JP2009008104A - 密封装置 - Google Patents
密封装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009008104A JP2009008104A JP2007149256A JP2007149256A JP2009008104A JP 2009008104 A JP2009008104 A JP 2009008104A JP 2007149256 A JP2007149256 A JP 2007149256A JP 2007149256 A JP2007149256 A JP 2007149256A JP 2009008104 A JP2009008104 A JP 2009008104A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- sealing device
- protrusion
- adhesion
- slinger
- axial direction
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Withdrawn
Links
Images
Landscapes
- Sealing With Elastic Sealing Lips (AREA)
- Sealing Of Bearings (AREA)
Abstract
【課題】スリンガーおよびリップシールの組み合わせよりなる磁気エンコーダー付きの密封装置において、複数の製品を積み重ねたときに製品同士が粘着するのを抑制することができる密封装置を提供する。
【解決手段】
相対回転する二部材のうちの一方に装着されるスリンガー2と、他方に装着されるリップシール4との組み合わせよりなり、スリンガー2はその軸方向一方の端面に磁気エンコーダー3を有し、リップシール4はスリンガー2に摺動自在に密接するシールリップ6を取付環5に被着してなる密封装置1において、取付環5の軸方向他方の端面に、製品積み重ね時における吸着現象を抑制する吸着防止突起7を設けるとともに、吸着防止突起7の先端に、製品積み重ね時における粘着現象を抑制する粘着防止突起8を設けることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】
相対回転する二部材のうちの一方に装着されるスリンガー2と、他方に装着されるリップシール4との組み合わせよりなり、スリンガー2はその軸方向一方の端面に磁気エンコーダー3を有し、リップシール4はスリンガー2に摺動自在に密接するシールリップ6を取付環5に被着してなる密封装置1において、取付環5の軸方向他方の端面に、製品積み重ね時における吸着現象を抑制する吸着防止突起7を設けるとともに、吸着防止突起7の先端に、製品積み重ね時における粘着現象を抑制する粘着防止突起8を設けることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、密封技術に係る密封装置に関するものである。本発明の密封装置は例えば、ハブベアリングシールとして自動車関連分野に用いられ、または家電製品、産業機械もしくは自転車等の各関連分野において用いられる。
従来から、図10に示す密封装置51が知られており、この密封装置51は、自動車用車輪懸架装置のベアリング部にハブベアリングシールとして用いられるものであって、ベアリング内輪61の外周側に装着されるスリンガー52と、ベアリング外輪62の内周側に装着されるリップシール54との組み合わせにより構成されている。
スリンガー52は、断面略L字形に成形され、その軸方向一方(図では右方)の端面に磁気エンコーダー53が被着されている。リップシール54は、スリンガー52に摺動自在に密接するゴム状弾性体製のシールリップ56を金属製の取付環55に被着したものであって、取付環55の軸方向他方(図では左方)の端面に同じくゴム状弾性体よりなる製品積み重ね時の吸着防止突起57が設けられている。この吸着防止突起57は、その名のとおり吸着防止のために設けられており、すなわち吸着防止突起57が設けられていないと、複数の製品51を軸方向に積み重ねたときに一の製品51における磁気エンコーダー53が隣の製品51における取付環55に吸着(磁着)する事態が発生し、その引き剥がしが面倒な作業となることから、予めの吸着防止対策として、スペーサーとして機能する吸着防止突起57が設けられている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記従来技術には、以下の不都合がある。
