JP2009007335A - 還元型補酵素q10油状物の製造方法 - Google Patents

還元型補酵素q10油状物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】食品、栄養機能食品、特定保健用食品、栄養補助剤、栄養剤、動物薬、飲料、飼料、化粧品、医薬品、治療薬、予防薬等として有用な還元型補酵素Q10を、工業的規模での生産に適した方法で、高品質且つ効率的に得る方法を提供する。
【解決手段】酸化型補酵素Q10の油状物を水中で還元剤と反応させ、得られた反応混合物から水相を分離することにより、あるいは、還元型補酵素Q10を含有する有機相を濃縮する際に、還元型補酵素Q10の融解温度以上で共存する有機溶媒を留去することにより、粘性が低く、操作しやすい高品質の還元型補酵素Q10の油状物を製造することができる。更に、取得した油状物に所望の溶媒を加えて還元型補酵素Q10の溶液又はスラリーを取得する、あるいは種晶と接触させることにより還元型補酵素Q10の固形物を製造することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、還元型補酵素Q10の製造方法に関する。還元型補酵素Q10は、酸化型補酵素Q10に対して高い経口吸収性を示し、優れた食品、栄養機能食品、特定保健用食品、栄養補助剤、栄養剤、動物薬、飲料、飼料、化粧品、医薬品、治療薬、予防薬等として有用な化合物である。
還元型補酵素Q10は、例えば、合成、発酵、天然物からの抽出等の従来公知の方法により補酵素Q10を得た後、クロマトグラフィーにより流出液中の還元型補酵素Q10区分を濃縮する方法等により得られることが知られている(特許文献1参照)。この場合には、上記還元型補酵素Q10中に含まれる酸化型補酵素Q10を、水素化ホウ素ナトリウム、亜ジチオン酸ナトリウム(次亜硫酸ナトリウム)等の一般的な還元剤を用いて還元した後、クロマトグラフィーによる濃縮を行っても良く、また、還元型補酵素Q10は、既存の高純度補酵素Q10に上記還元剤を作用させる方法によっても得られることも、該特許公報中に記載されている。
また、補酵素Q10をヘキサンに溶解し、これに補酵素Q10の2倍重量のハイドロサルファイトソーダ(次亜硫酸ナトリウム)を含有する水溶液を加えて攪拌し、還元型補酵素Q10を合成した例が開示されている(特許文献2参照)。
しかしながら、従来の方法では、生成した還元型補酵素Q10の有機溶媒を用いた抽出及び濃縮等の操作が必要であるため、製造工程の所要時間は必然的に長くなり、又、高価な製造装置や容量等を必要とする。
さらに、還元型補酵素Q10を含有する有機相から溶媒を留去しようとすると、溶媒留去中に還元型補酵素Q10が半固体状或いは固体状に析出して、撹拌の負荷増大や撹拌不良を生じ、その結果として溶媒留去が不完全になる傾向がある。この現象は、一般に、還元型補酵素Q10の純度が高い場合により顕著となる傾向がある。
還元型補酵素Q10のこのような性質は、還元型補酵素Q10を単離する場合のみならず、晶析を行う場合など、上記有機相の溶媒を他の溶媒に置換して、還元型補酵素Q10の溶液又はスラリーを調製する際にも問題となる。溶媒置換には、溶剤を補充して溶媒留去操作を繰り返すという煩雑な操作が必要であり、以下のように、工業的規模における作業上、経済上、品質上の問題を生じる。
高沸点溶媒から低沸点溶媒への置換や用いる溶剤同士が共沸混合物を形成する場合は、多くの溶剤を用い、又、時間のかかる、極めて非効率な溶媒置換となる。また、補充する溶剤中に共存する好ましくない成分や不純物(例えば、高沸点成分や難揮発性成分)は溶液中に高濃度に蓄積される。例えば、高沸点のヘプタン溶液から低沸点のテトラヒドロフラン溶液への溶媒の置換のように、溶媒置換が極めて非効率となり、更に、テトラヒドロフラン中に共存する2,6−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)等の安定剤は溶液中に必要以上に高濃度に蓄積される可能性がある。
さらに、還元型補酵素Q10は、分子酸素によって酸化型補酵素Q10に酸化されやすい。工業的規模での製造においては、完全な酸素の除去は極めて難しく、更に、個々の操作に要する時間はラボスケールでの製造とは異なりかなり長時間になるため、残存する酸素が大きな悪影響を及ぼす。上記酸化は難除去性の酸化型補酵素Q10の副生及び製品への混入といった収率、品質面の問題に直結する。高純度の還元型補酵素Q10を得るためには、上記酸化から好適に防護する観点から、濃縮、溶媒置換等の操作時間を短縮することが望ましい。
このように、有機溶媒による抽出及び濃縮等の付加的な操作を必要とせず、還元型補酵素Q10を直接かつ簡便に取得する方法、及び/又は、還元型補酵素Q10を含有する有機相から、攪拌不良を引き起こすことなく、簡便かつ短時間で有機溶媒を留去する方法が求められていた。
特開平10−109933号公報 特開昭57−70834公報
本発明は、上記に鑑み、工業的規模での製造に適した、高品質の還元型補酵素Q10の簡便且つ効率的に得るための方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究した結果、酸化型補酵素Q10の油状物を水中で還元剤と反応させることにより、意外にも、高品質の還元型補酵素Q10を製造できることを見出し、これにより工業的規模での生産に優れた本発明を完成するに至った。また、還元型補酵素Q10を融解温度以上(溶媒や不純物が還元型補酵素Q10に含まれることによって還元型補酵素Q10の融解温度に幅がある場合は、融解開始温度以上)にすることにより、意外にも、粘性が低く、操作しやすい油状物として還元型補酵素Q10を取得できることを見出し、これにより工業的規模での生産に優れた本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、酸化型補酵素Q10の油状物を水中で還元剤と反応させ、還元型補酵素Q10の油状物を合成することからなる、還元型補酵素Q10の製造方法である。
本発明の製造方法によれば、得られた反応混合物から水相を分離することにより、還元型補酵素Q10の油状物を取得することができ、また、得られた反応混合物を冷却することにより、還元型補酵素Q10を該反応系中において結晶化させ、該結晶を取得することもできる。
本発明により、酸化から防護された還元雰囲気にある反応系中で還元型補酵素Q10を生成させ、さらに該反応系中で、結晶状態へ移行させることができ、還元型補酵素Q10の有機相への抽出、煩雑な溶媒置換等の付加的な操作を必要とせず、操作時間を劇的に減少させ、酸化型補酵素Q10の還元反応から還元型補酵素Q10の採取までの一連の工程における酸化型補酵素Q10の副生を最小化して、高品質の還元型補酵素Q10結晶を効率よく製造することができる。
また、本発明は、還元型補酵素Q10を含有する有機相から、還元型補酵素Q10の融解温度以上の温度で有機溶媒を留去することにより、還元型補酵素Q10の油状物を取得することからなる、還元型補酵素Q10の取得方法でもある。
本発明の取得方法によれば、攪拌不良を生じることなく、簡便かつ短時間で、還元型補酵素Q10を含有する有機相から、有機溶媒を留去し、還元型補酵素Q10の油状物を取得することができる。
また、上記のいずれかの方法で得られる還元型補酵素Q10の油状物は、所望の溶媒を加えることにより、簡便に、還元型補酵素Q10を含有する溶液又はスラリーとすることができる。さらには、得られた還元型補酵素Q10の油状物に、前記油状物の融解温度未満の温度で還元型補酵素Q10の種晶を接触させることにより、還元型補酵素Q10を速やかに固化させ、結晶として得ることもできる。
以上のように、本発明の方法によれば、還元型補酵素Q10の有機相への抽出等の付加的な操作を必要としないだけでなく、還元型補酵素Q10を含有する有機相を濃縮する場合においても、攪拌負荷の増大や攪拌不良といった問題を生じることなく、操作時間を劇的に短縮し、還元型補酵素Q10の採取までの一連の工程における酸化型補酵素Q10の副生を最小化して、高品質の還元型補酵素Q10を効率よく取得することができる。
さらに、本発明によれば、還元型補酵素Q10を所望の溶媒の溶液又はスラリーとして容易に取得することができ、沸点差の大きい溶媒置換(即ち、高沸点溶媒から低沸点溶媒への置換)や、用いる溶剤同士が共沸混合物を形成する場合においても、極めて効率的に溶媒置換を実施することが可能である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、酸化から還元型補酵素Q10を好適に防護する観点から、濃縮、溶媒置換等の操作時間を短縮するために、還元型補酵素Q10の油状物を製造あるいは取得するものであり、本発明には以下の二つが含まれる。
