JP2009007538A - フッ素系表面改質組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】 環境への負荷が懸念されているパーフルオロオクタン酸C7F15COOH(PFOA)及びそれ以上の炭素数のパーフルオロアルキル脂肪酸を含むことなく、また分解してPFOA及びそれ以上の炭素数のパーフルオロアルキル脂肪酸を発生させることがないフッ素系表面改質組成物を提供するものである。
【解決手段】
成分(a)として炭素数6のパーフルオロアルキル基を含むアクリルおよび/またはメタアクリル系モノマーを主体とする付加重合物と、成分(b)としてその重合体を溶解するに可能なフッ素系溶媒からなる。
【解決手段】
成分(a)として炭素数6のパーフルオロアルキル基を含むアクリルおよび/またはメタアクリル系モノマーを主体とする付加重合物と、成分(b)としてその重合体を溶解するに可能なフッ素系溶媒からなる。
Description
本発明はフッ素系表面改質剤、特に樹脂金型離型剤、フラックス這い上がり防止剤として有用であり、かつ環境への負荷が懸念されているパーフルオロオクタン酸C7F15COOH(PFOA)及びそれ以上の炭素数のパーフルオロアルキル脂肪酸を含むことなく、また分解してPFOA及びそれ以上の炭素数のパーフルオロアルキル脂肪酸を発生させることがないフッ素系表面改質組成物を提供するものである。
パーフルオロオクタン酸及びその誘導体はアメリカ合衆国の環境保護局(Environmental Protection Agency EPA)が環境への負荷が懸念されていることから、2015年までにフェーズアウトすることを義務付けた。炭素数8のパーフルオロアルキル基を含有する化合物あるいはその重合体は、PFOAを生成する可能性があり、これも規制の対象になった。従来、撥水性能、離型性能、オイルバリア性能などの表面改質機能を発揮させるために例えば特開平10−303536(特許文献1)、特開2004−106056(特許文献2)に示されるように、フッ素系アクリルまたはメタアクリルモノマーの付加重合物が用いられていた。しかし高度の撥水性能、
離型性能、オイルバリア性能などの表面改質機能を発揮させるには炭素数8以上の長鎖のパーフルオロアルキル基が必須であると考えられてきた(例えば、L.D.Budovskaya et al., Visokmol.Soedin Ser A,32,561(1990)(非特許文献1).前川隆茂、ファインケミカル、Vol23,No.6,P12(1994)(非特許文献2))。これは炭素数8以上で明確なパッキング状態が確認され実用的撥水性が発現された事による。これに対して炭素数7以下の場合はパッキング状態があいまいであることが報告されている。(久保元伸 表面、33(3)185(1995)(非特許文献3)その結果、炭素数8以上のパーフルオロアルキル基、特に製造面から炭素数8パーフルオロアルキル基を主成分とする化合物や重合体が表面改質剤として広く使われてきた。前記特許文献1、2においても実施例は炭素数8パーフルオロアルキル基を主成分とする化合物や重合体が実施例に示されており、炭素数6の例は示されていない。
本発明の目的は、フッ素系表面改質剤、特に樹脂金型離型剤、フラックス這い上がり防止剤として有用であり、かつ環境への負荷が懸念されているパーフルオロオクタン酸C7F15COOH(PFOA)及びそれ以上の炭素数のパーフルオロアルキル脂肪酸を含むことなく、また分解してPFOA及びそれ以上の炭素数のパーフルオロアルキル脂肪酸を発生させることがないフッ素系表面改質組成物を提供するものである。
本発明者らは特定のパーフルオロアルキル基を含むアクリルおよび/またはメタアクリル系モノマーを主体とする付加重合物とその重合体を溶解するに可能なフッ素系溶媒を組み合わせることにより上記課題を解決できることを見出した。本発明のフッ素系表面改質組成物は成分(a)として炭素数6のパーフルオロアルキル基を含むアクリルおよび/またはメタアクリル系モノマーを主体とする付加重合物と、成分(b)としてその重合体を溶解するに可能なフッ素系溶媒を組み合わせることを特徴とする。
本発明の好適態様にあっては前記成分(a)が下記一般式(1)で表されるアクリルおよび/またはメタアクリルモノマーの付加重合物、または一般式(1)および一般式(2)の付加共重合物あるフッ素系表面改質組成物を特徴とする。
CH2=CXCOOR1C6F13 一般式(1)