すなわち、上記従来技術によると、上記したように取付環55の軸方向他方の端面に吸着防止突起57が設けられているために、図11に示すように複数の製品51を軸方向に積み重ねたときに一(図では下側)の製品51における磁気エンコーダー53が隣(図では上側)の製品51における取付環55に吸着(磁着)するのを抑制することが可能とされているが、この積み重ね状態において上方から大きな荷重(製品重量等)が作用すると、吸着防止突起57自体が磁気エンコーダー53に強く押し付けられて粘着してしまうことがあり、その引き剥がしが面倒な作業となる。特に上記密封装置51はスリンガー52およびリップシール54の組み合わせよりなる組み立てタイプのシールであって内部にグリース(図示せず)を充填する仕様であることから、造り込み上、一部のグリースが吸着防止突起57の先端や磁気エンコーダー53の端面に付着し、これが粘着発生の原因となる。したがって製品出荷時、図11に示したように複数の製品51を軸方向に積み重ねた状態で出荷すると、上記グリースの介在によって吸着防止突起57が磁気エンコーダー53に粘着してしまう。粘着は吸着と違って時間が経つに連れて粘着力が益々大きくなることから、出荷先において製品51同士を切り離すのが困難となることもある。
本発明は以上の点に鑑みて、スリンガーおよびリップシールの組み合わせよりなる磁気エンコーダー付きの密封装置において、複数の製品を積み重ねたときに製品同士が粘着するのを抑制することができる密封装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1による密封装置は、相対回転する二部材のうちの一方に装着されるスリンガーと、他方に装着されるリップシールとの組み合わせよりなり、前記スリンガーはその軸方向一方の端面に磁気エンコーダーを有し、前記リップシールは前記スリンガーに摺動自在に密接するシールリップを取付環に被着してなる密封装置において、前記取付環の軸方向他方の端面に、製品積み重ね時における吸着現象を抑制する吸着防止突起を設けるとともに、前記吸着防止突起の先端に、製品積み重ね時における粘着現象を抑制する粘着防止突起を設けたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2による密封装置は、相対回転する二部材のうちの一方に装着されるスリンガーと、他方に装着されるリップシールとの組み合わせよりなり、前記スリンガーはその軸方向一方の端面に磁気エンコーダーを有し、前記リップシールは前記スリンガーに摺動自在に密接するシールリップを取付環に被着してなる密封装置において、前記取付環の軸方向他方の端面に、前記シールリップと一体のゴム状弾性体を回り込ませることにより回り込み部を設けるとともに、前記回り込み部の先端に、製品積み重ね時における粘着現象を抑制する粘着防止突起を設けたことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3による密封装置は、上記したように請求項1または2記載の密封装置において、粘着防止突起は環状に設定されていることを特徴とするものである。
更にまた、本発明の請求項4による密封装置は、上記した請求項1または2記載の密封装置において、粘着防止突起は複数が円周上に並んで設定されていることを特徴とするものである。
上記構成を備えた本発明の請求項1による密封装置においては、リップシールにおける取付環の軸方向他方の端面に製品積み重ね時における吸着現象を抑制する吸着防止突起が設けられるために、複数の製品を積み重ねたときに一の製品における磁気エンコーダーが隣の製品における取付環に吸着するのを抑制することができ、しかもそのうえで、この吸着防止突起の先端に製品積み重ね時における粘着現象を抑制する粘着防止突起が設けられ、この粘着防止突起は製品積み重ね時における吸着防止突起の磁気エンコーダーに対する圧着の度合いを低減させることによって粘着現象を抑制するものである。したがってこのような粘着防止突起が吸着防止突起の先端に設けられることにより、複数の製品を積み重ねたときに一の製品における吸着防止突起が隣の製品における磁気エンコーダーに粘着して貼り付いてしまうのを抑制することができる。