第一は、酸化型補酵素Q10の油状物を水中で還元剤と反応させ、還元型補酵素Q10の油状物を製造あるいは取得する発明であり、第二は、還元型補酵素Q10を含有する有機相から、還元型補酵素Q10の融解温度以上の温度で有機溶媒を留去することにより、還元型補酵素Q10の油状物を製造あるいは取得する発明である。
まず、酸化型補酵素Q10の油状物を水中で還元剤と反応させ、還元型補酵素Q10の油状物を取得する第一の発明について説明する。
本発明においては、酸化型補酵素Q10を水中で還元剤と反応させ、還元型補酵素Q10を合成する。
本発明に用いる酸化型補酵素Q10は、既存の高純度補酵素Q10のように酸化型補酵素Q10のみからなるものであってもよく、酸化型補酵素Q10と還元型補酵素Q10の混合物であってもよい。
本発明に用いる酸化型補酵素Q10の油状物は、酸化型補酵素Q10を融解させて油状化したものであり、反応に悪影響を及ぼさない程度に種々の不純物や溶媒等を含んでいてもよいが、単に酸化型補酵素Q10を有機溶媒に溶かした溶液とは異なる。
本発明における反応溶媒は、実質的に水のみからなるものである。有機溶媒をわずかに含むものであってもよいが、その含量は水に対して10w/w%以下が好ましく、5w/w%以下がより好ましく、1w/w%以下がさらに好ましい。
酸化型補酵素Q10の還元反応に用いる還元剤としては特に限定されないが、好ましくは、鉄(金属又は塩としての鉄)、亜鉛(金属としての亜鉛)、次亜硫酸類である。
鉄または亜鉛を用いる還元は、酸を使用して実施されることが好ましい。酸としては特に制限されないが、例えば、酢酸等の脂肪酸、メタンスルホン酸等のスルホン酸、塩酸や硫酸等の無機酸等を挙げることができる。好ましくは無機酸であり、より好ましくは、硫酸である。
鉄の使用量は特に制限されないが、酸化型補酵素Q10の仕込み重量に対して、例えば、約1/5重量以上で好適に実施できる。上限は特に制限されないが、経済性の観点等から、約2倍重量が好ましい。なお、鉄は、金属鉄のみならず、硫酸鉄(II)等の塩の形態でも使用できる。
亜鉛の使用量は特に制限されないが、酸化型補酵素Q10の仕込み重量に対して、例えば、約1/10重量以上で好適に実施できる。上限は特に制限されないが、経済性の観点等から、約2倍重量が好ましい。
次亜硫酸類としては特に制限されず、通常、次亜硫酸の塩である。次亜硫酸の塩としては特に限定されず、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が好ましく、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩がより好ましく、ナトリウム塩がさらに好ましい。
上記次亜硫酸類の使用量は特に制限されないが、酸化型補酵素Q10の仕込み重量に対して、約1/5重量以上が好ましく、より好ましくは約2/5重量以上、さらに好ましくは約3/5重量以上である。多くても特に支障はないが、経済的に不利であるため、好ましくは約2倍重量以下、より好ましくは同重量以下で用いられる。普通、約2/5重量〜約同重量の範囲で好適に実施できる。
上記還元剤のうち、還元能力、収率、品質といった観点から、亜鉛、次亜硫酸類が好ましく、特に次亜硫酸類(具体的には、次亜硫酸塩)が好ましい。
上記次亜硫酸類を用いる還元は、収率等の観点から、pH7以下で実施するのが好ましく、より好ましくはpH3〜7、さらに好ましくはpH3〜6で実施される。上記pHは、酸(亜例えば、塩酸や硫酸等の鉱酸)や塩基(例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物)を用いて調整することができる。
本発明における酸化型補酵素Q10の仕込み濃度は特に限定されないが、上限は、水に対して、30w/w%が好ましく、より好ましくは20w/w%である。生産性等の観点から、下限は、1w/w%が好ましく、より好ましくは5w/w%、さらに好ましくは10w/w%である。
上記還元反応後、生成した還元型補酵素Q10を該反応系から結晶化する場合には、結晶化した還元型補酵素Q10のスラリー濃度やスラリー性状を好適な範囲に調整・維持するために、還元型補酵素Q10の濃度を適宜増減できる。スラリー濃度、スラリー性状の観点から、水重量に対する反応後の還元型補酵素Q10の重量として、20w/w%以下が好ましく、より好ましくは15w/w%以下である。
本発明における還元反応温度は、酸化型補酵素Q10の純度や酸化型補酵素Q10と還元型補酵素Q10の比率等にもより、一律には規定できないが、普通45℃以上、好ましくは48℃以上、より好ましくは50℃以上である。上限は、系の沸点が好ましく、100℃がより好ましく、80℃がさらに好ましく、60℃が特に好ましい。
本発明における還元反応は、強制流動下に実施するのが好ましい。単位容積当たりの撹拌所要動力として、通常約0.01kW/m以上、好ましくは約0.1kW/m以上、より好ましくは約0.3kW/m以上の流動が好ましい。上記の強制流動は、通常、撹拌翼の回転により与えられるが、上記流動が得られれば必ずしも撹拌翼を用いる必要はなく、例えば、液の循環による方法などを利用しても良い。
上記還元反応は、通常、48時間以内、好ましくは24時間以内、より好ましくは10時間以内、とりわけ5時間以内に完了させることができる。
上記還元反応、特に次亜硫酸類を還元剤として用いる還元反応は、脱酸素雰囲気下で実施するのが極めて好ましく、還元反応収率の向上や還元剤量の削減に大きく寄与することも見い出した。脱酸素雰囲気は、不活性ガスによる置換、減圧、沸騰やこれらを組み合わせることにより達成できる。少なくとも、不活性ガスによる置換、即ち、不活性ガス雰囲気を用いるのが好適である。上記不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、水素ガス、炭酸ガス等を挙げることができ、好ましくは窒素ガスである。
このようにして得られた反応混合物から、引き続き、水相を分離することにより、更に必要に応じ、例えば水や食塩水等を用いて水洗を行い、還元型補酵素Q10の油状物を取得することができるし、或いは、上記反応混合物を冷却することにより、生成した還元型補酵素Q10を該反応系中において結晶化させることもできる。
還元型補酵素Q10を油状物として取得する場合は、油状物と水相の分離や、必要に応じ実施される油状物の水洗は、加温下に行われることが好ましい。その温度は、還元型補酵素Q10の純度等にもより、特に制限されないが、約45℃以上が好ましく、より好ましくは約48℃以上、さらに好ましくは50℃以上である。上限は、系の沸点が好ましく、約100℃がより好ましく、約80℃がさらに好ましく、約60℃が特に好ましい。
さらに、反応混合物を冷却することにより、還元雰囲気下で、還元型補酵素Q10の結晶として取得することもできる。冷却温度は特に制限されないが、約50℃未満が好ましく、より好ましくは48℃未満、さらに好ましくは45℃未満である。下限は、系の固化温度が好ましく、0℃がより好ましい。一般に、0〜40℃で好適に実施される。
結晶化のための冷却は特に制限されないが、好ましくは約40℃/時間以下、より好ましくは約30℃/時間以下、さらに好ましくは約20℃/時間以下の冷却速度で実施される。尚、還元型補酵素Q10の有機溶媒系での晶析では、一般に濾過性やスラリー性状等が悪く、操作性が良好ではない場合が多いが、本発明では、大粒径の結晶を得ることも可能であり、これら操作性を格段に向上させることができる。
還元型補酵素Q10の結晶化は、強制流動下に実施するのが好ましい。単位容積当たりの撹拌所要動力として、通常約0.01kW/m以上、好ましくは約0.1kW/m以上、より好ましくは約0.3kW/m以上の流動が好ましい。上記の強制流動は、通常、撹拌翼の回転により与えられるが、上記流動が得られれば必ずしも撹拌翼を用いる必要はなく、例えば、液の循環による方法などを利用しても良い。
このように、反応混合物から結晶化を行うことにより、酸化型補酵素Q10の副生を最小にして、高品質の還元型補酵素Q10結晶を得ることができる。
次に、還元型補酵素Q10を含有する有機相から、還元型補酵素Q10の融解温度以上の温度で有機溶媒を留去することにより、還元型補酵素Q10の油状物を取得する第二の発明について説明する。
