JP2009008470A - 分光光度測定方法、分光光度計、分光光度測定用のセルおよびセルへの検体の充填方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微量な検体でも十分な光路長を確保することができ、吸光度を精度よく測定することができる分光光度計のセルおよび分光光度計を提案することにある。
【解決手段】測定セル52は石英ガラスからなる光導波管用細管部分53と検体充填用細管部分54とから構成されており、測定セル52に検体100が充填されると光導波管用細管部分53が光導波管として機能する。分光光度計4は光射出手段60と受光手段65を有しており、光射出手段60は検査光を光導波管用細管部分53の一方の開口端53aに入射させる。入射した光は光導波管用細管部分53の内部を全反射しながら検体を透過し、他方の開口端53bから射出される。射出された透過光を受光手段65で受光して吸光度を求める。光導波管用細管部分53の軸線方向に十分な光路長が確保できるので、細管内に充填した検体が微量でも、吸光度を精度よく測定することができる。
【選択図】図7

Description

本発明は、薬液と反応している微量な検体の吸光度を、検体をセルに貯留した状態で精度よく測定することができる分光光度測定方法に関するものである。また、そのような分光光度測定方法に用いる分光光度計、分光光度測定用のセルおよびセルへの検体の充填方法に関するものである。
分光光度計は、セルに貯留されている検体に向けて特定波長の光を照射し、検体を透過した透過光を受光して吸光度を求めるものである。一般生化学検査、免疫検査などに用いられており、求められた吸光度に基づいて成分濃度の分析が行われる。
検体には貴重なものが多いので、吸光度を求める際に分光光度計で使用する検体は微量にする必要がある。その一方で、吸光度は検体(溶液)の濃度と検体を透過する光の光路長の積に比例するので、高精度の分析を行うためには、検体を透過する光の光路長を確保することが必要である。
微量な検体の吸光度を求める技術は特許文献1に記載されている。特許文献1では、検体の表面張力を利用して検体の液柱を形成し、この液柱の軸線方向に光を透過させることによって光路長を確保している。これによって1μl程度の微量な検体の吸光度を求めることが可能になっている。
しかし、この技術は、検体をセルに貯留した状態で吸光度を測定するものではない。このため、液柱状にされた検体の表面が露出しており、短時間で測定を行わなければ、変質や、蒸発によって成分濃度が変化してしまうという問題がある。また、操作者は手作業によって微量の検体を小さな検出部にピペッティングする必要があるので、操作には熟練を要し、多くの検体を連続して検査することが難しいという問題がある。
米国特許第6809826号明細書
ここで、1μl程の微量な検体に対して、セルに貯留した状態で十分な光路長を確保しながら吸光度を測定する分光光度測定方法は提案されていないのが現状である。また、そのような分光光度測定方法に用いられるセルおよび分光光度計も提案されていない。
本発明の課題は、このような点に鑑みて、微量な検体でも十分な光路長を確保して、吸光度を精度よく測定することができる分光光度測定方法を提案することにある。また、そのような分光光度測定方法に用いられる分光光度測定用のセルおよび分光光度計を提案することにある。さらに、分光光度計におけるセルへの検体の充填方法を提案することにある。
上記の課題を解決するために、本発明は、分光光度測定方法であって、
細管に検体を充填し、
検体によって規定されるコア層が細管によって規定されるクラッド層に取り囲まれた断面構造の光導波管を構成し、
この光導波管を経由して検査光を透過させ、
透過光から検体の吸光度を測定することを特徴とする。
本発明の分光光度測定方法によれば、細管に充填された検体は光導波管のコア層として機能するので、細管の一方の開口端から検査光が入射すると、検体を透過し、その透過光が他方の開口端から出射される。ここで、光導波管のクラッド層となる細管の内径は数μmから数十μmのオーダーで形成されるので、検体の量が1μl程度と微量でもその軸線方向に十分な光路長を確保することができる。よって、吸光度を精度よく測定することができる。また、検体が充填された状態で細管は光導波管として機能するので、細管が曲がっていても光学的な損失が少なく、吸光度を精度よく求めることができる。また、細管の形成に高い精度が要求されないので、その製造コストを抑えることができる。
次に、本発明は、上記の分光光度測定方法に用いられる分光高度測定用のセルであって、
中空部分に検体が充填されることにより光導波管を構成する光導波管用細管部分と、
前記中空部分に検体を充填するために、前記光導波管用細管部分の途中から分岐している検体充填用細管部分とを有することを特徴とする。
本発明によれば、細管の中空部分をセルとしているので、その容量が小さい。従って、セルに充填される検体は微量で済む。また、検体が充填された状態で光導波管用細管部分は光導波管として機能するので、光導波管用細管部分の一方の開口端から入射した光は光導波管用細管部分の内部を全反射しながら検体を透過し、透過光が他方の開口端から出射される。従って、光導波管用細管部分の軸線方向に十分な光路長を確保することができる。また、光導波管用細管部分は光導波管として機能するので、光導波管用細管部分が曲がっていても光学的な損失が少ない。従って、本発明の分光光度測定用のセルを用いれば、微量な検体でも吸光度を精度よく求めることができる。また、光導波管用細管部分の形成に高い精度が要求されないので、セルの製造コストを抑えることができる。さらに、光導波管用細管部分への検体の充填は、検体充填用細管部分を利用して行うことができる。
本発明において、光導波管用細管部分に検体を充填する際に、検体の淀みをなくし気泡が細管内に停滞することを回避するためには、前記検体充填用細管部分は前記光導波管用細管部分の軸線方向と直交する方向に分岐していることが望ましい。