また、密封装置のタイプとしては、リップシールにおける取付環の軸方向他方の端面に吸着防止突起の代わりに、シールリップと一体のゴム状弾性体を回り込ませることにより回り込み部を設けたものがあり、この回り込み部は、ゴム状弾性体が取付環の軸方向一方の端面から取付環の内周端部を経由して取付環の軸方向他方の端面へと回り込むことよってゴム状弾性体により取付環の内周端部を三方から被覆するために設けられ、またゴム状弾性体を取付環から剥がれにくくするために設けられている。したがってこのタイプの密封装置においては、この回り込み部の先端に粘着防止突起が設けられることにより、複数の製品を積み重ねたときに一の製品における回り込み部が隣の製品における磁気エンコーダーに粘着して貼り付いてしまうのを抑制することができる(請求項2)。
粘着防止突起の具体的構造としては、吸着防止突起または回り込み部が環状である場合はこれに合わせて環状に設定するのが好適であり(請求項3)、また複数を円周上に並んで設定するようにしても良く(請求項4)、何れの場合も金型による成形は1回の成形工程で済むことから、仕様に応じた金型のみを用意すれば成形に余分な手間がかかることもない。
尚、本発明には、以下の実施形態が含まれる。
(1)粘着対策として、ゴム部(吸着防止突起または取付環内周回り込み部)に、円周上の突起を設ける仕様とする。
(2)また、粘着対策として、ゴム部(吸着防止突起または取付環内周回り込み部)に、等配の突起を設ける仕様とする。
(1)粘着対策として、ゴム部(吸着防止突起または取付環内周回り込み部)に、円周上の突起を設ける仕様とする。
(2)また、粘着対策として、ゴム部(吸着防止突起または取付環内周回り込み部)に、等配の突起を設ける仕様とする。
つぎに本発明の実施例を図面にしたがって説明する。
第一実施例・・・
図1は、本発明の第一実施例に係る密封装置1の要部断面を示しており、その一部が図2に拡大して示されている。当該実施例に係る密封装置1は自動車用車輪懸架装置のベアリング部にハブベアリングシールとして用いられるものであって、以下のように構成されている。
図1は、本発明の第一実施例に係る密封装置1の要部断面を示しており、その一部が図2に拡大して示されている。当該実施例に係る密封装置1は自動車用車輪懸架装置のベアリング部にハブベアリングシールとして用いられるものであって、以下のように構成されている。
すなわち先ず、当該密封装置1は、ベアリング内輪の外周側に装着されるスリンガー2と、ベアリング外輪の内周側に装着されるリップシール4との組み合わせにより構成されている。
スリンガー2は、断面L字ないし略L字形に成形された金属環であって、その軸方向一方(図では上方)の端面2aに磁気エンコーダー3が被着されている。磁気エンコーダー3は、磁性体粉を混入したゴム状弾性体により環状に成形されたものであって円周方向に多磁極化(N極およびS極の繰り返しパターン)されており、回転時にセンサー部によりパルス信号を読み取られることによって回転数や回転角度の検出等に用いられる。
リップシール4は、スリンガー2に摺動自在に密接する複数のゴム状弾性体製のシールリップ6(図では3本で、このうち1本はスリンガー2のフランジ部の内側端面に摺動自在に密接するサイドリップとされ、残る2本はスリンガー2の筒状部の外周面に摺動自在に密接するラジアルリップ(メインリップおよびグリースリップ)とされている)を金属製の取付環5に被着したものであって、取付環5の軸方向他方(図では下方)の端面5aに、同じくゴム状弾性体よりなる環状の、製品積み重ね時における吸着現象を抑制する吸着防止突起7が設けられている。シールリップ6のゴム状弾性体と吸着防止突起7のゴム状弾性体とは取付環5の内周部において一体に繋がっている(一体成形されている)が、互いに分離して成形されたものであっても良い。
また、当該実施例においては特に、吸着防止突起7の先端に、製品積み重ね時における粘着現象を抑制する粘着防止突起8が設けられており、この粘着防止突起8は、吸着防止突起7が環状であるのに合わせて環状に設定されている。
また、この粘着防止突起8は図2に拡大して示すように、その断面形状を三角ないし略三角形とされているが、特に限定されるものではなく、そのほか丸状(半円形)もしくは角状(四角形)など、造り込み上で任意に設定できるものとする。また、粘着防止突起8の高さ寸法h1は実寸で0.1〜0.5mm程度とされ、吸着防止突起7の高さ寸法h2と比較して随分と小さく設定されている。また、粘着防止突起8の幅(径方向幅)寸法w1は実寸で0.1〜1.0mm程度とされ、吸着防止突起7の幅(径方向幅)寸法w2と比較してこれも随分小さく設定されている。このように粘着防止突起8は吸着防止突起7と比較して小さいことから、粘着防止用小突起と称することもある。