(ここで式中R1はCmH2mであってm=1〜10のアルキレン基またはフェニレン基、XはH、CH3、Cl、F)
CH2=CX1X2 一般式(2)
(ここでX1、X2は水素原子、メチル基、Cl、CN、COOR、CONR2R3(式中R、R1、R2、R3は水素原子、メチル基、C1〜C10のアルキル基、C1〜C10のシクロアルキル基、又はフェニル基である。)
CH2=CXCOOR1C6F13 一般式(1)
(ここで式中R1はCmH2mであってm=1〜10のアルキレン基またはフェニレン基、XはH、CH3、Cl、F)
CH2=CX1X2 一般式(2)
(ここでX1、X2は水素原子、メチル基、Cl、CN、COOR、CONR2R3(式中R、R1、R2、R3は水素原子、メチル基、C1〜C10のアルキル基、C1〜C10のシクロアルキル基、又はフェニル基である。)
本発明の他の好適態様にあっては、前記成分(a)は一般式(1)で表されるアクリルおよび/またはメタアクリルモノマーの単独付加重合物又は、一般式(1)および一般式(2)の付加共重合物で、一般式(1)が80重量%以上のモノマー成分からなる共付加重合物であるフッ素系表面改質組成物を特徴とする。
本発明の別の好適態様にあっては、前記成分(a)を0.0001〜50重量%と前記成分(b)のフッ素系溶媒が50重量%以上からなるフッ素系表面改質組成物を特徴とする。
本発明のまた他の好適態様にあっては、前記フッ素系表面改質組成物が、樹脂金型離型剤であるフッ素系表面改質組成物を特徴とする。
本発明のさらに別の好適態様にあっては、前記フッ素系表面改質組成物が、フラックス這い上がり防止剤であるフッ素系表面改質組成物を特徴とする。
以下本発明につきさらに詳しく説明する。
炭素数6のパーフルオロアルキル基を含むアクリルおよび/またはメタアクリル 系モノマーを主体とする付加重合物
本発明で用いられる炭素数6のパーフルオロアルキル基を含むアクリルおよび/またはメタアクリル系モノマーを主体とする付加重合物は特に限定されないが、好ましくは一般式(1)で表される
CH2=CXCOOR1C6F15 一般式(1)
(ここで式中R1はCmH2mであってm=1〜10のアルキレン基またはフェニレン基、XはH、CH3、Cl、F)
付加重合物であり、具体的にはパーフルオロヘキシルアルキルアクリレート、パーフルオロヘキシルアルキルメタアクリレート、パーフルオロヘキシルフェニル(メタ)アクリレート。さらに具体的には
CH2=CHCOOC2H4(CF2)6F、 CH2=C(CH3)COO2H4(CF2)6F
CH2=CHCOOCH2(CF2)6F、 CH2=C(CH3)COOCH2(CF2)6F
CH2=CClCOOC2H4(CF2)6F、 CH2=CFCOOC2H4(CF2)6F
CH2=CHCOOC6H4(CF2)6F、 CH2=C(CH3)COOC6H4(CF2)6F
があげられる。これらは単独の付加重合物、またはこれらの1種以上の混合した付加共重合物であってもよい。その際モノマーの比率の制限はない。
炭素数6のパーフルオロアルキル基を含むアクリルおよび/またはメタアクリル 系モノマーを主体とする付加重合物
本発明で用いられる炭素数6のパーフルオロアルキル基を含むアクリルおよび/またはメタアクリル系モノマーを主体とする付加重合物は特に限定されないが、好ましくは一般式(1)で表される
CH2=CXCOOR1C6F15 一般式(1)
(ここで式中R1はCmH2mであってm=1〜10のアルキレン基またはフェニレン基、XはH、CH3、Cl、F)
付加重合物であり、具体的にはパーフルオロヘキシルアルキルアクリレート、パーフルオロヘキシルアルキルメタアクリレート、パーフルオロヘキシルフェニル(メタ)アクリレート。さらに具体的には
CH2=CHCOOC2H4(CF2)6F、 CH2=C(CH3)COO2H4(CF2)6F
CH2=CHCOOCH2(CF2)6F、 CH2=C(CH3)COOCH2(CF2)6F
CH2=CClCOOC2H4(CF2)6F、 CH2=CFCOOC2H4(CF2)6F
CH2=CHCOOC6H4(CF2)6F、 CH2=C(CH3)COOC6H4(CF2)6F
があげられる。これらは単独の付加重合物、またはこれらの1種以上の混合した付加共重合物であってもよい。その際モノマーの比率の制限はない。
本発明で用いられる炭素数6のパーフルオロアルキル基を含むアクリルおよび/またはメタアクリル系モノマーと共付加重合できるモノマーは一般式(1)と共重合可能な一般式(2)で表される
