダント基のアルキニルアミンをシアニン色素(5)の前記イソチオシアナート部分と連結することによりシアニン色素(5)に連結され、蛍光レポーター化合物(7)を形成する。
好ましいが必要ではない実施態様において、シアニン発色団内にインドール環構造を有する本発明の修飾シアニン色素は以下の合成経路概略図2に示すとおり合成される。まず合成経路概略図2に示すとおり、ヒドラジノベンゼン(8)がケトンと反応して、インドール環(9)を形成する。つぎに前記インドール環内のアミンがハロゲン化アルキルと連結されてイミニウム塩(10)を形成する。そして2倍のモル量のイミニウム塩(10)がビスアミノクロロシクロヘキセン化合物(11)と反応してシアニン色素(12)を生成する。シアニン色素(12)はさらに該シアニン色素の環固定部分の塩素を(ヒドロキシフェニル)エチルイソチオシアナート化合物(13)で置換することにより誘導体化されて、シアニン色素(14)を形成する。
合成経路概略図2 インドール化シアニン色素の合成

Figure 2007532718
別の好ましいが必要ではない実施態様においては、シアニン発色団内にベンゾインドール環構造を有する本発明の修飾シアニン色素は、以下の合成経路概略図3に示すとおり合成される。まず合成経路概略図3に示すとおり、ベンゾインドール(15)がベンゾインドール(16)を形成するためにスルホン酸化される。つぎにベンゾインドール(16)はイミニウム塩(17)を形成するためにハロゲン化アルキルと結合される。そして2倍のモル量のイミニウム塩(17)がビスアミノクロロシクロヘキセン化合物(11)と反応してシアニン色素(18)を生成する。さらにシアニン色素(18)は該シアニン色素の環固定部分の塩素を(ヒドロキシフェニル)エチルイソチオシアナート化合物(13)で置換することによって誘導体化されてシアニン色素(19)を形成する。
合成経路概略図3 ベンゾインドールシアニン色素の合成

Figure 2007532718
別の実施態様では、本発明は核酸配列解析方法である。1の実施態様では前記方法は、本発明の蛍光レポーター標識化合物を第1核酸配列と反応させることを含む。本反応は、前記蛍光レポーター標識化合物で標識された第2の核酸配列を生成する。つぎに第2核酸配列上のレポーターが検出される。
好ましいが必要ではない実施態様において、4個の蛍光標識レポーター化合物、すなわち、ダイターミネーターである、ウラシル(ddUTP)、グアニン(ddGTP)、シトシン(ddCTP)及びアデニン(ddATP)と、これらの総称(ddNTPs)とは、4個のDNA塩基に対応し、それぞれが異なる本発明の修飾シアニン色素を有する。前記4個の蛍光標識レポーター化合物は、4個の天然(正常)DNA塩基(dNTPs)と、DNAポリメラーゼと、DNAテンプレートと、シーケンシングプライマーとともに溶液に混合される。つぎに前記混合溶液をインキュベーションして合成DNA鎖を作成するが、該合成DNA鎖にddNTPが取り込まれると反応がターミネーションされ、複数のDNA断片が生成する。そして前記DNA断片は、サンプルプレート上での電気泳動又は毛管ゲル電気泳動にような当業者に知られた方法によってサイズにより分離される。分離された前記断片はスキャニングされ、蛍光シアニン色素が検出される。前記4個の異なるシアニン色素のそれぞれは、該色素が結合している個々のDNA塩基に対応する波長で蛍光を発する。各DNA断片について検出される蛍光波長は、DNA配列を決定するために組み合わされる。
より好ましいが必要ではない実施態様においては、前記DNAはカリフォルニア州Fullerton所在のベックマン・コールター社から入手可能なベックマンCEQ(商標)2000DNA解析システムのような自動化システムによって配列決定される。この好ましいシステム、方法及び反応試薬のより詳細な説明は、ベックマン・コールター社の1999年の著作物である、CEQTM 2000 Dye Terminator Cycle Sequencing Chemistry Protocol,A Step by Step Guide to Dye Terminator Cycle Sequencing on the CEQ 2000,718119ABに見出される。