上記構成を備えた密封装置1においては、上記したように吸着防止突起7の先端に製品積み重ね時における粘着現象を抑制する粘着防止突起8が設けられているために、複数の製品1を向きを揃えて同軸上に積み重ねると、一の製品(上側の製品)1における粘着防止突起8が隣の製品(下側の製品)1における磁気エンコーダー3の上に載ることになり、この粘着防止突起8が一種のスペーサーとして機能することにより吸着防止突起7と磁気エンコーダー3との間に間隙が設定され、よって吸着防止突起7の磁気エンコーダー3に対する圧着の度合いが低減されることになる。したがってこのような粘着防止突起8が吸着防止突起7の先端に設けられていることにより、複数の製品1を軸方向に積み重ねたときに一の製品における吸着防止突起7が隣の製品における磁気エンコーダー3に粘着して貼り付いてしまうのを有効に抑制することができる。
上記第一実施例に係る密封装置1は、その構成を以下のように付加・変更するものであっても良い。
第二実施例・・・
上記第一実施例では、環状の粘着防止突起8が1本設けられているが、これを複数設けることにする。図3の例では、環状の粘着防止突起8が2本同心状に設けられている。
上記第一実施例では、環状の粘着防止突起8が1本設けられているが、これを複数設けることにする。図3の例では、環状の粘着防止突起8が2本同心状に設けられている。
第三実施例・・・
先端に粘着防止突起8を設ける吸着防止突起7につき、上記第一実施例では、その断面形状が径方向対称の台形とされているが、図4に示すように吸着防止突起7の断面形状を先細り状としかつその内周側側面7aが外周側側面7bよりも大きな角度で当該密封装置の中心軸線に対して傾斜する形状とする(当該密封装置の中心軸線に対する内周側側面7aの傾斜角度をθ1、外周側側面7bの傾斜角度をθ2として、θ1>θ2に設定する)。このように吸着防止突起7の断面形状を径方向非対称にすると、複数の製品1を軸方向に積み重ねたときに吸着防止突起7が内周側に倒れにくくなり、よって製品積み重ね時における姿勢安定性を高めることができる。
先端に粘着防止突起8を設ける吸着防止突起7につき、上記第一実施例では、その断面形状が径方向対称の台形とされているが、図4に示すように吸着防止突起7の断面形状を先細り状としかつその内周側側面7aが外周側側面7bよりも大きな角度で当該密封装置の中心軸線に対して傾斜する形状とする(当該密封装置の中心軸線に対する内周側側面7aの傾斜角度をθ1、外周側側面7bの傾斜角度をθ2として、θ1>θ2に設定する)。このように吸着防止突起7の断面形状を径方向非対称にすると、複数の製品1を軸方向に積み重ねたときに吸着防止突起7が内周側に倒れにくくなり、よって製品積み重ね時における姿勢安定性を高めることができる。
第四実施例・・・
上記第一実施例では、粘着防止突起8が環状とされている(突起の数としては1個)が、これに代えて、粘着防止突起8を複数が円周上に並んで設けられるものとする。円周上1箇所に設ける突起8の数は1〜5個で1グループとし、このようなグループを3〜30等配で設置する。図5の例では、突起8の数は2個で1グループとされ、このようなグループが多数等配状に設置されている。突起8の形状ないし断面形状は特に制限されるものではない。突起8の高さ寸法および幅(径方向幅)寸法は何れも実寸で0.1〜1.0mm程度とされている。
上記第一実施例では、粘着防止突起8が環状とされている(突起の数としては1個)が、これに代えて、粘着防止突起8を複数が円周上に並んで設けられるものとする。円周上1箇所に設ける突起8の数は1〜5個で1グループとし、このようなグループを3〜30等配で設置する。図5の例では、突起8の数は2個で1グループとされ、このようなグループが多数等配状に設置されている。突起8の形状ないし断面形状は特に制限されるものではない。突起8の高さ寸法および幅(径方向幅)寸法は何れも実寸で0.1〜1.0mm程度とされている。
また、上記粘着防止突起7は、必ずしも環状でなくても良く、複数が円周上に並んで設けられるものであっても良く、この場合は、各突起7の先端にそれぞれ粘着防止突起8が設けられる。
第五実施例・・・
図6は、本発明の第五実施例に係る密封装置1の要部断面を示しており、その一部が図7に拡大して示されている。当該実施例に係る密封装置1は自動車用車輪懸架装置のベアリング部にハブベアリングシールとして用いられるものであって、以下のように構成されている。
図6は、本発明の第五実施例に係る密封装置1の要部断面を示しており、その一部が図7に拡大して示されている。当該実施例に係る密封装置1は自動車用車輪懸架装置のベアリング部にハブベアリングシールとして用いられるものであって、以下のように構成されている。