また、検体を効率的に充填するためには、前記検体充填用細管部分は前記光導波管用細管部分の軸線方向の中央から分岐していることが望ましい。
本発明において、光導波管用細管部分を光導波管のクラッド層として機能させるためには、前記光導波管用細管部分は石英ガラスからなることが望ましい。
次に、本発明は、上記の分光光度測定方法に用いられる分光光度計であって、
中空部分に検体が充填されることにより光導波管を構成する光導波管用細管部分と、前記中空部分に検体を充填するために、前記光導波管用細管部分の途中から分岐している検体充填用細管部分とを有するセルと、
検体に向けて検査光を射出する光射出手段と、
検体を透過した透過光を受光する受光手段と、
前記検体充填用細管部分の開口端に密着して検体を加圧しながら前記光導波管用細管部分に充填する検体充填手段とを有し、
前記光射出手段は、前記光導波管用細管部分の一方の開口端を密閉している状態と開放している状態との間で変位する光射出側密閉部材を備えており、
前記受光手段は、前記光導波管用細管部分の他方の開口端を密閉している状態と開放している状態との間で変位する受光側密閉部材を備えていることを特徴とする。
本発明の分光光度計は、細管の中空部分をセルとしているので、そこに充填される検体は微量で済む。また、検体が充填されたセルの光導波管用細管部分は光射出手段と受光手段とを繋ぐ光導波管として機能するので、その軸線方向に、検体を透過する検査光の光路長を確保することができる。従って、検体が微量でも、その吸光度を精度良く求めることができる。さらに、光射出手段および受光手段は、それぞれが備える密閉部材によって光導波管用細管部分の一方および他方の開口端を密閉することができる。この結果、光導波管用細管部分の中空部分に充填されている検体を外気から遮断した状態にできるので、吸光度を測定する間に検体が、変質や蒸発してしまうことがない。よって、吸光度に基づいた成分濃度の分析を精度よく行うことができる。また、光導波管用細管部分への検体の充填は、検体充填用細管部分の開口端に密着する検体充填手段によって行うので、操作者に熟練を要するピペッティングなどを強いることがない。
ここで、前記光射出手段は、光源と、この光源から射出された検査光を端面から射出する光射出側光ファイバとを有しており、
前記光射出側密閉部材は前記光射出側光ファイバであり、この前記端面が前記光導波管用細管部分の一方の開口端に密着している状態と密着していない状態との間で変位することが望ましい。
また、前記受光手段は、受光素子と、端面から入射する光をこの受光素子に導く受光側光ファイバとを有しており、
前記受光側密閉部材は前記受光側光ファイバであり、この前記端面が前記光導波管用細管部分の他方の開口端に密着している状態と密着していない状態との間で変位することを特徴とすることが望ましい。
次に、本発明は、上記の分光光度計におけるセルへの検体の充填方法であって、
前記光導波管用細管部分の前記一方の開口端および前記他方の開口端が開放されている初期状態から、前記一方の開口端を前記光射出手段および前記受光手段のいずれか一方で密閉し、
検体を加圧しながら前記検体充填用細管部分を介して前記光導波管用細管部分に注入し、
前記検体を少なくとも前記他方の開口端の端面より外側に突出している状態にして、この他方の開口端を前記光射出手段および前記受光手段のいずれか他方で密閉し、
前記光導波管用細管部分の前記一方の開口端を開放し、
前記検体を加圧しながら前記検体充填用細管部分を介して前記光導波管用細管部に注入し、
前記検体を少なくとも前記一方の開口端の端面より外側に突出している状態にして、この一方の開口端を前記光射出手段および前記受光手段のいずれか一方で密閉することを特徴とする。
本発明の分光光度計におけるセルへの充填方法によれば、検体を加圧しながら光導波管用細管部分に注入することにより、検体を各開口端の端面から外側に突出させた状態にして、これらの開口端を光射出手段および受光手段で密閉している。この結果、光導波管用細管部分の内部に気泡が残ってしまうことがないので、吸光度を精度よく求めることができる。また、光射出手段および受光手段のいずれか一方によって開口端のいずれか一方を密閉した状態で、いずれか他方の開口端の端面から検体を突出させているので、各開口端から検体が表面張力によって突出する量を調節することができる。検体を開口端からオーバーフローさせることなく突出させることができるので、検体を無駄に消費してしまうことがない。
次に、本発明は、上記の分光光度計におけるセルへの検体の充填方法の別の形態であって、
前記光導波管用細管部分の前記一方の開口端および前記他方の開口端が開放されている初期状態において、検体を加圧しながら前記検体充填用細管部分を介して前記光導波管用細管部分に注入し、
前記検体を、前記一方の開口端のおよび前記他方の開口端の各端面より少なくとも外側に突出している状態にして、前記一方の開口端を前記光射出手段および前記受光手段のいずれか一方で密閉し、前記他方の開口端を前記光射出手段および前記受光手段のいずれか他方で密閉することを特徴とする。
このようなセルへの充填方法によっても、検体を少なくとも各開口端の端面から外側に突出させた状態にして、場合によってはオーバーフローさせながら、これらの開口端を光射出手段および受光手段で密閉している。従って、光導波管用細管部分の内部に気泡が残ってしまうことがないので、吸光度を精度よく求めることができる。
本発明の分光光度測定方法によれば、細管に充填された検体は光導波管のコア層として機能するので、細管の一方の開口端から検査光が入射すると、検体を透過し、その透過光が他方の開口端から出射される。ここで、光導波管のクラッド層となる細管の内径は数μmから数十μmのオーダーで形成されるので、検体の量が1μl程度と微量でもその軸線方向に十分な光路長を確保することができる。よって、吸光度を精度よく測定することができる。また、検体が充填された状態で細管は光導波管として機能するので、細管が曲がっていても光学的な損失が少なく、吸光度を精度よく求めることができる。また、細管の形成に高い精度が要求されないので、その製造コストを抑えることができる。