本発明は、以下の限定的ではない実施例を参照してより詳細に説明され、該実施例は本発明のさまざまな実施態様をさらに例示するために提供される。しかし、本発明の範囲内に止まりつつ、多くの変更及び改良を行うことは可能であることが理解されるべきである。
2,3,3−トリメチルインドーリニウム−5−スルホン酸 カリウム塩(9)の調製
合成経路概略図2を参酌して、スターラーバー及び還流コンデンサを備えた500mL丸底フラスコに、酢酸(150mL)と、p−ヒドラジノベンゼンスルホン酸(8)、(50.0g、0.266モル)と、3−メチル−2−ブタノン(84mL、0.785ミリモル)とを添加した。前記フラスコは115°Cのオイルバス中で加熱され、出発材料の全てが消費されるまで(メタノール:CHClが1:1のTLCを用いて監視することによって判断される)、3時間還流された。その後前記反応フラスコは室温まで冷却された。ピンク色の固体がエチル酢酸とともにろ過することによって回収された。前記ピンク色の固体は、つぎにMeOH(800mL)中に溶解されて、固体不純物を除去するためにろ紙のパッドでろ過された。イソプロピルアルコール(200mL)中の水酸化カリウム(15g)がろ液に添加され、この溶液は攪拌された。沈殿した黄色の固体が回収され、メタノール(2x50mL)で洗浄され、ジエチルエーテル(2x50mL)で洗浄され、その後、風乾された。前記黄色の固体はさらに高真空下で終夜40°Cのオーブン内で乾燥され、64.5g(87.5%)の化合物(9)が得られた。TLCでの移動度R=0.875(1:1 CHCl:MeOH)。
1−エチル−2,3,3−トリメチルインドールニニウム(trimethylindoleninium)−5−スルホン酸(10)の調製
再び合成経路概略図2を参酌して、ヨウ化エチル(40mL)中の化合物(9)(11g、0.04モル)の混合液が窒素雰囲気中で加熱還流された。前記反応は、TLC(4:1 CHCl:MeOH)を用いて、出発材料の化合物(9)(R=0.65)が完全に消失し、産物の化合物(10)(R=0.25)が出現することについて監視された。48時間還流後、TLCは反応が完了したことを示したので、加熱が停止された。前記反応混合液は室温まで冷却され、反応産物はろ過によって回収され、アセトン(5x100mL)で洗浄され、風乾された。その後固体産物は、アセトン(300mL)中に懸濁され、終夜攪拌された。前記固体は、ろ過され、アセトン(2x50mL)で洗浄され、高真空下で終夜40°Cのオーブン内で乾燥されて、産物の化合物(10)(11.8g、定量的収率)が得られた。最大UV吸光波長=289nm。
環固定クロロシアニン色素(12)の調製
再度合成経路概略図2を参酌して、火炎乾燥された(flame−dried)100mL丸底フラスコに、化合物(10)(10g、3.74ミリモル)が、化合物(11)(671.9mg、1.87ミリモル)、酢酸ナトリウム(368.2mg、4.49ミリモル)及びエタノール(20mL)とともに添加された。前記反応液は、オイルバス中で還流加熱され、窒素雰囲気下で1時間攪拌された。化合物(11)(500mg)及び酢酸ナトリウム(185mg)が前記反応液中に添加され、さらに1時間加熱された。その後、前記反応液はメタノール(50mL)で希釈され、塩を除去するためにろ過された。前記溶媒は減圧下で前記反応液から気化され、残渣混合物はメタノール/塩化メチレンの溶媒勾配で溶出することによってカラムクロマトグラフィーにより精製された。産物の分画は混合され、約100mLに濃縮された。前記溶液はエチルエーテル(800mL)中に注入され、得られた固体は回収され、高真空下で終夜40°Cのオーブン内で乾燥されて、緑色の固体(12)が838.7mg(67%収率)得られた(R=0.23(2:1 MeOH:CHCl)、メタノール中での最大吸光波長=783nm)。