CH2=CX1X2 一般式(2)
(ここでX1、X2は水素原子、メチル基、Cl、CN、COOR、CONR2R3(式中R、R1、R2、R3は水素原子、メチル基、C1〜C10のアルキル基、C1〜C10のシクロアルキル基、又はフェニル基である。)モノマーとしては、アクリル酸モノマー類、メタアクリル酸モノマー類、スチレンモノマー類、ビニルエーテルモノマー類、塩化アルケン類などが等あげられる。具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、Tert−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メタクリル酸イソボルニル、メタクリロニトリル、アクリロニトリル、アクリルアミド、モルホリンアクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどがあげられる。また、必要に応じて、N−メチロールメタクリアミド、エチレンジメタクリレート、グリシジルメタクリレートなどの架橋性モノマー、アルキルアクリレート類、アルキルビニルエーテル類などのモノマーも共重合可能なモノマーとしてあげられる。
CH2=CX1X2 一般式(2)
(ここでX1、X2は水素原子、メチル基、Cl、CN、COOR、CONR2R3(式中R、R1、R2、R3は水素原子、メチル基、C1〜C10のアルキル基、C1〜C10のシクロアルキル基、又はフェニル基である。)モノマーとしては、アクリル酸モノマー類、メタアクリル酸モノマー類、スチレンモノマー類、ビニルエーテルモノマー類、塩化アルケン類などが等あげられる。具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、Tert−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、メタクリル酸イソボルニル、メタクリロニトリル、アクリロニトリル、アクリルアミド、モルホリンアクリルアミド、スチレン、α−メチルスチレン、シクロヘキシルビニルエーテル、塩化ビニル、塩化ビニリデンなどがあげられる。また、必要に応じて、N−メチロールメタクリアミド、エチレンジメタクリレート、グリシジルメタクリレートなどの架橋性モノマー、アルキルアクリレート類、アルキルビニルエーテル類などのモノマーも共重合可能なモノマーとしてあげられる。
本発明における成分(a)として炭素数6のパーフルオロアルキル基を含むアクリルおよび/またはメタアクリル系モノマーを主体とする付加重合物は、一般式(1)であらわされるモノマーが、全モノマー中80重量%以上であることが必要であり。これ以下では撥水、撥油性能が発現できない。好ましくは90重量%以上である。
本発明における重合方法は特に限定されるものではなく、通常の溶液重合あるいは乳化重合で行うことができる。使用される重合開始剤として通常化 例えばアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、ラウリルパーオキシド、クメンヒドロパーオキシド、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、2,2‘アゾビス(2−メチルプロピルアミジン)ジハイドロクロライドなどが挙げられる。
フッ素系溶媒
本発明における成分(b)成分の溶媒として、重合体を溶解するに可能なフッ素系溶媒特に限定されないが、好ましくは、ハイドロフルオロエーテル、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、パーフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、ベンゾトリフルオライドからなる群から選ばれ特に限定はない。ハイドロフルオロエーテルの具体例としてメチルパーフルオロイソブチルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、HFE−347PC−f、等があげられる。具体的商品としてアサヒクリンAE−3000(旭硝子)、ノベックHFE−7100、ノベックHFE−7200、ノベックー7300(住友スリーエム)。パーフルオロカーボンの具体例として炭素数3〜12の完全フッ素化物であり、具体例としてパーフルオロブタン、パーフルオロペンタン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、パーフルオロシクロブタン、パーフルオロシクロペンタン、パーフルオロシクロヘキサン等があげられる。