すなわち先ず、当該密封装置1は、ベアリング内輪の外周側に装着されるスリンガー2と、ベアリング外輪の内周側に装着されるリップシール4との組み合わせにより構成されている。
スリンガー2は、断面L字ないし略L字形に成形された金属環であって、その軸方向一方(図では上方)の端面2aに磁気エンコーダー3が被着されている。磁気エンコーダー3は、磁性体粉を混入したゴム状弾性体により環状に成形されたものであって円周方向に多磁極化(N極およびS極の繰り返しパターン)されており、回転時にセンサー部によりパルス信号を読み取られることによって回転数や回転角度の検出等に用いられる。
リップシール4は、スリンガー2に摺動自在に密接する複数のゴム状弾性体製のシールリップ6(図では3本で、このうち1本はスリンガー2のフランジ部の内側端面に摺動自在に密接するサイドリップとされ、残る2本はスリンガー2の筒状部の外周面に摺動自在に密接するラジアルリップ(メインリップおよびグリースリップ)とされている)を金属製の取付環5に被着したものであって、取付環5の軸方向他方(図では下方)の端面5aに、同じくゴム状弾性体よりなる環状の回り込み部9が設けられている。この回り込み部9は、シールリップ6と一体のゴム状弾性体10が取付環5のフランジ部の軸方向一方の端面(内側端面)5bから取付環5のフランジ部の内周端部を経由して取付環5のフランジ部の軸方向他方の端面(外側端面)5aへ回り込むことよってゴム状弾性体10により取付環5のフランジ部の内周端部を三方(軸方向一方、径方向内方および軸方向他方)から被覆するために設けられており、またゴム状弾性体10を取付環5から剥がれにくくするために設けられている。したがってこれらの機能からして回り込み部9はその高さ寸法が上記第一実施例における吸着防止突起8よりも小さく設定されていることが多い。上記第一実施例および当該第五実施例では何れも取付環5のフランジ部(径方向部)が外高状の段付き形状とされ、上記第一実施例における吸着防止突起7はその機能上、先端部が必ず取付環5よりも軸方向他方へ突出した形状とされている。これに対して当該第五実施例における回り込み部9はその機能上、先端部が必ずしも取付環5よりも軸方向他方へ突出している必要はなく、すなわち外高段付き形状の低面部に被着された回り込み部9はその先端部が外高段付き形状の高面部と同じ高さ位置に配置された形状(回り込み部9の先端部と外高段付き形状の高面部とが同一平面上に配置された形状)であっても良い。
また、当該実施例においては特に、回り込み部9の先端に、製品積み重ね時における粘着現象を抑制する粘着防止突起8が設けられており、この粘着防止突起8は、回り込み部9が環状であるのに合わせて環状に設定されている。
また、この粘着防止突起8は図7に拡大して示すように、その断面形状を三角ないし略三角形とされているが、特に限定されるものではなく、そのほか丸状(半円形)もしくは角状(四角形)など、造り込み上で任意に設定できるものとする。また、粘着防止突起8の高さ寸法h1は実寸で0.1〜0.5mm程度とされ、回り込み部9の高さ寸法h3と比較して随分と小さく設定されている。また、粘着防止突起8の幅(径方向幅)寸法w1は実寸で0.1〜1.0mm程度とされ、回り込み部9の幅(径方向幅)寸法w3と比較してこれも随分小さく設定されている。このように粘着防止突起8は回り込み部9と比較して小さいことから、粘着防止用小突起と称することもある。
上記構成を備えた密封装置1においては、上記したように回り込み部9の先端に製品積み重ね時における粘着現象を抑制する粘着防止突起8が設けられているために、複数の製品1を向きを揃えて同軸上に積み重ねると、一の製品(上側の製品)1における粘着防止突起8が隣の製品(下側の製品)1における磁気エンコーダー3の上に載ることになり、この粘着防止突起8が一種のスペーサーとして機能することにより回り込み部9と磁気エンコーダー3との間に間隙が設定され、よって回り込み部9の磁気エンコーダー3に対する圧着の度合いが低減されることになる。したがってこのような粘着防止突起8が回り込み部9の先端に設けられていることにより、複数の製品1を軸方向に積み重ねたときに一の製品における回り込み部9が隣の製品における磁気エンコーダー3に粘着して貼り付いてしまうのを有効に抑制することができる。
上記第五実施例に係る密封装置1は、その構成を以下のように付加・変更するものであっても良い。
第六実施例・・・
上記第五実施例では、環状の粘着防止突起8が1本設けられているが、これを複数設けることにする。図8の例では、環状の粘着防止突起8が2本同心状に設けられている。