次に、本発明の分光光度計のセルによれば、細管の中空部分をセルとしているので、その容量が小さい。従って、セルに充填される検体は微量で済む。また、検体が充填された状態で光導波管用細管部分は光導波管として機能するので、光導波管用細管部分の軸線方向に光路長を確保することができる。また、光導波管用細管部分は光導波管として機能するので、光導波管用細管部分が曲がっていても光学的な損失が少ない。従って、本発明の分光光度測定用のセルを用いれば、微量な検体でも吸光度を精度よく求めることができる。また、光導波管用細管部分の形成に高い精度が要求されないので、セルの製造コストを抑えることができる。さらに、光導波管用細管部分への検体の充填は、検体充填用細管部分を利用して行うことができるので、検体のセルへの充填が容易である。
次に、本発明の分光光度計は、セルが光導波管として機能する光導波管用細管部分を備えているので、検体が微量でも、その吸光度を精度良く求めることができる。また、光射出手段および受光手段は、それぞれが備える密閉部材によって光導波管用細管部分の一方および他方の開口端を密閉することができる。この結果、光導波管用細管部分の中空部分に充填されている検体を外気から遮断した状態にできるので、吸光度を測定する間に検体が、変質や蒸発してしまうことがない。よって、吸光度に基づいた成分濃度の分析を精度よく行うことができる。また、光導波管用細管部分への検体の充填は、検体充填用細管部分の開口端に密着する検体充填手段によって行うので、操作者に熟練を要するピペッティングなどを強いることがない。
また、本発明の分光光度計におけるセルへの充填方法によれば、検体を加圧しながら光導波管用細管部分に注入することにより、検体を少なくとも各開口端の端面から外側に突出させた状態にして、これらの開口端を光射出手段および受光手段で密閉している。この結果、光導波管用細管部分の内部に気泡が残ってしまうことがないので、吸光度を精度よく求めることができる。
以下に、図面を参照して、本発明を適用した分光光度計を搭載する臨床検査装置の実施の形態を説明する。
(臨床検査装置)
図1は本実施の形態に係る臨床検査装置の主要部分の概略構成図である。図2は(a)がその概略正面図であり、(b)が概略平面図である。図3は図1のA−A線で切断した部分を示す概略断面図である。これらの図を参照して臨床検査装置1の全体構成を説明する。
本例の臨床検査装置1は、インクジェットプリンタに使用されているインクジェットヘッドと同様な機構の液滴吐出ヘッド2を用いて、検体検査用の薬液あるいは検体を、検体と試薬を反応させるための検査チップ3に分注し、検査チップ3における検体の反応結果を分光光度計4により測定するものである。
図1、2に示すように、臨床検査装置1は、矩形枠状の装置フレーム5の底面中央部分に取り付けた前後方向(Y方向)に出し入れ可能な検査テーブル6を備えており、検体および薬液が分注される検査チップ3はこの検査テーブル6の上面に形成されている装着用凹部7に装着されている。検査テーブル6における装着用凹部7を囲む部位には分光光度計4が配置されており、分光光度計4は、検体に向けて特定波長の光を検査光として射出する光射出手段60と、検体を透過した透過光を受光する受光手段65と、検査チップ3に取り付けられている測定セル52に検体を充填するための検体充填手段70を有している。なお、検査チップ3、測定セル52および分光光度計4については、その詳細を後述する。
装置フレーム5には、検査テーブル6の上方を経由して左右方向(X方向)に往復移動可能なヘッドキャリッジ8が取り付けられている。ヘッドキャリッジ8は、X方向に掛け渡したキャリッジガイド軸9に沿って、キャリッジモータ9a、タイミングベルト9b、プーリ9cなどからなるキャリッジ駆動機構によってX方向に移動する。ヘッドキャリッジ8には、検体検査用の薬液を検査チップ3に分注するための液滴吐出ヘッド2が搭載されている。装置フレーム5の後側中央部分には検査チップ3を収納しているチップマガジン10が取り付けられており、検査チップ3はここから取り出されて使用される。
液滴吐出ヘッド2は、ヘッドキャリッジ8に搭載されている3連式の駆動ユニット11(1)〜11(3)と、これらの駆動ユニット11(1)〜11(3)のそれぞれの装着穴12(1)〜12(3)に着脱可能に上側から装着される3本のノズルカートリッジ13(1)〜13(3)とを備えている。
図3に示すように、ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)は、その上半部分が薬液を貯留するための貯留部31とされ、その下半部分が装着穴12(1)〜12(3)に装着可能な装着部32とされている。この装着部32の先端には液滴吐出用のノズル33が形成されており、装着部32の内部には、液滴をノズル33から吐出させるために必要な圧力変動を発生させるための圧力発生用流路34が形成されている。圧力発生用流路34の一端がノズル33に連通しており、その他端が貯留部31に連通している。
次に、図1から3に示すように、ヘッドキャリッジ8には、3本のノズルカートリッジ13(1)〜13(3)を覆う状態に、吸引流路板14が着脱可能な状態で装着されている。吸引流路板14の上面には不図示のフィルムで封鎖された各ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)の貯留部31内に連通する3本の吸引流路14(a)〜14(c)が形成されている。これらの吸引流路14(a)〜14(c)の一端は、図3から分かるように、各ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)の貯留部31の内部に連通している。これらの吸引流路14(a)〜14(c)の他端は、ヘッドキャリッジ8と装置フレーム5の間にU状に湾曲させて架け渡したフレキシブル配線板15に沿って引き出されている不図示の可撓性の吸引チューブを介して、装置フレーム5の背面に搭載されているヘッド吸引ポンプ16の吸引ポート(図示せず)に繋がっている。