2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルイソチオシアナート(13)の調製
再度合成経路概略図2を参酌して、1,1’−チオカルボニルジイミダゾール(1.04g、5.8ミリモル)が、DMF(20mL)中のチラミン(800mg、5.8ミリモル)溶液に添加された。反応液は、室温で30分間攪拌された。そして、前記溶媒は減圧下で気化されて、オレンジ色の油状物を得た。前記油状物はメタノール(2mL)中に溶解された。水(6mL)が前記溶液に添加され、イソチオシアナート(13)が沈殿した。生成物はろ過によって回収され、冷水で洗浄された。高真空下で終夜40°Cのオーブン内で乾燥された後、1.08g(定量的収率)の化合物(13)が得られた。
環固定Cy7(14)の調製
再度合成経路概略図2を参酌して、2−(ヒドロキシフェニル)エチルイソチオシアナート(13)(214mg、1.2ミリモル)が、火炎乾燥された100mLフラスコ内の無水DMF(10mL)に窒素雰囲気下で0°Cで溶解された。水素化ナトリウム(95%、28.6mg、1.2ミリモル)が添加され、反応液は0°Cで10分間攪拌されて、常温で30分間攪拌された。フェノキシド液が、無水DMF(10mL)に溶解されたクロロシアニン色素(12)(200mg、0.30ミリモル)に窒素雰囲気下で添加された。反応は、TLCを用いて化合物(12)が消失し産物の化合物(14)が出現することについて監視された。18時間後、反応はメタノールで停止され、溶媒は40°Cの回転式エバポレータで除去された。粗材料は酢酸エチルで洗浄され、カラムクロマトグラフィーによって精製されて、150mg(62%)のシアニン色素(14)が得られた(メタノール中の最大吸光波長=770nm)。HnmR(CDOD,300MHz) δ 7.96(d,2H,J=14.1Hz),7.82(d,2H,J=8.3Hz),7.79(s,2H),7.24(m,2H),6.99(m,2H),6.64(d,2H,J=8.5Hz),6.15(d,2H,J=14.3Hz),4.12(m,4H),3.59(t,2H,J=5.8Hz),2.61 2.81(m,6H),1.98(t,2H,J=5.2Hz),1.33(s,18 H)
1,1,2−トリメチルベンゾインドールニン−7−スルホン酸カリウム(16)
合成経路概略図3を参酌して、1,1,2−トリメチル−1H−ベンズインドール(15)(11.0g、52.6ミリモル)が、スターラーバーを備えた乾燥200mL丸底フラスコに添加された。前記フラスコは氷水浴中で冷却され、硫酸(10mL)が前記反応液中に攪拌しながら添加され、前記固体を部分的に溶解した。発煙硫酸(25g、30%SO、約93.7ミリモル)が添加され、反応液は0°Cで30分間攪拌された。そして前記反応液は湿気を排除しつつ終夜室温で攪拌された。終夜反応の後、酸性油状物は氷(200mL)中に注入され、30分間攪拌された。酸性溶液は水酸化カリウムで塩基性になるまで(pH>12)中和された。溶媒が減圧下で気化されて固体にされた。残渣の水分は、アセトンで前記固体を粉砕した後ろ過することによって除去された。乾燥した固体は、高温のメタノール(約1L)で抽出された。未溶解の塩はろ過され、ろ液は濃縮されて固体にされ、EtOAc(300mL)で粉砕された。前記固体は回収され、酢酸エチル(2x50mL)で洗浄され、乾燥された。さらに高真空下で終夜45°Cのオーブン内で乾燥されて、17g(定量的)の産物化合物(16)が得られた(TLC:R=0.28(4:1 CHCl:MeOH)。
1−エチル−2,3,3−トリメチルベンゾインドールニニウム−7−スルホン酸(17)の調製