本発明に使用しうる還元型補酵素Q10は、先述のごとく、例えば、合成、発酵、天然物からの抽出等の従来公知の方法により得ることができる。好ましくは、既存の高純度補酵素Q10などの酸化型補酵素Q10、あるいは酸化型補酵素Q10と還元型補酵素Q10の混合物を、一般的な還元剤を用いて還元することにより得ることができる。まずは、酸化型補酵素Q10を還元する方法について説明する。
還元型補酵素Q10は分子酸素によって酸化され、酸化型補酵素Q10を副生しやすいため、還元工程の溶媒として、還元型補酵素Q10を酸化から防護する作用の高い溶媒を用いるのが好ましい。このような溶媒としては、炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、及び、ニトリル類のうち少なくとも一種を用いるのが好ましく、最も好ましくは炭化水素類である。
炭化水素類としては特に制限されないが、例えば、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素等を挙げることができる。特に、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素が好ましく、とりわけ、脂肪族炭化水素が好ましい。
脂肪族炭化水素としては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、通常、炭素数3〜20、好ましくは、炭素数5〜12のものが用いられる。
具体例としては、例えば、プロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、2−メチルブタン、シクロペンタン、2−ペンテン、ヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン、1−ヘキセン、シクロヘキセン、ヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2、3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン、メチルシクロヘキサン、1−ヘプテン、オクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、エチルシクロヘキサン、1−オクテン、ノナン、2,2,5−トリメチルヘキサン、1−ノネン、デカン、1−デセン、p−メンタン、ウンデカン、ドデカン等を挙げることができる。
中でも、炭素数5〜8の飽和脂肪族炭化水素が好ましく、炭素数5のペンタン、2−メチルブタン、シクロペンタン(ペンタン類と称す);炭素数6のヘキサン、2−メチルペンタン、2,2−ジメチルブタン、2,3−ジメチルブタン、メチルシクロペンタン、シクロヘキサン(ヘキサン類と称す);炭素数7のヘプタン、2−メチルヘキサン、3−メチルヘキサン、2,3−ジメチルペンタン、2,4−ジメチルペンタン)、メチルシクロヘキサン(ヘプタン類と称す);炭素数8のオクタン、2,2,3−トリメチルペンタン、イソオクタン、エチルシクロヘキサン(オクタン類と称す)、及びこれらの混合物が好ましく用いられる。とりわけ、上記ヘプタン類は酸化からの防護効果が特に高い傾向がありさらに好ましく、ヘプタンが最も好ましい。
芳香族炭化水素としては、特に制限されないが、普通、炭素数6〜20、特に炭素数6〜12、とりわけ炭素数7〜10のものが好適に用いられる。具体例としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、ジペンチルベンゼン、ドデシルベンゼン、スチレン等を挙げることができる。好ましくは、トルエン、キシレン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリン、ブチルベンゼン、p−シメン、シクロヘキシルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼンであり、より好ましくは、トルエン、キシレン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、クメン、テトラリンであり、最も好ましくは、クメンである。
ハロゲン化炭化水素としては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、一般に、非環状のものが好ましく用いられる。普通、塩素化炭化水素、フッ素化炭化水素が好ましく、特に塩素化炭化水素が好ましい。炭素数1〜6、特に炭素数1〜4、とりわけ炭素数1〜2のものが好適に用いられる。
具体例としては、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1,1,2−テトラクロロエタン、1,1,2,2−テトラクロロエタン、ペンタクロロエタン、ヘキサクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、1,2−ジクロロプロパン、1,2,3−トリクロロプロパン、クロロベンゼン、1,1,1,2−テトラフルオロエタン等を挙げることができる。
好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,1−ジクロロエタン、1,2−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1−ジクロロエチレン、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、1,1,1,2−テトラフルオロエタンであり、より好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルム、1,2−ジクロロエチレン、トリクロロエチレン、クロロベンゼン、1,1,1,2−テトラフルオロエタンである。
脂肪酸エステル類としては、特に制限されないが、例えば、プロピオン酸エステル、酢酸エステル、ギ酸エステル等を挙げることができる。特に、酢酸エステル、ギ酸エステルが好ましく、とりわけ、酢酸エステルが好ましい。特に制限されないが、一般に、エステル基としては、炭素数1〜8のアルキル基又はアラルキル基、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基が好ましく用いられる。
プロピオン酸エステルとしては、例えば、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸ブチル、プロピオン酸イソペンチルを挙げることができる。
酢酸エステルとしては、例えば、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸sec−ヘキシル、酢酸シクロヘキシル、酢酸ベンジル等を挙げることができる。好ましくは、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸sec−ブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチル、酢酸sec−ヘキシル、酢酸シクロヘキシルであり、より好ましくは、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチルであり、最も好ましくは、酢酸エチルである。
ギ酸エステルとしては、例えば、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸イソプロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸sec−ブチル、ギ酸ペンチル等を挙げることができる。好ましくは、ギ酸メチル、ギ酸エチル、ギ酸プロピル、ギ酸ブチル、ギ酸イソブチル、ギ酸ペンチルであり、最も好ましくは、ギ酸エチルである。
エーテル類としては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、一般に、飽和のものが好ましく用いられる。普通、炭素数3〜20、特に炭素数4〜12、とりわけ炭素数4〜8のものが好適に用いられる。
具体例としては、例えば、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ジオキサン、フラン、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル等を挙げることができる。