吸引チューブと吸引ポートの間には三方電磁弁(図示せず)が配置されている。三方電磁弁を切り替えることにより、ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)の内部をヘッド吸引ポンプ16によって吸引可能である。また、ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)とヘッド吸引ポンプ16の間を切断して、ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)の貯留部31内を大気開放できるようになっている。
次に、装置フレーム5の底部における側方の部位には、廃液回収ユニット17が配置されている。廃液回収ユニット17は、ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)のノズル33が形成されている先端部分を覆うためのキャップ18と、チューブポンプなどの廃液回収ポンプ19と、廃液回収ポンプ19によって吸引された廃液の回収部(図示せず)とを備えている。キャップ18をノズルカートリッジ13(1)〜13(3)の先端部分に被せて、廃液回収ポンプ19を駆動することにより、各ノズル33を介して各ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)内の液体を外部に排出して回収することができるようになっている。
装置フレーム5の底部における廃液回収ユニット17とは反対側の側方の部位には、液体貯留ユニット21が配置されている。この液体貯留ユニット21は、マトリックス状に液体貯留用のウエル22が形成されているウエルプレート23と、このウエルプレート23を昇降させるための昇降ユニット24とを備えている。例えば、3行5列のウエル22(1,1)〜22(3,5)が形成されており、各行の間隔は3本のノズルカートリッジ13(1)〜13(3)のノズル33に対応した間隔とされている。
例えば、1列分の3個のウエル22(1,1)〜22(3,1)は洗浄液が貯留された洗浄液貯留部である。残りのウエルは薬液貯留部であり、第1行目の4個のウエル22(1,2)〜(1,5)は試薬(指標薬)が貯留された試薬貯留部、第2行目の4個のウエル22(2,2)〜22(2,5)は反応薬が貯留された反応薬貯留部、第3行目の4個のウエル22(3,2)〜22(3,5)は緩衝薬が貯留された緩衝薬貯留部である。
ここで、図1、2を参照して、ヘッドキャリッジ8に搭載されている液滴吐出ヘッド2の移動位置について説明する。液滴吐出ヘッド2は、その各ノズル33が、廃液回収ユニット17に対峙した待機位置2Aと、検査テーブル6上の検査チップ3に対峙した分注位置(液滴吐出位置)2Bと、液体貯留部21における洗浄液貯留用のウエル22(1,1)〜22(3,1)に対峙した洗浄液吸引位置2Cと、これら以外のウエルの各列に対峙した4箇所の薬液吸引位置2Dを経由するヘッド移動経路に沿って搬送されるようになっている。なお、図2は、液滴吐出ヘッド2のノズル33が3列目のウエル2(1,3)〜2(3,3)に位置している状態を示してあり、図1は、液滴吐出ヘッド2が待機位置2Aに位置している状態を示してある。
(分注動作)
次に、図4および図5は、臨床検査装置における動作のうち、主に薬液分注動作を示す説明図である。
まず、図1、3に示すように、待機位置2Aに待機しているヘッドキャリッジ8に搭載されている駆動ユニット11(1)〜11(3)の装着穴12(1)〜12(3)に、空のノズルカートリッジ13(1)〜13(3)をそれぞれ装着して、液滴吐出ヘッド2を構成する。また、各ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)の上に吸引流路板14を取り付ける。
次に、図4(a)に示すように、検査テーブル6を前方に引き出し、チップマガジン10から取り出された検査チップ3を装着用凹部7に装着する。検査チップ3を装着した後に、検査テーブル6を元の位置に引き込む。
この後は、図4(b)に示すように、ヘッドキャリッジ8によって液滴吐出ヘッド2を洗浄液吸引位置2Cに移動する。洗浄液吸引位置2Cにおいて、昇降ユニット24によってウエルプレート23を上昇させ、各ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)のノズル33が形成されている先端部分を洗浄液貯留部であるウエル22(1,1)〜22(3,1)に貯留されている洗浄液内に差し込む。この状態で、ヘッド吸引ポンプ16を駆動して、各ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)の貯留部31の内部を負圧状態にする。これにより、各ノズル33を介して、各ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)の貯留部31の内部に洗浄液が吸引される。
次に、図4(c)に示すように、ヘッドキャリッジ8によって液滴吐出ヘッド2を待機位置2Aに戻し、廃液回収ユニット17のキャップ18を上昇させて、各ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)のノズル33を密閉状態で覆う(図3参照)。この状態で廃液回収ポンプ19を駆動して、各ノズル33を介して、各ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)の内部から洗浄液を吸い出して回収する。これにより、各ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)における貯留部31の内部、圧力発生用流路34およびノズル33が洗浄される。