ハイドロフルオロカーボンは直鎖、分岐、環状の炭素数4〜12の炭化水素化合物であり、分子中に少なくとも1個以上のフッ素原子が少なくとも1個以上存在するものである。具体例としてHFC−43−10mee、1、1、1、3、3ペンタフルオロブタン、オクタフルオロシクロペンタン、2,3−ジハイドロデカフルオロペンタン等をあげることができる。具体例としてバートレルXF(三井デュポンフロロケミカル)、ソルカン365mfc(ソルベイ)等があげられる。本発明で用いられるベンゾトリフルオライド類としては特に限定されるものではないが、例えばベンゾトリフルオライド、オルトキシレントリフルオライド、メタキシレントリフルオライド、パラキシレントリフルオライド、トリス(トリフルオロメチル)ベンゼン等があげられる。これらの溶媒は単独、または2種類以上混合してもよい、その際比率には制限がない。
本発明における成分(b)成分の溶媒として、重合体を溶解するに可能なフッ素系溶媒特に限定されないが、好ましくは、ハイドロフルオロエーテル、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、パーフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、ベンゾトリフルオライドからなる群から選ばれ特に限定はない。ハイドロフルオロエーテルの具体例としてメチルパーフルオロイソブチルエーテル、メチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロイソブチルエーテル、HFE−347PC−f、等があげられる。具体的商品としてアサヒクリンAE−3000(旭硝子)、ノベックHFE−7100、ノベックHFE−7200、ノベックー7300(住友スリーエム)。パーフルオロカーボンの具体例として炭素数3〜12の完全フッ素化物であり、具体例としてパーフルオロブタン、パーフルオロペンタン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロオクタン、パーフルオロノナン、パーフルオロシクロブタン、パーフルオロシクロペンタン、パーフルオロシクロヘキサン等があげられる。ハイドロフルオロカーボンは直鎖、分岐、環状の炭素数4〜12の炭化水素化合物であり、分子中に少なくとも1個以上のフッ素原子が少なくとも1個以上存在するものである。具体例としてHFC−43−10mee、1、1、1、3、3ペンタフルオロブタン、オクタフルオロシクロペンタン、2,3−ジハイドロデカフルオロペンタン等をあげることができる。具体例としてバートレルXF(三井デュポンフロロケミカル)、ソルカン365mfc(ソルベイ)等があげられる。本発明で用いられるベンゾトリフルオライド類としては特に限定されるものではないが、例えばベンゾトリフルオライド、オルトキシレントリフルオライド、メタキシレントリフルオライド、パラキシレントリフルオライド、トリス(トリフルオロメチル)ベンゼン等があげられる。これらの溶媒は単独、または2種類以上混合してもよい、その際比率には制限がない。
本発明の(a)成分と(b)成分の構成は特に限定されるものではないが、好ましくは0.001〜50重量%の(a)成分と50重量%以上の(b)成分からなる。ここで(a)成分が0.001重量%以下では効果が無くなり、50重量%以上では組成物の粘度が高すぎて取り扱いが極めて困難になる。好ましくは0.005〜40重量%である。
また、これらフッ素系表面改質組成物には、必要に応じて、界面活性剤、染料、フッ素を含まない重合体、消泡剤、防錆効果を高めるためのアルキルメルカプタン類、ベンゾイミダゾール類等の化合物など適時含有することができる。
本発明のフッ素系表面改質剤は特に限定されるものではないが、好ましくは樹脂金型離型剤であり、フラックス這い上がり防止剤である。
本発明の離型剤は、型面にスプレーするか、刷毛塗りし、または該溶剤中に金型を浸漬することにより離型処理する。具体的には金型の型内面に塗布し、乾燥するだけで離型性の高い離型塗膜を形成できる。造膜性も優れており、複雑形状の型面あるいは大型の型面に対して均一な塗膜を形成できる。また、厚塗りをする必要がないので、成形体の寸法精度が向上する。