再び合成経路概略図3を参酌して、ヨウ化エチル(25mL)中のスルホン酸化合物(16)(6.50g、19.9ミリモル)の混合液が窒素雰囲気下で加熱還流された。前記反応は、TLC(2:1 CHCl:MeOH)を用いて出発材料化合物(16)(R=0.58)が完全に消失し、生成物(17)(R=0.22)が出現することについて監視された。48時間還流後、TLCは前記反応がほぼ完了したことを示したので、加熱は停止された。反応混合液は室温まで冷却され、反応産物はろ過によって回収された。固体反応産物(17)はアセトン(3x100mL)で洗浄され、風乾された。固体産物(17)は、シリカゲル状のカラムクロマトグラフィーによって(MeOH:CHClの溶媒勾配で溶出されて)精製された。産物分画は混合され濃縮された。前記固体はろ過され、アセトン(2x50mL)で洗浄され、高真空下で終夜40°Cのオーブン内で乾燥されて、1.34gの産物化合物(17)(30%収率)を得た。
環固定クロロシアニン色素(18)の調製
合成経路概略図3を参酌して、化合物(17)(200mg、0.63ミリモル)が化合物(11)(113.2mg、0.315ミリモル)と、酢酸ナトリウム(51.67mg、0.63ミリモル)と、エタノール(10mL)とが入った火炎乾燥された100mL丸底フラスコに添加された。反応液はオイルバス中で1時間窒素雰囲気下で攪拌しながら還流加熱された。追加量の化合物(11)(100mg)と酢酸ナトリウム(25mg)とが前記反応液中に添加され、加熱は2時間継続された。溶媒は減圧下で気化され、残渣混合物はメタノール(3mL)に溶解され、生成物は酢酸エチル(20mL)で沈殿された。得られた固体産物はろ過によって回収され、高真空下で24時間40°Cのオーブン内で乾燥された。クロロシアニン色素(18)の濃緑色固体(298mg、不純物を含む定量的収率)が得られた(TLC R=0.23(2:1 MeOH:CHCl);メタノール中での最大吸光波長=816nm)。前記固体はこれ以上精製することなく以下の合成ステップで用いられた。
環固定SBCy7(19)の調製
再度合成経路概略図3を参酌して、2−(ヒドロキシフェニル)エチルイソチオシアナート(13)(279mg、1.6ミリモル)が窒素雰囲気下0°Cの火炎乾燥した100mLフラスコ内の無水DMF(10mL)に溶解された。水素化ナトリウム(95%、37.4mg、1.6ミリモル)が添加され、反応液は0°Cで10分間攪拌された。窒素雰囲気下で前記フェノキシド溶液が無水DMF(10mL)中のクロロシアニン色素(18)(300mg、0.39ミリモル)に添加された。前記反応は、TLCを用いて化合物(18)の消失及び生成物(19)の出現について監視された。18時間後、反応はメタノールで停止され、溶媒は40°Cの回転式エバポレータで除去された。粗材料は酢酸エチルで洗浄され、カラムクロマトグラフィーによって精製され、105mg(29%)の化合物(19)が得られた(メタノール中での最大吸光波長=804nm)。HnmR(DMSO,300MHz) δ 8.25(s,2H),8.11 8.15(m,4H),7.95(d,2H,J=13.4Hz),7.80(d,2H,J=8.7Hz),7.71(d,2H,J=8.5Hz),7.31(d,2H,J=8.1Hz),7.12(d,2H,J=8.1Hz),6.21(d,2H,J=14.0Hz),4.15(m,4H),3.59(t,2H,J=5.8Hz),2.60 2.80(m,6H),1.98(t,2H,J=5.2Hz),1.58(s,12H),1.33(t,6H,J=5.7Hz)。
ddCTP−RLCy7(20)の調製
Figure 2007532718
(15)