この後は、図5(a)に示すように、ヘッドキャリッジ8によって液滴吐出ヘッド2を薬液吸引位置2Dに移動し、各ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)の各ノズル33を薬液貯留部としての第2〜第5のウエル列のいずれかに位置決めする。この状態で、昇降ユニット24によってウエルプレート23を上昇させ、各ノズル33を各ウエルに貯留されている薬液内に差し込む。次に、ヘッド吸引ポンプ16を駆動して、各ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)の貯留部31の内部を負圧状態にする。これにより、各ノズル33を介して、各ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)の貯留部31の内部に薬液が吸引される。例えば、各ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)の貯留部31に、それぞれ、指標薬、反応薬および緩衝薬が吸引される。
次に、図5(b)に示すように、ヘッドキャリッジ8によって液滴吐出ヘッド2を分注位置2Bに移動し、検査チップ3に各ノズル33から薬液を必要回数吐出する。これにより、検査チップ3に各薬液が分注される。例えば、液滴吐出ヘッド2の各ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)のノズル33を順次に検査チップ3の吐出位置に位置決めして、各ノズル33から薬液を吐出する。各ノズル33と検査チップ3の吐出位置との位置決めは、検査テーブル6をY方向に移動させることにより行われる。この後は、液滴吐出ヘッド2を待機位置に戻す。
上記の図4(a)の検体導入と、図5(a)の薬液吸引と、図5(b)の薬液分注動作を繰り返し行うことにより、必要枚数分の検査チップ3に各薬液を分注することができる。なお、検体も液滴吐出ヘッド2を用いて検体チップ4に分注することも可能である。
同一種類の薬液の分注が終了した後は、図5(c)に示すように、液滴吐出ヘッド2を待機位置に戻す。そして、廃液回収ユニット17のキャップ18を上昇させて、各ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)のノズル33を密閉状態で覆う(図3参照)。この状態で廃液回収ポンプ19を駆動して、各ノズル33を介して、各ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)の内部に残っている薬液を吸い出して回収する。空となった使用済みの各ノズルカートリッジ13(1)〜13(3)を、各駆動ユニット11(1)〜11(3)から取り外して廃棄する。
(検査チップおよび測定セル)
ここで、図6を参照して検査チップを説明する。図6(a)は検査チップを示す斜視図であり、図6(b)は図6(a)のB−B線で切断した検査チップの断面図である。
図6に示すように、検査チップ3は扁平な矩形状の基板41を備えており、この基板41の平坦な表面42には、円形の検体および緩衝薬の導入孔43と、円形の指標薬の導入孔44と、円形の反応薬の導入孔45と、長円形の反応チャンバ46とが形成されている。基盤41の下側には測定セル52が取り付けられている。
導入孔43、44、45にはそれぞれ連通溝47、48、49が繋がっており、これらの連通溝47〜49は途中位置で合流して反応チャンバ46に繋がっている。反応チャンバ46は連通溝50および連通管51を介して測定セル52に繋がっている。連通管51は、連通溝50からと連続する上端部分が漏斗状になっている細管である。連通管51には、この連通管51から測定セル52に流れ込んだ検体が逆流しないようにするための微細な弁機構が設けられている。
測定セル52は、T字形状をした石英ガラス製の細管である。基板41と平行に延びている光導波管用細管部分53と、その軸線方向の中央から軸線方向と直行する下方に分岐して延びる検体充填用細管部分54を備えている。各細管部分53、54の径は1mm以下になっている。検体充填用細管部分54が分岐している光導波管用細管部分53の周壁部分と対向する周壁部分には、連通管51の下端が接続されている。
ここで、測定セル52は光導波管を形成する細管をセルとしており、その内径は数μmから数十μmのオーダーで形成される。このため、中空部分52aの容量が小さいので、測定セル52に充填される検体は微量で済む。
また、光導波管用細管部分53は、薬液と反応している検体が中空部分に充填された状態で光導波管を構成するようになっている。すなわち、検体が光導波管のコア層を構成し、光導波管用細管部分53がクラッド層を構成する。この結果、一方の開口端53aから入射した光は光導波管用細管部分53の内部を全反射しながら検体を透過し、他方の開口端53bから射出される。従って、光導波管用細管部分53の軸線方向に吸光度を精度よく測定するための光路長を確保することができる。また、光導波管用細管部分53は光導波管として機能するので、光導波管用細管部分53が曲がっていても光学的な損失が少ない。従って、測定セル52を用いれば、吸光度を精度よく求めることができる。さらに、光導波管用細管部分53を形成する際に高い精度が要求されないので、測定セル52の製造コストを抑えることができる。
(分光光度計)
次に、図7を参照して分光光度計の主要構成を説明する。図7(a)は検査チップが装着されている検査テーブルの平面図であり、図7(b)は図7(a)のC−C線で切断した概略断面図である。
分光光度計4は、検査テーブル6において装着用凹部7をX方向の両側および下側から囲む部位に構成されている。なお、図7に示す状態は、検査チップ3の測定セル52に、反応チャンバ46において薬液と反応した検体100が充填されている状態である。
分光光度計4は、測定セル52に充填されている検体100に向けて検査光を射出する光射出手段60と、検体100を透過した透過光を受光する受光手段65を有している。また、検体100を光導波管用細管部分53の中空部分に充填するための検体充填手段70を有している。