好ましくは、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジヘキシルエーテル、アニソール、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ジオキサン、2−メチルフラン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルであり、より好ましくは、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルであり、さらに好ましくは、ジエチルエーテル、メチルtert−ブチルエーテル、アニソール等であり、最も好ましくは、メチルtert−ブチルエーテルである。
ニトリル類としては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、一般に飽和のものが好ましく用いられる。普通、炭素数2〜20、特に炭素数2〜12、とりわけ炭素数2〜8のものが好適に用いられる。具体例としては、例えば、アセトニトリル、プロピオニトリル、マロノニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、スクシノニトリル、バレロニトリル、グルタロニトリル、ヘキサンニトリル、ヘプチルシアニド、オクチルシアニド、ウンデカンニトリル、ドデカンニトリル、トリデカンニトリル、ペンタデカンニトリル、ステアロニトリル、クロロアセトニトリル、ブロモアセトニトリル、クロロプロピオニトリル、ブロモプロピオニトリル、メトキシアセトニトリル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、トルニトリル、ベンゾニトリル、クロロベンゾニトリル、ブロモベンゾニトリル、シアノ安息香酸、ニトロベンゾニトリル、アニソニトリル、フタロニトリル、ブロモトルニトリル、メチルシアノベンゾエート、メトキシベンゾニトリル、アセチルベンゾニトリル、ナフトニトリル、ビフェニルカルボニトリル、フェニルプロピオニトリル、フェニルブチロニトリル、メチルフェニルアセトニトリル、ジフェニルアセトニトリル、ナフチルアセトニトリル、ニトロフェニルアセトニトリル、クロロベンジルシアニド、シクロプロパンカルボニトリル、シクロヘキサンカルボニトリル、シクロヘプタンカルボニトリル、フェニルシクロヘキサンカルボニトリル、トリルシクロヘキサンカルボニトリル等を挙げることができる。
好ましくは、アセトニトリル、プロピオニトリル、スクシノニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バレロニトリル、シアノ酢酸メチル、シアノ酢酸エチル、ベンゾニトリル、トルニトリル、クロロプロピオニトリルであり、より好ましくは、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリルであり、最も好ましくは、アセトニトリルである。
上記溶媒の中でも、沸点、粘性等の性質(例えば、溶解度を高めるための適度な加温ができ、且つ、湿体からの溶剤の乾燥除去や晶析濾液等からの溶剤回収の行いやすい沸点(1気圧下、約30〜150℃)、室温での取り扱い時及び室温以下に冷却した時も固化しにくい融点(約20℃以下、好ましくは約10℃以下、より好ましくは約0℃以下)を持ち、粘性が低い(20℃において約10cp以下等))を考慮して選定するのが好ましい。工業的な作業上の観点から、常温で揮発し難いものが好ましく、一般に、例えば、沸点が約80℃以上、更には約90℃以上のものが特に好ましい。
上記溶媒のうち、還元反応の溶媒としては、水と相溶性の低い溶媒を用いるのが特に好ましく、後述する還元剤や還元剤に由来する不純物を水相に抽出、除去し、還元型補酵素Q10を効率的に精製、取得するのを助成する。
還元型補酵素Q10は高濃度の溶液ほど酸化されにくい傾向にある。上記溶媒に対して還元型補酵素Q10は高い溶解性を示し、上記溶媒はこの点でも酸化防護に好適である。還元型補酵素Q10の酸化を防護するために好ましい濃度は、溶媒の種類などにより一律に規定できないが、上記溶媒に対する還元型補酵素Q10の濃度として、普通1w/w%以上、好ましくは2w/w%以上である。上限は、特に制限されないが、実際的な操作性という観点から、400w/w%、好ましくは200w/w%、より好ましくは100w/w%、特に好ましくは50w/w%である。
しかして、上記溶媒の使用によって、望ましくない酸素の副反応は、還元工程を通して最小化される。
還元反応は、上記の溶媒中、水素化金属化合物、鉄(金属又は塩としての鉄)、亜鉛(金属としての亜鉛)、次亜硫酸類、アスコルビン酸類等を還元剤として用いて実施することができる。
水素化金属化合物としては特に制限されないが、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化リチウムアルミニウム等を挙げることができる。上記水素化金属化合物の使用量は、水素化金属化合物の種類により異なり、一律に規定できないが、普通、理論水素当量の1〜3倍量で好適に実施できる。
鉄または亜鉛を用いる還元は、酸を使用して実施されることが好ましい。酸としては特に制限されないが、例えば、酢酸等の脂肪酸、メタンスルホン酸等のスルホン酸、塩酸や硫酸等の無機酸等を挙げることができる。好ましくは無機酸であり、より好ましくは、硫酸である。
鉄の使用量は特に制限されないが、酸化型補酵素Q10の仕込み重量に対して、例えば、約1/5重量以上で好適に実施できる。上限は特に制限されないが、経済性の観点等から、約2倍重量が好ましい。なお、鉄は、金属鉄のみならず、硫酸鉄(II)等の塩の形態でも使用できる。
亜鉛の使用量は特に制限されないが、酸化型補酵素Q10の仕込み重量に対して、例えば、約1/10重量以上で好適に実施できる。上限は特に制限されないが、経済性の観点等から、約2倍重量が好ましい。
次亜硫酸類としては特に制限されず、通常、次亜硫酸の塩である。次亜硫酸の塩としては特に限定されず、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等が好ましく、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩がより好ましく、ナトリウム塩がさらに好ましい。
上記次亜硫酸類の使用量は特に制限されないが、酸化型補酵素Q10の仕込み重量に対して、約1/5重量以上が好ましく、より好ましくは約2/5重量以上、さらに好ましくは約3/5重量以上である。多くても特に支障はないが、経済的に不利であるため、好ましくは約2倍重量以下、より好ましくは同重量以下で用いられる。普通、約2/5重量〜約同重量の範囲で好適に実施できる。
アスコルビン酸類としては特に制限されず、例えば、アスコルビン酸のみならず、rhamno−アスコルビン酸、arabo−アスコルビン酸、gluco−アスコルビン酸、fuco−アスコルビン酸、glucohepto−アスコルビン酸、xylo−アスコルビン酸、galacto−アスコルビン酸、gulo−アスコルビン酸、allo−アスコルビン酸、erythro−アスコルビン酸、6−デスオキシアスコルビン酸等のアスコルビン酸に類するものを含み、更に、それらのエステル体や塩であってもかまわない。これらは、L体、D体、或いは、ラセミ体であっても良い。具体的には、例えば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸パルミテート、L−アスコルビルステアレート、D−arabo−アスコルビン酸等を挙げることができる。還元型補酵素Q10の製造においては、上記アスコルビン酸類をいずれも好適に使用しうるが、生成した還元型補酵素Q10との分離のしやすさ等を考慮すると、上記のアスコルビン酸類のうち、特に水溶性のものが好適に用いられ、最も好ましくは、入手容易性、価格等の観点から、L−アスコルビン酸、D−arabo−アスコルビン酸等のフリー体である。
上記のアスコルビン酸類の使用量は特に制限されず、酸化型補酵素Q10を還元型補酵素Q10に変換しうる有効量であればよく、酸化型補酵素Q10に対して、1倍モル量以上が好ましく、より好ましくは1.2倍モル量以上である。上限は特に制限されないが、経済性も考慮して、10倍モル量が好ましく、より好ましくは5倍モル量、さらに好ましくは3倍モル量である。
上記還元剤のうち、還元能力、収率、品質といった観点から、亜鉛、次亜硫酸類、及びアスコルビン酸類が好ましく、特に次亜硫酸類(具体的には、次亜硫酸塩)、アスコルビン酸類が好ましい。