本発明によれば、上記化学式(15)に示す蛍光レポーター化合物(20)は、シアニン色素(14)を対応する核酸誘導体と連結することによって調製される。合成経路概略図1及び2を参酌して、乾燥したシンチレーションバイアルの中で、イソプロピルアルコール(270μL)、メタノール(540μL)及び0.1M NaHCO/NaCO pH9.0バッファー(810μL)中の環固定エチルイソチオシアナート(14)(13.6mg、16.72マイクロモル)に、合成経路概略図1の化合物(6)でZがジデオキシシトシンであるddCTP−プロパギルアミン(4マイクロモル、400μL、10マイクロモル/mL水溶液)が添加された。反応液は暗所室温で46時間攪拌された。反応中、8時間毎に少量のサンプルが抜き取られ、反応の進行についてLIF−CEを用いてチェックされた。粗生成物はまず調製用TLC(500μm、20x20cm、1:1 CHCl:MeOH)によって部分精製された。生成物のバンドはメタノールで抽出され、セライト(celite)のパッドでろ過された。溶媒は気化され、残渣は10%メタノール水溶液(1mL)に溶解された。生成物(20)は、5mMリン酸(溶媒A)とメタノール(溶媒B)との溶媒勾配を用いる逆相HPLCで精製された。
分画はCEでテストされ、純粋な分画が混合され、蒸発乾固され、最小量の水に再溶解され、脱塩用のBaker Bond Spe C18カラム頂部に適用された。脱塩方法は水(3x5mL)による洗浄を含み、生成物は50%メタノール/水で溶出された。前記生成物の純度はCEによってチェックされ、84.65%と計算された。溶媒は濃縮され、生成物は水(1mL)中に再溶解され、0.2M TEABバッファーで平衡化されたDEAEセファデックスカラム(5mL)上に装荷された。前記カラムは、100mL(0.1M)、100mL(0.2M)、100mL(0.3M)及び500mL(0.5M)と、TEABバッファーの濃度を上げながら溶出した。分画はLIF−CEを用いてテストされ、純粋な分画は一緒にプールされて、上記のとおり脱塩されて、蛍光レポーター化合物(20)を得た(4mL、84.7μM、純度94.7%)。
ddATP−RLDBCy7(21)の調製
Figure 2007532718
(16)
本発明によれば、化学式(16)に示す蛍光レポーター化合物(21)はシアニン色素(19)を対応する核酸誘導体に連結することによって調製される。再度合成経路概略図1及び3を参酌して、13mMpH9ホウ酸バッファー(1.2mL)及びアセトニトリル(0.8mL)に溶解された環固定エチルイソチオシアナート化合物(19)(50mg、0.054ミリモル)の溶液に、合成経路概略図1の化合物(6)においてZがジデオキシデアザアデニンであるddATP−プロパギルアミン(20マイクロモル、1mL、20マイクロモル/mL水溶液)が添加された。前記溶液は室温暗所で24時間攪拌された。反応中、少量のサンプルが8時間毎に抜き取られ、反応進行についてLIF−CEを用いてチェックされた。粗生成物はまず調製用TLC(500μm、20x20cm、1:1 CHCl:MeOH)を用いて部分精製された。生成物のバンドはメタノールで抽出され、セライトのパッドでろ過された。溶媒は気化され、残渣は10%メタノール水溶液(1mL)に溶解された。前記生成物は5mMリン酸(溶媒A)及びメタノール(溶媒B)の溶媒勾配を用いて逆相HPLCで精製された。
単離された分画はCEでテストされ、純粋な分画は、混合され、蒸発乾固され、最小量の水に再溶解されて、脱塩用のBaker Bond Spe C18カラムの頂部に適用された。脱塩方法は水(3x5mL)による洗浄と、前記生成物の50%メタノール水溶液を用いる溶出とを含む。前記生成物は、濃縮され、水(1mL)に再溶解されて、0.2M TEABバッファーで平衡化されたDEAEセファデックスカラム(20mL)上に装荷された。前記カラムは、100mL(0.2M)、100mL(0.4M)、150mL(0.45M)、150mL(0.6M)、900mL(0.75M)及び700mL(0.8M)と、TEABバッファーの濃度を上げながら溶出した。分画はLIF−CEを用いてテストされ、純粋な分画は一緒にプールされて、上記のとおり脱塩されて、蛍光レポーター化合物(21)を得た(5mL、200μM)。
本発明のシアニン色素のスペクトルの比較
図1A、1B、2A及び2Bを参酌して、シアニン色素(14)及び(19)の正規化された吸光スペクトルが、それぞれ以下に示すシアニン色素Cy7及びDBCy7のスペクトルと比較された。