光射出手段60は、光源ユニット61と、この光源ユニット61から射出された検査光を端面から射出する光射出側光ファイバ62とを有しており、装着用凹部7の一方の側に配置されている。光源ユニット61は白色レーザ光源とバンドパスフィルタを備えており、このバンドパスフィルタを通過した特定波長の光が検査光として射出される。なお、バンドパスフィルタに代えてダイクロイックプリズムを用いて特定波長の光を射出するようにすることもできる。光射出側光ファイバ62の端部分は光導波管用細管部分53の開口端よりも大径に形成されており、この端面62aが光導波管用細管部分53の一方の開口端53aに密着することにより、開口端53aを密閉している。
受光手段65は、受光ユニット66と、端面67aから入射する光をこの受光ユニット66の受光部に導く受光側光ファイバ67とを有しており、装着用凹部7の他方の側に配置されている。受光ユニット66は受光素子としてフォトダイオード、フォトトランジスタまたはフォトマルチプレクサなどを用いたものである。受光側光ファイバ67の端部分は光導波管用細管部分53の開口端よりも大径に構成されており、この端面67aが光導波管用細管部分53の他方の開口端53bに密着することにより、開口端53bを密閉している。
この状態で、光源ユニット61から射出された検査光は、光射出側光ファイバ62を介して光導波管として機能している光導波管用細管部分53に入射する。そして、光導波管用細管部分53の内部を全反射しながら中空部分に充填されている検体100を透過して、他方の開口端53bから射出される。射出された透過光は受光側光ファイバ67を介して受光ユニット66に導かれる。従って、分光光度計4は、受光ユニット66が検出する透過光から検体100の吸光度を求めることができる。
ここで、光射出側光ファイバ62および受光側光ファイバ67の端部分はそれぞれ不図示のアクチュエータによってX方向に移動可能になっている。このため、光射出側光ファイバ62の端面62aは光導波管用細管部分53の一方の開口端53aに密着している状態と密着していない状態との間で変位する。また、受光側光ファイバ67の端面67aは光導波管用細管部分53の他方の開口端53bに密着している状態と密着していない状態との間で変位する。
次に、検体充填手段70は、一方の端部分が小径になっている円筒形のシリンダ71と、不図示のアクチュエータによりシリンダ71内を往復移動するピストン72を備えている。装着用凹部7の下側において、小径の端部分の開口端71aが検体充填用細管54の開口端54aと密着するように取り付けられている。検体充填手段70は、ピストン72を引き出すことによってシリンダ71内および測定セル52内に負圧を発生させ、検体100を反応チャンバ46からシリンダ71内に吸引する。その後、ピストン72を押し込むことによって、シリンダ71に吸引した検体100を加圧しながら測定セル52に充填する。
(測定セルへの検体の充填方法)
図8、9を参照しながら検体を測定セルへ充填する方法を詳細に説明する。図8は反応チャンバから検体充填手段のシリンダへ検体を吸引する動作を示す説明図である。図9は検体充填手段のシリンダから測定セルへ検体を充填する動作を示す説明図である。
上述したとおり、検査テーブル6に載せた検査チップ3の各導入孔43〜45には、液滴吐出ヘッド2によって、指標薬、反応薬および緩衝薬がそれぞれ分注される。本例では、ノズルカートリッジ13(1)のノズル33から指標薬が吐出され、ノズルカートリッジ13(2)のノズル33から反応薬が吐出され、ノズルカートリッジ13(3)のノズル33から緩衝薬が吐出される。検体100は予め導入孔43に導入されている。これらの導入孔43〜45に分注された薬液は、毛細管力によって各連通溝47〜49に沿って反応チャンバ46に移動する。緩衝薬と共に反応チャンバ46に移動した検体100(例えば血しょう)は、反応チャンバ46で反応薬と反応する。
ここで、反応している検体100を測定セル52に充填するためには、まず、検体100を、反応チャンバ46から検体充填手段70のシリンダ71へ吸引する。
初期状態では、光導波管用細管部分53の一方の開口端53aおよび他方の開口端53bは開放されている。すなわち、光射出側光ファイバ62の端面62aおよび受光側光ファイバ67の端面67aはそれぞれ光導波管用細管部分53の開口端53a、53bから後退した位置にある。
そこで、図8(a)に示すように、両方の開口端53a、53bを光射出手段60および受光手段65で密閉する。具体的には、光射出側光ファイバ62および受光側光ファイバ67の端部分を光導波管用細管部分53に向けて前進させ、各端面62a、67aを光導波管用細管部分53の開口端53a、53bにそれぞれ密着させる。その後、図8(b)に示すように、ピストン72を引き出すことにより負圧を発生させて、反応チャンバ46にある検体100を、連通溝50、連通管51および測定セル52を介してシリンダ71へ吸引する。
次に、シリンダ71に吸引した検体100を測定セル52に充填する。
検体100をシリンダ71に吸引した状態では、光導波管用細管部分53の一方の開口端53aおよび他方の開口端53bはそれぞれ光射出手段60および受光手段65によって密閉されている。そこで、図9(a)に示すように、一方の開口端53aから光射出手段60を後退させて、この一方の開口端53aを開放する。具体的には、光射出側光ファイバ62の端面62aを光導波管用細管部分53の一方の開口端53aから後退した位置に変位させる。
その後、ピストン72を押し込むことにより検体100を加圧しながら、検体充填用細管部分54を介して光導波管用細管部分53に検体100を注入する。このとき、検体100がその表面張力によって一方の開口端53aの端面から外側に突出している状態にする。この状態のままで一方の開口端53aを光射出手段60で密閉する。
次に、図9(b)に示すように、他方の開口端53bから受光手段65を後退させて、この他方の開口端53bを開放する。具体的には、受光側光ファイバ67の端面67aを光導波管用細管部分53の他方の開口端53bから後退した位置に変位させる。