上記第五実施例では、環状の粘着防止突起8が1本設けられているが、これを複数設けることにする。図8の例では、環状の粘着防止突起8が2本同心状に設けられている。
第七実施例・・・
上記第五実施例では、粘着防止突起8が環状とされている(突起の数としては1個)が、これに代えて、粘着防止突起8を複数が円周上に並んで設けられるものとする。円周上1箇所に設ける突起8の数は1〜5個で1グループとし、このようなグループを3〜30等配で設置する。図9の例では、突起8の数は2個で1グループとされ、このようなグループが多数等配状に設置されている。突起8の形状ないし断面形状は特に制限されるものではない。突起8の高さ寸法および幅(径方向幅)寸法は何れも実寸で0.1〜1.0mm程度とされている。
上記第五実施例では、粘着防止突起8が環状とされている(突起の数としては1個)が、これに代えて、粘着防止突起8を複数が円周上に並んで設けられるものとする。円周上1箇所に設ける突起8の数は1〜5個で1グループとし、このようなグループを3〜30等配で設置する。図9の例では、突起8の数は2個で1グループとされ、このようなグループが多数等配状に設置されている。突起8の形状ないし断面形状は特に制限されるものではない。突起8の高さ寸法および幅(径方向幅)寸法は何れも実寸で0.1〜1.0mm程度とされている。
尚、回り込み部9は、取付環5の内周端部を被覆すると云う機能からして一般に環状に設定されており、この環状の回り込み部9の先端に環状の粘着防止突起7または複数の粘着防止突起7が設けられることになる。
1 密封装置
2 スリンガー
2a,5a,5b 端面
3 磁気エンコーダー
4 リップシール
5 取付環
6 シールリップ
7 吸着防止突起
7a 内周側側面
7b 外周側側面
8 粘着防止突起
9 回り込み部
10 ゴム状弾性体
2 スリンガー
2a,5a,5b 端面
3 磁気エンコーダー
4 リップシール
5 取付環
6 シールリップ
7 吸着防止突起
7a 内周側側面
7b 外周側側面
8 粘着防止突起
9 回り込み部
10 ゴム状弾性体
Claims (4)
- 相対回転する二部材のうちの一方に装着されるスリンガーと、他方に装着されるリップシールとの組み合わせよりなり、前記スリンガーはその軸方向一方の端面に磁気エンコーダーを有し、前記リップシールは前記スリンガーに摺動自在に密接するシールリップを取付環に被着してなる密封装置において、
前記取付環の軸方向他方の端面に、製品積み重ね時における吸着現象を抑制する吸着防止突起を設けるとともに、前記吸着防止突起の先端に、製品積み重ね時における粘着現象を抑制する粘着防止突起を設けたことを特徴とする密封装置。 - 相対回転する二部材のうちの一方に装着されるスリンガーと、他方に装着されるリップシールとの組み合わせよりなり、前記スリンガーはその軸方向一方の端面に磁気エンコーダーを有し、前記リップシールは前記スリンガーに摺動自在に密接するシールリップを取付環に被着してなる密封装置において、
前記取付環の軸方向他方の端面に、前記シールリップと一体のゴム状弾性体を回り込ませることにより回り込み部を設けるとともに、前記回り込み部の先端に、製品積み重ね時における粘着現象を抑制する粘着防止突起を設けたことを特徴とする密封装置。 - 請求項1または2記載の密封装置において、
粘着防止突起は環状に設定されていることを特徴とする密封装置。 - 請求項1または2記載の密封装置において、
粘着防止突起は複数が円周上に並んで設定されていることを特徴とする密封装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007149256A JP2009008104A (ja) | 2007-05-25 | 2007-06-05 | 密封装置 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007138999 | 2007-05-25 | ||
JP2007149256A JP2009008104A (ja) | 2007-05-25 | 2007-06-05 | 密封装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009008104A true JP2009008104A (ja) | 2009-01-15 |
Family
ID=40323392