Figure 2007532718
図1Aを参酌して、シアニン色素(14)である環固定Cy7のゲルバッファー及び水の中での正規化吸光スペクトルが既知のシアニン色素Cy7の正規化吸光スペクトルと比較された。
図1Bを参酌して、シアニン色素(14)である環固定Cy7のゲルバッファー及び水の中での正規化蛍光スペクトルが、既知のシアニン色素Cy7の正規化蛍光スペクトルと比較された。
図2Aを参酌すると、シアニン色素(19)である環固定DBCy7のゲルバッファー及び水の中での正規化吸光スペクトルが、既知のシアニン色素DBCy7の正規化吸光スペクトルと比較された。
図2Bを参酌すると、シアニン色素(19)である環固定DBCy7のゲルバッファー及び水の中での正規化蛍光スペクトルが、既知のシアニン色素DBCy7の正規化蛍光スペクトルと比較された。
図1及び2に示すスペクトルは、本発明の化合物が吸光および蛍光を利用する分光学的方法に適することを示す。前記化合物は近赤外領域に励起及び発光スペクトルがあり、発光スペクトルが重複しないので、該スペクトルを個別に検出することができる。
DNA配列決定
2個の蛍光レポーター化合物(20)及び(21)は、ベックマン・コールターCEQ200DNA解析システムにおける4個のダイターミネーターのうちの2個を置換した。ベックマン・コールター社の1999年の著作物である、CEQTM 2000 Dye Terminator Cycle Sequencing Chemistry Protocol,A Step by Step Guide to Dye Terminator Cycle Sequencing on the CEQ 2000,718119ABに説明される現行のシーケンシングプロトコールは、化合物(20)及び(21)が該プロトコールに記載のddCTP及びddATP試薬の代用とされることを除いて、踏襲された。蛍光レポーター化合物(20)及び(21)を用いると、前記CEQ2000のシーケンシングプロトコールを用いてテストされるときには、最大600塩基までの配列情報が得られた。
本発明は、一部の好ましい実施態様を参酌してかなり詳細に説明されたが、他の実施態様も想到可能である。したがって、添付する請求の範囲のは、本明細書に含まれる好ましい実施態様の説明に限定されるべきではない。本明細書に引用される全ての参考文献は引用によってそれらの全体が本明細書に取り込まれる。
本発明の以上の、及びその他の特徴、局面及び利点は、以上の説明と、添付する請求の範囲と、添付する図面とからよりよく理解されるであろう。
本発明の修飾シアニン色素とシアニン色素Cy7との正規化吸光スペクトルを比較するグラフ。 本発明の修飾シアニン色素とシアニン色素Cy7との正規化蛍光スペクトルを比較するグラフ。 本発明の修飾シアニン色素とシアニン色素DBCy7との正規化吸光スペクトルを比較するグラフ。 本発明の修飾シアニン色素とシアニン色素DBCy7との正規化蛍光スペクトルを比較するグラフ。

Claims (18)

  1. 以下の化学式(1)の蛍光レポーター化合物であって、
    Figure 2007532718
    (1)
    Zはヌクレオチドであり、
    Lは、該ヌクレオチドの誘導体の核酸複製酵素による全体的な結合及び認識にシアニン色素が有意な干渉をしないように前記ヌクレオチドの誘導体を前記シアニン色素に結合するのに十分な長さのリンカーであり、
    Cyは以下の化学式(2)のシアニン色素で、
    Figure 2007532718
    (2)
    A及びBは、それぞれ独立に、シアニン核を形成するのに必要な原子であり、
    及びRはそれぞれ独立にC−Cアルキル基であり、
    は、水素又はC−Cアルキル基であり、
    及びRは、それぞれ独立に、H及びSO からなるグループから選択され、
    nは2ないし4の整数である、蛍光レポーター化合物。
  2. Lは長さが少なくとも8個の原子の鎖を有するリンカーである、請求項1に記載の蛍光レポーター化合物。