その後、ピストン72を押し込むことにより検体100を加圧しながら、検体充填用細管部分54を介して光導波管用細管部分53に検体100を注入する。このとき、検体100がその表面張力によって他方の開口端53bから突出している状態にする。この状態のままで、他方の開口端53bを受光手段65で密閉する。なお、連通管51には逆流を防ぐ弁機構が構成されているので、加圧された検体100が反応チャンバ46の側へ逆流することはない。
これらの動作により、測定セル52への検体100の充填動作は終了し、図9(c)に示す状態になる。ここで、光源ユニット61から検査光が射出されると、検査光は太線の矢印で示すように光射出側光ファイバ62を介して光導波管として機能する光導波管用細管部分53の一方の開口端53aに入射し、検体100を透過し、透過光が光導波管用細管部分53の他方の開口端53bから射出される。透過光は受光側光ファイバ67を介して受光ユニット66により検出される。従って、検体100の吸光度を求めることができる。
(本形態の効果)
以上説明したように、本例の臨床検査装置1に搭載されている分光光度計4は、光導波管を形成する細管の中空部分52aをセルとしているので、そこに充填される検体100は微量で済む。また、その中空部分52aに検体100が充填されることにより、光導波管用細管部分53は光光導波管として機能するので、その軸線方向に検体100を透過する光の光路長を確保することができる。従って、検体100が微量でも、その吸光度を精度良く求めることができる。
さらに、光射出手段60および受光手段65は、X方向に変位することによって、それぞれ光導波管用細管部分53の一方の開口端53aおよび他方の開口端53bを密閉することが可能になっている。この結果、測定セル52の中空部分52aに充填された検体100を外気から遮断することができるので、吸光度を測定する間に検体100が、変質や蒸発してしまうことがない。よって、吸光度に基づいた成分濃度の分析を精度よく行うことができる。また、光導波管用細管部分53の開口端は光射出手段60および受光手段65によって密閉されているので、測定セル52を密閉するための部材を別途用意する必要がない。
さらに、測定セル52への検体100の充填は、検体充填用細管部分54の開口端54aに密着する検体充填手段70によって行われるので、操作者に、熟練を要するピペッティングなどを強いることがない。
また、分光光度計4は、検体100を加圧しながら光導波管用細管部分53に注入することにより、検体100を開口端53a、53bの各端面から突出している状態にしている。この結果、光導波管用細管部分53の内部に気泡が残ってしまうことがないので、吸光度を精度よく求めることができる。また、光射出手段60または受光手段65によって開口端53a、53bのうちのいずれか一方を密閉した状態にして、いずれか他方の開口端から検体100を外側に突出させているので、検体100が表面張力によって突出する量を調節することができる。従って、検体100を開口端53a、53bからオーバーフローさせて消費してしまうことを避けることができる。
さらに、光導波管用細管部分53に検体100を充填する際に、光導波管用細管部分53の中央で軸線方向と直交する方向に分岐している検体充填用細管部分54を介して充填しているので、充填される検体100の淀みをなくし、気泡が細管内に停滞することを回避することができる。また、検体100を効率的に充填することができる。
(その他の実施の形態)
上記の例では、計測セル52への検体100の充填は、検体100をシリンダ71に吸引した後は光導波管用細管部分53の一方の開口端53aと他方の開口端53bとを交互に開放しながら行っている。しかし、検体100をシリンダ71に吸引した後は、開口端53a、53bを両方とも開放しておいて検体充填手段70によって検体100を加圧しながら充填用細管部分54を介して光導波管用細管部分53内に注入することもできる。この場合には、検体100を少なくとも一方の開口端53aおよび他方の開口端53bの各端面から外側に突出している状態にして、場合によっては、検体100を開口端53a、53bの双方の開口端から、あるいは、いずれか一方の開口端からオーバーフローさせながら、光射出手段60および受光手段70で密閉する。
このような充填方法によっても、検体100を加圧しながら光導波管用細管部分53に注入して、検体100を開口端53a、53bから外側に突出している状態にすることができるので、光導波管用細管部分53の内部に気泡が残ってしまうことがない。従って、吸光度を精度よく求めることができる。
また、上記の例では、検体100は、反応チャンバ46から測定セル52を介して検体充填手段70のシリンダ71に吸引されているが、検体100をシリンダ71に吸引する構成はこれに限られるものではない。例えば、反応チャンバ46から測定セル52を介さないでシリンダ71と接続可能な道通管を用意しておいて、これを介して検体100を吸引することができる。この場合には、検体100の吸引が終了した後に、シリンダ71の小径部分の開口端71aと検体充填用細管部分54の開口端54aとを密着させる。また、分光光度計4は、初期状態では光導波管用細管部分53の一方の開口端53aおよび他方の開口端53bが開放されているので、他方の開口端53bを受光手段65で密閉して、図9(a)に示す状態にし、しかる後に上述した方法によって検体100を測定セル52に充填すればよい。
本発明を適用した臨床検査装置の主要部分の概略構成図である。 図1の臨床検査装置の正面図および平面図である。 図1のA−A線で切断した部分の断面図である。 図1の臨床検査装置の分注動作を示す説明図である。 図1の臨床検査装置の分注動作を示す説明図である。 検査チップの斜視図および断面図である。 検査チップを検査テーブルに装着した状態の平面図および断面図である。 検体を反応チャンバから検体充填手段へ吸引する動作を示す説明図である。 検体を測定セルに充填する動作を示す説明図である。
符号の説明