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2007149256A Withdrawn JP2009008104A (ja) | 2007-05-25 | 2007-06-05 | 密封装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009008104A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019194219A1 (ja) * | 2018-04-04 | 2019-10-10 | Nok株式会社 | 密封装置 |
JP2021011886A (ja) * | 2019-07-04 | 2021-02-04 | Nok株式会社 | 密封装置 |
WO2022168824A1 (ja) * | 2021-02-08 | 2022-08-11 | Ntn株式会社 | 車輪用軸受装置の密封装置およびそれを備える車輪用軸受装置 |
-
2007
- 2007-06-05 JP JP2007149256A patent/JP2009008104A/ja not_active Withdrawn
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019194219A1 (ja) * | 2018-04-04 | 2019-10-10 | Nok株式会社 | 密封装置 |
JPWO2019194219A1 (ja) * | 2018-04-04 | 2020-12-10 | Nok株式会社 | 密封装置 |
US11448320B2 (en) | 2018-04-04 | 2022-09-20 | Nok Corporation | Sealing device |
JP2021011886A (ja) * | 2019-07-04 | 2021-02-04 | Nok株式会社 | 密封装置 |
JP7407526B2 (ja) | 2019-07-04 | 2024-01-04 | Nok株式会社 | 密封装置 |
WO2022168824A1 (ja) * | 2021-02-08 | 2022-08-11 | Ntn株式会社 | 車輪用軸受装置の密封装置およびそれを備える車輪用軸受装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP4924789B2 (ja) | 密封装置 | |
JP5170369B2 (ja) | 密封装置 | |
JP4411911B2 (ja) | 密封装置 | |
JP5168453B2 (ja) | 密封装置 | |
JP7291722B2 (ja) | グリース付着方法 | |
JP2009008104A (ja) | 密封装置 | |
EP3179141B1 (en) | Sealing device | |
JP6679914B2 (ja) | 密封装置 | |
JP4240206B2 (ja) | 密封装置 | |
US6953193B2 (en) | Sealing apparatus | |
JP2008157900A (ja) | 磁気エンコーダ | |
JP2007333167A (ja) | 密封装置 | |
JP2008256163A (ja) | 密封装置 | |
JP5626573B2 (ja) | アブソーバ用シール | |
JP2008128281A (ja) | 密封装置 | |
JP2009085419A (ja) | 密封装置 | |
JP5964167B2 (ja) | 密封装置 | |
JP7201985B2 (ja) | 密封装置 | |
JP5224049B2 (ja) | オイルシール | |
JP6023502B2 (ja) | 密封装置 | |
JP2009085420A (ja) | 密封装置 | |
JP2020076436A (ja) | 密封装置および密封装置の積み重ね方法 | |
JP6747863B2 (ja) | 密封装置 | |
JP2009002843A (ja) | 磁気エンコーダ | |
JP5305029B2 (ja) | 密封装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20100413 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20110519 |
|
A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20110520 |