還元反応においては、後述するアルコール類及び/又は水を好適に使用することができる。水は、特に還元剤として鉄、亜鉛、次亜硫酸類を用いる場合に好適である。還元剤として水素化金属化合物やアスコルビン酸類を用いる場合にはアルコール類を使用することができる。水、アルコール類の併用は、これら水、アルコール類の特性が発揮され、反応速度の向上や反応収率の向上等に寄与する。
以下に好ましい還元方法について詳細に述べる。
上記次亜硫酸類を用いる還元は、水と、上記の炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、及び、ニトリル類のうち少なくとも一種の有機溶媒(好ましくは炭化水素類、より好ましくは脂肪族炭化水素、なかでもヘプタン類、特にヘプタン)との混合溶媒系で実施するのが好ましい。その際、反応時のpHは、収率等の観点から、pH7以下が好ましく、より好ましくはpH3〜7、さらに好ましくはpH3〜6で実施される。上記pHは、酸(例えば、塩酸や硫酸等の鉱酸)や塩基(例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物)を用いて、調整することができる。
上記次亜硫酸類を用いる還元において、水の使用量は特に制限されず、還元剤である次亜硫酸類を適度に溶解する量であれば良く、上記次亜硫酸類の水に対する重量が、好ましくは30w/w%以下、より好ましくは20w/w%以下になるように調整する。また、生産性等の観点から、好ましくは1w/w%以上、より好ましくは5w/w%以上、さらに好ましくは10w/w%以上である。
上記アスコルビン酸類を用いる還元は、上記の炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、及び、ニトリル類のうち、特に水と相溶性の高い溶媒、なかでも、水と相溶性の高いエーテル類及びニトリル類、具体的には、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル等を用いて実施することができる。後述するアルコール類及び/又はケトン類(好ましくは、水と相溶性の高いアルコール類及び/又はケトン類(具体的には、アルコール類としては、炭素数1〜5、好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは炭素数1〜3の1価又は2価(好ましくは1価)のアルコール、ケトン類としては、アセトン、メチルエチルケトン等))を使用するのが特に好ましい。すなわち、アスコルビン酸類を用いる還元においては、アルコール類及び/又は水溶性有機溶媒を用いるのが好ましい。又、還元型補酵素Q10の製造における反応促進の観点から(例えば、反応温度の低下、反応時間の短縮等)、塩基性物質や亜硫酸水素塩等の反応促進効果を有する添加剤を共存させて実施することができる。
上記の塩基性物質としては特に制限されず、例えば、無機化合物、有機化合物を問わず使用しうる。上記無機化合物としては特に制限されないが、例えば、金属(好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属等)の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩やアンモニア等を挙げることができる。その代表的なものとして、例えば、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩、炭酸水素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩、炭酸マグネシウム等のアルカリ土類金属炭酸塩等を挙げることができる。上記有機化合物としては特に制限されないが、例えば、トリエチルアミン等のアミン等を挙げることができる。上記の塩基性物質のうち、金属(好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属等)の炭酸塩、炭酸水素塩、アンモニア等の無機化合物;トリエチルアミン等のアミン等の有機化合物といった弱い塩基性物質(弱塩基又は弱アルカリ)を特に好ましく使用できる。より好ましくは、上記の弱塩基性の無機化合物である。
また、亜硫酸水素塩としては、例えば、亜硫酸水素ナトリウム等のアルカリ金属亜硫酸水素塩等を好適なものとして挙げることができる。
上記添加剤の量は、期待する程度の反応促進効果を発揮しうる量(有効量)であればよく、特に制限されないが、一般的に、経済性も考慮して、アスコルビン酸類に対して、好ましくは20倍モル量以下、より好ましくは10倍モル量以下、さらに好ましくは5倍モル量以下、特に好ましくは2倍モル以下である。下限は特に制限されないが、好ましくは0.01倍モル量、より好ましくは0.05倍モル量、さらに好ましくは0.1倍モル量、特に好ましくは0.2倍モル量である。
還元反応は、強制流動下に実施するのが好ましい。単位容積当たりの撹拌所要動力として、好ましくは約0.01kW/m以上、より好ましくは約0.1kW/m以上、さらに好ましくは約0.3kW/m以上の流動が好ましい。上記の強制流動は、通常、撹拌翼の回転により与えられるが、上記流動が得られれば必ずしも撹拌翼を用いる必要はなく、例えば、液の循環による方法などを利用しても良い。
還元温度は、還元剤の種類や量によって異なり、一律に規定できない。例えば、次亜硫酸類を用いる還元においては、好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下、さらに好ましくは60℃以下で実施される。下限は、系の固化温度が好ましい。通常、0〜100℃程度、好ましくは0〜80℃程度、より好ましくは0〜60℃程度で好適に実施できる。アスコルビン酸類を用いる還元においては、好ましくは30℃以上、より好ましくは40℃以上、さらに好ましくは50℃以上で実施される。上限は系の沸点が好ましい。通常、30〜150℃程度、好ましくは40〜120℃程度、より好ましくは50〜100℃程度で好適に実施できる。
反応濃度は特に制限はないが、一般に、溶媒の重量に対する酸化型補酵素Q10の重量として、好ましくは約1w/w%以上、より好ましくは3w/w%以上、さらに好ましくは10w/w%以上、特に好ましくは15w/w%以上である。上限は、特に制限されないが、好ましくは約60w/w%以下、より好ましくは50w/w%以下、さらに好ましくは40w/w%以下、特に好ましくは30w/w%以下である。一般に、約1〜60w/w%、好ましくは約3〜50w/w%、より好ましくは約10〜40w/w%で好適に実施できる。
還元反応は、通常、48時間以内、好ましくは24時間以内、より好ましくは10時間以内、とりわけ5時間以内に完了させることができる。
このようにして得られた還元反応液は、生成した還元型補酵素Q10を含有する有機相を採取し、必要に応じ(好ましくは)、有機相を更に、繰り返し、例えば、水や食塩水等を用いて水洗して夾雑物を完全に除去することができる。
なお、上記還元反応および後処理は、脱酸素雰囲気下で実施するのが極めて好ましく、驚くべきことには、特に次亜硫酸類を用いた還元反応では、還元反応収率向上や還元剤量の削減に大きく寄与することも見い出した。脱酸素雰囲気は、不活性ガスによる置換、減圧、沸騰やこれらを組み合わせることにより達成できる。少なくとも、不活性ガスによる置換、即ち、不活性ガス雰囲気を用いるのが好適である。上記不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、水素ガス、炭酸ガス等を挙げることができ、好ましくは窒素ガスである。
次いで、このようにして得られた還元型補酵素Q10を含有する有機相からの還元型補酵素Q10の油状物、溶液及びスラリーの取得方法について説明する。
還元型補酵素Q10の油状物を取得するために用いる還元型補酵素Q10を含有する有機相は特に制限されないが、望ましくない酸素による副反応を抑制して高品質の還元型補酵素Q10の油状物を得るために、還元型補酵素Q10を酸化から防護する作用の高い有機溶媒、即ち、炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、及び、ニトリル類のうち少なくとも一種の溶液であるのが好ましい。なかでも、有機溶媒として、炭化水素類、脂肪酸エステル類が好ましく、より好ましくは炭化水素類であり、最も好ましくはヘプタン類である。なお、本発明に用いる還元型補酵素Q10を含有する有機相は、上記溶液であっても良く、また、該溶液を通常の方法で濃縮した濃縮物であってもよい。