  3. 以下の化学式(3)の構造を有し、
    Figure 2007532718
    (3)
    Xは、O、S、NR又はCR10であり、
    及びR10は、それぞれ独立に、H又はC−Cアルキル基であり、
    Yは、3ないし20個の原子を有するジラジカル原子団であって、該原子のうち少なくとも3個は、アルキニル基と、1個または2個以上のヘテロ原子とを含む、請求項1又は2に記載の化合物。
  4. 以下の化学式(4)の構造を有し、
    Figure 2007532718
    C及びDは、ベンゼン又はナフタレン環を構成するのに十分な数の炭素原子を有する環構造を表し、
    mは1ないし6の整数である、請求項1、2又は3に記載の化合物。
  5. 及びRは両方ともSO である、請求項1ないし4のいずれかに記載の化合物。
  6. 及びRは両方ともC−Cアルキル基である、請求項1ないし5のいずれかに記載の化合物。
  7. 及びRは同一である、請求項1ないし6のいずれかに記載の化合物。
  8. 水溶液中で測定された蛍光最大発光波長が750nmを超える、請求項1ないし7のいずれかに記載の化合物。
  9. 以下の化学式(5)の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
    Figure 2007532718
    (5)
  10. 以下の化学式(6)の構造を有する、請求項1に記載の化合物。
    Figure 2007532718
    (6)
  11. 請求項1に記載の蛍光レポーター標識化合物を第1核酸配列と反応させて該蛍光レポーター標識化合物で標識された第2核酸配列を作成するステップと、
    第2核酸配列のレポーターを検出するステップとを含む、核酸配列解析方法。
  12. 4個のDNA塩基のそれぞれに対応する請求項1に記載の蛍光レポーター標識化合物の混合物を用意するステップと、
    DNAテンプレートを、複製酵素、DNAヌクレオチドの混合物及び前記蛍光レポーター標識化合物の混合物と反応させるステップと、
    各DNA断片の3’末端残基に共有結合で結合した蛍光レポーター標識化合物を有するDNA断片を作成するステップと、
    前記蛍光レポーター標識DNA断片を分離するステップと、
    分離された蛍光レポーター標識DNA断片のそれぞれについてレポーターを検出してDNA配列を同定するステップとを含む、DNA塩基配列決定方法。
  13. 以下の化学式(7)の構造を有する化合物であって、
    Figure 2007532718
    (7)
    A及びBは、それぞれ独立に、シアニン核を形成するのに必要な原子であり、
    XはO、S、NR又はCR10であり、
    及びRは、それぞれ独立に、C−Cアルキル基であり、
    は、水素又はC−Cアルキル基であり、
    及びRは、R及びRのうち少なくとも1つがSO であることを条件として、それぞれ独立に、水素及びSO からなるグループから選択され、
    及びR10は、それぞれ独立に、H又はC−Cアルキル基であり、
    pは2ないし8の整数であり、
    nは2ないし4の整数である、化学式(7)の構造を有する化合物。
  14. 及びRは両方ともSO である、請求項13に記載の化合物。
  15. 以下の化学式(8)の構造を有する、請求項13に記載の化合物。
    Figure 2007532718
    (8)
  16. 以下の化学式(9)の構造を有する、請求項13に記載の化合物。
    Figure 2007532718
    (9)
  17. 及びRは両方ともC−Cアルキル基である、請求項13ないし16のいずれかに記載の化合物。
  18. 及びRは同一である、請求項13ないし17のいずれかに記載の化合物。
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