本発明のフラックス這い上がり防止剤組成物を処理する方法としては、プリント基板等の部品に該組成物をコーティングした後、加熱処理して溶剤を除去する方法が好ましい。その際に溶剤の沸点が低すぎると溶剤除去の速度が早すぎて皮膜に欠陥が生じ、フラックス這い上がり防止特性が不十分となるおそれがあるため、溶剤の沸点は40℃以上が好ましい。一方、溶剤の沸点が高すぎると溶剤除去のためのエネルギーコストが高くなり、また、溶剤が皮膜中に残存してフラックス這い上がり防止特性が不十分となるおそれがあるため、溶剤の沸点は30〜140℃の範囲が好ましい。また、プリント基板の表面に処理する場合、重合体の被膜が表面に形成されたプリント基板を与える。本発明の組成物を適用する箇所としては、プリント基板等のコンデンサ等の電子部品を半田付けする際に、半田用フラックスの這い上がりがおこりうる箇所が挙げられ、半田フラックスが不要な箇所に付着するのを防止できる。たとえば、基板に取り付ける電子部品の付け根部分、電子部品を取り付ける側の基板表面、電子部品を取り付ける基板に設けられたスルーホール等が挙げられる。
以下に実施例を示し、本発明について具体的に説明するが、実施例が本発明を限定するものではない。
重合体合成例(I)
攪拌機、温度計、窒素導入管を装着したガラス製オートクレーブ(内容積1L)中に、ノベックHFE−7200を700g、アゾビスイソブチロニトリル0.23gおよびCH2=C(CH3)COOC2H4C6F13 300gを入れ、攪拌下70℃、16時間付加重合反応をせしめ、濃度30重量%の重合体を製造した。
重合体合成例(II)
上記と同様な装置中で、CH2=C(CH3)COOC2H4C6F17を270g、2−エチルヘキシルメタクリレート30gを入れ、ノベックHFE−7200を700g、アゾビスイソブチロニトリル0.24gを添加し、攪拌下 70℃、16時間付加重合反応をせしめ、濃度30重量%の重合体を製造した。
重合体合成例(III)
上記と同様な装置中で、CH2=C(CH3)COOC2H4C8F17を300g入れ、ノベックHFE−7200を700g、アゾビスイソブチロニトリル0.20gを添加し、攪拌下 70℃、16時間付加重合反応をせしめ、濃度30重量%の重合体を製造した。
重合体合成例(IV)
上記と同様な装置中で、CH2=C(CH3)COOC2H4C6F17を200g、シクロヘキシルメタクリレート100gを入れ、ノベックHFE−7200を700g、アゾビスイソブチロニトリル0.23gを添加し、攪拌下 70℃、16時間付加重合反応をせしめ、濃度30重量%の重合体を製造した。
フッ素系表面改質組成物調整例
上記重合体合成例を用い、表−1に示す成分を表−1で示す量で混合してフッ素系表面改質組成物を調整した。
このほかに重合体合成例(A)0.33gをn−ヘキサン溶媒で溶解しようと試みたが、均質な溶液にならず、液が分離を起こし、沈殿物が生じたため表面改質組成物が得られなかった。
撥水、撥油の性能を評価するためにガラス表面にフッ素系表面改質組成物を塗布し、65℃、1分間加熱してコーティング膜を得た。そのコーティング膜上に水とn−ドデカンを滴下し接触角を測定した。実施例1〜4はいずれも炭素数8パーフルオロアルキルを含むアクリルモノマーの付加重合物とフッ素系溶媒から得られた樹脂金型離型剤(比較例1)と同等の性能を有していた。
アルミ製の金型に塗布し、65℃で1分乾燥した。エポキシ樹脂をよく混合して金型に注入し、65℃3分間加熱して硬化させた成形体について、離型性の持続性を評価、さらに塗装性や接着性などの二次加工性について評価した結果を同様に評価した比較例とともに表2に示す。実施例5〜9はいずれも炭素数8パーフルオロアルキルを含むアクリルモノマーの付加重合物とフッ素系溶媒から得られた樹脂金型離型剤(比較例3)と同等の性能を有していた。
プリント基板の非半田面に塗布した後、加熱処理により溶剤除去し、プリント基板表面に塗膜を形成させた。塗膜の表面の状態を目視で判定した。結果を同様に評価した比較例とともに下表に示す。
フラックス這い上がり防止性能の評価容器に約2mmの深さまでフラックスを入れ、その上に上記で作成した塗膜が形成されたプリント基板を乗せ、1分間放置した。1分後にプリント基板のスルーホールを通してフラックス這い上がりの有無を目視で判定した。その結果を比較例とともに表3に示す。実施例9〜12はいずれも炭素数8パーフルオロアルキルを含むアクリルモノマーの付加重合物とフッ素系溶媒から得られたフラックス這い上がり防止剤比較例5と同等の性能を有していた。
重合体合成例(I)