本発明においては、還元型補酵素Q10を含有する有機相の濃縮に際して、共存する溶媒を完全に或いはほぼ完全に留去するために、還元型補酵素Q10の融解温度以上の温度に高めて有機溶媒を留去することにより、還元型補酵素Q10の油状物を取得する。なお、還元型補酵素Q10に溶媒や不純物が含まれることによって融解温度に幅がある場合は、融解開始温度以上であればよい。
本発明において、還元型補酵素Q10の油状物を得るための上記温度は、共存する有機溶媒の量にもよる為、一律には規定できないが、好ましくは40℃以上、より好ましくは45℃以上、さらに好ましくは50℃以上、特に好ましくは60℃以上である。溶媒の種類や量にもよるが、好ましくは40〜140℃、より好ましくは40〜100℃、さらに好ましくは50〜80℃の範囲で好適に実施できる。上記濃縮は、常圧下、或いは、減圧下に実施される。
上記の方法によれば、有機相中の還元型補酵素Q10の純度が、好ましくは約80重量%以上、より好ましくは約90重量%以上、さらに好ましくは約95重量%以上の場合でも、攪拌不良を生じることなく有機溶媒を完全に留去して、還元型補酵素Q10を好適に油状物として取得できる。上記純度は、後述のようにHPLCにて求めることができる。
尚、溶媒を留去して還元型補酵素Q10の油状物を取得する態様に関して記載される上記還元型補酵素Q10油状物中の溶媒の含有量は、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下、さらに好ましくは2重量%以下である。
このように、上記二種類の態様を用いることにより、極めて簡便に、且つ、効率的に還元型補酵素Q10の油状物を取得することができる。
さらに、上記の態様により取得した還元型補酵素Q10の油状物は、所望の溶剤を加えることによって、極めて効率的に、且つ、還元型補酵素Q10の酸化型補酵素Q10への酸化を好適に防護して、高品質の還元型補酵素Q10の溶液又はスラリーとすることもできる。
特に、還元型補酵素Q10を含有する有機相から他の溶媒へと置換するとき、以下の態様のいずれかによって、又は、以下の態様の二以上を組み合わせることによって、本発明の効果を最大限に発揮することができる。
第一の態様は、還元型補酵素Q10の溶液又はスラリーを得るために添加する溶媒が、留去される有機溶媒よりも沸点が低い態様である。通常、高沸点溶媒から低沸点溶媒への置換は非効率であるが、本発明により、効率的に実施できる。例えば、ヘプタンからアセトンへの置換、トルエンからエタノールへの置換、酢酸エチルからジエチルエーテルへの置換、ヘプタンからエタノールへの置換等が挙げられる。
第二の態様は、還元型補酵素Q10の溶液又はスラリーを得るために添加する溶媒が、留去される有機溶媒と共沸混合物を形成する態様である。通常、共沸混合物の形成・留去により、溶媒置換が非効率であるが、本発明により、効率的に実施できる。例えば、ヘプタンからエタノールへの置換、クロロホルムからアセトンへの置換、酢酸エチルからエタノールへの置換等が挙げられる。
第三の態様は、還元型補酵素Q10の溶液又はスラリーを得るために添加する溶媒が、難揮発成分を含有する態様である。難揮発成分とは、通常の溶媒留去、溶媒置換条件では留去されにくい成分をさし、例えば、エーテル中に安定化剤として含まれる2,6−ジtert−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)等が挙げられる。溶媒の補充、留去を繰り返す非効率な溶媒置換においては、難揮発成分は溶液中に高濃度に蓄積される傾向にある。例えば、ヘプタンからテトラヒドロフランに溶媒置換する場合に、置換が非効率であると、上記BHTが溶液中に必要以上に高濃度に蓄積する可能性があるが、本発明の方法によれば、難揮発成分の蓄積を抑制して、溶媒置換を好適に実施できる。
第四の態様は、還元型補酵素Q10の溶液又はスラリーを得るために添加する溶媒が、留去される有機溶媒よりも、還元型補酵素Q10を酸化から防護する効果が低い態様である。非効率な溶媒置換においては、酸化防護効果の必ずしも高くない溶媒の共存下での長時間にわたる溶媒置換操作中に、望ましくない酸素の副反応を受けやすいが、本発明により、酸化防護効果の必ずしも高くない溶媒との接触時間を最小化することにより望ましくない酸素の副反応を抑制して、溶媒置換を好適に実施できる。例えば、ヘプタンからメチルイソブチルケトンへの置換、キシレンからジメチルホルムアミドへの置換等が挙げられる。
還元型補酵素Q10の溶液又はスラリーを得るために添加する溶媒は特に制限されないが、前記の炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、ニトリル類の他、水、アルコール類、脂肪酸類、ケトン類、窒素化合物類(ニトリル類を除く)、硫黄化合物類等のうちの少なくとも一種が好ましい。アルコール類、ニトリル類、ケトン類、エーテル類及び、水のうちの少なくとも一種がさらに好ましく、アルコール類及び/又はケトン類はスラリーの性状や結晶の性状がさらに良好となるため、特に好ましい。
アルコール類としては、環状、非環状を問わず、又、飽和、不飽和を問わず、特に制限されないが、一般に、飽和のものが好ましく用いられる。普通、炭素数1〜20、特に炭素数1〜12、とりわけ炭素数1〜6、なかでも炭素数1〜5の1価アルコールが好ましく、又、炭素数2〜5の2価アルコールが好ましく、又、炭素数3の3価アルコールが好ましい。
1価のアルコールとしては特に限定されず、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、1−ヘプタノール、2−ヘプタノール、3−ヘプタノール、1−オクタノール、2−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、1−ノナノール、1−デカノール、1−ウンデカノール、1−ドデカノール、アリルアルコール、プロパルギルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、1−メチルシクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノール等を挙げることができる。
好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコール、1−ヘキサノール、2−メチル−1−ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、2−エチル−1−ブタノール、シクロヘキサノールであり、より好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコール、tert−ペンチルアルコール、3−メチル−2−ブタノール、ネオペンチルアルコールであり、さらに好ましくは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブチルアルコール、2−メチル−1−ブタノール、イソペンチルアルコールであり、最も好ましくは、エタノールである。
2価のアルコールとしては特に限定されず、例えば、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール等を挙げることができる。好ましくは、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオールであり、最も好ましくは、1,2−エタンジオールである。
3価のアルコールとしては特に限定されず、例えば、グリセリン等を好適に用いることができる。
ケトン類としては特に制限されず、普通炭素数3〜6のものが好適に用いられる。具体例としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン等を挙げることができ、好ましくは、アセトン、メチルエチルケトンであり、最も好ましくは、アセトンである。
また、本発明に関わる一連の検討において、還元型補酵素Q10は融解温度が低いために、工業的規模での製造において結晶の乾燥中に溶融する、或いは、乾燥に時間がかかる等の可能性があり、還元型補酵素Q10の結晶を取得することが必ずしも容易ではないことが分かった。しかしながら、上記の還元型補酵素Q10の油状物に、前記油状物の融解温度未満の温度で、種晶(自結晶)を接触させることにより速やかに好適に固化させうることを見出した。従って、本発明の効果を更に発揮するための態様として、還元型補酵素Q10の油状物に、前記油状物の融解温度未満の温度で、還元型補酵素Q10の種晶を接触させることにより速やかに好適に固化させる還元型補酵素Q10の固化法を挙げることができる。この方法により、試剤、時間のロスを回避できるとともに通常の有機溶媒での晶析で生じるロスを回避し、高収率で好適に還元型補酵素Q10の固形物を得ることができる。