1 臨床検査装置、2 液滴吐出ヘッド、 2A 待機位置、2B 分注位置、2C 洗浄液吸引位置、2D 薬液吸引位置、3 検査チップ、4 分光光度計、5 装置フレーム、6 検査テーブル、7 装着用凹部、8 ヘッドキャリッジ、9 キャリッジガイド軸、9a キャリッジモータ、9b タイミングベルト、9c プーリ、10 チップマガジン、11(1)〜11(3) 駆動ユニット、12(1)〜12(3) 装着穴、13(1)〜13(3) ノズルカートリッジ、14 吸引流路板、14(a)〜14(c) 吸引流路、15 フレキシブル配線板、16 ヘッド吸引ポンプ、17 廃液回収ユニット、18 キャップ、19 廃液回収ポンプ、21 液体貯留部、22(1,1)〜22(3,5) ウエル、23 ウエルプレート、24 昇降ユニット、26 液送ポンプ、31 貯留部、32 装着部、33 ノズル、34 液体流路、41 基板、42 表面、43〜45 導入孔、46 反応チャンバ、47〜50 連通溝、51 連通管、52 測定セル、53 光導波管用細管部分、54 検体充填用細管部分、60 光射出手段、61 光源ユニット、62 光射出側光ファイバ、65 受光手段、66 受光ユニット、67 受光側光ファイバ、70 検体充填手段、71 シリンダ、72 ピストン、100 検体

Claims (10)

  1. 細管に検体を充填し、
    検体によって規定されるコア層が細管によって規定されるクラッド層に取り囲まれた断面構造の光導波管を構成し、
    この光導波管を経由して検査光を透過させ、
    透過光から検体の吸光度を測定することを特徴とする分光光度測定方法。
  2. 請求項1に記載された分光光度測定方法に用いられる分光光度測定用のセルであって、
    中空部分に検体が充填されることにより光導波管を構成する光導波管用細管部分と、
    前記中空部分に検体を充填するために、前記光導波管用細管部分の途中から分岐している検体充填用細管部分とを有することを特徴とする分光光度測定用のセル。
  3. 請求項2において、
    前記検体充填用細管部分は前記光導波管用細管部分の軸線方向と直交する方向に分岐していることを特徴とする分光光度測定用のセル。
  4. 請求項2または3において、
    前記検体充填用細管部分は前記光導波管用細管部分の軸線方向の中央から分岐していることを特徴とする分光光度測定用のセル。
  5. 請求項2ないし4のうちのいずれかの項において、
    前記光導波管用細管部分は石英ガラスからなることを特徴とする分光光度測定用のセル。
  6. 請求項1に記載されている分光光度測定方法に用いられる分光光度計であって、
    中空部分に検体が充填されることにより光導波管を構成する光導波管用細管部分と、前記中空部分に検体を充填するために、前記光導波管用細管部分の途中から分岐している検体充填用細管部分とを有するセルと、
    検体に向けて検査光を射出する光射出手段と、
    検体を透過した透過光を受光する受光手段と、
    前記検体充填用細管部分の開口端に密着して検体を加圧しながら前記光導波管用細管部分に充填する検体充填手段とを有し、
    前記光射出手段は、前記光導波管用細管部分の一方の開口端を密閉している状態と開放している状態との間で変位する光射出側密閉部材を備えており、
    前記受光手段は、前記光導波管用細管部分の他方の開口端を密閉している状態と開放している状態との間で変位する受光側密閉部材を備えていることを特徴とする分光光度計。
  7. 請求項6において、
    前記光射出手段は、光源と、この光源から射出された検査光を端面から射出する光射出側光ファイバとを有しており、
    前記光射出側密閉部材は前記光射出側光ファイバであり、この前記端面が前記光導波管用細管部分の前記一方の開口端に密着している状態と密着していない状態との間で変位することを特徴とする分光光度計。
  8. 請求項6または7において、
    前記受光手段は、受光素子と、端面から入射する光をこの受光素子に導く受光側光ファイバとを有しており、
    前記受光側密閉部材は前記受光側光ファイバであり、この前記端面が前記光導波管用細管部分の前記他方の開口端に密着している状態と密着していない状態との間で変位することを特徴とする分光光度計。
  9. 請求項6ないし8のうちのいずれかの項に記載されている分光光度計におけるセルへの検体の充填方法であって、
    前記光導波管用細管部分の前記一方の開口端および前記他方の開口端が開放されている初期状態から、前記一方の開口端を前記光射出手段および前記受光手段のいずれか一方で密閉し、
    検体を加圧しながら前記検体充填用細管部分を介して前記光導波管用細管部分に注入し、
    前記検体を少なくとも前記他方の開口端の端面より外側に突出している状態にして、この他方の開口端を前記光射出手段および前記受光手段のいずれか他方で密閉し、
    前記光導波管用細管部分の前記一方の開口端を開放し、
    前記検体を加圧しながら前記検体充填用細管部分を介して前記光導波管用細管部に注入し、
    前記検体を少なくとも前記一方の開口端の端面より外側に突出している状態にして、この一方の開口端を前記光射出手段および前記受光手段のいずれか一方で密閉することを特徴とするセルへの検体の充填方法。
  10. 請求項6ないし8のうちのいずれかの項に記載されている分光光度計におけるセルへの検体の充填方法であって、
    前記光導波管用細管部分の前記一方の開口端および前記他方の開口端が開放されている初期状態において、検体を加圧しながら前記検体充填用細管部分を介して前記光導波管用細管部分に注入し、
    前記検体を、少なくとも前記一方の開口端のおよび前記他方の開口端の各端面より外側に突出している状態にして、前記一方の開口端を前記光射出手段および前記受光手段のいずれか一方で密閉し、前記他方の開口端を前記光射出手段および前記受光手段のいずれか他方で密閉することを特徴とするセルへの検体の充填方法。
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