攪拌機、温度計、窒素導入管を装着したガラス製オートクレーブ(内容積1L)中に、ノベックHFE−7200を700g、アゾビスイソブチロニトリル0.23gおよびCH2=C(CH3)COOC2H4C6F13 300gを入れ、攪拌下70℃、16時間付加重合反応をせしめ、濃度30重量%の重合体を製造した。
重合体合成例(II)
上記と同様な装置中で、CH2=C(CH3)COOC2H4C6F17を270g、2−エチルヘキシルメタクリレート30gを入れ、ノベックHFE−7200を700g、アゾビスイソブチロニトリル0.24gを添加し、攪拌下 70℃、16時間付加重合反応をせしめ、濃度30重量%の重合体を製造した。
重合体合成例(III)
上記と同様な装置中で、CH2=C(CH3)COOC2H4C8F17を300g入れ、ノベックHFE−7200を700g、アゾビスイソブチロニトリル0.20gを添加し、攪拌下 70℃、16時間付加重合反応をせしめ、濃度30重量%の重合体を製造した。
重合体合成例(IV)
上記と同様な装置中で、CH2=C(CH3)COOC2H4C6F17を200g、シクロヘキシルメタクリレート100gを入れ、ノベックHFE−7200を700g、アゾビスイソブチロニトリル0.23gを添加し、攪拌下 70℃、16時間付加重合反応をせしめ、濃度30重量%の重合体を製造した。
フッ素系表面改質組成物調整例
上記重合体合成例を用い、表−1に示す成分を表−1で示す量で混合してフッ素系表面改質組成物を調整した。
撥水、撥油の性能を評価するためにガラス表面にフッ素系表面改質組成物を塗布し、65℃、1分間加熱してコーティング膜を得た。そのコーティング膜上に水とn−ドデカンを滴下し接触角を測定した。実施例1〜4はいずれも炭素数8パーフルオロアルキルを含むアクリルモノマーの付加重合物とフッ素系溶媒から得られた樹脂金型離型剤(比較例1)と同等の性能を有していた。
フラックス這い上がり防止性能の評価容器に約2mmの深さまでフラックスを入れ、その上に上記で作成した塗膜が形成されたプリント基板を乗せ、1分間放置した。1分後にプリント基板のスルーホールを通してフラックス這い上がりの有無を目視で判定した。その結果を比較例とともに表3に示す。実施例9〜12はいずれも炭素数8パーフルオロアルキルを含むアクリルモノマーの付加重合物とフッ素系溶媒から得られたフラックス這い上がり防止剤比較例5と同等の性能を有していた。
Claims (7)
- 成分(a)として炭素数6のパーフルオロアルキル基を含むアクリルおよび/またはメタアクリル系モノマーを主体とする付加重合物と、成分(b)としてその重合体を溶解するに可能なフッ素系溶媒からなるフッ素系表面改質組成物。
- 前記成分(a)が下記一般式(1)で表されるアクリルおよび/またはメタアクリルモノマーの付加重合物、または一般式(1)および一般式(2)の付加共重合物である、請求項1に記載のフッ素系表面改質組成物。
CH2=CXCOOR1C6F13 一般式(1)
(ここで式中R1はCmH2mであってm=1〜10のアルキレン基またはフェニレン基、XはH、CH3、Cl、F)
CH2=CX1X2 一般式(2)
(ここでX1、X2は水素原子、メチル基、Cl、CN、COOR、CONR2R3(式中R、R1、R2、R3は水素原子、メチル基、C1〜C10のアルキル基、C1〜C10のシクロアルキル基、又はフェニル基である。) - 前記成分(a)は一般式(1)で表されるアクリルおよび/またはメタアクリルモノマーの単独付加重合物又は、一般式(1)および一般式(2)の付加共重合物で、一般式(1)が80重量%以上のモノマー成分からなる共付加重合物である、請求項1に記載のフッ素系表面改質組成物。
- 前記(b)成分のフッ素系溶媒が、ハイドロフルオロエーテル、パーフルオロカーボン、ハイドロフルオロカーボン、パーフルオロポリエーテル、ハイドロフルオロポリエーテル、ベンゾトリフルオライドからなる群から選ばれる、いずれかのフッ素系溶媒を含むことを特徴とする請求項1のフッ素系表面改質組成物。
- 前記成分(a)を0.0001〜50重量%と前記成分(b)のフッ素系溶媒が50重量%以上からなる、請求項1に記載のフッ素系表面改質組成物。
- 前記フッ素系表面改質組成物が、樹脂金型離型剤である、請求項1のフッ素系表面改質組成物。
- 前記フッ素系表面改質組成物が、フラックス這い上がり防止剤である、請求項1のフッ素系表面改質組成物。
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