この場合、上記油状物を融解温度未満の温度に下げて望みの形状にし、種晶を接触させることにより固化物を得ることができる。種晶との接触は該油状物の形状をつくる前でも後でも差し支えない。固化温度は、前記油状物の融解温度未満であれば良く、特に制限されないが、通常48℃未満、好ましくは45℃未満、より好ましくは40℃未満である。望ましくは0℃以上である。
上記のようにして得られる還元型補酵素Q10の結晶は、好ましくは、例えば、遠心分離、加圧濾過、減圧濾過等による固液分離、更に、ケーキ洗浄を行い、湿体として採取される。また、更に内部を不活性ガスに置換した減圧乾燥器(真空乾燥器)に湿体を仕込み、減圧下、乾燥し、乾体として取得することができるし、乾体として取得するのが好ましい。
なお、本発明は、脱酸素雰囲気下にて実施することにより、更に、酸化防護効果を高めることができる。脱酸素雰囲気は、不活性ガスによる置換、減圧、沸騰やこれらを組み合わせることにより達成できる。少なくとも、不活性ガスによる置換、即ち、不活性ガス雰囲気を用いるのが好適である。上記不活性ガスとしては、例えば、窒素ガス、ヘリウムガス、アルゴンガス、水素ガス、炭酸ガス等を挙げることができ、好ましくは窒素ガスである。
本発明は、上述の構成よりなるので、工業的規模での作業性、経済性に優れた方法で、高品質の還元型補酵素Q10の油状物、結晶、スラリー又は溶液を簡便且つ効率的に製造することができる。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。また、実施例中の還元型補酵素Q10の純度、還元型補酵素Q10と酸化型補酵素Q10との重量比は下記HPLC分析により求めたが、得られた還元型補酵素Q10の純度は本発明における純度の限界値を規定するものではなく、また、同様に、還元型補酵素Q10と酸化型補酵素Q10との重量比も、その上限値を規定するものではない。
(HPLC分析条件)
カラム:SYMMETRY C18(Waters製)250mm(長さ)4.6mm(内径)、移動相;COH:CHOH=4:3(v:v)、検出波長;210nm、流速;1ml/min、還元型補酵素Q10の保持時間;9.1min、酸化型補酵素Q10の保持時間;13.3min。
(実施例1)
100gの酸化型補酵素Q10(純度99.4%)を攪拌しながら50℃で融解させた。この油状物に、攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m)しながら、還元剤として次亜硫酸ナトリウム(純度75%以上)100gに1000mlの水を加えて溶解させた水溶液を、徐々に添加し、50℃、pH4〜6で還元反応を行った。2時間後、攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m)しながら、2℃まで冷却することにより白色のスラリーを得た。なお、以上すべての操作は窒素雰囲気下で実施した。得られたスラリーを減圧ろ過し、湿結晶を、冷水、冷エタノールで順に洗浄(洗浄に用いた冷溶媒の温度は2℃)して、さらに、湿結晶を減圧乾燥(20〜40℃、1〜30mmHg)することにより、白色の乾燥結晶98gを得た(有姿収率98モル%)。得られた結晶の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.5/0.5、還元型補酵素Q10の純度は99.2%であった。
(実施例2)
100gの酸化型補酵素Q10(純度99.4%)を攪拌しながら50℃で融解させた。この油状物に、攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m)しながら、還元剤として次亜硫酸ナトリウム(純度75%以上)100gに1000mlの水を加えて溶解させた水溶液を、徐々に添加し、50℃、pH4〜6で還元反応を行った。2時間後、油状物を含む反応液より水相を除去し、50℃に加温したエタノールを1400g添加後、攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m)しながら、2℃まで冷却して白色のスラリーを得た。なお、以上すべての操作は窒素雰囲気下で実施した。得られたスラリーを減圧ろ過し、湿結晶を、冷エタノール、冷水、冷エタノールで順に洗浄(洗浄に用いた冷溶媒の温度は2℃)して、さらに、湿結晶を減圧乾燥(20〜40℃、1〜30mmHg)することにより、白色の乾燥結晶95gを得た(有姿収率95モル%)。得られた結晶の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.4/0.6、還元型補酵素Q10の純度は99.2%、であった。
(実施例3)
100gの酸化型補酵素Q10(純度99.4%)を攪拌しながら50℃で融解させた。この油状物に、攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m)しながら、還元剤として次亜硫酸ナトリウム(純度75%以上)100gに1000mlの水を加えて溶解させた水溶液を、徐々に添加し、50℃、pH4〜6で還元反応を行った。油状物を含む反応液から水相を除去し、脱気し50℃に加熱した飽和食塩水1000gで油状物を6回洗浄し、還元型補酵素Q10の油状物を得た。なお、すべての操作は窒素雰囲気下で実施した。この油状物に25℃のエタノールを添加し、還元型補酵素Q10の白色スラリーを得た。得られたスラリーを2℃まで冷却した後、減圧ろ過し、湿結晶を、冷エタノール、冷水、冷エタノールで順に洗浄(洗浄に用いた冷溶媒の温度は2℃)して、さらに、湿結晶を減圧乾燥(20〜40℃、1〜30mmHg)することにより、白色の乾燥結晶95gを得た(有姿収率95モル%)。得られた結晶の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.4/0.6、還元型補酵素Q10の純度は99.2%、であった。
(実施例4)
100gの酸化型補酵素Q10を攪拌しながら48℃で融解させた。この油状物に、攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m)しながら、還元剤として次亜硫酸ナトリウム(純度75%以上)100gに1000mlの水を加えて溶解させた水溶液を、徐々に添加し、50℃、pH4〜6で還元反応を行った。油状物を含む反応液から水相を除去し、脱気し、48℃に加熱した飽和食塩水1000gで油状物を6回洗浄し、還元型補酵素Q10の油状物を得た。なお、すべての操作は窒素雰囲気下で実施した。この油状物にトルエンを添加し、還元型補酵素Q10を含有したトルエン溶液を調整した。なお、このトルエン溶液に含まれる還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.5/0.5であった。
(実施例5)
実施例2で得た還元型補酵素Q10の油状物を自結晶を敷いたプレートの上(40℃)に滴下したところ、油状物は速やかに固化し、半球状の固形物を得ることができた。
(比較例1)
実施例2で得た還元型補酵素Q10の油状物を、自結晶を敷かないプレートの上(40℃)に滴下し、1時間温度を維持したが固化しなかった。
(実施例6)
100gの酸化型補酵素Q10を50℃で融解させた。得られた油状物に、攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m)しながら、還元剤として次亜硫酸ナトリウム(純度75%以上)60gに1000mlの水を加えて溶解させた水溶液を、徐々に添加し、50℃、pH4〜6で還元反応を行った。2時間後、反応液から水相を除去し、還元型補酵素Q10の油状物を得た。得られた油状物の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.3/0.7であった。なお、すべての操作は窒素雰囲気下で実施した。
(実施例7)
100gの酸化型補酵素Q10(純度99.4%)を25℃で1000gのヘプタンに溶解させた。攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m)しながら、還元剤として次亜硫酸ナトリウム(純度75%以上)100gに1000mlの水を加えて溶解させた水溶液を、徐々に添加し、25℃、pH4〜6で還元反応を行った。2時間後、反応液から水相を除去し、脱気した飽和食塩水1000gでヘプタン相を6回水洗した。なお、以上すべての操作は窒素雰囲気下で実施した。このヘプタン溶液から、50℃、減圧下にてヘプタンを留去し、油状物の還元型補酵素Q10を得た。この油状物は容易に攪拌および払い出しが可能であった。この油状物の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.5/0.5であった。また、ヘプタン残量は1.3%であり、ヘプタンを除いた還元型補酵素Q10の純度は99.2%であった。
(比較例2)
実施例7と同様にして、還元型補酵素Q10のヘプタン溶液を得た。このヘプタン溶液から30℃、減圧下にてヘプタンを留去した。還元型補酵素Q10は容器壁面に固着し、払い出しが困難であった。
(実施例8)
実施例7と同様して、還元型補酵素Q10のヘプタン溶液を得た。このヘプタン溶液から48℃、減圧下にてヘプタンを留去し、油状物の還元型補酵素Q10を得た。1000gのテトラヒドロフランを添加することにより、還元型補酵素Q10のテトラヒドロフラン溶液を得た。なお、溶液中の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.5/0.5であった。
(実施例9)
100gの酸化型補酵素Q10(純度99.4%)を25℃で1000gのヘキサンに溶解させた。攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m)しながら、還元剤として次亜硫酸ナトリウム(純度75%以上)100gに1000mlの水を加えて溶解させた水溶液を、徐々に添加し、25℃、pH4〜6で還元反応を行った。2時間後、反応液から水相を除去し、脱気した飽和食塩水1000gでヘキサン相を6回水洗した。なお、以上すべての操作は窒素雰囲気下で実施した。このヘキサン溶液から50℃、減圧下にてヘキサンを留去し、油状物の還元型補酵素Q10を得た。この油状物に50℃のエタノールを1000g添加することにより、還元型補酵素Q10のエタノール溶液を得た。なお、溶液中の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.4/0.6であった。
(実施例10)
100gの酸化型補酵素Q10(純度99.4%)を25℃で1000gのヘキサンに溶解させた。攪拌(攪拌所要動力0.3kW/m)しながら、還元剤として次亜硫酸ナトリウム(純度75%以上)100gに1000mlの水を加えて溶解させた水溶液を、徐々に添加し、25℃、pH4〜6で還元反応を行った。2時間後、反応液から水相を除去し、脱気した飽和食塩水1000gでヘキサン相を6回水洗した。なお、以上すべての操作は窒素雰囲気下で実施した。このヘキサン溶液から50℃、減圧下にてヘキサンを留去し、油状物の還元型補酵素Q10を得た。この油状物に25℃のエタノール1000gをゆっくりと添加することにより、還元型補酵素Q10の白色のスラリーを得た。得られたスラリーを2℃まで冷却した後、減圧ろ過し、湿結晶を冷エタノール、冷水、冷エタノールで順に洗浄(洗浄に用いた冷溶媒の温度は2℃)して、さらに、湿結晶を減圧乾燥(20〜40℃、1〜30mmHg)することにより、白色の乾燥結晶95gを得た(有姿収率95モル%)。得られた結晶の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.3/0.7であり、還元型補酵素Q10の純度は99.0%であった。
(実施例11)
還元剤として、次亜硫酸ナトリウムの代わりに亜鉛粉末15gおよび2.9N硫酸1100gを使用する以外は、実施例7と同様に還元、濃縮を行った。得られた油状物の還元型補酵素Q10は、容易に攪拌および払い出しが可能であった。なお、この油状物の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.4/0.6であった。また、ヘプタン残量は1.9%であり、ヘプタンを除いた還元型補酵素Q10の純度は99.1%であった。
(実施例12)
1000gのエタノール中に、100gの酸化型補酵素Q10(純度99.4%)、60gのL−アスコルビン酸を加え、50℃にて攪拌し、還元反応を行った。24時間後、反応液を50℃まで冷却し、同温度で、減圧下、エタノールを留去し、油状物の還元型補酵素Q10を得た。この油状物を48℃の1000gの脱気した飽和食塩水で6回水洗した後、1000gのアセトンを添加することにより、還元型補酵素Q10のアセトン溶液を得た。溶液中の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.5/0.5であった。
(実施例13)
実施例7で得た還元型補酵素Q10の油状物を、自結晶を敷いたプレートの上(40℃)に滴下したところ、油状物は速やかに固化し、半球状の固形物を得ることができた。
(比較例3)
実施例7で得た還元型補酵素Q10の油状物を、自結晶を敷かないプレートの上(40℃)に滴下し、1時間温度を維持したが固化しなかった。
(参考例1)
表1に示す各種溶媒20gに1gの還元型補酵素Q10(還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.6/0.4)を、25℃下で溶解した。大気中、25℃で24時間の攪拌後、液中の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比を測定した結果を表1に示す。
Figure 2009007335
(参考例2)
表2に示す各種溶媒100gに1gの還元型補酵素Q10(還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比は99.6/0.4)を、35℃下で溶解した。大気中、35℃で24時間の攪拌後、液中の還元型補酵素Q10/酸化型補酵素Q10の重量比を測定した結果を表2に示す。
Figure 2009007335
本発明は、上述の構成よりなるので、工業的規模での作業性、経済性に優れた方法で、高品質の還元型補酵素Q10の油状物、結晶、スラリー又は溶液を簡便且つ効率的に製造することができる。

Claims (15)

  1. 還元型補酵素Q10を含有する有機相から、還元型補酵素Q10の融解温度以上の温度で有機溶媒を留去することにより、還元型補酵素Q10の油状物を取得することを特徴とする、還元型補酵素Q10の取得方法。
  2. 有機相中の還元型補酵素Q10の純度が、80重量%以上である請求項1記載の取得方法。
  3. 有機溶媒の留去を40℃以上で行う請求項1又は2記載の取得方法。
  4. 取得した還元型補酵素Q10の油状物に溶媒を加えて、還元型補酵素Q10の溶液又はスラリーを得る請求項1〜3のいずれかに記載の取得方法。
  5. 添加する溶媒が、留去される有機溶媒よりも沸点が低いものである請求項4記載の取得方法。
  6. 添加する溶媒が、留去される有機溶媒と共沸混合物を形成するものである請求項4記載の取得方法。
  7. 添加する溶媒が、難揮発成分を含有するものである請求項4記載の取得方法。
  8. 還元型補酵素Q10を含有する有機相は、還元剤を用いて酸化型補酵素Q10を含有する有機相を還元して得られたものである請求項1〜7のいずれかに記載の取得方法。
  9. 還元剤は次亜硫酸類又はアスコルビン酸類である請求項8記載の取得方法。
  10. 添加する溶媒が、留去される有機溶媒よりも、還元型補酵素Q10を酸化から防護する作用が低いものである請求項4記載の取得方法。
  11. 留去される有機溶媒が、炭化水素類、脂肪酸エステル類、エーテル類、及び、ニトリル類からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1〜10のいずれかに記載の取得方法。
  12. 添加する溶媒がアルコール類である請求項4〜11のいずれかに記載の取得方法。
  13. 添加する溶媒がケトン類である請求項4〜11のいずれかに記載の取得方法。
  14. 取得した還元型補酵素Q10の油状物を、前記油状物の融解温度未満の温度で還元型補酵素Q10の種晶と接触させることにより、前記油状物を固化させ、還元型補酵素Q10の固形物を得る請求項1〜3のいずれかに記載の取得方法。
  15. 脱酸素雰囲気下に実施する請求項1〜14のいずれかに記載の取得方法。
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